JP2950761B2 - カラー液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

カラー液晶表示素子の製造方法

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幸四郎 森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワープロやノート型
パソコン等に使用されるカラー液晶表示素子の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のワープロやノート型パソコ
ン等に使用されるカラー液晶表示素子の構成を示す断面
図であり、図において、30a,30bは透明ガラス基
板、31〜33は透明ガラス基板30a表面にそれぞれ
形成されたR(赤),G(緑),B(青)用のカラーフ
ィルター、34はBL(黒)マトリクス、39はカラー
フィルター31〜33及びBL(黒)マトリクス34を
覆う透光性樹脂層、36,37はストライプ電極、38
は液晶層、35はシール樹脂である。ここで、透明ガラ
ス基板30a,カラーフィルター31〜33,BL
(黒)マトリクス34及び透光性樹脂層39によりカラ
ーフィルター付基板40が構成されている。また、カラ
ーフィルター31〜33は一般に印刷式,染色式,顔料
フォト式,及び電着式等の方法で形成されるが、ここで
は最も低コスト化が可能な印刷式によって形成されてい
る。またストライプ電極36はカラーフィルター付基板
40の主面である透光性樹脂層39の表面に形成され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図3に示すように、印
刷式で形成したカラーフィルター31〜33の表面は約
1μmの凹凸を有しており,この表面凹凸を有する透明
ガラス基板30aをそのまま使用して、セル厚が約6μ
mの液晶表示パネルを作成した場合,光学的な複屈折原
理と位相差板を利用するSTN(super-twisted nemati
ck)方式では、前記表面凹凸のために色むらが発生する
という不具合を発生してしまう。このため、カラーフィ
ルター31〜33及びBL(黒)マトリクス34を形成
した後に,このカラーフィルター31〜33及びBL
(黒)マトリクス34を透光性樹脂層39で被覆し、透
光性樹脂層39の表面を例えば表面研磨等に方法で平滑
化して、透光性樹脂層39の表面平滑度(凹凸度合い)
を0.1〜0.2μmに保持するようにしている。従っ
て、カラー液晶表示素子では、カラーフィルター31〜
33の形成工程以外に、透光性樹脂層39の形成工程及
びこれの表面平滑化工程が必要であり、製造工程が極め
て繁雑であるという問題点があった。
【0004】本発明は前記問題点を解消するためになさ
れたものであり、簡単な製造工程により高い製造歩留り
でカラー液晶表示素子を製造することができるカラー液
晶表示素子の製造方法を得ることを目的とする
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のカラー液晶表示素子の製造方法は、可撓性
を有する2枚の透明プラスチックフィルム基板を使用
し、互いの主面が所定間隙を空けて対向するように配置
、前記基板の間隙に液晶を封入してSTN方式の液晶
素子本体を作製した後、インクジェット法により、前記
液晶素子本体の前記2枚の透明プラスチックフィルム基
板のうちの一方の基板の前記主面と反対側(パネル外
側)面に、R(赤),G(緑),B(青)及びBL
(黒)からなるカラーフィルターを形成することを特徴
とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のカラー液晶表示素子の製
造方法においては、それぞれの主面に透明電極が配設さ
れた2枚の可撓性を有する透明プラスチックフィルム基
板が互いの主面が所定間隙を空けて対向するよう配置さ
れ、前記間隙に液晶が封入されてなる液晶素子本体を作
製した後、インクジェット記録法により前記液晶素子本
体の前記2枚の透明プラスチックフィルム基板のうちの
一方の基板の前記主面の反対側面にR(赤),G
(緑),B(青)及びBL(黒)からなるカラーフィル
ターを記録形成するから、従来のように、液晶を挟持す
る2枚の透明基板の内側面(液晶側表面)の平滑化工程
を行うことなく、液晶を挟持する2枚の透明基板の内側
面(液晶側表面)の平滑度(凹凸度)を透明プラスチッ
クフィルム基板(市販品)表面が有する約0.1〜0.
2μmの平滑度(凹凸度)にすることができ、STN方
式によってカラー画像表示を行う透過型のカラー液晶表
示素子を簡略化した工程により製造することができる。
【0007】また、本発明のカラー液晶表示素子の製造
方法においては、その主面に透明電極が配設された第1
の可撓性を有する透明プラスチックフィルム基板と,そ
の主面に金属電極が形成された第2の可撓性を有する透
明プラスチックフィルム基板とが互いの主面が所定間隙
を空けて対向するよう配置され、前記間隙に液晶が封入
されてなる液晶素子本体を作製した後、インクジェット
記録法により前記液晶素子本体の前記第1の透明プラス
チックフィルム基板の前記主面の反対側面にR(赤),
G(緑),B(青)及びBL(黒)からなるカラーフィ
ルターを形成するから、STN方式によってカラー画像
表示を行う反射型のカラー液晶表示素子を簡略化した工
程で製造することができる。
【0008】また、前記いずれの方法においても、前記
液晶素子本体が可撓性を有する透明プラスチックフィル
ムが貼り合わされた可撓性を有するシート状物であるの
で、これを市販のインクジェット記録装置に容易に適用
でき、簡単な製造作業によって高精細なカラーフィルタ
ーを形成することができる。
【0009】前記インクジェット記録装置としては、イ
ンクノズルからのインク粒子の吐出制御を、インク溜り
の加熱によりインク溜り中の気泡の大きさを調整するこ
とにより行う,所謂,“インクバブルジェット記録法”
を採用した記録装置を用いることが好ましい。これは、
カラーフィルターを線幅精度が30μm〜40μmの範
囲の高精細なものに形成できるためである。
【0010】
【実施例】(実施例1) 図1は本発明の実施例1による透過型カラー液晶表示素
子の製造方法により得られたカラー液晶表示素子の構成
を示す断面図であり、図において、10a,10bは例
えばポリエステルフィルムからなる可撓性を有する透明
プラスチックフィルム基板、11〜13は透明プラスチ
ックフィルム基板10a表面にそれぞれ形成されたR
(赤),G(緑),B(青)用のカラーフィルター、1
4はBL(黒)マトリクス、15はシール樹脂、16,
17はストライプ状透明電極、18は液晶層である。こ
こで、可撓性を有する透明プラスチックフィルム基板1
0a,10bの厚さは約0.05mm、液晶層18の層
厚は約6μm、ストライプ状透明電極16,17の膜厚
は約0.2μmである。
【0011】本実施例では、先ず、透明プラスチックフ
ィルム基板10a,10bのそれぞれの主面に例えば錫
添加酸インジウム(ITO)からなるストライプ状透明
電極16,17をそれぞれ形成する。次に、透明プラス
チックフィルム基板10a,10bの互いの電極形成面
を図示しないスペーサを介して所定の間隙を空けて対向
させ、シール樹脂15によって接着する、次に、このよ
うにして形成された空セルの前記間隙に液晶18を封入
して液晶素子本体(液晶パネル)を完成する。次に、こ
の液晶素子本体(液晶パネル)の透明プラスチックフィ
ルム基板10aの外側面に市販のインクバブルジェット
記録装置を用いてあたかもペーパーにカラー印刷するか
のごとく,R(赤),G(緑),B(青)及びBL
(黒)からなるカラーフィルター11〜14を記録形成
する。前記のように、透明プラスチックフィルム基板1
0a,10bの厚さが約0.05mm、液晶層18の層
厚が約6μm、ストライプ状透明電極16,17の膜厚
が約0.2μmで、液晶素子本体(液晶パネル)全体の
厚さが約0.1mmである。従って、液晶素子本体(液
晶パネル)は市販のインクバブルジェット記録装置に容
易に適用できる。かかるカラーフィルターの形成工程で
は、R(赤),G(緑),及びB(青)のカラーフィル
ター11〜13を、表示電極となるストライプ状透明電
極17と空間的に重なるように配置形成する。
【0012】図2は前記図1に示す透過型カラー液晶表
示素子の要部を拡大して示した断面図であり、図におい
て、図1と同一符号は同一または相当する部分を示す。
R(赤),G(緑),及びB(青)のカラーフィルタ1
1〜13の幅は110μm、BL(黒)14の幅は30
μm、透明プラスチックフィルム基板10aの厚さは5
0μmであるので、〔BL(黒)14幅または隣接する
2つの電極17間のスペース幅;30μm〕と〔基板の
厚さ(50μm)+液晶層18の厚さ(6μm)=56
μm〕の比(tanθ)に於いて,θ=30°となり、
観測者は視野角2×30°=60°の範囲で、R
(赤),G(緑),B(青)及びBL(黒)の識別を行
うことができる。
【0013】(実施例2) 前記実施例1では、透明プラスチックフィルム基板10
a,10bのいずれの主面にも表面にもストライプ状透
明電極16,17を形成したが、透明プラスチックフィ
ルム基板10bの主面に形成するストライプ状電極を、
例えばアルミニウム(Al)や銀(Ag)などの反射率
の高い金属からなるストライプ状電極にすることによ
り、反射型カラー液晶表示素子を製造することができ
る。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるカ
ラー液晶表示素子の製造方法によれば、液晶表示素子本
体、すなわち、2枚の透明基板間に液晶層が封入されて
なる基板体の作製後、この液晶表示素子本体の一方の透
明基板の外側面にインクジェット記録法によりカラーフ
ィルターを記録形成するようにしたので、従来行ってい
たカラーフィルター表面の平滑化工程を行う必要なく、
STN方式によってカラー画像表示を行うカラー液晶表
示素子を製造することができる。従って、従来に比して
簡単な工程で、STN方式によってカラー画像表示を行
うカラー液晶表示素子を製造することができ、製歩留
向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による透過型カラー液晶表
示素子の製造方法により得られたカラー液晶表示素子の
構成を示す断面図である。
【図2】 図1に示した透過型カラー液晶表示素子の要
部を拡大して示した断面図である。
【図3】 従来のカラー液晶表示素子の構成を示す断面
図である。
【符号の説明】
10a,10b 可撓性を有する透明プラスチックフィ
ルム基板 11,31 R(赤)用カラーフィルター 12,32 G(緑)用カラーフィルター 13,33 B(青)用カラーフィルター 14,34 BL(黒)マトリクス 15,35 シール樹脂 16,17,36,37 ストライプ状透明電極 18,38 液晶層 30a,30b 透明ガラス基板 39 透光性樹脂層 40 カラーフィルター付基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−118518(JP,A) 特開 昭62−9301(JP,A) 特開 平6−138454(JP,A) 特開 昭59−75205(JP,A) 特開 平2−156202(JP,A) 実開 昭63−160530(JP,U) 実開 平5−52824(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1335 505 G02B 5/20 101

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性を有する2枚の透明プラスチックフ
    ィルム基板を使用し、互いの主面が所定間隙を空けて対
    向するように配置、前記基板の間隙に液晶を封入して
    STN方式の液晶素子本体を作製した後、インクジェッ
    ト法により、前記液晶素子本体の前記2枚の透明プラス
    チックフィルム基板のうちの一方の基板の前記主面と反
    対側(パネル外側)面に、R(赤),G(緑),B
    (青)及びBL(黒)からなるカラーフィルターを形成
    することを特徴とするカラー液晶表示素子の製造方法。
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KR101124502B1 (ko) * 2005-05-18 2012-03-15 삼성전자주식회사 컬러필터 및 그 제조방법

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