JP2000036723A - 水晶機能素子 - Google Patents

水晶機能素子

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JP2000036723A
JP2000036723A JP10204116A JP20411698A JP2000036723A JP 2000036723 A JP2000036723 A JP 2000036723A JP 10204116 A JP10204116 A JP 10204116A JP 20411698 A JP20411698 A JP 20411698A JP 2000036723 A JP2000036723 A JP 2000036723A
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excitation
crystal
axis
filter
electric
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JP10204116A
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Takehiko Uno
武彦 宇野
Satoru Noge
悟 野毛
Yasushige Ueoka
康茂 植岡
Eiji Kamiyama
栄治 神山
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度特性及び周波数特性に優れ、しかも、小
型化が可能、設計が容易等の利点を有する水晶機能素子
を提供する。 【解決手段】 水晶基板11の複数の領域のそれぞれの
両面に励振用の電極部12,13を形成し、これらの電
極部12,13に挟まれた領域をそれぞれ励振部31と
し、水晶基板11内に、かつ複数の励振部31,31,
…それぞれを囲むように、これらの励振部31,31,
…の電気軸と反対方向の電気軸を有する軸反転部32を
形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ等の
情報機器や無線通信機器のフィルタ等に好適に用いら
れ、周囲温度が変動する場合においても安定したフィル
タ周波数が得られ、さらに、小型化が可能な水晶機能素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の波長により構成される電気
信号から所望の波長の電気信号を選択し取り出す際に用
いられる電子部品としては、温度変化に対して安定した
共振周波数が得られる水晶フィルタ(水晶振動子)を複
数個用いて回路を構成したフィルタがある。このフィル
タとしては、水晶フィルタの接続構成の違いにより、対
称格子型フィルタと、ヤーマン型フィルタの2種がよく
知られている。
【0003】図3は、従来の対称格子型フィルタを示す
回路図であり、インピーダンスがZ aの2つの水晶フィ
ルタ1,1を並列に配置し、これらの水晶フィルタ1,
1間にインピーダンスがZbの水晶フィルタ2を配置す
ることにより1つの電気回路を構成したものである。こ
の対称格子型フィルタでは、IN側から入力する複数の
波長を有する電気信号から所望の波長の電気信号のみを
選択し、OUT側に出力する。
【0004】図4は、従来のヤーマン型フィルタを示す
回路図であり、インピーダンスが異なる(ZaとZb)2
つの水晶フィルタ3,4を並列に配置し、これらの出力
側に1:−1の共振コイル5を配置することにより1つ
の電気回路を構成したものである。このヤーマン型フィ
ルタにおいても、上述した対称格子型フィルタと同様
に、IN側から入力する複数の波長を有する電気信号か
ら所望の波長の電気信号のみを選択し、OUT側に出力
する。
【0005】図5は、従来の水晶フィルタとして用いら
れる水晶振動子を示す斜視図であり、図において、符号
11は電気軸(X)を有し25℃における周波数の温度
係数が0であるATカットの水晶基板、12,13は水
晶基板11の両面に形成されたアルミニウム、金等から
なる励振用の電極、14は電極12,13により挟まれ
た箱状の領域である励振部である。この水晶振動子で
は、電極12,13間に共振周波数近傍の高周波電圧を
印加することにより、1kHz〜100MHz程度の範
囲内の固有の周波数の電気振動を発生させることができ
る。
【0006】ところで、上述した水晶振動子の共振周波
数は、周囲温度をパラメータとした場合に3次曲線で表
される特性を有するので、温度変動の小さい場合には共
振周波数の変動は問題にならないくらい小さいが、温度
が大きく変動する環境下で用いる場合には、共振周波数
の変動が大きくなり無視することができなくなる。そこ
で、この特性を打ち消すような温度補償電圧を得ること
のできる感温素子、例えば、温度特性が指数関数で表さ
れるサーミスタを用いた温度補償回路と組み合せること
により、その共振周波数を周囲温度に対して略直線状に
変化させた温度補償水晶発振器(TCXO)が提供され
ている。
【0007】なお、一般に、電子デバイス用の結晶中に
双晶が存在すると、デバイスの特性に悪影響を及ぼすた
め、該結晶中には双晶が形成されないことが肝要である
とされており、前記水晶振動子や水晶発振器において
も、振動子として用いられる水晶基板中には双晶のない
ことが当然のこととされている。
【0008】しかしながら、上述した水晶発振器(TC
XO)においては、温度補償回路を構成するために前記
サーミスタの他にいくつかの電子部品が必要になり、用
いる電子部品の点数が増加する分高価格になる、また、
この水晶発振器の回路の調整が複雑になる等、様々な欠
点があった。一方、3次曲線で表される水晶基板の共振
周波数−温度特性は、水晶基板固有の特性であるとされ
ており、水晶基板自体には改善の余地がないものと考え
られていた。
【0009】一般に、水晶は、573℃(Tc)でα・
β相転移を起こすが、応力等により転移温度が低下し、
Tcより低い温度で電気軸(X軸)が反転することが知
られている。そこで、本発明者等は、鋭意研究した結
果、水晶基板の表面に金属電極を付着させて熱処理を施
すことにより、この基板の切断方位および金属の種類に
よっては、Tcよりはるかに低い温度で水晶基板の電気
軸が反転すること、及び、水晶基板内に励振部の電気軸
と反対方向の電気軸を有する軸反転部を形成することに
より、周囲温度が変動する場合であっても安定した共振
周波数を得ることができることを見い出し、水晶振動子
およびその製造方法を提案した(特願平9−10989
4号)。
【0010】図6は、本発明者等が提案した水晶振動子
を示す斜視図であり、図7は図6のI−I線に沿う断面
図である。図において、21,22は水晶基板11内か
つ励振部14の両側の近傍に形成された、該励振部14
の電気軸(X)と反対方向の電気軸(−X)を有する軸
反転部である。なお、図6及び図7において、Wは電極
12,13の幅、Lは電極12,13の長さ、dは励振
部14と軸反転部21,22との間隔、sは軸反転部2
1,22の長さ、tは水晶基板11の厚みであり、fは
長さ方向の振動変位の振幅分布である。
【0011】この水晶振動子では、電極12,13間に
共振周波数近傍の高周波電圧を印加すると、図7に示す
ような振動変位の振幅分布fが得られる。すなわち、電
極12,13の質量付加効果に基づくエネルギー閉じ込
め効果により、励振部14に振動エネルギーの大部分が
集中するが、一部は漏洩し軸反転部21,22に達し、
この結果、温度特性が改善される。
【0012】ここで、この水晶振動子の温度特性につい
て、図8に基づき説明する。図8中、Aは軸反転部を有
する水晶振動子の最適な特性、Bは軸反転部のないAT
カット水晶振動子の特性、CはATカット水晶基板のX
軸を反転処理した水晶振動子の特性、Dは軸反転部を有
する水晶振動子の温度補償の原理を確認するために行っ
た実験の結果である。なお、上記実験(D)に用いた試
料は、tが205μm、Wが5.0mm、Lが2.5m
m、sが2.5mm及びdが2.0mmのもので、熱処
理条件は、550℃で1時間30分とした。また、測定
に用いた周波数frは8.0MHzとした。
【0013】これより明かなように、ATカット水晶振
動子(B)の共振周波数は3次曲線で表され、室温付近
では負の温度係数を有する。一方、反転処理した水晶振
動子(C)では、極めて大きな正の温度係数を有する。
したがって、図6に示すように、振動エネルギーの一部
(振幅分布fの裾の部分)を軸反転部21,22に漏洩
させることにより、正の温度係数と負の温度係数とが相
殺され、最適な特性(A)が得られる。すなわち、その
温度係数は、約0〜70℃の温度範囲でほぼ0となり、
70℃を越えると温度上昇と共に僅かに増加する。
【0014】このように、振動エネルギーの一部を軸反
転部11,12に漏洩させて正の温度係数と負の温度係
数とを相殺することにより、温度特性を補償することが
できる。これにより、周囲温度が変動する場合において
も、温度補償回路等を用いることなく安定した共振周波
数を得ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のフィルタでは、互いに独立した複数個の水晶フィル
タ1,2や水晶フィルタ3,4を外部接続して回路を構
成することにより、対称格子型フィルタやヤーマン型フ
ィルタとしている。そのために、用いる水晶フィルタ
1,2(または水晶フィルタ3,4)の温度特性を合わ
せることが難しく、水晶フィルタ1,2(または水晶フ
ィルタ3,4)を実装する際に、温度補償用回路等を設
けて温度特性を調整する必要があるという問題点があっ
た。
【0016】また、フィルタ全体をさらに小型化するに
は水晶フィルタ1,2や水晶フィルタ3,4をさらに小
型化する必要があるが、これらの小型化には自ずと限界
があり、さらに小型化することは難しいという問題点が
あった。
【0017】また、上述した従来のフィルタでは、最良
の周波数特性を得るために水晶フィルタ1,2(または
水晶フィルタ3,4)を実装した後に、別個設けた調整
用回路等を用いて結合度を微調整する必要があり、フィ
ルタの設計が複雑になり、微調整等の調整作業も多く作
業効率を向上させることが難しいという問題点があっ
た。
【0018】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、温度特性及び周波数特性に優れ、しかも、
小型化が可能、設計が容易等の利点を有する水晶機能素
子を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な水晶機能素子を提供する。すなわ
ち、請求項1記載の水晶機能素子は、水晶基板の複数の
領域のそれぞれの両面に励振用の電極部を形成し、これ
らの電極部に挟まれた前記複数の領域をそれぞれ励振部
とし、前記水晶基板内に、かつ該複数の励振部それぞれ
を囲むように、これらの励振部の電気軸と反対方向の電
気軸を有する軸反転部を形成してなることを特徴として
いる。
【0020】請求項2記載の水晶機能素子は、請求項1
記載の水晶機能素子において、前記複数の励振部は、前
記水晶基板の1つの軸方向に沿って配列されていること
を特徴としている。
【0021】請求項3記載の水晶機能素子は、請求項1
または2記載の水晶機能素子において、前記複数の励振
部それぞれを、互いに独立した通過帯域を有するフィル
タ部としたことを特徴としている。
【0022】請求項4記載の水晶機能素子は、請求項
1、2または3記載の水晶機能素子において、前記軸反
転部の一部または全部が電極により覆われていることを
特徴としている。
【0023】請求項5記載の水晶機能素子は、請求項
1、2、3または4記載の水晶機能素子において、前記
軸反転部がアースに接続されていることを特徴としてい
る。
【0024】請求項6記載の水晶機能素子は、請求項
1、2、3または4記載の水晶機能素子において、互い
に隣接する前記励振部に挟まれる前記軸反転部の領域の
少なくともその一部を除去してなることを特徴としてい
る。
【0025】本発明の請求項1、2または3記載の水晶
機能素子では、水晶基板内に、かつ複数の励振部それぞ
れを囲むように、これらの励振部の電気軸と反対方向の
電気軸を有する軸反転部を形成したことにより、1つの
水晶基板に、互いに独立した複数の励振部を形成するこ
とが可能になる。これにより、従来では、互いに独立し
た複数の水晶フィルタを外部接続することにより対称格
子型フィルタやヤーマン型フィルタを構成していたもの
を、1つの水晶基板でフィルタを構成することが可能に
なり、小型化及びコストダウンを図ることが可能にな
る。また、複数の励振部それぞれは、軸反転部の閉じ込
め効果により互いに分離されることにより、同一の水晶
基板内で互いに不要な干渉を起こすこと無く動作するこ
とが可能になる。
【0026】請求項4記載の水晶機能素子では、前記軸
反転部の一部または全部が電極により覆われていること
により、該電極は前記複数の励振部各々に影響を及ぼす
ことなく電磁シールドとして作用する。これにより、隣
接する励振部間の電磁シールドを容易に実現することが
可能になる。
【0027】請求項5記載の水晶機能素子では、前記軸
反転部をアースに接続したことにより、帯電等により生
じる静電位等の影響が除去され、該水晶機能素子におけ
る電圧のゆらぎ等が無くなり、電圧が安定化する。
【0028】請求項6記載の水晶機能素子では、互いに
隣接する前記励振部に挟まれる前記軸反転部の領域の少
なくともその一部を除去したことにより、この除去した
部分、すなわちスリットとなる部分の形状を制御するこ
とで、水晶基板の形状の精度の影響を受けること無く、
励振部同士を弾性的に結合する。したがって、このスリ
ット部分の形状を調整することで、これらの励振部同士
の結合度を自由に調整することが可能になり、励振部の
共振特性の設計が容易になる。また、温度特性も向上す
る。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の各実施形態について、図
面に基づき説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態のモ
ノリシッククリスタルフィルタ(水晶機能素子)(以
下、MCFと略称する)を示す斜視図であり、図におい
て、ATカットの水晶基板11に、該水晶基板11の両
面に形成された電極12,13により挟まれX軸方向の
電気軸を有する励振部31が複数個形成され、これら複
数の励振部31,31,…は前記水晶基板11のZ’軸
方向に沿って配列されている。そして、これらの励振部
31,31,…各々を囲むように水晶基板11内に、こ
れらの励振部31,31,…の電気軸(X)と反対方向
の電気軸(−X)を有する軸反転部32が形成されてい
る。
【0030】この軸反転部32のうち、互いに隣接する
励振部31,31に挟まれる軸反転部の領域の一部が除
去されてスリット部33とされ、これらの励振部31,
31,…は、スリット部33による干渉を利用すること
により直列に結合され、個々の励振部31が互いに独立
した通過帯域を有するフィルタとされている。
【0031】このMCFは、1つの水晶基板11に、互
いに独立した励振部31,31,…を水晶基板11の
Z’軸方向に沿って配列している。したがって、従来で
は、互いに独立した複数の水晶フィルタを外部接続する
ことによりフィルタを構成していたのに対し、このMC
Fでは、1つの水晶基板11内に複数の励振部31を形
成することにより、小型化されたフィルタを構成するこ
とが可能になり、小型化及びコストダウンを図ることが
可能になる。
【0032】また、スリット部33の形状を制御するこ
とにより、水晶基板11の形状の精度の影響を受けるこ
と無く、励振部31,31同士を弾性的に結合するの
で、このスリット部33の幅を調整することで励振部3
1,31間の結合度を自由に調整することが可能にな
り、励振部31の共振特性の設計が容易になる。また、
温度特性も向上する。
【0033】このMCFでは、IN側から入力する複数
の波長を有する電気信号は、励振部31,31,…を通
過する間に所望の波長の電気信号のみが選択され、この
選択された波長の電気信号のみがOUT側から出力す
る。
【0034】以上説明した様に、本実施形態のMCFに
よれば、水晶基板11に、励振部31を複数個形成し、
これら複数の励振部31,31,…を前記水晶基板11
のZ’軸方向に沿って配列し、これらの励振部31,3
1,…を囲むように水晶基板1内に、これらの励振部3
1,31,…の電気軸(X)と反対方向の電気軸(−
X)を有する軸反転部32を形成したので、1つの水晶
基板11に、互いに独立した複数の励振部31を形成す
ることができ、1つの水晶基板でフィルタを構成するこ
とができ、小型化及びコストダウンを図ることができ
る。また、励振部31,31,…は、軸反転部32の閉
じ込め効果により互いに分離されるので、同一の水晶基
板11内で互いに不要な干渉を起こすこと無く動作する
ことができる。
【0035】また、互いに隣接する励振部31,31に
挟まれる軸反転部の領域の一部を除去してスリット部3
3としたので、水晶基板11の形状の精度の影響を受け
ること無く、励振部31同士を弾性的に結合することが
できる。したがって、このスリット部33の幅を調整す
ることで、これらの励振部31同士の結合度を自由に調
整することができ、励振部31の共振特性の設計を容易
に行なうことができる。また、温度特性を向上させるこ
ともできる。
【0036】(第2の実施形態)図2は本発明の第2の
実施形態のヤーマン型フィルタ(水晶機能素子)を示す
斜視図であり、図において、ATカットの水晶基板11
に、該水晶基板11の両面に形成された電極12,13
により挟まれX軸方向の電気軸を有する励振部41が複
数個(ここでは、2個)形成され、これらの励振部4
1,41は前記水晶基板11のZ’軸方向に沿って配列
されている。そして、これらの励振部41,41各々を
囲むように水晶基板11内に、これらの励振部41,4
1の電気軸(X)と反対方向の電気軸(−X)を有する
軸反転部42が形成されている。
【0037】この軸反転部42の両面には、これをほぼ
覆うように電極43がそれぞれ形成され、表面側の電極
43と裏面側の電極(図示せず)はそれぞれアース44
に接続されている。この軸反転部42には金属電極43
を形成しても悪影響が無いので、アース44に接続して
も何等問題が生じない。
【0038】このフィルタは、1つの水晶基板11に、
互いに独立した励振部41,41を水晶基板11のZ’
軸方向に沿って配列している。したがって、従来では、
互いに独立した複数の水晶フィルタを外部接続すること
によりフィルタを構成していたのに対し、このフィルタ
では、1つの水晶基板11内に複数の励振部41を形成
することにより、小型化されたフィルタを構成すること
が可能になり、小型化及びコストダウンを図ることが可
能になる。
【0039】また、軸反転部42の両面に、これをほぼ
覆うように電極43を形成したことにより、電極43が
複数の励振部41各々に影響を及ぼすことなく電磁シー
ルドとして作用し、隣接する励振部41,41間の電磁
シールドを容易に実現することが可能になる。
【0040】また、電極43をアース44に接続したこ
とにより、帯電等により生じる静電位等の影響を除去す
ることができ、このフィルタにおける電圧のゆらぎ等を
無くすことが可能になり、電圧が安定化する。このフィ
ルタでは、IN側から入力する複数の波長を有する電気
信号は、励振部41,41を通過する間に所望の波長の
電気信号のみが選択され、この選択された波長の電気信
号のみがOUT側から出力する。
【0041】以上説明した様に、本実施形態のフィルタ
によれば、水晶基板11に、励振部41を複数個形成
し、これらの励振部41,41を前記水晶基板11の
Z’軸方向に沿って配列し、これらの励振部41,41
各々を囲むように水晶基板11内に、これらの励振部4
1,41の電気軸(X)と反対方向の電気軸(−X)を
有する軸反転部42を形成したので、1つの水晶基板1
1に、互いに独立した複数の励振部41を形成すること
ができ、1つの水晶基板でフィルタを構成することがで
き、小型化及びコストダウンを図ることができる。ま
た、励振部41,41は、軸反転部42の閉じ込め効果
により互いに分離されるので、同一の水晶基板11内で
互いに不要な干渉を起こすこと無く動作することができ
る。
【0042】また、軸反転部42の両面に、これをほぼ
覆うように電極43を形成したので、電極43が複数の
励振部41各々に影響を及ぼすことなく電磁シールドと
して作用し、隣接する励振部41,41間の電磁シール
ドを容易に実現することができる。また、電極43をア
ース44に接続したので、帯電等により生じる静電位等
の影響を除去することができ、このフィルタにおける電
圧のゆらぎ等を無くすことができ、したがって、電圧を
安定化することができる。
【0043】なお、第1及び第2の実施形態のフィルタ
においては、励振部31(41)及び軸反転部32(4
2)やスリット部33の形状は、上述した形状に限定さ
れること無く、様々な形状のものが実施可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の請求項1、
2または3記載の水晶機能素子によれば、水晶基板内
に、かつ複数の励振部それぞれを囲むように、これらの
励振部の電気軸と反対方向の電気軸を有する軸反転部を
形成したので、1つの水晶基板に、互いに独立した複数
の励振部を形成することができる。したがって、従来で
は、互いに独立した複数の水晶フィルタを外部接続する
ことにより対称格子型フィルタやヤーマン型フィルタを
構成していたのに対し、このフィルタでは、1つの水晶
基板でフィルタを構成することができ、小型化及びコス
トダウンを図ることができる。また、複数の励振部それ
ぞれは、軸反転部の閉じ込め効果により互いに分離され
るので、同一の水晶基板内で互いに不要な干渉を起こす
こと無く動作することができる。
【0045】また、請求項4記載の水晶機能素子によれ
ば、前記軸反転部の一部または全部を電極により覆うこ
ととしたので、該電極が前記複数の励振部各々に影響を
及ぼすことなく電磁シールドとして作用し、隣接する励
振部間の電磁シールドを容易に実現することができる。
【0046】請求項5記載の水晶機能素子によれば、前
記軸反転部をアースに接続したので、帯電等により生じ
る静電位等の影響を除去することができ、その結果、該
水晶機能素子における電圧のゆらぎ等を無くすことがで
き、電圧を安定化することができる。
【0047】請求項6記載の水晶機能素子によれば、互
いに隣接する前記励振部に挟まれる前記軸反転部の領域
の少なくともその一部を除去したので、この除去した部
分の形状を制御することで、水晶基板の形状の精度の影
響を受けること無く、励振部同士を弾性的に結合するこ
とができる。したがって、この除去した部分の形状を調
整することで、これらの励振部同士の結合度を自由に調
整することができ、励振部の共振特性の設計が容易にな
り、温度特性も向上させることができる。以上により、
温度特性及び周波数特性に優れ、しかも、小型化が可
能、設計が容易等の利点を有する水晶機能素子を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態のモノリシッククリ
スタルフィルタを示す斜視図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態のヤーマン型フィル
タを示す斜視図である。
【図3】 従来の対称格子型フィルタを示す回路図であ
る。
【図4】 従来のヤーマン型フィルタを示す回路図であ
る。
【図5】 従来の水晶振動子を示す斜視図である。
【図6】 従来の他の水晶振動子を示す斜視図である。
【図7】 図6のI−I線に沿う断面図である。
【図8】 従来の他の水晶振動子の共振周波数と温度特
性との関係を示す図である。
【符号の説明】
1〜4 水晶フィルタ 5 共振コイル 11 ATカットの水晶基板 12,13 励振用の電極 14 励振部 21,22 軸反転部 31 励振部 32 軸反転部 33 スリット部 41 励振部 42 軸反転部 43 電極 44 アース W 電極の幅 L 電極の長さ d 励振部と軸反転部との間隔 s 軸反転部の長さ f 長さ方向の振動変位の振幅分布 A 水晶振動子の最適な特性 B ATカット水晶振動子の特性 C 反転処理した水晶振動子の特性 D 温度補償の原理確認実験結果 X 電気軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神山 栄治 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5J033 AA04 AA07 BB02 CC04 CC10 CC13 DD02 EE03 FF01 FF07 FF11 JJ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶基板の複数の領域のそれぞれの両面
    に励振用の電極部を形成し、これらの電極部に挟まれた
    前記複数の領域をそれぞれ励振部とし、 前記水晶基板内に、かつ該複数の励振部それぞれを囲む
    ように、これらの励振部の電気軸と反対方向の電気軸を
    有する軸反転部を形成してなることを特徴とする水晶機
    能素子。
  2. 【請求項2】 前記複数の励振部は、前記水晶基板の1
    つの軸方向に沿って配列されていることを特徴とする請
    求項1記載の水晶機能素子。
  3. 【請求項3】 前記複数の励振部それぞれを、互いに独
    立した通過帯域を有するフィルタ部としたことを特徴と
    する請求項1または2記載の水晶機能素子。
  4. 【請求項4】 前記軸反転部の一部または全部が電極に
    より覆われていることを特徴とする請求項1、2または
    3記載の水晶機能素子。
  5. 【請求項5】 前記軸反転部は、アースに接続されてい
    ることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の水
    晶機能素子。
  6. 【請求項6】 互いに隣接する前記励振部に挟まれる前
    記軸反転部の領域の少なくともその一部を除去してなる
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の水晶
    機能素子。
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