JP2000033326A - ミスト塗布方法及びこれを用いた切削加工装置 - Google Patents

ミスト塗布方法及びこれを用いた切削加工装置

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JP2000033326A
JP2000033326A JP11186385A JP18638599A JP2000033326A JP 2000033326 A JP2000033326 A JP 2000033326A JP 11186385 A JP11186385 A JP 11186385A JP 18638599 A JP18638599 A JP 18638599A JP 2000033326 A JP2000033326 A JP 2000033326A
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Japan
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mist
container
liquid
oil
gas
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JP11186385A
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Inventor
Hiroshi Hattori
浩史 服部
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Fuji Koeki Corp
Original Assignee
Fuji Koeki Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B7/00Spraying apparatus for discharge of liquids or other fluent materials from two or more sources, e.g. of liquid and air, of powder and gas
    • B05B7/0012Apparatus for achieving spraying before discharge from the apparatus

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  • Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】容器2内にガスを供給し、ミストを加速すると
ともにその搬送速度を調整するための調整手段とを備え
たガス供給通路6と、ミストを容器外へ搬送するミスト
搬送通路11,12,13とを備えたことにより、簡単な構造で
細かいミストを発生でき、ミストを高速に搬送でき即応
性に優れているミスト塗布方法及びこれを用いた切削加
工装置を提供する。 【解決手段】 気密容器2内にオイルミストを供給する
ミスト供給チューブ5と、気密容器2内にエアを供給する
エアホース10と、気密容器2内でエアにより加圧された
オイルミストを容器外へ搬送するミスト搬送パイプ11,1
2,13とを備えることにより、ミスト供給チューブ5から
の容器内の液滴、大粒のミストを容器内でトラップで
き、ミストを高速に搬送できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、容器内のミスト
(液体微粒子)を搬送して、目的物に液体を塗布するミ
スト塗布方法及びこれを用いた切削加工装置に関する。
特に、マシニングセンター、研磨機、または旋盤等の工
作機械の刃具に切削油を塗布するミスト塗布方法及びこ
れを用いた切削加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、機械加工においては、加工精
度を向上させたり、工具の寿命を延長させたりするため
に被加工物や工具等の目的物にオイルを塗布していた。
液体状のオイルを直接、目的物に向かって塗布する方法
では、塗布量が多くなり過ぎ、余分なオイルを除去する
のに時間がかかり、生産性を落としていた。また、余分
なオイルは、装置周辺に舞い上がるので、作業環境悪化
を防止する対策が必要であった。
【0003】オイルを油滴状にして塗布すれば、必要最
小限の微量なオイル量で機械加工が行えるので、加工精
度や生産性を向上できるだけでなく、作業環境の向上、
工場設備の簡素化等にもつながることになる。オイルを
油滴状にして塗布できる装置の一例が実開平5−925
96号公報に提案されている。
【0004】しかしながら、前記のような給油装置で
は、ミスト発生部では、オイル落下部用のケーシング、
高速ガス用通路、ベンチュリノズル等が必要であり、ま
たポンプ、オイル槽を別体に形成しているため、構造が
複雑であった。また特開平7−110100号公報に
は、ミスト発生容器を加圧しておき、ミスト発生器を止
めたときに搬送ラインの先端から切り粉や水分の侵入を
防止することが開示されているが、ミストを加速し、か
つその搬送速度を調整するための手段はなく、改善が必
要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題を解決するものであり、ミスト発生部の構造の簡素
化とガス供給通路を設けることにより、簡単な構造で細
かいミストを発生でき、ミストを高速に搬送できる即応
性に優れたミスト塗布方法及びこれを用いた切削加工装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明のミスト塗布方法はひ、容器内にミストを供給す
るミスト供給ノズルと、前記容器内にミスト発生用の液
体を貯留し、前記液体は前記容器に接続されている液体
ポンプに流入し、前記液体ポンプから吐出した液体を、
前記ミスト供給ノズルを経て前記容器内にミストとして
供給する手段を備え、前記容器内にガスを供給し、かつ
前記ミストを加速するとともにその搬送速度を調整する
ための調整手段とを備えたガス供給通路と、前記容器内
で前記ガスにより搬送速度を調整された前記ミストを前
記容器外へ搬送するミスト搬送通路とを備えたことを特
徴とする。
【0007】前記方法によれば、ミスト供給ノズルから
の液滴、大粒のミストを容器内でトラップし、細かいミ
ストのみを容器外へ搬送できる。また細かいミストは、
搬送通路の壁面に付着しにくく、搬送が容易で、しかも
ガス供給通路からのガスにより搬送スピードを加速でき
るので、ミスト搬送は即応性に優れ、高速にミストを搬
送できる。
【0008】前記方法においては、前記ミスト搬送通路
の先端に、先端先細形状の吐出部が接続されていること
が好ましい。前記のような吐出部が接続されていると、
吐出部において流速が増し、細かいミストの粒径を大き
くしたり、液滴に変化させることができる。このため、
目的物へはこれら大粒径のミストや液滴を塗布すること
ができ、液体を目的物に付着させ易い。
【0009】また、前記ミスト供給ノズルが、ガスが流
動するガスチューブとこのガスチューブ内を挿通し液体
が流動する液体チューブとで二重に形成され、前記液体
チューブの先端は前記ガスチューブ先端に対して内側に
入り込んでいることが好ましい。前記のような液体塗布
装置によれば、簡単な構造でミストを発生させることが
できる。
【0010】また、前記液体チューブの先端と前記ガス
チューブの先端との間の空間で、前記液体チューブから
吐出した液体と前記ガスチューブ内を流動するガスとを
混合させてミストを発生させることが好ましい。
【0011】また、前記ガス供給通路に、ガス流量調整
バルブが接続されていることが好ましい。前記のような
液体塗布装置によれば、ミスト搬送スピードを調節する
ことができる。
【0012】また、前記容器内にミスト発生用の液体が
貯留され、前記液体は前記容器に接続されている液体ポ
ンプに流入し、前記液体ポンプから吐出した液体は、前
記ミスト供給ノズルを経て前記容器内にミストとして供
給されることが好ましい。前記のような液体塗布装置に
よれば、液体を効率よく循環させることができる。
【0013】また、前記ミスト搬送通路の先端部の開口
部が前記貯留されている液体の液面と対向していること
が好ましい。
【0014】また、前記ミスト搬送通路の前記容器内の
先端部と前記貯留されている液体の液面との距離が調節
可能なことが好ましい。前記のような液体塗布装置によ
れば、ミスト搬送通路に流入させるミスト粒子の大きさ
を調節することができる。
【0015】また、前記液体ポンプは、前記容器の下部
に前記容器と一体に形成されていることが好ましい。前
記のような液体塗布装置によれば、装置を小型にまとめ
ることができる。
【0016】また、前記ミスト供給ノズルからミストが
前記容器の内壁側面に向かって噴出するように、前記ミ
スト供給ノズルの先端部の位置が配置されていることが
好ましい。前記のような液体塗布装置によれば、噴出し
たミストは、内壁側面に沿って旋回するので、大粒径の
ミストやミストとともに噴出した液滴には遠心力が強く
加わり、内壁側面に付着し易い。このため、これら大粒
径のミストや液滴のミスト搬送通路への流入を防止でき
る。
【0017】また、前記容器が円筒状に形成されている
ことが好ましい。前記のような液体塗布装置によれば、
ミストを旋回させ易い。
【0018】また、前記ミスト搬送通路の前記容器内の
先端部が前記容器の水平方向のほぼ中央に設けられてい
ることが好ましい。前記のようにミスト搬送通路が配置
されていることにより、中央部に集まっている細かいミ
ストを搬送させることができる。
【0019】また、前記容器内の水平方向に、流通孔が
形成された隔壁が設けられ、前記容器が前記隔壁を境に
上下に分割され、前記隔壁より下側に液体貯留室が設け
られ、前記隔壁より上側に前記ミスト供給ノズル、前記
ガス供給通路及びミスト搬送通路が設けられていること
が好ましい。前記のような液体塗布装置によれば、液体
貯留室の液体表面を波立たせることがないため、ミスト
粒子の大きさが安定した状態で、ミストを搬送すること
ができる。
【0020】また、前記隔壁の一部に、パイプが垂直方
向に配設され、前記パイプにより前記隔壁の上下の各室
のガスの流通が可能であることが好ましい。前記のよう
な液体塗布装置によれば、オイル給油時にオイルを即座
に落下させることができ、装置の立ち上がりが速い。
【0021】次に、本発明の切削加工装置は、容器内に
ミストを供給するミスト供給ノズルと、前記容器内にミ
スト発生用の液体を貯留し、前記液体は前記容器に接続
されている液体ポンプに流入し、前記液体ポンプから吐
出した液体を、前記ミスト供給ノズルを経て前記容器内
にミストとして供給する手段を備え、前記容器内にガス
を供給し、かつ前記ミストを加速するとともにその搬送
速度を調整するための調整手段とを備えたガス供給通路
と、前記容器内で前記ガスにより搬送速度を調整された
前記ミストを前記容器外へ搬送するミスト搬送通路とを
備えた液体塗布装置を工作機械の給油部に取り付け、加
工対象物を切削加工する刃具に向けて前記ミストを供給
する手段を備えたことを特徴とする。
【0022】前記装置においては、ミスト搬送通路の先
端に、先端先細形状の吐出部が接続されていることが好
ましい。
【0023】また前記装置においては、前記ミスト供給
ノズルが、ガスが流動するガスチューブとこのガスチュ
ーブ内を挿通し液体が流動する液体チューブとで二重に
形成され、前記液体チューブの先端は前記ガスチューブ
先端に対して内側に入り込んでいることが好ましい。
【0024】次に、本発明の第2番目の液体塗布装置
は、容器内の液体からミストを発生させて、このミスト
を前記容器外に吐出させる液体塗布装置であって、ガス
噴出口を前記液体中に有する下側ノズルと、ガス噴出口
を前記容器の上部に有する上側ノズルと、前記容器の上
部に設けられ前記容器内のミストを容器外に搬送するミ
スト搬送通路とを備え、前記下側ノズルのガス噴出口か
らガスを噴出することによりミストを発生させることを
特徴とする。
【0025】前記第2番目の液体塗布装置によれば、簡
単な構造でミストを発生させることができ、しかもオイ
ル循環ポンプが必要ないので、装置自体も簡素化でき
る。また、上側ノズルを設けたことにより、大粒径のミ
ストや液滴の容器内での上昇を防止することができ、か
つ液面の波打ちを減少させることができるので、大粒径
のミストや液滴のミスト搬送通路への流入を防止でき
る。さらに、上側ノズルからガスを噴出させることによ
り、ミスト搬送スピードを下側ノズルによる限度以上に
増加させることができ、ミスト搬送スピードを広範囲に
調節することできる。
【0026】前記第2番目の液体塗布装置においては、
前記ミスト搬送通路の先端に、先端先細形状の吐出部が
接続されていることが好ましい。前記のような吐出部が
接続されていると、吐出部において流速が増し、細かい
ミストの粒径を大きくしたり、液滴に変化させることが
できる。このため、目的物へはこれら大粒径のミストや
液滴を塗布することができ、液体を目的物に付着させ易
い。
【0027】また、前記上側ノズルのガス噴出口及び前
記下側ノズルのガス噴出口からガスが前記容器の内壁側
面に向かって噴出するように、前記各ガス噴出口の位置
が配置されていることが好ましい。前記のような液体塗
布装置によれば、発生したミストは、内壁側面に沿って
旋回するので、大粒径のミストやミストとともに噴出し
た液滴には遠心力が強く加わり、内壁側面に付着し易
い。このため、これら大粒径のミストや液滴のミスト搬
送通路への流入を防止できる。
【0028】また、前記容器が円筒状に形成されている
ことが好ましい。前記のような液体塗布装置によれば、
ミストを旋回させ易い。
【0029】また、前記各ガス噴出口より噴出したガス
の旋回方向が互いに逆になるように前記各ガス噴出口の
向きが設定されていることが好ましい。前記のような液
体塗布装置によれば、旋回方向が逆であるので、下側ノ
ズルの噴出ガスによる旋回は部分的に上側ノズルの噴出
ガスにより打ち消されたり、旋回の勢いが弱まることに
なる。このことにより、内壁側面近傍に分布している大
粒径のミストや液滴の容器内での上昇を防止することが
でき、かつ液面の波打ちを減少させることができるの
で、大粒径のミストや液滴のミスト搬送通路への流入を
低減させることができる。
【0030】また、前記容器内の水平方向に網状のフィ
ルターが設けられ、前記容器が前記フィルターを境に上
下に分割されていることが好ましい。前記のような液体
塗布装置によれば、フィルターを設けたことにより下側
ノズルの噴出ガスにより発生した大粒径のミストや液滴
のミスト搬送通路への流入を低減させることができる。
【0031】また、前記下側ノズル及び前記上側ノズル
のうち少なくとも一方にガス流量調節バルブが接続され
ていることが好ましい。前記のような液体塗布装置によ
れば、ミスト量、ミスト粒径及びミスト搬送スピードを
調節することができる。
【0032】また、前記ミスト搬送通路の前記容器内の
先端部が前記容器の水平方向のほぼ中央に設けられてい
ることが好ましい。前記のようにミスト搬送通路が配置
されていることにより、中央部に集まっている細かいミ
ストを搬送させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0034】(第1の実施例)本実施例は、本発明に係
る液体塗布装置を、工作機械用の給油装置として用いた
ものである。図1は、オイルポンプから供給されたオイ
ルが給油装置を介して工作機械に給油するまでの概略給
油系統図を示している。矢印aはオイルの流動方向を、
矢印bはエアの流動方向を、矢印cはミストの搬送方向
をそれぞれ示している。
【0035】ミスト供給チューブ5は、エアチューブ7
とこの中を挿通するオイルチューブ6とで形成されてい
る。ミスト供給チューブ5により、オイルポンプ4から
供給されたオイルとエア源8から供給されたエアとはミ
スト化されて気密容器2に供給される。エアホース10
により、エア源8からのエアはエア流量調整バルブ9を
介して気密容器2に供給される。
【0036】ミスト搬送パイプ12は、気密容器2内の
ミストを外部に搬送するためのものであり、例えば、本
図のように工作機械の給油部Sに取り付けられる。給油
部Sにおいてミストは大粒径化又は油滴状に変化して、
刃具Tに向かって塗布される。
【0037】図2は、図1に示したミスト供給チューブ
5とオイルポンプ4との取り付け状態を示した図であ
る。オイルポンプ4のポンプ部41は、貯留されている
オイルを吸い上げるためのものであり、オイルチューブ
6の一端が接続されている。エアチューブ7の一端は、
取付金具44を介してオイルポンプ4に接続されてい
る。エア通路は、エアチューブ7内でオイルチューブ6
の外側の部分である。このエア通路とエア源8とつなが
っているエア通路43とが、開口部43aでつながって
いる。
【0038】ミスト供給チューブ5は、エアチューブ7
とこの中を挿通するオイルチューブ6とで二重に形成さ
れている。
【0039】以下、図3を用いて本実施例をさらに具体
的に説明する。図3は、第1の実施例に係る液体塗布装
置の要部断面図を示している。気密容器2には、オイル
ミスト供給口2aとエア供給口2bとオイルミスト流出
口2cとが形成されている。オイルミスト供給口2aに
は、ミスト供給チューブ5が取り付けられている。ミス
ト供給チューブ5は、オイルポンプ4に接続され、先端
部が気密容器2内に位置するように配管されている。
【0040】また、ミスト供給チューブ5の気密容器2
内の先端部では、オイルチューブ6の先端は、エアチュ
ーブ7の先端に対して長さAだけエアチューブ7内の入
り込んでいる。長さAは、約20〜40mmの範囲が好
ましい。この長さAの間の空間がノズル部5aを形成し
ている。
【0041】このノズル部5aにおいて、オイルポンプ
4からオイルチューブ6を矢印a方向に流動して先端部
から流出したオイルと、エアチューブ7を矢印b方向に
通って流動しているエアとが混合し、オイルミストにな
って気密容器2内に供給される。
【0042】エア流入口2bには、エアホース10が形
成されている。エアホース10はエア流量調整バルブ9
(図1)を介して、一端がエア源8(図1)に接続さ
れ、他端が気密容器2内に位置している。またエアホー
ス10には、エア流量調整バルブ9が設けられている。
このエアホース10内を矢印b方向に流動したエアは、
気密容器2内に供給される。
【0043】気密容器2内には、垂直方向にミスト搬送
パイプ11が設けられている。ミスト搬送パイプ11の
下側の先端のミスト取り入れ口11aは、貯留されてい
るオイルの液面と対向している。ミスト取り入れ口11
aと液面とは距離Bだけ離れている。
【0044】また、ミスト搬送パイプ11の上側の先端
には、ミスト搬送パイプ13が接続されている。このミ
スト搬送パイプ13は、外部の給油部Sに向かって配管
されているミスト搬送パイプ12と、オイルミスト流出
口2cで接続されている。
【0045】以下、ノズル部5aから、気密容器2内に
流入したオイルミストが、装置外へ吐出されるまでの動
作について説明する。ノズル部5aから供給されたオイ
ルミストの粒径には、細かいものから大粒径のものま
で、ばらつきがある。また、ミスト状ではなく油滴状の
ものも供給される。
【0046】これらノズル部5aからのミストや油滴は
重力落下する。大粒径のオイルミストや油滴の重力落下
のスピードに対して、細かいオイルミストの重力落下は
遅く、気密容器2内の滞留時間が長い。細かいオイルミ
ストとは、煙り状で空気中を漂える程度のものをいう。
【0047】気密容器2内は、ノズル部5aからのエア
圧及びエアホース10からのエア圧によって加圧される
ので、気密容器2の底部にまで至らずに気密容器2内に
滞留している細かいオイルミストは、この加圧の影響を
受け易く矢印d方向に移動し、ミスト取り入れ口11a
を経て、ミスト搬送パイプ11内へ運ばれて行く。
【0048】大粒径のオイルミストや油滴は気密容器2
の底部に素早く落下し、エア圧の影響を受けにくいの
で、ミスト搬送パイプ11内には、これら大粒径のオイ
ルミストや油滴は流入しにくい。
【0049】このオイルミストは、ミスト搬送パイプ1
1を経て、ミスト搬送パイプ13、ミスト搬送パイプ1
2の順に搬送される。これら各搬送パイプ内で搬送され
るオイルミストは、前記のように細かいオイルミストで
あるので、高速で搬送することができ、パイプ壁面へも
付着しにくい。したがって、給油対象物までの距離が長
く搬送パイプ長が長くなっても、短時間で搬送パイプ内
を通過させることができる。
【0050】ミスト搬送用外部パイプ12を通過した後
のオイルミストは、口径を絞った吐出部を通過すること
により、流速が増す。このことにより、オイルミストの
粒径は増し、吐出部の口径の絞りの程度によっては、油
滴に変化する。このように、オイルミスト粒径を変化さ
せたり、油滴に変化させるのは、細かいオイルミストす
なわち煙り状で空気中を漂う程度の大きさのオイルミス
トのままで吐出しても、そのほとんどは給油対象物に付
着しないからである。
【0051】図3では、この流動後のオイルミストを吐
出口を有した工具14から吐出させる例を示している。
工具14は、例えばミスト搬送パイプ12に接続された
マシニングセンタのスピンドル(図示せず)に取り付け
られる。工具14先端からは、粒径の増加したオイルミ
ストまたは油滴が吐出されるので、被加工物に付着し易
く円滑な加工を行うことができる。
【0052】また、ミスト搬送パイプ12からスピンド
ルへと流入するオイルミストは、前記のように粒径が細
かいので、高速回転するスピンドルによる遠心力の影響
を受けにくく、スピンドルの詰まりを防止できる。
【0053】なお、エアホース10を流動するエア圧
は、オイルミスト用チューブ5内を流動するエア圧と同
圧に設定されることが好ましい。
【0054】また、取り入れ口11aの高さBが変れ
ば、内部ミスト搬送パイプ11内に取り入れることがで
きるオイルミストの粒子の大きさも変わることになる。
したがって、ミスト搬送用内部パイプ11を、各種の長
さのものに交換することにより、取り入れ口11aの高
さBを調節することができ、取り入れるオイルミスト粒
子径を調節できる。
【0055】また、気密容器2の底部には、あらかじめ
貯留しておいたオイル及びノズル部5aから落下したこ
とによるオイルが貯留されている。この貯留されている
オイルの量によっても、ミスト搬送用外部パイプ12か
ら流出されるオイルミストの流出状態が変化する。この
ため、外部からオイルを増量したり、または気密容器2
の容器の大きさを変えることによってもオイルミストの
粒子の大きさを調節することができる。
【0056】なお、各ミスト搬送パイプは、それぞれを
一体に形成した1本のパイプを使用してもよい。この場
合でも、パイプの出し入れによる交換により取り入れ口
11aの高さBを変えることができる。
【0057】また、ミスト搬送外部パイプ12は、特に
1本でなくても複数個配管してもよい。この場合は、中
間部オイルミスト流出パイプ13を複数個に分岐させれ
ばよい。
【0058】なお、図4に示したミスト供給チューブ5
0は、図2に示したものとは別の実施例である。エアチ
ューブ51には、二股状に口50a、50bが形成され
ている。口50aからエアチューブ51内にオイルチュ
ーブ52が挿入され、ミスト供給チューブ50は、二重
に形成されている。オイルチューブ52は、オイルポン
プに接続されている。また、口50bはエア源に接続さ
れている。
【0059】本実施例の給油装置は、オイルが貯留され
ているオイルタンクに、オイルポンプを介して接続すれ
ば、いずれの工作機械にも使用できる。
【0060】(第2の実施例)図5は、本発明の第2の
実施例に係る給油装置の要部断面図を示している。気密
容器22はその胴部が円筒状に形成され、下方にオイル
ポンプ31が配管されて接続されている。
【0061】気密容器22の中間部には、隔壁23が水
平方向に配置されている。隔壁23によって、気密容器
22は上下に2分割されている。隔壁23の下部にはオ
イルが貯留されるオイル室24が、上部にはオイルミス
トが巡回するオイルミスト室25が形成されている。
【0062】オイルミスト室25の天面部にはミスト供
給口22aとエア供給口22b及びオイル給油口30が
形成されている。オイルミスト吸入口22aにはオイル
ミスト室25に向かってミスト供給チューブ26が配管
され、エア供給口22bにはエア源8からエア流量調整
バルブ9を介して直接接続されるエアホース29とが配
管されている。
【0063】さらに、オイルミスト室25の天面中央部
には、オイルミスト流出口22cが形成され、オイルミ
スト流出口22cにオイルミスト室25に向かってオイ
ルミスト搬送パイプ32が垂直方向に配管され、外部の
工具36にオイルミストを供給するミスト搬送パイプ3
3が配管されている。
【0064】ミスト供給チューブ26は、図2に示した
ミスト供給チューブ5と同様に、エアチューブ28内に
オイルチューブ27が形成され、両チューブが二重に形
成されている。また、オイルミスト用チューブ26は、
オイルポンプ31に配管され、流出口26aの開口部は
オイルミスト室25の内壁側面に向けられている。流出
口26aの位置は、噴射されたオイルミストが内壁側面
に沿って旋回できるように設定されている。
【0065】オイルチューブ27の先端は、流出口26
aに対して約20〜40mm内側に入り込んだ位置にあ
ることが好ましい。このオイルチューブ27の先端と流
出口26aとの間の空間がノズル部26bである。ノズ
ル部26bで、オイルチューブ27から流出されたオイ
ルとエアチューブ28から流出されたエアとが混合する
ことによりオイルミストが形成され、このオイルミスト
は流出口26aからオイルミスト室25内に噴射され
る。
【0066】オイルポンプ31は、第1の実施例のオイ
ルポンプ4と形状及び配管は同様であり、気密容器22
内に貯留されているオイルが、オイルポンプ31に供給
される。したがって、エアホース29も同様にオイルポ
ンプ31に配管されている。エアホース29の流出口2
9aの開口部は流出口26aと同様に、オイルミスト室
25の内壁側面に向けられており、流出口29aの位置
は、噴射されたエアが内壁側面に沿って旋回できるよう
に設定されている。
【0067】隔壁23は中央部に流通孔23aが形成さ
れ、オイル給油口30から給油されたオイルは流通孔2
3aを通ってオイル室24に落下する。さらに隔壁23
には一部にパイプ状の空気通路35が挿通されているの
で、オイル室24とオイルミスト室25との間で空気は
流通できる。
【0068】なお、オイルとエアがオイルポンプ31か
ら供給され、オイルミストとなって気密容器22内に流
出する原理は第1の実施例と同様であるので、その詳細
な説明は省略する。オイルポンプ31は、気密容器22
の下方に接続され、かつ気密容器22とオイルポンプ3
1とは一体に形成されているので、給油装置21は小型
にまとめることができる。
【0069】オイルポンプ31で吸い上げられたオイル
は、オイルミスト用チューブ26の流出口26aから大
半がミスト状態でオイルミスト室25に噴射される。以
下、このオイルミスト室25内に供給されたオイルミス
トが、装置外へ吐出されるまでの動作について説明す
る。流入口26aから噴射したオイルミストは、オイル
ミスト室25の内壁側面に沿って旋回する。また、エア
ホース29の流出口29aから噴射したエアも同様にオ
イルミスト室25の内壁側面に沿って旋回する。
【0070】流出口26aから供給されたオイルミスト
の粒径には、細かいものから大粒径のものまで、ばらつ
きがある。また、ミスト状ではなく油滴状のものも供給
される。大粒径のオイルミストや油滴の大半は、重力落
下する。また、内壁側面に沿って旋回するオイルミスト
の一部は、旋回による遠心力の作用により内壁側面に付
着する。遠心力の原理により、粒径の大きいものほど、
内壁側面に付着し易い。
【0071】オイルミスト室25内は、ノズル部26b
からのエア圧及びエアホース29からのエア圧によって
加圧されるので、オイルミスト室25内を旋回している
オイルミストは、オイルミスト搬送用内部パイプ32内
へ運ばれて行く。前記のように、大粒径のオイルミスト
や油滴は、重力落下したり遠心力の作用により内壁側面
に付着するので、オイルミスト搬送内部パイプ32内へ
運ばれるオイルミストは、ほとんどが煙り状で空気中を
漂える程度の細かいオイルミストである。
【0072】図5に示したように、オイルミスト搬送用
内部パイプ32は、気密容器22の中央部に配置されて
いることが好ましい。前記のように大粒径のオイルミス
トや油滴は、オイルミスト室25の中央部に至るまでの
間に重力落下したり遠心力の作用により内壁側面に付着
し、中央部への到達が防止されるからである。
【0073】オイルミストがオイルミスト搬送パイプ3
2内へ運ばれた後は、第1の実施例と同様である。図5
では、この流動後のオイルミストを吐出口を有した工具
36から吐出させる例を示している。工具36は、例え
ばミスト搬送パイプ12に接続されたマシニングセンタ
のスピンドル(図示せず)に取り付けられる。工具36
先端からは、粒径の増加したオイルミストまたは油滴が
吐出されるので、被加工物に付着し易く円滑な加工を行
うことができる。
【0074】ここで、一般にオイルポンプ31は、連続
的に作動するのではなく間欠的に作動する。オイルミス
ト室25内に噴射されたオイルミストとエアはオイルミ
スト室25底部のオイルの表面を波立たせようとする。
オイル表面が波立つと油滴が発生し、この油滴がミスト
搬送パイプへ流入する場合がある。
【0075】本実施例のものは、隔壁23により、オイ
ル室24とオイルミスト室25とは二分されているの
で、オイルミストは主にオイルミスト室25内で旋回を
することになり、オイル室24内のオイルの波立ちを防
止することができる。このため、オイルポンプ起動時に
も安定したオイルミストを供給できる。
【0076】オイル給油口30から給油されたオイルは
隔壁23の流通孔23aを通り、オイル室24に貯留さ
れる。オイルの流通孔23aにオイル室24のエア圧が
かかっているとオイルの流通が悪くなり、その分オイル
給油が遅れることになる。このような遅れがあると給油
装置21の作動の立ち上がりが遅くなってしまう。
【0077】このため本実施例では、オイル室24とオ
イルミスト室25を連通する空気通路35を設けている
ので、気密状態のオイル室24のエアをオイルミスト室
25に流通させることができ、オイル給油時のオイルの
供給を即座に行なうことができ、給油装置21の立ち上
がりを速めることができる。
【0078】(第3の実施例)以下、本発明の第3の実
施例について図面を用いて説明する。図6は、本実施例
に係る給油装置の斜視図を示している。上側フランジ6
1と下側フランジ62と、これら上下フランジとの間の
円筒63により容器64が形成されている。図示は省略
しているが、上側フランジ61と下側フランジ62と
は、丸棒状のロッドを介してねじ締めにより確実に固定
され、各フランジと円筒63とのシール性も確保されて
いる。
【0079】下側フランジ62には、下側ノズル65が
設けられている。上側フランジ61には、上側ノズル6
6、ミスト搬送用パイプ67、液注入口用キャップ68
が設けられている。下側ノズル65にはチューブ69
が、上側ノズル66にはチューブ70が、ミスト搬送用
パイプ67にはチューブ71がそれぞれ接続されてい
る。容器64内には、一定量のオイル72が充填され、
下側ノズル65はオイル72に浸漬している。また、容
器64にはフィルター73が設けられ、フィルター73
の外周部と容器64の内壁側面とが嵌合することによ
り、容器64はフィルター73を境に上下に分割されて
いる。
【0080】下側ノズル65は、ガス源(図示せず)か
ら矢印e、g方向にチューブ69内を通過したガスを噴
出する。ガスは通常、空気が用いられる。上側ノズル6
6は矢印e、f方向にチューブ70内を通過したガスを
噴出する。各ノズルのガス噴出量は、ガス量調節バルブ
74、75を調節することにより可能である。
【0081】以下、本実施形態の動作について図7、8
を用いて具体的に説明する。図7は、図6に示した液体
塗布装置の垂直方向の断面図を示している。下側ノズル
65からオイル72内にガスを噴出すると、オイル72
はこの噴出ガスによって飛沫同伴され、液面上から噴霧
拡散される。このようにして、オイル72はミストに変
化することになる。下側ノズル65からの噴出ガスによ
り、容器64内には、内圧が加わることになるので、発
生したミストは最終的にはミスト搬送用パイプ67、チ
ューブ71を通過して容器外に搬送されることになる。
【0082】ここで、図8Bを用いて、噴出ガス及びミ
ストの流れについて説明する。図8Bは、図7のII−II
線における断面図である。下側ノズル65のガス噴出口
は、容器64の水平方向の偏心位置に設けられている。
さらに、下側ノズル65のガス噴出口は先端部は内壁側
面に向いている。これは、内壁側面に衝突後の噴出ガス
を内壁側面に沿って旋回させるためである。すなわち下
側ノズル65からの噴出ガスは、容器64の内壁側面に
衝突し、その後矢印iで示した回転方向で内壁側面に沿
って旋回しながら上昇する。
【0083】また、図7に示したように容器64の液面
より上の部分では、噴出ガスは発生したミストととも
に、矢印iで示した回転方向で内壁側面に沿って旋回し
ながら上昇を続ける。
【0084】発生するミストの粒径には、ばらつきがあ
る。また、油滴も液面上から噴霧拡散される。これらミ
ストの大半及び油滴の一部は、前記のように旋回しなが
ら上昇するが、一定以上の大きさの粒径のミスト及び油
滴は、フィルター73により上昇が阻止される。フィル
ター73には、例えば金属線を網目状に形成したものを
用いる。フィルター73の網目の大きさは、大粒径のミ
ストをカットするためには小さい方が好ましいが、網目
が小さ過ぎると逆に本来必要なミストまでもカットして
しまうので、一定以上の大きさを確保しておく必要があ
る。
【0085】このため、大粒径のミスト及び油滴を完全
にカットすることはできず、これらの一部はさらにフィ
ルター73の上側に上昇する。上側ノズル66からのガ
スの噴出を停止させた状態での実験結果によれば、大粒
径のミスト及び油滴の大半は、内壁側面に付着し油滴状
となった状態で上昇するか、または内壁側面近傍を旋回
しながら上昇する。このため、図7に示したようにミス
ト搬送用パイプ67を容器64の水平方向のほぼ中央部
に設けておけば、大粒径のミストや油滴のミスト搬送用
パイプ67への流入を防止できることになる。
【0086】このような、大粒径のミストや油滴のミス
ト搬送用パイプ67への流入をさらに低減させるため
に、上側ノズル66を設けている。以下、図8Aを用い
て、上側ノズル66からの噴出ガスの動作について説明
する。図8Aは、図7のI−I線における断面図(フィル
ター73の図示は省略)である。
【0087】上側ノズル66のガス噴出口は、容器64
の偏心位置に設けられている。さらに、上側ノズル66
のガス噴出口は先端部は内壁側面側に向いている。これ
は、内壁側面に衝突後の噴出ガスを内壁側面に沿って旋
回させるためである。
【0088】また、上側ノズル66は、水平方向に対し
てやや下向きに傾斜(図7)している。このような上側
ノズル66の位置、角度の設定により、上側ノズル66
からの噴出流は、容器64の内壁側面に衝突し、その後
矢印jで示した回転方向(矢印iの回転方向と逆方向)
に内壁側面に沿って旋回しながら、下降する(図7)。
【0089】下側ノズル65からの矢印iで示した回転
方向の旋回流と、これと逆回転の上側ノズル66からの
矢印jで示した回転方向の旋回流とは、容器64内で合
流する。内壁側面を例にとると、内壁側面に付着した状
態で上昇しようとする大粒径のミスト及び油滴は、上側
ノズル66からの矢印jで示した回転方向で下降しよう
とする旋回流によって、内壁側面に沿って押し戻される
か、または上昇が鈍くなる。このため、内壁側面または
内壁側面近傍の大粒径のミスト及び油滴のミスト搬送用
パイプ67への流入を防止することができる。
【0090】また、各ノズルの噴出量の設定値に応じ
て、下側ノズル65の噴出ガスによる旋回は部分的に上
側ノズル66の噴出ガスにより打ち消されたり、旋回の
勢いが弱まることになる。このことにより、下側ノズル
65による液面の波打ちを抑えることができるので、大
粒径のミストや油滴の発生を低減させることもできる。
【0091】また、上下の両ノズルからの噴出ガスによ
り、旋回自体の勢いは弱まっても、上下の両ノズルから
ガスが噴出することにより、下側ノズル5のみの噴出の
場合と比べると、容器64内の内圧はより高まるので、
ミストの上昇の勢いは逆に強くなることになり、容器6
4内のミストはより強い勢いでミスト搬送用パイプ67
へ流入することになる。
【0092】すなわち、上側ノズル66の噴出ガスによ
り、大粒径のミストや油滴のミスト搬送パイプへの流入
を防止できるばかりでなく、搬送スピードも速くさせる
ことができる。下側ノズル65のみのガス噴出量を増加
させると、液面の波打ちが大きくなり過ぎるので、下側
ノズル65のガス噴出量は一定量以下に抑える必要があ
る。しかし、上側ノズル66からガスを噴出させること
により、ミスト吐出流速を下側ノズル65による限度以
上に増加させることができ、ミスト搬送スピードを広範
囲に調節することが可能になる。
【0093】ここで、前記のように発生したミストのう
ち大粒径のミスト及び油滴は、内壁側面または内壁側面
近傍に集まり、微細なミストは中央部に集まる傾向があ
る。内壁側面または内壁側面近傍の大粒径のミスト及び
油滴は、上側ノズル66の噴出ガスにより上昇が阻止さ
れているので、ミスト搬送パイプ67は、容器64の水
平方向のほぼ中央部に設けておけばミスト搬送パイプへ
の大粒径のミストや油滴の流入を防止することができ
る。
【0094】本実施例では、下側ノズル65から噴出す
るのはエアであり、容器底部のオイルから直接ミストを
発生させるので、オイルを循環させる必要がない。この
ため、オイル循環ポンプ及びこれに伴う配管等は必要な
く、装置自体を簡素化できる。
【0095】本装置の作動を続行して、ミストをミスト
搬送パイプ67を通して排出させれば、オイルが消費さ
れ、液面は下降することになるが、オイルの補充は液注
入口用キャップ68を取り外すことにより可能である。
【0096】オイルミストがミスト搬送パイプ67内へ
運ばれた後は、第1、2の実施例と同様である。オイル
ミストは、ミスト搬送用パイプ67を経て、ミスト搬送
パイプ71に搬送される。
【0097】ミスト搬送パイプ71を通過した後のオイ
ルミストは、ミスト搬送パイプ71に対して口径を絞っ
た吐出部76を通過する。吐出部76からは、粒径の増
加したオイルミストまたは油滴が吐出されるので、被加
工物に付着し易く円滑な加工を行うことができる。
【0098】なお、本実施形態ではオイルを容器4に充
填した場合を説明したが、その他の液体例えば水を充填
しても、ミストを発生できる。
【0099】また、上側ノズル66、ミスト搬送パイプ
67を容器64の天面に設けた例を説明したが、これら
は、必ずしも天面に設ける必要はなく、容器上部に設け
ていればよい。
【0100】また、下側ノズル65を容器64の底面に
設けた例を説明したが、下側ノズル65のガス噴出口が
液中にあればよく、下側ノズル65が容器上部から延出
する構成としてもよい。
【0101】また、下側ノズル65を1個設けた場合を
示したが、複数個設けても良い。
【0102】また、容器64内にフィルター73を用い
た場合について説明したが、容器64の高さが一定以上
ある場合には、フィルター無しで使用してもよい。これ
は、大粒径のミストや油滴は、ミスト搬送用パイプ7に
至るまでに、重力落下するためである。
【0103】また、ミスト量、ミスト粒径及びミスト搬
送スピードの調節は、ガス量調節バルブ74、75によ
る噴出ガス量の調節によって可能である。 以下、より
具体的な実施例を用いて説明する。本実施例では、容器
を円筒形状とし、大きさを外径φ120m、内径φ10
0mm、高さ350mmとした。容器64へのオイル充
填量は、容器4の底面から30mmとした。このとき、
下側ノズル65はオイル内に浸漬している。オイルに
は、切削油を用いた。
【0104】下側ノズル65及び上側ノズル66のガス
噴出口の口径を、それぞれφ1.7mmとし、ミスト搬
送用パイプ7の容器64内の先端部の内径を約11.5
mm(JISガス管1/4”)とした。下側ノズル65
の噴出口は容器64の底面の中心から35mmずれた偏
心位置とし、上側ノズル66の噴出口は容器64の天面
の中心から35mmずれた偏心位置とした。また、各ノ
ズルからの噴出流の旋回方向が互いに逆になるように、
各ノズルの噴出口の向きを設定した。
【0105】ミスト搬送パイプ67用のチューブ71
(全長約3m)の先端は、マシニングセンタのスピンド
ルへ取り付けた。このスピンドルの先端にはオイル吐出
口を2個有する工具を取り付け、オイル吐出口の口径は
各φ1.0mmとした。また、容器64内にはフィルタ
ー73を取り付け、網目の大きさは、150μmとし
た。
【0106】また、一次側エア供給圧力を5.5kgf/cm
2とし、下側ノズル5の吐出流量を78NL/分、上側
ノズル66の吐出流量を22NL/分とした。この場
合、容器内の圧力は、4.3kgf/cm2であった。
【0107】このような設定の液体塗布装置を用いて、
発生したミストをスピンドルに取り付けた工具先端のオ
イル吐出口から油滴状にして吐出させた。ここで、ミス
ト粒径が比較的小さくかつほぼ均一であれば、ミストは
スピンドルの回転による遠心力の影響を受けにくく、大
半のミストはスピンドルに留まることなく吐出される。
【0108】しかし、ミストに一定粒径以上の大粒径の
ものや油滴が混入していると、スピンドルの回転による
遠心力によりこれらがスピンドルの内壁部に付着し、ミ
ストがスピンドル内に留まりミストを十分に吐出できな
くなる。
【0109】本実施例では、スピンドルの回転数を0〜
6000rpmの範囲内で変化させても、ミストはスピ
ンドル内に留まることなく、装置の作動開始から約1秒
以内で油滴状にして吐出させることができ、吐出状態は
良好であった。このことにより、本実施例によりミスト
搬送用パイプ67に流入したミストは、粒径が比較的小
さく、かつほぼ均一なミストであると考えられる。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明の液体塗布装置
は、ミスト発生部の構造の簡素化とガス供給通路を設け
ることにより、簡単な構造で細かいミストを発生でき、
ミストを高速に搬送でき即応性に優れているので、マシ
ニングセンター、研磨機、または旋盤等の工作機械の刃
具に切削油を供給するための給油装置として利用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、2の実施例に係る液体塗布装置
の概略給油系統図
【図2】図1のオイルミスト用チューブのオイルポンプ
との取り付け状態を示す図
【図3】本発明の第1の実施例に係る液体塗布装置の要
部断面図
【図4】オイルミスト用チューブの別の実施例を示す図
【図5】本発明の第2の実施例に係る液体塗布装置の要
部断面図
【図6】本発明の第3の実施例に係る液体塗布装置の斜
視図
【図7】本発明の第3の実施例に係る液体塗布装置の垂
直方向の断面図
【図8】A図は、図7のI−I線における断面図、B図
は、図7のII−II線における断面図
【符号の説明】
2 気密容器 4 オイルポンプ 5 ミスト供給チューブ 6 オイルチューブ 7 エアチューブ 8 エア源 9 エア流量調整バルブ 10 エアホース 11,12,13 ミスト搬送パイプ 14 工具 41 ポンプ部 43 エア通路

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内にミストを供給するミスト供給ノ
    ズルと、前記容器内にミスト発生用の液体を貯留し、前
    記液体は前記容器に接続されている液体ポンプに流入
    し、前記液体ポンプから吐出した液体を、前記ミスト供
    給ノズルを経て前記容器内にミストとして供給する手段
    を備え、 前記容器内にガスを供給し、かつ前記ミストを加速する
    とともにその搬送速度を調整するための調整手段とを備
    えたガス供給通路と、前記容器内で前記ガスにより搬送
    速度を調整された前記ミストを前記容器外へ搬送するミ
    スト搬送通路とを備えたことを特徴とするミスト塗布方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ミスト搬送通路の先端に、先端先細
    形状の吐出部が接続されている請求項1に記載のミスト
    塗布方法。
  3. 【請求項3】 前記ミスト供給ノズルが、ガスが流動す
    るガスチューブとこのガスチューブ内を挿通し液体が流
    動する液体チューブとで二重に形成され、前記液体チュ
    ーブの先端は前記ガスチューブ先端に対して内側に入り
    込んでいる請求項1に記載のミスト塗布方法。
  4. 【請求項4】 前記液体チューブの先端と前記ガスチュ
    ーブの先端との間の空間で、前記液体チューブから吐出
    した液体と前記ガスチューブ内を流動するガスとを混合
    させてミストを発生させる請求項3に記載のミスト塗布
    方法。
  5. 【請求項5】 前記ガス供給通路に、ガス流量調整バル
    ブが接続されている請求項1に記載のミスト塗布方法。
  6. 【請求項6】 前記ミスト搬送通路の先端部の開口部が
    前記貯留されている液体の液面と対向している請求項1
    に記載のミスト塗布方法。
  7. 【請求項7】 前記ミスト搬送通路の前記容器内の先端
    部と前記貯留されている液体の液面との距離が調節可能
    である請求項6に記載のミスト塗布方法。
  8. 【請求項8】 前記液体ポンプは、前記容器の下部に前
    記容器と一体に形成されている請求項1に記載のミスト
    塗布方法。
  9. 【請求項9】 前記ミスト供給ノズルからミストが前記
    容器の内壁側面に向かって噴出するように、前記ミスト
    供給ノズルの先端部の位置が配置されている請求項1に
    記載のミスト塗布方法。
  10. 【請求項10】 前記容器が円筒状に形成されている請
    求項9に記載のミスト塗布方法。
  11. 【請求項11】 前記ミスト搬送通路の前記容器内の先
    端部が前記容器の水平方向のほぼ中央に設けられている
    請求項1に記載のミスト塗布方法。
  12. 【請求項12】 前記容器内の水平方向に、流通孔が形
    成された隔壁が設けられ、前記容器が前記隔壁を境に上
    下に分割され、前記隔壁より下側に液体貯留室が設けら
    れ、前記隔壁より上側に前記ミスト供給ノズル、前記ガ
    ス供給通路及びミスト搬送通路が設けられている請求項
    1に記載のミスト塗布方法。
  13. 【請求項13】 前記隔壁の一部に、パイプが垂直方向
    に配設され、前記パイプにより前記隔壁の上下の各室の
    ガスの流通が可能である請求項12に記載のミスト塗布
    方法。
  14. 【請求項14】 容器内にミストを供給するミスト供給
    ノズルと、前記容器内にミスト発生用の液体を貯留し、
    前記液体は前記容器に接続されている液体ポンプに流入
    し、前記液体ポンプから吐出した液体を、前記ミスト供
    給ノズルを経て前記容器内にミストとして供給する手段
    を備え、 前記容器内にガスを供給し、かつ前記ミストを加速する
    とともにその搬送速度を調整するための調整手段とを備
    えたガス供給通路と、前記容器内で前記ガスにより搬送
    速度を調整された前記ミストを前記容器外へ搬送するミ
    スト搬送通路とを備えた液体塗布装置を工作機械の給油
    部に取り付け、 加工対象物を切削加工する刃具に向けて前記ミストを供
    給する手段を備えたことを特徴とする切削加工装置。
  15. 【請求項15】 前記ミスト搬送通路の先端に、先端先
    細形状の吐出部が接続されている請求項14に記載の切
    削加工装置。
  16. 【請求項16】 前記ミスト供給ノズルが、ガスが流動
    するガスチューブとこのガスチューブ内を挿通し液体が
    流動する液体チューブとで二重に形成され、前記液体チ
    ューブの先端は前記ガスチューブ先端に対して内側に入
    り込んでいる請求項14に記載の切削加工装置。
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