JP2000037993A - 曲面転写方法 - Google Patents

曲面転写方法

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JP2000037993A
JP2000037993A JP10208806A JP20880698A JP2000037993A JP 2000037993 A JP2000037993 A JP 2000037993A JP 10208806 A JP10208806 A JP 10208806A JP 20880698 A JP20880698 A JP 20880698A JP 2000037993 A JP2000037993 A JP 2000037993A
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Haruo Ono
晴男 大野
Haruo Miyashita
治雄 宮下
Hirohisa Yoshikawa
浩久 吉川
Takashi Iizuka
孝志 飯塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝突圧利用の曲面転写方法にて、転写シート
に衝突後、飛散した固体粒子が転写シート上に堆積して
次の固体粒子衝突の邪魔になるのを防ぐ。 【解決手段】 被転写基材Bの凹凸表面側に、支持体と
転写層からなる転写シートSの転写層側を対向させ、固
体粒子Pを転写シートの支持体側に衝突させ、その衝突
圧で転写シートを被転写基材に圧接後、支持体を剥離す
る際に、固体粒子を被転写基材の移動方向4に進む方向
に飛ばし、被転写基材の凹凸表面が成す包絡面の法線N
に対して斜めに転写シートに衝突させ、衝突後、飛散し
た固体粒子による堆積固体粒子が、衝突圧印加方向5の
転写シート上に出来るのを抑制しながら転写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等に用いる凹凸装飾面を有する化
粧材等の転写物を製造する為の曲面転写法に関する。特
に、固体粒子を転写シートに衝突させその衝突圧を転写
圧として転写シートに与える際に、転写シートに衝突
後、跳ね返った固体粒子がこれから衝突圧を与える部分
の転写シート上に堆積して、固体粒子衝突の邪魔になら
ない様にする、固体粒子の衝突方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基材面に直刷り法、ラミネート
法、転写法等により絵柄等の装飾を施した化粧板等が種
々の用途で使用されている。この場合、装飾面が平面な
らば、絵柄装飾は容易にできるが、凹凸表面に対しては
格別の工夫を行っている。例えば、表面凹凸がエンボス
形状等の三次元的凹凸(すなわち、半球面の様に2方向
に曲率を有する形状)の場合に適用できる曲面転写方法
が、特開平5−139097号公報に提案されている。
すなわち、同号公報は、ローラ転写法の一種であり、転
写シートの支持体として熱可塑性樹脂フィルムを用い、
該支持体上に剥離層、絵柄層、及び接着剤層を順次設け
た構成の転写シートを、凹凸表面を有する被転写基材上
に設置し、支持体の裏面からゴム硬度60°以下のゴム
製の熱ローラで押圧して、絵柄を転写して化粧板とす
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様なローラ転写法による従来方法では、基本的に回転す
る熱ローラのゴムによる弾性変形を利用して、転写シー
トを表面凹凸に追従させる為に、浅いエンボス形状等は
良いとしても、大きな表面凹凸には適用できず、転写シ
ートの凹凸追従性が悪い。また、転写速度も上げられず
生産性も悪い。その上、被転写基材の凹凸の隅角部によ
って軟質のゴムローラが損耗し易い。また、全体として
平板状の基材に限定されるといった問題があった。
【0004】この様なこともあって、本出願人は、既に
特開平9−315095号公報に開示された如く、転写
圧として固体粒子衝突圧を利用した曲面転写方法を提案
した。すなわち、凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表
面側に、支持体と転写層とからなる転写シートの転写層
側を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を衝
突させ、その衝突圧を利用して、被転写基材の凹凸表面
への転写シートの圧接を行い、転写層が被転写基材に接
着後、転写シートの支持体を剥離除去することで、転写
層を被転写基材に転写する転写方法である。
【0005】ところが、上記固体粒子衝突圧を利用する
曲面転写方法は、従来の曲面転写方法では不可能であっ
た深い表面凹凸形状等にも適用できる極めて優れた転写
法であるが、転写シートに衝突させた固体粒子がそこで
跳ね返った後、周囲の転写シート上に落下し堆積する
と、特に堆積した場所がこれから衝突圧を与える部分で
あると、固体粒子の運動エネルギーを衝突圧として転写
圧に利用する利用効率が低下する事があった。
【0006】そこで、本発明の課題は、大きな三次元的
凹凸表面にも転写できる、固体粒子衝突圧を利用した曲
面転写方法において、固体粒子を転写シートに衝突させ
た後、跳ね返った固体粒子がこれから衝突圧を与える部
分の転写シート上に堆積して、固体粒子衝突の邪魔にな
らない様にして、効率的に固体粒子衝突圧を利用できる
様にする事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の曲面転写方法では、先ず、支持体と転
写層とからなる転写シートを被転写基材へ押圧して圧接
する手段としては、転写シートの支持体側に固体粒子を
衝突させた時の衝突圧を利用する。すなわち、凹凸表面
を有する被転写基材の凹凸表面側に、支持体と転写層と
からなる転写シートの転写層側を対向させ、該転写シー
トの支持体側に固体粒子を衝突させ、その衝突圧を利用
して、被転写基材の凹凸表面への転写シートの圧接を行
い、転写層が被転写基材に接着後、転写シートの支持体
を剥離除去することで、転写層を被転写基材に転写す
る。しかもこの際、本発明では、例えば、固体粒子を噴
出する噴出器は位置固定で、被転写基材及び転写シート
とを一体的に搬送する等して、被転写基材及び転写シー
トと噴出器とを相対的に移動させる事で、転写シートを
被転写基材に圧接して行く場合に、噴出器を基準とした
被転写基材及び転写シートの移動方向に平行な方向に於
いては、該平行な方向に進む固体粒子のうちの少なくと
も主たる固体粒子を、前記移動方向に進む様に飛ばし
て、被転写基材の凹凸表面が成す包絡面の法線に対して
斜めに転写シートに衝突させる事で、転写シートに衝突
し跳ね返った固体粒子が、固体粒子をこれから衝突させ
る部分の転写シート上に堆積するのを抑制しながら、固
体粒子を転写シートに衝突させて行く様にした。
【0008】その結果、転写シートに衝突し跳ね返った
固体粒子が、転写シート上に落下し堆積したとしても、
固体粒子が堆積する転写シート部分は、噴出器を基準と
した被転写基材及び転写シートの移動方向と同一方向
で、既に固体粒子を衝突させた後の部分であり、その固
体粒子を噴出した噴出器による固体粒子がこれから衝突
する部分では無いので、固体粒子衝突の邪魔にならず、
固体粒子の運動エネルギーを効率的に衝突圧として転写
圧に利用する事ができる。
【0009】また、本発明の曲面転写方法の第2の方法
は、上記方法に於いて、更に転写シートの同一箇所に複
数の噴出器からの固体粒子を時間差を持って衝突させる
場合の方法である。すなわち、複数の噴出器を、被転写
基材及び転写シートの前記移動方向に配列し、該該噴出
器からの各々の固体粒子を、転写シートの同一箇所に時
間差を持って衝突させる場合に、前記噴出器間の被転写
基材及び転写シートと噴出器との相対移動を妨げない位
置に遮蔽板を設け、更に該遮蔽板方向に進む固体粒子を
噴出する噴出器側の該遮蔽板下部の転写シート上の空間
に受け皿を設ける事で、遮蔽板で転写シートに衝突し跳
ね返った固体粒子が次の噴出器部分にまで飛散するのを
遮蔽し、受け皿で該遮蔽板で遮蔽された固体粒子が次の
噴出器からの固体粒子が衝突する部分の転写シート上に
落下し堆積するのを防いで、固体粒子を転写シートに衝
突させて行く様にした。その結果、遮蔽板及び受け皿に
より、先の噴出器からの固体粒子が、噴出器を基準とし
た被転写基材及び転写シートの移動方向と同一方向の転
写シート上に堆積せず、次の噴出器からの固体粒子の衝
突を邪魔しない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面転写方法につ
いて、実施の形態を説明する。
【0011】〔概要〕図1は、本発明をその一形態で概
念的に説明する概念図である。すなわち、同図では包絡
面形状が平面となる平板状の被転写基材B(概念図の図
1では表面凹凸の図示は省略してある)は、その被転写
面である凹凸表面を水平且つ上方に向けて、基材搬送手
段である基材搬送装置1により、図面右から左に水平に
搬送する。基材搬送装置は例えば駆動ローラ列、コンベ
アベルト等からなる。また、転写シートSは、被転写基
材Bと噴出器2との間に位置させ且つ転写層側を下方に
位置する被転写基材の凹凸表面側に対向する様に、供給
する。同図に示す形態例では、転写シートSは、表面に
ゴムを被覆する等した弾性体ローラ等による仮固定ロー
ラ3をシート供給手段として、被転写基材Bに軽く押圧
して仮固定して、その状態で、転写シートは基材搬送装
置で搬送される被転写基材と共に一体となって供給す
る。
【0012】固体粒子を噴出する固体粒子噴出手段であ
る噴出器2は、同図に示す形態では位置固定としてあ
る。そして、被転写基材B及び転写シートSとを移動方
向4の方向に搬送する事で、被転写基材B及び転写シー
トSと噴出器2とを相対的に移動させる。なお、被転写
基材及び転写シートと噴出器とは相対的に移動させれば
良いのであり、被転写基材及び転写シートは位置固定で
噴出器を移動させたり、或いは、被転写基材及び転写シ
ートと、噴出器との両方を(通常は逆方向に)移動させ
ても良い。
【0013】そして、噴出器2から噴出させた多数の固
体粒子Pは、被転写基材Bの凹凸表面側に転写層側を対
向させた状態の転写シートSに向かって飛んで行き、転
写シートの支持体側に衝突する。図中、符号Pを付けた
点線矢印が、多数の固体粒子Pが噴出器2から被転写基
材Bに対向させた転写シートSに向かって進む様子を概
念的に表す。なお、通常は、固体粒子は噴出器から或る
程度の広がりで噴出するが、固体粒子Pを表す点線矢印
の方向は、噴出器から噴出する固体粒子のビーム強度の
ピーク方向、すなわち、噴出器から各方向に向かって固
体粒子が進行するとしたときに、進行方向に垂直な単位
面積を単位時間に通過する固体粒子数(これを「ビーム
強度」と呼ぶことにする)が最大となる進行方向を表
し、またこの方向で噴出器2から噴出される固体粒子を
代表させてある。なお、同図では固体粒子Pは噴出器2
から直接に転写シートに向かって噴出し飛んで行くが、
噴出器から噴出後の一部又は全部の固体粒子を反射板や
ガイド板等で意図的に反射させて、転写シートに向かっ
て飛んで行く様にしても良い。そして本発明では、少な
くとも前記主たる固体粒子の進む方向は、移動方向4と
同一方向とする。主たるとは過半数の意味である。な
お、噴出器から広がって噴出した固体粒子のうち、移動
方向4に平行な方向に進む固体粒子のうちの主では無い
固体粒子が、前記移動方向4とは逆方向に進んでも構わ
ないが、より好ましい結果を得るには、移動方向4に平
行な方向に進む固体粒子は全て移動方向4に進む様に飛
ばせるのが良い。また、固体粒子が移動方向4に進むと
は、或る方向に飛ぶ固体粒子の速度ベクトルが移動方向
4のベクトル成分を持つ事を意味するが、該速度ベクト
ルは、固体粒子が噴出器から転写シートに近づく為に図
面上から下に進むベクトル成分も合わせ持つ。また、固
体粒子の進む方向は、移動方向4の直交方向(被転写基
材の幅方向)では問わない。例えば、噴出器2から転写
シートSに衝突するまでの間に、固体粒子Pは図面上か
ら下に進みつつ、図面右から左の移動方向4の方向に進
むが、更に被転写基材の幅方向の位置はそのままで(こ
の場合幅方向に於いては垂直衝突となる)、或いは被転
写基材の幅方向では図面手前から奥、又はこの逆に進ん
でも良い。
【0014】そして、噴出器2を被転写基材Bの凹凸表
面の包絡面の法線Nから図1の向きに角度θだけ傾ける
等して、固体粒子Pを移動方向4に進む様に飛ばせる。
その結果、被転写基材Bの凹凸表面の包絡面に対して、
固体粒子のビーム強度のピーク方向に進行する固体粒子
Pは垂直衝突せずに、衝突角度θ(垂直衝突ではθ=0
度)で斜め衝突する。固体粒子のビーム強度の角度分布
が、該ビーム強度のピーク方向に対して対照であれば、
主たる固体粒子は、前記移動方向に進行することにな
る。なお、衝突角度θは大き過ぎても、被転写基材の凹
凸表面の包絡面に対して水平気味に衝突する事になり、
固体粒子の運動エネルギーを衝突圧として効率的に利用
できない。かと言って、θ=0度では、全く効果が得ら
れない。従って、被転写基材の表面凹凸形状、噴出器の
形式等にもよるが、衝突角度θは、例えば5〜15度程
度とすると良い。なお、噴出器から噴出した固体粒子で
得られる衝突圧印加領域(詳細は後述する)は、衝突圧
印加方向5の方向に移動する。衝突圧を与えて行く方向
を基準とした時に、衝突圧印加方向5が前方、噴出器を
基準とした被転写基材及び転写シートの移動方向4が後
方である。
【0015】次に図2は、転写シートに衝突し跳ね返り
飛散した固体粒子が、転写シート上に堆積する様子を示
す概念図である。図2(A)の様に、単に固体粒子Pを
垂直衝突させる場合では、噴出器2の直下部分となる固
体粒子の衝突部分(衝突圧印加領域)に対して、転写シ
ート上の前方及び後方の両方に、飛散した固体粒子が落
下し堆積固体粒子6が発生する。しかし、図2(B)に
示す本発明が採用する固体粒子の衝突方法によれば、固
体粒子Pは、少なくともその過半数が噴出器2を基準と
した被転写基材B及び転写シートSの移動方向4に進む
様に飛ばす為に、転写シートSの後方には堆積固体粒子
6が発生するが、これから固体粒子を衝突させるべき部
分である転写シートSの前方には固体粒子は堆積しない
か、或いは堆積しても図2(A)の場合よりも大幅に減
る。従って、堆積固体粒子によって固体粒子の運動エネ
ルギーが吸収され事無く、該運動エネルギーを効率的に
衝突圧として転写圧に利用する事が可能となる。
【0016】以上の様にしても、噴出器を(噴出器を基
準とした)転写シート及び被転写基材の移動方向に複数
個配列し、転写シートの同一箇所に複数の噴出器からの
固体粒子を時間差を持って順次衝突させる場合には、先
の噴出器からの固体粒子による堆積固体粒子が、次の噴
出器からの固体粒子の衝突の邪魔となる。図3は、図1
に対して更に噴出器を、先の噴出器の後方に追加した場
合を示す概念図である。すなわち、図3の如く、転写シ
ートSの同一箇所に最初は噴出器2aからの固体粒子を
衝突させ、次に噴出器2bからの固体粒子を衝突させる
場合には、先の噴出器2aからの固体粒子Pによる堆積
固体粒子6が、次の噴出器2bからの固体粒子Pの衝突
の邪魔となってしまう。そこで、この様に使い方で複数
の噴出器を使用する場合には、本発明の第2の方法とし
て、図4に示す如く、遮蔽板7と受け皿8を使用して、
転写シート上に衝突圧印加後の固体粒子が再度落下する
のを防いで堆積固体粒子の発生を抑制すると良い。遮蔽
板7及び受け皿8が、固体粒子堆積抑制手段となる。こ
の様にして、2回目の衝突圧印加前に、1回目の衝突圧
印加で用いた固体粒子をより多く回収し、2回目の衝突
圧印加をより効果的で行える様になる。
【0017】遮蔽板7及び受け皿8は、図4に例示の如
く、噴出器2aと2b間に設け、被転写基材B及び転写
シートSと噴出器2aと2bとの相対移動を妨げない位
置に設ける。ここでの例示は、噴出器2a及び2bは位
置固定なので、遮蔽板7及び受け皿8は、被転写基材B
及び転写シートの搬送を妨げない位置に設ける。遮蔽板
7及び受け皿8は、通常は転写シートに接触しない位置
とするが、搬送に支障なければ、これらは転写シートに
接触しても良い。
【0018】遮蔽板7は、転写シートに衝突し跳ね返っ
たり等した固体粒子が次の噴出器の衝突圧印加領域に飛
び込むのを遮蔽する為である。飛び込んだ固体粒子は、
次の固体粒子に衝突して次の固体粒子が転写シートへ衝
突するのを妨げ、衝突圧を低下させる事もある。特に、
本発明では固体粒子を斜めに飛ばすので、それが次の噴
出器の固体粒子と干渉しない様にする事も大事である。
遮蔽板は、固体粒子を遮蔽できれば良く、材料及び形状
には特に限定は無く、例えば金属、プラスチック、織布
等の材料を用い、形状は板状とする。金属等の剛体で
は、固体粒子衝突面をゴムシートで被覆して固体粒子の
跳ね返りを弱くして、受け皿に落ち易くしても良い。遮
蔽板の大きさは、固体粒子の飛散度合いに応じて適宜サ
イズとすれば良く、例えば図4にて幅方向は被転写基材
幅以上とし、高さ方向は噴出器の位置までとすれば良
い。なお、図13の如く衝突圧をチャンバ内で印加する
場合は、噴出器間に設ける遮蔽板をチャンバを構成する
隔離壁と兼用して、各噴出器を各々独立のチャンバで区
画しても良い。また、図14に遮蔽板の好ましい形状の
一例を示す。図14(A)は斜視図、図14(B)は上
からみた平面図である。同図の遮蔽板7は、平面視で中
央が噴出器に近いV字形とすることで、遮蔽板7で反射
した固体粒子Pを左右に振り分け、なるべく転写シート
Sの幅方向両端の外側に落下させる様にしたものである
る。なお、噴出器2から転写シートに向かって一点鎖線
で描いた略三角形の形状は、噴出器2から転写シートに
進む固体粒子の広がり具合を概念的に示す。そして、遮
蔽板7で左右に振り分けられた固体粒子が、固体粒子衝
突空間を周囲と隔離するチャンバの内壁に衝突し、再度
転写シート上に落下するならば、その部分のチャンバ内
壁にはゴムシートを被覆して反射を防いでも良い。
【0019】そして図4や図14等で例示した遮蔽板7
以外に、更に、受け皿8を、遮蔽板7で遮蔽された固体
粒子が転写シート上に落下しない様に、遮蔽板7の下部
に設ける。受け皿8は、遮蔽板7に対して前方側、つま
り更該遮蔽板方向に進む固体粒子を噴出する噴出器2a
側に設ける。受け皿8は、好ましくは図4の如く遮蔽板
7と接触させて、それらの隙間から固体粒子が漏れ落ち
無い様にする事が好ましい。なお、受け皿を遮蔽板に接
触させるには、これらを一体構造としても良い。受け皿
は、固体粒子を転写シート上に落下させずに受け止めら
れれば良く、材料及び形状には特に限定は無く、例えば
金属、プラスチック、織布等の材料を用い、形状は例え
ば図4の如く、被転写基材の幅方向に伸びる平面底面の
断面視凹形状の板状とすると良い。
【0020】なお、受け皿に堆積した固体粒子は、スク
リューコンベアを受け皿底部に通したり、受け皿上に平
ベルトのベルトコンベアを通したりして、連続的に排出
する固体粒子排出手段を備える事が好ましい。或いは、
この様な固体粒子排出手段としては、受け皿を斜面にし
て、受け皿を電動式や磁歪式等の振動手段で振動させ
て、被転写基材の両端又は片端で受け皿から落下させて
も良い。この様な、固体粒子排出手段を備えた受け皿と
すれば、該受け皿は前記遮蔽板と共に、使用後の固体粒
子を回収し再利用する為の固体粒子回収手段ともなる。
【0021】なお、図4ては、噴出器は移動方向4の方
向に2器を連ねた場合で説明したが、噴出器を3以上連
ねる場合は、そのうちの少なくとも前後となる2器の間
には、遮蔽板及び受け皿を設け、より好ましくは前後と
なる噴出器間の全てに遮蔽板及び受け皿を設ける。これ
らの結果、連続的に安定な固体粒子衝突圧による転写が
可能となる。また、噴出器は、被転写基材の移動方向4
の直交方向に配列させて複数使用しても良い。一つの噴
出器では被転写基材の全幅をカバー出来ない場合等であ
る。但し、この様に噴出器を複数使用する場合は、これ
ら噴出器によって、転写シートの同一箇所に時間差を持
って衝突させる場合では無いので、上記した目的での衝
突角度θを設ける必要は無く、また遮蔽板及び受け皿も
設ける必要は無い。
【0022】そして以上の様にして、固体粒子の衝突圧
で転写シートを被転写基材に圧接し、転写シートの転写
層が被転写基材に接着した後、手作業或いは剥離ローラ
等によって、転写シートの支持体を剥離除去すれば、転
写層が被転写基材の凹凸表面に転写された化粧材等の転
写物が得られる事になる。
【0023】以下、さらに本発明を詳述する。
【0024】〔被転写基材〕先ず、本発明における被転
写基材は、被転写面が凹凸表面であり、特にその凹凸が
深い凹凸の被転写基材が好適である。凹凸表面を構成す
る各面は、平面のみから、曲面のみから、或いは平面と
曲面の組み合わせと任意である。従って、本発明の被転
写基材上の曲面とは、断面が下駄の歯形の様に複数の平
面のみから構成される曲面を持たない凹凸面も意味す
る。また、本発明でいう曲率とは、立方体の辺或いは頂
点の周辺の様に角張っている曲率無限大(曲率半径=
0)の場合も包含する。
【0025】また、大柄な凹凸に重畳して微細な凹凸を
有する凹凸表面の被転写基材、或いは凹凸表面の凹部底
部や凹部内側面に転写すべき面を有する被転写基材も可
能である。前記大柄な凹凸と微細な凹凸とは、例えば図
12の要部拡大斜視図に示す如く、被転写基材の凹凸が
大柄な凹部(溝状凹部)401と大柄な凸部(平坦状凸
部)402とからなる大柄な凹凸とその大柄な凸部40
2上にある微細な凹凸403とからなるもので、大柄の
凹凸形状は段差が1〜10mm、凹部の幅が1〜10m
m、凸部の幅が5mm以上のもので構成されるものであ
り、微細な凹凸形状は、段差及び幅ともに大柄な凹凸形
状よりも小さく、具体的には段差が0.1〜5mm程
度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1mm以上で、大柄な
凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度である。大柄な凹
凸と微細な凹凸との組み合わせの凹凸から成り、且つ三
次元的な表面凹凸を持つ化粧材の凹凸模様の具体例とし
ては、例えば、大柄な凹凸として目地、溝等を有するタ
イル、煉瓦、石等の二次元配列模様を有し、その上に微
細な凹凸としてスタッコ調、リシン調等の吹き付け塗装
面の凹凸模様、花崗岩の劈開面やトラバーチン大理石板
等の石材表面の凹凸等を有する石目調凹凸模様を有する
もの、或いは大柄な凹凸模様として目地、溝、簓、サネ
(実)等を有する羽目板模様、浮造木目板模様を有し、
その上に微細凹凸として導管溝、浮出した年輪、ヘアラ
イン等を有する木目調の凹凸模様を有するものが挙げら
れる。
【0026】被転写基材の材質には特に限定は無い。例
えば、無機系、金属系、木質系、プラスチック系等の基
材を使用できる。具体的には、ケイ酸カルシウム、押し
出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コン
クリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パ
ルプセメント等の非陶磁器窯業系材料、杉、檜、樫、ラ
ワン、チーク等の各種樹種からなる木材単板や木材合
板、パーティクルボード、集成材、木質中密度繊維板
(MDF)等の木質材料、また、鉄、アルミニウム、銅
等の金属材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯
等のセラミックス等の無機質材料、ポリプロピレン、A
BS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料等である。ま
た、被転写基材の形状は、平板や屈曲した板、柱状物、
成形品等の立体物等と任意である。例えば、被転写基材
は全体として(包絡面形状が)平板状の板材の他、断面
が円弧状に凸又は凹に1方向に湾曲した二次元的凹凸を
有する基材等でも良い。なお、被転写基材表面を所望の
凹凸とするには、プレス加工、エンボス加工、押し出し
加工、切削加工、成形加工等によれば良い。
【0027】また、これらの被転写基材表面には、予
め、接着剤との接着を補助する為の易接着プライマー、
被転写基材がアルカリ性基材の場合にアルカリの滲出を
防止するシーラー剤、或いは表面の微凹凸や多孔質を目
止めし封じる目止剤を塗工しておいても良い。易接着プ
ライマー、シーラー剤、或いは目止剤としては、イソシ
アネート、2液硬化ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の樹脂を塗工し形成する。
【0028】〔転写シート〕転写シートは支持体と転写
移行する転写層とからなる。転写層は通常は少なくとも
装飾層から構成される。また、接着剤を、転写層の一部
となる接着剤層として、転写シートに施しておいても良
い。また、転写シートには、被転写基材表面と転写シー
トとの間に抱き込まれて残留する空気を抜き易くする為
に、必要に応じて転写シート全面に転写シート全層を貫
通する小孔を多数穿設しても良い。小孔の直径は0.1
〜0.5mm程度、小孔の数密度(面密度)は1〜10
0個/cm2 程度である。
【0029】(支持体)上記支持体には、被転写基材が
二次元的凹凸表面であれば、延伸性が無い紙等も可能だ
が、本発明が真価を発揮する三次元的凹凸表面に適用す
る為には、少なくとも転写時には延伸性の有る支持体を
用いる。延伸性により固体粒子の衝突圧印加時に、被転
写基材表面の凹部内部まで転写シートを追従させて密着
し転写することができる。転写シート全体の延伸性は、
主に支持体の延伸性に支配される。従って、支持体に
は、従来公知の熱可塑性樹脂フィルムの他に、常温でも
延伸するゴム膜も使用できる。熱可塑性樹脂フィルムの
場合、その支持体を用いた転写シートは、装飾層等の転
写層形成時には延伸性が殆どなく、転写時には、加熱に
より充分な延伸性を発現し、且つ冷却後は変形した形状
を保持し続け、弾性による形状の復元を生じない転写シ
ートとして、従来公知の通常の転写シート同様に容易
に、本発明で用い得る転写シートに適用出来る。
【0030】支持体の具体例としては、延伸性の点で、
従来多用されている2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムでも、表面凹凸形状次第で、加熱条件、衝突
圧条件等の設定によって、表面凹凸に転写シートを追従
させる為に必要充分な延伸性が得られる事もある。た
だ、より低温・低圧で延伸性が発現し易い好ましい支持
体としては、例えば、エチレン・テレフタレート・イソ
フタレート共重合体ポリエステル、ポリブチレンテレフ
タレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン3元
共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリ
オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ア
クリル樹脂、ポリアミド樹脂、或いは天然ゴム、合成ゴ
ム、ウレタン系熱可塑性エラストマー等を単体又は混合
物で、単層又は異種の複層とした樹脂フィルム(シー
ト)を用いることができる。これら樹脂フィルムは低延
伸又は無延伸の物が好ましい。例えば、具体的にはポリ
プロピレン系熱可塑性エラストマーフィルムは、延伸特
性に優れ且つ廃棄燃焼時に塩酸ガスを発生せず環境対策
的にも好ましい支持体の一つである。支持体の厚さは、
通常20〜200μmである。
【0031】なお、支持体には必要に応じ、転写層側に
転写層との剥離性を向上させる為、支持体の構成要素と
して離型層を設けても良い。この離型層は支持体を剥離
時に、支持体の一部として転写層から剥離除去される。
離型層としては、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹
脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ワックス等の単体又はこれらを含む混合物が用いら
れる。なお、ワックス単体の場合には、離型層は一部又
は全部が、転写層側に残る事もある。また、剥離性の調
整の為に、支持体の転写層側の面にコロナ放電処理、オ
ゾン処理等を行っても良い。
【0032】また、支持体には、転写層側の面に凹凸模
様を設ければ、転写後の転写層表面に砂目、梨地、木目
等の凹凸模様を賦形できる。凹凸模様は、例えば被転写
基材の大柄な凸部402上(図12参照)に元々凹凸が
無く平面的な場合等に効果的である。凹凸模様は、エン
ボス加工、サンドブラスト加工、賦形層(離型層)によ
る盛り上げ印刷加工等の公知の方法で形成する。
【0033】(転写層)転写層は通常は少なくとも装飾
層から構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も転写層
の構成要素とすることもある。接着剤層を有する構成で
は、転写の際に転写シート又は被転写基材の片方又は両
方に接着剤を施すことを省略できる。装飾層はグラビア
印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来
公知の方法、材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニ
ウム、クロム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用い
て部分的或いは全面に形成した金属薄膜層等であり、用
途に合わせたものを用いる。絵柄としては、被転写基材
の表面凹凸に合わせて、木目模様、石目模様、布目模
様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何
学模様、全面ベタ等を用いる。なお、絵柄層用インキ
は、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着
色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バインダ
ーには、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、フッ素樹脂等の単体又はこれらを含む混合物を
用いる。着色剤の顔料としては、チタン白、カーボンブ
ラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラ
ック、キナクリドン、イソインドリノン、フタロシアニ
ンブルー等の有機顔料を用いる。
【0034】また、剥離層を、支持体乃至は離型層と装
飾層との間の剥離性を調整する為、また、転写後の装飾
層の表面保護の為等に、これら層間に設けるのは、従来
公知の転写シートと同様である。剥離層には、例えば、
上記絵柄層用インキのバインダーに用いる樹脂等が用い
られる。なお、この剥離層は転写時に装飾層と共に被転
写基材側に転写され、装飾層の表面を被覆する。
【0035】〔接着剤〕接着剤は、転写シートの転写層
を構成する接着剤層としてや、被転写基材上の接着剤層
として、事前又は転写の直前に、インライン塗工やオフ
ライン塗工で施す。被転写基材に施す場合には、転写シ
ート転写層の接着剤層を省略できる。用いる接着剤は用
途や物性等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、感熱
型接着剤、湿気硬化型感熱溶融型接着剤、ホットメルト
接着剤、湿気硬化型ホットメルト接着剤、2液硬化型接
着剤、電離放射線硬化型接着剤、水性接着剤、或いは粘
着剤による感圧型接着剤等が挙げられる。感熱型接着剤
としては、熱可塑性樹脂を用いた熱融着型と、熱硬化性
樹脂を用いた熱硬化型とがある。また、接着剤は溶剤希
釈又は無溶剤、或いは常温で液体又は固体のいずれでも
良く、適宜使い分ける。また、粘着性を呈する感圧型の
粘着剤以外の接着剤では、接着剤層の単層のみで転写層
とすることができる。接着剤層中に顔料等の着色剤を添
加すれば、全面ベタのインク層からなる装飾層ともいえ
る。
【0036】例えば感熱溶融型接着剤には、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル
樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹
脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮重合により得
られるポリアミド樹脂等が用いられる。また、熱硬化型
接着剤には、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂、熱硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が
用いられる。
【0037】接着剤は、グラビアロールコート、ロール
コート、スプレーコート、フローコート等の従来公知の
溶液塗工手段により転写シートとなるシートや被転写基
材に施す。被転写基材にはホットメルト接着剤をアプリ
ケータ等による熔融塗工(溶融塗工)手段も適用でき
る。接着剤の塗布量は、接着剤の組成、被転写基材の種
類及び表面状態で異なるが、通常10〜200g/m2
(固形分)程度である。
【0038】〔固体粒子〕固体粒子としては、ガラスビ
ーズ、セラミックビーズ、炭酸カルシウムビーズ、アル
ミナビーズ、ジルコニアビーズ、アランダムビーズ、コ
ランダムビーズ等の無機粉体である非金属無機粒子、
鉄、又は炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、アルミニウ
ム、又はジュラルミン等のアルミニウム合金、チタン、
亜鉛等の金属ビーズ等の金属粒子、或いは、フッ素樹脂
ビーズ、ナイロンビーズ、シリコーン樹脂ビーズ、ウレ
タン樹脂ビーズ、尿素樹脂ビーズ、フェノール樹脂ビー
ズ、架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子等、或
いは金属等の無機粒子と樹脂とからなる無機物・樹脂複
合粒子等を使用することができる。形状は球形状が好ま
しいが、回転楕円体形状、多面体形状、鱗片状、無定
形、その他の形状のものでも用い得る。固体粒子の粒径
としては、通常10〜1000μm程度である。
【0039】なお、固体粒子は加熱手段や冷却手段を兼
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、接着剤の加熱活性化やその架橋硬化の促進、或いは
転写シートの加熱による延伸性の向上を、転写シートの
押圧と共に行うこともできる。この場合、衝突圧印加前
に他の加熱方法で、ある程度まで転写シート、被転写基
材を加熱しておいても良い。また、加熱固体粒子は既に
加熱された転写シート、被転写基材の温度維持にも使用
できる。一方、固体粒子は、接着後の冷却促進目的で、
接着時の接着剤の温度よりも低温の固体粒子を、冷却固
体粒子として用いる事もできる。また、固体粒子はその
一部又は全部を加熱固体粒子、冷却固体粒子として用い
たり、加熱固体粒子を衝突させた後、冷却固体粒子を衝
突させる等と、併用しても良い。また、他の加熱方法で
転写シートや被転写基材、接着剤等の加熱を要するもの
を充分に加熱しておき、これに冷却固体粒子を用いて、
転写シートの成形と接着及び冷却を殆ど同時に行うこと
もできる。固体粒子を加熱又は冷却するには、固体粒子
の貯蔵をホッパ等の形態のタンクに貯蔵する場合は、タ
ンク内(図13参照)やタンク外壁の設けた、電熱ヒー
タ、加熱蒸気、冷媒等による加熱手段、冷却手段で行え
ば良い。また、固体粒子輸送管の外壁にこれら手段を設
けて、輸送管通過中に加熱又は冷却しても良い。
【0040】〔固体粒子による衝突圧印加〕固体粒子を
転写シートに衝突させて衝突圧を印加し、転写シートを
被転写基材に押圧するには、固体粒子を噴出する固体粒
子噴出手段としての噴出器から、多数の固体粒子を連続
して転写シートに向かって噴出させて、転写シートに衝
突圧を印加する。多数の固体粒子は固体粒子群として転
写シートに衝突する。もちろん、この際、本発明では前
述した如く、固体粒子のビーム強度のピーク方向を移動
方向4に向かって傾けることにより、少なくとも過半数
の固体粒子を凹凸表面の包絡面に対して該移動方向に進
む固体粒子として斜め衝突させる。噴出器には、代表的
には羽根車や吹出ノズルを用いる。羽根車はその回転に
より固体粒子を加速し、吹出ノズルは固体粒子加速流体
として高速の流体流で固体粒子を搬送し加速する。羽根
車や吹出ノズルには、サンドブラスト或いはショットブ
ラスト、ショットピーニング等とブラスト分野にて使用
されているものを流用できる。例えば羽根車には遠心式
ブラスト装置、吹出ノズルには加圧式や吸引式ブラスト
装置、ウェットブラスト装置等である。遠心式ブラスト
装置は羽根車の回転力で固体粒子を加速し噴出する。加
圧式ブラスト装置は、圧縮空気に混合しておいた固体粒
子を、空気と共に噴出する。吸引式ブラスト装置は、圧
縮空気の高速流で生ずる負圧部に固体粒子を吸い込み、
空気と共に噴出する。ウェットブラスト装置は、固体粒
子を液体と混合して噴出する。また、噴出器には、吹出
ノズルや羽根車以外にも、重力による自由落下を利用し
て固体粒子を加速する方法、磁性体粒子を磁場によって
加速する方法等を採用することも可能である。なお、羽
根車、重力、磁場を用いた噴出器の場合は、真空中で固
体粒子を転写シートに向かって噴出させる事も可能であ
る。
【0041】この様に、本発明では、噴出器は羽根車や
吹出ノズル等と任意であるが、なかでも羽根車利用の噴
出器は好ましい噴出器である。羽根車による噴出器は、
固体粒子の噴出方向が原理的に羽根車回転軸に平行方向
にはあまり広がらず、該回転軸に直交方向に広がる傾向
がある。従って、転写シート及び被転写基材を搬送しな
がら衝突させる場合、その幅の寸法次第では、一つの噴
出器でも全幅に衝突圧を与えられる利点がある。これに
対して、前述した特開平9−315095号公報で開示
された様式では吹出ノズルが用いられている。しかし、
吹出ノズルは噴出する固体粒子の広がりは通常はどの方
向にも均一で等方的ではあるが、羽根車による噴出器の
場合よりも広がりが少ない。また、無理に衝突圧印加領
域を広げると、今度は圧力が低下してしまう。従って、
スポット的に衝突圧を印加したい場合には好適だが、同
じ面積の衝突圧印加領域に対してより多くの噴出器を使
用する必要がある。
【0042】更に、羽根車では、固体粒子の加速を回転
する羽根車の羽根に固体粒子を衝突させて加速するのに
対して、吹出ノズルは空気等の固体粒子加速流体の高速
流で加速する為に、どうしても高圧且つ多量の流体を使
用する事になる。その結果、十分な衝突圧を得にくい上
に、加圧ポンプ等の加圧設備のエネルギー消費も大き
い。しかも、固体粒子加速流体である空気等も固体粒子
と共に転写シートに衝突する為、既に加熱された転写シ
ート等の熱を奪い、転写シートの凹凸追従性等を低下さ
せる事もある。もちろん、固体粒子加速流体自体も加熱
して使用すれば良いのだが加熱装置が必要となる上に、
固体粒子加速流体は噴出後に放散する為、固体粒子と異
なり、回収再利用するにしても熱の利用効率が悪いとい
った欠点もある。また、吹出ノズルでは、固体粒子の加
速を気体(或いは液体)を固体粒子加速流体として使用
するので、固体粒子の周囲空間への漏出防止の為にチャ
ンバ内で衝突させる場合、チャンバ内に流体も流入する
事になる。チャンバ内は固体粒子漏出防止の為に負圧と
するのが好ましいが、固体粒子加速流体の使用はチャン
バ内圧力バランスに影響するで、例えば気体はその分排
気する必要がある。また、吹出ノズルでは固体粒子加速
流体(或いは固体粒子との混合系として)を加圧してお
く必要がある。従って、装置的にも、吹出ノズルでは固
体粒子加速流体(或いは固体粒子との混合系として)の
加圧設備や、その流入量を考慮した排気設備も必要とな
る。その上、吹出ノズルの場合、風圧によって転写シー
トに不要な振動を生じ易いと言う問題もある。
【0043】以上の如く、噴出器に吹出ノズルに代えて
羽根車を用いた場合には、衝突圧印加領域を一つの噴出
器で広くできる点、流体加圧のエネルギー消費が無い
点、大きな衝突圧が容易に得られる点、加熱された転写
シート等の温度低下を容易に防げる点、チャンバの負圧
維持が容易な点等の利点が得られ、効率的且つ生産性良
く転写できる。
【0044】〔噴出器:羽根車〕図5〜図7に、噴出器
の粒子加速器として用い得る羽根車の一例の概念図を示
す。これらは、ブラスト分野にて使用されている遠心式
ブラスト装置に該当する。図面では、羽根車812は、
複数の羽根813がその両側を2枚の側面板814で固
定され、且つ回転中心部は羽根813が無い中空部81
5となっている。更に、この中空部815内に方向制御
器816を内在する。方向制御器816は、外周の一部
が円周方向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽
根車812の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独
立して回動自在となっている。羽根車使用時は、方向制
御器の開口部を適宜の方向に向くように固定して、固体
粒子の噴出方向を調整する。更に、この方向制御器の内
部に、内部中空で羽根車812の回転軸芯と同一回転軸
芯のもう一つの羽根車が散布器818として内在する
(図7参照)。散布器818は外側の羽根車812と共
に回転する。そして、前記側面板814の回転中心には
回転軸819が固定され、回転軸819は、軸受820
で回転自在に軸支され電動機等の回転動力源(図示略)
によって駆動回転され、羽根車812が回転する。また
回転軸819は、羽根813を間に有する2枚の側面板
814間には貫通しておらず、軸無しの空間を形成して
いる。そして、散布器818の内部に固体粒子Pがホッ
パ等から輸送管を通って供給される。通常、固体粒子
は、羽根車の上方(直上又は斜上方)から供給する。散
布器内に供給された固体粒子は散布器の羽根車で外側に
飛び散る。飛び散った固体粒子は、方向制御器816の
開口部817によって許された方向にのみ放出され、外
側の羽根車812の羽根813と羽根813との間に供
給される。そして、羽根813に衝突し、羽根車812
の回転力で加速され、羽根車から噴出する。
【0045】なお、固体粒子の噴出方向は、概念図であ
る図5〜図7では略鉛直下方に描いてあるが、本発明で
は、噴出器を基準とした被転写基材及び転写シートの移
動方向に於いて、前記の如く被転写基材に対して斜め衝
突させる。この為には、羽根車の回転軸の軸方向を前記
移動方向と平行に配置した上で更に被転写基材表面(の
包絡面)と交差する様に傾けるのが好ましい(図13参
照)。該移動方向に直交する方向に於いて、一つの噴出
器で広い衝突圧印加領域をとれるからである。もちろ
ん、前記回転軸を該移動方向に平行に配置しても良い。
この場合には、回転軸を傾けなくても、斜め衝突が可能
である。すなわち、図8(A)及び図8(B)に方向制
御器816の開口部817の向きの設定より固体粒子の
噴出方向を調整する噴出方向制御の概念図を示す(図8
(A)、(B)では方向制御器はそれぞれ図示の位置で
固定されている)。なお、方向制御器816は、その開
口部の円周方向、幅方向の大きさを調整することで、固
体粒子の噴出量を調整することもできる。なお、前記移
動方向に直交する方向では、垂直衝突でも良く斜め衝突
でも良い。
【0046】なお、図6に於いては、回転軸819は側
面板814の外側のみで中空部815にまで貫通してい
ない構成となっているが、この他、中空部の直径より細
い回転軸を該中空部にまで貫通させたり、外周に固体粒
子通り抜け用の開口部を設けた中空筒状の回転軸の内部
自身を中空部とする構成などでも良い(図示略)。羽根
813の形は、図5〜図8の様な長方形の平板(直方
体)が代表的であるが、この他、湾曲曲面板、スクリュ
ープロペラ等のプロペラ形等を用いる事も可能であり、
用途、目的に応じて選択する。又、羽根の数は複数枚、
通常最大10枚程度までの範囲から選択する。羽根車の
形状、枚数、回転速度、及び固体粒子の質量や供給速度
と供給方向、方向制御器の開口部サイズ及び向きの組み
合わせにより、加速された固体粒子の噴出(吹出)方
向、噴出速度、投射密度、噴出拡散角等を調整する。
【0047】また、図9は、羽根車の別の一例を示す概
念図である。同図の羽根車812aは、複数の平板状の
羽根813aがその両側を2枚の側面板814aで固定
された構造である。通常、固体粒子Pは、羽根車の上方
(直上又は斜上方)から供給する。また、側面板814
aは回転軸819aに対して幅方向の噴出方向の規制も
する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び固体粒子の
質量や供給速度と供給方向の組み合わせにより、加速さ
れた固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密
度、噴出拡散角等を調整する。固体粒子の噴出方向は図
9では水平方向だが、斜下方(図示略)、或いは鉛直下
方(図示略)等が可能である。
【0048】また、上記した羽根車812、812a等
の羽根車には、更に必要に応じ、固体粒子の噴出取出部
分のみ開口させ、それ以外の羽根車周囲を被覆する噴出
ガイドを備える事で、固体粒子の噴出方向を揃えたりす
る固体粒子噴出方向制御を行うこともできる。噴出ガイ
ドの開口部の形状は、例えば、中空の円柱状、多角柱
状、円錐状、多角錐状、魚尾状等である。噴出ガイド
は、単一開口部を有するものでも良い。
【0049】羽根車812、812a等の羽根車の寸法
は、通常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5〜20c
m程度、羽根の長さは、ほぼ羽根車の直径程度、羽根車
の回転数は500〜5000〔rpm〕程度である。固
体粒子の噴出速度は10〜50〔m/s〕程度、投射密
度(基材単位面積当たりに衝突させる固体粒子の総重
量)は10〜150〔kg/m2 〕程度である。
【0050】また、羽根車の羽根の材質は、セラミッ
ク、或いはスチール、高クロム鋳鋼、チタン、チタン合
金等の金属等から適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根
に接触して加速されるので、羽根には、耐摩耗性のよい
高クロム鋳鋼、セラミックを用いると良い。
【0051】〔噴出器:吹出ノズル〕次に、図10は吹
出ノズルを用いた噴出器の一例を示す概念図である。同
図の噴出器840は固体粒子加速流体として空気等の気
体を用い、固体粒子噴出時に該気体と固体粒子を混合し
て噴出する形態の噴出器の一例である。噴出器840
は、固体粒子Pと流体Fを混合する誘導室841と、誘
導室内に流体を噴出する内部ノズル842と、ノズル開
口部843から固体粒子及び流体を噴出する吹出ノズル
部844からなる。圧縮機等からの加圧状態の流体F
を、内部ノズル842から噴出し誘導室841を経てノ
ズル844のノズル開口部843から噴出する際に、噴
出器内の誘導室841にて、高速で流れる流体流の作用
で負圧を作り、この負圧により固体粒子を流体流に導き
混合し、流体流で固体粒子を加速、搬送して、ノズル8
44のノズル開口部843から流体流と共に噴出するも
のである。なお、固体粒子加速流体に液体を用いる吹出
ノズル等もある。流体圧は吹付圧力で通常0.1〜10
kg/cm2 程度である。流体流の流速は、液流では通
常1〜20m/秒程度、気流では通常5〜80m/秒程
度である。吹出ノズルの場合は、ノズル開口部843の
向きを調整して、固体粒子を前記の如く斜めに衝突させ
れば良い。
【0052】〔衝突圧印加形態〕噴出器は、1個のみの
使用でも衝突圧印加領域の面積次第では可能だが、要求
する面積が大きい場合には複数用いて、転写シートに衝
突する固体粒子の衝突領域(衝突圧印加領域)が所望の
形状となる様にすると良い。被転写基材を搬送しながら
衝突圧を与える場合は、例えば、転写シート及び被転写
基材の送り方向に直交して幅方向に一直線状に複数列を
配置して、幅方向に直線状で幅広の帯状形状の衝突領域
とする。或いは、図11(A)の噴出器32の配置は千
鳥格子状の配置であり、図11(B)は一列配置だが、
幅方向中央部は送り方向の上流側で衝突する様にした配
置である。図11(B)の配置では、転写シートの被転
写基材への衝突圧による圧接は幅方向中央部から始ま
り、順次、幅方向両端部に向かって圧接されて行く。こ
の様にすると、幅方向中央部に空気を抱き込んだまま、
転写シートが被転写基材に密着することを防止できる。
図11の様に噴出器を幅方向に複数個配列する場合に
は、個々の噴出器の加圧領域が互いに一部重複し、全幅
にわたってもれなく加圧できる様に配列することが好ま
しい。図11(B)にそのような配列の一例を示す。該
図に於いて、点線部分が(有効)加圧領域を示す。ま
た、衝突圧印加時間を長くするには、噴出器は、転写シ
ート及び被転写基材の送り方向に向かって2列以上配置
する多段配置が好ましい(図4参照)。
【0053】また、衝突圧は、必ずしも衝突領域内で全
て均一にする必要はない。例えば、転写シートの搬送方
向に直交する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、幅方向
両端部に行くに従って衝突圧が低下する山型圧力分布に
設定する。この設定は、図11(B)の噴出器の配置と
同様に、中央部から両側部に向かって順次段階的に圧接
を進行させ、内部に空気を抱き込むのを防ぐ。もちろ
ん、衝突圧は転写が完全に行える圧以上で、且つ転写シ
ートの歪み、被転写基材の変形、破損等の生じない圧以
下の適正圧力範囲内とする。衝突圧の調整は、噴出器か
ら転写シートに衝突する固体粒子の速度、単位時間当た
りの衝突する固体粒子数、投射量、及び1粒子の質量を
制御することで調整する。これらのうち、固体粒子の速
度を調整するには、例えば羽根車を用いる噴出器の場合
は、羽根車の回転数、羽根車の直径等で調整する。ま
た、吹出ノズルを用いる噴出器の場合は、バルブの開閉
量、バルブに連結する固体粒子を搬送する管の内径の大
小、圧力調整器(レギュレータ)等を用いて噴出器直前
の流体圧(流体単体、又は流体と固体粒子との混合物)
の調整により、噴出する固体粒子及び流体流の速度を制
御することで調整する。
【0054】一つの噴出器で所望の衝突圧印加領域の大
きさに出来ない時は、噴出器を複数用いれば良いが、複
数の噴出器を被転写基材の被転写面に対して配置する場
合は、固体粒子がなるべく垂直に衝突する様に、各噴出
器は被転写基材に平行にし、且つ各噴出器の噴出方向が
被転写基材の法線方向になる様な配置が基本である。垂
直衝突時に、衝突圧は最大に有効利用できるからであ
る。但し、本発明では、前述の如く少なくとも特定方向
(衝突圧印加領域の移動方向)に於いては、その方向の
主たる固体粒子は斜め衝突させる。例えば、被転写基材
を搬送しながら衝突圧を与える場合で、被転写基材の被
転写面の包絡面(の搬送方向に直交方向の断面形状)が
円型になる円筒状の凸曲面の場合であれば、各噴出器が
主として受け持つ個別の衝突面(凸曲面の接平面)に対
して、上記直交方向に於いては略垂直に固体粒子が衝突
する様に、噴出器の向きを近接する被転写基材面の包絡
面法線方向にして配置すると良い。ただ、噴出器の向き
は、上記直交方向に於いて転写シート支持体側面に対し
て必ずしも垂直にする必要はない。また、噴出器は多め
に設けておき、製造する被転写基材によっては、一部の
噴出器は停止させても良い。
【0055】なお、一般に斜め衝突は、凹凸表面の包絡
面に水平な面に対する衝突圧の利用効率は多少犠牲なる
が、凹凸の被転写面全体でみれば、被転写面の凸部から
凹部に至る斜面(特に垂直衝突では衝突圧を与えにくい
垂直面)に対しても、衝突圧が過少となる部分を解消し
て、平均的に十分な衝突圧を加える事も出来る利点もあ
る。
【0056】〔固体粒子衝突圧の実際的な利用法〕ま
た、実際に固体粒子を用いて転写する際は、固体粒子は
周囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環再利用するのが
好ましい。つまり、この為には、固体粒子衝突圧による
転写圧を押圧する衝突空間を周囲空間と隔離するチャン
バ(隔離室)内で、固体粒子を転写シートに衝突させて
転写圧を加える(後述する図13参照)等すると良い。
支持体の剥離は、チャンバ外でも良い。また、噴出させ
た固体粒子は回収する。
【0057】〔転写シート、被転写基材、接着剤等の加
熱〕転写圧に固体粒子衝突圧を用いる場合でも、転写ロ
ーラに弾性体ローラを用いる従来公知の転写方法と同様
に、転写シート延伸性向上、或いは接着剤活性化、等
に、転写圧押圧中やその前に、転写シート、被転写基材
等を適宜加熱することができる。
【0058】例えば、衝突圧印加前では、転写シート
は、ヒータ加熱、誘電加熱、熱風加熱(図13参照)、
ローラ加熱(連続帯状の場合:図13参照)、赤外線輻
射加熱等の任意の従来公知の加熱手段で加熱すれば良
く、被転写基材(及びその上の接着剤層)も転写シート
同様に従来公知の任意の加熱手段で加熱すれば良い。例
えば誘導加熱や誘電加熱は基材内部から加熱できるが、
一方、ヒータ加熱、赤外線加熱、熱風加熱(図13参
照)は、凹凸表面側からの加熱が効率的である。また、
被転写基材は裏面側からも加熱してもよい。裏面側から
の加熱は、熱容量の大きい基材を速やかに加熱したり、
或いは、衝突圧印加中の加熱として、転写シートや接着
剤が衝突圧の印加完了まで冷えることを防止して所定の
温度に保つ場合に有効である。裏面側からの加熱方法
は、基材搬送装置に加熱手段を持たせたり、或いは被転
写基材を基材置き台に載置して搬送する場合は、その基
材置き台の加熱による。基材搬送装置の加熱手段として
は、基材搬送に駆動回転ローラ列を用いる場合は加熱ロ
ーラやローラ間にヒータ等の熱源を配置する。加熱ロー
ラは、例えばローラ内を中空にして熱水等の加熱媒体を
流通させたり、誘導加熱を利用する。また、被転写基材
をゴムベルトに載置して搬送する場合は、ゴムとしてシ
リコーンゴム等の耐熱性ゴムを用い、これを、誘電加
熱、赤外線加熱する等の方法が有る。また、基材置き台
の加熱は、それを搬送する基材搬送装置によって加熱し
たり、基材置き台を載置する台(搬送せず静置で衝突圧
印加する)を加熱台として加熱したり、基材置き台に電
熱ヒータ等の加熱手段を設けても良い。
【0059】また、衝突圧印加中の加熱は、固体粒子に
加熱固体粒子を用いたり、噴出器の間隙に分散してヒー
タ等の熱源を設けることができる。もちろん、衝突圧の
押圧前及び押圧中の加熱、或いは押圧中のみの加熱でも
良く適宜使い分ける。但し、衝突空間となるチャンバ内
での熱風加熱は、内部に気体を流入しチャンバ内圧力バ
ランスに影響するので、該チャンバ外で行う方が好まし
い。それは、空気を該チャンバ内に入れることになり、
固体粒子漏出防止の為のチャンバ内の負圧の維持を邪魔
し、また、固体粒子の流れを攪乱したり、チャンバから
噴出器を通過してホッパに気体を逆流させたり、固体粒
子を気体と共に真空ポンプで吸引して回収する場合はそ
の負荷増にもなるからである。
【0060】チャンバ使用時の転写シートや被転写基材
の加熱は、チャンバの外部又は内部、或いは外部及び内
部で行えば良い。外部及び内部の加熱(図13参照)で
は、充分な予熱が必要な場合でも、チャンバ内搬送路長
は短くして(つまりチャンバ内容積は小さくして)必要
な加熱をすることができる。チャンバの内容積を小さく
した方が、固体粒子の飛散、回収等を考慮した取扱上は
有利だからである。チャンバの内部で加熱する利点は、
衝突圧印加の直前まで、或いは衝突圧印加中までも、加
熱できることであり、特に熱容量が大きい被転写基材を
その被転写面近傍のみ効果的に予熱しようとする場合等
である。
【0061】〔接着剤の強制冷却〕また、接着剤が熱融
着型の場合は、転写シートが被転写基材に密着後に接着
剤を強制冷却すれば、凹部内部にまで追従、成形された
転写シートの固着化を促進して、転写シートに復元力が
ある場合に圧解放後、転写シートが元の形状に戻ること
を防止し、転写シート(の支持体)の剥離除去をより早
くできるので、転写抜け防止や生産速度向上が図れる。
この為には、衝突圧印加中に、衝突圧を開放しないまま
冷却固体粒子を用いたり、或いは衝突圧印加後に、風冷
等の他の冷却手段(図13参照)を用いて接着剤層を冷
却すると良い。被転写基材の熱容量が大の場合は、冷却
固体粒子、低温流体の吹き付け、基材搬送用のローラや
ベルトコンベア或いは基材置き台等の冷却により、被転
写基材を裏面から冷却できる。或いは、チャンバ内でこ
れら冷却の後にチャンバ外で、或いはチャンバ内では冷
却せずにチャンバ外のみで、表や裏からの冷風吹き付け
等で冷却しても良い。なお、これは転写シートの冷却に
も言える。
【0062】〔支持体の剥離〕なお、支持体を剥離する
タイミングは、衝突圧の解除以降、支持体が剥離時応力
で切断や塑性変形をし無い程度に冷却し、接着剤層が冷
却や硬化反応で固化し転写シートが被転写基材に固着し
た時点以降に行えば良い。
【0063】次に、本発明の曲面転写方法を、それを実
施し得る曲面転写装置を示す図13に従い説明する。同
図の装置は、基本的に、固体粒子を噴出する固体粒子噴
出手段(噴出器)と、被転写基材を少なくとも固体粒子
噴出手段に対向する位置まで搬送する基材搬送手段(基
材搬送装置)と、転写シートを固体粒子噴出手段と被転
写基材との間に位置させるシート供給手段(シート供給
装置)とを、少なくとも備えた装置である。なお、図示
する装置は、噴出器は1器の為、固体粒子堆積抑制手段
となる前述の遮蔽板及び受け皿は備えてないが、もう1
器を被転写基材の搬送方向に同様に並べて配置する場合
は、噴出器間に備えれば良い。
【0064】被転写基材Bは、その凹凸表面を上にして
コンベアベルトからなる基材搬送手段である基材搬送装
置11上に載置して搬送する。転写シートSは、シート
巻出装置(不図示)に取り付けられ適度のバックテンシ
ョンが加えられた状態で巻出ロール12から巻き出し
て、加熱ローラ21で予熱後、ゴムローラからなるシー
ト供給手段である仮固定ローラ13で被転写基材に押圧
して仮固定して、噴出器と被転写基材との間に位置させ
る様に、チャンバ内に被転写基材と一体として供給す
る。最初のチャンバ33a内では、熱風吹付ノズル22
から熱風Ahで、転写シートの予熱、接着剤の活性化、
被転写基材の加熱を行う。
【0065】噴出器には、図2〜図5の様な羽根車を用
いた噴出器32を1器使用してある。羽根車の回転軸
は、被転写基材の搬送方向に平行で且つ水平に対して、
被転写基材の移動(搬送)方向側が高くなる様に斜めに
傾けてある。この結果、噴出器32から噴出する固体粒
子Pは、被転写基材の移動方向に於いて、移動方向に進
む様になる。また、この噴出器1器で、被転写基材の幅
方向の全幅に衝突圧を与える。なお、固体粒子Pは、固
体粒子貯蔵・加熱手段であるホッパー31の内部で加熱
しておく。この為、ホッパー内部には、粒子加熱装置2
3の複数の導管が進入しており、この導管に設けた多数
の開口から加熱空気の熱風Ahを吹き出させて固体粒子
を加熱する。そして、加熱された固体粒子Pは、ホッパ
下部から噴出器に向かって供出され、噴出器32から噴
出して、転写シートの支持体側に衝突し、転写シートを
被転写基材に圧接する。この際、本発明では、転写シー
トに衝突し跳ね返り飛散した固体粒子が、図面右側の衝
突圧印加領域の移動方向の転写シート上に堆積する事が
抑制される。
【0066】そして、転写シートが被転写基材の表面凹
凸に追従し、その転写層が被転写基材に接着後、チャン
バ33bの次のチャンバ33cに於いて、除去ローラ3
5のブラシで転写シート上に残留した固体粒子を転写シ
ート両端部に向かって掻き集めて、下のチャンバ33d
に落とす。次いで、冷風吹付ノズル24で冷風Acを吹
き付けて、接着剤を冷却して冷却固化させると共に、転
写シート上にまだ残留している固体粒子を吹き飛ばし
て、転写シート両端部からチャンバ33dに落とす。次
いで、被転写基材及び転写シートがチャンバ33cから
外部に出た後、剥離ローラ14で転写シートの支持体を
剥がし取れば、転写層が転写された転写物Dが得られ
る。
【0067】〔その他〕以上、本発明を説明して来た
が、本発明は上記説明に限定されるものではない。例え
ば、連続帯状の転写シート及び枚葉の被転写基材を用い
る形態の他に、被転写基材及び転写シートともに枚葉の
形態で供給する形態でも構わない。また、被転写基材の
衝突圧を印加すべき凹凸表面は、必ずしも水平とする必
要はない。本発明は、一度転写シートに衝突して跳ね返
る等した固体粒子が、これから衝突圧を加えるべき部分
の転写シート上に堆積する事を防止しながら衝突圧を与
えられる様にする発明であり、ある程度ならば転写シー
トが傾斜していても良い。なぜならば、転写シートの傾
きが固体粒子が堆積する程度の傾きならば、本発明の効
果が得られるからである。また、チャンバを使用する場
合、チャンバ内は窒素等の不活性ガスを充満させて、接
着剤等に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合に、空気中
の酸素、水蒸気等が該樹脂の硬化を阻害するのを防止し
ても良い。
【0068】〔転写物の用途〕本発明で得られる化粧材
等の転写物の用途は、特に限定は無い。被転写面の表面
凹凸が特に深い凹凸形状の物品である様な各種用途に用
いられ得る。例えば、化粧材として、サイディング等の
外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装、壁面、天井、
床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の
建具類の表面化粧、箪笥等の家具やテレビ受像機等の弱
電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電
車、航空機、船舶等の乗物内装等の各種分野で用いられ
得る。化粧材は化粧板等として利用される。なお、化粧
材も含めて転写物の形状は、平板、曲面板、柱状体、立
体物等と任意である。
【0069】〔後加工〕なお、転写後の化粧材等の転写
物の表面に、耐久性の向上や、意匠感等を付与する為
に、更に透明保護層を塗装する等しても良い。この様な
透明保護層としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ
化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂の1
種又は2種以上等をバインダーとし、これに必要に応じ
て、ベンゾトリアゾール、超微粒子酸化セリウム等の紫
外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光
安定剤、シリカ、球状α−アルミナ等の粒子からなる減
摩剤、ワッスク等の滑剤、着色顔料、体質顔料等を添加
した塗料を用いる。また、外装用途では、無機系塗料を
用いることもできる。塗工はスプレー塗装、フローコー
ト、軟質ゴムロールやスポンジロールを使用したロール
コート等で行う。透明保護層の膜厚は1〜100μm程
度である。
【0070】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、更に具体的
に説明する。
【0071】〔試験群A〕試験群Aとしては、図1の様
に、凹凸表面を水平上向で搬送する板状の被転写基材B
上に転写シートSを供給し、羽根車利用の噴出器2によ
り、固体粒子Pのビーム強度のピーク方向が被転写基材
の包絡面の法線となす衝突角度θを、0度〜20度まで
振って、転写シート上への固体粒子の堆積具合を試験し
た。羽根車は、回転軸を前記移動方向に平行な面内で傾
ける事で、固体粒子の衝突角度θを0度〜20度まで振
って、転写シート上への固体粒子の堆積具合を試験し
た。
【0072】転写シートSは、厚さ100μmのポリプ
ロピレン系熱可塑性エラストマーフィルムの片面に、熱
可塑性ウレタン樹脂をバインダーの樹脂とし、着色顔料
を含む着色インキを用いて石目柄の装飾層を転写層とし
てグラビア印刷で形成して、転写シートを用意した。な
お、着色顔料には、弁柄、イソインドリノン、カーボン
ブラック、チタン白等を用いた。被転写基材Bには、凹
部と凸部との段差が平均3mmの石目の三次元的表面凹
凸を有する、平板状の厚さ15mmのケイ酸カルシウム
板を用意した。そして、この板に、ウレタン樹脂系の接
着剤をスプレー塗装して接着剤層を形成した。
【0073】そして、上記接着剤層形成済みの被転写基
材に、転写シートをその転写層が被転写基材側を向く様
に被せて、ベルトコンベア上に載置して、噴出器の設置
角度を調節して、衝突角度θを振り試験した。なお、搬
送速度は20m/分、固体粒子噴出速度は40m/s、
投射密度は40kg/m2 とした。固体粒子には平均粒
径0.3mmの球形状の亜鉛球を80℃に加熱して使用
した。被転写基材は、80℃に予熱した。
【0074】その結果、表1に示す如く、衝突角度が0
度の時は、これから衝突圧を与える部分である前方の転
写シート上に堆積固体粒子が発生し、この為、衝突圧が
効率的に加えられず、転写シートの凹凸追従性は凹凸表
面の深い所で低下した。また、衝突角度が5〜20度の
時は、転写シート前方の固体粒子堆積は無かったが、2
0度の時は固体粒子の速度ベクトルの垂直方向成分が少
なくなった為に、凹凸追従性が低下した。結局、衝突角
度5〜15度の範囲で、凹凸追従性及び固体粒子堆積の
点で良好な結果が得られた。
【0075】
【表1】
【0076】そして、前記転写シートを上記被転写基材
に対して、固体粒子衝突圧を用いる曲面転写方法によっ
て先ずは転写した。使用した転写装置は、図13に示す
様な装置で、噴出器に図2〜図5の様な羽根車を用いた
曲面転写装置を使用し、上記被転写基材Bを、その凹凸
表面を上にしてコンベアベルトからなる基材搬送装置1
1上に載置して搬送した。そして、巻出ロール12から
巻き出した転写シートSを加熱ローラ21で予熱後、ゴ
ムローラからなる仮固定ローラ13で被転写基材に押圧
して仮固定して、チャンバ内に被転写基材と一体として
供給した。最初のチャンバ33a内で、熱風吹付ノズル
22から熱風Ahで、転写シートの予熱、接着剤の活性
化、被転写基材の加熱を行った。この場合、転写シー
ト、及び被転写基材の表面温度は100℃となるように
加熱した。そして、衝突角度θ=5、10及15の試験
群A2〜A4では、転写層が表面凹凸に追従した良好な
化粧材が転写物として得られた。なお、表中に於ける凹
凸追従性の評価については、被転写基材表面凹凸の凹部
も含め全面に転写層が接着していたものを良好「○」、
凹部等の一部に転写層の非接着部を生じたものをやや良
好「△」とした。
【0077】〔試験群B〕次に、図3に示す様に、試験
群Aで使用しのと同じ噴出器を1器増設して、被転写基
材の移動方向に2器の噴出器を連ねて試験した。これら
2器の噴出器の単独使用と併用使用、及び被転写基材の
移動速度を変えて、凹凸追従性を評価した結果を表2に
示す。表2中、図3の前方側の噴出器2aを「No1」
の噴出器、後方の噴出器2bを「No2」の噴出器と呼
ぶ事にする。表2の如く、噴出器1器の試験群B1及び
B3の場合、凹凸追従性は移動速度が10m/分では良
好だが、倍の20m/分の試験群B2及びB4では低下
する。しかし、試験群B5の如く移動速度20m/分で
噴出器を2器を併用しても、後続の噴出器2b(No
2)の前方の転写シートに固体粒子堆積6が発生し、凹
凸追従性は若干良くなるが、噴出器1器で移動速度10
m/分の場合よりは良く無い。そこで、試験群B6では
図4に示す如く遮蔽板と受け皿を使用したところ、固体
粒子堆積が大幅に低減され、凹凸追従性が向上した。ま
た、遮蔽板表面にゴムシートを付けたところ、受け皿で
の固体粒子の回収量が更に増えた。そして、試験群B6
では、転写層が表面凹凸に追従した良好な化粧材が転写
物として得られた。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、大きな三次元的凹凸
表面が装飾された化粧材等の転写物が容易に得られる。
もちろん、窓枠、サッシ等の二次元的凹凸も可能であ
り、平板状の板材以外にも、瓦の様に全体として(包絡
面形状が)波うち形状のもの、或いは凸又は凹に湾曲し
た形状のものでも容易に得られる。また、大柄な凹凸表
面の凸部上、凹部内(底部や凸部と底部の連結部分であ
る側面)も転写できる。また、大柄な凹凸の凸部上に、
更に微細な凹凸模様(例えば、ヘアライン、梨地等)が
有る場合でも、その微細凹凸の凹部内にまで、転写にて
装飾できる。また、従来のゴムローラ押圧方式の様に、
被転写基材の凹凸部によるローラ等部品の損耗も無い。 以上の結果、化粧材等の転写物に於いては、従来に無
く極めて意匠性に優れたものが得られる。 更に、本発明では、噴出器を基準とした被転写基材及
び転写シートの移動方向に平行な方向に於いては、該平
行な方向に進む固体粒子のうちの主たる固体粒子を、前
記移動方向に進む様に飛ばして、被転写基材の凹凸表面
が成す包絡面の法線に対して斜めに転写シートに衝突さ
せるので、転写シートに衝突し跳ね返った固体粒子が、
固体粒子をこれから衝突させる部分の転写シート上に堆
積するのを抑制でき、固体粒子の運動エネルギーを効率
的に衝突圧として転写圧に利用する事ができる。 また、更に転写シートの同一箇所に複数の噴出器から
の固体粒子を時間差を持って衝突させる場合でも、噴出
器間に遮蔽板と受け皿を設ける事で、先の噴出器からの
固体粒子が転写シートに衝突し跳ね返っても、遮蔽板で
跳ね返して受け皿で受け止めるので、転写シート上に落
下して堆積せず、次の噴出器からの固体粒子の衝突を邪
魔しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を概念的に説明する概念図。
【図2】固体粒子の衝突角度が垂直と斜めとでの転写シ
ート上の固体粒子堆積の様子を示す概念図。
【図3】衝突圧印加領域の移動方向に複数の噴出器(衝
突圧印加領域)を設けた場合の、固体粒子の堆積の様子
を示す概念図。
【図4】図3に於いて、固体粒子堆積を防ぐ為に、遮蔽
板と受け皿を設けた一形態を示す概念図。
【図5】羽根車を用いた噴出器の一例を説明する概念図
(正面図)。
【図6】図5の羽根車部分の斜視図。
【図7】図5の羽根車内部を説明する概念図。
【図8】羽根車にて噴出方向を調整する説明図。
【図9】羽根車を用いた噴出器の別の一例を説明する概
念図であり、(A)は正面図、(B)は側面図。
【図10】吹出ノズルによる噴出器の一例を説明する概
念図。
【図11】噴出器の各種配置形態を示す平面図。(A)
は千鳥格子状に並べた配置、(B)は中央部は上流側に
して、両端になるにつれて下流側にずらした配置。
【図12】被転写基材の三次元的凹凸表面の一例を示す
要部拡大斜視図。
【図13】本発明の曲面転写方法を実施し得る曲面転写
装置の一例を示す概念図。
【図14】遮蔽板と受け皿の好ましい一形態を例示する
概念図。
【符号の説明】
1 基材搬送装置 2、2a、2b 噴出器 3 仮固定ローラ 4 噴出器を基準とした被転写基材及び転写シートの
移動方向 5 衝突圧印加領域の移動方向 6 堆積固体粒子 7 遮蔽壁 8 受け皿 11 基材搬送装置 12 巻出ロール 13 仮固定ローラ 14 剥離ローラ 15 巻取ロール 21 加熱ローラ 22 熱風吹付ノズル(加熱装置) 23 粒子加熱装置 24 冷風吹付ノズル(冷却装置) 31 ホッパ 32 噴出器 33a〜33d チャンバ 35 除去ローラ(回転ブラシ) 36 第2除去ローラ(回転ブラシ) 401 大柄な凹部(溝状凹部) 402 大柄な凸部(平坦状凸部) 403 微細な凹凸 812、812a 羽根車 813、813a 羽根 814、814a 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819、819a 回転軸 820 軸受 840 吹出ノズルを用いた噴出器 841 誘導室 842 内部ノズル 843 ノズル開口部 844 ノズル Ac 冷風 Ah 熱風 B 被転写基材 D 転写物(化粧板等) N 被転写基材の凹凸表面の包絡面の法線 P 固体粒子 S 転写シート θ 法線Nに対する固体粒子の衝突角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 浩久 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 飯塚 孝志 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 3B005 EB05 EC14 FA02 FA03 FA04 FA08 FA12 FA17 FA18 FB23 FB53 FC02Z FC04Z FC08Z FC09Z FC12Z FE05 FE22 FF01 FF04 FF06 FF08 FF09 FG01X FG01Y FG02X FG02Z FG03X FG03Y FG03Z FG04X FG04Z FG05Z FG06Y FG06Z FG07Z FG08X FG08Z FG09X FG09Y FG09Z FG10Y FG11X GA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面
    側に、支持体と転写層とからなる転写シートの転写層側
    を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を衝突
    させ、その衝突圧を利用して、被転写基材の凹凸表面へ
    の転写シートの圧接を行い、転写層が被転写基材に接着
    後、転写シートの支持体を剥離除去することで、転写層
    を被転写基材に転写する曲面転写方法において、 被転写基材及び転写シートと固体粒子を噴出する噴出器
    とを相対的に移動させる事で、転写シートを被転写基材
    に圧接して行く場合に、噴出器を基準とした被転写基材
    及び転写シートの移動方向に平行な方向に於いては、該
    平行な方向に進む固体粒子のうちの少なくとも主たる固
    体粒子を、前記移動方向に進む様に飛ばして、被転写基
    材の凹凸表面が成す包絡面の法線に対して斜めに転写シ
    ートに衝突させる事で、転写シートに衝突し跳ね返った
    固体粒子が、固体粒子をこれから衝突させる部分の転写
    シート上に堆積するのを抑制しながら、固体粒子を転写
    シートに衝突させて行く、曲面転写方法。
  2. 【請求項2】 複数の噴出器を、被転写基材及び転写シ
    ートの上記移動方向に配列し、該噴出器からの各々の固
    体粒子を、転写シートの同一箇所に時間差を持って衝突
    させる場合に、前記噴出器間の被転写基材及び転写シー
    トと噴出器との相対移動を妨げない位置に遮蔽板を設
    け、更に該遮蔽板方向に進む固体粒子を噴出する噴出器
    側の該遮蔽板下部の転写シート上の空間に受け皿を設け
    る事で、遮蔽板で転写シートに衝突し跳ね返った固体粒
    子が次の噴出器部分にまで飛散するのを遮蔽し、受け皿
    で該遮蔽板で遮蔽された固体粒子が次の噴出器からの固
    体粒子が衝突する部分の転写シート上に落下し堆積する
    のを防いで、固体粒子を転写シートに衝突させて行く、
    請求項1記載の曲面転写方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001356694A (ja) * 2000-06-12 2001-12-26 Dainippon Printing Co Ltd 見本帳

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