JP2000032886A - 魚釣用片軸受型リ―ル - Google Patents

魚釣用片軸受型リ―ル

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JP2000032886A
JP2000032886A JP11019857A JP1985799A JP2000032886A JP 2000032886 A JP2000032886 A JP 2000032886A JP 11019857 A JP11019857 A JP 11019857A JP 1985799 A JP1985799 A JP 1985799A JP 2000032886 A JP2000032886 A JP 2000032886A
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reel
spool shaft
fishing line
gear
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Akio Yamazaki
昭夫 山崎
Nobuyuki Yamaguchi
信之 山口
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Daiwa Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は魚釣用片軸受型リールに関し、ハン
ドルの左右の巻取り方向の切換作業が容易な片軸受型リ
ールを提供することを目的とする。 【解決手段】 スプール軸に支持した揺動体のスプール
軸方向への移動を規制し、当該揺動体をスプール軸上の
所定位置に保持する保持手段を設けて、当該保持手段の
解除で揺動体をスプール軸に着脱可能とすると共に、リ
ール本体の内側面に一対の係合孔を形成し、揺動体に、
係合孔の一方に係合し、釣糸の繰出し時に伝動歯車が制
動歯車に噛合可能に揺動体をスプール軸に若干の遊度を
持たせて揺動規制する規制部材を取り付け、当該規制部
材と係合孔との係合を解除し、スプール軸を回動中心と
して揺動体を回動させて他方の係合孔に規制部材を係合
させることで、スプールに装着したハンドルの左右巻取
り方向の切換えを可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右両用ハンドル
の魚釣用片軸受型リールに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、フライリールやチヌリールとして
左右両用ハンドルの魚釣用片軸受型リールが広く知られ
ており、従来、この種の片軸受型リールに於けるスプー
ル回転の制動機構は、ハンドルの左右巻取り方向に応じ
て、制動する回転方向を変更可能とした構造が一般的で
ある。
【0003】図13乃至図17は実開平5−95277
号公報に開示された左右両用ハンドルの片軸受型リール
を示し、図中、1はリール本体で、その中心に突設した
スプール軸3に揺動体5が揺動可能に支持されると共
に、スプール7が回転自在に嵌合されている。揺動体5
は、図13に示すように2本の腕部5a,5bと長尺な
規制腕部5cとで略Y字状に成形されており、リール本
体1の側面にカシメ固定された2本のピン9,10の一
方と規制腕部5cとの間にスプリング11が張設されて
いる。
【0004】そして、揺動体5はスプリング11によっ
て、規制腕部5cを挟んでリール本体1の内側面に設け
た係合孔13,15の一方に吸着したマグネットストッ
パ17に当接付勢されて揺動が規制されており、腕部5
a,5bには、夫々、軸19,21を介して伝動歯車2
3,25が回転自在に装着されている。一方、図14に
示すようにスプール7には、これと一体に回転する駆動
歯車27が設けられており、駆動歯車27は伝動歯車2
3,25と常時噛合した構造となっている。
【0005】また、スプール7の側面にはツマミハンド
ル29が軸31を介して回転自在に取り付き、更にスプ
ール7の中心には、当該スプール7をスプール軸3に着
脱させる係止板33が装着されてスプリング35で付勢
された構造となっている。そして、リール本体1に設け
られた円筒部37に、一側端面に摩擦板39を挟んで制
動歯車41が嵌合されており、リール本体1に装着した
制動力調節ネジ43の操作で、制動歯車41に対する制
動子45や摩擦板47,制動板49,板バネ51等によ
る制動力(ドラグ力)が調節できるようになっている。
【0006】従来の片軸受型リール53はこのように構
成されており、これを右ハンドル用として使用するに
は、図13に示すように規制腕部5cの右側の係合孔1
5にストッパ17を吸着させて、係合孔15と同方向側
のピン10と規制腕部5cとの間にスプリング11を張
設させればよい。そして、ツマミハンドル29によって
スプール7を矢印A方向(釣糸巻取り方向)へ回転させ
ると、揺動体5を同方向に揺動させる力がかかるが、規
制腕部5cがマグネットストッパ17に当接して揺動体
5の揺動が規制され、この時、伝動歯車23,25は制
動歯車41に噛合しないため、スプール7は制動を受け
ずに釣糸55の負荷のみで軽く回転(正転)することと
なる。
【0007】一方、図15に示すように釣糸55の繰出
しでスプール7が矢印B方向(釣糸繰出し方向)へ回転
すると、揺動体5が同方向へ揺動して伝動歯車25が制
動歯車41に噛合するため、スプール7の回転(逆転)
に制動力がかかることとなる。また、片軸受型リール5
3を左ハンドル用として使用するには、図16に示すよ
うに規制腕部5cの左側の係合孔13にストッパ17を
吸着させて、ピン9と規制腕部5cとの間にスプリング
11を張設させればよく、ツマミハンドル29によって
スプール7を矢印C方向(釣糸巻取り方向)へ回転させ
ると、揺動体5を同方向に揺動させる力がかかり、規制
腕部5cがマグネットストッパ17に当接して揺動体5
の揺動が規制される。
【0008】そして、この時、図16に示すように伝動
歯車23,25は制動歯車41に噛合しないため、スプ
ール7は制動を受けずに釣糸55の負荷のみで軽く回転
(正転)し、また、図17に示すように釣糸55の繰出
しでスプール7が矢印D方向(釣糸繰出し方向)へ回転
すると、揺動体5は同方向へ揺動して伝動歯車23が制
動歯車41に噛合するため、スプール7の回転(逆転)
に制動力がかかることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】然し、上記片軸受型リ
ール53は、リール本体1の側面に2本のピン9,10
をカシメ固定しているため、リール本体1の外側面にカ
シメ跡が残ってデザイン的に余り好ましいものとはいえ
なかった。
【0010】また、ツマミハンドル29の左右巻取り方
向の切換作業は、上述したようにピン9,10のいずれ
か一方と規制腕部5cとの間に張設するスプリング11
の張設方向を変更したりストッパ17の固定位置を変更
して行うが、スプリング11やストッパ17は小さな部
品であるため作業が面倒で手間がかかり、そして、岩場
や川縁での切換作業時にこれらを落としてしまうと、小
さな部品であるが故に見つけ難く紛失してしまう虞もあ
った。
【0011】更にまた、上述したように片軸受型リール
53は、ツマミハンドル29の左右巻取り方向に応じマ
グネットストッパ17の位置を変更することで、スプー
ル7の釣糸巻取り回転(正転;ドラグフリー状態)と釣
糸繰出し回転(逆転;ドラグ作動状態)の方向が切り換
わるが、この釣糸繰出し方向への回転時に、揺動体5に
対する制動歯車41との噛み合い方向への規制がないた
め、釣糸繰出し時に揺動体5上の伝動歯車23,25が
制動歯車41に押し付けられ続ける。
【0012】然し、伝動歯車23,25は、夫々、腕部
5a,5bにカシメ固定された軸19,21を介して揺
動体5に軸着されているため、制動時に伝動歯車23,
25が制動歯車41に押し付けられ続けると、長期に亘
る使用で腕部5a,5bと軸19,21とのカシメが緩
くなって伝動歯車23,25にかけられたフリクション
が弱まり、スプール7の正逆回転方向の切換えがスムー
ズに行えなくなる不具合が指摘されていた。
【0013】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、デザイン的に見栄えが良く、左右の巻取り方向の切
換作業が容易な左右両用ハンドルの片軸受型リールを提
供することを第一の目的とする。そして、本発明の第二
の目的は、釣糸繰出し時に於ける伝動歯車と制動歯車と
の噛合状態を改善して、スムーズなスプールの正逆回転
方向の切換えを可能とした片軸受型リールを提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、リール本体に突設したスプ
ール軸にスプールを回転自在に嵌合し、スプールと一体
的に回転する駆動歯車を、上記スプール軸に揺動可能に
支持した揺動体上の伝動歯車に噛合せしめると共に、当
該伝動歯車を、釣糸繰出し時にリール本体に装着した制
動歯車に噛合可能に臨ませた魚釣用片軸受型リールに於
て、スプール軸に支持した揺動体のスプール軸方向への
移動を規制し、当該揺動体をスプール軸上の所定位置に
保持する保持手段を設けて、当該保持手段の解除で揺動
体をスプール軸に着脱可能とすると共に、リール本体の
内側面に一対の係合孔を形成し、揺動体に、上記係合孔
の一方に係合し、釣糸の繰出し時に伝動歯車が制動歯車
に噛合可能に当該揺動体をスプール軸に若干の遊度を持
たせて揺動規制する規制部材を取り付け、当該規制部材
と係合孔との係合を解除し、スプール軸を回動中心とし
て揺動体を回動させて他方の係合孔に規制部材を係合さ
せることで、スプールに装着したハンドルの左右巻取り
方向の切換えを可能としたことを特徴とする。
【0015】そして、請求項2に係る発明は、請求項1
記載の魚釣用片軸受型リールに於て、係合孔は、スプー
ルの釣糸繰出し方向及び釣糸巻取り方向への回転に伴う
揺動体の揺動範囲を規制し、スプールの釣糸繰出し方向
への回転時に於ける揺動体上の伝動歯車と、リール本体
に装着した制動歯車との深噛みを防止することを特徴と
する。
【0016】(作用)請求項1に係る発明によれば、リ
ール本体からスプールを取り外した後、保持手段を解除
し、スプール軸を回動中心に揺動体を回動させて他方の
係合孔に規制部材を係合させれば、ハンドルの左右巻取
り方向の切換えが行えることとなる。また、請求項2に
係る発明によれば、係合孔が、スプールの釣糸繰出し方
向及び釣糸巻取り方向への回転に伴う揺動体の揺動範囲
を規制して、スプールの釣糸繰出し方向への回転時に於
ける伝動歯車と制動歯車との深噛みを防止する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1乃至図7は請求項1に係る
片軸受型リールの一実施形態を示し、図1に於て、57
はリール本体で、図2に示すようにその側面57aの中
心に固着したスプール軸59に、スプール61が回転可
能且つ着脱自在に嵌合されている。
【0018】そして、図1及び図2に示すようにスプー
ル軸59には、リール本体57の内側面57a-1との間
に間隙を開けて略小判形状の抜止部63が設けられてお
り、当該抜止部63と内側面57a-1との間に揺動体6
5が揺動可能に挿着されている。図1に示すように揺動
体65は、当該揺動体65にカシメ固定された取付ピン
66を介して伝動歯車67が取り付く腕部65aと、ス
プール軸59を挟んで当該腕部65aと反対側に延設さ
れた腕部65b,65cとで略Y字状に形成されてい
る。
【0019】そして、揺動体65の中央には、上記抜止
部63に挿通可能な取付孔69が抜止部63と略同一形
状を以って形成されている。そして、図3に示すように
リール本体57の前後方向に揺動体65を配置して取付
孔69にスプール軸59を挿入し乍ら、図4の如く抜止
部63を取付孔69に挿通させて揺動体65をリール本
体57の内側面57a-1と抜止部63との間に挿着した
後、スプール軸59を回動中心に揺動体65を矢印E方
向へ若干回動させると、抜止部63によって揺動体65
の抜止めが図られるようになっており、本実施形態で
は、上記抜止部63と取付孔69が、スプール軸59に
支持した揺動体65のスプール軸方向への移動を規制し
て、当該揺動体65をスプール軸59上の所定位置に保
持する保持手段として機能するようになっている。
【0020】一方、図2に示すようにスプール61に
は、これと一体に回転する駆動歯車71が潤滑油を含浸
したフェルト70を介して固着されており、スプール6
1と揺動体65を夫々スプール軸59に取り付けると、
図1及び図5に示すように駆動歯車71が伝動歯車67
に噛合するようになっている。そして、従来と同様、ス
プール61の側面にはツマミハンドル73が軸75を介
して回転可能に取り付けられているが、スプール61は
図示しない係止部材を介してスプール軸59に回転可能
に係止されており、スプール61の側面中央に装着した
着脱スイッチ77をスプール61内へ押圧操作すると、
係止部材が外れてスプール61がスプール軸59から取
り外せるようになっている。
【0021】尚、図2中、78はスプール61の側面に
固着されたバランサである。また、図1及び図2に示す
ようにリール本体57の側面57aの下部には、筒状の
支持部材79を介して制動歯車81が回転可能に装着さ
れると共に、当該支持部材79を挿通する調節ツマミ8
3のネジ軸83aに制動体85が制動歯車81の一側面
に対向して螺着されており、上記調節ツマミ83を締付
け操作すると、制動歯車81との間に介装したライニン
グワッシャ87を介して制動体85が制動歯車81の一
側面に圧接して、スプール61に対する制動歯車81の
制動力が強まるようになっている。
【0022】更にまた、図3中、89,91はリール本
体57上部の内側面57a-1に形成された係合孔で、図
示するように両係合孔89,91は制動歯車81とスプ
ール軸59の中心を通るリール本体57の中心線Lを挟
んで左右対称に設けられている。そして、図1に示すよ
うに揺動体65の腕部65b,65c間には、両係合孔
89,91に係合可能な規制部材93が短冊状の板バネ
95を介して取り付けられており、本実施形態に係る片
軸受型リール97を右ハンドル用として使用する場合、
図3に示すように揺動体65をスプール軸59の抜止部
63とリール本体57の内側面57a-1との間に挿着し
た後、揺動体65を矢印E方向へ回動させて、図1の如
く規制部材93を一方の係合孔91に係合させればよ
く、斯様に揺動体65をスプール軸59に取り付ける
と、伝動歯車67が制動歯車81に近接する。
【0023】そして、ツマミハンドル73の操作でスプ
ール61を矢印F方向(釣糸巻取り方向)へ回転させる
と、揺動体65を同方向へ揺動させる力がかかるが、係
合孔91に係合する規制部材93によって揺動体65の
揺動が規制され、この時、伝動歯車67は制動歯車81
に噛合せず、スプール61は制動を受けずに釣糸の負荷
のみで軽く回転する。
【0024】また、釣糸の繰出しでスプール61が矢印
G方向(釣糸繰出し方向)へ回転すると、揺動体65を
同方向へ揺動させる力がかかるが、係合孔91と規制部
材93は、釣糸の繰出し時に伝動歯車67が制動歯車8
1に噛合するように揺動体65をスプール軸59に対し
若干の遊度を持たせて揺動規制するように構成されてい
る。
【0025】従って、釣糸の繰出しに伴い、伝動歯車6
7が制動歯車81に噛合してスプール61の回転に制動
力がかかるようになっている。一方、上述の如く右ハン
ドル用としてセットされた片軸受型リール97を左ハン
ドル用として使用するには、図6の如くリール本体57
からスプール61を取り外した後、板バネ95のバネ力
に抗して規制部材93を引き上げて係合孔91との係合
を解除し、伝動歯車67が制動歯車81に当たらない位
置まで揺動体65を引き上げて、揺動体65を図3と前
後方向を逆にする位置まで回動させればよい。
【0026】そして、再び、取付孔67に抜止部63を
挿通させて、揺動体65をリール本体57の内側面57
a-1と抜止部63との間に挿着した後、図7に示す位置
まで揺動体65を回動させて規制部材93を他方の係合
孔89に係合すればよく、斯様に揺動体65をスプール
軸59に取り付けると、伝動歯車67が制動歯車81に
近接するようになっている。
【0027】そして、ツマミハンドル73の操作でスプ
ール61を矢印H方向(釣糸巻取り方向)へ回転させる
と、揺動体65を同方向へ揺動させる力がかかるが、係
合孔89に係合する規制部材93によって揺動体65の
揺動が規制され、この時、伝動歯車67は制動歯車81
に噛合せず、スプール61は制動を受けずに釣糸の負荷
のみで軽く回転する。
【0028】また、釣糸の繰出しでスプール61が矢印
I方向(釣糸繰出し方向)へ回転すると、揺動体65を
同方向に揺動させる力がかかるが、係合孔89と規制部
材93も、釣糸の繰出し時に伝動歯車67が制動歯車8
1に噛合するように揺動体65をスプール軸59に対し
若干の遊度を持たせて揺動規制するように構成されてお
り、釣糸の繰出しに伴い、伝動歯車67が制動歯車81
に噛合してスプール61の回転に制動力がかかるように
なっている。
【0029】このように、本実施形態は、スプール軸5
9に対する揺動体65の取付方向を変更することで、ハ
ンドルの左右の巻取り方向の切換作業が行えるように構
成されている。また、図1中、99は腕部65cの先端
に装着されたクリック爪で、当該クリック爪99と他方
の腕部65bとの間に、クリック爪99を矢印J方向へ
付勢する引張りバネ101が張設されている。そして、
図2に示すようにスプール61には、上記クリック爪9
9に係止するラチェット爪歯車103が取り付けられて
おり、従来と同様、スプール61の釣糸巻取りや繰出し
操作に伴いラチェット爪歯車103にクリック爪99が
係止して、クリック音が発生するようになっている。
【0030】また、上記引張りバネ101は、クリック
爪99を矢印J方向へ付勢する作用と併せて、板バネ9
5をリール本体57の内側面57a-1に押圧するように
なっており、当該引張りバネ101の押圧作用で揺動体
65のガタ付きが防止されている。その他、図1中、1
05はリール本体57にビス止めされたリールスタン
ド、107はリール本体57に一体成形されたピラーで
ある。
【0031】本実施形態に係る片軸受型リール97はこ
のように構成されているから、既述したように上記片軸
受型リール97を右ハンドル用に使用するには、図1の
如く規制部材93を係合孔91に係合させてスプール軸
59に揺動体65を挿着すればよい。そして、ツマミハ
ンドル73の操作でスプール61を矢印F方向へ回転さ
せれば、上述したように揺動体65を同方向へ揺動させ
る力がかかるが、係合孔91に係合する規制部材93に
よって揺動体65の揺動が規制され、この時、伝動歯車
67は制動歯車81に噛合せず、スプール61は制動を
受けずに釣糸の負荷のみで軽く回転する。
【0032】また、釣糸の繰出しでスプール61が矢印
G方向へ回転すると、揺動体65が同方向へ揺動して伝
動歯車67が制動歯車81に噛合するので、スプール6
1の回転に制動力がかかることとなる。そして、調節ツ
マミ83の操作で制動歯車81に対する制動体85の圧
接力が変化するので、スプール61に対する制動力の強
弱が調節できることとなる。
【0033】一方、上述の如く右ハンドル用としてセッ
トされた片軸受型リール97を左ハンドル用に使用する
には、既述したようにリール本体57からスプール61
を取り外した後、図6に示すように板バネ95のバネ力
に抗して規制部材93を引き上げて係合孔91との係合
を解除する。そして、揺動体65をスプール軸59の軸
方向へ引き上げて、揺動体65を図3と前後方向を逆に
する位置まで回動させ、再び、取付孔67に抜止部63
を挿通させて、揺動体65をリール本体57の内側面5
7a-1と抜止部63との間に挿着した後、図7に示す位
置まで揺動体65を回動させて規制部材93を他方の係
合孔89に係合すればよい。
【0034】そして、ツマミハンドル73の操作でスプ
ール61を矢印H方向へ回転させれば、揺動体65を同
方向へ揺動させる力がかかるが、係合孔89に係合する
規制部材93によって揺動体65の揺動が規制され、こ
の時、伝動歯車67は制動歯車81に噛合しないため、
スプール61は制動を受けずに釣糸の負荷のみで軽く回
転する。
【0035】また、釣糸の繰出しでスプール61が矢印
I方向へ回転すると、揺動体65が同方向へ揺動して伝
動歯車67が制動歯車81に噛合するので、スプール6
1の回転に制動力がかかることとなる。そして、同様に
調節ツマミ83の操作で、制動歯車81に対する制動体
85の圧接力が変化して、スプール61に対する制動力
の強弱が調節されることとなる。
【0036】このように、本実施形態に係る片軸受型リ
ール97は、スプール軸59の軸方向に揺動体65をス
ライドさせてスプール軸59に対する揺動体65の取付
方向を変更することで左右の巻取り方向の切換作業が行
え、而も、揺動体65にクリック爪99や引張りバネ1
01,規制部材93が組み付けられているので、図13
以下に示す従来の片軸受型リール53に比しハンドルの
左右巻取り方向の切換作業が容易に行えると共に、製造
時の組付け作業やメンテナンスが容易に行える利点を有
する。
【0037】また、図13に示す片軸受型リール53で
は、リール本体1の外側面にカシメ跡が残ってしまって
いたが、本実施形態は、上述の如き構成としたことでリ
ール本体57の外側面にカシメ跡が無くなるため、デザ
イン的に優れ、更にまた、デザイン上の自由度が増すと
いった利点を有する。尚、上記実施形態では、スプール
軸59と揺動体65に夫々抜止部63と取付孔69を設
けて、これらを揺動体65のスプール軸方向への移動を
規制する保持手段として機能させたが、図8に示すよう
にスプール軸59に挿着したスプール61によって揺動
体65を弾性的に押圧するワッシャ109やスプリング
(図示せず)をスプール軸59に挿着して、これらを揺
動体65の保持手段として機能させてもよい。
【0038】また、上記実施形態は、揺動体65の腕部
65aに一個の伝動歯車67を軸着したが、腕部65a
を制動歯車81を挟んで略V字状に成形して両腕部に夫
々伝動歯車を軸着し、ハンドルの左右巻取り方向の切換
に伴い、一方の伝動歯車が釣糸の繰出し時に制動歯車8
1に噛合するように構成してもよく、而も、この場合、
中心線Lを挟んで左右対称な上記係合孔89,91に代
え、ハンドルの左右巻取り方向の切換に伴い、一方の伝
動歯車が釣糸の繰出し時に制動歯車81に噛合するよう
に一対の係合孔を配置することも可能で、格別係合孔を
中心線Lを挟んで左右対称に設ける必要はない。
【0039】更に、上記実施形態では、規制部材93を
板バネ95によって保持したが、規制部材93を揺動体
65に挿通すると共に、揺動体65の裏面側と規制部材
93との間にバネ部材を介装して規制部材93を係合孔
89,91に係合可能に弾性支持しても良いし、規制部
材93を揺動体65に固着して、規制部材93を係合孔
89,91に係合可能に揺動体65自体をバネ部材でリ
ール本体57の内側面57a-1に弾性支持してもよく、
これらの各実施形態によっても、上記実施形態と同様、
所期の目的を達成することが可能である。
【0040】また、上記実施形態では、スプール61と
駆動歯車71との間に潤滑油を含浸したフェルト70を
介在させたが、フェルト70の潰れによるスプール61
のガタ付きを防止するため、図9及び図10に示すよう
にフェルト70の外形形状に沿って成形された断面コ字
状のフェルト保護部材111内に当該フェルト70を装
着して、これらをスプール61と駆動歯車71との間に
組み込んでもよい。
【0041】図11及び図12は請求項1及び請求項2
に係る片軸受型リールの一実施形態を示し、本実施形態
は、スプールの釣糸繰出し方向への回転時に於ける伝動
歯車と制動歯車との深噛みを積極的に防止したもので、
以下、本実施形態を図面に基づき説明する。尚、上記実
施形態と同一のものには同一符号を付してそれらの説明
は省略する。
【0042】図11に於て、89-1,91-1は既述した
係合孔89,91と同様、リール本体57上部の内側面
57a-1に形成された係合孔で、両係合孔89-1,91
-1はリール本体57の中心線を挟んで左右対称に設けら
れており、上記実施形態と同様、本実施形態に係る片軸
受型リール97-1を右ハンドル用として使用する場合に
は、図11に示すように規制部材93を一方の係合孔9
1-1に係合し、また、左ハンドル用として使用する場合
には規制部材93を他方の係合孔89-1に係合させれば
よい。
【0043】そして、上記係合孔89-1,91-1は、夫
々、スプール61の釣糸巻取り方向への回転に伴う揺動
体65の揺動範囲を規制すると共に、スプール61の釣
糸繰出し方向への回転に伴う揺動体65の揺動範囲を規
制して、揺動体65上の伝動歯車67とリール本体57
に装着した制動歯車81との深噛みを防止する寸法に成
形されており、図11に示すようにツマミハンドル73
の操作でスプール61を矢印F方向(釣糸巻取り方向)
へ回転させると、係合孔91-1と規制部材93との作用
で揺動体65の同方向への揺動が規制され、また、図1
2に示すように釣糸の繰出しでスプール61が矢印G方
向(釣糸繰出し方向)へ回転すると、係合孔91-1と規
制部材93との作用で揺動体65の同方向への揺動が規
制されて、伝動歯車67が制動歯車81に深噛みするこ
となく噛合するようになっている。
【0044】本実施形態はこのように構成されており、
図11に示すようにスプール61を矢印F方向へ回転さ
せると、係合孔91-1と規制部材93との作用で揺動体
65の揺動が規制され、また、図12に示すように釣糸
の繰出しでスプール61が矢印G方向へ回転すると、係
合孔91-1と規制部材93との作用で揺動体65の揺動
が規制され、この結果、伝動歯車67が制動歯車81に
深噛みすることなく噛合してスプール61に制動力がか
かることとなる。
【0045】従って、本実施形態によれば、上記実施形
態と同様の効果に加え、スプール61の制動時に制動歯
車91への伝動歯車67の押付力が極端に大きくなら
ず、伝動歯車67の揺動体65へのカシメが緩んだりガ
タ付きが発生する不具合が解消され、この結果、経年変
化によって生ずる伝動歯車67に対するフリクションの
変化の幅が小さくなるため、スプール61の回転方向の
切換えが長期に亘ってスムーズに行えると共に、スプー
ル制動時に制動歯車91への伝動歯車67の押付力が軽
減されることで、伝動歯車67,制動歯車81の偏摩耗
や歯こぼれ等を防止することが可能となる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る片軸
受型リールによれば、従来に比しハンドルの左右巻取り
方向の切換作業が容易に行えると共に、製造時の組付け
作業やメンテナンスが容易に行える利点を有する。ま
た、リール本体の外側面に従来の如きピンのカシメ跡が
無くなるため、デザイン的に優れ、デザイン上の自由度
が増すといった利点を有する。
【0047】そして、請求項2に係る発明によれば、ス
プールの制動時に制動歯車への伝動歯車の押付力が極端
に大きくならず、伝動歯車の揺動体へのカシメが緩んだ
りガタ付きが発生する不具合が解消され、この結果、経
年変化によって生ずる伝動歯車に対するフリクションの
変化の幅が小さくなるため、スプールの回転方向の切換
えが長期に亘ってスムーズに行えると共に、スプール制
動時に制動歯車への伝動歯車の押付力が軽減されること
で、伝動歯車,制動歯車の偏摩耗や歯こぼれ等を防止す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】右ハンドルで使用される請求項1の一実施形態
に係る片軸受型リールの断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】揺動体の取付方法を示す片軸受型リールの断面
図である。
【図4】揺動体の取付方法を示す片軸受型リールの要部
断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】揺動体の取外し方法を示す片軸受型リールの要
部断面図である。
【図7】左ハンドルで使用される請求項1の一実施形態
に係る片軸受型リールの断面図である。
【図8】保持手段の変形例を示す片軸受型リールの要部
断面図である。
【図9】図1に示す片軸受型リールの他の変形例の要部
拡大断面図である。
【図10】フェルトとフェルト保護部材の斜視図であ
る。
【図11】スプールの釣糸巻取り方向への回転時に於け
る請求項1及び請求項2の一実施形態に係る片軸受型リ
ールの断面図である。
【図12】スプールの釣糸繰出し方向への回転時に於け
る請求項1及び請求項2の一実施形態に係る片軸受型リ
ールの断面図である。
【図13】右ハンドルで使用される図14の片軸受型リ
ールのXIII−XIII線断面図である。
【図14】従来の片軸受型リールの要部断面図である。
【図15】スプールの釣糸繰出し方向への回転時に於け
る図13の片軸受型リールの要部断面図である。
【図16】左ハンドルで使用される図14の片軸受型リ
ールの要部断面図である。
【図17】スプールの釣糸繰出し方向への回転時に於け
る図16の片軸受型リールの要部断面図である。
【符号の説明】
57 リール本体 59 スプール軸 61 スプール 63 抜止部 65 揺動体 67 伝動歯車 69 取付孔 71 駆動歯車 73 ツマミハンドル 81 制動歯車 83 調節ツマミ 85 制動体 89,89-1,91,91-1 係合孔 93 規制部材 95 板バネ 97,97-1 片軸受型リール 99 クリック爪 101 引張りバネ 103 ラチェット爪歯車

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リール本体に突設したスプール軸にスプ
    ールを回転自在に嵌合し、 スプールと一体的に回転する駆動歯車を、上記スプール
    軸に揺動可能に支持した揺動体上の伝動歯車に噛合せし
    めると共に、 当該伝動歯車を、釣糸繰出し時にリール本体に装着した
    制動歯車に噛合可能に臨ませた魚釣用片軸受型リールに
    於て、 上記スプール軸に支持した揺動体のスプール軸方向への
    移動を規制し、当該揺動体をスプール軸上の所定位置に
    保持する保持手段を設けて、当該保持手段の解除で揺動
    体をスプール軸に着脱可能とすると共に、 リール本体の内側面に一対の係合孔を形成し、 揺動体に、上記係合孔の一方に係合し、釣糸の繰出し時
    に伝動歯車が制動歯車に噛合可能に当該揺動体をスプー
    ル軸に若干の遊度を持たせて揺動規制する規制部材を取
    り付け、 当該規制部材と係合孔との係合を解除し、スプール軸を
    回動中心として揺動体を回動させて他方の係合孔に規制
    部材を係合させることで、 スプールに装着したハンドルの左右巻取り方向の切換え
    を可能としたことを特徴とする魚釣用片軸受型リール。
  2. 【請求項2】 係合孔は、スプールの釣糸繰出し方向及
    び釣糸巻取り方向への回転に伴う揺動体の揺動範囲を規
    制し、スプールの釣糸繰出し方向への回転時に於ける揺
    動体上の伝動歯車と、リール本体に装着した制動歯車と
    の深噛みを防止することを特徴とする請求項1記載の魚
    釣用片軸受型リール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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