JP2000030705A - リチウム二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活物質比容量に優れた非水電解質二次電池用
正極材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 LiMn24で表されるリチウム複合マ
ンガン酸化合物の製造方法として、マンガン化合物とリ
チウム化合物を混合した後、少なくとも昇温工程におい
て昇温、降温を繰り返しながら加熱し合成することで合
成反応を完全にかつ均一に進行させることにより、活物
質比容量の優れた非水電解質二次電池用正極活物質を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池における正極活物質の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、民生用電子機器のポータブル化、
コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源
を担う小型・軽量で、高エネルギー密度を有する二次電
池への要望も高まっている。このような観点から、非水
系二次電池、特にリチウム二次電池は、とりわけ高電圧
・高エネルギー密度を有する電池としてその期待は大き
く、開発が急がれている。
【0003】近年、リチウム含有複合酸化物を正極活物
質とし、負極に炭素質材料を用いた電池系が高エネルギ
ー密度を得られるリチウム二次電池として注目を集めて
いる。このリチウム含有複合酸化物としてLiCo
2、LiNiO2あるいはLiMn24が提案されてい
る。
【0004】中でもLiMn24は4V付近と2.8V
付近の2段の放電電位を持ち、4V付近のプラトーな放
電領域を使用して4.5〜3.0Vの電圧範囲で充放電
を繰り返すことで高電位、高エネルギー密度を達成する
ことができる。このリチウム複合マンガン酸化物の主な
製造方法としては、マンガン化合物とリチウム化合物を
所定のモル比となるように混合した後、熱処理し合成す
る方法が一般的である。
【0005】しかしながら、このようにして得られるリ
チウム複合マンガン酸化物をリチウム二次電池用正極材
料として用いた場合、得られる放電容量が理論値より小
さいという問題をかかえている。
【0006】この問題点を解決する方法として、様々な
リチウム複合マンガン酸化合物の製造方法が提案されて
いる。水酸化リチウムと酸化マンガンを混合した混合物
を粉砕した後、焼成することにより両者の反応を短時間
で、均一に進行させる方法(特開平6−76824号公
報)、500℃以下の温度で第1の熱処理をおこなった
後に、500℃以上850℃以下の温度で第2の熱処理
をおこなうことでより組成が均一なスピネル構造を得る
方法(特開平8−217452号公報)、200℃以上
500℃未満で熱処理をした後、500℃以上850℃
以下で再度熱処理をおこなうことで高容量なリチウムマ
ンガン酸化物を得る方法(特開平9−86933号公
報)、マンガン酸化物をリチウム塩溶液中で処理しリチ
ウムイオンを均一に拡散させた後に加熱処理することで
組成が均一でかつ結晶性の良いLiMn24を得る方法
(特開平6−295724号公報)、マンガン酸化物粒
子内にリチウム含有処理を施す際に還元剤を添加するこ
とによりリチウムを速やかにかつ均一に拡散させ、その
後に加熱処理することで均一でかつ結晶性の良いマンガ
ン酸リチウムを得る方法(特開平8−213019号公
報)、金属元素の塩に脂肪酸を加えpH7未満の水溶液
に調整してその溶液を噴霧熱分解、その後熱処理を加え
ることで良質の活物質を得る方法(特開平8−3299
45号公報)などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらリチウム
複合マンガン酸化物であるLiMn24は、理論的には
高電圧、高エネルギー密度という特徴は有しているが、
上記従来の合成方法で得られたLiMn24は十分な活
物質利用率を得ることができず、放電容量が大きな正極
活物質を効率よく製造することが困難であった。本発明
はこのような課題を解決するもので、活物質利用率の高
い、優れた充放電特性を有する非水電解質二次電池用正
極活物質の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、マンガン化合物とリチウム化合物を混合し
た後、少なくとも昇温工程において昇温、降温を繰り返
しながら熱処理を行うことにより、合成反応を完全にか
つ均一に進行させ、それにより、高電圧で優れた充放電
特性を示すリチウム複合マンガン酸化物を得るものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、マンガン化合物とリチ
ウム化合物を混合した後、少なくとも昇温工程において
昇温、降温を繰り返しながら加熱し合成する非水電解質
二次電池用正極活物質の製造方法である。昇温、降温時
の温度差は10〜400℃が好ましく、昇温の最高温度
は750〜950℃が好ましい。
【0010】また、本発明は、マンガン化合物とリチウ
ム化合物を混合した後、少なくとも昇温工程において昇
温、降温を繰り返しながら加熱し合成する第一の合成段
階、第一の合成温度より高温で加熱し合成する第二の合
成段階を有する非水電解質二次電池用正極活物質の製造
方法である。昇温、降温時の温度差は10〜400℃が
好ましく、第一の合成段階の最高温度は500〜700
℃が好ましく、第二の合成段階の最高温度は750〜9
50℃とするのが好ましい。
【0011】さらに本発明は、加熱工程が、外部から加
熱され内面に連続するらせん状の溝または突起部を有し
た回転するロータリー円筒を用い、外部からの加熱を供
給側から排出側に順次高温になるよう設定し、円筒の回
転方向を定期的に正逆に切り替えるように制御しなが
ら、この円筒の一端から内部に供給されるマンガン化合
物とリチウム化合物の混合物を昇温、降温を繰り返しな
がら順次移動させることにより行われる非水電解質二次
電池用正極活物質の製造方法である。
【0012】リチウム複合マンガン酸化物の合成方法と
して、出発原料であるマンガン化合物やリチウム化合物
の所定量を定比混合して高温で焼成する方法は従来から
よく知られた合成法である。通常は炉内でこれらの混合
物を目的の温度まで昇温するための昇温工程、目的温度
で一定時間保持するための保持工程、目的温度から室温
まで冷却するための冷却工程の3つの組み合わせからな
る温度カーブにより熱処理することで合成を行う。しか
しながら、この方法では粒子をミクロ的視野で見た場
合、粒子の外側部と内側部で熱の伝わり易さが異なるた
め、絶えず温度差が生じる。このため、粒子の外側部と
内側部で反応性が異なり、完全にかつ均一に合成された
試料を得ることはできない。
【0013】本発明によれば、少なくとも昇温工程にお
いて昇温する際、昇温、降温を繰り返しながら熱処理を
加えるので、粒子をミクロ的視野で見た場合、外側部と
内側部での温度差を減少させ、熱を均一に伝えることが
できる。このため、粒子の外側部と内側部で反応性を同
じにでき、最終生成物は未反応物質の混入や不定比組成
部を持ちにくい、所望組成の完全にかつ均一に合成され
た試料を得ることが可能となる。
【0014】このときの昇温、降温時の温度差は10℃
以下では効果がなく、400℃以上では粒子の、外側部
と内側部での温度差が減少されない。このため昇温、降
温時の温度差は10〜400℃が好ましい。
【0015】また、冷却工程においても昇温、降温を繰
り返しながら冷却することにより外側部と内側部での温
度差を減少させ、均一に冷却することができる。この時
も、昇温、降温の温度差は10℃以下では効果がなく、
400℃以上では加熱により成長した結晶がアモルファ
ス化してしまい、最終生成物の結晶化度は下がってしま
うため、10〜400℃が好ましい。
【0016】また、合成時の昇温の最高温度は、750
℃以下では結晶性が低くなるため放電容量が小さくな
り、950℃以上では比表面積が小さくなるため電池性
能が悪いということから、電池性能が良好となる750
〜950℃が好ましい。
【0017】たとえば、出発材料のマンガン化合物とし
て二酸化マンガン、リチウム化合物として炭酸リチウム
を用い、所定比で混合した混合物を昇温過程で昇温と降
温を繰り返しながら合成を行う。二酸化マンガンはもと
より吸着水や結合水によるプロトンが挿入されているた
めマンガンの原子価は4価ではなく若干還元された状態
の価数で存在している。本発明者等は昇温合成過程での
出発材料の化学状態の変化を検討した。まず、二酸化マ
ンガンは常温から昇温し始めて130℃までに付着水が
離脱し、その後250℃付近にかけて結合水としてのプ
ロトンが炉内の酸化雰囲気下で離脱し、この時点でマン
ガンの酸化状態は酸化方向に推移する。この時、二酸化
マンガンとしての原子価はほぼ4価にまで酸化され、次
いで炭酸リチウムの分解反応の促進で二酸化マンガンは
リチウム挿入反応が始まり徐々に反応が進行し、450
℃以上で空間群Fd3mの立方晶にほとんど変化する。
この昇温過程において昇温、降温を繰り返すことにより
粒子の外側部と内側部での温度差を最小限にとどめるこ
とができ、粒子の外側部、内側部ともに均一にマンガン
の価数を4価まで酸化した後に、リチウムの挿入反応を
行う。
【0018】この後、十分にリチウム化されたリチウム
複合マンガン酸化物前駆体を電気炉中で750〜950
℃で再加熱し、最終目的とするリチウム複合マンガン酸
化物を得るものである。後半で再加熱を行う際には前駆
体中にリチウムが十分均一に含侵されているので昇温、
降温を繰り返しながら加熱する必要はない。
【0019】上記本発明の方法に対し、前半の昇温、降
温を繰り返さずに合成を行った場合、粒子の外側部と内
側部において温度差が生じる。このため、粒子の内側が
4価まで酸化される前に外側部はリチウムの挿入反応が
始まってしまうことになり、粒子全体が4価までの酸化
を受けることができなくなり、部分的に酸化が十分進行
しない粒子が多く発生する。このため、さらに高温で進
行するリチウム挿入反応において基の酸化状態が異なる
ことにより生じる反応性のばらつきが発生し、組成比が
ずれた、あるいはリチウム化が十分でない完全にかつ均
一に合成されない最終生成物を得ることになるのであ
る。
【0020】また、本発明の製造方法を実施するにあた
り、加熱工程が、外部から加熱され内面に連続するらせ
ん状の溝または突起部を有した回転するロータリー円筒
を用い、円筒の回転方向を定期的に正逆に切り替えるよ
うに制御しながら、この円筒の一端から内部に供給され
るマンガン化合物とリチウム化合物の混合物を昇温、降
温を繰り返しながら順次移動させることにより行う非水
電解質二次電池用正極活物質の製造方法である。このよ
うな装置を用い製造を行うことにより、昇温、降温を繰
り返すことが等間隔で行え、均一に反応させることが可
能となり、完全にかつ均一に合成された最終生成物を得
ることができるものである。
【0021】この製造法によれば、リチウム化合物とマ
ンガン化合物の混合物は外部から加熱されたロータリー
円筒の一端(供給口)からその内部に供給され、ロータ
リー円筒の回転により混合物は連続するらせん状の溝ま
たは突条に沿って他端(排出口)の方向に移動する。ロ
ータリー円筒の回転数、回転方向は任意に制御でき、回
転方向の正転、逆転を順次行い、正転より逆転の時間を
短く設定することにより、混合物は全体として排出口の
方向に順次移動する。外部からの加熱を供給口から排出
口に向かい温度を高く設定し、正逆反転することにより
混合物を昇温、降温を等間隔で繰り返しながら反応させ
ることができる。
【0022】(実施の形態1)図面を用いて、本発明の
一実施の形態を説明する。
【0023】図1に本発明に用いる熱処理炉の断面図を
示す。この熱処理炉を用いて加熱合成を行った。図1に
おいて、1は炉本体、2は加熱ヒーターを示す。加熱ヒ
ーター2はいくつかのゾーンに区切られそれぞれ単独で
温度を調整できるように制御されている。本実施の形態
においては最高温度が850℃になるようにゾーンの温
度を上げ設定した。3はこのヒーターにより外側から加
熱され内面に連続するらせん状の溝を有した回転するロ
ータリー円筒を示す。4は送気配管であり、その一端が
5のエアーポンプまたは酸素供給機に接続され、他端が
円筒3内に空気または酸素を供給する。図1に示すよう
にロータリー円筒内に酸素または空気中の酸素を導入し
ながら、二酸化マンガンと炭酸リチウムの混合物は、6
のロータリー円筒の一端(供給口)から内部に供給さ
れ、連続する溝内に供給される。そしてロータリー円筒
の回転により混合物は、連続する溝内を他端(排出口)
7の方向に順次移動する。ロータリー円筒の回転数、回
転方向は任意に制御でき、回転方向が正転の時混合物は
多端の方向に移動し、回転方向が逆転の時混合物は供給
口に戻る。ここで正転の時間の方が逆転の時間よりも長
いように設定することにより、混合物は全体的に他端7
の方向に移動し、円筒外へ連続的に排出される。このよ
うにロータリー円筒内の連続した溝内に供給された混合
物は、昇温過程においてロータリー壁面からの熱により
正転時には温度が上昇、逆転時には温度が降下する。こ
の正転、逆転時間を調整することにより最高温度850
℃まで温度上昇を行う。850℃まで温度上昇した後は
850℃にて温度保持され、その後、他端7より排出さ
れる。一実施例として昇温、降温の温度幅(Δt)が1
00℃の時の温度プロファイル図を図2(a)に示し、
0〜200℃までの詳細温度変化を図2(b)に示す。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0025】(実施例1)本実施例のリチウム複合マン
ガン酸化物の合成法について説明する。
【0026】二酸化マンガン(MnO2)と炭酸リチウ
ム(Li2CO3)をMnとLiの原子モル比が1:0.
5となるようにMnO2を2309gとLi2CO3を4
91g混合した。この混合物を図1に示す熱処理炉を用
いて実施の形態に示す方法にて加熱合成を行った。本実
施例においては最高温度が850℃、送風10l/mi
nの空気雰囲気下で、混合物をロータリー円筒中で回転
数2rpmで回転させ、正転、逆転を交互に行い、正
転、逆転時間を調整することにより昇温、降温の温度幅
(Δt)を設定した。850℃までの昇温時の昇温、降
温の温度幅(Δt)は0〜600℃の間で変化させた。
このように熱処理時に昇温、降温を繰り返しながら加熱
しLiMn24を合成した。得られた活物質を粉砕、分
級して電池用活物質1〜6とした。
【0027】次に、得られた化合物1〜6を正極活物質
として用い円筒型リチウム二次電池を構成した。図3は
本発明の実施例に用いた円筒型リチウム二次電池の縦断
面図である。図1において正極板12および負極板13
がセパレータ14を介して複数回渦巻状に巻回し構成さ
れた極板群11が耐有機電解液性のステンレス鋼板を加
工した電池ケース8内に収納されている。正極板12か
らは正極アルミリード12aが引き出されて封口板9に
接続され、負極板13からは負極ニッケルリード13a
が引き出されて電池ケース8の底部に接続されている。
極板群11の上下部にそれぞれ絶縁リング15が設けら
れており、電池ケース8の開口部は、安全弁を設けた封
口板9および絶縁パッキング10により封口されてい
る。負極板13は炭素材料(本実施例においてはピッチ
系球状黒鉛を用いた)にスチレン−ブタジエンゴムの水
性ディスパージョンを重量比で100:3.5の割合で
混合し、これをカルボキシメチルセルロースの水溶液に
懸濁させてペースト状にしたものを銅箔の両面に塗着
し、乾燥後、圧延し所定の大きさに切り出し負極板を作
製した。なお、スチレン−ブタジエンゴムの水性ディス
パージョンの混合比率はその固形分で計算している。正
極板12は、合成した化合物1〜6のLiMn24にア
セチレンブラックおよびポリ四フッ化エチレンの水性デ
ィスパージョンを重量比で100:2.5:7.5の割
合で混合し、これをカルボキシメチルセルロースの水溶
液に懸濁させてペースト状にする。次いでこのペースト
をアルミ箔の両面に塗着し、乾燥後、圧延し所定の大き
さに切り出して正極板を作製した。なお、ポリ四フッ化
エチレンの水性ディスパージョンの混合比率はその固形
分で計算している。
【0028】上記方法により作製した正、負極板にそれ
ぞれリードを取付け、ポリエチレン製のセパレータを介
して渦巻き状に巻回し、電池ケースに収納した。電解液
にはエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート
を体積比で1:3で混合した溶媒に6フッ化リン酸リチ
ウム(LiPF6)を1.5mol/l溶解したものを
用いた。この電解液を上記の電池ケースに減圧注液後封
口し、電池1〜6とした。なお本実施例においては、正
極活物質の特性を評価するため、予め負極の容量を大き
くしたものを用いた。
【0029】これら電池1〜6を用いて下記の条件で試
験を行った。まず、20℃で電池電圧4.2Vまで12
0mAの定電流で充電した後1時間休止を行い、その後
120mAの定電流で電池電圧3.0Vまで放電する。
この方法で充放電を3回繰り返し、3回目の放電容量を
初期容量とした。また、初期容量を電池内に含まれるL
iMn24の重量で割ることによって活物質の比容量を
算出した。
【0030】(比較例1)比較例としてリチウム複合マ
ンガン酸化物を、回転式ロータリーキルンを用い、昇
温、降温を繰り返すことなく熱処理を行うことにより作
製した。以下、正極活物質の合成法について説明する。
【0031】二酸化マンガン(MnO2)と炭酸リチウ
ム(Li2CO3)をMnとLiの原子モル比が1:0.
5となるようにMnO2とLi2CO3を実施例1と同量
混合した。この混合物を回転式ロータリーキルン中で回
転数2rpmで回転させ、流動させながら送風10l/
minの空気雰囲気下で加熱合成を行った。本実施例に
おいては最高温度が850℃になるように設定し、昇
温、降温を行わずに加熱処理を行いLiMn24を合成
した。得られた活物質を粉砕、分級して比較の電池用活
物質1とした。
【0032】得られたLiMn24を正極活物質として
用いた以外は実施例1と同様の方法で比較電池1を作成
し、試験を行った。
【0033】表1に本発明の電池1〜6および比較の電
池1の昇温、降温昇温時の温度幅(Δt)、初期容量、
活物質の比容量および正極活物質の(111)面のピー
ク強度を示す。ピーク強度は比較例1を100としたと
きの相対値で表した。
【0034】
【表1】
【0035】表1より、電池3と比較電池1を比較する
と、昇温時の最高温度が850℃と同じであるにもかか
わらず、活物質比容量は比較電池1より電池3の方が良
好な値が得られた。これは昇温工程において昇温、降温
を繰り返すことにより合成反応がより完全に、均一に進
行するためであると考えられる。このことはX線回折測
定による(111)面のピーク強度が比較電池1よりも
電池3の方が大きいことからも裏付けられる。また、昇
温、降温の温度幅(Δt)は10℃以上で効果が現れ、
400℃以上では正極比容量が低下してしまう。中でも
温度幅が100〜400℃のとき活物質比容量が良好で
あった。
【0036】(実施例2)本実施例のリチウム複合マン
ガン酸化物の合成法について説明する。
【0037】電解二酸化マンガン(MnO2)と炭酸リ
チウム(Li2CO3)をMnとLiの原子モル比が1:
0.5になるように実施例1と同量を混合した。この混
合物を実施例1と同様に図1に示す熱処理炉を用いて実
施の形態に示す方法にて加熱合成を行った。本実施例に
おいては最高温度が650℃、送風10l/minの空
気雰囲気下で、混合物をロータリー円筒中で回転数2r
pmで回転させ正転、逆転を交互に行い、正転、逆転時
間を調整することにより昇温、降温の温度幅(Δt)を
設定し第一の合成工程を行った。650℃までの昇温時
の昇温、降温の温度幅(Δt)は0〜600℃の間で変
化させた。第一の合成工程の後、アルミナ製容器に入
れ、電気炉内で静置し、850℃まで2時間で昇温した
後、10時間保持することによりLiMn24を合成し
た。得られた活物質を粉砕、分級して電池用活物質7〜
12とした。
【0038】得られたLiMn24を正極活物質として
用いた以外は実施例1と同様の方法で電池7〜12を作
成し、試験を行った。
【0039】(比較例2)比較例としてリチウム複合マ
ンガン酸化物を、回転式ロータリーキルンを用い、昇
温、降温を繰り返すことなく熱処理を行うことにより第
一の合成工程を行い作製した。以下、正極活物質の合成
法について説明する。
【0040】二酸化マンガン(MnO2)と炭酸リチウ
ム(Li2CO3)をMnとLiの原子モル比が1:0.
5となるようにMnO2とLi2CO3を実施例2と同量
混合した。この混合物を回転式ロータリーキルン中で回
転数2rpmで回転させ、流動させながら送風10l/
minの空気雰囲気下で第一の合成工程を行った。本比
較例においては最高温度が650℃になるように設定
し、昇温、降温を行わずに加熱処理を行いLiMn24
を合成した。第一の合成工程の後、アルミナ製容器に入
れ、電気炉内で静置し、850℃まで2時間で昇温した
後、10時間保持することによりLiMn24を合成し
た。得られた活物質を粉砕、分級して比較の電池用活物
質2とした。
【0041】得られたLiMn24を正極活物質として
用いた以外は実施例1と同様の方法で電池を作成し、試
験を行った。
【0042】表2に本発明の電池7〜12および比較の
電池2の昇温、降温昇温時の温度幅(Δt)、初期容
量、活物質の比容量および正極活物質の(111)面の
ピーク強度を示す。ピーク強度は比較例1を100とし
たときの相対値で表した。
【0043】
【表2】
【0044】表2より、電池8と比較電池2を比較する
と、昇温時の最高温度が850℃と同じであるにもかか
わらず、活物質比容量は比較電池2より電池8の方が良
好な値が得られた。これは第一の合成工程の昇温工程に
おいて昇温、降温を繰り返すことにより合成反応がより
完全に、均一に進行するためであると考えられる。この
ことはX線回折測定による(111)面のピーク強度が
比較電池1よりも電池3の方が大きいことからも裏付け
られる。また、昇温、降温の温度幅(Δt)は10℃以
上で効果が現れ、400℃以上では正極比容量が低下し
てしまう。中でも温度幅が100〜400℃のとき活物
質比容量が良好であった。
【0045】なお、本実施例ではLiMn24の出発材
料として電解二酸化マンガン、炭酸リチウムの組合せを
用いたが、マンガンの炭酸塩、低級酸化物、硝酸塩など
の他のマンガン化合物、また、水酸化リチウム、硝酸リ
チウム、酸化リチウムなどの他のリチウム化合物を組み
合わせて用いても同様の効果が得られる。
【0046】また、負極としてリチウムの吸蔵放出が可
能な種々の炭素質材、リチウム合金、インターカレーシ
ョンが可能な無機物系負極を用いた電池においても同様
の効果が見られる。さらに、電解質として本実施例で用
いたエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート
の混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを溶解したもの以
外の組合せの溶媒にリチウム塩を溶解した電解液、ポリ
マ電解質を用いた電池においても効果が見られる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、LiMn
24で表されるリチウム複合マンガン酸化合物をマンガ
ン化合物とリチウム化合物を混合した後、少なくとも昇
温工程において昇温、降温を繰り返しながら加熱し合成
することで合成反応を完全にかつ均一に進行させ、正極
比容量の大きなリチウム二次電池用正極活物質を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる熱処理炉の断面図
【図2】(a)本発明の方法を用いた時の温度プロファ
イル図 (b)0〜200℃までの詳細な温度プロファイル図
【図3】本発明の円筒型リチウム二次電池の縦断面図
【符号の説明】
1 炉本体 2 加熱ヒーター 3 ロータリー円筒 4 送気配管 5 エアーポンプ 6 供給口 7 排出口 8 電池ケース 9 封口板 10 絶縁パッキング 11 極板群 12 正極板 12a 正極リード 13 負極板 13a 負極リード 14 セパレータ 15 絶縁リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 彰 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 新田 芳明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 永山 雅敏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G048 AA04 AB05 AC06 5H003 AA01 AA02 BA00 BA01 BA03 BB05 BD01 BD03 5H014 AA02 BB00 BB01 BB06 EE10 HH01 HH08 5H029 AJ02 AJ03 AK03 AL06 AL07 AM03 AM07 BJ02 CJ02 CJ11 HJ01 HJ14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式LiMn24で表される組成を有
    するリチウム複合マンガン酸化物からなる非水電解質二
    次電池用正極活物質の製造方法であり、マンガン化合物
    とリチウム化合物を混合した後、少なくとも昇温工程に
    おいて昇温、降温を繰り返しながら加熱し合成すること
    を特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 昇温、降温時の温度差が10〜400℃
    である請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 合成の最高温度が750〜950℃であ
    る請求項1記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 一般式LiMn24で表される組成を有
    するリチウム複合マンガン酸化物からなる非水電解質二
    次電池用正極活物質の製造方法であり、マンガン化合物
    とリチウム化合物を混合した後、少なくとも昇温工程に
    おいて昇温、降温を繰り返しながら加熱し合成する第一
    の合成段階、第一の合成温度より高温で加熱し合成する
    第二の合成段階を有することを特徴とする非水電解質二
    次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 【請求項5】 昇温、降温時の温度差が10〜400℃
    である請求項4記載の非水電解質二次電池用正極活物質
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 第一の合成段階の最高温度が500〜7
    00℃であり、第二の合成段階の最高温度が750〜9
    50℃である請求項4記載の非水電解質二次電池用正極
    活物質の製造方法。
  7. 【請求項7】 加熱工程が、外部から加熱され内面に連
    続するらせん状の溝または突起部を有した回転するロー
    タリー円筒を用い、円筒の回転方向を定期的に正逆に切
    り替えるように制御しながら、この円筒の一端から内部
    に供給されるマンガン化合物とリチウム化合物の混合物
    を昇温、降温を繰り返しながら順次移動させることによ
    り行われることを特徴とする請求項1から6のいずれか
    に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
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