JP2000036419A - 電磁波シールド性に優れる制振鋼板 - Google Patents
電磁波シールド性に優れる制振鋼板Info
- Publication number
- JP2000036419A JP2000036419A JP10203746A JP20374698A JP2000036419A JP 2000036419 A JP2000036419 A JP 2000036419A JP 10203746 A JP10203746 A JP 10203746A JP 20374698 A JP20374698 A JP 20374698A JP 2000036419 A JP2000036419 A JP 2000036419A
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- Japan
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- steel plate
- vibration
- steel sheet
- damping
- electromagnetic wave
- Prior art date
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- Regulation Of General Use Transformers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 騒音や電磁波障害に対応する筐体材料とし
て、電磁波シールド性能と制振性に優れる鋼板を提供す
る事を目的とする。 【解決手段】 少なくとも一方の鋼板をオーステナイト
系ステンレス鋼板とする、二枚の鋼板を樹脂で張り合わ
せ一体化させた樹脂サンドイッチ型の制振鋼板である。
オーステナイト系ステンレス鋼板を接合部に配置するこ
とによって、接合部からの電磁波の漏洩を抑制する事が
できる。また、他方の鋼板をフェライト系のステンレス
とする事によって、板を透過する磁束に対するシールド
性能にも優れる鋼板とする事ができる。
て、電磁波シールド性能と制振性に優れる鋼板を提供す
る事を目的とする。 【解決手段】 少なくとも一方の鋼板をオーステナイト
系ステンレス鋼板とする、二枚の鋼板を樹脂で張り合わ
せ一体化させた樹脂サンドイッチ型の制振鋼板である。
オーステナイト系ステンレス鋼板を接合部に配置するこ
とによって、接合部からの電磁波の漏洩を抑制する事が
できる。また、他方の鋼板をフェライト系のステンレス
とする事によって、板を透過する磁束に対するシールド
性能にも優れる鋼板とする事ができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報、ＯＡ、通
信、家電、産業などの分野に於いて、制振性や電磁シー
ルド性が問題になる機器の筐体に用いられる鋼板に関す
る。
信、家電、産業などの分野に於いて、制振性や電磁シー
ルド性が問題になる機器の筐体に用いられる鋼板に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】近年、情報、ＯＡ、通信、家電、産業な
どの広い分野に用いられる電気・電子機器に於いて、騒
音や電磁波障害が問題になっている。騒音は、機器内の
モーターの高速化や駆動電源のインバーター化が進んで
いることによって、また、電磁波障害は、電気・電子機
器の激増によって問題が顕在化してきた。例えば、ハー
ドディスクにおいては、記憶容量の増大、アクセス時間
の短縮に伴いモーター回転数は、最近２年の間に２倍と
なった。これにより回転振動による騒音が問題となって
きている。同時に、記憶の読み込み時に外部からの電磁
ノイズが読み込み時間を遅らせる等の問題が起きてい
る。
どの広い分野に用いられる電気・電子機器に於いて、騒
音や電磁波障害が問題になっている。騒音は、機器内の
モーターの高速化や駆動電源のインバーター化が進んで
いることによって、また、電磁波障害は、電気・電子機
器の激増によって問題が顕在化してきた。例えば、ハー
ドディスクにおいては、記憶容量の増大、アクセス時間
の短縮に伴いモーター回転数は、最近２年の間に２倍と
なった。これにより回転振動による騒音が問題となって
きている。同時に、記憶の読み込み時に外部からの電磁
ノイズが読み込み時間を遅らせる等の問題が起きてい
る。
【０００３】騒音の抑制には問題となっている機器の振
動を抑制することが大切である。それには、振動を外部
に漏らさないような材料で、その機器を囲うのが有効で
ある。制振性のある材料として、二枚の鋼板を樹脂で張
り合わせ一体化させた樹脂サンドイッチ型制振鋼板など
が知られている。
動を抑制することが大切である。それには、振動を外部
に漏らさないような材料で、その機器を囲うのが有効で
ある。制振性のある材料として、二枚の鋼板を樹脂で張
り合わせ一体化させた樹脂サンドイッチ型制振鋼板など
が知られている。
【０００４】一方、電磁波障害に関しては、その機器が
発生する電磁波を外部に漏洩させず、かつ、外部からの
電磁波の侵入を防ぐため、機器を電磁波シールド材でシ
ールドするのが有効である。ところで、実際のシールド
体では、冷却孔や、筐体材料同士の接合部などの不連続
部が存在している。シールド材として金属を用いれば、
板を透過する電磁波はほとんどないため、シールド材料
では不連続部のシールド性能が重要になる。かような状
況に於いて、制振性と電磁波シールド性を両立させた材
料はこれまでなかった。
発生する電磁波を外部に漏洩させず、かつ、外部からの
電磁波の侵入を防ぐため、機器を電磁波シールド材でシ
ールドするのが有効である。ところで、実際のシールド
体では、冷却孔や、筐体材料同士の接合部などの不連続
部が存在している。シールド材として金属を用いれば、
板を透過する電磁波はほとんどないため、シールド材料
では不連続部のシールド性能が重要になる。かような状
況に於いて、制振性と電磁波シールド性を両立させた材
料はこれまでなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決するため、接合部の電磁波シールド性能に優れ
かつ制振性にも優れた鋼板を提供する事を目的とする。
点を解決するため、接合部の電磁波シールド性能に優れ
かつ制振性にも優れた鋼板を提供する事を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記の通りである。 （１）二枚の鋼板を樹脂で張り合わせ一体化させた樹脂
サンドイッチ型制振鋼板において、少なくとも一方の鋼
板がオーステナイト系ステンレス鋼板からなることを特
徴とする、電磁波シールド性に優れる制振鋼板。 （２）他方の鋼板がフェライト系ステンレス鋼板からな
ることを特徴とする、上記（１）に記載の電磁波シール
ド性に優れる制振鋼板。
ろは下記の通りである。 （１）二枚の鋼板を樹脂で張り合わせ一体化させた樹脂
サンドイッチ型制振鋼板において、少なくとも一方の鋼
板がオーステナイト系ステンレス鋼板からなることを特
徴とする、電磁波シールド性に優れる制振鋼板。 （２）他方の鋼板がフェライト系ステンレス鋼板からな
ることを特徴とする、上記（１）に記載の電磁波シール
ド性に優れる制振鋼板。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、各種材料の接合部の電磁波シールド性能
を評価し、次に示すような原則を見いだした。即ち、シ
ールド体に於いて、閉空間を構成する接合部に強磁性体
が存在する場合、電磁波は接合部からシールド体外部に
漏れやすいが、接合部に強磁性体が存在しなければ接合
部での電磁波漏洩が少なくなることである。この原因は
現在のところ明確ではないが、以下のように推測され
る。該接合部は、二つの金属導体が空隙を挟んで存在す
るスロットアンテナの構造と単純化できる。導体間の空
隙が狭いほど、空隙のインピーダンスが小さく、電磁波
は導体間を流れ、外部に漏洩しない。しかし、空隙があ
る程度以上広くなるとインピーダンスが急激に増加し、
電磁波は空隙から外部に漏洩する。ここで、導体が強磁
性体の場合、空隙のインピーダンスの増加が更に顕著に
なり、外部に漏洩する電磁波強度は強くなる。これが強
磁性体が接合部にある時のシールド性能の劣化であると
考えられる。
本発明者らは、各種材料の接合部の電磁波シールド性能
を評価し、次に示すような原則を見いだした。即ち、シ
ールド体に於いて、閉空間を構成する接合部に強磁性体
が存在する場合、電磁波は接合部からシールド体外部に
漏れやすいが、接合部に強磁性体が存在しなければ接合
部での電磁波漏洩が少なくなることである。この原因は
現在のところ明確ではないが、以下のように推測され
る。該接合部は、二つの金属導体が空隙を挟んで存在す
るスロットアンテナの構造と単純化できる。導体間の空
隙が狭いほど、空隙のインピーダンスが小さく、電磁波
は導体間を流れ、外部に漏洩しない。しかし、空隙があ
る程度以上広くなるとインピーダンスが急激に増加し、
電磁波は空隙から外部に漏洩する。ここで、導体が強磁
性体の場合、空隙のインピーダンスの増加が更に顕著に
なり、外部に漏洩する電磁波強度は強くなる。これが強
磁性体が接合部にある時のシールド性能の劣化であると
考えられる。
【０００８】この様な原則を基に、接合部の電磁波シー
ルド性能に優れかつ制振性に優れる制振鋼板を開発し
た。即ち、少なくとも一方の鋼板をオーステナイト系ス
テンレス鋼板とする樹脂サンドイッチ型の制振鋼板であ
る。オーステナイト系ステンレス鋼板は非磁性であり、
接合部に非磁性のこの面を配置することによって、接合
部のシールド性能が良好となる。他方の面は特に規定す
るものではないが、非磁性のオーステナイト系であれ
ば、接合の際、接合面をどちらにするか手当が少なくて
すむ。
ルド性能に優れかつ制振性に優れる制振鋼板を開発し
た。即ち、少なくとも一方の鋼板をオーステナイト系ス
テンレス鋼板とする樹脂サンドイッチ型の制振鋼板であ
る。オーステナイト系ステンレス鋼板は非磁性であり、
接合部に非磁性のこの面を配置することによって、接合
部のシールド性能が良好となる。他方の面は特に規定す
るものではないが、非磁性のオーステナイト系であれ
ば、接合の際、接合面をどちらにするか手当が少なくて
すむ。
【０００９】また更に、他方の面をフェライト系ステン
レス鋼板にすることによって、直流での磁気シールド性
能にも優れる鋼板とする事ができる。即ち、一方はオー
ステナイト系、他方はフェライト系のステンレスである
樹脂サンドイッチ型の制振鋼板である。このとき、オー
ステナイト系ステンレスは接合部の重ね合わせ面側に持
ってこなくてはならない。電磁波シールド性能および直
流磁気シールド性能に優れ、しかも制振性に優れた鋼板
となる。
レス鋼板にすることによって、直流での磁気シールド性
能にも優れる鋼板とする事ができる。即ち、一方はオー
ステナイト系、他方はフェライト系のステンレスである
樹脂サンドイッチ型の制振鋼板である。このとき、オー
ステナイト系ステンレスは接合部の重ね合わせ面側に持
ってこなくてはならない。電磁波シールド性能および直
流磁気シールド性能に優れ、しかも制振性に優れた鋼板
となる。
【００１０】
【実施例】表１に示す樹脂サンドイッチ型の制振鋼板に
ついて、接合部の電磁波シールド性能を評価した。評価
は図１に示す装置を用いて行った。非磁性であるＡｌ合
金で上面があいた箱１を作製し、その中に送信アンテナ
２を配置し、電磁波を発生させる。その上に試料３を置
き、均等な圧力で上から抑える。この状態で、箱の外部
に漏洩する電磁波を受信アンテナ４で受信し、プリアン
プ５を経て信号をスペクトラムアナライザー６で分析す
る。サンプルを置かないときの電磁波の強度を基準にし
て、ｄＢ表示し減衰率の評価とする。測定はすべて面Ａ
をＡｌの箱に面接触させて測定した。
ついて、接合部の電磁波シールド性能を評価した。評価
は図１に示す装置を用いて行った。非磁性であるＡｌ合
金で上面があいた箱１を作製し、その中に送信アンテナ
２を配置し、電磁波を発生させる。その上に試料３を置
き、均等な圧力で上から抑える。この状態で、箱の外部
に漏洩する電磁波を受信アンテナ４で受信し、プリアン
プ５を経て信号をスペクトラムアナライザー６で分析す
る。サンプルを置かないときの電磁波の強度を基準にし
て、ｄＢ表示し減衰率の評価とする。測定はすべて面Ａ
をＡｌの箱に面接触させて測定した。
【００１１】表２に評価結果を示す。本発明に於いて、
面接触接合部のシールド性能が、比較例に比し良好であ
ることを確認できる。
面接触接合部のシールド性能が、比較例に比し良好であ
ることを確認できる。
【００１２】
【表１】
【００１３】
【表２】
【図面の簡単な説明】
【図１】樹脂サンドイッチ型制振鋼板の接合部における
電磁波シールド性能を評価するための装置を示す説明図
である。
電磁波シールド性能を評価するための装置を示す説明図
である。
１ Ａｌ合金製箱 ２ 送信アンテナ ３ 試料 ４ 受信アンテナ ５ プリアンプ ６ スペクトラムアナライザー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 政哲 東京都千代田区大手町２−６−３ 新日本 製鐵株式会社内 (72)発明者 若林 重記 愛知県東海市東海町５−３ 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 札軒 富美夫 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 Ｆターム(参考） 4F100 AB03A AB03C AB04A AB04C AK01B BA03 BA06 BA10A BA10C BA14 GB48 JD08 JH02 5E058 AA23 AA24 CC13
Claims (2)
- 【請求項１】 二枚の鋼板を樹脂で張り合わせ一体化さ
せた樹脂サンドイッチ型制振鋼板において、少なくとも
一方の鋼板がオーステナイト系ステンレス鋼板からなる
ことを特徴とする、電磁波シールド性に優れる制振鋼
板。 - 【請求項２】 他方の鋼板がフェライト系ステンレス鋼
板からなることを特徴とする、請求項１に記載の電磁波
シールド性に優れる制振鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10203746A JP2000036419A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 電磁波シールド性に優れる制振鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10203746A JP2000036419A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 電磁波シールド性に優れる制振鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000036419A true JP2000036419A (ja) | 2000-02-02 |
Family
ID=16479168
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10203746A Pending JP2000036419A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 電磁波シールド性に優れる制振鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000036419A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20130328454A1 (en) * | 2012-06-12 | 2013-12-12 | Gm Global Technology Operation Llc | Rotor hub assembly with non-magnetic resolver shielding ring |
-
1998
- 1998-07-17 JP JP10203746A patent/JP2000036419A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20130328454A1 (en) * | 2012-06-12 | 2013-12-12 | Gm Global Technology Operation Llc | Rotor hub assembly with non-magnetic resolver shielding ring |
| CN103490560A (zh) * | 2012-06-12 | 2014-01-01 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 具有非磁性解析器屏蔽环的转子毂组件 |
| US9154019B2 (en) * | 2012-06-12 | 2015-10-06 | GM Global Technology Operations LLC | Rotor hub assembly with non-magnetic resolver shielding ring |
| CN103490560B (zh) * | 2012-06-12 | 2016-11-16 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 车辆和具有非磁性解析器屏蔽环的转子毂组件 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050203 |
|
| A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20050216 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050225 |
|
| RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050225 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071116 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071127 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080121 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080527 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080709 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080826 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081224 |