JP2000033074A - 眼科検査装置 - Google Patents

眼科検査装置

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JP2000033074A
JP2000033074A JP10219696A JP21969698A JP2000033074A JP 2000033074 A JP2000033074 A JP 2000033074A JP 10219696 A JP10219696 A JP 10219696A JP 21969698 A JP21969698 A JP 21969698A JP 2000033074 A JP2000033074 A JP 2000033074A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血管を正確に認識する。 【解決手段】 Iは二次元撮像素子の撮像範囲であり、
L1、L2、L3、・・・ で示したラインごとの電子走査が行わ
れ、血管Evの二次元の映像信号を出力する。この走査方
向は測定時には血管Evの走行方向に垂直に調整されてい
るので、これ以降の処理は比較的単純でよい。各ライン
L1、L2、L3、・・・ ごとの映像信号は各ライン走査の開始
信号を基準にサンプルされ、信号ラインバッファに加算
することで平均化が行われる。1フレーム分の加算処理
が行われた後に、ラインバッファの出力信号はバックグ
ラウンドの補正を行いローパスフィルタによるフィルタ
リングによりノイズの軽減が図られる。その後に、微分
処理によってゼロクロス点を検出し、血管位置が求めら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼底上の血管の走
行方向に垂直な情報を算出又は計測する眼科検査装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、被検眼の眼底上の血管の動きをト
ラッキングする眼科装置としては、特開昭63−288
133号公報に記載されているように、2個所の血管の
動きを検出して二次元的にトラッキングを行うものと、
特開平6−503733号公報に記載されているよう
に、1個所の血管の走行方向と垂直な方向の動きを検出
して、一次元的にトラッキングを行うものなどがある。
【0003】移動物体の一次元撮像素子に対する相対位
置を検出し、この位置信号を撮像方向を変える方向偏向
変更手段に絶えずフィードバックすることによって、物
体のトラッキングを可能とする装置が提案されている。
また、このような一次元撮像素子を用いた血管像信号の
波形処理による血管位置を抽出するまでの信号処理方法
に関しての詳しい開示もある。
【0004】更に、このように得られた血管像信号を用
いて、血管径の算出を行う装置も提案されており、その
血管径算出のための信号処理に関しては、日眼会誌68
−1PP92〜97に詳しく開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従
来例においては、一次元撮像素子を用いた血管抽出で
は、コントラストの低い細い血管の情報算出、例えば血
管トラッキングや血管径の算出には限界がある。
【0006】また、コントラストが大きく太い血管と、
コントラストが小さく細い血管が近接している場合に、
固視微動等の眼球運動により、対象とするコントラスト
が小さく細い血管よりもコントラストが大きく太い血管
が検出範囲に存在した場合に、検者の意に反してコント
ラストが大きく太い血管を対象として処理してしまい易
いという欠点がある。
【0007】また、太い血管で中央に反射を有する血管
の場合には、2本の血管と誤認する場合もある。更に、
これら装置による検査を散瞳剤を用いない所謂無散瞳化
検査を行うために眼底への照明光に近赤外光を用いる
と、得られる血管像のコントラストは可視光によるそれ
と比較して非常に低いものとなり、血管情報の算出を行
うことができない。
【0008】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
血管を正確に認識でき処理時間が短かい眼科検査装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る眼科検査装置は、ターゲットとなる特定
の眼底血管を含む領域を照明する照明系と、前記特定眼
底領域を撮像する撮像手段を有する撮像系と、血管情報
算出手段とを有する眼科装置において、前記血管情報算
出手段は、前記撮像手段による映像信号を血管走行方向
に略一致した軸を有する直交座標系を割り振る第1のス
テップと、該第1のステップにより割り振られた座標系
を基に血管の走行方向に直角な方向の情報を算出する第
2のステップとを有することを特微とする。
【0010】また、本発明に係る眼科検査装置は、ター
ゲットとなる特定の眼底血管を含む領域を照明する照明
系と、光束偏向器を介して前記特定の眼底領域を撮像す
る撮像手段を有する撮像系と、前記撮像手段からの映像
信号を処理して血管位置を算出し前記光束偏向器を駆動
して前記眼底血管のトラッキングを行うトラッキング手
段とを有する眼科装置において、前記撮像手段は二次元
撮像素子であり、前記トラッキング手段は前記撮像素子
の複数の走査線の情報から対象血管の血管走行と垂直な
方向の位置を算出する血管位置算出手段を有することを
特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を眼底血流計、特にその血
管トラッキングシステムに応用した実施例に基づいて詳
細に説明する。
【0012】図1はその構成図であり、白色光を発する
タングステンランプ等から成る観察用光源1から被検眼
Eと対向する対物レンズ2に至る照明光路上には、コン
デンサレンズ3、例えば黄色域の波長光のみを透過する
バンドパスフィルタ4、被検眼Eの瞳孔とほぼ共役な位
置に設けられたリングスリット5、光路に沿って移動可
能な固視標表示用素子である透過型液晶板6、リレーレ
ンズ7、孔あきミラー8、黄色域の波長光を透過し他の
光束を殆ど反射するバンドパスミラー9が順次に配列さ
れている。
【0013】孔あきミラー8の背後には眼底観察光学系
が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカシ
ングレンズ10、リレーレンズ11、スケール板12、
接眼レンズ13が順次に配列され、検者眼eに至ってい
る。バンドパスミラー9の反射方向の光路上には、イメ
ージローテータ14、紙面に垂直な回転軸を有し両面研
磨されたガルバノメトリックミラー15が配置され、ガ
ルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの反射
方向には光路に添って移動自在のフォーカシングレンズ
16が配置され、上側反射面15bの反射方向には、レ
ンズ17、光路に沿って移動自在なフォーカスユニット
18が配置されている。なお、レンズ17の前側焦点面
は被検眼Eの瞳孔と共役関係にあり、この焦点面にガル
バノメトリックミラー15が配置されている。また、ガ
ルバノメトリックミラー15の後方には凹面ミラー19
が配され、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面
15bで反射されたレーザービームをガルバノメトリッ
クミラー15の切欠部を通過させるリレー光学系が構成
されている。
【0014】フォーカスユニット18においては、レン
ズ17と同一光路上に、ダイクロイックミラー20、集
光レンズ21、測定用光源であるレーザーダイオード2
2が順次に配列され、ダイクロイックミラー20の入射
方向の光路上にはマスク23、ミラー24が配置され、
このフォーカスユニット18は一体的に矢印で示す方向
に移動ができるようになっている。更に、ミラー24の
入射方向の光路上には、高輝度の他の光源と異なる例え
ば緑色光を発するトラッキング用光源25が配置されて
いる。
【0015】ガルバノメトリックミラー15の下側反射
面15aの反射方向の光路上のフォーカシングレンズ1
6の後方に、ダイクロイックミラー26、拡大レンズ2
7、イメージインテンシファイヤ付きの二次元撮像素子
28が順次に配列され、血管検出系が構成されている。
また、ダイクロイックミラー26の反射方向の光路上に
は、フォトマルチプライヤ27a、27bが配置され測
定用受光光学系が構成されている。なお、図示の都合
上、全ての光路を同一平面上に示したが、フォトマルチ
プライヤ27a、27bはそれぞれ紙面に直交した方向
に配置されている。
【0016】二次元撮像素子28の出力はトラッキング
制御部29に接続されており、トラッキング制御部29
の出力はガルバノメトリックミラー15に接続されてい
る。更に、装置全体を制御するためのシステム制御部3
0が設けられシステム制御部30には透過型液晶板6、
フォトマルチプライヤ27a、27b、トラッキング制
御部29、操作部が接続されており、装置全体の動きを
制御している。
【0017】観察用光源1から発した白色光はコンデン
サレンズ3を通り、バンドパスフィルタ4により黄色の
波長光のみが透過され、リングスリット5を通過した光
束が透過型液晶6を背後から照明し、リレーレンズ7を
通って孔あきミラー8で反射される。その後に、黄色域
の光のみがバンドパスミラー9を透過し、対物レンズ2
を通り被検眼Eの瞳孔上でリングスリット像として一旦
結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。
【0018】このとき、透過型液晶板6には固視標が表
示されており、照明光により眼底Eaに投影され、視標像
として被検眼Eに呈示される。なお、リングスリット2
5は被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光
を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成す
るものであれば、その形状、数は問題とならない。
【0019】眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳
孔上から眼底観察光束として取り出され、孔あきミラー
8の中心の開口部、フオーカシングレンズ10、リレー
レンズ11を通りスケール板12に眼底像Ea' として結
像した後に、検者眼eによって接眼レンズ13を介して
観察される。この眼底像Ea' を観察しながら、接眼レン
ズ13により装置のアライメントが行われる。
【0020】レーザーダイオード22を発した測定光
は、集光レンズ21の上方を偏心して通過しダイクロイ
ックミラー20を透過する。一方、トラッキング用光源
25から発したトラッキング光はミラー24で反射され
た後に、整形用マスク23で所望の形状に整形された後
に、ダイクロイックミラー20に反射されて、上述の測
定光と重畳される。このとき、測定光は集光レンズ21
により、マスク23の開口部中心と共役な位置にスポッ
ト状に結像されている。
【0021】更に、測定光とトラッキング光はレンズ1
7を通り、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面
15bで一旦反射され、凹面鏡19により反射され再び
ガルバノメトリックミラー15の方へ戻される。ここ
で、ガルバノメトリックミラ一15は被検眼時の共役な
位置に配されており、その形状は被検眼Eの瞳上におい
て非対角な形状となされている。
【0022】そして、凹面鏡48は光軸上に同心に配置
され、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15
bと下側反射面15aとを1倍で結像するリレー系の機
能が与えられている。従って、上側反射面15bで反射
された両光束は、今度はガルバノメトリックミラー15
の切欠部の位置に戻され、ガルバノメトリックミラー1
5で再び反射されることなく、イメージローテータ14
に向かうことになる。イメージローテータ14を経て、
バンドパスミラー9により対物レンズ2に偏向された両
光束は、対物レンズ2を介して眼底Eaに照射される。
【0023】このとき、トラッキング光は前述の整形マ
スク23により測定点を含み、その血管をカバーする長
方形の領域を照明するよう整形されており、その大きさ
は血管走行方向300〜500μm程度、血管直角方向
に500〜1200μm程度とすることが望ましい。ま
た、測定光は測定する50〜120μmの血管の太さ程
度の円形スポット、又は血管走行方向に長手を持つ楕円
形状とされている。
【0024】眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ2
で集光され、バンドパスミラー9で反射されてイメージ
ローテータ14を通り、ガルバノメトリックミラー15
の下側反射面15aで反射され、フォーカシングレンズ
16を通りダイクロイックミラー26において測定光と
トラッキング光とが分離される。
【0025】トラッキング光はダイクロイックミラー2
6を透過し、拡大レンズ27により二次元撮像素子28
上で眼底観察光学系による眼底像Ea' よりも拡大された
血管像Evとして結像する。この撮像範囲はトラッキング
光の照射範囲とほぼ同一の大きさである。この血管像信
号はトラッキング制御部29に入力され、血管の位置信
号に変換される。トラッキング制御部29はこの信号を
用いてガルバノメトリックミラー15の回転角を制御
し、血管のトラッキングを行うことになる。このとき、
血管像は光束偏向器であるガルバノメトリックミラー1
5を介して撮像されているので、トラッキングが行われ
ていた血管が、この撮像範囲から外れることはなく、撮
像範囲を上述のトラッキング光の範囲程度に納めること
ができる。
【0026】また、測定光とトラッキング光による眼底
Eaでの散乱反射光の一部はバンドパスミラー9を透過
し、孔あきミラー8の背後の眼底観察光学系に導かれ、
トラッキング光はスケール板12上に棒状のインジケー
タとして結像し、測定光はこのインジケータの中心部に
スポット像として結像する。これらの像は接眼レンズ1
3を介して眼底像Ea' 、指標像Fと共に観察される。こ
のとき、インジケータの中心には測定ビームのスポット
像が重畳して観察される。インジケータは操作部31に
より、トラッキング制御部29を介してガルバノメトリ
ックミラー15を回転することで、眼底Ea上を一次元的
に移動させることができる。
【0027】測定に際して、検者は先ず眼底像Ea' のピ
ント合わせを行う。操作部31のフォーカスノブを調整
すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板6、フ
ォーカシングレンズ10、16、フォーカスユニット1
8が連動して光路に沿って移動する。眼底像Ea' のピン
トが合うと、透過型液晶板6、スケール板12、二次元
撮像素子28は同時に眼底Eaと共役になる。
【0028】実際の検査においては、検者は眼底像Ea'
のピントを合わせた後に、被検眼Eの視線を誘導して観
察領域を偏向し、測定対象とする血管Evを適当な位置に
移動するために操作部31を操作する。システム制御部
30は透過型液晶板6を制御し指標像Fを移動する。イ
メージローテータ14を回転し、測定対象とする血管Ev
の走行方向に対してフォトマルチプライヤ27a、27
bの中心を結んだ線が並行になるよう操作する。このと
き、ガルバノメトリックミラー15を回転することによ
って、二次元撮像素子28の画素配列の垂直方向及び動
く測定ビームの方向は、これと直角の血管Eaに垂直な方
向に同時に調整される。これにより、撮像される映像信
号は血管走行方向に略一致した軸を有する直交座標系が
割り振られることになるが、本実施例ではこの信号処理
を第1のステップと云うことにする。
【0029】検者はトラッキングを開始しその良否を確
認した後に、操作部31の測定スイッチを押して測定を
開始する。この測定の間、測定ビームはトラッキング制
御部29の働きにより、血管Ea上に保持されるが、その
散乱反射光はダイクロイツクミラー9により反射されフ
ォトマルチプライヤ27a、27bで受光される。フォ
トマルチプライヤ27a、27bの出力はそれぞれシス
テム制御部30に出力され、この受光信号は周波数解析
されて眼底Eaでの血流速度が求められることになる。
【0030】トラッキング制御部29の信号処理は本実
施例で云う第2のステップに相当するが、これらの処理
はその処理時間の短縮のためDSPのように高速演算回
路によって行われる。図2のIは二次元撮像素子28の
撮像範囲であり、L1、L2、L3、・・・ で示したラインごと
の電子走査が行われ、血管Eaの二次元の映像信号を出力
する。この実施例においては、この走査方向は測定時に
は既に前述のように血管Eaの走行方向に垂直に調整され
ているので、これ以降の処理は比較的単純でよい。その
ため、信号処理に要する時間は短時間で済み、トラッキ
ングの応答を早めることが可能となる。
【0031】図3に示すように、各ラインL1、L2、L3、
・・・ ごとの映像信号は各ライン走査の開始信号を基準に
サンプルされ、信号ラインバッファに加算することで平
均化が行われる。1フレーム分の加算処理が行われた後
に、ラインバッファの出力信号はバックグラウンドの補
正を行いローパスフィルタによるフィルタリングにより
ノイズの軽減が図られる。その後に、微分処理によって
ゼロクロス点0を検出し、血管位置が求められる。
【0032】このようなフィルタリングを、この血管位
置と予め定められているトラッキング中心位置信号と比
較することにより、血管位置のトラッキング中心位置に
対する偏移量が求められる。この信号はガルバノメトリ
ックミラー15を制御するトラッキング制御部29に対
して出力され、トラッキング制御部29はこの偏移量を
表す信号に基づいて、ガルバノメトリックミラー15を
駆動することになる。
【0033】本実施例では、初めに各ラインL1、L2、L
3、・・・ ごとの血管候補点を探索する。候補点は図4の
各ラインL1、L2、L3、・・・ に縦線で示し、先の例で血管
を抽出したバックグラウンド処理、ノイズ除去処理、微
分処理を行った後のゼロクロスポイントである。
【0034】図5は縦軸にライン番号、横軸に候補点の
各ラインL1、L2、L3、・・・ 上での位置をプロットしたも
のであり、図6は候補点の位置のヒストグラムである。
このヒストグラムは血管Evの走行方向に沿って取られて
いるので、対象血管Evの位置にピークを有する。実施例
ではこのピークを検出し、例えば頻度がその1/2以上
の候補点の位置の平均から血管Evの位置を算出すること
により、先の実施例と同様のトラッキングを行う。
【0035】以上の説明は周囲に血管が無い場合の例で
あるが、この場合でも各ラインL1、L2、L3、・・・ ごとに
存在するノイズや血管走行方向の局所的な模様による映
像信号の変化は、血管走行方向における加算処理によっ
て取り除かれ、所望の血管Evのみを鮮明に抽出すること
が可能である。
【0036】例えば、図7に示すような分岐付近の血管
で、トラッキングを掛けるべき血管EvA の周囲に、血管
EvA よりもコントラストの高い血管EvB が存在する場合
を説明する。二次元撮像素子28の走査方向が血管走行
方向に対して直角に割り振ることが既に行われているの
で、ラインL1、L2、L3、・・・ ごとの加算処理が行われる
と、各ラインL1、L2、L3、・・・ ごとの血管Evの中心を示
す下方向のくびれはほぼ同じ位置に存在し、強調された
信号となる。
【0037】しかし、血管EvB のくびれは血管が太いた
めに、ライン単位では大きいにも拘らず、その位置が異
なるので図8に示すように加算後の信号では消失するこ
とになる。従って、微分処理後の信号では血管EvA に対
する信号の方が大きく現れることになり、この血管EvA
がいま測定対象であることが判断できることになる。ト
ラッキング制御部29はこの信号を基に、血管Evの偏移
量をガルバノメトッリックミラー15に出力する。
【0038】図9は他の実施例の血管映像信号の処理方
法の説明図である。いま、測定対象とすべきものは、二
次元撮像素子28の主走査方向が走行方向と垂直に調整
されている血管EvA であり、血管EvB がノイズとして存
在する。先の実施例では、ラインL1、L2、L3、・・・ ごと
の映像信号を加算することによって対象血管の抽出を行
ったが、本実施例では初めに各ラインL1、L2、L3、・・・
ごとの血管候補点を探索する。
【0039】候補点は図10の各ラインL1、L2、L3に縦
線で示し、先の例で血管を抽出したバックグラウンド処
理、ノイズ除去処理、微分処理を行った後のゼロクロス
ポイントである。
【0040】図11は縦軸にライン番号、横軸に候補点
の各ラインL1、L2、L3、・・・ 上での位置をプロットした
ものであり、図12では候補点の位置のヒストグラムで
ある。このヒストグラムは血管EvA の走行方向に沿って
取られているので、対象血管EvA の位置にピークを有す
る。実施例ではこのピークを検出し、例えば頻度がその
1/2以上の候補点の位置の平均から血管EvA の位置を
算出することにより、先の実施例と同様のトラッキング
を行う。
【0041】例えば、図13に示すように太い血管を計
測対象に選択した場合に、その血管中心には血管壁の正
反射が観測され、映像信号としてはあたかも2本の血管
が存在するように観測される場合がある。このような場
合の図10〜図12で説明した同様の処理が図14〜図
16で示すように行われ、そのヒストグラムはほぼ同じ
高さを有する近接した2峰性を示すことになる。
【0042】これと異なり、実際に2本の血管が存在す
る場合には、図12で示すように通常では一方の血管信
号は消失するので、たとえ2峰性を示したとしても一方
のピークは低くなる。そのため本実施例では、例えば各
ピークが眼底上で150μm以内で、かつそのピークの
高さつまり候補点の出現頻度が例えば30%以内である
場合には1本の血管として取り扱い、血管中心位置を2
峰性の谷間とするなどの処理を行う。逆に、それ以外の
場合には最大ピークを基準に先に述べた通常処理を行
う。
【0043】このように、本実施例では先の実施例に比
べてヒストグラムを作り、候補点の連結性の判断を行う
ので、血管抽出がより確実に行うことができる。
【0044】以上の実施例に対し、図17〜図19に示
す処理方法では二次元の画像をフレームメモリに蓄積
し、二次元の画像処理により血管の抽出を行う。図17
に示すように撮像された血管像は、二次元のバックグラ
ウンド処理を行った後に、図18のように2値化され、
その後に図19に示すように紙面横方向の細線化処理を
行うことによって、紙面縦方向つまり血管走行方向の連
結要素のみが抽出される。従って、この抽出線の横方向
の平均値をもって血管位置としてもよい。
【0045】更に、このとき抽出線を直線近似し、二次
元撮像素子の画面上での傾きを検出することにより、イ
メージローテータ14による角度調節が正しく行われた
かどうかの判断を行うことも可能である。
【0046】また、図1の実施例の装置では、イメージ
ローテータ14を回転することにより、一次元血管トラ
ッキング方向と二次元撮像素子の主走査方向とを同時に
血管走行と垂直に調整する構成を採用している。しか
し、この方法を用いれば必ずしも血管走行方向と二次元
撮像素子28の走査方向との角度関係をローテータ14
などを用いて調整する必要がなく、装置の設計上の自由
度を向上することが可能である。
【0047】即ち、検出された抽出線の傾きから血管の
走行方向を判断し、その方向によって定まる座標系に対
して映像信号を変換すれば、血管走行に垂直な血管の位
置が得られることは周知の技術であるので、ここでは説
明を省略する。更に、1度この座標変換係数が定まった
後であれば、実際の信号処理方法として、第1、第2の
信号処理を応用することも可能であることは云うまでも
ない。
【0048】以上の説明では、眼底血流計、特にそのト
ラッキング制御部29に応用した実施例に基づいて行っ
たが、血管特定に関する本発明の構成・効果は血管径の
計測においても同様の効果を有する。その違いは血管の
走行方向に垂直な情報として血管径を算出するのか、血
管径を算出するかの違いであるため、ここでは細かく言
及しないこととする。
【0049】このような二次元の信号処置は、従来例の
一次元の信号処理に比べて時間が掛かるのが通常であ
る。しかし本実施例では、前述のようにその撮像範囲は
必要最小限となされているため、トラッキングの応答時
間を実用レベルに納めることが可能となる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る眼科検
査装置は、血管の走行方向に直角な方向の血管情報の算
出に際し、二次元撮像素子得られた映像信号を血管走行
方向を1つの軸とした座標系としてコーディングを行う
という第1のステップを経た上で、第2のステップによ
り血管情報を算出するので、単純な一次元の照度分布に
比べ多くの情報を用いることができるばかりか、その有
効な利用が可能である。
【0051】その結果、安定な血管情報の計測が可能と
なるばかりでなく、所望の眼底血管にそのコントラスト
が低い場合においても計測が可能となる。また、十分な
コントラストを有する血管においてはより正確な計測を
行うことができ、血管の誤認を防ぐことも可能となる。
また、従来では不可能であった近赤外光による血管情報
の計測が可能となる。
【0052】更に、第1のステップにおいて二次元撮像
素子の走査方向の一方を物理的に血管の走行方向に一致
させれば余分な演算を省くことが可能となり、血管のト
ラッキングシステムに利用する場合には、その応答性を
向上することが可能となる。
【0053】また、本発明に係る眼科検査装置は、トラ
ッキングのための光束偏向器を介して血管像を撮像する
ため、その撮像範囲は対象血管の近傍のみでよく、その
ため演算を行う撮像素子の撮像範囲と必要解像力から決
定される画素数も少なくて済み、信号処理をデジタル的
に行う場合であっても、その処理時間を短くすることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成図である。
【図2】撮像素子と撮像される血管の位置関係の説明図
である。
【図3】信号処理の説明図である。
【図4】信号処理の説明図である。
【図5】信号処理の説明図である。
【図6】信号処理の説明図である。
【図7】撮像素子と撮像される血管の位置関係の説明図
である。
【図8】信号処理の説明図である。
【図9】撮像素子と撮像される血管の位置関係の説明図
である。
【図10】信号処理の説明図である。
【図11】信号処理の説明図である。
【図12】信号処理の説明図である。
【図13】撮像素子と撮像される血管の位置関係の説明
図である。
【図14】信号処理の説明図である。
【図15】信号処理の説明図である。
【図16】信号処理の説明図である。
【図17】信号処理の説明図である。
【図18】信号処理の説明図である。
【図19】信号処理の説明図である。
【符号の説明】
1 観察用光源 2 対物レンズ 3 孔あきミラー 9 バンドパスミラー 14 イメージローテータ 15 ガルバノメトリックミラー 22 レーザーダイオード 25 トラッキング用光源 27 フォトマルチプライヤ 28 二次元撮像素子 29 トラッキング制御部 30 システム制御部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターゲットとなる特定の眼底血管を含む
    領域を照明する照明系と、前記特定眼底領域を撮像する
    撮像手段を有する撮像系と、血管情報算出手段とを有す
    る眼科装置において、前記血管情報算出手段は、前記撮
    像手段による映像信号を血管走行方向に略一致した軸を
    有する直交座標系を割り振る第1のステップと、該第1
    のステップにより割り振られた座標系を基に血管の走行
    方向に直角な方向の情報を算出する第2のステップとを
    有することを特微とする眼科検査装置。
  2. 【請求項2】 前記血管情報算出手段は血管径を算出す
    る請求項1に記載の眼科検査装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のステップは血管走行方向の特
    定を行う画像処理を含む請求項1に記載の眼科検査装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第2のステップは前記直交座標の血
    管走行方向への積分処理と血管走行と直角方向における
    フィルタ処理とを含む請求項1に記載の眼科検査装置。
  5. 【請求項5】 前記第2のステップは前記直交座標の血
    管垂直方向における特徴抽出処理と血管走行方向への連
    結判断とを含む請求項1に記載の眼科検査装置。
  6. 【請求項6】 ターゲットとなる特定の眼底血管を含む
    領域を照明する照明系と、光束偏向器を介して前記特定
    の眼底領域を撮像する撮像手段を有する撮像系と、前記
    撮像手段からの映像信号を処理して血管位置を算出し前
    記光束偏向器を駆動して前記眼底血管のトラッキングを
    行うトラッキング手段とを有する眼科装置において、前
    記撮像手段は二次元撮像素子であり、前記トラッキング
    手段は前記撮像素子の複数の走査線の情報から対象血管
    の血管走行と垂直な方向の位置を算出する血管位置算出
    手段を有することを特徴とする眼科検査装置。
  7. 【請求項7】 前記撮像系は前記撮像手段の撮像の操作
    方向を血管走行方向又は血管走行方向と垂直な方向に略
    一致させるための撮像操作方向回転手段を有する請求項
    1又は請求項6に記載の眼科検査装置。
  8. 【請求項8】 前記特定の眼底血管を含む領域を照明す
    る照明光は近赤外光とした請求項1又は請求項6に記載
    の眼科検査装置。
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