JP2000034355A - スチレン系樹脂シート - Google Patents

スチレン系樹脂シート

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JP2000034355A
JP2000034355A JP20307498A JP20307498A JP2000034355A JP 2000034355 A JP2000034355 A JP 2000034355A JP 20307498 A JP20307498 A JP 20307498A JP 20307498 A JP20307498 A JP 20307498A JP 2000034355 A JP2000034355 A JP 2000034355A
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sheet
jis
styrene
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styrene resin
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JP20307498A
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Hiroyuki Yanai
宏之 柳井
Haruhiko Yamashita
治彦 山下
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートのうねり、蛇行を防止し、容器成形時
における印刷ずれを改良できるシートを得る。 【解決手段】 (A)JIS K5406による入射角60°で測定し
た表面光沢度が10%以上;(B)JIS B0601による中心線平
均粗さが5μm以下;(C)JIS K7206によるビカット軟化
点より30℃高い温度で測定した、TD方向におけるMD方向
のJIS K6734により測定される加熱収縮率の最高値(M
S)と最低値(NS)が、SR=[(MS−NS)/NS]×100で求
められるSRが0〜300%の範囲にあるような関係を満た
すこと;(D)JIS K7206によるビカット軟化点より30℃高
い温度で測定した、TD方向におけるMD方向のASTM D1504
により測定される加熱収縮応力の最高値(MR)と最低値
(NR)が、RS=[(MR−NR)/NR]×100で求められるRSが
0〜300%の範囲にあるような関係を満たすこと、の各
要件を満たすスチレン系樹脂シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性が改良さ
れ、より品質が高められたスチレン樹脂系シート及びそ
れから得られる容器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリス
チレン系樹脂は剛性が高く寸法安定性に優れているた
め、シート、容器等の2次加工品等に広く使用されてい
る。しかし、シートの繰り出し時に発生するシートのう
ねり、蛇行による作業性の不具合が生じ、それに伴い容
器成形機による成形が困難であるという問題がある。さ
らに、容器成形時において、ブリッジ、厚み不均一等の
成形不良が発生し、所望の容器が得られないこと等の容
器成形条件以外のシートに起因する不具合がしばしば見
受けられる。
【0003】このような問題の発生は、シートの加熱収
縮率、加熱収縮応力が高すぎる、もしくは低すぎること
が、原因の一つとして挙げられる。これらの問題を解決
する方法として、シート製造時のシートの引き落とし
率、冷却ロール温度を制御することが一般に知られてい
る(プラスチックシートの押出技術 伊藤公正著 工業
調査会、シート成形・理論と応用設計技法 伊神秀生著
日刊工業新聞社、押出成形 村上健吉著 プラスチッ
クエージ)。しかし、公知のシート内の加熱収縮応力を
一定の範囲にする条件でシート化しても、容器成形する
際にシートの幅方向の端面に近い部分にブリッジ、しわ
等が発生することが見受けられ、得られた容器は商品価
値が著しく劣る。
【0004】本発明は、シートの寸法精度を上げ、熱的
性質の均一な、つまり容器成形時にシートが均一に加熱
され、均一な伸びを示して成形性がよく、シートに直接
ピッチ印刷した後に容器成形する場合の直接印刷性が改
良されたスチレン系樹脂シート及びそれから得られる容
器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、スチレン系樹
脂を含む材料から得られるシートが、下記の(A)〜
(D)の要件を具備するスチレン系樹脂シートを提供す
る。 (A)JIS K5406による入射角60°で測定し
た表面光沢度が10%以上であること。 (B)JIS B0601による中心線平均粗さ(R
a)が5μm以下であること。 (C)JIS K7206によるビカット軟化点より3
0℃高い温度で測定した、シートの幅方向におけるシー
トの流れ方向のJIS K6734により測定される加
熱収縮率の最高値(MS)と最低値(NS)が、下記
式: SR=[(MS−NS)/NS]×100 で求められるSRが0〜300%の範囲にあるような関
係を満たすこと。 (D)JIS K7206によるビカット軟化点より3
0℃高い温度で測定した、シートの幅方向におけるシー
トの流れ方向のASTM D1504により測定される
加熱収縮応力の最高値(MR)と最低値(NR)が、下
記式: RS=[(MR−NR)/NR]×100 で求められるRSが0〜300%の範囲にあるような関
係を満たすこと。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いるスチレン系樹脂を
含む材料におけるスチレン系樹脂としては、スチレン系
単量体の単独もしくは共重合体、スチレン系単量体と共
重合性ビニル単量体との共重合体及びゴム変性スチレン
系樹脂から選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0007】スチレン系樹脂の単量体としては、例え
ば、スチレン、アルキルスチレン(例えばo−、m−及
びp−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソ
プロピルスチレン、ブチルスチレン、p−第3級ブチル
スチレン);種々のα−アルキルスチレン(例えばメチ
ルスチレン、エチルスチレン);種々のアルハロスチレ
ン(例えばo−、m−及びp−クロロスチレン、ブロモ
スチレン、フルオロスチレン);種々のジ、トリ、テト
ラ又はペンタ置換クロロスチレン、ブロモスチレン、フ
ルオロスチレン;種々のα−又はβ−ハロ置換スチレン
(例えばα−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、β
−クロロスチレン、β−ブロロモスチレン)等を挙げる
ことができる。
【0008】共重合性ビニル単量体としては、アクリル
酸、メタクリル酸又はそれらのエステル、アクリロニト
リル等の不飽和ニトリル、マレイン酸、無水マレイン酸
等を挙げることができる。
【0009】ゴム変性スチレン系樹脂は、ゴムの存在下
で、上記のスチレン系単量体、共重合性ビニル単量体を
重合させて得られるものである。特に、ゴム変性スチレ
ン系樹脂としては、グラフト共重合体とブロック共重合
体との組み合わせで構成されるもの、例えばスチレング
ラフトジエンゴム含有スチレン系樹脂が好ましい。
【0010】ジエンゴムとしては、1種以上の共役1,3
−ジエン、例えばブタジエン、イソプレン、2−クロロ
−1,3ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ピペ
リン等の任意のゴム重合体を挙げることができる。
【0011】スチレングラフトジエンゴム含有及びスチ
レン・ブタジエン共重合体含有のポリスチレン系樹脂の
製法としては、例えばスチレン系単量体にジエンゴムを
溶解してなる方法、ジエンゴムを2〜10重量%含有し
たグラフト型ゴム変性スチレン系樹脂とスチレン系樹脂
とを任意に混合して得る方法等を適用することができ
る。
【0012】また、ゴム変性スチレン系樹脂としては、
スチレン系樹脂とスチレン−ブタジエン共重合体混合
物、スチレン系樹脂とスチレン−ブタジエン共重合体と
グラフト型ゴム変性スチレン系樹脂との混合物であって
もよい。さらに、ポリオレフィン、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル等の融点が1
00〜300℃にある熱可塑性樹脂を配合することもで
き、必要に応じて相溶化剤を添加してもよい。
【0013】このようなスチレン系樹脂としては、重量
平均分子量が20万〜50万のものが好ましい。スチレ
ン系樹脂の重量平均分子量が20万以上であると、得ら
れた容器の腰、耐衝撃性を高められる。50万以下であ
ると、シート加工時における樹脂の流動性を適度に保つ
ことができ、加熱時のシートの伸びを適度に保って、成
形時間を短縮することができる。
【0014】本発明で用いるスチレン系樹脂を含む材料
には、さらに内部潤滑剤を配合することができる。内部
潤滑剤としては、白色鉱油(例えば流動パラフィンとも
称されるアルキルナフテン系炭化水素の混合物で、重量
平均分子量300〜600程度の鉱油)、合成潤滑剤
(2塩基酸エステル、ポリオールエステル等の脂肪酸エ
ステル、燐酸エステル、珪酸エステル、シリコーン類、
パーフルオロ炭化水素類やポリクロロトリフルオロエチ
レン類等のフッ素系潤滑剤等)等の種々の潤滑剤を挙げ
ることができる。
【0015】内部潤滑剤の配合量は、ベース樹脂成分1
00重量部に対して0.1〜10重量部であり、好まし
くは1〜5重量部である。0.1重量部以上であると、
容器成形時にシートが均一に伸び、得られた容器の厚み
を均一にできる。一方、10重量部以下であると容器成
形時におけるシートのドローダウンを抑制でき、容器の
耐熱性、剛性を向上できる。
【0016】本発明で用いるスチレン系樹脂を含む材料
には、シートの密度を調整するため、さらに無機粉末を
配合することができる。無機粉末としては、タルク、シ
リカ、ケイソウ土、クレー、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、カーボンブラック等を挙げることが
できる。
【0017】無機粉末の配合量は、所望の密度、外観、
質量感、寸法安定性等に応じて選択でき、例えば、ベー
ス樹脂成分100重量部に対して好ましくは0.1〜5
0重量部、特に好ましくは0.5〜20重量部である。
【0018】また、本発明で用いるスチレン系樹脂を含
む材料には、シート、容器の外観を改良するため、酸化
チタン、カーボンブラック等の着色剤、分散剤、無機又
は有機顔料、充填剤、安定剤、帯電防止剤等を配合する
ことができる。
【0019】本発明のスチレン系樹脂シートは発泡シー
トにすることができ、その場合には、スチレン系樹脂を
含む材料に発泡剤を配合する。発泡剤としては、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の揮発性発泡剤、炭
酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム、アゾ化合物(アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾジカルボンアミド、ジアゾアミノベ
ンゼン等)、スルホニルヒドラジド化合物(ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジ
ド、ジフェニルオキシ−4,4'−ビススルホニルヒドラジ
ド等)、ニトロソ化合物(N,N'−ジニトロソペンタメチ
レンテトラミン等)等の化学発泡剤(分解型発泡剤)、
二酸化炭素、窒素ガス、水等から選ばれる1種以上を挙
げることができる。
【0020】発泡剤の配合量は、ベース樹脂成分100
重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、特に好
ましくは0.3〜2.5重量部、さらに好ましくは0.
5〜1.5重量部である。
【0021】このようなスチレン系樹脂を含む材料を成
形して得られる無発泡又は発泡スチレン系樹脂シート
は、下記の(A)〜(D)の要件を具備しているもので
ある。 (A)JIS K5406による入射角60°で測定し
た表面光沢度が10%以上であること。 (B)JIS B0601による中心線平均粗さ(R
a)が5μm以下であること。 (C):JIS K7206によるビカット軟化点より
30℃高い温度で測定した、シートの幅方向におけるシ
ートの流れ方向のJIS K6734により測定される
加熱収縮率の最高値(MS)と最低値(NS)が、下記
式: SR=[(MS−NS)/NS]×100 で求められるSRが0〜300%の範囲にあるような関
係を満たすこと。 (D):JIS K7206によるビカット軟化点より
30℃高い温度で測定した、シートの幅方向におけるシ
ートの流れ方向のASTM D1504により測定され
る加熱収縮応力の最高値(MR)と最低値(NR)が、
下記式: RS=[(MR−NR)/NR]×100 で求められるRSが0〜300%の範囲にあるような関
係を満たすこと。
【0022】要件(A)においては、表面光沢度は10
%以上であるが、好ましくは20%以上である。表面光
沢度が10%以上であると、成形時に引き伸ばされた場
合でも外観が悪くならない。
【0023】要件(B)においては、中心線平均粗さ
(Ra)は5μm以下であるが、好ましくは2μm以下で
ある。中心線平均粗さが5μm以下であると、シートや
容器の外観がよく、シートに直接印刷したときに印刷が
剥がれたり、印刷飛びと称される現象を防止でき、印刷
性が向上する。
【0024】要件(C)においては、SRは0〜300
%の範囲であるが、好ましくは0〜200%である。S
Rが0%以上(マイナス値ではない場合)であると、容
器成形時の加熱によりシート長さが長くなり、ドローダ
ウン量が不均一となり、成形容器にしわ、ブリッジ、厚
みムラが発生するという問題を防止でき、さらにシート
にピッチ印刷したものをラミネートした後に容器成形し
た場合、図柄と容器形状がずれる現象を防止できる。S
Rが300%以下であると、シート巻きほどき、シート
の繰り出し時にシートが蛇行、うねりの現象が発生し使
用に耐えなくなること、容器成形時の加熱により収縮ム
ラが生じ成形容器にしわ、ブリッジ、厚みムラが発生す
るという問題を防止でき、さらに前記したような図柄と
容器形状がずれる現象を防止できる。
【0025】要件(D)においては、RSは0〜300
%の範囲であるが、好ましくは0〜200%である。R
Sが0%以上(マイナス値ではない場合)であると、容
器成形時の加熱によりシートの厚みの厚薄が生じ、容器
が破れてしまうことを抑制できる。RSが300%以下
であると、加熱収縮応力の高い部分と加熱収縮応力の低
い部分でシートに伸びの差が生じ、結果的に得られた容
器の厚みムラ、容器の破れ、ブリッジが発生するという
問題を防止できる。
【0026】このような要件(A)〜(D)を満たすた
めには、一般に知られているシートの加熱収縮率、加熱
収縮応力の絶対値の制御だけでなく、シート内でのシー
トの幅方向におけるシートの流れ方向の加熱収縮率、加
熱収縮応力のそれぞれの最高値と最低値の差をある範囲
内に収めることが必要である。つまり、シート製造時に
は、押出機内での混練の均一化、溶融樹脂温度の均一化
はもとより、例えば、キャスト、タッチロール成形する
場合は圧着力の均一化が必要となり、バンク成形する場
合はバンク量の均一化、ダイより均一な温度の溶融樹脂
が出る必要があり、続いて、引き落としの均一化、延伸
する場合は延伸時のテンター、樹脂温度の均一化が必要
である。また、発泡させる場合には、ダイ温度の均一
化、ダイより出る発泡樹脂温度の均一化、ダイより出た
発泡樹脂温度の均一な急冷化が必要不可欠である。
【0027】本発明のスチレン系樹脂シートは、次式:
延伸倍率=100/(100−S)(式中、Sは組成物
のビカット軟化点より30℃高い温度で20分加熱処理
後の収縮率を示す。)で定義されるシートの流れ方向も
しくはシートの幅方向又は両方向の延伸倍率が、いずれ
も1.5〜5倍であることが好ましく、2〜4倍である
ことが特に好ましい。延伸倍率が、1.5倍以上である
と、シートの耐衝撃性を向上させることができ、そのシ
ートから作成した容器の強度を高めることができる。ま
た、5倍以下であると、シート延伸が容易であり、その
シートから熱板成形機により容器を成形する場合の成形
性が高められる。
【0028】本発明のスチレン系樹脂シートは、JIS
A9511に準拠したシートの密度が、好ましくは
0.01〜1.5g/cm3であり、特に好ましくは0.0
5〜1.3g/cm3である。0.01g/cm3以上であると、
シートが嵩張り、耐衝撃性に劣り、それを容器成形した
場合、容器のコーナー部の寸法精度が出ないという問題
の発生を抑制できる。1.5g/cm3以下であると、容器
成形過程での伸びが無くなり破れたり、ドローダウンが
激しくシート破断に至る危険性を有するという問題の発
生を抑制できる。
【0029】本発明のスチレン系樹脂シートは、単軸押
出機、2軸押出機等を用いて押出し成形して得ることが
できる。押出機としては、L/Dが25〜35のものが
好ましい。ダイは、T状ダイ(コートハンガーダイ、フ
ィッシュテールダイ、ストレートマニホールドダイ等)
でも、円筒状ダイ(サーキュラーダイ等)であっても構
わない。
【0030】また、キャストロール、タッチロールを用
いて成形することもできる。その場合は、ロール表面が
クロム等のめっき処理が施された鏡面状(ロールのRa
が1μm以下)であることが好ましい。このキャストロ
ール、タッチロールの表面温度は、40〜100℃の間
に保つことが好ましく、50〜80℃が特に好ましい。
また、Tダイより排出された溶融シートを均一にキャス
トロール、タッチロールに圧着し、その圧力もシートの
全幅にわたり均一にすることが好ましい。
【0031】また、成形時におけるシート引取速度は1
0〜30m/minの範囲で、シート幅、押出機の能力によ
って生産性の良好な速度を選択する。シート厚みは、例
えば単層の場合は0.1〜2.0mmの範囲で、用途によ
り選択できる。
【0032】また、本発明のスチレン系樹脂シートは、
共押出しや、ラミネーションによって、同種又は他の熱
可塑性樹脂と積層することもできる。例えば、表層に本
発明のスチレン系樹脂シートを、中間もしくは外層に、
同種もしくは容器成形時に発生するスケルトンの粉砕屑
や他の熱可塑性樹脂を積層することができる。
【0033】本発明のスチレン系樹脂シートには、表面
改質剤、防曇剤、帯電防止剤等を塗布することができ
る。
【0034】本発明の容器は、無発泡又は発泡スチレン
系樹脂シートを真空、真空・圧空、熱板成形機を用い、
所望形状に成形して得ることができる。
【0035】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、実施例及び比較例では、スチレ
ン系樹脂シートの製造原料として、下記の各成分を用い
た。 ・GPPS:汎用ポリスチレン,ダイセル化学工業
(株)製,商品名「ダイセルスチロール31」 ・HIPS:耐衝撃性ポリスチレン,ダイセル化学工業
(株)製,商品名「ダイセルスチロールS85」,ゴム
含有率7重量% ・SBS−1:スチレン−ブタジエンブロック共重合
体,旭化成工業(株)製,商品名「アサフレックス81
5」,スチレン含有量83重量% ・SBS−2:スチレン−ブタジエンブロック共重合
体,旭化成工業(株)製,商品名「タフプレン12
6」,スチレン含有量40重量% ・PP:ポリプロピレン,グランドポリマー(株)製
「219D」 ・内部潤滑剤;ミネラルオイル,エッソ石油(株)製
「クリストール262」 ・タルク:富士タルク(株)製「LMS−300」。
【0036】実施例1、2、比較例1 表1に示す割合(ベース樹脂は重量%表示。他はベース
樹脂に対する重量部表示。以下同様である。)の各成分
をドライブレンドした後、押出し機(スクリュー径65
mm)に供給加熱しながら、溶融混練した。その後、バレ
ル温度を220℃、キャスト、タッチロール温度を80
℃に設定し、コートハンガーダイを使用し、幅500m
m、厚み0.5mmのスチレン系樹脂シートを押出成形し
た。その際、タッチロール圧力を押出されたシートに均
一にかかるように設定し、バンク量も均一にした。ドロ
ー比(リップ開度/シート厚みの比)は1.5にした。
ただし、比較例1においては、タッチロール圧力を押し
出されたシートに不均一にかかるように設定し、バンク
量も±20%とし、ドロー比は5にした。なお、表1に
示したスチレン系樹脂の重量平均分子量の測定方法及び
各性質の評価方法は下記のとおりである。結果を表1に
示す。
【0037】1.重量平均分子量 島津製作所(株)社製GPC(LC−6A)、昭和電工
(株)社製GPC用カラム(KF−806L、3本直
列)を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフ(G
PC)によりスチレン系樹脂のテトラヒドロフラン可溶
分のゲルパーミエーションクロマトグラフを測定し、分
子量の異なる15種類の単分散ポリスチレン(ポリマー
・ラボラトリーズ社製)の溶出曲線を検量線として用い
ることで微分分子量分布曲線及び積分分子量分布曲線を
得て、スチレン系樹脂の重量平均分子量を算出した。な
お、表1に示した重量平均分子量は、GPPS、HIP
S、SBS−1及びSBS−2の合計分子量である。
【0038】2.外観 シートの外観を目視で観察し、以下のように評価した。 ○(良) :表面が平滑で美麗である。 △(やや良):表面に凹凸が少しある。 ×(不良) :表面に凹凸があり、シボ状である。
【0039】3.シートの蛇行性 シートをシート流れ方向に長さ2mに切断し、水平台に
のせて、シート中央部とシート端部の長さをメジャーで
測定し、長さの長い値をL、長さの短い値をSとして、
下記の式に従って以下のように評価した。 蛇行性=L−S ○(良) :3cm未満。 △(やや良):3超〜5cm未満。 ×(不良) :5cm以上。
【0040】4.耐衝撃性 シート全幅にわたり、幅方向にシートの端部から50mm
間隔でシートの50%破壊エネルギー(E50)をDu
pont衝撃強度(JIS K5400準拠)で測定
し、最も高い50%破壊エネルギーの値をMx、最も低
い50%破壊エネルギーの値をMnとし、下記の式に従
って以下のように評価した。 耐衝撃性=Mx/Mn ○(良) :1〜1.5kg・cm未満。 △(やや良):1.5以上〜2kg・cm未満。 ×(不良) :2kg・cm以上。
【0041】5.シートのブリッジ発生 図1に示すアルミニウム製金型を用い、単発真空成形機
又は熱板成形機(浅野研究所製)で成形し、キャビティ
100個当たりに発生するブリッジを以下のように評価
した。なお、図1はアルミニウム製金型の平面図とその
一つの丸で囲んだキャビティの断面図を示す。 ○(良) :10個未満。 △(やや良):10個以上〜40個未満。 ×(不良) :40個以上。
【0042】実施例3 表1に示す割合の各成分に、相溶化剤としてクラレ
(株)社製セプトン2104(水添スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体)を5重量部添加した以
外は実施例1と同様にして、スチレン系樹脂シートを得
た。このシートについて実施例1と同様の測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0043】実施例4 表1に示す割合の各成分に、内部潤滑剤1重量部を添加
し、タンブラーで30分攪拌した後、タルクを20重量
部添加し、タンブラーで30分攪拌した以外は実施例1
と同様にして、スチレン系樹脂シートを得た。このシー
トについて実施例1と同様の測定を行った。結果を表1
に示す。
【0044】実施例5、比較例2 表1に示す割合の各成分をドライブレンドした後、単軸
押出機でTダイより原反シートを押し出し、原反シート
を2軸延伸装置(岩本製作所製)により同時2軸延伸を
行い、縦横とも延伸倍率2.5倍、厚み0.25mmのシ
ートを得た。延伸速度は25mm%/秒で、テンター温度
は、設定温度(125℃)の±2%以内(比較例2は±
20%以内)で操作した。このシートについて実施例1
と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0045】実施例6〜7 表1に示す割合の各成分に、発泡剤として重炭酸ナトリ
ウムとクエン酸モノナトリウムとの混合物(三協化成
(株)製、セルマイク623)を1重量部添加し、1重
量部のミネラルオイルによりペレットに展着した。この
ようにして調製した発泡性樹脂組成物を、押出し機(ス
クリュー径65mm)に供給加熱しながら、溶融混練し
た。その後、押出し機先端のTダイよりシート状に押出
し発泡し、急冷して、厚み0.8mmの発泡スチレン系樹
脂シートを得た。発泡成形の際、樹脂温度の均一化、T
ダイ温度の均一化に注意し、押出されたシートの表面温
度は、直ちに樹脂組成物のガラス転移温度(100℃)
以下にするようにした。このシートについて実施例1と
同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0046】比較例3 表1に示す割合の各成分をドライブレンドした後、表面
粗さ(Ra)を20μmのシボ状キャストロールを用い
た以外は実施例1と同様にして、スチレン系樹脂シート
を得た。このシートについて実施例1と同様の測定を行
った。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明のスチレン系シートは、成形性が
よいため、容器成形時において、印刷ずれ、ブリッジ、
厚み不均一等の成形不良が発生することがない。さらに
シートにピッチ印刷したものをラミネートした後に容器
成形した場合、図柄と容器形状がずれる現象を防止でき
る。よって、容器の外観を損なうことがなく、製品の品
質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例で用いたアルミニウム製金型の
平面図とその丸で囲んだキャビティの断面図を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂を含む材料から得られる
    シートが、下記の(A)〜(D)の要件を具備するスチ
    レン系樹脂シート。 (A)JIS K5406による入射角60°で測定し
    た表面光沢度が10%以上であること。 (B)JIS B0601による中心線平均粗(Ra)
    さが5μm以下であること。 (C)JIS K7206によるビカット軟化点より3
    0℃高い温度で測定した、シートの幅方向におけるシー
    トの流れ方向のJIS K6734により測定される加
    熱収縮率の最高値(MS)と最低値(NS)が、下記
    式: SR=[(MS−NS)/NS]×100 で求められるSRが0〜300%の範囲にあるような関
    係を満たすこと。 (D)JIS K7206によるビカット軟化点より3
    0℃高い温度で測定した、シートの幅方向におけるシー
    トの流れ方向のASTM D1504により測定される
    加熱収縮応力の最高値(MR)と最低値(NR)が、下
    記式: RS=[(MR−NR)/NR]×100 で求められるRSが0〜300%の範囲にあるような関
    係を満たすこと。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂を含む材料が、重量平均
    分子量が20万〜50万のスチレン系樹脂と内部潤滑剤
    を0.1〜10重量%含有するものである請求項1記載
    のスチレン系樹脂シート。
  3. 【請求項3】 次式:延伸倍率=100/(100−
    S) (式中、Sはスチレン系樹脂シートのビカット軟化点よ
    り30℃高い温度で20分加熱処理後の収縮率を示
    す。)で定義されるシートの流れ方向又はシートの幅方
    向の延伸倍率がいずれも1.5〜5倍である請求項1又
    は2記載のスチレン系樹脂シート。
  4. 【請求項4】 JIS A9511に準拠したシートの
    密度が0.01〜1.5g/cm3である請求項1〜3のい
    ずれか1記載のスチレン系樹脂シート。
  5. 【請求項5】 キャスト又は/及びタッチロールにより
    成形されたシートである請求項1〜4のいずれか1記載
    のスチレン系樹脂シート。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1記載のスチレ
    ン系樹脂シートを成形してなる容器。
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