JP2000027936A - 二段伸縮式油圧緩衝器 - Google Patents

二段伸縮式油圧緩衝器

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JP2000027936A
JP2000027936A JP10200288A JP20028898A JP2000027936A JP 2000027936 A JP2000027936 A JP 2000027936A JP 10200288 A JP10200288 A JP 10200288A JP 20028898 A JP20028898 A JP 20028898A JP 2000027936 A JP2000027936 A JP 2000027936A
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Japan
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oil
chamber
piston rod
rod
outer cylinder
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JP10200288A
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English (en)
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Kazuhiko Yonezawa
和彦 米澤
Hiroshi Matsumoto
洋 松本
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ショックアブソーバの最短縮時の全長を長く
することなく、所定の長さに保ったままストローク長だ
けを大きくとることができるようにする。 【解決手段】 一段目ピストンロッド9を担う第一ピス
トン10で外側シリンダ2の内部をロッド側の油室11
とヘッド側の高圧ガス室12に区画し、かつ、外側シリ
ンダ2からヘッド側の高圧ガス室12を貫通して一段目
ピストンロッド9内へと内側シリンダ13を延伸し、こ
の内側シリンダ13の内部を一段目ピストンロッド9と
対峙して反対方向から挿通した二段目ピストンロッド1
5を担う第二ピストン19でロッド側油室20とヘッド
側の21に分け、これら内側シリンダ13におけるヘッ
ド側とロッド側の二つの油室20,21を第二ピストン
19に設けた減衰力発生要素22,23を通して、ま
た、外側シリンダ2のロッド側の油室11と内側シリン
ダ13のヘッド側の油室21を一段目ピストンロッド9
に配設した連絡油路24から一段目ピストンロッド9と
内側シリンダ13の間を通してそれぞれ相互に連通す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走行車両の車体
と車輪との間に生じた上下振動や、その他、各種の機械
および装置の可動部材間に生じた振動を油の流動抵抗で
吸収して速やかに減衰するのに適した油圧緩衝器の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、走行中の車両に生じた上下振動
や各種の機械・装置の可動部材間に生じた振動を速やか
に吸収するためには、シリンダに対して減衰力発生要素
を備えたピストンを担うピストンロッドを抜き差し自在
に挿入した一段伸縮式の油圧緩衝器を用いる手段が広く
一般に知られている。
【0003】すなわち、このものにあっては、シリンダ
とピストンの相対変位に伴う作動油の流れに対し減衰力
発生要素で流動抵抗を与え、当該流動抵抗により車両や
各種の機械・装置の可動部材の振動エネルギーを作動油
の熱エネルギーに変換することで速やかに振動を減衰す
るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そうとは言っ
ても、このものでは、ピストンと共働するピストンロッ
ドがシリンダから突出して伸縮動作を行うために、最短
縮状態での油圧緩衝器の全長と最大ストローク動作して
ピストンロッドが伸び切り状態となったときの油圧緩衝
器の全長との間には、必然的に後者の長さが前者の長さ
の二倍を越えることができないと言う一定の制限があ
る。
【0005】そのために、車両やその他の機械・装置に
対する油圧緩衝器の最低取付長が決まってしまえば、油
圧緩衝器としての制振作用を行うための最大ストローク
長も決まってしまい、逆に、制振作用を行うための最大
ストローク長が決まってしまうと、必然的に油圧緩衝器
の最低取り付け長さも決まってしまうことになる。
【0006】その結果、必要とする最大ストローク長さ
を確保しようとすると、当然のことながら油圧緩衝器の
最短縮時の全長も長大化して装着に困難をもたらすばか
りでなく、例えば、制振対象がワン・ボックス・タイプ
の自動車のような車両であった場合には、油圧緩衝器の
上端取付部が車室内へと大きく突き出して邪魔になると
いう問題点をも生じる。
【0007】また、これを防ぐために、油圧緩衝器の最
短縮時の全長を車両への取り付け面から可能な限り短く
構成してやると、当該油圧緩衝器の最大ストローク長が
必然的に車両の上下振動よりも小さくなってしまい、車
両が上下に大きく振動するたびに油圧緩衝器が最伸長お
よび最短縮状態に達して作動端での衝撃を発生し、所期
の減衰性能を発揮し得ないことになる。
【0008】したがって、この発明の目的は、最短縮時
の全長を長大化することなく所定の長さに保ったまま、
最大ストローク長のみを大きくとることができるように
した二段伸縮式油圧緩衝器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記したこの発明の目的
は、一段目ピストンロッドを担う第一ピストンで外側シ
リンダをロッド側の油室と作動油体積補償用のヘッド側
の高圧ガス室または貯油室とに区画し、かつ、外側シリ
ンダからこれらヘッド側の高圧ガス室または貯油室を貫
通して一段目ピストンロッド内へと内側シリンダを延伸
し、この内側シリンダの内部を一段目ピストンロッドと
対峙して反対方向から挿通した二段目ピストンロッドを
担う第二ピストンでロッド側とヘッド側の二つの油室に
分け、当該二つの油室を第二ピストンに設けた減衰力発
生要素を通して相互に連通するなり、また、外側シリン
ダのヘッド側の油室を貯油室としたものにあっては、こ
れと併せて外側シリンダのロッド側の油室と貯油室に通
じるヘッド側の油室をも第一ピストンに設けた減衰力発
生要素を通して互に連通し、しかも、外側シリンダのロ
ッド側の油室と内側シリンダのヘッド側の油室を一段目
ピストンロッドに設けた連絡油路から一段目ピストンロ
ッドと内側シリンダの間を通して相互に連通することに
より達成される。
【0010】すなわち、上記のように構成することによ
り、車両やその他の機械・装置に生じた上下振動により
二段目ピストンロッドを押して油圧緩衝器が圧縮動作し
たとき、第二ピストンに設けた減衰力発生要素を通して
内側シリンダのヘッド側の油室の作動油がロッド側の油
室へと押し出され、当該減衰力発生要素で圧側減衰力を
発生しつつ第二ピストンが内側シリンダに添って内部へ
と入り込んでいく。
【0011】しかも、これと併せて、内側シリンダのヘ
ッド側の油室からは、当該内側シリンダに対する二段目
ピストンロッドの浸入体積分に相当する量の作動油が内
側シリンダと一段目ピストンロッドの間を通して連絡油
路から外側シリンダのロッド側の油室に押し出される。
【0012】これにより、当該作動油によって外側シリ
ンダのロッド側の油室が拡張することから、この油室の
拡張により第一ピストンが一段目ピストンロッドを伴い
つつ押されてヘッド側の部屋に充填した高圧ガスを押し
縮めつつ外側シリンダ内へと入り込んでいく。
【0013】なお、この場合において、外側シリンダの
ヘッド側の油室を貯油室としたものにあっては、外側シ
リンダのロッド側の油室から一段目と二段目ピストンロ
ッドの浸入体積分の合計に相当する量の作動油が第一ピ
ストンに設けた減衰力発生要素を通り、かくして、第一
および第二ピストンに設けた減衰力発生要素で所定の圧
側減衰力を発生しつつ貯油室へと押し出される。
【0014】このようにして、上記した油圧緩衝器は、
二段目ピストンロッドの圧縮動作に伴い圧側減衰力を発
生しながら、二段目ピストンロッドの圧縮動作と自動的
に連動して一段目ピストンロッドをも圧縮動作していく
ことになる。
【0015】また、逆に、車両やその他の機械・装置に
生じた上下振動により二段目ピストンロッドが引っ張ら
れて油圧緩衝器が伸長動作したとすると、今度は、第二
ピストンを通して内側シリンダのロッド側の油室内の作
動油が圧縮され、当該ロッド側の油室内の作動油をヘッ
ド側の油室へと向って押し出し、第二ピストンに設けた
減衰力発生要素で伸側減衰力を発生しつつ内側シリンダ
内から抜け出していくことになる。
【0016】しかし、上記した二段目ピストンロッドの
退出体積分に相当する量の作動油では、そのときに拡張
する内側シリンダのヘッド側の油室を満たすには足らな
いので、当該不足する分の作動油を外側シリンダのロッ
ド側の油室から一段目ピストンロッドに設けた連絡油路
を通して内側シリンダのヘッド側の油室へと吸い込むこ
とになる。
【0017】これにより、外側シリンダにおけるロッド
側の油室の作動油が減少することからヘッド側の高圧ガ
ス室のガス圧力により、或いは、貯油室内の作動油を第
二ピストンに設けた減衰力発生要素から外側シリンダの
ヘッド側の油室へと吸い込みつつ、上記した第二ピスト
ンの減衰力発生要素と当該第一ピストンの減衰力発生要
素とで伸側減衰力を発生しながら第一ピストンが一段目
ピストンロッドを伴って伸長動作する。
【0018】上記のようにして、当該油圧緩衝器は、圧
縮動作と伸長動作に関係なく二段目ピストンロッドの伸
縮動作に伴い、伸側および圧側減衰力を発生しつつ当該
二段目ピストンロッドの伸縮動作と連動して自動的に一
段目ピストンロッドをも伸縮動作させ、最短縮時の全長
を長くすることなく所定の長さに保ったままストローク
長のみを大きくとることが可能になるのである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に示す幾つかの具体例に基づいて説明していくこ
とにする。
【0020】図1において、油圧緩衝器1の外周部分を
形作る外側シリンダ2は、上端内壁部分にスナップリン
グ3,4で固定したベアリング部材5とシール部材6を
有しており、それらの上からアッパキャップ7を被せて
上端部分を塞ぐと共に、下端部分を溶接手段によって取
り付けたボトムキャップ8で塞いでいる。
【0021】上記した外側シリンダ2の内部には、上端
側から内方に向って一段目ピストンロッド9を担う第一
ピストン10が外側シリンダ2の内壁面と上記ベアリン
グ部材5とでガイドされつつ、かつ、シール部材6によ
り油密状態を保ちながら摺動自在に挿入してあり、当該
第一ピストン10で外側シリンダ2の内部をロッド側の
油室11とヘッド側の高圧ガス室12とに区画してい
る。
【0022】また、ボトムキャップ8に対しては、基端
にある程度の自由度をもたせて内側シリンダ13を外側
シリンダ2と同芯状態に設け、当該内側シリンダ13を
一段目ピストンロッド9の内部へとヘッド側の高圧ガス
室12を貫通して延伸し、しかも、この内側シリンダ1
3の内部に対して下端に連結具14を有する二段目ピス
トンロッド15を一段目ピストンロッド9と対峙して反
対の方向である下方から挿通してある。
【0023】この二段目ピストンロッド15は、ボトム
キャップ8に止めリング16で固定したシール部材17
からベアリング18を貫通して内側シリンダ13の内部
へと延び、かつ、上端に設けた第二ピストン19を内側
シリンダ13の内壁面に摺接させることで、当該内側シ
リンダ13の内部をロッド側の油室20とヘッド側の油
室21の二つに分けている。
【0024】一方、上記した第二ピストン19は、上面
側に配設した伸側減衰力発生バルブ22と下面側に設け
た圧側減衰力発生バルブ23とからなる減衰力発生要素
を通して内側シリンダ13の内部におけるロッド側の油
室20とヘッド側の油室21とを連通している。
【0025】しかも、これに加えて、外側シリンダ2の
ロッド側の油室11と内側シリンダ13のヘッド側の油
室21を一段目ピストンロッド9に配設した連絡油路2
4から一段目ピストンロッド9と内側シリンダ13の間
の隙間油路25を通して相互に連通したのである。
【0026】なお、当該実施の形態にあっては、外側シ
リンダ2におけるヘッド側の高圧ガス室12内へと所定
圧力をもった高圧ガスを封じ込めるために、当該外側シ
リンダ2の側壁にヘッド側の高圧ガス室12へと通じる
圧力ガス封入用の導入孔26を設け、この導入孔26を
圧力ガス導入後に栓27を押し込むことで閉塞するよう
にしている。
【0027】また、これに対して一段目ピストンロッド
9には、軸方向へと貫通する排気孔28を設けて出口部
分にエア抜きバルブ29を取り付け、作動油の注入時に
排気孔28から内部のエアを押し出すことで外側および
内側シリンダ2,13のロッド側の油室11,20と内
側シリンダ13のヘッド側の油室21を作動油で満たす
ことができるようにしてある。
【0028】かくして、車両やその他の機械・装置に生
じた上下振動を二段目ピストンロッド15に受け、当該
二段目ピストンロッド15を通して油圧緩衝器1が圧縮
動作したとすると、内側シリンダ13のヘッド側の油室
21内の作動油が第二ピストン19に設けた圧側減衰力
発生バルブ23を押し開いてロッド側の油室20へと押
し出され、当該圧側減衰力発生バルブ23で圧側減衰力
を発生しつつ内側シリンダ13内へと向って入り込んで
いく。
【0029】しかも、上記と併せて、内側シリンダ13
のヘッド側の油室21からは、当該内側シリンダ13に
対する二段目ピストンロッド15の浸入体積分に相当す
る量の作動油が、一段目ピストンロッド9との間の隙間
油路25から一段目ピストンロッド9に設けた連絡油路
24を通して外側シリンダ2のロッド側の油室11に押
し出されてくる。
【0030】これにより、当該作動油によって外側シリ
ンダ2のロッド側の油室11が拡張することから、この
ロッド側の油室11の拡張により第一ピストン10が一
段目ピストンロッド9を伴いつつ押されてヘッド側の高
圧ガス室12を押し縮め、当該高圧ガス室12に充填し
た高圧ガスを圧縮していく。
【0031】このことから、例えば、外側シリンダ2に
おけるロッド側の油室11の断面積と二段目ピストンロ
ッド15の断面積とが等しくなるように設定しておけ
ば、当該油圧緩衝器1は、二段目ピストンロッド15の
圧縮動作に伴い圧側減衰力を発生しつつ、二段目ピスト
ンロッド15の圧縮動作と自動的に連動して一段目ピス
トンロッド9も同速度で反対方向へと圧縮動作していく
ことになる。
【0032】また、逆に、車両やその他の機械・装置に
生じた上下振動により二段目ピストンロッド15が引っ
張られて油圧緩衝器1が伸長動作したとすると、第二ピ
ストン19を通して内側シリンダ13におけるロッド側
の油室20の作動油が圧縮され、当該ロッド側の油室2
0内の作動油を第二ピストン19に設けた減衰力発生要
素である伸側減衰力発生バルブ22からヘッド側の油室
21へと向って押し出し、当該伸側減衰力発生バルブ2
2で伸側減衰力を発生しつつ内側シリンダ13内から抜
け出していく。
【0033】しかし、上記した二段目ピストンロッド1
5の退出体積分に相当する量の作動油では、そのとき拡
張する内側シリンダ13のヘッド側の油室21を満たす
には足らないので、当該不足する分の作動油を外側シリ
ンダ2のロッド側の油室11から一段目ピストンロッド
9に設けた連絡油路24、および、当該一段目ピストン
ロッド9と内側シリンダ13の間の隙間油路25を通し
て内側シリンダ13のヘッド側の油室21へと吸い込
む。
【0034】なお、この場合にあっても、外側シリンダ
2のロッド側の油室11の断面積と二段目ピストンロッ
ド15の断面積とが等しくなるように設定しておけば、
当該油圧緩衝器1は、先の圧縮動作時と同様に二段目ピ
ストンロッド15の伸長動作に伴い伸側側衰力を発生し
つつ、二段目ピストンロッド15の伸長動作と自動的に
連動して一段目ピストンロッド9も逆方向へと同速度で
伸長動作していくことになる。
【0035】これにより、外側シリンダ2におけるロッ
ド側の油室11内の作動油が減少することから、ヘッド
側の高圧ガス室12のガス圧力により押されて第一ピス
トン10が一段目ピストンロッド9を伴って伸長動作す
る。
【0036】上記のようにして、当該油圧緩衝器1は、
圧縮動作と伸長動作に関係なく二段目ピストンロッド1
5の伸縮動作に伴い、伸側および圧側減衰力を発生しつ
つ当該二段目ピストンロッド15の伸縮動作と連動して
自動的に一段目ピストンロッド9をも伸縮動作させ、最
短縮時の全長を長くすることなく所定の長さに保ったま
まストローク長のみを大きくとることが可能になるので
ある。
【0037】以上、これまで述べてきた図1の実施の形
態の油圧緩衝器1にあっては、外側シリンダ2のヘッド
側のみを高圧ガス室12とするようにしたが、このよう
にする代わりに図2の実施の形態に示す油圧緩衝器1a
のようにしてもよい。
【0038】すなわち、図2に示すように、ボトムキャ
ップ8をシール部材17を保持する部分8aとベアリン
グ18をもつ部分8bに分けると共に、シール部材17
を保持する部分8aと外側シリンダ2の上端を塞ぐベア
リング部材5およびシール部材6の外径を外側シリンダ
2の外径よりも大きく作ってアウタチューブ30を取り
付け、当該アウタチューブ30によって外側シリンダ2
との間を上部に気体部分であるガス室31の部分を残し
て下方部分を貯油室34aとして形成する。
【0039】そして、この貯油室34aをベアリング1
8の部分8bに穿った連絡路32である連通孔と切欠と
を通して外側シリンダ2におけるヘッド側の油室12a
へと常に連通してやる。
【0040】このようにすれば、油圧緩衝器1aの伸縮
動作に当って一段目と二段目ピストンロッド9,15の
浸入および退出体積分の作動油の過不足を外側シリンダ
2のヘッド側の油室12aだけでなく、当該油室12a
に比べて大きな容積を有するアウタチューブ30との間
の貯油室34aをも利用して補償し得ることから、油圧
緩衝器1aの伸縮動作に際してのガス圧力の変化幅を小
さく保ちつつ効率よく外部振動を吸収することが可能に
なる。
【0041】また、上記の場合において、図3に示した
実施の形態である油圧緩衝器1bのように、外側シリン
ダ2のヘッド側の部分とアウタチューブ30の内方部分
を油室として形成すると共に、後者のアウタチューブ3
0との間の部分をダイアフラム33により内方の油室3
4と外周のガス室31の部分とに区画し、この内方の油
室34を連絡路32で外側シリンダ2のヘッド側の油室
12aへと相互に連通してやる。
【0042】これによって、ガス室31の容積を図2に
示す実施の形態の油圧緩衝器1aに比べて極端に小さく
することなく、ガス洩れを確実に防いで油圧緩衝器とし
ての機能を常に安定したかたちで維持することができ
る。
【0043】さらに、外側シリンダ2の外周部分にアウ
タチューブ30を設けてダイアフラム33によりガス室
31と油室34とに区画する代わりに、図4に示す実施
の形態の油圧緩衝器1cのように、フリーピストン35
によって内部をガス室31と油室34に区画した別設用
のタンク体36を用いる。
【0044】そして、上記したタンク体36の油室34
を伸側および圧側減衰力発生バルブ37,38からなる
減衰力発生要素を備えたバルブ体39と連絡パイプ40
を通して外側シリンダ2のヘッド側の油室12aに連通
してやる。
【0045】このように構成することで、油圧緩衝器1
cにおける本体部分の外径を大きくすることなく、しか
も、連絡パイプ40を選ぶことでタンク体36を任意の
場所に設置し得ることから、当該油圧緩衝器1cの適用
対象を広範囲に広げることが可能になる。
【0046】しかも、これに加えて、伸側と圧側の減衰
力発生要である伸側減衰力発生バルブ22,37と圧側
減衰力発生バルブ23,38の両方を直列に配置して設
けたことにより、伸側および圧側減衰力特性の自由度を
より高めることができる。
【0047】なお、これまでの図1から図4の各実施の
形態では、外側および内側シリンダ2,13内を圧縮ガ
スで高圧に保ち、一段目ピストンロッド9と二段目ピス
トンロッド15の伸縮動作に伴ってそれぞれの内部に負
圧が発生しないように圧力を付加する所謂ガス封入タイ
プの油圧緩衝器1,1a,1b,1cに対してこの発明
を適用した場合を示してきた。
【0048】しかし、そのような必要がない場合には、
図5の実施の形態で示す油圧緩衝器1dのように、外側
シリンダ2とアウタチューブ30の間を先の図2の実施
の形態の場合と同様に上部に気体部分を残して貯油室3
4aとし、かつ、外側シリンダ2におけるヘッド側の油
室12aを連絡路32で上記貯油室34aに連通すると
共に、第一ピストン10に対して先の図4のタンク体3
6における減衰力発生要素と同じような伸側および圧側
減衰力発生バルブ37,38を設けてやる。
【0049】これにより、図4の実施の形態における油
圧緩衝器1cと同様にして伸側減衰力発生バルブ22,
37と圧側減衰力発生バルブ23,38の両方を直列に
配置し、それによって、伸側および圧側のそれぞれの減
衰力特性の自由度を高めつつ標準型であるツインチュー
ブ式の油圧緩衝器1dにこの発明を適用することが可能
となる。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によ
れば、外周部分を形作る外側シリンダの内部を一段目ピ
ストンロッドを担う第一ピストンでロッド側の油室とヘ
ッド側の高圧ガス室に区画し、かつ、外側シリンダから
ヘッド側の高圧ガス室を貫通して一段目ピストンロッド
内へと内側シリンダを延伸し、この内側シリンダの内部
を一段目ピストンロッドと対峙して反対方向から挿通し
た二段目ピストンロッドを担う第二ピストンでロッド側
とヘッド側の二つの油室に分け、これら内側シリンダに
おけるヘッド側とロッド側の油室を第二ピストンに設け
た減衰力発生要素を通して、また、外側シリンダのロッ
ド側の油室と内側シリンダのヘッド側の油室を一段目ピ
ストンロッドに配設した連絡油路から一段目ピストンロ
ッドと内側シリンダの間を通してそれぞれ相互に連通
し、このようにして、一段目ピストンロッドと二段目ピ
ストンロッドを同芯状態に保ちつつ反対方向へと二段に
伸縮可能としたことにより、伸縮動作に伴って伸側およ
び圧側減衰力を発生しつつ二段目ピストンロッドの伸縮
動作と連動して自動的に一段目ピストンロッドをも伸縮
動作させ、最短縮時の全長を長くすることなく所定の長
さに保ったままストローク長のみを大きくとることが可
能になるのである。
【0051】また、請求項2の発明によれば、上記した
請求項1の発明に加えて外側シリンダの外周をアウタチ
ューブで覆い、外側シリンダとアウタチューブの間を上
部にガス室をもつ貯油室として外側シリンダ内のヘッド
側の油室に連通したことにより、伸縮動作に当って一段
目と二段目ピストンロッドの浸入および退出体積分の作
動油の過不足を外側シリンダのヘッド側の油室だけでな
く、当該油室に比べて大きな容積をもつアウタチューブ
との間の貯油室をも利用して補償し得ることから、油圧
緩衝器の伸縮動作に際してのガス圧力の変化幅を小さく
保ちつつ効率よく外部振動を吸収することが可能にな
る。
【0052】また、請求項3の発明によれば、外側シリ
ンダのヘッド側とアウタチューブとの間の部分を油室と
して形成すると共に、後者のアウタチューブとの間の部
分をダイアフラムによって内方の油室と外周のガス室の
部分とに区画し、この内方の油室を外側シリンダのヘッ
ド側の油室へと連通したことにより、上記した効果に加
えてガス室の容積を極端に小さくすることなく、ガス洩
れを確実に防いで油圧緩衝器としての機能を常に安定し
たかたちで維持することができる。
【0053】さらに、請求項4の発明によれば、外側シ
リンダの外周にアウタチューブを設けてダイアフラムに
よりガス室と油室とに区画する代わりに、フリーピスト
ンによって内部をガス室と油室に区画した別設用のタン
ク体を用い、当該タンク体の油室を減衰力発生要素から
連絡用のパイプ部材を通して本体側における外側シリン
ダのヘッド側の油室へと連通したことにより、油圧緩衝
器における本体部分の外径を大きくすることなく、しか
も、連絡用のパイプ部材を選ぶことでタンク体を任意の
場所に設置可能とし、それによって、油圧緩衝器の適用
対象を広範囲に広げることができるばかりでなく、減衰
力発生要を二段に直列配置し得ることで減衰力特性の自
由度を高めることができる。
【0054】また、さらに、外側シリンダとアウタチュ
ーブの間を上部に気体部分をもつ貯油室として構成する
と共に、第二ピストンと併せて第一ピストンにも減衰力
発生要素を設けてやることにより、これら二つの減衰力
発生要素を直列に作用させて減衰力特性の自由度を高め
つつ、かつ、標準型であるツインチューブ式の油圧緩衝
器に対してこの発明を適用することが可能となるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用した油圧緩衝器の実施の形態を
示す縦断正面図である。
【図2】同上、この発明を適用した油圧緩衝器の他の実
施の形態を示す縦断正面図である。
【図3】同じく、この発明を適用した油圧緩衝器のさら
に別の実施の形態を示す縦断正面図である。
【図4】上記した図3の実施の形態おける油圧緩衝器の
外周に設けたガス室を切り離して別設用のタンク部材と
して構成した場合の変形例を示す縦断正面図である。
【図5】この発明を通常型のツインチューブ式である油
圧緩衝器に適用した場合の他の実施の形態を示す縦断正
面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d 油圧緩衝器 2 外側シリンダ 7 アッパキャップ 8 ボトムキャップ 9 一段目ピストンロッド 10 第一ピストン 11 外側シリンダのロッド側の油室 12 外側シリンダのヘッド側の高圧ガス室 12a 外側シリンダのヘッド側の油室 13 内側シリンダ 15 二段目ピストンロッド 19 第二ピストン 20 内側シリンダのロッド側の油室 21 内側シリンダのヘッド側の油室 22 第二ピストン用の伸側減衰力発生バルブ 23 第二ピストン用の圧側減衰力発生バルブ 24 連絡油路 25 隙間油路 30 アウタチューブ 31 ガス室 32 連絡路 33 ダイアフラム 34 油室 34a 貯油室 35 フリーピストン 36 タンク体 37 第一ピストン用の伸側減衰力発生バルブ 38 第一ピストン用の圧側減衰力発生バルブ 40 連絡用のパイプ部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一段目ピストンロッドを担う第一ピスト
    ンで外側シリンダの内部をロッド側の油室とヘッド側の
    高圧ガス室に区画し、かつ、外側シリンダからヘッド側
    の高圧ガス室を貫通して一段目ピストンロッド内へと内
    側シリンダを延伸し、この内側シリンダの内部を一段目
    ピストンロッドと対峙して反対方向から挿通した二段目
    ピストンロッドを担う第二ピストンでロッド側とヘッド
    側の二つの油室に分け、これら内側シリンダにおけるヘ
    ッド側とロッド側の油室を第二ピストンに設けた減衰力
    発生要素を通して、また、外側シリンダのロッド側の油
    室と内側シリンダのヘッド側の油室を一段目ピストンロ
    ッドに配設した連絡油路から一段目ピストンロッドと内
    側シリンダの間を通してそれぞれ相互に連通したことを
    特徴とする二段伸縮式油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 外側シリンダの外周をアウタチューブで
    取り囲んで両者の間を上部に気体部分を残した貯油室と
    して形成し、当該貯油室を連絡路によって常に外側シリ
    ンダにおけるヘッド側の油室へと連通した請求項1の二
    段伸縮式油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 外側シリンダにおけるヘッド側の高圧ガ
    ス室とアウタチューブとの間のガス室を油室として形成
    すると共に、アウタチューブとの間の油室を隔壁部材に
    より独立した可変型の高圧ガス室と連絡路で外側シリン
    ダのヘッド側の油室に通じる油室部分とに区画した請求
    項2の二段伸縮式油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 一段目ピストンロッドを担う第一ピスト
    ンで外側シリンダの内部をロッド側とヘッド側の油室に
    区画し、かつ、外側シリンダからヘッド側の油室を貫通
    して一段目ピストンロッド内へと内側シリンダを延伸
    し、この内側シリンダの内部を一段目ピストンロッドと
    対峙して反対方向から挿通した二段目ピストンロッドを
    担う第二ピストンで同じくロッド側とヘッド側の二つの
    油室に分け、これら内側シリンダにおけるヘッド側とロ
    ッド側の油室を第二ピストンに設けた減衰力発生要素を
    通して、また、外側シリンダのロッド側の油室と内側シ
    リンダのヘッド側の油室を一段目ピストンロッドに配設
    した連絡油路から一段目ピストンロッドと内側シリンダ
    の間を通してそれぞれ相互に連通すると共に、さらに、
    これらと別設して隔壁部材により高圧ガス室と油室とに
    区画したタンク体を配設し、当該タンク体の油室と前記
    した外側シリンダのヘッド側の油室をパイプ部材により
    タンク体に設けた減衰力発生要素を通して相互に連通し
    たことを特徴とする二段伸縮式油圧緩衝器。
  5. 【請求項5】 一段目ピストンロッドを担う第一ピスト
    ンで外側シリンダの内部をロッド側とヘッド側の油室に
    区画し、かつ、外側シリンダからヘッド側の油室を貫通
    して一段目ピストンロッド内へと内側シリンダを延伸
    し、この内側シリンダの内部を一段目ピストンロッドと
    対峙して反対方向から挿通した二段目ピストンロッドを
    担う第二ピストンで同じくロッド側とヘッド側の二つの
    油室に分け、しかも、外側シリンダの外周をアウタチュ
    ーブにより囲んで上部にガス体をもつ貯油室として形成
    し、これら外側シリンダと内側シリンダにおけるヘッド
    側とロッド側の油室を第一および第二ピストンに設けた
    個々の減衰力発生要素を通してそれぞれ連通すると共
    に、外側シリンダのロッド側の油室と内側シリンダのヘ
    ッド側の油室を一段目ピストンロッドに設けた連絡油路
    により一段目ピストンロッドと内側シリンダの間を通し
    て、また、外側シリンダのヘッド側の油室を連絡油路で
    アウタチューブとの間の貯油室へと連通したことを特徴
    とする二段伸縮式油圧緩衝器。
JP10200288A 1998-07-15 1998-07-15 二段伸縮式油圧緩衝器 Pending JP2000027936A (ja)

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