JP2000036310A - 固体電解質型燃料電池のガスセパレータおよびその製造方法ならびにこれを用いた固体電解質型燃料電池 - Google Patents
固体電解質型燃料電池のガスセパレータおよびその製造方法ならびにこれを用いた固体電解質型燃料電池Info
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- JP2000036310A JP2000036310A JP10203314A JP20331498A JP2000036310A JP 2000036310 A JP2000036310 A JP 2000036310A JP 10203314 A JP10203314 A JP 10203314A JP 20331498 A JP20331498 A JP 20331498A JP 2000036310 A JP2000036310 A JP 2000036310A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱衝撃性に優れ、生産性が向上する、安価
な固体電解質型燃料電池のガスセパレータを提供する。 【解決手段】 電気絶縁性の酸化物板からなるセパレー
タ本体と、セパレータ本体を貫通して設けられた電気導
電性の酸化物からなる電子流路とを有し、単セルを多数
積層して固体電解質型燃料電池を形成する際に、単セル
相互間に配置されて各単セルを電気的に接続するととも
に、単セルへ供給される燃料ガスの流路と酸素含有ガス
の流路とを仕切るガスセパレータにおいて、セパレータ
本体が、多孔質の酸化物板(多孔質耐火煉瓦層6)と、
この多孔質の酸化物板表面にコーティングされた緻密質
の酸化物膜(緻密質コーティング層7)とを有するこ
と。
な固体電解質型燃料電池のガスセパレータを提供する。 【解決手段】 電気絶縁性の酸化物板からなるセパレー
タ本体と、セパレータ本体を貫通して設けられた電気導
電性の酸化物からなる電子流路とを有し、単セルを多数
積層して固体電解質型燃料電池を形成する際に、単セル
相互間に配置されて各単セルを電気的に接続するととも
に、単セルへ供給される燃料ガスの流路と酸素含有ガス
の流路とを仕切るガスセパレータにおいて、セパレータ
本体が、多孔質の酸化物板(多孔質耐火煉瓦層6)と、
この多孔質の酸化物板表面にコーティングされた緻密質
の酸化物膜(緻密質コーティング層7)とを有するこ
と。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質型燃料
電池のガスセパレータおよびその製造方法ならびにこれ
を用いた固体電解質型燃料電池に係り、特に、耐熱衝撃
性が向上する固体電解質型燃料電池のガスセパレータお
よびその製造方法ならびにこれを用いた固体電解質型燃
料電池に関する。
電池のガスセパレータおよびその製造方法ならびにこれ
を用いた固体電解質型燃料電池に係り、特に、耐熱衝撃
性が向上する固体電解質型燃料電池のガスセパレータお
よびその製造方法ならびにこれを用いた固体電解質型燃
料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】平板型の固体電解質型燃料電池は、一般
に発電を行う平板状の単セルを、該単セルに供給される
燃料ガスのガス流路と酸素含有ガスのガス流路を仕切る
とともに、前記単セル相互を電気的に接続するガスセパ
レータを介して多数積層して形成される。
に発電を行う平板状の単セルを、該単セルに供給される
燃料ガスのガス流路と酸素含有ガスのガス流路を仕切る
とともに、前記単セル相互を電気的に接続するガスセパ
レータを介して多数積層して形成される。
【0003】図4は、固体電解質型燃料電池のガスセパ
レータおよび、該ガスセパレータを介して積層される単
セルを示す説明図である。図において、ガスセパレータ
41は、平板状のセパレータ本体42と、該セパレータ
本体42の各辺にそれぞれ設けられた積層用枠体43お
よびガス流通用枠体44と、前記セパレータ本体42に
あらかじめ設けられた電子流路用の貫通孔に蓋をするよ
うに結合された電子流路材45とから主として構成され
ており、ガスセパレータ41と単セル46の接合面には
集電板47が配置される。
レータおよび、該ガスセパレータを介して積層される単
セルを示す説明図である。図において、ガスセパレータ
41は、平板状のセパレータ本体42と、該セパレータ
本体42の各辺にそれぞれ設けられた積層用枠体43お
よびガス流通用枠体44と、前記セパレータ本体42に
あらかじめ設けられた電子流路用の貫通孔に蓋をするよ
うに結合された電子流路材45とから主として構成され
ており、ガスセパレータ41と単セル46の接合面には
集電板47が配置される。
【0004】このようなガスセパレータにおいて、セパ
レータ本体は、従来、例えばMgOとMgAl2 O4 を
それぞれ、例えば粒径1〜50μmに粉砕し、例えば重
量比が45:55となるように混合し、助剤として、例
えばCaOを0.3wt%添加し、これを、例えばドク
ターブレード法で成形し、例えば1200〜1800℃
で5時間焼成して製造されていた。
レータ本体は、従来、例えばMgOとMgAl2 O4 を
それぞれ、例えば粒径1〜50μmに粉砕し、例えば重
量比が45:55となるように混合し、助剤として、例
えばCaOを0.3wt%添加し、これを、例えばドク
ターブレード法で成形し、例えば1200〜1800℃
で5時間焼成して製造されていた。
【0005】しかしながら、上記従来技術におけるガス
セパレータは、セパレータ本体が、例えば空気透過率
1.0×10-5(cc cm/sec(g/cm2)cm2) 程度の緻密質材
料で構成されていたために、耐熱衝撃性が小さく、発電
の際の急激な発熱反応、またはヒートサイクル等によっ
て、ひび割れもしくは歪みが生じるという問題があり、
実際、約1割程度の確立でひび割れが生じていた。また
耐衝撃性が小さいことから生産性を向上させることが難
しく、コスト嵩になるという問題もあった。
セパレータは、セパレータ本体が、例えば空気透過率
1.0×10-5(cc cm/sec(g/cm2)cm2) 程度の緻密質材
料で構成されていたために、耐熱衝撃性が小さく、発電
の際の急激な発熱反応、またはヒートサイクル等によっ
て、ひび割れもしくは歪みが生じるという問題があり、
実際、約1割程度の確立でひび割れが生じていた。また
耐衝撃性が小さいことから生産性を向上させることが難
しく、コスト嵩になるという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、耐熱衝撃性に優れ、生産性
が向上する、固体電解質型燃料電池のガスセパレータお
よびその製造方法ならびにこれを用いた固体電解質型燃
料電池を提供することにある。
従来技術の問題点を解決し、耐熱衝撃性に優れ、生産性
が向上する、固体電解質型燃料電池のガスセパレータお
よびその製造方法ならびにこれを用いた固体電解質型燃
料電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、セパレータ本体を構成する酸化物材
と、その耐熱衝撃性および空気透過率等との関係につい
て鋭意研究した結果、セパレータ本体を多孔質酸化物板
と、その表面にコーティングされた緻密質の酸化物膜で
構成することにより、ガスシール性を低下させることな
く、耐熱衝撃性を向上させることができることを見出
し、本発明に到達した。
め、本発明者は、セパレータ本体を構成する酸化物材
と、その耐熱衝撃性および空気透過率等との関係につい
て鋭意研究した結果、セパレータ本体を多孔質酸化物板
と、その表面にコーティングされた緻密質の酸化物膜で
構成することにより、ガスシール性を低下させることな
く、耐熱衝撃性を向上させることができることを見出
し、本発明に到達した。
【0008】すなわち本願で特許請求する発明は、以下
のとおりである。 (1)電気絶縁性の酸化物板からなるセパレータ本体
と、該セパレータ本体を貫通して設けられた電気導電性
の酸化物および/または金属を含む電子流路とを有し、
単セルを多数積層して固体電解質型燃料電池を形成する
際に、前記単セル相互間に配置されて各単セルを電気的
に接続するとともに、前記単セルへ供給される燃料ガス
の流路と酸素含有ガスの流路とを仕切るガスセパレータ
において、前記セパレータ本体が、多孔質の酸化物板
と、該多孔質の酸化物板表面にコーティングされた緻密
質の酸化物膜とを有することを特徴とする、固体電解質
型燃料電池のガスセパレータ。
のとおりである。 (1)電気絶縁性の酸化物板からなるセパレータ本体
と、該セパレータ本体を貫通して設けられた電気導電性
の酸化物および/または金属を含む電子流路とを有し、
単セルを多数積層して固体電解質型燃料電池を形成する
際に、前記単セル相互間に配置されて各単セルを電気的
に接続するとともに、前記単セルへ供給される燃料ガス
の流路と酸素含有ガスの流路とを仕切るガスセパレータ
において、前記セパレータ本体が、多孔質の酸化物板
と、該多孔質の酸化物板表面にコーティングされた緻密
質の酸化物膜とを有することを特徴とする、固体電解質
型燃料電池のガスセパレータ。
【0009】(2)前記セパレータ本体を構成する多孔
質の酸化物板が、マグネシア(MgO)とマグネシアス
ピネル(MgAl2 O4 )を主成分とするものであり、
該MgOとMgAl2 O4 の混合比が重量比で1:9〜
9:1であることを特徴とする上記(1)に記載の、固
体電解質型燃料電池のガスセパレータ。 (3)前記多孔質の酸化物板にコーティングされた緻密
質の酸化物膜が、SiO 2 とCaOを主成分とするもの
であり、該SiO2 とCaOの混合比がモル比で1:
0.5〜2であることを特徴とする上記(1)に記載
の、固体電解質型燃料電池のガスセパレータ。 (4)前記多孔質の酸化物板にコーティングされた緻密
質の酸化物膜が、SiO 2 に対してモル比で0〜0.2
のAl2 O3 を含有することを特徴とする上記(3)に
記載の、固体電解質型燃料電池のガスセパレータ。 (5)上記(1)〜(4)の何れかに記載のガスセパレ
ータを介して単セルを多数積層したことを特徴とする固
体電解質型燃料電池。
質の酸化物板が、マグネシア(MgO)とマグネシアス
ピネル(MgAl2 O4 )を主成分とするものであり、
該MgOとMgAl2 O4 の混合比が重量比で1:9〜
9:1であることを特徴とする上記(1)に記載の、固
体電解質型燃料電池のガスセパレータ。 (3)前記多孔質の酸化物板にコーティングされた緻密
質の酸化物膜が、SiO 2 とCaOを主成分とするもの
であり、該SiO2 とCaOの混合比がモル比で1:
0.5〜2であることを特徴とする上記(1)に記載
の、固体電解質型燃料電池のガスセパレータ。 (4)前記多孔質の酸化物板にコーティングされた緻密
質の酸化物膜が、SiO 2 に対してモル比で0〜0.2
のAl2 O3 を含有することを特徴とする上記(3)に
記載の、固体電解質型燃料電池のガスセパレータ。 (5)上記(1)〜(4)の何れかに記載のガスセパレ
ータを介して単セルを多数積層したことを特徴とする固
体電解質型燃料電池。
【0010】(6)粉末状のマグネシア(MgO)とマ
グネシアスピネル(MgAl2 O4)とを混合し、助剤
を加えて平板状に成形し、焼成した電気絶縁性のセパレ
ータ本体に、該セパレータ本体の平板状を貫通するよう
に電気導電性の酸化物および/または金属を含む電子流
路を設ける、固体電解質型燃料電池のガスセパレータの
製造方法において、前記粉末状のマグネシア(MgO)
およびマグネシアスピネル(MgAl2 O4 )として、
それぞれ粒径74μm以下の粒子と該粒径74μm以下
の粒子を含む粒径1mm以下の粒子の重量比が1:9〜
9:1となるように混合したものを用い、該粉末状のM
gOとMgAl2 O4 を重量比が1:9〜9:1となる
ように混合し、該混合物に助剤を加えて平板状に成形
し、1300〜1900℃で焼成し、得られた焼成体表
面にSiO2 、CaOおよび/またはAl2 O3 を含む
混合スラリを塗布し、1200〜1400℃で熱処理し
て前記焼成体表面に緻密質の酸化物膜を形成してセパレ
ータ本体とし、該セパレータ本体を貫通するように電気
導電性の酸化物および/または金属を含む電子流路を設
けることを特徴とする、固体電解質型燃料電池のガスセ
パレータの製造方法。
グネシアスピネル(MgAl2 O4)とを混合し、助剤
を加えて平板状に成形し、焼成した電気絶縁性のセパレ
ータ本体に、該セパレータ本体の平板状を貫通するよう
に電気導電性の酸化物および/または金属を含む電子流
路を設ける、固体電解質型燃料電池のガスセパレータの
製造方法において、前記粉末状のマグネシア(MgO)
およびマグネシアスピネル(MgAl2 O4 )として、
それぞれ粒径74μm以下の粒子と該粒径74μm以下
の粒子を含む粒径1mm以下の粒子の重量比が1:9〜
9:1となるように混合したものを用い、該粉末状のM
gOとMgAl2 O4 を重量比が1:9〜9:1となる
ように混合し、該混合物に助剤を加えて平板状に成形
し、1300〜1900℃で焼成し、得られた焼成体表
面にSiO2 、CaOおよび/またはAl2 O3 を含む
混合スラリを塗布し、1200〜1400℃で熱処理し
て前記焼成体表面に緻密質の酸化物膜を形成してセパレ
ータ本体とし、該セパレータ本体を貫通するように電気
導電性の酸化物および/または金属を含む電子流路を設
けることを特徴とする、固体電解質型燃料電池のガスセ
パレータの製造方法。
【0011】(7)前記混合スラリにおけるSiO2 、
CaOおよびAl2 O3 の混合比を、モル比で1:0.
5〜2:0〜0.2とすることを特徴とする上記(6)
に記載の、固体電解質型燃料電池のガスセパレータの製
造方法。
CaOおよびAl2 O3 の混合比を、モル比で1:0.
5〜2:0〜0.2とすることを特徴とする上記(6)
に記載の、固体電解質型燃料電池のガスセパレータの製
造方法。
【0012】本発明において、セパレータ本体とは、固
体電解質型燃料電池の構成部材であるガスセパレータの
主要部分をなすもので、電子流路となる電気導電性の酸
化物を接合するための貫通孔を有している。
体電解質型燃料電池の構成部材であるガスセパレータの
主要部分をなすもので、電子流路となる電気導電性の酸
化物を接合するための貫通孔を有している。
【0013】本発明において、セパレータ本体は、電気
絶縁性の多孔質酸化物板と、該多孔質酸化物板の表面を
コーティングする緻密質の酸化物膜とを有する。酸化物
としては、例えば煉瓦、セラミックス等が挙げられる。
多孔質酸化物板の構成材料は、マグネシア(MgO)と
マグネシアスピネル(以下、単にスピネルという)(M
gAl2 O4 )を主成分とするものであることが好まし
く、その混合比は、重量比でMgO:MgAl2 O4 =
1:9〜9:1であり、好ましくは、4:6〜6:4で
ある。MgOに対するMgAl2 O4 の混合比が大きす
ぎると、線膨張係数が小さくなり、小さすぎると線膨張
係数が大きくなる。
絶縁性の多孔質酸化物板と、該多孔質酸化物板の表面を
コーティングする緻密質の酸化物膜とを有する。酸化物
としては、例えば煉瓦、セラミックス等が挙げられる。
多孔質酸化物板の構成材料は、マグネシア(MgO)と
マグネシアスピネル(以下、単にスピネルという)(M
gAl2 O4 )を主成分とするものであることが好まし
く、その混合比は、重量比でMgO:MgAl2 O4 =
1:9〜9:1であり、好ましくは、4:6〜6:4で
ある。MgOに対するMgAl2 O4 の混合比が大きす
ぎると、線膨張係数が小さくなり、小さすぎると線膨張
係数が大きくなる。
【0014】一方、多孔質酸化物板の表面をコーティン
グする緻密質酸化物膜の構成材料は、SiO2 とCaO
を主成分とするものであることが好ましく、その混合比
は、モル比でSiO2 :CaO=1:0.5〜2、好ま
しくは、1:1.0〜1.5である。SiO2 に対する
CaOのモル比が多すぎると溶融状態が悪くなってコー
ティング層の形成が困難となる。一方、CaOのモル比
が少なすぎるとコーティング層にひび割れが生じ易くな
る。SiO2 とCaOからなる構成材料にはさらにAl
2 O3 を添加することが好ましい。Al2 O3 の添加量
は、SiO2 に対してモル比で0〜0.2であり、好ま
しくは0〜0.1である。Al2 O3 を添加することに
より、融点を下げ、安定な膜を作ることができる。Al
2 O3 のモル比が多すぎると溶融が不十分となる。
グする緻密質酸化物膜の構成材料は、SiO2 とCaO
を主成分とするものであることが好ましく、その混合比
は、モル比でSiO2 :CaO=1:0.5〜2、好ま
しくは、1:1.0〜1.5である。SiO2 に対する
CaOのモル比が多すぎると溶融状態が悪くなってコー
ティング層の形成が困難となる。一方、CaOのモル比
が少なすぎるとコーティング層にひび割れが生じ易くな
る。SiO2 とCaOからなる構成材料にはさらにAl
2 O3 を添加することが好ましい。Al2 O3 の添加量
は、SiO2 に対してモル比で0〜0.2であり、好ま
しくは0〜0.1である。Al2 O3 を添加することに
より、融点を下げ、安定な膜を作ることができる。Al
2 O3 のモル比が多すぎると溶融が不十分となる。
【0015】多孔質の酸化物板は、緻密質の酸化物板に
比べて多少ガスシール性が損なわれるが、耐熱衝撃性、
耐ヒートサイクル性が高く、発電時にひび割れ、歪み等
を生じることがない。また多孔質の酸化物板は、緻密質
の酸化物板を形成する場合に比べて製造が容易で、しか
もコストが割安となる。従って、本発明においては、セ
パレータ本体を、多孔質の酸化物板と、該多孔質酸化物
板のガスシール性を確保するためにその表面にコーティ
ングされた緻密質の酸化膜とで形成する。
比べて多少ガスシール性が損なわれるが、耐熱衝撃性、
耐ヒートサイクル性が高く、発電時にひび割れ、歪み等
を生じることがない。また多孔質の酸化物板は、緻密質
の酸化物板を形成する場合に比べて製造が容易で、しか
もコストが割安となる。従って、本発明においては、セ
パレータ本体を、多孔質の酸化物板と、該多孔質酸化物
板のガスシール性を確保するためにその表面にコーティ
ングされた緻密質の酸化膜とで形成する。
【0016】本発明において、多孔質酸化物板とは、例
えば空気透過率1.0×10-4(cccm/sec(g/cm2)cm2)
程度以上の酸化物板をいい、緻密質酸化物膜とは、例え
ば空気透過率1.0×10-4(cc cm/sec(g/cm2)cm2) 程
度以下の酸化物膜をいう。
えば空気透過率1.0×10-4(cccm/sec(g/cm2)cm2)
程度以上の酸化物板をいい、緻密質酸化物膜とは、例え
ば空気透過率1.0×10-4(cc cm/sec(g/cm2)cm2) 程
度以下の酸化物膜をいう。
【0017】本発明においては、単セルを積層して固体
電解質型燃料電池を形成する際、ガスセパレータとし
て、セパレータ本体が、多孔質の酸化物板と該多孔質酸
化物板の表面をコーティングする緻密質酸化物膜とから
なるガスセパレータが使用される。これによって、繰り
返しのヒートサイクルに対してもひび割れのない、耐熱
衝撃性の高い固体電解質型燃料電池となる。
電解質型燃料電池を形成する際、ガスセパレータとし
て、セパレータ本体が、多孔質の酸化物板と該多孔質酸
化物板の表面をコーティングする緻密質酸化物膜とから
なるガスセパレータが使用される。これによって、繰り
返しのヒートサイクルに対してもひび割れのない、耐熱
衝撃性の高い固体電解質型燃料電池となる。
【0018】本発明にいては、セパレータ本体の構成材
料であるMgOとMgAl2 O4 はそれぞれ、粒径74
μm以下の粒子と、該粒径74μm以下の粒子を含む粒
径1mm以下の粒子の重量比が1 :9 〜9 :1 、好まし
くは6:4となるように粉砕、混合される。この粒度条
件を満足するMgOとMgAl2 O4 を混合し、助剤を
加えてスラリとし、これを、例えばプレス成形法によっ
て薄板状に成形し、焼成してセパレータ焼成体とする。
構成材料を、粒径74μm以下の粒子と、該粒径74μ
m以下の粒子を含む粒径1μm以下の粒子との重量比で
規定する理由は、構成材料の密度を極力大きくするため
であり、その重量比を1:9〜9:1とする理由は、焼
成後の密度を極力大きくするためである。粉末状のMg
OとMgAl2 O4 との混合比は、重量比で1:9〜
9:1であり、特に45:55であることが好ましい。
成形法は、特に限定されない。また焼成温度は、例えば
1300〜1900℃、好ましくは1400〜1800
℃、焼成時間は2〜10時間、好ましくは3〜5時間で
ある。このような条件で製造されたセパレータ焼成体
は、多孔質なものとなる。得られた多孔質酸化物からな
るセパレータ焼成体の表面にSiO2 、CaOおよび/
またはAl2 O3 を主成分とするスラリが塗布され、1
200〜1400℃,好ましくは1200〜1300℃
で熱処理される。これによって、前記多孔質酸化物板の
表面に緻密質の酸化物膜が形成される。
料であるMgOとMgAl2 O4 はそれぞれ、粒径74
μm以下の粒子と、該粒径74μm以下の粒子を含む粒
径1mm以下の粒子の重量比が1 :9 〜9 :1 、好まし
くは6:4となるように粉砕、混合される。この粒度条
件を満足するMgOとMgAl2 O4 を混合し、助剤を
加えてスラリとし、これを、例えばプレス成形法によっ
て薄板状に成形し、焼成してセパレータ焼成体とする。
構成材料を、粒径74μm以下の粒子と、該粒径74μ
m以下の粒子を含む粒径1μm以下の粒子との重量比で
規定する理由は、構成材料の密度を極力大きくするため
であり、その重量比を1:9〜9:1とする理由は、焼
成後の密度を極力大きくするためである。粉末状のMg
OとMgAl2 O4 との混合比は、重量比で1:9〜
9:1であり、特に45:55であることが好ましい。
成形法は、特に限定されない。また焼成温度は、例えば
1300〜1900℃、好ましくは1400〜1800
℃、焼成時間は2〜10時間、好ましくは3〜5時間で
ある。このような条件で製造されたセパレータ焼成体
は、多孔質なものとなる。得られた多孔質酸化物からな
るセパレータ焼成体の表面にSiO2 、CaOおよび/
またはAl2 O3 を主成分とするスラリが塗布され、1
200〜1400℃,好ましくは1200〜1300℃
で熱処理される。これによって、前記多孔質酸化物板の
表面に緻密質の酸化物膜が形成される。
【0019】本発明において、助剤とは、成形時に接着
剤として機能する成形助剤であり、例えば、乳酸アルミ
バインダ、アルミナセメント等が使用される。
剤として機能する成形助剤であり、例えば、乳酸アルミ
バインダ、アルミナセメント等が使用される。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例によってさ
らに詳細に説明する。 実施例1 粒径74μm以下の粒子と、該74μm以下の粒子を含
む粒径1mm以下の粒子の重量比が6:4となるように
それぞれ混合したMgOとMgAl2 O4 を、重量比
が、MgO:MgAl2 O4 =45:55となるように
混合し、助剤として、乳酸アルミバインダを0.5〜2
wt%添加し、プレス成形して板状成形体とし、該板状
成形体を1400〜1800℃で5時間焼成して多孔質
酸化物板からなるセパレータ焼成体とした。
らに詳細に説明する。 実施例1 粒径74μm以下の粒子と、該74μm以下の粒子を含
む粒径1mm以下の粒子の重量比が6:4となるように
それぞれ混合したMgOとMgAl2 O4 を、重量比
が、MgO:MgAl2 O4 =45:55となるように
混合し、助剤として、乳酸アルミバインダを0.5〜2
wt%添加し、プレス成形して板状成形体とし、該板状
成形体を1400〜1800℃で5時間焼成して多孔質
酸化物板からなるセパレータ焼成体とした。
【0021】次に、平均粒径10μmのSiO2 、平均
粒径15μmのCaOおよび平均粒径2μmのAl2 O
3 をそれぞれモル比で1:1:0.1になるように混合
したコーティング用粉末100gに対し、結合剤として
ポリビニルブチラール18g、可塑剤としてジブチルフ
タレート16g、分散剤としてノニオン系界面活性剤2
g、および溶剤としてエタノール150mlを添加して
スラリとし、該スラリを上記得られた、セパレータ焼成
体の表面にディップコート法によって厚さ50μm塗布
し、70℃で24時間乾燥したのち1200〜1300
℃で熱処理して緻密質酸化物からなるコーティング層を
形成してセパレータ本体とした。
粒径15μmのCaOおよび平均粒径2μmのAl2 O
3 をそれぞれモル比で1:1:0.1になるように混合
したコーティング用粉末100gに対し、結合剤として
ポリビニルブチラール18g、可塑剤としてジブチルフ
タレート16g、分散剤としてノニオン系界面活性剤2
g、および溶剤としてエタノール150mlを添加して
スラリとし、該スラリを上記得られた、セパレータ焼成
体の表面にディップコート法によって厚さ50μm塗布
し、70℃で24時間乾燥したのち1200〜1300
℃で熱処理して緻密質酸化物からなるコーティング層を
形成してセパレータ本体とした。
【0022】表1に、コーティング層形成用スラリの組
成割合を示す。
成割合を示す。
【0023】
【表1】 得られたセパレータ本体に、電気導電性の酸化物、例え
ばLaCrO3 からなる電子流路材、および前記緻密質
酸化物膜と同様の組成からなる枠体を嵌合または接合し
てガスセパレータとし、該ガスセパレータについて空気
透過率を測定したところ、2.0×10-5(cc cm/sec(g
/cm2)cm2) であった。
ばLaCrO3 からなる電子流路材、および前記緻密質
酸化物膜と同様の組成からなる枠体を嵌合または接合し
てガスセパレータとし、該ガスセパレータについて空気
透過率を測定したところ、2.0×10-5(cc cm/sec(g
/cm2)cm2) であった。
【0024】なお、空気透過率の測定は、以下の方法に
よって行った。
よって行った。
【0025】図1に本実施例で得られたガスセパレータ
を示す。図1において、平板状のセパレータ本体2の対
抗する2組の辺に積層用枠体3およびガス流通用枠体4
が接合されるとともに、電子流路材接合用の貫通孔に電
子流路材5が接合されている。また、図2は、図1のII
−II線矢示方向部分断面図である。図2において、セパ
レータ本体2は多孔質酸化物板(以下、多孔質耐火煉瓦
層ともいう)6と、該多孔質耐火煉瓦層6の表裏両面に
コーティングされた緻密質酸化物膜(以下、緻密質コー
ティング層ともいう)7で構成されている。
を示す。図1において、平板状のセパレータ本体2の対
抗する2組の辺に積層用枠体3およびガス流通用枠体4
が接合されるとともに、電子流路材接合用の貫通孔に電
子流路材5が接合されている。また、図2は、図1のII
−II線矢示方向部分断面図である。図2において、セパ
レータ本体2は多孔質酸化物板(以下、多孔質耐火煉瓦
層ともいう)6と、該多孔質耐火煉瓦層6の表裏両面に
コーティングされた緻密質酸化物膜(以下、緻密質コー
ティング層ともいう)7で構成されている。
【0026】本実施例によれば、セパレータ本体を多孔
質耐火煉瓦層6と、その表面にコーティングされた緻密
質コーティング層7とで形成したことにより、発電時ま
たはヒートサイクルを行った場合でもひび割れ等を生じ
ることがなく、耐熱衝撃性が向上する。また、空気透過
率を所定値以下に抑えることができるので、ガスセパレ
ータとして十分実用に供することができる。さらに、多
孔質耐火煉瓦層6は、緻密質の耐火煉瓦層に比べて生産
性がよい上に材料コストも下がるので、従来の緻密質耐
火煉瓦層のみからなるガスセパレータ本体に比べて生産
コストを約1/20程度に低減することができる。
質耐火煉瓦層6と、その表面にコーティングされた緻密
質コーティング層7とで形成したことにより、発電時ま
たはヒートサイクルを行った場合でもひび割れ等を生じ
ることがなく、耐熱衝撃性が向上する。また、空気透過
率を所定値以下に抑えることができるので、ガスセパレ
ータとして十分実用に供することができる。さらに、多
孔質耐火煉瓦層6は、緻密質の耐火煉瓦層に比べて生産
性がよい上に材料コストも下がるので、従来の緻密質耐
火煉瓦層のみからなるガスセパレータ本体に比べて生産
コストを約1/20程度に低減することができる。
【0027】実施例2 緻密質コーティング層7における、SiO2 に対するC
aOおよびAl2 O3のモル比をそれぞれ2および0.
2とした以外は、上記実施例1と同様にして同様のガス
セパレータを得、得られたガスセパレータについて実施
例1と同様にして空気透過率を測定したところ、3.1
×10-5(cc cm/sec(g/cm2)cm2) であった。
aOおよびAl2 O3のモル比をそれぞれ2および0.
2とした以外は、上記実施例1と同様にして同様のガス
セパレータを得、得られたガスセパレータについて実施
例1と同様にして空気透過率を測定したところ、3.1
×10-5(cc cm/sec(g/cm2)cm2) であった。
【0028】実施例3 緻密質コーティング層7における、SiO2 に対するC
aOおよびAl2 O3のモル比をそれぞれ0.5および
0.05とした以外は、上記実施例1と同様にして同様
のガスセパレータを得、得られたガスセパレータについ
て実施例1と同様にして空気透過率を測定したところ、
2.9×10-5(cc cm/sec(g/cm2)cm2)であった。
aOおよびAl2 O3のモル比をそれぞれ0.5および
0.05とした以外は、上記実施例1と同様にして同様
のガスセパレータを得、得られたガスセパレータについ
て実施例1と同様にして空気透過率を測定したところ、
2.9×10-5(cc cm/sec(g/cm2)cm2)であった。
【0029】比較例1 緻密質コーティング層7における、SiO2 に対するC
aOおよびAl2 O3のモル比をそれぞれ2.5および
0.25とした以外は、上記実施例1と同様にして同様
のガスセパレータを得ようとしたところ、コーティング
材が溶融せず、コーティング層を均一に形成することが
できなかった。
aOおよびAl2 O3のモル比をそれぞれ2.5および
0.25とした以外は、上記実施例1と同様にして同様
のガスセパレータを得ようとしたところ、コーティング
材が溶融せず、コーティング層を均一に形成することが
できなかった。
【0030】比較例2 緻密質コーティング層7における、SiO2 に対するC
aOおよびAl2 O3のモル比をそれぞれ0.4および
0.04とした以外は、上記実施例1と同様にして同様
のガスセパレータを得たところ、コーティング層にひび
割れが発生した。得られたガスセパレータについて実施
例1と同様にして空気透過率を測定したところ、5.0
×10-3(cc cm/sec(g/cm2)cm2) であった。
aOおよびAl2 O3のモル比をそれぞれ0.4および
0.04とした以外は、上記実施例1と同様にして同様
のガスセパレータを得たところ、コーティング層にひび
割れが発生した。得られたガスセパレータについて実施
例1と同様にして空気透過率を測定したところ、5.0
×10-3(cc cm/sec(g/cm2)cm2) であった。
【0031】実施例1〜3および比較例1、2における
緻密質コーティング層の組成および得られたガスセパレ
ータについての空気透過率の測定結果を表2に示した。
緻密質コーティング層の組成および得られたガスセパレ
ータについての空気透過率の測定結果を表2に示した。
【0032】
【表2】 *空気透過率の単位:(cc cm/sec(g/cm2)cm2) 表2において、実施例1〜3のガスセパレータは空気透
過率が小さく、コーティング材が良好に溶融し、多孔質
耐火煉瓦層6の表面に緻密質コーティング層7が良好に
形成されたことが分かる。これに対して緻密質コーティ
ング層7におけるSiO2 に対するCaOのモル比を
2.5に増大させた比較例1ではコーティング材が溶融
せず、コーティング膜を形成することがてきなかった。
また、SiO2 に対するCaOのモル比を0.4とした
比較例2はコーティング層を形成することはできたが、
ひび割れが生じ、ガスセパレータとして実用に供するこ
とができなかった。
過率が小さく、コーティング材が良好に溶融し、多孔質
耐火煉瓦層6の表面に緻密質コーティング層7が良好に
形成されたことが分かる。これに対して緻密質コーティ
ング層7におけるSiO2 に対するCaOのモル比を
2.5に増大させた比較例1ではコーティング材が溶融
せず、コーティング膜を形成することがてきなかった。
また、SiO2 に対するCaOのモル比を0.4とした
比較例2はコーティング層を形成することはできたが、
ひび割れが生じ、ガスセパレータとして実用に供するこ
とができなかった。
【0033】実施例4 図3は、実施例1で得られたガスセパレータを用いて単
セルを多数積層した固体電解質型燃料電池の燃料電池ス
タックの説明図である。
セルを多数積層した固体電解質型燃料電池の燃料電池ス
タックの説明図である。
【0034】図において、両電極面に集電板11が当接
された単セル10がガスセパレータ1を介して多数積層
されており、前記単セル10は、ガスセパレータ1の電
子流路材5によって電気的に直列に接続されている。こ
のような構成において、前記ガスセパレータ1で仕切ら
れる燃料ガス流路および酸素含有ガス流路を経て前記単
セル1の燃料側電極膜および空気側電極膜にそれぞれ燃
料および酸素が供給され、各単セルにおける電極反応に
よってエネルギが発生する。
された単セル10がガスセパレータ1を介して多数積層
されており、前記単セル10は、ガスセパレータ1の電
子流路材5によって電気的に直列に接続されている。こ
のような構成において、前記ガスセパレータ1で仕切ら
れる燃料ガス流路および酸素含有ガス流路を経て前記単
セル1の燃料側電極膜および空気側電極膜にそれぞれ燃
料および酸素が供給され、各単セルにおける電極反応に
よってエネルギが発生する。
【0035】本実施例によれば、ガスセパレータ1とし
て、セパレータ本体2が、緻密質コーティング層7で被
覆された多孔質耐火煉瓦層6で構成したものを用いたこ
とにより、発電時、またはヒートサイクルを行った場合
にも前記ガスセパレータ1にひび割れ等が生じることは
なく、固体電解質型燃料電池全体の耐熱衝撃性が向上す
る。
て、セパレータ本体2が、緻密質コーティング層7で被
覆された多孔質耐火煉瓦層6で構成したものを用いたこ
とにより、発電時、またはヒートサイクルを行った場合
にも前記ガスセパレータ1にひび割れ等が生じることは
なく、固体電解質型燃料電池全体の耐熱衝撃性が向上す
る。
【0036】
【発明の効果】本願の請求項1記載の発明によれば、セ
パレータ本体が、多孔質の酸化物板と、その表面にコー
ティングされた緻密質の酸化物膜とを有することによ
り、実用上十分に小さい空気透過率を確保しつつ、耐熱
衝撃性、耐ヒートサイクル性に優れたガスセパレータと
なる。
パレータ本体が、多孔質の酸化物板と、その表面にコー
ティングされた緻密質の酸化物膜とを有することによ
り、実用上十分に小さい空気透過率を確保しつつ、耐熱
衝撃性、耐ヒートサイクル性に優れたガスセパレータと
なる。
【0037】本願の請求項2記載の発明によれば、セパ
レータ本体を構成する多孔質の酸化物板が、マグネシア
(MgO)とスピネル(MgAl2 O4 )を主成分と
し、該MgOとMgAl2 O4 の混合比が重量比で1:
9〜9:1であるものとしたことにより、上記発明の効
果に加え、多孔質セラミックスの熱膨張係数を調整して
耐熱衝撃性を制御することができる。
レータ本体を構成する多孔質の酸化物板が、マグネシア
(MgO)とスピネル(MgAl2 O4 )を主成分と
し、該MgOとMgAl2 O4 の混合比が重量比で1:
9〜9:1であるものとしたことにより、上記発明の効
果に加え、多孔質セラミックスの熱膨張係数を調整して
耐熱衝撃性を制御することができる。
【0038】本願の請求項3記載の発明によれば、多孔
質の酸化物板の表面にコーティングされた緻密質の酸化
物膜を、SiO2 とCaOを主成分とし、該SiO2 と
CaOの混合比がモル比で1:0.5〜2であるものと
したことにより、上記発明の効果に加え、溶融状態の良
好なコーティング層が形成されて空気透過率を十分に小
さく保持することができる。
質の酸化物板の表面にコーティングされた緻密質の酸化
物膜を、SiO2 とCaOを主成分とし、該SiO2 と
CaOの混合比がモル比で1:0.5〜2であるものと
したことにより、上記発明の効果に加え、溶融状態の良
好なコーティング層が形成されて空気透過率を十分に小
さく保持することができる。
【0039】本願の請求項4記載の発明によれば、多孔
質の酸化物板をコーティングする緻密質の酸化物膜の構
成材料に、さらにSiO2 に対してモル比で0〜0.2
のAl2 O3 を含有させたことにより、上記発明の効果
に加え、溶点を下げる事が可能となり安定な品質のコー
ティング膜を作ることができる。
質の酸化物板をコーティングする緻密質の酸化物膜の構
成材料に、さらにSiO2 に対してモル比で0〜0.2
のAl2 O3 を含有させたことにより、上記発明の効果
に加え、溶点を下げる事が可能となり安定な品質のコー
ティング膜を作ることができる。
【0040】本願の請求項5記載の発明によれば、上記
(1)〜(4)の何れかに記載のガスセパレータを介し
て単セルを多数積層して固体電解質型燃料電池を形成し
たことにより、耐熱衝撃性の高い固体電解質型燃料電池
が得られる。
(1)〜(4)の何れかに記載のガスセパレータを介し
て単セルを多数積層して固体電解質型燃料電池を形成し
たことにより、耐熱衝撃性の高い固体電解質型燃料電池
が得られる。
【0041】本願の請求項6記載の発明によれば、粒径
74μm以下の粒子と、該粒径74μm以下の粒子を含
む粒径1mm以下の粒子の重量比が1:9〜9:1とな
るようにそれぞれ混合したMgOとMgAl2 O4 の混
合粉末を重量比で1:9〜9:1に混合し、該混合物に
助剤を加えて板状に成形したのち焼成し、該焼成体表面
にSiO2 、CaOおよび/またはAl2 O3 を含む混
合スラリを塗布して1200〜1400℃で熱処理する
ことにより、セパレータ本体が、多孔質の酸化物板の表
面に緻密質の酸化物膜をコーティングしたものとなり、
耐熱衝撃性の高いガスセパレータが得られる。
74μm以下の粒子と、該粒径74μm以下の粒子を含
む粒径1mm以下の粒子の重量比が1:9〜9:1とな
るようにそれぞれ混合したMgOとMgAl2 O4 の混
合粉末を重量比で1:9〜9:1に混合し、該混合物に
助剤を加えて板状に成形したのち焼成し、該焼成体表面
にSiO2 、CaOおよび/またはAl2 O3 を含む混
合スラリを塗布して1200〜1400℃で熱処理する
ことにより、セパレータ本体が、多孔質の酸化物板の表
面に緻密質の酸化物膜をコーティングしたものとなり、
耐熱衝撃性の高いガスセパレータが得られる。
【0042】本願の請求項7記載の発明によれば、前記
コーティング膜形成用の混合スラリにおけるSiO2 、
CaOおよびAl2 O3 の混合比を、モル比で1:0.
5〜2:0〜0.2としたことにより、上記発明の効果
に加え、コーティング材が良好に溶融し、実用上十分に
小さい空気透過率を有するガスセパレータが得られる。
コーティング膜形成用の混合スラリにおけるSiO2 、
CaOおよびAl2 O3 の混合比を、モル比で1:0.
5〜2:0〜0.2としたことにより、上記発明の効果
に加え、コーティング材が良好に溶融し、実用上十分に
小さい空気透過率を有するガスセパレータが得られる。
【図1】本発明の一実施例におけるガスセパレータを示
す説明図。
す説明図。
【図2】図1のII−II線矢示方向の部分断面図。
【図3】本発明のガスセパレータを適用した燃料電池ス
タックの説明図。
タックの説明図。
【図4】ガスセパレータと単セルの説明図。
1…ガスセパレータ、2…セパレータ本体、3…積層用
枠体、4…ガス流通用枠体、5…電子流路材、6…多孔
質耐火煉瓦層、7…緻密質コーティング層、10…単セ
ル、11…集電板。
枠体、4…ガス流通用枠体、5…電子流路材、6…多孔
質耐火煉瓦層、7…緻密質コーティング層、10…単セ
ル、11…集電板。
Claims (7)
- 【請求項1】 電気絶縁性の酸化物板からなるセパレー
タ本体と、該セパレータ本体を貫通して設けられた電気
導電性の酸化物および/または金属を含む電子流路とを
有し、単セルを多数積層して固体電解質型燃料電池を形
成する際に、前記単セル相互間に配置されて各単セルを
電気的に接続するとともに、前記単セルへ供給される燃
料ガスの流路と酸素含有ガスの流路とを仕切るガスセパ
レータにおいて、前記セパレータ本体が、多孔質の酸化
物板と、該多孔質の酸化物板表面にコーティングされた
緻密質の酸化物膜とを有することを特徴とする、固体電
解質型燃料電池のガスセパレータ。 - 【請求項2】 前記セパレータ本体を構成する多孔質の
酸化物板が、マグネシア(MgO)とマグネシアスピネ
ル(MgAl2 O4 )を主成分とするものであり、該M
gOとMgAl2 O4 の混合比が重量比で1:9〜9:
1であることを特徴とする請求項1に記載の、固体電解
質型燃料電池のガスセパレータ。 - 【請求項3】 前記多孔質の酸化物板にコーティングさ
れた緻密質の酸化物膜が、SiO2 とCaOを主成分と
するものであり、該SiO2 とCaOの混合比がモル比
で1:0.5〜2であることを特徴とする請求項1に記
載の、固体電解質型燃料電池のガスセパレータ。 - 【請求項4】 前記多孔質の酸化物板にコーティングさ
れた緻密質の酸化物膜が、SiO2 に対してモル比で0
〜0.2のAl2 O3 を含有することを特徴とする請求
項3に記載の、固体電解質型燃料電池のガスセパレー
タ。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載のガスセパ
レータを介して単セルを多数積層したことを特徴とする
固体電解質型燃料電池。 - 【請求項6】 粉末状のマグネシア(MgO)とマグネ
シアスピネル(MgAl2 O4 )とを混合し、助剤を加
えて平板状に成形し、焼成した電気絶縁性のセパレータ
本体に、該セパレータ本体の平板状を貫通するように電
気導電性の酸化物および/または金属を含む電子流路を
設ける、固体電解質型燃料電池のガスセパレータの製造
方法において、前記粉末状のマグネシア(MgO)およ
びマグネシアスピネル(MgAl2 O4 )として、それ
ぞれ粒径74μm以下の粒子と該粒径74μm以下の粒
子を含む粒径1mm以下の粒子の重量比が1:9〜9:
1となるように混合したものを用い、該粉末状のMgO
とMgAl2 O4 を重量比が1:9〜9:1となるよう
に混合し、該混合物に助剤を加えて平板状に成形し、1
300〜1900℃で焼成し、得られた焼成体表面にS
iO2 、CaOおよび/またはAl2 O3 を含む混合ス
ラリを塗布し、1200〜1400℃で熱処理して前記
焼成体表面に緻密質の酸化物膜を形成してセパレータ本
体とし、該セパレータ本体を貫通するように電気導電性
酸化物および/または金属を含む電子流路を設けること
を特徴とする、固体電解質型燃料電池のガスセパレータ
の製造方法。 - 【請求項7】 前記混合スラリにおけるSiO2 、Ca
OおよびAl2 O3の混合比を、モル比で1:0.5〜
2:0〜0.2とすることを特徴とする請求項6に記載
の、固体電解質型燃料電池のガスセパレータの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10203314A JP2000036310A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 固体電解質型燃料電池のガスセパレータおよびその製造方法ならびにこれを用いた固体電解質型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10203314A JP2000036310A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 固体電解質型燃料電池のガスセパレータおよびその製造方法ならびにこれを用いた固体電解質型燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000036310A true JP2000036310A (ja) | 2000-02-02 |
Family
ID=16471980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10203314A Withdrawn JP2000036310A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | 固体電解質型燃料電池のガスセパレータおよびその製造方法ならびにこれを用いた固体電解質型燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000036310A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7662499B2 (en) | 2002-07-31 | 2010-02-16 | Sfc Smart Fuel Cell Ag | Plate elements for fuel cell stacks |
JP2017502478A (ja) * | 2014-01-09 | 2017-01-19 | 潮州三環(集団)股▲ふん▼有限公司Chaozhou Three−Circle (Group) Co.,Ltd. | 電気化学エネルギー変換装置及び電池、並びにそれらの負極側材料 |
-
1998
- 1998-07-17 JP JP10203314A patent/JP2000036310A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7662499B2 (en) | 2002-07-31 | 2010-02-16 | Sfc Smart Fuel Cell Ag | Plate elements for fuel cell stacks |
JP2017502478A (ja) * | 2014-01-09 | 2017-01-19 | 潮州三環(集団)股▲ふん▼有限公司Chaozhou Three−Circle (Group) Co.,Ltd. | 電気化学エネルギー変換装置及び電池、並びにそれらの負極側材料 |
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JP3355078B2 (ja) | 固体電解質型燃料電池 |
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