JP2000027832A - トルク角制限ホイ―ルナット - Google Patents

トルク角制限ホイ―ルナット

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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 車輪シートの変形の大きさを制限し、同様
に、組立ての際のトルク角を制限するホイールナットに
関する一つの機能を提供する。 【解決手段】 ホイールナット１０は、縦軸１４を持つ
本体１２を含み、ナット本体は軸方向を向いたネジ山付
き開口部と一組の端部を持つ。一方の端部は円錐状の外
面２２の形をしていて、他方の端面はスパナ用平坦部２
４を持ち、スパナ用平坦部を通して、トルク力をナット
本体に容易に伝える。車輪２６は、面と面とが接触した
状態で、上記円錐状の外面を収容できるように作られて
いるナット・シート面３６を持ち、増大する締付け力
が、ホイールナット上に加えられたトルク力に応じて、
シートのところで車輪に加えられる。フランジ３８は、
ホイールナットを前進させた場合、ホイールナットによ
りホイールナット・シートが変形を起こす前に車輪と係
合することができるストップ面４０を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には、自動
車の車軸上に車輪を装着するためのホイールナットに関
する。より詳しく説明すると、本発明のホイールナット
は、特にアルミニウムのような鋼鉄より柔らかい金属か
らできている場合、車輪の変形を起こす恐れがある負荷
が掛かったときに、ナットが車輪と係合するのを防止す
るように作られている。大部分のホイールナットは、車
輪と係合する円錐形の表面を含み、トルクに応じて車輪
に締付け力を加える。
【０００２】
【従来の技術、及び、発明が解決しようとする課題】大
部分のホイールナットの主要な特徴は、円錐形の表面で
ある。この円錐形の表面は、そこを通して締付け力が加
えられる面であり、また最終組立位置で車輪の中心を合
わせるための手段である。何回も何回も使用し試験した
結果、車輪組立体についての技術的知識の中核が形成さ
れた。現代の車輪組立方法および制御方法は、この経験
的なデータの結果開発されたものである。
【０００３】車輪組立体に対しては、ある最小限の締付
け力が指定されていて、組立てに際して、この基準に適
合しているかどうかを判断するための方法が必要であ
る。実験室においては、上記判断等は、特殊な固定治具
および上記締付け力を測定する負荷センサにより行われ
る。組立工場においては、上記力の存在を直接測定する
実用的な方法はないが、トルクおよびトルク角は測定す
ることができる。トルクと締付け負荷との間の関係を理
解すれば、トルクおよびトルク角を確実に適当な締付け
負荷を掛けるための適当な制御測定基準とすることがで
きる。組立ての際に加えるトルクには上限と下限が設定
されていて、トルク対引っ張り力曲線の、通常の持続時
間からの変動を検出するために、トルク角がモニタされ
る。指定の基準から非常に大きく変動した場合には、組
立体の強度に悪影響を与える恐れがある問題が、組立体
内部で発生していることを示す場合がある。
【０００４】時々、非常に大きな締付け負荷が発生する
場合があるが、これはアルミニウム合金製車輪上の接合
の故障を意味するものであって、鋼鉄の車輪には悪影響
はない（いくつかの変数のどれか一つによる）。上記故
障は、上記車輪のナットのシートが、上記高い締付け負
荷を支持することができないことに起因するものであ
り、アルミニウムの強度が低いために起こる。この故障
が起こると、締付け負荷が達成されるまで、上記ナット
は車輪をドライブスルーする。ナット・シートの変形の
程度は、トルク角の数値により判断することができる。
トルク角が大きければ大きいほど、ナット・シートの変
形が大きいことを示す。過度の変形はジョイントを故障
させたり、使用不能にする場合がある。本発明は、車輪
シートの変形の大きさを制限し、同様に、組立ての際の
トルク角を制限するホイールナットに関する一つの機能
を提供する。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の上記制限機能
は、ナットの軸にほぼ垂直で、上記円錐形の表面と相互
に交差しているホイールナット上のストップ面の設置に
より行われ、それにより、車輪が、アルミニウムのよう
な、より軟らかい金属でできている場合、車輪に過負荷
が掛かったり、変形を受けるホイールナット上へトルク
力が掛かかったりするのを防止する。本発明のいくつか
の実施形態を開示するが、すべての実施形態は、車輪が
自動車に装着された場合、車輪に掛かる恐れがある締付
け力を制限する上記ストップ面を含む。
【０００６】他の特徴、利点および新規な点は、本明細
書および特許請求の範囲と共に下記の図面を見れば明ら
かになるだろう。
【０００７】
【発明の実施の形態】図について説明すると、図２にそ
の全体を参照番号１０で示す、本発明のホイールナット
は、縦軸１４および軸方向開口部１６を持つ金属本体１
２を備える。上記本体１２は、二つの端部１８および２
０を持ち、上記内端部１８のところには円錐状の表面２
２を、外端部２０のところには、スパナのための平坦部
２４を持つ。
【０００８】図２の場合、ホイールナット１０は、その
一部だけが図示してある、自動車の車輪２６を、乗用車
（図示せず）の車軸に固定された、従来技術車軸プレー
ト２８に固定している位置にある。車輪２６は、上記円
錐状の表面２２に対応する円錐状のホイールナット・シ
ート表面３６を備える。
【０００９】車輪２６は、上記車軸プレート２８に設置
されているボルト１０上の多数のホイールナット１０に
より、プレート２８に対して固定されている。上記ボル
トの中の一本を図２に参照番号３０で示す。車輪２６
は、多数の開口部３４を持ち、その中の一つの開口部を
図２に示す。この開口部は、ボルト３０上を望遠鏡の様
な形で延びている。各開口部３４は、形がホイールナッ
ト１０上の円錐状の表面２２に対応する、円錐状のナッ
ト・シート３６を持つ。ホイールナット１０は、円錐状
の表面２２が上記シート３６に接するまで、ボルト３２
にネジこまれる。
【００１０】シート表面３６のところで、ホイールナッ
ト１０上の円錐面２２により、車輪２６上に締付け力が
加わるように、トルク力がスパナ用平坦部２４に加えら
れる。車輪２６が、アルミニウムのような鋼鉄より軟ら
かい金属でできていると仮定した場合、通常の車輪固定
位置において、図１に示す従来のナット３５を持つ車輪
上に締付け力が、過度に掛かる恐れが十分にある。
【００１１】本発明の車輪の場合、ホイールナット１０
の本体１２は、軸１４に対してほぼ垂直な平面４２内に
ほぼ含まれる、ストップ面４０を持つフランジ３８を備
える。表面４０が車輪２６と係合すると、スパナ用平坦
部２４へのトルクにより、ボルト３０上でホイールナッ
トを、それ以上前進させることができない。それ故、ホ
イールナット１０により、車輪２６を過度に変形する高
い締付け負荷が同時に発生する恐れが積極的に防止され
る。
【００１２】逆に、従来技術のナット３５は、図７に示
すように、高い締付け力により車輪２６を変形すること
ができる。ナット３５は円錐面３７を持つが、フランジ
３８のようなフランジは持っていない。面３７上の円筒
形バンド３９は、ナット３５が面３７に向かって前進す
るのを止めることはできない。
【００１３】スパナ用平坦部２４上のトルク力に応じ
て、ホイールナット１０が、車輪２６に加える締付け力
は、軸１４と円錐状面２２との間の開先角度に関連す
る。この開先角度が小さければ小さいほど、トルク力の
より多くの部分が、圧縮力として軸１４に平行に車輪２
６に掛かる。それ故、円錐面２２上に必要な角度を与
え、軸１４の方向にフランジの位置を設定することによ
って、軟らかい金属車輪２６を変形させないで、必要な
締付け力を確実に与えることができる。ストップ面４０
を有効に働かせるために、上記ストップ面は円錐面２２
の動きを止めなければならない。平面４２と円錐面との
間にギャップがある場合には、ストップ面４０が車輪２
６に係合するまえに、車輪が変形する場合もある。
【００１４】図３および図５は、ホイールナット１０の
他の実施形態である。これらの実施形態は、図２の実施
形態に非常によく似ていて、そのために、ホイールナッ
ト１０、１０ａおよび１０ｂの類似の部品には類似の番
号がついている。ホイールナット１０ａおよび１０ｂ
は、これらホイールナット１０が、それぞれ、ボルト３
０にねじ込むことができる、内部にネジ山を持つ部材５
２と、ワッシャ、すなわち、「車輪シート係合」部材５
４からなる複数の部品からなる本体５０を使用している
点が、上記ホイールナット１０と異なる。ワッシャ５４
は、軸１４のまわりを自由に回転する。ホイールナット
１０ａにおいては、外部キャップ５６が、ネジ山付き部
材５２およびワッシャ５４を一体に保持している。
【００１５】各ホイールナット１０ａおよび１０ｂは、
上記ホイールナット１０の重要な構成部材を含む。例え
ば、上記各ホイールナットは、円錐面２２、フランジ３
８、軸１４に垂直で円錐面２２の動きを止める平面に位
置するストップ面４０を含む。ホイールナット１０ａに
おいては、外部素子５０は、ワッシャ５４の外端部上の
類似の面６０と、面と面で接触している傾斜した下面５
８を持つ。ホイールナット１０ｂにも類似の装置が存在
するが、この場合、上記部材およびワッシャ５４は、相
互に自由に回転する。ネジ山付き部材５２およびワッシ
ャ５４に隣接する端部上の端面６２および６４は、それ
ぞれ、部材５２上のトルク力を、円錐面２２に、締付け
力として伝達するために協力して動作する。
【００１６】上記説明から、本発明が、車輪を変形させ
ないで、アルミニウムのような軟らかい金属製の車輪を
自動車に取り付けるために、有効に使用することができ
るホイールナット１０、１０ａおよび１０ｂを提供する
ことは明らかである。現在、これらの軟らかい金属の車
輪は広く使用されている。本発明は、アルミニウム車輪
の使用をさらに促進する。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来技術に比較的共通な、車輪と一体に組み立
てられたホイールナット、および車軸装着構造体であ
る。分かりやすく図示するために、多くの素子は断面で
示す。
【図２】本発明の改良形ホイールナットの一実施形態を
示す図１類似の断面図である。
【図３】装飾用キャップを備えるホイールナットの形を
した本発明のホイールナットの図２類似の断面図であ
る。
【図４】図３のホイールナットの平面図である。
【図５】本発明のさらに他の実施形態の垂直断面図であ
る。
【図６】図５のホイールナットの平面図である。
【図７】車輪を変形させている、高い締付け負荷位置に
ある、従来技術のホイールナットの図１に類似の断面図
である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 自動車用の車輪と、自動車の車軸に前記
    車輪を固定することができるタイプのホイールナットの
    組合わせであって、前記ホイールナットが、縦軸を持つ
    本体を含み、前記ナット本体が、また軸方向を向いたネ
    ジ山付き開口部と一組の端部を持ち、その一方の端部に
    円錐状の外面を、また他の端面にはスパナ用平坦部を持
    ち、前記スパナ用平坦部を通して、トルク力を前記ナッ
    ト本体に容易に伝えることができ、前記車輪が面と面と
    が接触している状態で、前記円錐状の相面を収容できる
    ように作られているナット・シート面を持ち、その結
    果、増大する締付け力が、前記ホイールナット上に加え
    られたトルク力に応じて、前記シートのところで前記車
    輪に加えられ、前記ナット本体上のストップ面を形成す
    る手段が、前記シートに対して前記ホイールナットを前
    進させた場合、それに応じて、前記ホイールナットによ
    り、前記ホイールナット・シートが変形を起こす前に、
    前記車輪を締付けるのに適当な力で、前記シート面上に
    位置する前記円錐面の一部で、前記車輪と係合すること
    ができる前記円錐面の外側へ半径方向にのびるホイール
    ナット。
  2. 【請求項２】 請求項１記載のホイールナットにおい
    て、前記ストップ面を形成する前記手段が、前記軸にほ
    ぼ垂直な前記本体上のフランジであるホイールナット。
  3. 【請求項３】 請求項１記載のホイールナットにおい
    て、前記スパナ用平坦部、前記円錐面および前記フラン
    ジが、前記ホイールナットと一体になっているホイール
    ナット。
  4. 【請求項４】 請求項１記載のホイールナットにおい
    て、前記ホイールナットが、下記の複数の部品、すなわ
    ち、 ａ）内部にネジ山を持つ部材と、 ｂ）前記ネジ山付き部材と整合していて、前記ネジ山付
    き部材と端部同志で接触しているワッシャとを備え、前
    記円錐面が前記ワッシャ上に位置するホイールナット。
  5. 【請求項５】 請求項４記載のホイールナットにおい
    て、さらに、前記ネジ山付き部材および前記ワッシャ
    を、前記の端部同志が接触している状態に維持するため
    に、前記ホイールナット上に装着したキャップ部材を含
    むホイールナット。
  6. 【請求項６】 ホイールナットが、縦軸を持つ本体を備
    え、前記ナット本体が、また軸方向を向いたネジ山付き
    開口部と一組の端部を持ち、その一方の端部上に円錐状
    の外面を、また他方の端面のところにはスパナ用平坦部
    を持ち、前記本体上のストップ面を形成する手段が、前
    記円錐面の外側に半径方向に延び、前記ストップ面が前
    記縦軸にほぼ垂直に、前記円錐面の動きを止める平面に
    ほぼ位置していて、それにより、自動車に車輪を固定す
    るために、前記ホイールナットの使用中、前記軸の縦方
    向の前記円錐面の運動を制限するように、前記ストップ
    面に係合することができるホイールナット。
  7. 【請求項７】 請求項６記載のホイールナットにおい
    て、前記スパナ用平坦部、前記円錐面および前記フラン
    ジが、前記ホイールナットと一体になっているホイール
    ナット。
  8. 【請求項８】 請求項６記載のホイールナットにおい
    て、前記ホイールナットが、下記の複数の部品、すなわ
    ち、 ａ）内部にネジ山を持つ部材と、 ｂ）前記ネジ山付き部材と整合していて、前記ネジ山付
    き部材と端部同志で接触しているワッシャとを備え、前
    記円錐面が前記ワッシャ上に位置しているホイールナッ
    ト。
  9. 【請求項９】 請求項６記載のホイールナットにおい
    て、さらに、前記ネジ山付き部材および前記ワッシャ
    を、前記の端部同志が接触している状態に維持するため
    に、前記ホイールナット上に装着したキャップ部材を含
    むホイールナット。
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