JP2000030927A - 超電導磁石装置 - Google Patents

超電導磁石装置

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JP2000030927A
JP2000030927A JP19433798A JP19433798A JP2000030927A JP 2000030927 A JP2000030927 A JP 2000030927A JP 19433798 A JP19433798 A JP 19433798A JP 19433798 A JP19433798 A JP 19433798A JP 2000030927 A JP2000030927 A JP 2000030927A
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JP
Japan
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gas recovery
bellows
tank
recovery pipe
coil
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JP19433798A
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Seiji Kano
誠治 狩野
Hidenari Akagi
秀成 赤木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気浮上車両走行時の振動に起因するガス回
収配管部の摩擦発熱を低減させ、且つ装置の信頼性を向
上させた超電導磁石装置の提供を目的とする。 【解決手段】 超電導コイルと、超電導コイル用冷媒を
収納するコイル内槽と、超電導コイル用冷媒を貯蔵する
タンク内槽と、コイル内槽の相互間やコイル内槽とタン
ク内槽間とを接続し、ガス化して蒸発した冷媒を回収す
るガス回収配管とを備えた超電導磁石装置において、上
記ガス回収配管の両端側にベローズを設けたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば磁気浮上車
両等に搭載される超電導磁石装置に関し、詳しくは、超
電導コイルと、超電導コイル用冷媒を収納するコイル内
槽と、超電導コイル用冷媒を貯蔵するタンク内槽と、コ
イル内槽の相互間やコイル内槽とタンク内槽間とを接続
し、ガス化して蒸発した冷媒を回収するガス回収配管と
を備えた超電導磁石装置関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は例えば特開平6−20831号公
報に示される従来の浮上式鉄道車両構成の概略を示す断
面図、図6は図5における超電導磁石の構成の概略を示
す正面からみた断面図で線A−Aを左右方向の対象線と
して超電導磁石装置の約半分を示している。図7は図6
におけるB−B断面図である。図5において、符合19
は超電導磁石装置であり、台車枠9に固定されている。
台車枠9の上部に空気バネ等を介して車体18が構成さ
れている。16は推進コイル、17は浮上案内コイルで
あり、地上側軌道に施設されている。
【0003】図6、図7において、符号1は超電導線を
レーストラック状に巻き回し樹脂含浸してなる超電導コ
イル、2a、2bはコイル内槽で、内部に超電導コイル
1を収納し極低温(4.2k)に冷却するための超電導
コイル用冷媒としての液体ヘリウム等の冷媒3を貯蔵
し、非磁性である例えばステンレス鋼等からなる。この
従来例に示す超電導磁石ではコイル内槽が複数個で構成
されており、2aは左端の第1のコイル内槽を、2bは
右隣の第2のコイル内槽を示している。
【0004】符号4は輻射シールド板で、コイル内槽2
a、2bを取り囲み常温部からの輻射熱を遮蔽するため
のものであり、通常は液体窒素を輻射シールド板の表面
に接合した冷却配管に流すことによって液体窒素温度
(77k)に保持されている。又、符号5は外槽で、非
磁性と軽量を兼ね備えたアルミニウム合金等から成り、
コイル内槽2a、2b、輻射シールド板4を収納し、常
温部から対流による熱の侵入を防止するため真空空間を
構成している。
【0005】超電導コイル1を収納し冷媒3で満たされ
たコイル内槽2a、2bや輻射シールド板4は、断熱支
持材7を介して外槽5に支持されており、外槽5はボル
ト8で台車枠9に固定されている。符号12はタンク内
槽で、超電導コイル1を冷却するための超電導コイル用
冷媒としての液体ヘリウム等の冷媒3を貯蔵し、非磁性
である例えばステンレス鋼等からなる。4aは輻射シー
ルド板で、タンク内槽12を取り囲み常温部からの輻射
熱を遮蔽するためのものであり、通常は液体窒素を輻射
シールド板4の表面に接合した冷却配管に流すことによ
って液体窒素温度(77k)に保持されている。5aは
タンク内槽12で、非磁性と軽量を兼ね備えたアルミニ
ウム合金等から成り、タンク輻射シールド板4aを収納
し、常温部から対流による熱の侵入を防止するために真
空空間を構成している。
【0006】符号11は外部より超電導コイル1に電流
を供給するための電流リードであり、容器状の外槽5内
に収納されている。電流リード11の常温端は外槽5の
外部に引き出され外部電源からの電流を供給するため電
流端子11aが設けられている。
【0007】超電導コイル用冷媒としての液体ヘリウム
等の冷媒3が貯蔵されたタンク内槽12やタンク輻射シ
ールド板4aは、上記のコイル部分で説明した断熱支持
材7に相当する断熱支持材13を介してタンク外槽5a
に支持されている。符号14及び15は第1のガス回収
配管及び第2のガス回収配管で、コイル内槽2a、2b
から蒸発してガス化した冷媒3を回収するものであり、
図8に示すように内部は、外部より冷媒3を供給するた
めの注液配管6aや、タンク内槽12からコイル内槽2
a、2bへ冷媒3を補給するための補給配管6b等の内
部配管が内蔵されている。上記した第1のガス回収配管
14は第1のコイル内槽2aとタンク内槽12との間、
第2のガス回収配管15は第1のコイル内槽2aと第2
のコイル内槽2bとの間を繋いでいる。上記した内部配
管としての注液配管6aや補給配管6bはガス回収配管
14、15内に溶接等にて、所定のピッチで設置された
内部配管支持材lとしての注液配管補給配管支持材l6
d、6eによって強固に固定或いは若干の変位が可能と
なるように支持されている。尚、6dは強固に固定され
た注液配管補給配管支持材l、6eは若干の変位が可能
な注液配管補給配管支持材lである。
【0008】上記第1、第2のガス回収配管14、15
には、コイル内槽2aとタンク内槽12との間や、コイ
ル内槽2aとコイル内槽2bとの相互間の熱収縮変位分
を吸収するため、それぞれ1個のベローズ14a、15
aが設けられており、内部配管としての注液配管6aや
補給配管6bは、上記ガス回収配管14,15のベロー
ズ付近の内部で、鞘状に構成されたの差込み接続部6f
にて、ガス回収配管14,15と同様に、熱収縮変位分
を吸収している。コイル内槽2a、2bやタンク内槽1
2の熱収縮は、コイル内槽2a、2bを外槽5に支持し
ている複数個の断熱支持材7の配置の中心や、タンク内
槽2a、2bをタンク外槽5aに支持している複数個の
断熱支持材13の配置の中心に向かって発生する。尚、
この超電導磁石装置において、20aはコイル内槽2
a、20bはコイル内槽2a、20cはタンク内槽12
の熱収縮中心を示す。
【0009】図中の第1及び第2のガス回収配管14、
15は、それぞれベローズ14a、15aの近傍をそれ
ぞれのガス回収配管支持材l14b、15bによってコ
イル内槽2a、2b、或いはタンク内槽12に支持され
ている。
【0010】上記のように構成された従来の超電導磁石
装置は、車両走行時に車両側の超電導コイル1と軌道側
の推進コイル16との間には車両を推進させるための推
進力が働き、超電導コイル1と軌道側の浮上案内コイル
17との間には車両を浮上させるための浮上力と車両を
軌道の中心に保つための案内力が働く。これらの推進
力、浮上力、案内力には地上コイル配置敷設ピッチに伴
う磁場変動による脈流成分が含まれており、車両走行
中、超電導磁石装置19の主に外槽5を介してコイル内
槽2やタンク内槽12は、走行速度に対応した高調波電
磁外乱を受けて振動する。超電導磁石装置19は、車両
自身の振動と上記高調波電磁外乱による振動で数Hzか
ら数百Hzまで加振される。コイル内槽2a、2bやタ
ンク内槽12は、それぞれ独自の大きさと位相をもって
振動するので、各内槽間は相対的な変位が発生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の超電導磁石装置
は、以上のように構成されており、コイル部の外槽5の
振動の影響を受けて、コイル内槽、タンク内槽、ガス回
収配管、ベローズ、注液配管、補給配管等が振動し且つ
変位するので、配管支持部や配管接続部や配管相互やベ
ローズ自身等でこすれが発生し、このこすれ摩擦発熱に
よって冷媒3の蒸発量が増大するという問題があった。
特にコイル内槽2aとタンク内槽12との間、コイル内
槽2aとコイル内槽2bとの相互間の熱収縮変位分を吸
収するために設けられたガス回収配管14、15のベロ
ーズ部14a、15aは、振動による変位と各内槽間の
相対変位が大きく、こすれ摩擦発熱発生の主たる発生源
の一つとなっていた。又、大きな相対変位が変位吸収量
の小さいベローズの径方向でも発生するのでベローズの
強度上からも余裕はなかった。そこで、ベローズを用い
て構成されたガス回収配管14,15に対して、冷却に
よる熱収縮変位分を吸収する機能を保ちながら、こすれ
摩擦発熱が小さく、且つベローズの変位を小さくして強
度に余裕を持ち装置の信頼性を向上させたい、という課
題があった。
【0012】本発明は、上記のような課題を解消する、
ガス回収配管の構成に関するもので、振動による変位に
起因するこすれ摩擦発熱を低減させ、且つ熱収縮変位分
を吸収する機能を保ち、信頼性の高い超電導磁石装置の
提供を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、超電
導コイルと、超電導コイル用冷媒を収納するコイル内槽
と、超電導コイル用冷媒を貯蔵するタンク内槽と、コイ
ル内槽の相互間やコイル内槽とタンク内槽間とを接続
し、ガス化して蒸発した冷媒を回収するガス回収配管と
を備えた超電導磁石装置において、上記ガス回収配管の
両端側にベローズを設けたことを特徴とする。
【0014】請求項2の発明は、請求項1に記載の超電
導磁石装置において、両端側にベローズが設けられたガ
ス回収配管のベローズとベローズとの間にガス回収配管
専用の支持材を断熱支持させたことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、超電導コイルと、超電
導コイル用冷媒を収納するコイル内槽と、超電導コイル
用冷媒を貯蔵するタンク内槽と、コイル内槽の相互間や
コイル内槽とタンク内槽間とを接続し、ガス化して蒸発
した冷媒を回収するガス回収配管とを備えた超電導磁石
装置において、上記ガス回収配管の両端側にベローズを
設けると共に、当該ガス回収配管に内蔵された冷媒を注
液するための注液配管やタンク内槽から冷媒を補給する
ための補給配管にベローズを設けたことを特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、請求項3に記載の超電
導磁石装置において、注液配管や補給配管に設けられる
ベローズはガス回収配管に設けられたベローズの内側で
あることを特徴とする。
【0017】請求項5の発明は、請求項3又は請求項4
に記載の超電導磁石装置において、ガス回収配管とガス
回収配管に内蔵された注液配管や補給配管とガス回収配
管とを両端に設けられたベローズとベローズとの間のガ
ス回収配管内にて固定したことを特徴とする。
【0018】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
の何れかに記載の超電導磁石装置において、ガス回収配
管に垂直方向の延在部を設け両端側に設けられるベロー
ズのうち一方を当該垂直方向の延在部に設けたことを特
徴とする。
【0019】請求項7の発明は、請求項5に記載の超電
導磁石装置において、ガス回収配管に内蔵された注液配
管や補給配管の両端側に設けられるベローズのうち一方
をガス回収配管の垂直方向に延在された延在部に設けた
ことを特徴とする。
【0020】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7
の何れかに記載の超電導磁石装置において、ガス回収配
管の外周に当該ガス回収配管と同心にして円筒状の支持
材を設け、当該支持材を介してガス回収配管を断熱支持
したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態例1.以下、実施の形
態1を図1について説明する。図1は超電導磁石装置の
要部を示す断面図で、従来例の図8に相当した図であ
る。図において、超電導コイル1、コイル内槽2a、2
b、タンク内槽12、輻射シールド板4、4a等が断熱
効果を備えた支持材7、13によって外槽5やタンク外
槽5aに支持されて収納されている点については従来の
装置と同様である。従来の装置と同一若しくは相応する
部分は同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0022】次にガス回収配管の構成について説明す
る。第1のコイル内槽2aや第2のコイル内槽2bで発
生して第1のコイル内槽2aの上部に集められた超電導
コイル用冷媒(以下、単に冷媒ともいう)3のガスを、
タンク内槽12へ回収する第1のガス回収配管14の両
端側にそれぞれベローズ14aが設けられている。又、
第1のコイル内槽2aと第2のコイル内槽2bとの上部
を相互に接続して、第2のコイル内槽2bで発生した冷
媒3のガスを、第1のコイル内槽2aの上部へと導く第
2のガス回収配管15の両端側にもそれぞれベローズ1
5aが設けられている。ベローズ14aが両端側に設け
られた第1のガス回収配管14や、ベローズ15aが両
端側に設けられた第2のガス回収配管15等のガス回収
配管は、それぞれ中央部、即ち、両端側にベローズが設
けられたガス回収配管のベローズとベローズとの間に、
断熱効果を備えたガス回収配管専用の支持材21を介在
させて、外槽5或いはタンク外槽5aに強固に支持され
ている。上記のように、第1、第2のガス回収配管1
4、15にベローズ14a、14aやベローズ15a、
15aを設けているのは、各内槽2a、2bの熱収縮変
位をこの回収配管13,15の軸方向にて吸収させるた
めである。
【0023】図1における第2のガス回収配管15の取
付部の熱収縮変位量について説明する。第1のコイル内
槽2aは図中の符号20aで示す黒点、第2のコイル内
槽2bは図中の符号20bで示す黒点に向かってそれぞ
れ熱収縮する。本発明の例に示す超電導磁石装置の内槽
2a、2bは、通常ステンレス鋼で構成され超電導コイ
ル用冷媒である液体ヘリウム温度(4.2k)まで冷却
されるため、常温に対して約3/1000熱収縮する。
この熱収縮を第2のガス回収配管15の取付部で算出す
ると、第1のコイル内槽2aの取付部では図上左に約2
mm、第2のコイル内槽2bの取付部では図上右に約2
mm変位する。従って、この実施の形態1では、左右方
向の熱収縮による変位分合計4mmを第2のガス回収配
管15の両端側に設けられた2個のベローズ15a、1
5aの軸方向の伸びにて吸収していることに成る。同様
に、この第2のガス回収配管15に内蔵されている内部
配管としての注液配管6aもその両端側に設けられた2
個の内部配管ベローズ6g、6gで熱収縮変位分が吸収
されている。
【0024】第2のガス回収配管15の中央部は、支持
材21で外槽5に支持されおり、第2のガス回収配管1
5の両端側に設けられた2個のベローズ15a、15a
は約2mmずつ管の軸方向の伸びで熱収縮を吸収してい
る。従来の構成では、ベローズ15aは1個であったた
め約4mmを軸方向の伸びで熱収縮を吸収していた。こ
れに対して、本発明に係わる第2のガス回収配管15の
構成では、2個のベローズ15a、15による静的な変
位量が従来に比較して1/2となるので、変位量が少な
い状態で使用でき、ベローズ15a、15aひいては装
置の信頼性を向上させることができる。
【0025】一方、異常発熱の原因のひとつであるこす
れ摩擦発熱を発生させる動的な振動に伴うベローズの変
位量について、従来の構成では、第1のコイル内槽2a
と第2のコイル内槽2bとの間の相対変位を第2のガス
回収配管15に設けられた1個のベローズ15aで受け
持っていた。これに対して、本発明では第2のガス回収
配管15の両端側に設けられた2個のベローズ15a、
15aのうち一方を、即ちこの実施の形態1では図上左
側のベローズ15aで第1のコイル内槽2aの動的変位
を受け持ち、他方を、即ちこの実施の形態1では図上右
側のベローズ15aで第2のコイル内槽2bの動的変位
を受け持つことになるので、動的な変位量も1/2とす
ることができる。このようにして、動的な変位量を低減
させることにより、ある動的な変位量を境に急激に増大
するベローズ自身のこすれ摩擦発熱や内部配管との接触
に伴うこすれ摩擦発熱の低減を図ることができた。又、
コイル内槽2aとコイル内槽2bとの相互間の動的相対
変位は、変位吸収量の小さいベローズの径方向に主に発
生するので動的な変位量の低減により、ベローズの強度
上も余裕ができ、装置の信頼性を向上させることができ
る。
【0026】更に、この実施の形態1では、図1に示す
通り、第2のガス回収配管15に内蔵された内部配管と
しての注液配管6aにもガス回収配管15の両端側に設
けられたそれぞれのベローズ15a、15aの内側、即
ちべローズ15a、15aの範囲内の注液配管6aの延
在部位に、内部配管ベローズ6gを設けている。第2の
ガス回収配管部15の両端側に設けられた2個のベロー
ズ15a、15aの設置により、当該部の動的な変位量
を低減させ、内部配管との接触に伴うこすれ摩擦発熱の
低減を図ることができた。従来の構造では、内部配管は
変位吸収部が鞘構造となっていたため、鞘部でのこすれ
摩擦発熱6fが残っていたが、本発明では、この鞘構造
に換えて内部配管にもベローズ6gを用い、こすれ摩擦
発熱の発生要因を取り除いたので、内部配管の鞘部6f
でのこすれ摩擦発熱を無くすことができた。
【0027】次に、第1のガス回収配管14の構成につ
いて説明する。コイル内槽2aの上部に集められた超電
導コイル用冷媒3のガスをタンク内槽12へ回収する第
1のガス回収配管14の両端側に設けられたベローズ1
4a、14aも又、第2のガス回収配管15に設けられ
たベローズ15a、15aと同様、タンク内槽12とコ
イル内槽2aとの間の熱収縮変位を吸収するためであ
る。図1における第1のガス回収配管14の取付部の熱
収縮変位量について説明する。第1のコイル内槽2aは
図中の符号20aが示す黒点、タンク内槽12は図中の
符号20cが示す黒点に向かってそれぞれ熱収縮する。
この熱収縮を第1のガス回収配管14の取付部で算出す
ると、第1のコイル内槽2aの取付部では図上左に約2
mm、下に約1mm、他方、タンク内槽12の取付部で
は図上右に約2.5mm、上に約0.5mm変位する。
従って、熱収縮による変位分合計は左右方向に4.5m
m、上下方向に1.5mmとなり第1のガス回収配管1
4の両端側に設けられた2個のベローズ14a、14a
によって、左右方向はタンク内槽12側のベローズ14
aの軸方向の伸びで、上下方向(垂直方向)は第1のコ
イル内槽2a側のベローズ14aの軸方向の伸びで、そ
れぞれ吸収されている。又、内蔵されている内部配管と
しての注液配管6aや補給配管6bでは鞘状の差込み接
続部6fで熱収縮変位分を吸収している。
【0028】第1のガス回収配管14は、両端側に設け
られたベローズ14aとベローズ14aとの間にガス回
収配管専用の支持材21にて断熱支持させている。この
実施の形態1では、第1のガス回収配管14は、第1の
コイル内槽2a側から垂直に立ち上がる延在部(垂直延
在部)と、上方で水平方向に曲げられてタンク内槽12
側へと向かう延在部(水平延在部)とを有するL字状に
配管され、その中央部が支持材21で外槽5aに断熱支
持されている。従って、このガス回収配管14の両端側
に設けられた2個のベローズ15a、15aのうちの一
方は他方に対して軸方向が90度向きを変えた構成とな
っている。この2個のベローズ14a、14aのうちタ
ンク内槽12側、即ち水平延在部に設けられたベローズ
14aは約4.5mmの軸方向の伸びで、図上、左右方
向即ち水平方向の熱収縮量を吸収している。他方、第1
のコイル内槽2a側、即ち垂直延在部に設けられたベロ
ーズ14aは約1.5mmの軸方向の伸びで、垂直上下
方向の熱収縮量を吸収している。従来の構成では、ベロ
ーズ15aは水平延在部に1個のみしかなかったため左
右方向約4.5mmの軸方向の伸びに対してはその熱収
縮量を吸収できても、上下方向約1.5mmの軸直角方
向即ち垂直方向の変位は当該水平延在部のベローズ15
aでは吸収することができず、当該ベローズ15aにお
いてその径方向の変位として無理な吸収が強制され、当
該ベローズ15aの本来の耐久性に悪影響を与えていた
ので、ベローズの劣化や脆弱化が早まって、装置の信頼
性が失われていた。しかし、上記のように本発明では、
左右方向(水平方向)と上下方向(垂直方向)とについ
て、それぞれ軸方向専用の2個のベローズ14a、14
aを設け、それぞれが各々の軸方向の伸びで、水平と垂
直の両方向の熱収縮量を吸収するように構成したので、
従来に比べて上下方向(垂直方向)の変位吸収量を無理
なく吸収することができ、装置の信頼性を向上させるこ
とができた。
【0029】他方、異常発熱の原因の一つである機械摩
擦発熱を発生させる動的な振動に伴うベローズ部の変位
量につて、従来の構成では、第1のコイル内槽2aとタ
ンク内槽12との間の相対変位を第1のガス回収配管1
4に設けた1個のベローズ14aだけで受け持たせてい
たが、本発明では、第2のガス回収配管14の両端側に
設けられた2個のベローズ14a、14aのうち、第1
のコイル内槽2a側即ち垂直延在部に設けられたベロー
ズ14aで第1のコイル内槽2aの動的変位を、タンク
内槽12側のベローズ14aでタンク内槽12の動的変
位をそれぞれ受け持つことにしたので、動的な変位量が
大幅に低減された。このような動的な変位量の大幅な低
減により、ある動的な変位量を境に急激に増大するベロ
ーズ自身のこすれ摩擦発熱や内部配管との接触に伴うこ
すれ摩擦発熱を低減することができた。又、コイル内槽
2aとタンク内槽12との相互間の動的相対変位は、変
位吸収量の小さいベローズ14aの径方向に主に発生す
るので動的な変位量の低減により、ベローズ14aの強
度上も余裕ができ、装置の信頼性が向上した。
【0030】上記第1のガス回収配管部14の両端側に
設けられた2個のベローズ14a、14aの設置により
当該部の動的な変位量が低減し、内部配管との接触に伴
うこすれ摩擦発熱の低減を図ることができたが、タンク
内槽12側の内部配管については振動による変位が小さ
いため従来構造の内部配管である鞘構造6fを採用して
いる。他方、振動による変位が大きい第1のコイル内槽
2a側の内部配管は、変位吸収が上下方向に約1.5m
mで良く内部配管の曲り部の配管のたわみで熱収縮を吸
収してこすれ摩擦発熱の発生要因を取り除いたので,こ
すれ摩擦発熱を無くすことができた。
【0031】実施の形態2.図2は実施の形態2を示す
ガス回収配管14、15を示す正面からみた断面図であ
る。図において、第2のガス回収配管15の両端側には
ベローズ15aとローズ15aとが設けられ、当該ガス
回収配管15の内部には、内部配管としての注液配管6
a及び当該注液配管6aに装着されている内部配管用ベ
ローズ6g、6gが内蔵され、これらは支持材l6dに
よって第2のガス回収配管15に強固に固定されてい
る。更に、このガス回収配管15の両側に設けられてい
る2つのベローズ15a、15aの内部には、それぞ
れ、内部配管用ベローズ6g、6gが設けられている。
この第2のガス回収配管15はその中央部が支持材21
によって外槽5に断熱支持されている。他方、第1のガ
ス回収配管14も両端側に設けられている2つのベロー
ズ14a及び内部配管用ベローズ6gのうち、それぞれ
一方のベローズ14a及び内部配管用ベローズ6gが9
0度向きを変えていることと、補給配管6bが内蔵され
ていること以外は、上記した第2のガス回収配管15と
同じ構成となっている。
【0032】図において、熱収縮による変位吸収、動的
な振動による変位はすべて回収配管14,15のベロー
ズ14a、15a、と内部配管用ベローズ6gで受け持
つようにしたものであり、変位を受け持つベローズ以外
のガス回収配管は、外槽5に強固に断熱支持され、内部
配管はガス回収配管14,15にすべて強固に固定され
ているので、配管相互や配管支持部のこすれ摩擦発熱の
発生要因が無くなり、超電導磁石装置の異常発熱を低減
することができる。尚、内部配管用ベローズ6gは通常
ステンレス鋼で製作された溶接ベローズ、成形ベローズ
用をいるが、テフロン等で製作されたベローズを用いて
も良い。
【0033】実施の形態3.図3は実施の形態3を示す
もので、第1のガス回収配管14を正面からみた断面図
である。図3において、両端側にそれぞれベローズ14
aが設けられた第1のガス回収配管14は、その中央部
の外周側に、当該ガス回収配管14と同心にして円筒状
に形成された支持材10を介して、外槽5に断熱支持さ
れている。このような構造の支持材10を用いれば、ガ
ス回収配管14を外槽5aに3方向に強固に支持でき
る。この支持材10を振動の小さいタンク部外槽や剛性
の大きいコイル部の台枠側外槽に用いれば、ガス回収配
管14自身の振動も小さくでき、動的変位も小さくでき
るので、こすれ摩擦による発熱量を更に一層低減するこ
とができる。図3は第1のガス回収配管14を示したも
のであるが、第2のガス回収配管15についても同様な
支持材10を用いることができる。又、図4は、この支
持材10の取付部の一実施例を示す拡大図であり、同図
に示すように、ガス回収配管14の一部分を支持材10
の取付部10bとして用いてある。ガス回収配管14を
一体加工で製作しても良いし、溶接で接合しても良い。
尚、図中の符号10aは押さえ金具である。
【0034】
【発明の効果】請求項1乃至請求項8の発明によれば、
何れも、振動等に起因するこすれ摩擦発熱及びこれに伴
う冷媒の蒸発量を大幅に低減することができ、且つベロ
ーズ部の変位をも低減させることがでるので、極めて信
頼性の高い超電導磁石装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の超電導磁石装置の概略を示す
図である。
【図2】 実施の形態2の超電導磁石装置の概略を示す
図である。
【図3】 実施の形態3のガス回収配管構成の概略を示
す図である。
【図4】 実施の形態3のガス回収配管の支持材を示す
図である。
【図5】 従来の超電導磁石装置を示す断面図である。
【図6】 従来の電導磁石装置の主要部構成を示す断面
図である。
【図7】 図6のB−B断面図である。
【図8】 ガス回収配管の内部構成を示す図である。
【符号の説明】
1 超伝導コイル、2a、2b コイル内槽、3 冷
媒、5 外槽、5a タンク外槽、6 内部配管、6a
注液配管、6b 補給配管、6c ベローズ、6d
支持材l、6e 支持材l、7 支持材、10 支持材、
12 タンク内槽、13 支持材、14 第1のガス回
収配管、14a ベローズ、14b 支持材l、14c
支持材、15 第2のガス回収配管、15a ベロー
ズ、15b支持材l、16 推進コイル、17 浮上案
内コイル、18 車体、19 超電導磁石装置、21
支持材。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導コイルと、超電導コイル用冷媒を
    収納するコイル内槽と、超電導コイル用冷媒を貯蔵する
    タンク内槽と、コイル内槽の相互間やコイル内槽とタン
    ク内槽間とを接続し、ガス化して蒸発した冷媒を回収す
    るガス回収配管とを備えた超電導磁石装置において、上
    記ガス回収配管の両端側にベローズを設けたことを特徴
    とする超電導磁石装置。
  2. 【請求項2】 両端側にベローズが設けられたガス回収
    配管のベローズとベローズとの間にガス回収配管専用の
    支持材を断熱支持させたことを特徴とする請求項1に記
    載の超電導磁石装置。
  3. 【請求項3】 超電導コイルと、超電導コイル用冷媒を
    収納するコイル内槽と、超電導コイル用冷媒を貯蔵する
    タンク内槽と、コイル内槽の相互間やコイル内槽とタン
    ク内槽間とを接続し、ガス化して蒸発した冷媒を回収す
    るガス回収配管とを備えた超電導磁石装置において、上
    記ガス回収配管の両端側にベローズを設けると共に、当
    該ガス回収配管に内蔵された冷媒を注液するための注液
    配管やタンク内槽から冷媒を補給するための補給配管に
    ベローズを設けたことを特徴とする超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】 注液配管や補給配管に設けられるベロー
    ズはガス回収配管に設けられたベローズの内側であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の超電導磁石装置。
  5. 【請求項5】 ガス回収配管に内蔵された注液配管や補
    給配管とガス回収配管とを両端に設けられたベローズと
    ベローズとの間のガス回収配管内にて固定したことを特
    徴とする請求項3又は請求項4に記載の超電導磁石装
    置。
  6. 【請求項6】 ガス回収配管に垂直方向の延在部を設け
    両端側に設けられるベローズのうち一方を当該垂直方向
    の延在部に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項
    5の何れかに記載の超電導磁石装置。
  7. 【請求項7】 ガス回収配管に内蔵された注液配管や補
    給配管の両端側に設けられるベローズのうち一方をガス
    回収配管の垂直方向に延在された延在部に設けたことを
    特徴とする請求項5に記載の超電導磁石装置。
  8. 【請求項8】 ガス回収配管の外周に当該ガス回収配管
    と同心にして円筒状の支持材を設け、当該支持材を介し
    てガス回収配管を断熱支持したことを特徴とする請求項
    1乃至請求項7の何れかに記載の超電導磁石装置。
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