JP2000033270A - 光触媒体 - Google Patents

光触媒体

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JP2000033270A
JP2000033270A JP10203675A JP20367598A JP2000033270A JP 2000033270 A JP2000033270 A JP 2000033270A JP 10203675 A JP10203675 A JP 10203675A JP 20367598 A JP20367598 A JP 20367598A JP 2000033270 A JP2000033270 A JP 2000033270A
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JP
Japan
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photocatalyst
photocatalytic
alloy
wire mesh
substrate
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JP10203675A
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English (en)
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Kazuhiko Sonomoto
和彦 園元
Shiro Ogata
四郎 緒方
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Tao Corp
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Tao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体の表面積を拡大すると共にその表面に形
成した光触媒機能層をほぼ均等に活性化することがで
き、かつ、流体と光触半導体との接触効率を高くした光
触媒体を提供する。 【解決手段】 光触媒体1は、SUS、Ti又はその合
金、Cu又はその合金、あるいはAl又はその合金から
なる線材で形成され、圧下された畳織金網からなる基体
2とTi又はその合金あるいはAl又はその合金からな
る粒子が焼結された孔径50〜100μmの多孔質層3
とを有し、多孔質層3の表面に光触媒機能層4を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体や液体(以下
流体という)中に浮遊している有機化合物を酸化分解す
る光触媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】石油化学製品が増加して居住環境内外で
有害有機化合物の複合汚染が問題となっている。これを
解決する手段として光触媒半導体による酸化分解を利用
した浄化方法がある。
【0003】例えば、機器や機具を構成している気体の
表面に光触媒半導体を担持させ、これらの機器や機具を
有害有機物が浮遊する流体中に置くことにより有害有機
物を光触媒半導体に接触させる方法がある。この場合に
光触媒機能を高く発揮させるには、光触媒機能層の表面
積が大きいこと、その光触媒半導体が励起波長の電磁波
によって十分に活性化される必要がある。
【0004】そのため、従来から基体の表面積を増大す
る技術や光触媒機能層を形成する造膜技術に関して種々
の提案がされている(例えば特開平5−309267号
公報、特開平8−196903号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらは単に
表面積を増大するだけで光触媒機能層の面積は増えても
励起波長の電磁波によって活性化される率が低かった
り、あるいは流体と光触媒半導体との接触効率が悪いな
どの難点がある。また、機器や器具を形成するには、光
触媒半導体を担持する基体がプレス加工など成形加工が
可能であったり、丸めたり、折り曲げたりの操作が可能
な可撓性を有することが好ましいが、従来の、特に素材
が無機質の基体ではこのような条件を備えるものがな
く、光触媒体を利用できる範囲が狭い。基体としてTi
板を用いること(特開平8−246192号)や金網
(SUS304)を用いること(特開平8−21557
7号)が提案されているが、 Ti板は高価であり、又
単純な金網は光触媒機能層の付着力が弱いという問題が
ある。
【0006】したがって本発明の目的は、基体の表面積
を拡大すると共にその表面に形成した光触媒機能層をほ
ぼ均等に活性化することができ、かつ、流体と光触媒半
導体との接触効率を高くした光触媒体を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明においては、ステンレス鋼あるいはA
l、Cu又はTi及びその合金の中から選ばれた、いず
れか1種の金属材料からなる線材で形成され、圧下され
た畳織り金網からなる基体と、その表面に保持されたT
i又はその合金なる粒子が焼結された孔径50〜100
μmの多孔質層と、その表面に形成された光触媒機能層
とを有する、という技術的手段を採用した。上記目的を
達成するために、第2の発明においては、ステンレス鋼
あるいはAl、Cu又はTi及びその合金の中から選ば
れた、いずれか1種の金属材料からなる線材で形成さ
れ、圧下された畳織り金網からなる基体と、その表面に
保持されたAl又はその合金からなる粒子が焼結された
孔径50〜100μmの多孔質層と、その表面に形成さ
れた光触媒機能層とを有する、という技術的手段を採用
した。本発明においては、厚さ方向(平面とほぼ直交す
る方向)に網目を有しかつ圧下された金網を基板として
用いるので、その上に均一な厚さを有する多孔質層が形
成し易く、また耐久性を高めることができる。多孔質層
を金属粉末で形成するので、機械的強度が高い基体が得
られる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細を図面により説
明する。図1は本発明の一実施例に係る光触媒体の正面
図である。同図において、1は光触媒体、2は基体、3
は多孔質層、4は光触媒機能層である。基体の断面を図
2に模式的に示す。
【0009】光触媒体1はオーステナイト系ステンレス
鋼、あるいは、Al、Cu、Ti及びそれらの合金の内
の1種以上の金属材料からなる線材で形成され、圧下さ
れた金網からなる基体2とその表面に形成された多孔質
層3とその表面に形成された光触媒機能層4とを有す
る。このような金網としては、縦線と横線が一本づつ相
互に交わり、かつ縦線が横線よりも太く、その横線を互
いに相接して並べた平畳織り金網(JIS G3555D
W)、太い縦線と横線とで織り、その横線を互いに相接
して並べかつ縦線、横線を互いに2本以上づつ乗り越し
て交らせた綾畳織り金網JIS G3555)あるいは縦に
5本程度、横に7本程度の線をそれぞれ一括して織った
綾畳織り金網JIS G3555)を用い得る。金網を形成
する金属材料としてはSUS304、SUS310、S
US316等のオーステナイト系ステンレス鋼を用い得
る。またこれに限らずAl又はその合金(Al−Si−
Mg系)、Cu又はその合金あるいはTi又はその合金
(Ti−Mn、Ti−Cr等)も使用できる。
【0010】本発明において、この種金網は、その表面
に金属微粉末を保持できるようにするために網目はある
程度微細であることが必要なので、上述した特定の織り
方をした金網を用い、さらに金網の表面に均一な厚さの
多孔質を形成できるようにするため圧延することが好ま
しい。その圧延率は20〜50%の範囲内とすることが
望ましい。圧延率が20%未満ではその効果がなく、一
方圧延率が50%を越えると、網目が必要以上に微細化
されて、流体が透過し難くなる。また圧下後の金網の厚
さは0.2〜0.4mmの範囲とすることが望ましい。
これは厚さが0.2mm未満であると、強度が不足し、
0.4mmを越えると透過抵抗が大きくなりすぎてしま
うからである。
【0011】本発明では、上記の金網(基体2)の表面
に金属微粉末からなる多孔質層3を形成する。この多孔
質層は、平均粒径200〜400μmの金属粉末を水等
の溶媒に混合したスラリー(固形分60〜80重量%)
を金網の表面に塗布し、乾燥後焼結することにより得ら
れる。この金属材料としては、Ti又はその合金(Ti
−Mn系、TiCr系等)あるいは、Al又はその合金
(Al−Si−Mg系)を用いる。金属粉末は、その粒
径が小さすぎると価格が高くなり(粉砕時間が長くな
る)、大きすぎると微細な空孔が得られなくなるので、
平均粒径200〜400μmのものを用いることが好ま
しい。焼結温度は、金属粉末の材質に応じて定めればよ
いが、低すぎると十分な焼結密度が得られず、強度が低
下し、一方金属の融点近くになると各粒子が融着して却
って粗大な空孔が形成されてしまうので、Tiの場合は
800〜1000℃で、Alの場合は300〜400℃
の範囲が好ましい。
【0012】このようにして得られた多孔質層は、50
〜100μmの空孔径を有することが好ましい。空孔径
が大きすぎると、空気の浄化に使用しても微細な異物を
阻止できなくなり、清浄な空気が得られなくなるので、
100μm以下とする必要がある。また多孔質層の厚さ
は薄いと強度が不足し、一方厚いと透過抵抗が大きくな
るので、10〜100μmの厚さが好ましい。
【0013】多孔質層を形成する金属粉末は表面積を増
大するための粒子であり、球形や不定形のことが多い
が、鱗状あるいは薄片状であってもよい。基体への固定
に焼付けなどの溶融手段を採用するときは、馴染がよい
ことから基体と同じ素材であることが好ましい。しか
し、素材が異なっても適切なバインダーを適量に利用す
ることなく固定することができる。なお、基体と表面積
を増大するための粒子とが異種の素材である場合には線
膨張係数を合わせておくか、どちらか一方の材の線膨張
に見合う伸縮性を保持していることが必要である。バイ
ンダーとしては無機ガラス、フリット(釉薬)、金属粉
あるいは通常の熱可塑性樹脂などを用い得る。表面積を
増大するための粒子を積層するには、スプレーやディッ
ピングを数回繰り返すなどの他にスクリーンを用いた転
写(プリント)を繰り返すなどの手段がある。そして、
積層に際して粒子を基体側が密に基体から離れるにした
がって粗に積層するには、スプレー液やディッピング液
における粒子の分散程度(密度)を調節するとかプリン
トに使用するスクリーンの目の粗さを選択する。また、
積層する粒子の粒径を選択することでも可能である。さ
らに、断面における積層の構造を選定することでも可能
である。すなわち、正確に位置決めできるスクリーンを
数枚用い、積層の断面形態において基体側を底辺とし基
体から離れた位置に頂点を備えた構造とする。この構造
によっても表面積を増大するための粒子は結果的に基体
側が密に基体から離れるにしたがって粗に積層される。
【0014】光触媒機能層4は、例えばTiOなどの
光触半導体を混入しているゾル液を、基体の表面にスプ
レーやディッピングで付着させ、乾燥させたのち、50
℃〜500℃未満の温度で焼き付けて形成することがで
きる。なお、ゾル中に光触媒半導体の他にアモルファス
型過酸化チタンまたは酸化チタンをチタン重量比(乾
量)で1:1あるいは1:5の範囲で混合しておくと比
較的低い温度で光触媒半導体の粒子を強固に担持させる
ことができる。
【0015】さらに、防黴殺菌などの機能補完用にP
t、Ag、Rh、RuO、Nb、Cu、Sn、NiO
の粒子を微量混入したり、吸着機能を付加して酸化還元
による分解性能を向上させるためにゼオライト、シリカ
(二酸化ケイ素)、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシ
ウム、ルチル型酸化チタン、リン酸ジルコニウムなどの
無機材料、あるいは各種の活性炭、多孔質のフェノール
樹脂やメラミン樹脂を一種または二種以上混入すること
ができる。
【0016】また、基体の表面に過酸化チタン水溶液な
どの保護材をスプレーして保護被膜を形成する下地処理
を施してから光触媒機能層を形成することもできる。い
ずれの場合もPTA(オキシサンタイニック・チタン・
アシド……過酸化チタン水溶液)で事前に被膜を形成し
ておくとTiOゾル液の付着、属延性が改善されて濡
れ易く、基体の表面に光触機能層を均一に、かつ、広く
形成することができる。PTAは基体がステンレス鋼の
ような金属の場合でも展延性に優れTiOゾル液を広
く均一に塗布するのに有効である。PTAはバインダー
としても機能するが、組成的にセラミック系統のものを
含まず、金属との相性が良いので基体の表面に形成しし
た光触媒機能層が、基体が撓んだり振動しても剥離する
ことが少ない。
【0017】光触媒半導体としては他にZnO、SrT
iO、CdS、CdO、CaP、InP、In
、CaAs、BaTiO、KNbO、Fe
、Ta、WO、SaO、Bi
NiO、CuO、SiC、SiO 、MoS、Mo
、InPb、RuO、CeOなどがある。この
中で酸化チタンTiO(アナターゼ型)が安価で特性
が安定しており、かつ、人体に無害であり、光触媒とし
て最も優れている。
【0018】光触媒半導体の触媒機能は酸化金属などの
半導体が持つバンドギャップ以上の励起波長(励起波長
の電磁波、TiOの場合は紫外線領域)を照射するこ
とによって半導体内に電子開裂が生じ、その表面にOH
−やO−の活性ラジカル水酸基や活性酸素を発生させ
て、これらに接触した有機化合物を酸化あるいは還元作
用で分解するものである。これによって悪臭や油汚れを
清浄化することができる。また、同じ機能によって細菌
やビールスを殺すこと(殺菌)ができる。
【0019】本発明の構造であると、光触媒機能層の表
面積が大きく、また、外部から照射される励起波長の電
磁波が光触媒機能層の深部にある粒子にまで届き易く、
光触媒機能層が広い範囲で活性化される。また、このよ
うな積層構造箇所を通過する流体は積層構造の壁に当た
って反射されたり、凹部に入り込んで一時滞留したりす
るので、流体中に浮遊している有機物が光触媒半導体と
接触する機会が多い。このため、光触媒体は高性能なも
のとなる。
【0020】以上のように構成した光触媒体は種々の形
態で使用することが可能であるが、一枚の平板とした基
体の両面に光触媒機能層を形成して使用することがあ
る。この場合平板の両側縁に沿って励起波長の電磁波供
給源を配置し、一方の励起波長の電磁波供給源で平板の
一面(表)を照射し、他方の励起波長の電磁波の電磁波
供給源で他面(裏)を照射するようにすることができ
る。
【0021】本発明では、基体が多数の微細な貫通孔を
備えているのでこの光触媒体を種々のフィルターとして
使用することができる。単にエレメントとしてのフィル
ターだけでなく、例えば、冷蔵庫のように密閉される庫
内の内壁を構成し、庫内を循環する気体のフィルターと
して使用すると、庫内の空気からエチレンガスなど野菜
や果物を老廃させる有害な気体を除去し、また硫化水素
やメルカプタンなどの不快な臭気を除去することができ
る。この場合内壁がフィルターとして機能するので、フ
ィルターを庫内へ別途に設ける場合に比べて庫内の容積
を小さくしたり、フィルターが邪魔になったりすること
がない。
【0022】また、このような光触媒体は使用の態様に
よって清浄化機能と共に消音機能や視覚遮蔽機能あるい
は流体が液相の場合には消波や消泡の機能を持たせるこ
とができる。消音とは、例えば、光触媒体を道路におい
て車道と人道を区画する界壁板として使用する場合であ
り、光触媒機能層によってNOx、SOxを分解除去す
ると同時に、基体を畳織り金網とすることで、音波を畳
織り金網の複雑な内部空間に導きその伝播エネルギーを
吸収してしまうことである。視覚遮蔽機能は光の通過を
阻止する機能であって、これにより光触媒体を間仕切り
などと使用することが可能となる。さらに、消波は音波
の吸収に似る。液体の波動は液体中に浮遊する有機化合
物と光触媒半導体との接触機会を不均一にするが、前記
の金網によって流体は一時的に金網の内部空間に止ま
り、光触半導体との接触機会がほぼ均一になる。
【0023】その他、本発明の光触媒体は空調機や排ガ
ス処理装置の機体あるいはフィルター、便所や建築用の
屋内壁板、防藻観賞用水槽壁、水泳用プール壁などに利
用が可能である。
【0024】
【実施例】光触媒体製造の例 オーステナイト系ステンレス鋼SUS316を線材とし
た平畳織金網(#40/200メッシュ)を圧下率30
%で圧延して厚さ280μmの基体(2a)を作成し
た。また純Al線で形成した平畳織金網(#40/20
0メッシュ)を圧下率20%で圧延して厚さ320μm
の基板(2b)を作成した。この他Ti合金(PC13
0A)線で形成した平畳織金網(#40/200メッシ
ュ)を圧下率10%で圧延して厚さ360μmの基体
(2C)を作成した。次に、上記3種類の基体の両面に
平均粒径250μmのTi粉末を40μmの厚さに塗布
後焼結(980℃×5hr)して平均孔径100μmの
板状体を作成した。Ti粉末の焼結には水をバインダー
として用いた。また上記各基体の両面に平均粒径350
μmのAl粉末を40μmの厚さに塗布後焼結(400
℃×5hr)して平均孔径100μmの板状体を作成し
た。
【0025】次に光触媒機能材として、アルモファス型
過酸化チタン水溶液(0.84w%):アナターゼ型酸
化チタン水溶液(0.84w%):コロイダルシリカ水
溶液(0.84w%)を3:7:0.1の割合で混合し
て板状体の表面に0.7g/25cm(wet状態)
の吹付けをする。そして、常温乾燥の上、加熱乾燥(3
00℃×1hr)をして光触媒体とした。
【0026】(実施例2)吸着・光触媒機能材として、
アモルファス型過酸化チタン水溶液(0.84%):ア
ナターゼ型酸化チタン水溶液(0.84%):コロイダ
ルシリカ水溶液(0.84%):ヤシガラ活性炭(他の
水溶液重量換算)を3:3:0.1:0.3の割合で混
合して実施例1の板状体の表面に0.6g/25cm
(wet状態)の吹き付けをする。そして全体を加熱乾
燥(300℃×1hr)をして光触媒体とした。
【0027】(評価)上記12種類の光触媒体をそれぞ
れガラス管内に設置し、エチレンガス50ppmを含む
空気を環境させながら、300Wのキセノンランプで3
00nmの紫外光を照射した結果、いずれの光触媒体を
用いた場合にも、光照射後1時間以内にエチレンガスの
濃度を5ppm以下に低減できることが確認された。
【0028】図3は平板に構成した光触媒体1をフレー
ム7内に嵌め込むと共に励起波長の電磁波供給源として
の蛍光灯8を一体に組み込んだ光触媒装置9である。光
触媒体1は実施例1に示したものであり、フレーム7は
ステンレス鋼で矩形に形成されている。両側の縦枠を構
成するフレーム材は蛍光灯8を収納する空間を備える。
したがって、フレーム7を上方から見た場合、断面形状
に相当する長い矩形となるが、その対角線に沿って平板
の光触媒体1が配置されている。この構造であると一方
の蛍光灯8によって光触媒体1の一面(表)が、また、
他方の蛍光灯8によって他面(裏)が照射されてそれぞ
れの面の光触媒機能層が活性化される。蛍光灯8からの
紫外線は光触媒体1の表面に一側方向から照射される
が、光触媒体1表面は金属製不織布の凹凸面で反射され
蛍光灯側から見て影となる部分にも紫外線が到達し、光
触媒体表面の光触媒機能層は前面がほぼ活性化され、効
率のよい光触媒機能が発揮される。この光触媒装置9
は、通気性があるのでフィルターとしてはもちろん、室
内空気の浄化装置を兼ねたパーティションとしても使用
できる。
【0029】図4は、野菜などを保存しておく低温収納
室10を断面で示している。低温収納室10は図示して
いない扉で密閉されるものであるが、箱形の外壁11の
内部に間隔12を取って内張りの形で実施例1に示した
平板の光触媒体1が取り付けられている。天井部の間隔
12には対角線の配置に平板型反射板13とその両側に
紫外線供給源としての蛍光灯8が配置されている。平板
型反射板13は図5(a)のように両面に反射片14が
形成されて両側の蛍光灯8からの紫外線を同じ方向、す
なわち天井の光触媒体1の方向に反射するものである。
なお、中央隔壁のようにパネルの両面に光触媒機能層が
存在する場合には、図5(b)のように両面に反射層1
8を備えた反射板13を用いる。反射層18は、例えば
ステンレス鋼板19の両面に焼き付けたSUS粒子の積
層によって構成されている。粒子は鋼板19側が小径で
密に、基板から離れた側が大径で粗に配列されている。
壁部の間隔15には内側を鏡面とした楕円湾曲の反射板
16とその中央部の内側に紫外線供給源としての蛍光灯
8が配置されている。各空間13、15は天井部両側の
ダクト17に通じ、循環ポンプによって収納室10の内
部空気は内壁である光触媒体1を通過して循環する。そ
して、光触媒体1を通過する際に空気中に浮遊するエー
テルや臭気など野菜の保存に不都合な有機化合物が酸化
・還元作用で分解される。内壁としての光触媒体1は、
実施例のように基体2が成形性を有する場合は平板を組
合わせて構成するのではなく、プレス加工で一挙に容器
形に形成することもできる。光触媒機能層の剥離が問題
となる場合は基体2をプレス加工後に光触媒機能層を形
成すればよい。
【0030】図6は、便所の脱臭対策として光触媒体1
を用いた例であり、天井に間隔を取って平板とした光触
媒体1が取り付けられている。符号8は蛍光灯で、紫外
線供給源である。便所の室内空間は通常換気装置によっ
て常時室内空気が流動しており、その気流に載って臭気
のもとである浮遊有機化合物が光触媒体1に衝突し、光
触媒機能層で分解される。光触媒体1の表面は空隙を備
えた凹凸のある積層構造となっているので、浮遊有機化
合物接触や細孔を通過中に分解されて光触媒機能を受け
やすく、脱臭効果が向上する。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、光触媒体は表層部に多
くの空隙と凹凸を備え、光触媒機能層の面積が大きくて
酸化・還元力が大きいと共に流体中を浮遊する有機化合
物と光触媒機能層との接触機会が多く、性能の高い光触
媒体を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光触媒体の平面図であ
る。
【図2】基体の断面を示す模式図である。
【図3】平らな光触媒装置を示した斜視図である。
【図4】低温収納庫を切断して示す正面図である。
【図5】(a)、(b)は共に反射板の例を示す平面図
である。
【図6】便所に利用の形態を模式的に示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 光触媒体、2 基体、3 多孔質層、4 光触媒機
能層
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月17日(1998.8.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】光触媒体1はオーステナイト系ステンレス
鋼、あるいは、Al、Cu、Ti及びそれらの合金の内
の1種以上の金属材料からなる線材で形成され、圧下さ
れた金網からなる基体2とその表面に形成された多孔質
層3とその表面に形成された光触媒機能層4とを有す
る。このような金網としては、縦線と横線が一本づつ相
互に交わり、かつ縦線が横線よりも太く、その横線を互
いに相接して並べた平畳織り金網(JIS G3555D
W)、太い縦線と横線とで織り、その横線を互いに相接
して並べかつ縦線、横線を互いに2本以上づつ乗り越し
て交らせた綾畳織り金網JIS G3555)あるいは縦
に5本程度、横に7本程度の線をそれぞれ一括して織っ
た綾畳織り金網JIS G3555)を用い得る。金網を
形成する金属材料としてはSUS304、SUS31
0、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼を
用い得る。またこれに限らずAl又はその合金(Al−
Si−Mg系)、Cu又はその合金あるいはTi又はそ
の合金(Ti−Mn、Ti−Cr等)も使用できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明において、この種金網は、その表面
に金属微粉末を保持できるようにするために網目はある
程度微細であることが必要なので、上述した特定の織り
方をした金網を用い、さらに金網の表面に均一な厚さの
多孔質を形成できるようにするため圧延することが好
ましい。その圧延率は20〜50%の範囲内とすること
が望ましい。圧延率が20%未満ではその効果がなく、
一方圧延率が50%を越えると、網目が必要以上に微細
化されて、流体が透過し難くなる。また圧下後の金網の
厚さは0.2〜0.4mmの範囲とすることが望まし
い。これは厚さが0.2mm未満であると、強度が不足
し、0.4mmを越えると透過抵抗が大きくなりすぎて
しまうからである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BA02B BA04B BA08B BA18 BA48A BB02B BC16A BC16B BC31A BC50A BC50B CA07 CA10 CA15 EA12 EB12Y EB15Y EB18Y EC17X EC22Y EC26 FA04 FB23 FB24 FB31 FB33 FB70

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼あるいはAl、Cu又はT
    i及びその合金の中から選ばれた、いずれか1種の金属
    材料からなる線材で形成され、圧下された畳織り金網か
    らなる基体と、その表面に保存されたTi又はその合金
    からなる粒子が焼結された孔径50〜100μmの多孔
    質層と、その表面に形成された光触媒機能層とを有する
    ことを特徴とする光触媒体。
  2. 【請求項2】 ステンレス鋼あるいはAl、Cu又はT
    i及びその合金の中から選ばれた、いずれか1種の金属
    材料からなる線材で形成され、圧下された畳織り金網か
    らなる基体と、その表面に保持されたAl又はその合金
    からなる粒子が焼結された孔径50〜100μmの多孔
    質層と、その表面に形成された光触媒機能層とを有する
    ことを特徴とする光触媒体。
JP10203675A 1997-10-20 1998-07-17 光触媒体 Pending JP2000033270A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000202302A (ja) * 1998-12-31 2000-07-25 Lg Electronics Inc フィルム型の光触媒並びにその製造方法
WO2014157721A1 (ja) * 2013-03-29 2014-10-02 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 悪臭処理用担持触媒

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