JP2640936B2 - 高次モード振動を利用したオーバートーン発振用圧電共振子 - Google Patents
高次モード振動を利用したオーバートーン発振用圧電共振子Info
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- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は圧電共振子,殊に格別の発振回路を必要とせ
ずして所望のオーバートーン周波数にて発振を可能とす
るオーバートーン発振用圧電共振子に関する。
ずして所望のオーバートーン周波数にて発振を可能とす
るオーバートーン発振用圧電共振子に関する。
(従来技術) 近年,通信機をはじめとする各種電子機器に於いては
高周波化と超小型化の要求が一層厳しくなっているがこ
れに応える為には従来から一般に行なわれている水晶振
動子の如き圧電共振子のオーバートーン振動の利用の
他,弾性表面波(SAW)共振子が広範囲に使用されるよ
うになってきた。
高周波化と超小型化の要求が一層厳しくなっているがこ
れに応える為には従来から一般に行なわれている水晶振
動子の如き圧電共振子のオーバートーン振動の利用の
他,弾性表面波(SAW)共振子が広範囲に使用されるよ
うになってきた。
しかしながら前者は一般に希望するオーバートーン周
波数に同調するLC同調回路を介して所望の出力を抽出す
るか或は発振回路の一部にLC同調回路を挿入して該回路
の負抵抗が所望のオーバートーン周波数領域に於いての
み充分大きくなるよう設計するものであっていずれもコ
イル要し発振回路のIC化を進める上で極めて不都合であ
るという欠陥があった。
波数に同調するLC同調回路を介して所望の出力を抽出す
るか或は発振回路の一部にLC同調回路を挿入して該回路
の負抵抗が所望のオーバートーン周波数領域に於いての
み充分大きくなるよう設計するものであっていずれもコ
イル要し発振回路のIC化を進める上で極めて不都合であ
るという欠陥があった。
一方,SAW共振子の発振周波数は周知の如く圧電基板の
材質とその表面に形成するインタディジタル・トランス
ジューサ(IDT)電極のピッチによって一義的に決定す
るので共振子自体の小型化が可能であると共に上述した
如き回路上の問題もないが,周波数−温度特性の点でAT
カット水晶振動子よりはるかに劣るという欠陥があっ
た。
材質とその表面に形成するインタディジタル・トランス
ジューサ(IDT)電極のピッチによって一義的に決定す
るので共振子自体の小型化が可能であると共に上述した
如き回路上の問題もないが,周波数−温度特性の点でAT
カット水晶振動子よりはるかに劣るという欠陥があっ
た。
(発明の目的) 本発明は上述した如き従来の高周波共振子の欠陥に鑑
みてなされたものであって,従来から使用されている通
常の圧電共振子と殆んど同様の形態で,従って製造工程
等を実質的に変えることなく,しかも発振回路にLC同調
回路等を付加することなくして所望のオーバートーン周
波数の発振を可能とする高次の対称或は非対称モードの
振動を利用したオーバートーン発振用圧電共振子を提供
することを目的とする。
みてなされたものであって,従来から使用されている通
常の圧電共振子と殆んど同様の形態で,従って製造工程
等を実質的に変えることなく,しかも発振回路にLC同調
回路等を付加することなくして所望のオーバートーン周
波数の発振を可能とする高次の対称或は非対称モードの
振動を利用したオーバートーン発振用圧電共振子を提供
することを目的とする。
(発明の概要) 上述の目的を達成する為,本発明に係るオーバートー
ン発振用共振子は以下の如き構成をとる。
ン発振用共振子は以下の如き構成をとる。
即ち,圧電基板に分割電極を形成することにより遮断
周波数f1なる多分割の振動エネルギ閉じ込め部を設ける
と共に該振動エネルギ閉じ込め部の外周に前記遮断周波
数f1より高い遮断周波数f2なる振動エネルギ伝搬部を設
けることにより、前記振動エネルギ閉じ込め部に高次の
対称或いは非対称モードを励起し、当該モードの振動の
うち所望の次数のオーバートーン振動以上の次数の振動
エネルギの所要量を前記振動エネルギ閉じ込め部に閉じ
込める一方、 前記振動エネルギ伝搬部の外周から圧電基板端縁まで
振動エネルギ伝搬方向に所要の奥行きを有し前記振動エ
ネルギ伝搬部より板厚が厚く前記遮断周波数f1より低い
遮断周波数f3なる振動エネルギ吸収部を設け、基本波振
動を含む前記所望の次数のオーバートーン振動より低次
オーバートーンの振動エネルギの所要量を前記振動エネ
ルギ伝搬部を介して圧電板外周に漏洩せしめ、少なくと
も最低次対称モードS0以外の高次の対称或いは非対称モ
ードの励振のうち、前記所望の次数のオーバートーン振
動による発振を前記所望の次数のオーバートーン振動よ
り低次の振動によるそれよりも容易ならしめるように前
記振動エネルギ閉じ込め部の短辺の長さ(a)、周波数
低下率(Δ=(f2−f1)/f2)及び前記振動エネルギ伝
搬部の板厚(H)の各パラメータが設定されていること
を特徴とする高次モード振動を利用したオーバートーン
発振用圧電共振子である。
周波数f1なる多分割の振動エネルギ閉じ込め部を設ける
と共に該振動エネルギ閉じ込め部の外周に前記遮断周波
数f1より高い遮断周波数f2なる振動エネルギ伝搬部を設
けることにより、前記振動エネルギ閉じ込め部に高次の
対称或いは非対称モードを励起し、当該モードの振動の
うち所望の次数のオーバートーン振動以上の次数の振動
エネルギの所要量を前記振動エネルギ閉じ込め部に閉じ
込める一方、 前記振動エネルギ伝搬部の外周から圧電基板端縁まで
振動エネルギ伝搬方向に所要の奥行きを有し前記振動エ
ネルギ伝搬部より板厚が厚く前記遮断周波数f1より低い
遮断周波数f3なる振動エネルギ吸収部を設け、基本波振
動を含む前記所望の次数のオーバートーン振動より低次
オーバートーンの振動エネルギの所要量を前記振動エネ
ルギ伝搬部を介して圧電板外周に漏洩せしめ、少なくと
も最低次対称モードS0以外の高次の対称或いは非対称モ
ードの励振のうち、前記所望の次数のオーバートーン振
動による発振を前記所望の次数のオーバートーン振動よ
り低次の振動によるそれよりも容易ならしめるように前
記振動エネルギ閉じ込め部の短辺の長さ(a)、周波数
低下率(Δ=(f2−f1)/f2)及び前記振動エネルギ伝
搬部の板厚(H)の各パラメータが設定されていること
を特徴とする高次モード振動を利用したオーバートーン
発振用圧電共振子である。
(発明の実施例) 以下,本発明を本発明をなすに至った理論と図面に示
した実施例とに基づいて詳細に説明する。
した実施例とに基づいて詳細に説明する。
実施例の説明に先行して本発明の理解を助ける為その
理論について少しく詳述する。
理論について少しく詳述する。
先ず,本発明の発想の前提となる事実関係を整理列挙
すれば以下の如くなる。
すれば以下の如くなる。
(1) ショックレイ等のエネルギ閉じ込め理論は純弾
性的な解析であって波動としてはSH波について解析した
ものであるが振動媒体としては金属,水晶,リチウムタ
ンタレート,リチウムナイオベート或は圧電セラミクス
の如き高結合材料を用い圧電共振子全般に対して,振動
モードとしては厚みすべり,厚みねじれ厚みたて等のあ
らゆるモードについて振動エネルギ伝播方向やオーバー
トーン次数が異っても定性的なふるまいについてはこの
理論を適用し得ることが知られている。
性的な解析であって波動としてはSH波について解析した
ものであるが振動媒体としては金属,水晶,リチウムタ
ンタレート,リチウムナイオベート或は圧電セラミクス
の如き高結合材料を用い圧電共振子全般に対して,振動
モードとしては厚みすべり,厚みねじれ厚みたて等のあ
らゆるモードについて振動エネルギ伝播方向やオーバー
トーン次数が異っても定性的なふるまいについてはこの
理論を適用し得ることが知られている。
(2) ショックレイのエネルギ閉じ込め理論によれば
第2図(a)に示す如く遮断周波数1なる部分の周辺
に遮断周波数2なる部分が存在すると遮断周波数小な
る部分(1の部分)に振動エネルギが閉じ込もるが,
その閉じ込めの程度は第2図(b)の如くなる。
第2図(a)に示す如く遮断周波数1なる部分の周辺
に遮断周波数2なる部分が存在すると遮断周波数小な
る部分(1の部分)に振動エネルギが閉じ込もるが,
その閉じ込めの程度は第2図(b)の如くなる。
本図縦軸のψはψ=(−1)/(2−1)な
る式で規準化共振周波数と称しψ=1の場合とは=
2の場合を意味し第2図(a)に於ける遮断周波数1
なる部分の悪影響がない,換言すれば該部が存在しない
ことを意味しこの場合には振動エネルギは基板全面に拡
散し綴じ込めは発生しない。
る式で規準化共振周波数と称しψ=1の場合とは=
2の場合を意味し第2図(a)に於ける遮断周波数1
なる部分の悪影響がない,換言すれば該部が存在しない
ことを意味しこの場合には振動エネルギは基板全面に拡
散し綴じ込めは発生しない。
一方,ψ=0の場合とは上記説明とは逆に遮断周波数
1なる部分に全振動エネルギが閉じ込もることを意味
する。
1なる部分に全振動エネルギが閉じ込もることを意味
する。
又、横軸のパラメータ は閉じ込め係数と称するものでオーバートーン次数n,遮
断周波数1なる部分のサイズa及び厚さH並びに周波
数低下量△によって規定される。
断周波数1なる部分のサイズa及び厚さH並びに周波
数低下量△によって規定される。
ところで、第2図(b)を考察するに前記閉じ込め係
数 がある値以下の場合高次対称モード(S1,S2,……)或は
非対称モード(a0,a1,……)の振動に閉じ込めモードが
全く存在しないことが判る。この性質は最低次対称モー
ド(S0)には存在しない性質であることに注目された
い。
数 がある値以下の場合高次対称モード(S1,S2,……)或は
非対称モード(a0,a1,……)の振動に閉じ込めモードが
全く存在しないことが判る。この性質は最低次対称モー
ド(S0)には存在しない性質であることに注目された
い。
(3) 前記閉じ込め係数の内 及びHが適当な固定した値である場合にはオーバートー
ン次数nが大きな程エネルギ閉じ込めの程度は大となる
が,閉じ込め係数が大きくなるに従いエネルギ閉じ込め
の程度はオーバートーン次数に殆んど左右されない大き
な値をとる。
ン次数nが大きな程エネルギ閉じ込めの程度は大となる
が,閉じ込め係数が大きくなるに従いエネルギ閉じ込め
の程度はオーバートーン次数に殆んど左右されない大き
な値をとる。
(4) オーバートーン次数n及び圧電基板周波数、即
ちHが与件である場合前記閉じ込め係数を変動せしめる
上で操作し得るパラメータは遮断周波数1なる(一般
には電極付着)部分のサイズ及び何等かの質量付加によ
る周波数低下量△である。
ちHが与件である場合前記閉じ込め係数を変動せしめる
上で操作し得るパラメータは遮断周波数1なる(一般
には電極付着)部分のサイズ及び何等かの質量付加によ
る周波数低下量△である。
しかしながら水晶以外の如き高結合材料を振動媒体と
して用いる場合にはその圧電性に起因する周波数低下の
効果が顕著となり前記△を充分操作し得ない場合には前
記aを変化させれば効果的である。
して用いる場合にはその圧電性に起因する周波数低下の
効果が顕著となり前記△を充分操作し得ない場合には前
記aを変化させれば効果的である。
(5) エネルギが閉じ込められた振動についてはオー
バートーン次数が大なる程等価抵抗は大きい。
バートーン次数が大なる程等価抵抗は大きい。
又,前記第2図(b)からも明らかな如く振動エネル
ギは遮断周波数の小なる部分に完全に閉じ込もることは
なく多少なりとも遮断周波数の高い周辺部に漏洩する
が,前記遮断周波数小なる部分に過度に近接して前記漏
洩エネルギを吸収し熱に変換する部分に存在すれば当該
振動についての等価抵抗は大きくなる。
ギは遮断周波数の小なる部分に完全に閉じ込もることは
なく多少なりとも遮断周波数の高い周辺部に漏洩する
が,前記遮断周波数小なる部分に過度に近接して前記漏
洩エネルギを吸収し熱に変換する部分に存在すれば当該
振動についての等価抵抗は大きくなる。
因みに従来一般の水晶振動子は水晶基板中央に電極を
充分厚く付着することによって遮断周波数差を大きくと
りあらゆるオーバートーン次数の振動エネルギを該部に
閉じ込めるものであった為,CI値が最小となる基本波周
波数での発振が最も容易であって,これをオーバートー
ン発振せしめんとすれば発振回路側に工夫を要すること
前述のとうりである。
充分厚く付着することによって遮断周波数差を大きくと
りあらゆるオーバートーン次数の振動エネルギを該部に
閉じ込めるものであった為,CI値が最小となる基本波周
波数での発振が最も容易であって,これをオーバートー
ン発振せしめんとすれば発振回路側に工夫を要すること
前述のとうりである。
(6) もっとも前記第2図(b)に示した高次の対称
或は非対称モードについての性質は無限圧電基板に関す
る理論解析の結果であるが,もしこの性質が有限基板に
於いても実質的に保存されるならば基板全面に拡散した
振動エネルギは基板端縁の保持部等から漏洩或は消耗す
るからこれらの振動についての等価抵抗は極めて大なる
ものとなろう。
或は非対称モードについての性質は無限圧電基板に関す
る理論解析の結果であるが,もしこの性質が有限基板に
於いても実質的に保存されるならば基板全面に拡散した
振動エネルギは基板端縁の保持部等から漏洩或は消耗す
るからこれらの振動についての等価抵抗は極めて大なる
ものとなろう。
以上説明した事実関係を勘案するに,先ず前記(2)
及び(3)に述べた無限基板上での高次の対称或は非対
称モードの振動についての性質が有限基板上でどの程度
保持されるか検討する。
及び(3)に述べた無限基板上での高次の対称或は非対
称モードの振動についての性質が有限基板上でどの程度
保持されるか検討する。
第3図(a)はx方向に無限長でz方向に2bなる有限
の幅員を有する基板上の幅方向中央に2aなる幅員を有す
る電極を付したエネルギ閉じ込め型共振子を示す模式断
面図である。
の幅員を有する基板上の幅方向中央に2aなる幅員を有す
る電極を付したエネルギ閉じ込め型共振子を示す模式断
面図である。
斯る共振子に励起される波動としてはx軸に平行な変
位を有するSH波のみを考慮すればよいがその変位Uは尾
上及び十文字の“エネルギ閉じ込め型圧電共振子の解
析”(昭和40年9月信学誌48巻9号)によれば U=u・cos(nπy/H)・exp(iωt) ……(1) で与えられる。但し上記uはu=(z)であって第3
図(a)に示した基板の各領域(I),(II),及び
(III)伝搬定数βが常に実数となるよう定義したkお
よびk′を用いて以下の如く書き直すことができるもの
である。
位を有するSH波のみを考慮すればよいがその変位Uは尾
上及び十文字の“エネルギ閉じ込め型圧電共振子の解
析”(昭和40年9月信学誌48巻9号)によれば U=u・cos(nπy/H)・exp(iωt) ……(1) で与えられる。但し上記uはu=(z)であって第3
図(a)に示した基板の各領域(I),(II),及び
(III)伝搬定数βが常に実数となるよう定義したkお
よびk′を用いて以下の如く書き直すことができるもの
である。
ここでA,B及びCは定数,又1を電極部(II)が無
限に広いと仮定した場合の厚みすべり振動の固有共振周
波数,2を無電極部(I)及び(III)が無限に広い
と仮定した場合の固有共振周波数とする。このとき前記
各領域(II)及び(I),(III)の伝搬定数夫々k,k′
は である。
限に広いと仮定した場合の厚みすべり振動の固有共振周
波数,2を無電極部(I)及び(III)が無限に広い
と仮定した場合の固有共振周波数とする。このとき前記
各領域(II)及び(I),(III)の伝搬定数夫々k,k′
は である。
又,式(2),(3)及び(4)の二重記法に於ける
上部は変位Uが原点に対して偶関数となる対称振動を,
下部は奇関数となる非対称振動を与えるものである。
上部は変位Uが原点に対して偶関数となる対称振動を,
下部は奇関数となる非対称振動を与えるものである。
以上の(1)乃至(6)式に於いてz=±aで変位及
び応力が連続,z=±bで端面自由という境界条件から次
の周波数方程式を得る。
び応力が連続,z=±bで端面自由という境界条件から次
の周波数方程式を得る。
ここで前記1が2よりわずかに低い場合の(7)
式の近似式を求める。
式の近似式を求める。
先ず,前記第3図(a)に於いて領域(II)に基板々
厚の変化を与えるか或は電極の付着がなされた場合の観
測可能な周波数,即ち共振周波数をとする。
厚の変化を与えるか或は電極の付着がなされた場合の観
測可能な周波数,即ち共振周波数をとする。
次に新たに次式を満足するδ及び△なる二つの基準化
周波数を導入する。
周波数を導入する。
=(1+δ)1 ……(8)1 =(1−△)2 ……(9) (5)及び(8)より(kH)2=(nπ)2・2δ……
(10) (6)及び(9)より(k′H)2=(nπ)2・2
(△−δ) ……(11) (10)及び(11)より ここで δ/△=ψ ……(13) とおくと, 又、(10)及び(13)より 更に,(11)及び(13)より (14),(15)及び(16)を(7)に代入すると これはb/aをパラメータとした規準化共振周波数ψと
共振子寸法 との関係を示す式であって有限板上の振動エネルギ閉じ
込め状態を与える一般式である。
(10) (6)及び(9)より(k′H)2=(nπ)2・2
(△−δ) ……(11) (10)及び(11)より ここで δ/△=ψ ……(13) とおくと, 又、(10)及び(13)より 更に,(11)及び(13)より (14),(15)及び(16)を(7)に代入すると これはb/aをパラメータとした規準化共振周波数ψと
共振子寸法 との関係を示す式であって有限板上の振動エネルギ閉じ
込め状態を与える一般式である。
そこで上記(17)式を用いてb/a=4の場合の高次の
対称及び非対称モード振動の周波数スペクトラムを計算
し無限基板に於けるそれらと比較した結果を第3図
(b)に示す如くなった。
対称及び非対称モード振動の周波数スペクトラムを計算
し無限基板に於けるそれらと比較した結果を第3図
(b)に示す如くなった。
本図から明らかな如く,最低次対称モードの振動につ
いてのエネルギ閉じ込めの程度はパラメータb/aによっ
て大幅に変動するが高次の対称及び非対称モード振動に
ついてのそれは無限基板の場合も有限基板の場合も実質
的に同等とみて差しつかえないことが判明した。
いてのエネルギ閉じ込めの程度はパラメータb/aによっ
て大幅に変動するが高次の対称及び非対称モード振動に
ついてのそれは無限基板の場合も有限基板の場合も実質
的に同等とみて差しつかえないことが判明した。
即ち,前述した本発明の前提条件たる(2)及び
(3)は有限基板に於いてもそのまま適用可能であるこ
と及び最低次対称(S0)モードの特性に比して他のモー
ドはその傾斜が急峻でありその程度は高次モード程顕著
となるという性質も有限基板に於いて保持されているこ
とに特に注目されたい。
(3)は有限基板に於いてもそのまま適用可能であるこ
と及び最低次対称(S0)モードの特性に比して他のモー
ドはその傾斜が急峻でありその程度は高次モード程顕著
となるという性質も有限基板に於いて保持されているこ
とに特に注目されたい。
以上の解析の結果を踏まえて再び前述した本発明の発
想の前提となる事実(1)乃至(5)を考察するにこれ
らの事実関係を綜合すれば以下の如きアイディアに到達
することが理解されよう。
想の前提となる事実(1)乃至(5)を考察するにこれ
らの事実関係を綜合すれば以下の如きアイディアに到達
することが理解されよう。
即ち,例えば第1図(a)に示す如く圧電基板1の中
央部両面に夫々2分割電極2,2′及び3,3′を付着して励
振すれば最低次の非対称(a0)モードの振動が強力に励
起することは明らかである。
央部両面に夫々2分割電極2,2′及び3,3′を付着して励
振すれば最低次の非対称(a0)モードの振動が強力に励
起することは明らかである。
ここで,上記振動子にて発振を所望するオーバートー
ン次数をnとした場合,前記第3図(b)の横軸上に於
いて(n−2)次の閉じ込め係数 の位置がa0モード曲線のエネルギ閉じ込め率零,即ち閉
じ込めモード不存在位置にあるように,又 の位置はa0モード曲線の閉じ込め率が極力大なる位置に
あるよう各ラメータa及び△を選択するならば第1図
(b)に示す如くn次以上のオーバートーン振動の振動
エネルギは前記分割電極2,2′及び3,3′の周辺近傍に閉
じ込められると共に(n−2)次以下のオーバートーン
振動の振動エネルギは前記圧電基板1全面に拡散し,該
基板1周縁に必ず存在する基板保持部を介してかなりの
程度漏洩消費するであろう。
ン次数をnとした場合,前記第3図(b)の横軸上に於
いて(n−2)次の閉じ込め係数 の位置がa0モード曲線のエネルギ閉じ込め率零,即ち閉
じ込めモード不存在位置にあるように,又 の位置はa0モード曲線の閉じ込め率が極力大なる位置に
あるよう各ラメータa及び△を選択するならば第1図
(b)に示す如くn次以上のオーバートーン振動の振動
エネルギは前記分割電極2,2′及び3,3′の周辺近傍に閉
じ込められると共に(n−2)次以下のオーバートーン
振動の振動エネルギは前記圧電基板1全面に拡散し,該
基板1周縁に必ず存在する基板保持部を介してかなりの
程度漏洩消費するであろう。
一方,前記分割電極2,2′及び3,3′周辺近傍に閉じ込
められたn次以上のオーバートーン振動の振動エネルギ
はオーバートーン次数の高いものほど等価抵抗の大なる
こと前述の通りであるから結局このように構成した共振
子はその発振回路に格別の工夫を要せずしてn次オーバ
ートーン周波数にて発振することになるはずである。
められたn次以上のオーバートーン振動の振動エネルギ
はオーバートーン次数の高いものほど等価抵抗の大なる
こと前述の通りであるから結局このように構成した共振
子はその発振回路に格別の工夫を要せずしてn次オーバ
ートーン周波数にて発振することになるはずである。
第1図(c)はa0モードの振動を利用し3次オーバー
トーン発振用共振子を得んとする場合の基本的なパラメ
ータ選択手順を示す図であって,a0モードの振動の振動
エネルギ閉じ込め率Tが零となるのは概ね閉じ込め係数 が0.4以下の場合であるから基本波(n=1)振動と3
次(n=3)オーバートーン振動とに対し夫々 となるようパラメータa及び△を決定すればよい。
トーン発振用共振子を得んとする場合の基本的なパラメ
ータ選択手順を示す図であって,a0モードの振動の振動
エネルギ閉じ込め率Tが零となるのは概ね閉じ込め係数 が0.4以下の場合であるから基本波(n=1)振動と3
次(n=3)オーバートーン振動とに対し夫々 となるようパラメータa及び△を決定すればよい。
尚,前記分割電極間隙は相隣接する電極間で短絡が生
じない限り適当な値に設定すればよい。もっともこの電
極間隙が極めて小なる場合には非対称モードの振動がこ
れと同時に励起せられる対称モードの振動と音響的に結
合する結果2種の異った共振周波数を発生することは周
知であるが本発明に係る共振子に於いてはその片方,即
ち上述の例では非対称モードの振動による共振周波数の
みを取り出せばよいので格別の問題は生じない。
じない限り適当な値に設定すればよい。もっともこの電
極間隙が極めて小なる場合には非対称モードの振動がこ
れと同時に励起せられる対称モードの振動と音響的に結
合する結果2種の異った共振周波数を発生することは周
知であるが本発明に係る共振子に於いてはその片方,即
ち上述の例では非対称モードの振動による共振周波数の
みを取り出せばよいので格別の問題は生じない。
又,更に高次モードの振動を利用せんとする場合に
は,例えばS1モード或はa1モードを利用せんとするなら
ば夫々電極を3分割或は4分割すればよくその際には前
記第3図(b)に示す如く各モードの周波数スペクトラ
ムはその曲線の勾配が高次となる程急峻であるので所望
のn次オーバートーン振動の振動エネルギ閉じ込め率と
(n−2)次以下のそれとの落差を大きく設定し得るか
ら極めて好都合である。
は,例えばS1モード或はa1モードを利用せんとするなら
ば夫々電極を3分割或は4分割すればよくその際には前
記第3図(b)に示す如く各モードの周波数スペクトラ
ムはその曲線の勾配が高次となる程急峻であるので所望
のn次オーバートーン振動の振動エネルギ閉じ込め率と
(n−2)次以下のそれとの落差を大きく設定し得るか
ら極めて好都合である。
以上,本発明の基本原理を説明したが現実にはこの原
理を多少逸脱した場合であっても同様の効果を奏する共
振込を得ることが可能である。
理を多少逸脱した場合であっても同様の効果を奏する共
振込を得ることが可能である。
即ち,発振回路は一般に周波数が高くなるとその増幅
器の利得が低下する為回路の負性抵抗もほゞ周波数の自
乗に逆比例する性質があるので発振回路側から見た共振
子のインピーダンス最小なるオーバートーン周波数での
発振が最も容易であるとは必ずしも断言し得ないからで
ある。
器の利得が低下する為回路の負性抵抗もほゞ周波数の自
乗に逆比例する性質があるので発振回路側から見た共振
子のインピーダンス最小なるオーバートーン周波数での
発振が最も容易であるとは必ずしも断言し得ないからで
ある。
例えば前記第1図(c)に於いて最低次非対称(a0)
モードの振動を利用して5次オーバートーン発振用共振
子を製造せんとして1次(基本波振動)及び3次オーバ
ートーン振動の振動エネルギ閉じ込め率が共に零となる
如く各パラメータを設定したとすると第4図に示す如く
5次オーバートーン振動の振動エネルギ閉じ込め率が充
分大きくならず,従って5次オーハートーン振動につい
ての等価抵抗が7次のそれより高くなる場合があり得
る。
モードの振動を利用して5次オーバートーン発振用共振
子を製造せんとして1次(基本波振動)及び3次オーバ
ートーン振動の振動エネルギ閉じ込め率が共に零となる
如く各パラメータを設定したとすると第4図に示す如く
5次オーバートーン振動の振動エネルギ閉じ込め率が充
分大きくならず,従って5次オーハートーン振動につい
ての等価抵抗が7次のそれより高くなる場合があり得
る。
斯る場合であっても5次と7次とのオーバートーン振
動についての等価抵抗の差が小さければ前述した発振回
路の特性との関係で5次オーバートーン周波数の発振が
可能であることは充分考えられるが前記5次と7次との
オーバートーン振動についての等価抵抗の差が大きい場
合には7次オーバートーン周波数で発振するかもしれな
い。
動についての等価抵抗の差が小さければ前述した発振回
路の特性との関係で5次オーバートーン周波数の発振が
可能であることは充分考えられるが前記5次と7次との
オーバートーン振動についての等価抵抗の差が大きい場
合には7次オーバートーン周波数で発振するかもしれな
い。
上述の如き不安定さを回避する為には3次オーバート
ーン振動の振動エネルギ閉じ込め率を零より少しく増大
せしめ所望する5次オーバートーン振動についての等価
抵抗が3次のそれより極力小なるよう,又7次のそれよ
り若干高い程度となるよう5次オーバートーン振動の振
動エネルギ閉じ込め率を選択すればよい。
ーン振動の振動エネルギ閉じ込め率を零より少しく増大
せしめ所望する5次オーバートーン振動についての等価
抵抗が3次のそれより極力小なるよう,又7次のそれよ
り若干高い程度となるよう5次オーバートーン振動の振
動エネルギ閉じ込め率を選択すればよい。
従って本発明は必ずしも発振を所望するオーバートー
ン次数より低次のオーバートーン振動(基本波振動を含
む)の振動エネルギを完全に非閉じ込めモードとする必
要はないという点に注目されたい。
ン次数より低次のオーバートーン振動(基本波振動を含
む)の振動エネルギを完全に非閉じ込めモードとする必
要はないという点に注目されたい。
以上,最低次非対称(a0)モードの振動を利用する場
合を例に挙げて説明したがより高次の非対称モード
(a1,a2,……)或は高次対称モード(S1,S2,……)振動
を利用する場合も全く同様の考え方で各パラメータa及
び△を選択すればよい。
合を例に挙げて説明したがより高次の非対称モード
(a1,a2,……)或は高次対称モード(S1,S2,……)振動
を利用する場合も全く同様の考え方で各パラメータa及
び△を選択すればよい。
以上,本発明の基本的構想を説明したが次に本発明に
係る共振子を製造する場合の具体的な電極構成並びに結
線等について少しく詳述する。
係る共振子を製造する場合の具体的な電極構成並びに結
線等について少しく詳述する。
先ず,一般に振動子の電極は圧電基板の変位によって
発生した電荷を有効に引き出し得るよう配置する必要が
あるから本発明に係る共振子も又利用する振動モードに
よる発生電荷の山又は谷の数及び位置を分割電極のそれ
らと一致せしめると共に各電極に発生した電荷を互に打
ち消し合わないよう結線する必要があることはいうまで
もない。
発生した電荷を有効に引き出し得るよう配置する必要が
あるから本発明に係る共振子も又利用する振動モードに
よる発生電荷の山又は谷の数及び位置を分割電極のそれ
らと一致せしめると共に各電極に発生した電荷を互に打
ち消し合わないよう結線する必要があることはいうまで
もない。
そこで,例えば最低次非対称(a0)モードの振動を利
用する場合には第5図(a)に示す如く圧電基板1表裏
に2分割電極2,2′及び3,3′を付着し曲線4に示す如き
レベルの電荷を発生せしめ,この電荷を同図(b)に示
す如き直列接続するか或は同図(c)に示す如く並列接
続する。この場合には並列接続時のインピーダンスは直
列接続時のそれに比して1/4となるので等価抵抗を低減
したい場合には並列接続が好都合であろう。
用する場合には第5図(a)に示す如く圧電基板1表裏
に2分割電極2,2′及び3,3′を付着し曲線4に示す如き
レベルの電荷を発生せしめ,この電荷を同図(b)に示
す如き直列接続するか或は同図(c)に示す如く並列接
続する。この場合には並列接続時のインピーダンスは直
列接続時のそれに比して1/4となるので等価抵抗を低減
したい場合には並列接続が好都合であろう。
更に,斯る分割電極を用いた共振子のスプリアスにつ
いて考察するに,利用する振動モードが高次対称(S1,S
2,……)モードの場合には電気的には非対称(a0,a1,a2
……)モードは励振されず又高次非対称モードの振動を
利用する場合には逆に対称モードは励振されないはずで
あるが現実には共振子製造上の誤差から若干の他のモー
ドの励振がある。
いて考察するに,利用する振動モードが高次対称(S1,S
2,……)モードの場合には電気的には非対称(a0,a1,a2
……)モードは励振されず又高次非対称モードの振動を
利用する場合には逆に対称モードは励振されないはずで
あるが現実には共振子製造上の誤差から若干の他のモー
ドの励振がある。
又,利用する振動モードの内次数の異なるモード,例
えばa1に対するa2モード,は本質的に励振される。
えばa1に対するa2モード,は本質的に励振される。
しかしながら前者の場合はレスポンスが本来極めて小
さいので,又後者の場合も発生電荷パターンの山又は谷
の数と電極の分割パターンとが一致しない為レスポンス
は小さいからいずれにしてもこれらに起因するスプリア
スは問題となる程のレベルには達しない。
さいので,又後者の場合も発生電荷パターンの山又は谷
の数と電極の分割パターンとが一致しない為レスポンス
は小さいからいずれにしてもこれらに起因するスプリア
スは問題となる程のレベルには達しない。
尚,参考の為S1モードを利用した3分割電極の結線法
を第6図(a)及び(b)に示す。
を第6図(a)及び(b)に示す。
又,2分割電極及び3分割電極の共振子について圧電基
板上に形成すべき配線パターンの実施例を第7図(a)
乃至(d)に示す。同数(a),(b)は夫々2分割電
極の直列及び並列接続例,同図(c),(d)は夫々3
分割電極の直列及び並列接続例を示す斜視図であって,
配線パターン5,5,……が圧電基板1の端縁を廻る場合に
は端縁にも導体パターンを蒸着するか或は導電性ペイン
ト又は接着剤を塗布して表裏パターンを接続すればよ
い。
板上に形成すべき配線パターンの実施例を第7図(a)
乃至(d)に示す。同数(a),(b)は夫々2分割電
極の直列及び並列接続例,同図(c),(d)は夫々3
分割電極の直列及び並列接続例を示す斜視図であって,
配線パターン5,5,……が圧電基板1の端縁を廻る場合に
は端縁にも導体パターンを蒸着するか或は導電性ペイン
ト又は接着剤を塗布して表裏パターンを接続すればよ
い。
ところで本発明に係る共振子は基本波振動を含む所望
のオーバートーン次数より低次のオーバートーン振動の
振動エネルギを圧電基板全面に漏洩拡散せしめるもので
あるが,この漏洩エネルギはほゞ無損失で遮断周波数の
大なる部分を伝搬し圧電基板端部に必ず存在する共振子
支持部から漏洩すること前述の通りである。
のオーバートーン次数より低次のオーバートーン振動の
振動エネルギを圧電基板全面に漏洩拡散せしめるもので
あるが,この漏洩エネルギはほゞ無損失で遮断周波数の
大なる部分を伝搬し圧電基板端部に必ず存在する共振子
支持部から漏洩すること前述の通りである。
しかしながらこの漏洩エネルギをより有効に消耗させ
ることは当該振動についての等価抵抗を高める上で重要
であるからこの為第8図(a)に示す如く、圧電基板1
に遮断周波数f1なる振動エネルギを閉じ込める振動エネ
ルギ閉じ込め部10と、該振動エネルギ閉じ込め部10の外
周に前記遮断周波数f1より高い遮断周波数f2なる振動エ
ネルギを伝搬する振動エネルギ伝搬部11とを設け、圧電
基板1の周縁部の一部又は全部に遮断周波数3が著し
く小さい振動エネルギ吸収部6,6,……を設ける。斯くす
ることによって該部で前記漏洩した振動エネルギの振幅
を増大し熱に変換消耗させることができる。このような
効果を得る為には前記圧電基板1周縁部のエネルギ吸収
部6,6,……は圧電基板1自体の厚さを他の部分より大と
してもよいし導体膜或は樹脂膜の如き適当な質量を付着
してもよい。
ることは当該振動についての等価抵抗を高める上で重要
であるからこの為第8図(a)に示す如く、圧電基板1
に遮断周波数f1なる振動エネルギを閉じ込める振動エネ
ルギ閉じ込め部10と、該振動エネルギ閉じ込め部10の外
周に前記遮断周波数f1より高い遮断周波数f2なる振動エ
ネルギを伝搬する振動エネルギ伝搬部11とを設け、圧電
基板1の周縁部の一部又は全部に遮断周波数3が著し
く小さい振動エネルギ吸収部6,6,……を設ける。斯くす
ることによって該部で前記漏洩した振動エネルギの振幅
を増大し熱に変換消耗させることができる。このような
効果を得る為には前記圧電基板1周縁部のエネルギ吸収
部6,6,……は圧電基板1自体の厚さを他の部分より大と
してもよいし導体膜或は樹脂膜の如き適当な質量を付着
してもよい。
或は同図(b)に示す如く接着剤7,7,……の如き質量
を該部に盛ってもよい。
を該部に盛ってもよい。
尚,前記エネルギ吸収部6の遮断周波数の値3も
1と同等或はそれ以下であればよいが必要に応じて増減
し該部に於ける必要な振動エネルギの消耗を極力大なら
しめるようにすることが望ましい。
1と同等或はそれ以下であればよいが必要に応じて増減
し該部に於ける必要な振動エネルギの消耗を極力大なら
しめるようにすることが望ましい。
更に積極的に漏洩エネルギを消耗させる為には同図
(c)に示す如く圧電基板1周縁部両面適所に導体膜8,
8を付着し両者の間を適当な抵抗9,9を介して接続しても
よい。
(c)に示す如く圧電基板1周縁部両面適所に導体膜8,
8を付着し両者の間を適当な抵抗9,9を介して接続しても
よい。
この際接続すべき抵抗の値は基本的にはエネルギを熱
に変換すべき振動の周波数をn,抵抗を接続する圧電基
板表裏に付着した導体膜間の静電容量をC0とすれば(2
πnC0)-1とすればよい。尚,エネルギを吸収すべき
振動周波数が複数存在する場合には本発明に係る共振子
の周縁に(2πaC0)-1,(2πbC0)-1,……といっ
た如く多数の異った抵抗を付してもよいし或はa,b,
……の平均値をmとし(2πmC0)-1なる抵抗を付
してもよい。
に変換すべき振動の周波数をn,抵抗を接続する圧電基
板表裏に付着した導体膜間の静電容量をC0とすれば(2
πnC0)-1とすればよい。尚,エネルギを吸収すべき
振動周波数が複数存在する場合には本発明に係る共振子
の周縁に(2πaC0)-1,(2πbC0)-1,……といっ
た如く多数の異った抵抗を付してもよいし或はa,b,
……の平均値をmとし(2πmC0)-1なる抵抗を付
してもよい。
尚,前記抵抗は必ずしも電子回路の構成に用いるもの
である必要はなく例えば一般水晶振動子の保持部固定用
導電性接着剤の塗布等によってもよく,斯くすれば共振
子の生産性への格別な影響をなしに実施し得て便利であ
ろう。
である必要はなく例えば一般水晶振動子の保持部固定用
導電性接着剤の塗布等によってもよく,斯くすれば共振
子の生産性への格別な影響をなしに実施し得て便利であ
ろう。
さて,以上説明した如き原理に基づいて製造した最低
次非対称(a0)モード振動を利用したオーバートーン発
振用共振子の異った二つの実施例についてその具体的構
造と得られた特性とを以下に示す。
次非対称(a0)モード振動を利用したオーバートーン発
振用共振子の異った二つの実施例についてその具体的構
造と得られた特性とを以下に示す。
第9図(a)は本発明に係る振動エネルギ吸収部を有
しない基本的な3次オーバートーン発振用共振子の平面
図であって,円型水晶基板1中央に2分割主電極2,2′
より引き出したリード5,5によって表裏同一の裏面主電
極(図示せず)と並列接続したものである。
しない基本的な3次オーバートーン発振用共振子の平面
図であって,円型水晶基板1中央に2分割主電極2,2′
より引き出したリード5,5によって表裏同一の裏面主電
極(図示せず)と並列接続したものである。
又,同図(b)は振動エネルギ吸収部6,6を水晶基板
外周に設けたものである。而してこれら2種の共振子の
特性を測定した結果,前者については3次及び1次(基
本波)オーバートーン周波数に於けるCI値は夫々70Ω及
び175Ωであり水晶基板保持部に導電性接着剤を小量付
着するとこれらの値は夫々72Ω及び380Ωとなり本発明
の理論の正当性は基本的に立証せられた。
外周に設けたものである。而してこれら2種の共振子の
特性を測定した結果,前者については3次及び1次(基
本波)オーバートーン周波数に於けるCI値は夫々70Ω及
び175Ωであり水晶基板保持部に導電性接着剤を小量付
着するとこれらの値は夫々72Ω及び380Ωとなり本発明
の理論の正当性は基本的に立証せられた。
又,振動エネルギ吸収部を有する3次及び1次(基本
波)オーバートーン周波数に於けるCI値は夫々65Ω及び
/250Ω,水晶基板保持部に導電性接着剤を付した場合に
はこれらの値は夫々65Ω及び1330Ωとなり振動エネルギ
吸収部の有効性も確認された。
波)オーバートーン周波数に於けるCI値は夫々65Ω及び
/250Ω,水晶基板保持部に導電性接着剤を付した場合に
はこれらの値は夫々65Ω及び1330Ωとなり振動エネルギ
吸収部の有効性も確認された。
更に前記第9図(a)の共振子について水晶基板保持
部を導電性接着剤で固定した上で電極膜厚を変化させる
と3次及び1次のオーバートーン周波数に於けるCI値の
差は第10図(a)に示す如く減少した。
部を導電性接着剤で固定した上で電極膜厚を変化させる
と3次及び1次のオーバートーン周波数に於けるCI値の
差は第10図(a)に示す如く減少した。
このことは第7図(a)に於いて前述した如く電極膜
厚によって△が変化し1次,3次の両オーバートーン振動
に共に閉じ込めが生ずるとCI値の差が減少することを意
味する。従って両者のCI値の差を充分大きく保つよう電
極膜厚を含む諸パラメータを設定する必要のあることが
理解されよう。
厚によって△が変化し1次,3次の両オーバートーン振動
に共に閉じ込めが生ずるとCI値の差が減少することを意
味する。従って両者のCI値の差を充分大きく保つよう電
極膜厚を含む諸パラメータを設定する必要のあることが
理解されよう。
又,第10図(b)は第9図(b)に示す振動エネルギ
吸収部を有する共振子に於いて励振電極とエネルギ吸収
部との間隙を変化した場合の1次及び3次オーバートー
ン周波数に於けるCI値の変化を調べたもので上記間隙が
増大すると漏洩せしめた1次(基本波)周波数の振動エ
ネルギがエネルギ吸収部で充分消費されず該部を設けた
効果が減少することを意味する。従ってエネルギ吸収部
を設ける場合にはこれと励振電極との間隙を適切な値に
設定することが肝要であることも理解されよう。
吸収部を有する共振子に於いて励振電極とエネルギ吸収
部との間隙を変化した場合の1次及び3次オーバートー
ン周波数に於けるCI値の変化を調べたもので上記間隙が
増大すると漏洩せしめた1次(基本波)周波数の振動エ
ネルギがエネルギ吸収部で充分消費されず該部を設けた
効果が減少することを意味する。従ってエネルギ吸収部
を設ける場合にはこれと励振電極との間隙を適切な値に
設定することが肝要であることも理解されよう。
以上,本発明に係るオーバートーン発振用共振子につ
いてその原理,基本的構成並びにその実験結果について
説明したが,本共振子の構成は特性上,製造上或は周波
数調整上等々の各種要求に応じる為第11図(a)乃至
(d)に示す如く変形してもよい。
いてその原理,基本的構成並びにその実験結果について
説明したが,本共振子の構成は特性上,製造上或は周波
数調整上等々の各種要求に応じる為第11図(a)乃至
(d)に示す如く変形してもよい。
即ち,第11図(a)は圧電基板周縁の振動エネルギ吸
収部6,6に樹脂膜7,7を付して該部の遮断周波数を低下さ
せて実施例を示す断面図,同図(b)は遮断周波数差を
充分に得る為エッチングの手法を用いて基板中央の主電
極2,3部と周縁の振動エネルギ吸収部6,6との間の基板々
厚を低下させ該部の遮断周波数を上昇せしめたもの,同
図(c)は前記(b)に於いて振動エネルギ吸収部6,6
に更に電極8,8を付着し前述した如き振動エネルギの電
気−熱変換を可能としたものであり,更に同図(d)は
高い共振周波数を得んとする場合に於いて主電極2,2′
及び3,3′膜厚が減少し電気抵抗が増大するのを防止す
る為基板の主電極付着部のみをエッチング等によって薄
層化したものである。
収部6,6に樹脂膜7,7を付して該部の遮断周波数を低下さ
せて実施例を示す断面図,同図(b)は遮断周波数差を
充分に得る為エッチングの手法を用いて基板中央の主電
極2,3部と周縁の振動エネルギ吸収部6,6との間の基板々
厚を低下させ該部の遮断周波数を上昇せしめたもの,同
図(c)は前記(b)に於いて振動エネルギ吸収部6,6
に更に電極8,8を付着し前述した如き振動エネルギの電
気−熱変換を可能としたものであり,更に同図(d)は
高い共振周波数を得んとする場合に於いて主電極2,2′
及び3,3′膜厚が減少し電気抵抗が増大するのを防止す
る為基板の主電極付着部のみをエッチング等によって薄
層化したものである。
上述の実施例は本発明に係る共振子が採用しうる構成
の一部を示したものにすぎず,これら適宜組み合わせて
もよいことはいうまでもない。
の一部を示したものにすぎず,これら適宜組み合わせて
もよいことはいうまでもない。
以上,本発明に係るオーバートーン発振用共振子につ
いて主として最も構成の簡単な最低次非対称(a0)モー
ドの振動を利用する場合を例示して説明したが本発明は
これに限定されるものではなく,更に高次の非対称
(a1,a2……)モード及び高次の対称(S1,S2,……)モ
ードの振動も同様に利用可能であることはこれらについ
て更に詳細な説明を要せずして容易に理解されよう。
いて主として最も構成の簡単な最低次非対称(a0)モー
ドの振動を利用する場合を例示して説明したが本発明は
これに限定されるものではなく,更に高次の非対称
(a1,a2……)モード及び高次の対称(S1,S2,……)モ
ードの振動も同様に利用可能であることはこれらについ
て更に詳細な説明を要せずして容易に理解されよう。
又,実験例として示した共振子の振動モードは水晶基
板Z軸方向励振最低次非対称モードであるがこれはX軸
方向励振でもよく更にZ,X両軸方向に電極を分割しこれ
ら双方向に振動を励起するものであってもよい。
板Z軸方向励振最低次非対称モードであるがこれはX軸
方向励振でもよく更にZ,X両軸方向に電極を分割しこれ
ら双方向に振動を励起するものであってもよい。
更に前記第9図(b)に於いては振動エネルギ吸収部
をZ軸方向に設けたがこれはX軸方向に設けても又は基
板周縁のほゞ全周に亘ってもよく,或はこれを複数個に
分割してもよい。振動エネルギ吸収部は基板周縁を覆う
領域が大である程効果も大きいからである。
をZ軸方向に設けたがこれはX軸方向に設けても又は基
板周縁のほゞ全周に亘ってもよく,或はこれを複数個に
分割してもよい。振動エネルギ吸収部は基板周縁を覆う
領域が大である程効果も大きいからである。
尚,本発明の明細書の最初にも述べた通り本発明は第
9図(a)又は(b)に示した如き厚みねじれ振動のみ
ならず,厚み縦,厚みすべり等いずれの振動姿態をとる
ものにも適用可能であり,圧電材料も各種のものを使用
することができる。
9図(a)又は(b)に示した如き厚みねじれ振動のみ
ならず,厚み縦,厚みすべり等いずれの振動姿態をとる
ものにも適用可能であり,圧電材料も各種のものを使用
することができる。
尚更に本発明に係る共振子は図示は省略するが3端子
電極構造として2ポート共振子としてもよく,斯くすれ
ば高周波帯での発振を容易とすることが可能となろう
し,又モノリシック・クリスタル・フィルタに応用すれ
ば極めて広い周波数範囲に亘ってスプリアスの少ないフ
ィルタ特性を得ることが期待される。
電極構造として2ポート共振子としてもよく,斯くすれ
ば高周波帯での発振を容易とすることが可能となろう
し,又モノリシック・クリスタル・フィルタに応用すれ
ば極めて広い周波数範囲に亘ってスプリアスの少ないフ
ィルタ特性を得ることが期待される。
(発明の効果) 本発明は以上説明した如く構成するものであるから従
来の共振子に比して構造工程上格別の変更を要せず,し
かも発振回路にLC同調回路等の格別な回路を付加するこ
となく容易にオーバートーン周波数を発振し得るので高
周波化及び回路の集積化に対する要求の厳しい各種電子
機器の周波数源として使用する上で著しい効果を発揮す
る。
来の共振子に比して構造工程上格別の変更を要せず,し
かも発振回路にLC同調回路等の格別な回路を付加するこ
となく容易にオーバートーン周波数を発振し得るので高
周波化及び回路の集積化に対する要求の厳しい各種電子
機器の周波数源として使用する上で著しい効果を発揮す
る。
更に,通常の圧電共振子,殊に温度特性の良好なATカ
ット水晶共振子の如き厚み振動系の共振子にあっては高
い周波数を基本波振動にて得んとすれば圧電基板々厚が
極めて薄いものとなり製造困難であったが,本発明によ
れば共振子自体がオーバートーン周波数にて最も励振し
易くなるものであるから圧電基板の板厚を製造の容易な
範囲に設定し得ることになり製造コストを低減するとい
う効果をも併せもつものである。
ット水晶共振子の如き厚み振動系の共振子にあっては高
い周波数を基本波振動にて得んとすれば圧電基板々厚が
極めて薄いものとなり製造困難であったが,本発明によ
れば共振子自体がオーバートーン周波数にて最も励振し
易くなるものであるから圧電基板の板厚を製造の容易な
範囲に設定し得ることになり製造コストを低減するとい
う効果をも併せもつものである。
尚,本発明は閉じ込め係数に対する振動エネルギ閉じ
込め率の曲線が急峻である高次の対称或は非対称モード
の振動を利用するものである。故,従来本願発明者が出
願した発明に係る最低次対称モードの振動を利用するも
のに比して所望するオーバートーン次数より低次の振動
エネルギを抑圧し所望の発振周波数を得る上で一層効果
的であることに注目されたい。
込め率の曲線が急峻である高次の対称或は非対称モード
の振動を利用するものである。故,従来本願発明者が出
願した発明に係る最低次対称モードの振動を利用するも
のに比して所望するオーバートーン次数より低次の振動
エネルギを抑圧し所望の発振周波数を得る上で一層効果
的であることに注目されたい。
第1図(a)は本発明に係るオーバートーン発振用共振
子の基本的構成を示す断面図,同図(b)はその共振子
に励起する各種振動モードの振動エネルギ分布を示す
図,同図(c)はこの共振子の諸パラメータを選択する
為の基本的手法を示す説明図,第2図(a)及び(b)
は夫々本発明の発想を説明する為の圧電基板模式断面図
及び対称及び非対称モードの振動スペクトラムを示す
図,第3図(a)及び(b)は夫々前記振動スペクトラ
ムが有限板上でも成立することを証明する為の基板模式
図及び理論解析の経過を示す図,第4図は本発明に係る
オーバートーン発振用共振子を構成する為の他のパラメ
ータ設定手法を示す説明図,第5図(a)乃至(c)は
夫々最低次非対称モードの振動を利用する共振子の発生
電荷分布,電極の直列接続例及び並列接続例を示す模式
図,第6図(a)及び(b)は夫々S1モード振動を利用
する共振子の電極直列接続及び並列接続列を示す模式
図,第7図(a)乃至(d)は夫々2分割電極直列及び
並列接続並びに3分割電極直列及び並列接続を行う場合
の一実施例を示す斜視図,第8図(a)乃至(c)は夫
々異った振動エネルギ吸収部の構成を示す断面図,第9
図(a)及び(b)は夫々本発明の確認実験に使用した
共振子の構成を示す平面図であって,(a)は振動エネ
ルギ吸収部のない形,(b)は振動エネルギ吸収部を付
したもの,第10図(a)及び(b)は夫々前記第9図
(a)及び(b)に示した共振子の特性を示す実験結果
の図,第11図(a)乃至(d)は夫々本発明に係る共振
子の異った構成を示す断面図である。 1……圧電基板、2、2′及び3、3′……電極、6…
…振動エネルギ吸収部伝搬部、10……振動エネルギ閉じ
込め部、11……振動エネルギ伝搬部。
子の基本的構成を示す断面図,同図(b)はその共振子
に励起する各種振動モードの振動エネルギ分布を示す
図,同図(c)はこの共振子の諸パラメータを選択する
為の基本的手法を示す説明図,第2図(a)及び(b)
は夫々本発明の発想を説明する為の圧電基板模式断面図
及び対称及び非対称モードの振動スペクトラムを示す
図,第3図(a)及び(b)は夫々前記振動スペクトラ
ムが有限板上でも成立することを証明する為の基板模式
図及び理論解析の経過を示す図,第4図は本発明に係る
オーバートーン発振用共振子を構成する為の他のパラメ
ータ設定手法を示す説明図,第5図(a)乃至(c)は
夫々最低次非対称モードの振動を利用する共振子の発生
電荷分布,電極の直列接続例及び並列接続例を示す模式
図,第6図(a)及び(b)は夫々S1モード振動を利用
する共振子の電極直列接続及び並列接続列を示す模式
図,第7図(a)乃至(d)は夫々2分割電極直列及び
並列接続並びに3分割電極直列及び並列接続を行う場合
の一実施例を示す斜視図,第8図(a)乃至(c)は夫
々異った振動エネルギ吸収部の構成を示す断面図,第9
図(a)及び(b)は夫々本発明の確認実験に使用した
共振子の構成を示す平面図であって,(a)は振動エネ
ルギ吸収部のない形,(b)は振動エネルギ吸収部を付
したもの,第10図(a)及び(b)は夫々前記第9図
(a)及び(b)に示した共振子の特性を示す実験結果
の図,第11図(a)乃至(d)は夫々本発明に係る共振
子の異った構成を示す断面図である。 1……圧電基板、2、2′及び3、3′……電極、6…
…振動エネルギ吸収部伝搬部、10……振動エネルギ閉じ
込め部、11……振動エネルギ伝搬部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 佐藤 秀一 審判官 山田 益男 審判官 高瀬 博明 (56)参考文献 特開 昭53−38284(JP,A) 特開 昭50−62787(JP,A) 特公 昭58−29890(JP,B2) 特公 昭58−24970(JP,B2) 電気学会「エレクトロメカニカル機能 部品」(昭47−5−30)オーム社 P. 291〜296 尾上守夫「固体振動論の基礎」(昭57 −9−20)オーム社 P.216〜219
Claims (2)
- 【請求項1】圧電基板に分割電極を形成することにより
遮断周波数f1なる多分割の振動エネルギ閉じ込め部を設
けると共に該振動エネルギ閉じ込め部の外周に前記遮断
周波数f1より高い遮断周波数f2なる振動エネルギ伝搬部
を設けることにより、前記振動エネルギ閉じ込め部に高
次の対称或いは非対称モードを励起し、当該モードの振
動のうち所望の次数のオーバートーン振動以上の次数の
振動エネルギの所要量を前記振動エネルギ閉じ込め部に
閉じ込める一方、 前記振動エネルギ伝搬部の外周から圧電基板端縁まで振
動エネルギ伝搬方向に所要の奥行きを有し前記振動エネ
ルギ伝搬部より板厚が厚く前記遮断周波数f1より低い遮
断周波数f3なる振動エネルギ吸収部を設け、基本波振動
を含む前記所望の次数のオーバートーン振動より低次オ
ーバートーンの振動エネルギの所要量を前記振動エネル
ギ伝搬部を介して圧電基板外周に漏洩せしめ、少なくと
も最低次対称モードS0以外の高次の対称或いは非対称モ
ードの励振のうち、前記所望の次数のオーバートーン振
動による発振を前記所望の次数のオーバートーン振動よ
り低次の振動によるそれよりも容易ならしめるように前
記振動エネルギ閉じ込め部の短辺の長さ(a)、周波数
低下率(Δ=(f2−f1)/f2)及び前記振動エネルギ伝
搬部の板厚(H)の各パラメータが設定されていること
を特徴とする高次モード振動を利用したオーバートーン
発振用圧電共振子。 - 【請求項2】前記振動エネルギ吸収部の適所に、質量を
付着し、前記基板全面に拡散した振動エネルギの消耗を
大ならしめたことを特徴とする特許請求の範囲(1)記
載の高次モード振動を利用したオーバートーン発振用圧
電共振子。
Priority Applications (8)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61009756A JP2640936B2 (ja) | 1986-01-20 | 1986-01-20 | 高次モード振動を利用したオーバートーン発振用圧電共振子 |
| EP86902487A EP0220320B1 (en) | 1985-04-11 | 1986-04-11 | Piezo-electric resonator for generating overtones |
| PCT/JP1986/000181 WO1986006228A1 (fr) | 1985-04-11 | 1986-04-11 | Resonateur piezo-electrique de production de surtonalites |
| KR1019860700886A KR920005610B1 (ko) | 1985-04-11 | 1986-04-11 | 오버톤 발진용 압전 공진자 |
| SG1996009738A SG48443A1 (en) | 1985-04-11 | 1986-04-11 | Piezoelectric resonators for overtone oscillations |
| DE3650562T DE3650562T2 (de) | 1985-04-11 | 1986-04-11 | Piezoelektrischer resonator zur erzeugung von oberschwingungen |
| EP95108355A EP0680142A1 (en) | 1985-04-11 | 1986-04-11 | Piezoelectric resonators for overtone oscillations |
| US07/191,628 US4870313A (en) | 1985-04-11 | 1988-05-09 | Piezoelectric resonators for overtone oscillations |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61009756A JP2640936B2 (ja) | 1986-01-20 | 1986-01-20 | 高次モード振動を利用したオーバートーン発振用圧電共振子 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62168409A JPS62168409A (ja) | 1987-07-24 |
| JP2640936B2 true JP2640936B2 (ja) | 1997-08-13 |
Family
ID=11729128
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61009756A Expired - Fee Related JP2640936B2 (ja) | 1985-04-11 | 1986-01-20 | 高次モード振動を利用したオーバートーン発振用圧電共振子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2640936B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01114209A (ja) * | 1987-10-28 | 1989-05-02 | Toyo Commun Equip Co Ltd | オーバートーン発振用圧電共振子の特性調整方法 |
| JPH01208004A (ja) * | 1988-02-15 | 1989-08-22 | Nippon Dempa Kogyo Co Ltd | 圧電発振器 |
| US6111341A (en) * | 1997-02-26 | 2000-08-29 | Toyo Communication Equipment Co., Ltd. | Piezoelectric vibrator and method for manufacturing the same |
| JP4803802B2 (ja) * | 2005-02-14 | 2011-10-26 | 日本碍子株式会社 | 質量測定装置 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5062787A (ja) * | 1973-10-05 | 1975-05-28 | ||
| JPS5338284A (en) * | 1976-09-20 | 1978-04-08 | Seiko Instr & Electronics Ltd | Crystal vibrator |
| FR2505867A1 (fr) * | 1981-05-15 | 1982-11-19 | Elf France | Carburant ameliore, a base de gasoil, renfermant de l'eau et un alcool |
| JPS5824970A (ja) * | 1981-08-06 | 1983-02-15 | Ricoh Co Ltd | デイジタル画像の処理方法 |
-
1986
- 1986-01-20 JP JP61009756A patent/JP2640936B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| 尾上守夫「固体振動論の基礎」(昭57−9−20)オーム社 P.216〜219 |
| 電気学会「エレクトロメカニカル機能部品」(昭47−5−30)オーム社 P.291〜296 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62168409A (ja) | 1987-07-24 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |