JPH0590879A - 水晶振動子 - Google Patents

水晶振動子

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JPH0590879A
JPH0590879A JP27710491A JP27710491A JPH0590879A JP H0590879 A JPH0590879 A JP H0590879A JP 27710491 A JP27710491 A JP 27710491A JP 27710491 A JP27710491 A JP 27710491A JP H0590879 A JPH0590879 A JP H0590879A
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JP
Japan
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electrode
resonance frequency
sub
frequency
electrodes
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JP27710491A
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Haruyoshi Ota
治良 太田
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Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
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Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 [目的]水晶板上に配設した主電極の抑圧したい共振振
動エネルギーを音響的整合により副電極に効率よく抽出
し、負荷したダンピングインピータンスに消費させるこ
とにより効果的に抑圧し、同時に主電極の所望する共振
振動を安定に維持するよう両電極を構成した高信頼性の
高次オーバトーン用の水晶振動子の提供を目的とする。 [構成]水晶板面上に隔設した主電極と副電極の間で、
抑制すべき共振周波数において帯域通過型の音響結合フ
ィルタを形成してダンピングインピーダンスを負荷し、
かつ所望の共振周波数において両電極の共振周波数波を
一致させず不整合とするため、両電極のパラメータを設
定したことを特徴とする高次オーバトーン用の水晶振動
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主電極と副電極を水晶
板の表裏面上に配設した水晶振動子に関し、特に所定の
オーバトーン共振周波数を周波数選択的に抑圧しかつ所
望のオーバトーン共振周波数を周波数選択的に発振可能
とする副電極を配設してこれにダンピングインピーダン
スを負荷した水晶振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】チップ型半導体素子を用いて所望の高次
オーバトーン共振周波数を発振する小型水晶発振回路
は、小型水晶振動子とチップ型半導体素子からなる発振
回路に、チップ型のインダクタとコンデンサからなる同
調タンク回路を挿入して高次オーバトーン共振周波数に
同調させ、周波数選択特性をもたせるようにしなければ
ならない。一般に水晶振動子は、オーバトーン次数が高
次になる程発振が困難になるからである。しかし、小型
発振回路内の同調タンク回路の占める容積は比較的大き
く、発振回路の小型化を阻み、周波数調整を必要とする
のみならず、温度変化により変動して発振周波数の安定
性を損なうことがあるので、可能ならばこの同調タンク
回路は発振回路から除却したい構成要素の一つであっ
た。この課題を解決するための高次オーバトーン水晶振
動子として、次の2つの手段が既に知られている。
【0003】第1の手段は、特開昭61−236208
号、同62−168409号、同62−169508
号、同62−169509号、同62−169510号
等に開示されたもので、圧電振動板の共振振動の変位分
布が励振電極に閉じこ込められるときに、その共振振動
次数が高次になるほど閉じ込め範囲は励振電極に集中す
るというエネルギー閉じ込め現象に特有な効果を利用し
たものである。このとき、励振電極の近傍に適当な距離
をおいて副電極を隔設しておくと、低次な共振振動ほど
副電極に振動変位成分が多く残存するから、振動変位の
自乗に比例する振動エネルギーが機械−電気変換されて
副電極に電気エネルギーとして抽出される。この副電極
を短絡させるなどして振動エネルギーを消費すれば、低
次オーバトーン振動とりわけ基本波振動を選択的に減衰
させ抑圧することができ、高次オーバトーン水晶振動子
を提供できるとするものである。いわば、共振振動次数
が高次になると副電極の振動抑圧効果が小さくなること
から、これを利用して、例えば基本波共振振動を抑圧し
た第3次オーバトーン水晶振動子が得られるとするもの
である。
【0004】第2の手段は、特願昭62−230108
号に開示されたもので、第1の手段が特徴的とする副電
極を配設することなく、主電極対を圧電振動板面上に非
対称配置するだけで、圧電振動板を機械的に保持した保
持具に低次振動の振動エネルギーを機械音響的に伝達さ
せ、そしてそのエネルギーを吸収し消散させよとするも
のである。第1の手段とほぼ同じ原理に基づいていて、
従来よりある水晶振動子と殆ど同じ構成の極めて簡単な
手段により、例えば基本波共振振動を抑圧した3次オー
バトーン水晶振動子を提供しようとするものである。
【0005】第1の手段は、副電極と主電極を同時に配
設し利用するもので、配置、厚み、形状などのパラメー
タを比較的容易に設定でき製造上有効な手段と考えられ
ていたが、電気−機械変換の効率を示す電気機械結合係
数は水晶の場合高々10%(ATカットは8.2%)で
あり、結合係数の自乗に比例するエネルギー変換効率は
1%にも満たないこと、両電極間の機械音響的整合を考
慮していないため不整合損失が大きく、負荷に対しても
電気整合をとるように配慮していないこと等の理由か
ら、抽出されたエネルギーは効率よく消費されていると
は言い難い。実際にこの手段による抑圧効果は不充分で
動作も不安定であるとの評価から、第1の手段は未だ実
用段階には至っていない。第2の手段は、振動エネルギ
ーを直接機械音響的に保持器に伝播させて吸収し消散さ
せようとするものであるから、前記第1の手段と比較す
れば利用し易く安定した効果を発揮するものと考えられ
ていた。しかしながら、各種振動子を設計するために
は、圧電振動板の最適な外形寸法を求めて実験し確認し
なければならなず、これは多分に実証的な手続きである
ことから設計の指導原理として必ずしも明確で適切なも
のではなく、合理的なオーバトーン振動子の設計法を確
立して欲しいとの強い要請があった。また、高周波周波
数になるに従い実現が困難になるなど、構成及び設計に
解決しなければならない課題も多く、第2の手段も未だ
に利用範囲が狭くに限定された儘である。いずれの手段
においても、本発明の機械音響的整合により抑圧すべき
共振振動を周波数選択的に効率よく抽出して消費し、か
つ両電極の共振周波数の不一致により主電極の発振すべ
き共振周波数を周波数選択的に安定よく発振させる手段
は未だ何等開発されていない。そして將にこの事由によ
り、高次オーバトーン共振周波数の水晶振動子として
は、基本波共振振動を抑圧した第3次オーバトーン水晶
振動子が提案あるだけであり、より高次共振周波数の水
晶振動子は原理的に実現不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高次共振周波数の発振
を可能にする水晶振動子の実用上有効で合理的な設計方
法を確立するため、解決すべき基本課題として次のもの
があった。従来例では、低次共振振動の振動エネルギー
を、主電極と副電極の間あるいは主電極と保持器の間に
存在する単純な機械音響的結合により抽出しているが、
音響的整合手段については全く配慮されていない。すな
わち、物理的に隔設された2電極の間あるいは電極と保
持器の間にある音響的結合を整合させることなく単に利
用しただけに過ぎないもので、従って抑圧すべき振動エ
ネルギーの極く一部を抽出するだけであり、しかもこの
不整合状態で抽出した振動エネルギーは、電極短絡ある
いは機械的保持によりその一部が消費されるだけである
から、結果的に、低次共振振動エネルギーが僅かに抑圧
されるに過ぎない。つまり、安定性と信頼性の高い高次
共振周波数の水晶振動子とするためには、抑圧すべき共
振周波数において主電極と副電極間を機械音響的に整合
させることにより最も効率よく振動エネルギーを抽出し
なければならない。そしてその抽出したエネルギーを最
大に消費させるためには、負荷においてインピーダンス
整合が考慮されていなければならない。圧電セラミック
ス等と比較すると、電気−機械結合係数が高々10%と
特に低く振動エネルギーの電気変換効率が劣っている水
晶材にあっては、これら整合状態が特に実現されなけれ
ばならない。同時に所望の共振周波数においてこの抑圧
効果が機能しないように、主電極と副電極を不整合状態
に設定されなければならない。
【0007】本発明はこの課題に鑑みてなされたもの
で、抑圧すべき共振周波数において、機械音響的結合を
最適化して主電極と副電極が通過帯域型音響結合フィル
タを形成するようパラメータを設定することにより、周
波数選択的に主電極の共振振動エネルギーを副電極に抽
出し、そして副電極に負荷を接続することによりこの抽
出したエネルギーを効率よく消費させて抑圧し、同時に
所望の発振周波数において、主電極と副電極を不整合状
態にするようパラメータを設定することにより、主電極
の共振周波数を抑圧せず安定的な発振を持続させること
を保証するもので、特に高次オーバトーン用の水晶振動
子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】水晶板の表裏板面上に電
極を配設すると、その共振周波数は水晶板の共振周波数
(遮断周波数)より低下する。この周波数低下量は電極
厚みだけでなく形状寸法によって変るから、同じ電極材
の同じ厚みの電極を配設したとしても、電極形状が小さ
いと、実際の(見かけ上の)周波数低下量も小さくなる
ことが知られている。図5はそれらの関係を示したもの
で、電極径W0を無限大(W0=∞)としたときの電極
厚みH0による真の周波数バック量Rtと、電極の形状
寸法を考慮に入れた見かけ上(実際)の周波数バック量
Rqの間には、図示するような非直線的な周波数バック
量関係があることが経験的にも周知されている。そして
この電極形状に依存する周波数バック量の非直線的関係
は、オーバトーン次数により変化して、高次になるに従
い電極形状による影響は小さくなり、直線的関係に近づ
くことが知られている。本発明はこの関係を利用してな
されたものである。すなわち、図1において、主電極1
の電極幅W1と図示してない電極厚みH1は、副電極2
の電極幅W2と電極厚みH2とすると、W1>W2から
H1<H2が成立する。これは、図5に示すように、主
電極1の基本波共振周波数f1mに副電極の共振周波数
を一致させるよう周波数調整すると、W1>W2である
ことによりH1<H2となるからである。その結果、既
に説明した通り、基本波振動と比べて高次オーバトーン
振動は電極に閉じ込められて周波数バック量の電極形状
による影響は小さいから、図4に示すように、副電極2
の第3次オーバトーン共振周波数f3sは主電極1の第
3次オーバトーン共振周波数f3mよりも低い周波数位
置に現われ、f3m>f3sとなって一致しない。
【0009】一般に圧電振動板の共振周波数間におい
て、簡単な整数倍(奇数倍)の関係は成立しない。この
関係は圧電振動基本式より導出される周波数決定式(超
越方程式)として表現されるが、経験的にも熟知された
事象である。この共振周波数が整数倍にない関係を、板
面垂直方向に分極が施されたな圧電セラミックの厚み縦
振動を例にとって説明する。勿論のことではあるが、厚
みすべり振動あるいは水晶板の各種厚み振動においても
同様な関係式は成立している。すなわち、図6に示すよ
うに、厚み2hの無限セラミックス圧電板において、厚
み縦振動の共振周波数関数式は式1に示す通り、正接関
数を含む超越方程式として電気機械結合係数項(K2
6)を含む形で表わされるから、この関係式の根は曲線
上の直線との交点として求められる。これより、電気機
械結合係数(K26)が0でない限り、共振周波数(η
n)h(n=1,3,5...,ηn=ωn/c,ω
n:n次のオーバトーン角周波数,c:媒体内の音速)
の間には、単純な整数(奇数次)倍関係が成立しないこ
とが容易に理解される。
【0010】本発明は、これらの原理を利用してなされ
たもので、水晶板の表裏板面上に主電極と副電極を隔設
し、抑圧すべき共振周波数において両電極は帯域通過型
の音響結合フィルタを形成すると同時に、所望の共振周
波数において両電極の共振周波数を一致させず不整合状
態とするため、両電極間の距離を適当に設定しかつ各電
極の厚みと形状寸法を異なるように設定し、副電極には
ダンピングインピーダンスを接続して負荷すれば、特定
の共振周波数において共振振動を周波数選択的に抑圧可
能にし、かつ所望の共振周波数において周波数選択的に
発振可能な水晶振動子を実現するものである。
【0011】
【実施例】図1及びその展開図である図2に本発明の一
実施例を示す。これは、主電極の基本波共振周波数f1
mを周波数選択的に抑圧し、第3次オーバトーン共振周
波数f3mを周波数選択的に発振せる目的の水晶振動子
の水晶板表裏面上に配設された各電極の配置を示したも
のである。ATカット水晶板4の表裏面上には、それぞ
れ主電極1とこれに接続する引出電極3からなる励振電
極と、副電極2が隔設して配設され、裏面上の共通電極
1’と対向している。主電極1の電極幅W1を副電極2
の電極幅W2を、W1>W2とすると、上述した原理に
従い、副電極2の厚みH2は主電極1の厚みH1よりも
厚くして、基本波共振周波数f1mにおいて周波数を一
致するよう周波数調整することができる。その結果、主
電極1の基本波周波数f1mは副電極2の対称振動モー
ドの共振周波数と一致して帯域通過型の音響結合フィル
タを形成することができるが、斜対称振動の共振周波数
f1aにおいては、異なる電極幅のため等しい電荷が誘
起されず良好な通過帯域特性を形成できないので、この
水晶振動子を、例えば図3に示す発振回路6に接続する
と、図4に示す通り、歪んだ伝送特性を示す。発振回路
6にある基本波周波数f1mの周波数成分は、副電極2
に予め接続されているダンピングインピーダンス5
(Z)に効率よく伝達され消費されてしまうから、基本
波周波数の共振振動はよく抑制され発振することはな
い。副電極2には整合するダンピングインピーダンス5
を負荷してあるが、帯域通過型フィルタの出力端をイン
ピーダンス整合させたときと同様に、抑圧すべき基本波
周波数f1mの成分は損失少なく副電極2の負荷5に伝
達されて効率よく消費されることになる。そして副電極
2の電極厚みH2が、主電極1の各厚みH1と異なるこ
とから、主電極1の所望する第3次オーバトーン共振周
波数f3mと、副電極2の第3次オーバトーン共振周波
数f3sとは一致せず整合しないから、従って副電極2
に伝達し消費されることもなく、第3次オーバトーン周
波数3fmにおいて主電極は良好に発振することができ
る。この実施例では、電極形状のうち長さ方向の寸法L
は等しくして、幅方向の寸法W1,W2は異なるよう設
定してある。周波数調整により基本波周波数f1mに一
致させるならば、幅寸法を等しく(W1=W2)し、長
さ寸法L0を各々異なるようにしても、あるいは幅と長
さの両寸法を共に異なるようにしてもよく、特に両寸法
を異ならしめた場合は、所望する共振周波数においてよ
り周波数差異を拡大できるのみならず、斜対称振動モー
ドを効果的に抑制することが期待できむしろ好ましい。
両電極間の距離Gは、抑圧する基本波共振周波数f1m
の減衰と、所望の第3次オーバトーン共振周波数f3m
に対する影響とを勘案して設定される。すなわち、距離
Gを大きくとると通過帯域が狭帯域化し周波数一致が困
難になり、抑圧効果を不安定にしかつ弱める(フィルタ
の挿入損失量の増大に相当するので)。従って距離G
は、基本波共振周波数f1mの抑圧効果と所望する第3
次オーバトーン共振周波数f3mに及ぼす影響とを考慮
して決定されねばならない。しかしいずれにせよ、モノ
リシックフィルタを設計する手法がそのまま応用できる
ので都合がよい。図3は、図1の構造の水晶振動子を発
振回路6に接続したときの伝送特性を示したものである
が、斜対称振動モードの共振周波数f1aにおいて、損
失が大きく歪んだ伝送特性を示しているが、本発明にお
いてはむしろ好ましい特性である。なぜならば、所望の
第3次オーバトーン共振周波数f3mにおいて、この斜
対称振動モードの第3次オーバトーン共振周波数が出現
して発振すべき所望の周波数一致したすると、これを抑
圧してしまう恐れがあるからで、可能な限り斜対称共振
振動モード等の不要振動モードは抑圧されなければなら
ないからである。なお、ダンピングインピーダンス5
は、副電極2と、裏面共通電極1’の引出電極3’の表
面折り返し部との間に、例えばカーボン被膜抵抗を抵抗
値をモニタしながら形成したものである。
【0012】図7に本発明の他の実施例を示す。図1の
前記実施例において、主電極1と副電極2がモノリシッ
クフィルタと類似の電極構造をとっているため、斜対称
振動モードの共振周波数f1aが出現することがあっ
た。これを効果的に抑制するには、主電極1と副電極2
の形状寸法を不等にすればある程度効果を期待できる
が、抑圧効果をさらに高めるため、主電極1の両側端に
副電極7を隔設して共通接続すると、斜対称振動モード
により両副電極に誘起された電荷が相殺されて、一層効
果的に抑圧される。従って所望のオーバトーン共振周波
数近傍において、斜対称振動のオーバトーン共振周波数
が発生する恐れもなく好ましい。
【0013】図8は、本発明の他の実施例をしめしたも
ので、副電極8、9の電極幅W3、W4を異ならしめ、
抑圧すべき共振周波数を異なるように設定することによ
り、例えば基本波と第3次オーバトーンを抑制し、第5
次オーバトーンのみを発振させるように、発振させるべ
き共振周波数と抑制すべき共振周波数を自由に設定する
ことが可能である。この場合、副電極8と9は、互いに
異なる電極厚みの電極を有することになるが、斜対称振
動モードの抑制効果は誘起電荷の相殺効果であるから、
斜対称振動の抑制の効果はほぼそのまま維持される。当
然のことながら、抑制すべきオーバトーン共振周波数に
対する抑制効果は、図1の実施例と比較し一層顕著であ
る。その他の動作及び特徴は図1の実施例の場合とほぼ
同様である。しかしながら、モノリシックフイルタと同
様な計算手続きを2回行なう必要があるから、多少複雑
な設計となる。ダンピングインピーダンス10、11の
抵抗値は一般に異なるから、副電極8,9の各周波数厚
み調整と前後して、別個に抵抗調整する必要があり、い
ずれにせよ、製造上かなり複雑な手順を必要とする。
【0014】
【発明の効果】本発明の構成により、機械−電気変換効
率の劣る水晶板の特定な振動エネルギーを音響的整合の
考えに基づいて、初めて高効率に抽出し抑圧できるよう
になったから、抑圧すべき共振周波数を合理的かつ的確
に設定できるようになった。特に、抑圧量もモノリシッ
クフィルタ同様のインピーダンス整合手段をとることに
より、副電極と引出電極との間にダンピングインピーダ
ンスを配設あるいは接続することにより、従来と比較し
て確実で顕著な効果が保証されるようになった。本発明
の他の効果は、斜対称振動の発生を主電極と副電極の非
対称構成によりかなり抑制できるが、さらに副電極を主
電極の両側端に隔設し電荷相殺することに、一層効果的
に抑制できるようになった。さらに最大2つのオーバト
ーン共振周波数を独立に抑制することができるようにな
り、3次以上の高次共振周波数の発振を目的とした信頼
性の高い安定度に優れた高次オーバトーン水晶振動子を
実現可能になった。従来より困難であった5次以上の高
次共振周波数のみを発振する水晶振動子を提供できるよ
うになった意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例を示す水晶振動子の水
晶板の斜視図である。
【図2】図2は、図1の本発明実施例の水晶板の表裏展
開図である。
【図3】図3は、図1の本発明実施例の水晶振動子を接
続した発振回路図である。
【図4】図4は、図1の本発明実施例の水晶振動子が図
3の発振回路において示す伝送特性図である。
【図5】図5は、水晶板面上に配設した電極の真の周波
数バック量Rtと見かけ上の周波数バック量Rqとの関
係を示すグラフである。
【図6】図6は、圧電セラミックス板の共振周波数間の
関係を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の他の実施例を示す水晶板の表
裏展開図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施例を示す水晶板の表
裏展開図である。
【符号の説明】
1, 主電極 1’ 共通電極 2,7,8,9 副電極 3,3’ 引出電極 4 水晶板 5,10,11 負荷インピーダンス 6 発振増幅器
【数1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引出電極と主電極からなる励振電極を水
    晶板の表裏面上に対向して配設し該引出電極より外部に
    電気導出してなる水晶振動子において、 該水晶板の表裏面の少なくとも一面上に該主電極から隔
    設して該引出電極の反対側に副電極を配設し、 該主電極の抑圧すべき共振周波数において該主電極と該
    副電極は帯域通過型の音響結合フィルタを形成すること
    により該主電極の共振振動を該副電極においてダンピン
    させるべく、 かつ該主電極の所望する共振周波数において該副電極の
    共振周波数を異ならしめることにより該主電極と該副電
    極の共振振動を不整合させるべく、 該主電極と該副電極間の距離を適当に設定すると同時に
    該各電極の厚みと形状寸法を相互に異なるように設定
    し、 かつ該副電極と該水晶板を介して対向する該引出電極と
    の間に該音響結合フィルタの負荷インピーダンスにほぼ
    等しいダンピングインピーダンスを接続したことを特徴
    とする水晶振動子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012160790A (ja) * 2011-01-28 2012-08-23 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 発振装置
RU2582476C1 (ru) * 2015-03-02 2016-04-27 Открытое акционерное общество "ЛИТ-ФОНОН" Кварцевый пьезоэлемент среза ат, изготовленный по третьей механической гармонике на частоты от 20 до 120 мгц
US9503045B2 (en) 2015-01-19 2016-11-22 Seiko Epson Corporation Resonator element, resonator, oscillator, electronic apparatus, and moving object

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