JP2000028819A - 液晶表示装置用カラーフィルタ表面の研磨方法 - Google Patents

液晶表示装置用カラーフィルタ表面の研磨方法

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JP2000028819A
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Koichi Minato
港  浩一
Makoto Sakakawa
誠 坂川
Hidenori Shindo
英則 真銅
Kozo Sakai
孝三 坂井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強誘電性液晶や反強誘電性液晶、及びSTN液
晶用カラーフィルタにて、液晶分子の配向にネジレや不
揃いを発生させ、配向欠陥を誘発させる、或いは、光の
偏光状態に悪影響を及ぼし色の変化として現われること
を防ぎ、表示品質の優れた液晶表示装置となるカラーフ
ィルタ1を製造するカラーフィルタ表面の研磨方法を提
供する。 【解決手段】液晶表示装置用カラーフィルタ表面を平坦
化する研磨方法において、研磨パッドとしてJIS硬度
85以上のポリウレタン発泡布を用い、研磨液として一
次粒子径0.1〜1.0μm(二次粒子径30〜80μ
m)のアルミナ研磨剤を分散させた研磨液を用いて研磨
すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に用
いられるカラーフィルタ表面の研磨方法に関するもので
あり、特に、強誘電性液晶や反強誘電性液晶及びSTN
(Super−twisted nematic)液晶
に用いる場合に好適な液晶表示装置用カラーフィルタ表
面の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶や反強誘電性液晶、及びS
TN(Super−twistednematic)液
晶は、TFTのような能動素子を用いずに、単純マトリ
ックス駆動で大容量の表示をする液晶表示装置に適して
いる。しかし、強誘電性液晶や反強誘電性液晶を用いる
液晶表示装置においては、液晶表示装置内に液晶分子の
配向欠陥が存在すると、その配向欠陥の両側で直線偏光
に対する屈折率が異なった際に、わずかな濃淡差が生じ
ることや、液晶表示装置の駆動時に欠陥自身が絶えず輝
くことや、さらには新たな欠陥の発生の温床になること
等といった問題があり、液晶表示装置内に設けるカラー
フィルタ表面の凹凸を精度よく制御することが必要とな
る。
【0003】また、STN液晶を用いる液晶表示装置に
おいては、複屈折を利用しているために、液晶表示装置
のセル厚の変化は色の変化として顕著に現れてしまうの
で、液晶表示装置内に設けるカラーフィルタ表面の凹凸
を精度よく制御することが必要となる。
【0004】図4は、従来法における液晶表示装置用カ
ラーフィルタの一例の部分断面図である。図4におい
て、液晶表示装置用カラーフィルタ(11)は、透明基
板(12)上にストライプ状遮光部層(13)が形成さ
れ、このストライプ状遮光部層の間にストライプ状カラ
ーフィルタ層(14)が形成され、ストライプ状カラー
フィルタ層(14)上の全面に保護層(15)が設けら
れているものである。
【0005】図4におけるストライプ状カラーフィルタ
層(14)は、印刷法、染色法、電着法、顔料分散法な
どの方法で形成されるもので、例えば、顔料分散法で形
成されたカラーフィルタ層においては、ストライプ状カ
ラーフィルタ層(14)の各層(赤色(R)、緑色
(G)、青色(B))の層厚に高低があることや、スト
ライプ状遮光部層(13)の上方においては隣接する色
が重なる凸状であったり、或いは、カラーフィルタ層の
表面には微細な凹凸があるものである。
【0006】このため、ストライプ状カラーフィルタ層
(14)上の全面に保護層(15)を設け平坦性を得て
いるものであるが、ストライプ状カラーフィルタ層の表
面のこれら凹凸を精度よく平坦化するのには十分なもの
ではない。この微細な凹凸は、液晶分子の配向にネジレ
や不揃いを発生させ、液晶分子の配向欠陥を誘発させ
る、或いは、光の偏光状態に悪影響を及ぼし色の変化と
して現われるものである。
【0007】この保護層(15)の表面の微細な凹凸
は、保護層の上には電極層、及び配向膜層(図示せず)
が設けられているのではあるが、その層厚は各々約10
00Å程度のものであるので、保護層の表面のこれら凹
凸を平坦化し、微細な凹凸の影響を抑制するのには十分
なものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強誘電性液
晶や反強誘電性液晶、及びSTN液晶を用いる液晶表示
装置用カラーフィルタにおいて、液晶表示装置用カラー
フィルタを構成している保護層の表面の微細な凹凸が、
液晶分子の配向にネジレや不揃いを発生させ、液晶分子
の配向欠陥を誘発させる、或いは、光の偏光状態に悪影
響を及ぼし色の変化として現われる温床となることを防
ぎ、液晶分子の配向欠陥や色の変化のない表示品質の優
れた、強誘電性液晶や反強誘電性液晶、及びSTN液晶
を用いた液晶表示装置に好適な液晶表示装置用カラーフ
ィルタを製造するカラーフィルタ表面の研磨方法を提供
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、研磨機のプレ
ートに研磨パッドを貼り、該研磨パッド上に研磨液を滴
下し、該研磨パッド上に、透明基板、遮光層、カラーフ
ィルタ層、保護層などで構成される液晶表示装置用カラ
ーフィルタを加圧接触させ、該液晶表示装置用カラーフ
ィルタを回転させ、該液晶表示装置用カラーフィルタ表
面を平坦化する研磨方法において、前記研磨パッドとし
てJIS硬度85以上のポリウレタン発泡布を用い、且
つ、前記研磨液として一次粒子径0.1〜1.0μm
(二次粒子径30〜80μm)のアルミナ研磨剤を分散
させた研磨液を用いて研磨することを特徴とする液晶表
示装置用カラーフィルタ表面の研磨方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明による液晶表示装置
用カラーフィルタの表面研磨方法を、その実施形態に基
づいて詳細に説明する。図1は、本発明による液晶表示
装置用カラーフィルタの一実施例を示す部分断面図であ
る。図1に示すように、液晶表示装置用カラーフィルタ
(1)は、透明基板(2)上にストライプ状遮光部層
(3)が形成され、このストライプ状遮光部層の間にス
トライプ状カラーフィルタ層(4)が形成され、ストラ
イプ状カラーフィルタ層(4)上の全面に保護層(5)
が設けられているものである。
【0011】本発明による液晶表示装置用カラーフィル
タ(1)は、保護層(5)が表面研磨されているので、
図1に示すように、保護層の表面は平坦性の優れたもの
となっている。
【0012】本発明に用いる透明基板(2)としては、
通常カラーフィルタ基板として用いられている透明なガ
ラスであれば特に限定されるものではないが、ガラスの
組成としては液晶表示装置の表示特性を悪化させる原因
となるアルカリ金属イオンの少ない低アルカリ、無アル
カリガラス、或いはソーダガラスにSiO2 層を被覆し
アルカリ金属イオンの溶出防止をしたガラスが好適であ
る。
【0013】透明基板(2)上に形成されるストライプ
状遮光部層(3)の材料としては、表示装置などに使用
されている顔料分散方式の着色感光性樹脂組成物である
富士フイルムオーリン(株)製、製品名カラーモザイ
ク、品番CK−2000(黒)を用い形成した。得られ
たストライプ状遮光部層(3)の層厚は約1.3μm、
線幅は約30μm、ピッチは約300μm、光学濃度
(log100 /II ,但しI0 は入射光量、II は透
過光量)は3.0以上であった。
【0014】次に形成されるストライプ状カラーフィル
タ層(4)の材料としては、表示装置などに使用されて
いる顔料分散方式の着色感光性樹脂組成物である富士フ
イルムオーリン(株)製、製品名カラーモザイク、品番
CR−2000(赤)、CG−2000(緑)、CB−
2000(青)を用いストライプ状カラーフィルタ層
(4)を形成した。得られたストライプ状カラーフィル
タ層(4)の層厚は約1.0〜1.1μmであった。図
1において、R、G、Bは各々赤色、緑色、青色ストラ
イプ状カラーフィルタ層を示している。
【0015】続いて、保護層(5)として、奥野製薬工
業(株)製、製品名[HF]を用いスピンナーにより塗
布し、乾燥後の層厚約1.0μmのものを得た。以上の
ようにして得られた液晶表示装置用カラーフィルタ
(1)は、図2に示すようにカラーフィルタの保護層表
面の凹凸は図1におけるX−X’方向にて約0.15μ
m程度のものであった。図2において、R、G、Bは各
々赤色、緑色、青色のカラーフィルタ層部分を示してい
る。
【0016】次に、このカラーフィルタの保護層表面の
凹凸を平坦化するために表面の研磨を行った。研磨は、
研磨機のプレートに研磨パッドとしてのJIS硬度85
以上のポリウレタン発泡布を貼り、研磨液として一次粒
子径0.1〜1.0μm(二次粒子径30〜80μm)
のアルミナ研磨剤を分散させた研磨液を用い、研磨パッ
ド上にこの研磨液を約50cc略均一に滴下し、ここに
カラーフィルタの保護層表面側を対向させて載せ、研磨
圧は約150g/cm2 、回転数は30r.p.m.に
て、約45秒間の研磨を行った。
【0017】このようにして、カラーフィルタの保護層
表面の凹凸は図1に示すような平坦化されたものとな
り、赤色、緑色、青色のカラーフィルタ層各々の部分の
高さが略同一であるカラーフィルタを得た。得られたカ
ラーフィルタの保護層表面の凹凸は、図3に示すよう
に、図1におけるX−X’方向にて約0.05μm以下
のものであった。
【0018】尚、本発明においては、研磨液として一次
粒子径0.1〜1.0μm(二次粒子径30〜80μ
m)のアルミナ研磨剤を分散させた研磨液を用いるもの
であるが、約80μm以上の粒径の砥粒が混入すると、
保護層表面にスクラッチが発生する。この際は、研磨パ
ッドとしてJIS硬度85以下のポリウレタン発泡布を
用い仕上げ研磨を行うことにより、このスクラッチを取
り除くことができるものである。
【0019】以上のようにして得られた液晶表示装置用
カラーフィルタ(1)は保護層表面の微細な凹凸が約
0.05μm以下に平坦化されたものであるので、強誘
電性液晶や反強誘電性液晶、及びSTN液晶に用いた際
には、液晶分子の配向にネジレや不揃いを発生させ、液
晶分子の配向欠陥を誘発させる、或いは、光の偏光状態
に悪影響を及ぼし色の変化として現われることを防ぎ、
液晶分子の配向欠陥や色の変化のない表示品質の優れ
た、液晶表示装置用カラーフィルタとなるものである。
【0020】
【発明の効果】本発明は、研磨機のプレートに研磨パッ
ドを貼り、研磨パッド上に研磨液を滴下し、研磨パッド
上に、透明基板、遮光層、カラーフィルタ層、保護層な
どで構成される液晶表示装置用カラーフィルタを加圧接
触させ、液晶表示装置用カラーフィルタを回転させ、液
晶表示装置用カラーフィルタ表面を平坦化する研磨を行
う際に、研磨パッドとしてJIS硬度85以上のポリウ
レタン発泡布を用い、且つ、研磨液として一次粒子径
0.1〜1.0μm(二次粒子径30〜80μm)のア
ルミナ研磨剤を分散させた研磨液を用いて研磨する方法
であるので、本発明による研磨方法を強誘電性液晶や反
強誘電性液晶、及びSTN液晶を用いる液晶表示装置用
カラーフィルタの製造に用いると、液晶表示装置用カラ
ーフィルタを構成している保護層の表面の微細な凹凸が
約0.05μm以下に平坦化され、液晶分子の配向にネ
ジレや不揃いを発生させ、液晶分子の配向欠陥を誘発さ
せる、或いは、光の偏光状態に悪影響を及ぼし色の変化
として現われる温床となることを防ぎ、液晶分子の配向
欠陥や色の変化のない表示品質の優れた、液晶表示装置
用カラーフィルタとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの
一実施例を示す部分断面図である。
【図2】本発明による表面の研磨方法を施さないカラー
フィルタの保護層表面の凹凸の説明図である。
【図3】本発明による表面の研磨方法を施したカラーフ
ィルタの保護層表面の凹凸の説明図である。
【図4】従来法における液晶表示装置用カラーフィルタ
の一例の部分断面図である。
【符号の説明】
1、11…液晶表示装置用カラーフィルタ 2、12…透明基板 3、13…ストライプ状遮光部層 4、14…ストライプ状カラーフィルタ層 5、15…保護層 R…赤色ストライプ状カラーフィルタ層 G…緑色ストライプ状カラーフィルタ層 B…青色ストライプ状カラーフィルタ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真銅 英則 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 坂井 孝三 東京都足立区扇1丁目22番41号 株式会社 ナノテックマシーンズ内 Fターム(参考) 2H048 BA37 BB28 BB42 2H091 FA02Y FC01 FC15 GA01 HA10 HA12 HA18 LA15 LA16 LA30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】研磨機のプレートに研磨パッドを貼り、該
    研磨パッド上に研磨液を滴下し、該研磨パッド上に、透
    明基板、遮光層、カラーフィルタ層、保護層などで構成
    される液晶表示装置用カラーフィルタを加圧接触させ、
    該液晶表示装置用カラーフィルタを回転させ、該液晶表
    示装置用カラーフィルタ表面を平坦化する研磨方法にお
    いて、前記研磨パッドとしてJIS硬度85以上のポリ
    ウレタン発泡布を用い、且つ、前記研磨液として一次粒
    子径0.1〜1.0μm(二次粒子径30〜80μm)
    のアルミナ研磨剤を分散させた研磨液を用いて研磨する
    ことを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタ表面の
    研磨方法。
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