JP2000028735A - X線パネルセンサ - Google Patents

X線パネルセンサ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質の画像を得ることができるX線パネルセ
ンサを提供する。 【解決手段】 このX線パネルセンサによれば、枠体2
の内縁にファイバオプティカルプレート3の外縁が接着
されているので、枠体2によりファイバオプティカルプ
レート3が位置決めされるとともに、この部位が接着さ
れることにより、MOS型イメージセンサ5とファイバ
オプティカルプレート3との間の気泡混入による受光面
積の縮小化を抑制し、以て受光面積の大型化を達成して
良質な画像を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線イメージを撮
像するX線パネルセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のX線パネルセンサは、特開平9−
288184号公報に記載されている。このセンサは、
半導体イメージセンサをシンチレータの下に設けてX線
検出を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のX線パネルセンサにおいては、配線基板上に設けら
れた半導体イメージセンサにおいて良質な画像を得るに
は不十分であった。本発明は係る課題に鑑みてなされた
ものであり、従来に比して更に良質の画像を得ることが
できるX線パネルセンサを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るX線パネルセンサは、配線基板上に固
定された枠体と、枠体の内縁にその外縁が接着されたフ
ァイバオプティカルプレートと、ファイバオプティカル
プレートの一方の表面に設けられ入射したX線を蛍光に
変換するシンチレータと、ファイバオプティカルプレー
トの他方の表面に対向して配線基板上に設けられた半導
体イメージセンサとを備えることを特徴とする。
【0005】本発明のX線パネルセンサによれば、半導
体イメージセンサと入射X線を蛍光に変換するシンチレ
ータとの間に分解能を向上させるためのファイバオプテ
ィカルプレートを介在させる。このファイバオプティカ
ルプレートは、枠体の内縁にその外縁が接着される。も
ちろん、ファイバオプティカルプレートを半導体イメー
ジセンサの受光面に接着することも可能であるが、接着
剤の内部に気泡が混入するような場合には半導体イメー
ジセンサによって良質な画像を得ることができない。こ
のような気泡の混入を抑制するためには、半導体イメー
ジセンサの受光面積を縮小化すればよいが、この受光面
積の低下はイメージサイズの低下を招く。
【0006】本発明のX線パネルセンサによれば、枠体
の内縁にファイバオプティカルプレートの外縁が接着さ
れているので、枠体によりファイバオプティカルプレー
トが位置決めされるとともに、この部位が接着されるこ
とにより、半導体イメージセンサとファイバオプティカ
ルプレートとの間の気泡混入による画質の劣化を抑制
し、以て受光面積の大型化を達成して良質な画像を得る
ことができる。但し、本発明はファイバオプティカルプ
レートと半導体イメージセンサの間に例えば光学的マッ
チングオイルなどの媒体が介在することを排除するもの
ではない。
【0007】また、本発明のX線パネルセンサは、配線
基板上に設けられ半導体イメージセンサの出力を増幅す
る増幅素子を更に備えることが好ましい。増幅素子は配
線基板上に設けられているので、半導体イメージセンサ
と増幅素子とを近接させることができ、これらの接続配
線に重畳されるノイズを低減させ、良質な画像を得るこ
とができる。
【0008】上記のように増幅素子を近接させた場合に
おいても、入射X線の影響は撮像時に低減されることが
望ましい。そこで、上記枠体は、X線を遮蔽する金属で
作製されており、増幅素子は金属によってX線の入射が
遮蔽される位置に設けられていることが望ましい。この
ような場合には、増幅素子は枠体によってX線の影響が
抑制されるので、本X線パネルセンサにおいては、更に
良質な画像を得ることができる。
【0009】また、このようなX線遮蔽を効率的に達成
するために、枠体の配線基板側の面は、配線基板の表面
との間に所定の隙間を与える凹領域を有しており、増幅
素子は前記隙間に配置されていることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に係るX線パネ
ルセンサについて説明する。同一要素又は同一機能を有
する要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明
は省略する。
【0011】図1はX線パネルセンサの平面図であり、
図2は図1に示したX線パネルセンサのII−II矢印
断面図である。
【0012】本X線パネルセンサは、Cu/Ni/Au
からなる配線が形成された配線基板1上に固定された枠
体2と、枠体2の内縁にその外縁が接着され、鉛をシリ
カガラス中に含むファイバオプティカルプレート3と、
ファイバオプティカルプレート3の一方の表面に設けら
れ入射したX線を蛍光に変換するシンチレータ(蛍光
体)4と、ファイバオプティカルプレート3の他方の表
面に対向して配線基板1上に設けられた半導体イメージ
センサ5(MOS型イメージセンサ)とを備えている。
枠体2は、その内縁でファイバオプティカルプレート3
を固定するために、ファイバオプティカルプレート3と
略同じ、若しくは若干大きな面積を有する矩形状の開口
を有している。また、ファイバオプティカルプレート3
の光軸はMOS型イメージセンサ5の受光面に垂直であ
る。
【0013】上記部材は鉄製の筐体6内部に配置され、
筐体6の上面にはX線入射領域を規定する矩形開口を有
する蓋部材7が設けられ、この蓋部材7にはX線入射領
域に設けられた窓材8が内面側から固定されている。す
なわち、蓋部材7はX線を遮蔽する厚さ約1mmの金属
(Fe)から形成され、窓材8はX線を透過させる厚さ
約0.5mmの樹脂(ポリカーボネイト)から形成され
ている。
【0014】MOS型イメージセンサ5は、2次元状に
配置された複数のフォトダイオードと、光の入射に応答
してそれぞれのフォトダイオードで発生した電荷の読み
出しを制御するための複数のMOSFET(電界効果ト
ランジスタ)とを備えている。配線基板1上にはMOS
FETの駆動制御を行うためのシフトレジスタ9と、M
OS型イメージセンサ5の出力を増幅する増幅素子(ア
ンプアレイ)10がベアチップの状態で設けられてい
る。ここで、MOS型イメージセンサ5、シフトレジス
タ9、アンプアレイ10と配線基板1との間には導電性
フィラーを含む熱硬化性樹脂(エポキシ系樹脂)が介在
しており、これらは配線基板1上の配線と電気的に接続
されると同時に物理的に固定されている。
【0015】配線基板1は、Alからなる複数のスペー
サ11,12及び信号処理基板13上から上方に立設し
たコネクタ16を介して信号処理基板13に固定されて
いる。信号処理基板13はAlからなる複数のスペーサ
14,15を介して筐体6の底面に固定されている。コ
ネクタ16は、配線基板1と信号処理基板13とを電気
的に接続するものである。なお、装置全体の小型化のた
めに、MOSイメージセンサ5は、その1つの角部が配
線基板1の角部の近傍に位置するように配置されてい
る。したがって、この位置には、ネジ止めの必要なスペ
ーサを設けることはできないため、この位置において配
線基板1と信号処理基板13との間に介在するスペーサ
11は、ブロック形状とした。
【0016】信号処理基板13の一方面上には、アンプ
アレイ10から出力された映像信号に所定の演算処理を
行う演算処理回路17a,17b、演算処理回路17
a,17bの出力を増幅する増幅器18a,18b、及
び増幅器18a,18bの出力を2分の1周期ずらして
合成するマルチプレクサ19が設けられている。
【0017】信号処理基板13の他方面には、シフトレ
ジスタ9及びアンプアレイ10に信号の読み出しタイミ
ング及び信号増幅タイミングをそれぞれ与え、これらか
ら構成される駆動信号を発生するタイミングパルス発生
回路20、及びタイミングパルス発生回路20の基準ク
ロックを生成する発振器21が設けられている。
【0018】マルチプレクサ19から出力された映像信
号は、映像信号出力端子24から出力される。なお、筐
体6には、この他にタイミングパルス発生回路20駆動
のためのトリガ信号を装置内部で発生するか、外部で発
生するかを切り換える切換スイッチ26、外部からトリ
ガ信号を入力する場合の外部トリガ信号入力端子25、
タイミングパルス発生回路20から出力された同期信号
を出力する同期信号出力端子23、及び装置全体に電源
を供給するための電源コネクタ22が設けられている。
なお、信号処理基板13は、金属配線13a,13c,
13e,13g及びガラス繊維を含む絶縁性薄膜13
b,13d,13fとが交互に積層されてなる4層配線
基板である。露出した金属配線13a及び13gは、C
u/Ni/Auからなり、内部の金属配線13c,13
eはCuからなる。この中で、信号処理基板13の上面
側に形成された回路に最も近い内部金属配線13cは、
信号処理基板13の上面側に形成された回路のグランド
電位に接続されており、信号処理基板13の裏面側に形
成された回路に最も近い内部金属配線13eは、信号処
理基板13の裏面側に形成された回路のグランド電位に
接続されている。また、これらの内部金属配線13c,
13eは、一カ所のみで電気的に接続されている。
【0019】信号処理基板13へのX線の入射を抑制す
るために、配線基板1と信号処理基板13との間には段
部を有する遮蔽板27が介在し、遮蔽板27の上段部は
スペーサ28によって、下段部はスペーサ29によって
信号処理基板13に固定されている。遮蔽板27は、表
面にNiメッキが施された真鍮からなり、グランド電位
に接続されている。
【0020】本実施の形態に係るX線パネルセンサによ
れば、窓材8を介してセンサ内にX線が入射すると、シ
ンチレータ4がX線の入射に応答して蛍光発光する。こ
の蛍光は、複数の光ファイバの集合体であるファイバオ
プティカルプレート3内を、隣接光ファイバ間を通過す
る光と混合することなく、その光軸方向に沿って伝搬
し、MOS型イメージセンサ5の受光面に入射する。M
OS型イメージセンサ5から出力された信号は、アンプ
アレイ10に入力されることによって増幅され、コネク
タ16を介して信号処理基板10上の回路に入力され、
映像信号出力端子24から出力される。本実施の形態に
係るX線パネルセンサは、上述の如く、枠体2を具備し
ている。
【0021】図3は、図1に示したX線パネルセンサの
上面側部分のIII−III矢印断面図である。枠体2
の下面は、配線基板1との間に隙間を与える凹領域が設
けられており、この隙間にアンプアレイ10が設けられ
ている。アンプアレイ10は、MOS型イメージセンサ
5の出力を増幅するものであり、これらはそれぞれの上
に設けられたパッドを介してボンディングワイヤ31で
接続されている。なお、パッドは、当該隙間の中に位置
する。枠体2は当該隙間を具備するので、ボンディング
ワイヤ31は枠体2によって押さえつけられることな
く、外部からの物理的応力から保護されている。枠体2
の内縁はファイバオプティカルプレート3の外縁に接着
剤30を介して接着/固定されている。したがって、フ
ァイバオプティカルプレート3が当該隙間を密閉し、こ
れへの塵の混入を抑制している。
【0022】なお、シフトレジスタ9も同様に枠体2の
隙間内に設けられており、アンプアレイ10と同様に保
護されている。更に、配線基板1を透過するX線が低減
されるように、基板裏面側にはCu/Ni/Auからな
る遮蔽膜32が形成されている。
【0023】X線パネルセンサにおいては、ファイバオ
プティカルプレート3をMOS型イメージセンサ5の受
光面に接着することで固定することも可能であるが、こ
のような場合、接着剤の内部に気泡が混入する場合があ
る。気泡部分はシェーディングを引き起こすので、この
際には良質な画像を得ることができない。このような気
泡の混入は、MOS型イメージセンサ5の受光面積を縮
小化することにより低減することができるが、この受光
面積の低下はイメージサイズの低下を招く。
【0024】本実施の形態のX線パネルセンサによれ
ば、枠体2の内縁にファイバオプティカルプレート3の
外縁が接着されているので、枠体2によりファイバオプ
ティカルプレート3が位置決めされるとともに、この部
位が接着されることにより、MOS型イメージセンサ5
とファイバオプティカルプレート3との間の気泡混入に
よる画質の劣化を抑制し、以て受光面積の大型化を達成
して良質な画像を得ることができ、更に歩留まりも向上
させることができる。但し、ファイバオプティカルプレ
ート3とMOS型イメージセンサ5の間に例えば光学的
マッチングオイルなどの媒体が介在してもよい。
【0025】また、本実施の形態に係るX線パネルセン
サは、配線基板1上に設けられMOS型イメージセンサ
5の出力を増幅するアンプアレイ10を備えている。ア
ンプアレイ10は配線基板1上に設けられているので、
MOS型イメージセンサ5とアンプアレイ10とを近接
させることができ、これらの接続配線に重畳されるノイ
ズを低減させ、良質な画像を得ることができる。
【0026】アンプアレイ10を近接させた場合におい
ても、入射X線の影響は撮像時に低減されることが望ま
しい。そこで、枠体2は、X線を遮蔽する金属(Al又
は更に原子量の大きな金属)で作製されることとし、ア
ンプアレイ10は金属によってX線の入射が遮蔽される
位置に設けられている。この場合には、アンプアレイ1
0は枠体2によってX線の影響が抑制されるので、本X
線パネルセンサにおいては、更に良質な画像を得ること
ができる。
【0027】また、本実施の形態に係るX線パネルセン
サにおいては、このようなX線遮蔽を効率的に達成する
ために、枠体2の配線基板1側の面は、配線基板1の表
面との間に所定の隙間を与える凹領域を有しており、ア
ンプアレイ10はこの隙間に配置されている。
【0028】以上、説明したように、本実施の形態に係
るX線パネルセンサは、良質の画像を得ることができる
ので、医療機器や宇宙観測機器等の高性能測定機器に適
用することができる。
【0029】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係るX
線パネルセンサによれば、枠体を用いることにより従来
に比して更に良質の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線パネルセンサの平面図。
【図2】図1に示したX線パネルセンサのII−II矢
印断面図。
【図3】図1に示したX線パネルセンサの上面側部分の
III−III矢印断面図。
【符号の説明】
1…配線基板、2…枠体、3…ファイバオプティカルプ
レート、4…シンチレータ、5…半導体イメージセン
サ、10…増幅素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 晃永 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2G088 FF02 GG15 GG19 JJ06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線基板上に固定された枠体と、前記枠
    体の内縁にその外縁が接着されたファイバオプティカル
    プレートと、前記ファイバオプティカルプレートの一方
    の表面に設けられ入射したX線を蛍光に変換するシンチ
    レータと、前記ファイバオプティカルプレートの他方の
    表面に対向して前記配線基板上に設けられた半導体イメ
    ージセンサとを備えることを特徴とするX線パネルセン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記配線基板上に設けられ前記半導体イ
    メージセンサの出力を増幅する増幅素子を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のX線パネルセンサ。
  3. 【請求項3】 前記枠体は、X線を遮蔽する金属で作製
    されており、前記増幅素子は前記金属によってX線の入
    射が遮蔽される位置に設けられていることを特徴とする
    請求項2に記載のX線パネルセンサ。
  4. 【請求項4】 前記枠体の前記配線基板側の面は前記配
    線基板の表面との間に所定の隙間を与える凹領域を有
    し、前記増幅素子は前記隙間に配置されていることを特
    徴とする請求項3に記載のX線パネルセンサ。
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