JP2000026766A - 耐候性、耐汚染性に優れた粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

耐候性、耐汚染性に優れた粉体塗料用樹脂組成物

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JP2000026766A
JP2000026766A JP10198974A JP19897498A JP2000026766A JP 2000026766 A JP2000026766 A JP 2000026766A JP 10198974 A JP10198974 A JP 10198974A JP 19897498 A JP19897498 A JP 19897498A JP 2000026766 A JP2000026766 A JP 2000026766A
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Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
Hirosuke Kawabata
裕輔 川端
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来多用されてきた酸−エポキシ架橋による
エステル樹脂やエポキシ樹脂の欠点を克服し、優れた耐
候性を有するだけでなく、耐汚染性にも優れ、従来のア
クリル系樹脂では実現できなかった機械的特性を有する
塗膜を得ることができ、かつ環境問題をクリアし、さら
に低コストで製造可能な、新たな架橋形式を有する粉体
塗料のための新規な粉体塗料用樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】特定構造のシリル基を含有するビニル系単
量体1〜30重量部、グリシジル基を含有するビニル系
単量体1〜30重量部及び他の共重合可能なビニル系単
量体98〜40重量部からなる共重合体100重量部、
脂肪族二塩基酸1〜30重量部及び有機シリコン化合物
1〜30重量部を必須成分とし、前記共重合体は上記シ
リル基を主たる架橋性基とし、かつガラス転移温度が4
0〜100℃で、数平均分子量が2000〜20000
であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、粉体塗料用樹脂組
成物に関する。詳しくは、例えば、自動車部品、産業機
械、スチール製家具、建築物内外装、家電用品などに好
適に用いられる粉体塗料用樹脂組成物に関し、さらに詳
しくは、優れた耐水性、外観性、熱硬化性、耐衝撃性な
どを呈するとともに、極めて優れた耐候性を呈する粉体
塗料用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境に対する影響が重要視さ
れ、塗料業界においては、揮発性の有機溶剤類を大量に
発生する溶剤系塗料から水系塗料および粉体塗料への転
換が推し進められている。このような背景の中で、水系
塗料と共に粉体塗料は大きな伸びを示しており、種々の
熱硬化性樹脂を用いた粉体塗料が提案されている。しか
しながら、自動車部品、産業機械、スチール製家具、建
築物内外装、家電用品などの塗装に従来使用されていた
粉体塗料は、酸−エポキシ架橋によるエステル樹脂やエ
ポキシ樹脂を主として含有する塗料であり、該塗料は比
較的安価ではあるものの、屋外での耐候性が不十分であ
り、近年の粉体塗装が行なわれる物品の範囲が広がった
こともあり、耐候性に優れる粉体塗料へのニーズが高ま
ってきている。現在、屋外での耐候性に優れる塗料とし
ては、フッ素樹脂を用いるものがあるが、この場合、コ
ストが大きく跳ね上がり、実用的ではないという問題も
ある。
【0003】コストを抑え、実用的で耐候性に優れる粉
体塗料としてアクリル系樹脂を用いた粉体塗料が使用さ
れるが、ポリエステル系樹脂ほどの物性バランスが得ら
れず、ポリエステル樹脂に比べると固くて脆い傾向があ
り、機械的特性などはポリエステル樹脂にはおよばな
い。また、アクリル系樹脂を用いても溶剤系塗料に匹敵
する耐候性を得られない場合が多い。
【0004】比較的低コストで優れた耐候性を有する樹
脂として加水分解性シリル基による架橋を利用した塗料
用樹脂が見出され、すでに特許出願されている(例え
ば、特開昭57−21410、特開昭57−5595
4)。しかしながら、このような架橋形式は硬化触媒が
存在する場合、比較的低温でも硬化反応が進行するため
に、硬化触媒を使用直前に配合することが必要である。
一旦硬化触媒を配合してしまうと、硬化反応を抑制でき
ず、長期の貯蔵は困難である。
【0005】この課題を解決するために、特殊な硬化剤
を使用し、さらに脱水剤および/またはアルキルアルコ
ールを添加することにより、一液化することが可能なこ
とを見出している(例えば、特開平3−95249)。
しかしながら、上述した一液化溶剤型塗料も有機溶剤を
含むため、地球環境への影響を絶つことができない。
【0006】そこで、本発明者らは、加水分解性シリル
基含有樹脂を用い、有機溶剤を含まない塗料、すなわち
粉体塗料の製造を検討した。検討するにつれて、一液化
した溶剤型塗料から単に有機溶剤を除去するのみでは、
加水分解性シリル基含有樹脂が元来有する優れた諸特性
が低下するだけではなく、耐ブロッキング性などの粉体
塗料特有の課題が山積した状態になることがわかった。
【0007】また、最近になり、美粧性の維持の観点か
ら汚れにくい特性、すなわち耐汚染性という概念が打ち
出され、その要求レベルが高まってきている。従来の粉
体塗料は、粉体化するために、通常の溶剤塗料に比べれ
ば、若干良好な耐汚染性レベルを示すが、十分とは言え
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決するためになされたものであり、その目的とする
ところは、上記の従来多用されてきた酸−エポキシ架橋
によるエステル樹脂やエポキシ樹脂の欠点を克服し、優
れた耐候性を有するだけでなく、耐汚染性にも優れ、従
来のアクリル系樹脂では実現できなかった機械的特性を
有する塗膜を得ることができ、かつ環境問題をクリア
し、さらに低コストで製造可能な、新たな架橋形式を有
する粉体塗料のための新規な粉体塗料用樹脂組成物を提
供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】酸−エポキシ架橋型アク
リル系粉体塗料において、アルコキシシリル基を含有さ
せる提案がなされている(特公昭62−14186、特
公平3−43311)が、これらは貯蔵安定性の点から
アルコキシシリル基の導入量が少なく、従来品と比べて
もそれほど耐候性の向上は見られない。
【0010】本発明は以下の構成からなる新規な樹脂組
成物を提供するものであり、これにより上記目的が達成
される。 1) (A)成分:下記(a)成分1〜30重量部、(b)成
分1〜30重量部及び(c)成分98〜40重量部から
なるビニル系共重合体100重量部 (a)成分:下記一般式(1)で表されるシリル基を含
有するビニル系単量体 (b)成分:グリシジル基を含有するビニル系単量体 (c)成分:前記(a)成分及び(b)成分以外の他の
共重合可能なビニル系単量体 (B)成分:脂肪族二塩基酸1〜30重量部 (C)成分:有機シリコン化合物1〜30重量部 上記(A)成分と(B)成分と(C)成分とを必須成分
とし、前記(A)成分は下記一般式(1)で表されるシ
リル基を主たる架橋性基とし、かつガラス転移温度が4
0〜100℃で、数平均分子量が2000〜20000
であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。
【0011】
【化5】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル
基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基であり、
複数個の場合はそれらは同一であっても異なっていても
よい。Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アシロ
キシ基、アミノキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、
アミド基、およびアルケニルオキシ基よりなる群から選
ばれる少なくとも1種の基であり、複数個の場合はそれ
らは同一であっても異なっていてもよい。aは0〜2の
整数である。) 2)前記(A)成分以外の架橋硬化可能な重合体を含
み、かつ前記(A)成分は(A)成分および前記重合体
全体の総和の20重量%以上100重量%未満であるこ
とを特徴とする前記1)に記載の粉体塗料用樹脂組成
物。
【0012】3)前記一般式(1)中のXがアルコキシ
基であることを特徴とする前記1)または2)に記載の
粉体塗料用樹脂組成物。 4)前記(a)成分が、3−(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン及び3−(メタ)アク
リロキシプロピルメチルジエトキシシランよりなる群か
ら選ばれ1種またはこれらの2種以上の混合物であるこ
とを特徴とする前記1)〜3)のいずれか1項に記載の
粉体塗料用樹脂組成物。
【0013】5)前記(b)成分が、グリシジル(メ
タ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アク
リレート、アリルグリシジルエーテルよりなる群から選
ばれる1種またはこれらの2種以上の混合物であること
を特徴とする前記1)〜4)のいずれか1項に記載の粉
体塗料用樹脂組成物。 6)前記(B)成分が、下記一般式(2)で表される化
合物よりなる群から選ばれる1種またはこれらの2種以
上の混合物であることを特徴とする前記1)〜5)のい
ずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
【0014】
【化6】 (式中、R2は炭素数1〜20の直鎖状または分岐状の
アルキレン基である。) 7)前記(C)成分の有機シリコン化合物が、下記一般
式(3)および/または(4)で表される化合物よりな
る群から選ばれる1種またはこれらの2種以上の混合物
であることを特徴とする前記1)〜6)のいずれか1項
に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
【0015】
【化7】 (式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル
基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜1
0のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または
炭素数1〜10のハロアルキル基、bは0〜2の整数、
複数個含まれるR3、複数個含まれる場合のR4はそれぞ
れ同一であっても異なっていてもよい)
【0016】
【化8】 (式中、R5、R6、R7およびR9はそれぞれ独立して炭
素数1〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリー
ル基または炭素数7〜10のアラルキル基、R8は炭素
数1〜20のアルキレン基または炭素数1〜80のアル
キレンオキシ基、X2はアルコキシ基、ヒドロキシ基、
アシロキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミ
ノ基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイルオ
キシ基、スチリル基、ポリエーテル基、ポリエステル基
またはポリカーボネート基、l、mおよびnはそれぞれ
モル比が、l:m:n=1〜50:1〜50:0〜50
を満足する整数を示す。) 8)前記(C)成分の融点が40℃以上であることを特
徴とする前記1)〜7)のいずれか1項に記載の粉体塗
料用樹脂組成物。
【0017】(A)成分は、(a)成分1〜30重量
部、(b)成分1〜30重量部及び(c)成分98〜4
0重量部からなるビニル系共重合体である。(a)成分
は上記一般式(1)で表されるシリル基を含有するビニ
ル系単量体である。(b)成分はグリシジル基を含有す
るビニル系単量体である。(c)成分は、は前記(a)
及び(b)成分以外の他の共重合可能なビニル系単量体
である。
【0018】(a)成分は、一般式(1)で表されるシ
リル基を有すれば特に制限はないが例えば、CH2=C
HSi(OCH33、CH2=CHSi(CH3)(OC
32、CH2=C(CH3)Si(OCH33、CH2
=C(CH3)Si(CH3)(OCH32、CH2=C
HSi(OC253、CH2=CHSi(OC
37 3、CH2=CHSi(OC4 9 3、CH2
CHSi(OC6133、CH2=CHSi(OC8
173、CH2=CHSi(OC10213、CH2=CH
Si(OC12253、CH2=CHSi(OCH2CH2
OCH33、CH2=CHCOO(CH23Si(OC
33、CH2=CHCOO(CH23Si(CH3
(OCH32、CH2=C(CH3)COO(CH23
i(OCH33、CH2=C(CH3)COO(CH23
Si(CH3)(OCH32、CH2=CHCOO(CH
23Si(OC253、CH2=CHCOO(CH23
Si(CH3)(OC252、CH2=C(CH3)CO
O(CH23Si(OC253、CH2=C(CH3
COO(CH23Si(CH3)(OC252、CH2
=CHCOO(CH23Si(OCH2CH2OC
33、CH2=CHCOO(CH23Si(CH3
(OCH2CH2OCH32、CH2=C(CH3)COO
(CH23Si(OCH2CH2OCH33、CH2=C
(CH3)COO(CH23Si(CH3)(OCH2
2OCH32、CH2=C(CH3)COO(CH22
O(CH23Si(OCH33、CH2=C(CH3)C
OO(CH22O(CH23Si(CH3)(OCH3
2、CH2=C(CH3)COO(CH211Si(OCH
33、CH2=C(CH3)COO(CH211Si(C
3)(OCH32、CH2=CHCH2OCO(ort−C
64 )COO(CH23Si(OCH33(ここで、o
rt−C64 はオルトフェニレン基を示す)、CH2=C
HCH2OCO(ort−C64 )COO(CH23Si
(CH3)(OCH32、CH2=CH(CH24 Si
(OCH33、CH2=CH(CH28 Si(OC
33、CH2=CHO(CH23Si(OCH33
CH2=CHCH2O(CH23Si(OCH33、CH
2=CHCH2OCO(CH210Si(OCH33、C
2=CH(p−C64 )Si(OCH33(ここで、p
−C64 はパラフェニレン基を示す)、CH2=CH
(p−C64 )Si(CH3)(OCH32、CH2=C
(CH3)(p−C64 )Si(OCH33、CH2=C
(CH3)(p−C64 )Si(CH3)(OCH32
などのアルコキシシリル基含有単量体;CH2=CHC
OO(CH23Si(CH3)Cl2、CH2=CHCO
O(CH23SiCl3、CH2=C(CH3)COO
(CH23Si(CH32Cl、CH2=C(CH3)C
OO(CH23Si(CH3)Cl2、CH2=C(C
3)COO(CH23SiCl3などのハロシリル基含
有単量体;CH2=C(CH3)COO(CH23Si
(OH)3、CH2=C(CH3)COO(CH23Si
(CH3)(OH)2などのシラノール基含有単量体;C
2=C(CH3)COO(CH23Si(OCOC
33などのアセトキシシリル基含有単量体が挙げられ
る。
【0019】これらの中では、特に一般式(1)のXが
アルコキシ基であるアルコキシシリル基含有単量体がコ
スト、安定性、反応性などの点で好ましく、例えば、3
−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、および3−(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジエトキシシランよりなる群から選ばれる少なくと
も1種、またはこれらの2種以上の混合物等があげられ
る。ここで、「(メタ)アクリロキシ」とは、「メタク
リロキシまたはアクリロキシ」を意味する。尚、後述に
おいて用いられる「(メタ)」の用語もこれと同様の表
記法を意味する。また、アルコキシ基とは、上記具体例
に記載のようにそのアルキル基部分が他のアルコキシ基
で置換されたものも含む。
【0020】これらの(a)成分は、1種または2種以
上を併用してもよく、また、(A)成分100重量部
中、1〜30重量部共重合される。好ましくは2〜25
重量部、より好ましくは3〜22重量部共重合されるの
がよい。(a)成分を共重合する量が、1重量部より少
ない場合、樹脂組成物の硬化特性、塗膜の耐候性に劣
り、30重量部を超えた場合、樹脂の貯蔵安定性が低下
する。
【0021】前記(b)成分のグリシジル基含有ビニル
系単量体には、特に限定はなく、例えば、グリシジル
(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)
アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどよりなる
群から選ばれる1種またはこれらの2種以上の混合物等
があげられる。これらの(b)成分は、1種または2種
以上を併用してもよく、これらの単量体を用いて得られ
る(A)成分100重量部中1〜30重量部共重合され
る。好ましくは2〜26重量部、より好ましくは5〜2
5重量部共重合されるのがよい。(b)成分を共重合す
る量が、1重量部より少ない場合には塗膜の機械的特性
に劣り、30重量部を超えると平滑性が低下する。
【0022】前記(c)成分のその他の共重合可能なビ
ニル系単量体には、特に限定がなく、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート等のビニル系単量体;スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒドロ
キシスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビ
ニル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジア
リルフタレート等のビニルエステルやアリルエステル化
合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビ
ニル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル
(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メ
タ)アクリレートなどのα、β−エチレン性不飽和カル
ボン酸のヒドロキシアルキルエステル類;2−ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート、ε−カプロラクト
ン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類、ポリ
アルキレングリコールモノメタクリレート類等の水酸基
含有ビニル系単量体;ウレタン結合やシロキサン結合を
含む(メタ)アクリレート等のビニル系化合物;AS−
6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などのメ
タクリロイル基含有マクロモノマー(以上、東亜合成化
学(株)製);ビニルメチルエーテル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエ
ン、N−ビニルイミダゾール等のその他のビニル系単量
体等が挙げられる。
【0023】(A)成分の共重合体は、架橋性基とし
て、一般式(1)で表されるシリル基を有する。該シリ
ル基は分子間を架橋する機能を有する主たる架橋性基で
あるが、(A)成分は、他に架橋性基としてグリシジル
基を有しており、更に所望により例えば水酸基などの他
の架橋性基を有することもできる。(A)成分中に存在
する全架橋性基のうち該シリル基の個数が30%以上で
あることが好ましく、50%以上であることがさらに好
ましく、70%以上であることが特に好ましい。該シリ
ル基は、(A)成分1分子中に好ましくは少なくとも1
個、更には2〜10個存在することが好ましい。また、
該グリシジル基は(A)成分1分子中に好ましくは少な
くとも1個、更には2〜8個存在することが好ましい。
【0024】(A)成分を製造する方法には、公知の重
合方法、例えば塊状重合、懸濁重合、溶液重合などが利
用できるが、特に合成の容易さから、過酸化物やアゾ化
合物などのラジカル開始剤を用いた溶液重合が好まし
い。前記溶液重合に用いられる重合溶剤は、炭化水素類
(トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン
など)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルな
ど)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノールなど)、エーテル類(エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテー
トなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセト酢酸
エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メ
チルイソブチルケトン、アセトンなど)などの非反応性
の溶剤であれば特に限定はない。
【0025】前記溶液重合に用いられる開始剤として
は、特に制限されるべきものではないが、過酸化ベンゾ
イルや過酸化第三ブチルなどの有機過酸化物、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニト
リル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)などのアゾ化合物などのラジカル開始剤等が挙げら
れる。
【0026】前記溶液重合においては、必要に応じてn
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
n−オクチルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプ
タン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカ
プトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプト
プロピルメチルジエトキシシラン、(H3CO)3Si−
S−S−Si(OCH 33、CH3(H3CO)2Si−
S−S−SiCH3(OCH32、(C25O) 3Si−
S−S−Si(OC253、、CH3(C25O)2
i−S−S−SiCH3(OC252、(H3CO)3
i−S3−Si(OCH33、(H3CO) 3Si−S4
−Si(OCH33、(H3CO)3Si−S6−Si
(OCH33などの連鎖移動剤を用い、分子量を調節す
ることができる。特に、アルコキシシリル基を分子中に
有する連鎖移動剤、例えば、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシランを用いれば、シリル基含有アクリル共
重合体の末端にアルコキシシリル基を導入することがで
きる。
【0027】前記溶液重合において、以上に挙げられた
単量体類、開始剤、連鎖移動剤などを重合溶剤に所定量
投入し、重合を実施し、溶媒を減圧にて除去することに
より、(A)成分が得られる。(A)成分の数平均分子
量は、2000〜20000であり、好ましくは300
0〜10000なる範囲である。分子量が2000未満
の場合は、塗膜が充分な機械物性を発現することが困難
になり、また20000を越える場合は、塗膜の平滑性
が劣るという問題がある。
【0028】さらに、(A)成分のガラス転移温度は、
40〜100℃であり、好ましくは50〜80℃であ
る。40℃より低い場合は、粉体塗料の貯蔵安定性が劣
り、一方、100℃より高い場合は塗膜の平滑性が劣る
という問題がある。前記(B)成分の脂肪族二塩基酸と
しては、特に制限されるべきものではないが、一般式
(2)で表される化合物が好ましく、例えば、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸などが挙
げられるが、貯蔵安定性や機械的強度などの諸物性のバ
ランスの点からセバシン酸、ドデカン二酸が好ましい。
【0029】前記(B)成分の脂肪族二塩基酸は、前記
(A)成分100重量部に対して1〜30重量部使用さ
れるが、好ましく2〜25重量部、さらに好ましくは3
〜20重量部使用される。前記(B)成分の使用量が1
重量部より少ない場合には、酸−エポキシの架橋量が少
なくなるため機械的特性が劣り、30重量部より多い場
合には、使用される脂肪族二塩基酸が多くなるため平滑
性、貯蔵安定性が低下する。
【0030】また、前記(A)成分中のグリシジル基の
個数と前記(B)成分の脂肪族二塩基酸の個数の比は、
1:3〜3:1が好ましいが、さらに1:2〜2:1の
範囲が好ましい。前記(C)成分の有機シリコン化合物
は、特に制限されるべきものではないが、一般式(2)
および/または(3)で表される化合物が好ましい。
【0031】一般式(2)中、R3は炭素数1〜10、
更には1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール
基または炭素数7〜10のアラルキル基、R4は炭素数
1〜10、更には1〜6のアルキル基、炭素数6〜10
のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または炭
素数1〜10、更には1〜6のハロアルキル基、bは0
〜2の整数、複数個含まれるR3、複数個含まれる場合
のR4はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0032】一般式(3)中、R5、R6、R7およびR9
はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアラルキル基、炭
素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラ
ルキル基、R8は炭素数1〜20のアルキレン基または
炭素数1〜80のアルキレンオキシ基(−O−R−で表
される基を言う。ただし、Rはアルキレン基)、X2
アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ基、フェノキ
シ基、チオアルコキシ基、アミノ基、エポキシ基、ビニ
ル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリル基、ポ
リエーテル基、ポリエステル基またはポリカーボネート
基、l、mおよびnはそれぞれモル比が、l:m:n=
1〜50:1〜50:0〜50、更には、=1〜40:
1〜40:0〜30を満足する整数を示す。
【0033】上記一般式(2)および/または(3)で
表される化合物の具体例としては、例えば、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロ
ポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ
−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、
テトラ−t−ブトキシシラン、MSi51、ESi2
8、ESi40(以上、コルコート(株)製)等のテト
ラアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮
合物(ここで、「部分」とは全部を含むことを意味す
る。以下、同様である。);、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキ
シシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメ
トキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルト
リメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキ
シルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラ
ン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、メ
チルトリ−sec−オクチルオキシシラン、メチルトリ
ブトキシシラン、AFP−1(信越化学工業(株)製)
等のトリアルコキシシランおよび/またはその部分加水
分解縮合物;クロロメチルトリメトキシシラン、クロロ
メチルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメト
キシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3
−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロ
ピルトリエトキシシラン、4−クロロブチルトリメトキ
シシラン、4−クロロブチルトリエトキシシラン、クロ
ロペンチルトリメトキシシラン、クロロペンチルトリエ
トキシシラン、クロロヘキシルトリメトキシシラン、ク
ロロヘキシルトリエトキシシラン、クロロヘプチルトリ
メトキシシラン、クロロヘプチルトリエトキシシラン等
のハロゲン化アルキル基を有するトリアルコキシシラン
および/またはその部分加水分解縮合物;
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】 などが挙げられる。これらの中では、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシ
シラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−
ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ
−t−ブトキシシランなどの炭素数1〜4のアルコキシ
基を有するテトラアルコキシシランおよび/またはその
部分加水分解縮合物が耐候性、耐水性の低下がなく、耐
汚染性付与の点から好ましく、また、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピル
トリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエ
トキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、クロ
ロメチルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメ
トキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、
3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプ
ロピルトリエトキシシラン、4−クロロブチルトリメト
キシシラン、4−クロロブチルトリエトキシシラン等の
炭素数1〜2のアルコキシ基を有し、炭素数1〜4のア
ルキル基またはハロゲン化アルキル基を有するトリアル
コキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合が反
応性、塗膜の親水性付与の点から好ましい。また、塗料
配合物の耐ブロッキング性の点から、融点が40℃以上
の有機シリコン化合物が好ましい。
【0046】前記(C)成分の有機シリコン化合物は、
前記(A)成分100重量部に対して1〜30重量部使
用されるが、好ましくは2〜20重量部、さらに好まし
くは3〜15重量部使用される。前記(C)成分の使用
量が1重量部より少ない場合には、耐汚染性の向上効果
が見られず、30重量部より多い場合には、貯蔵安定
性、耐ブロッキング性の低下が見られる。
【0047】(A)成分の共重合体は水分の作用により
シロキサン結合を形成し、更に(A)成分中のグリシジ
ル基と(B)成分中のカルボキシル基との反応により架
橋硬化可能な共重合体である。この場合、(C)成分と
(A)成分および/または(B)成分との間で、架橋反
応を行うこともできる。本発明においては、(A)成分
以外の架橋硬化可能な重合体(以下重合体(A´)とも
いう)を(A)成分と併用することができる。該重合体
(A´)は単独重合体、共重合体を含包するものであ
り、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂などが挙げられ、1種以上使用することができる。
重合体(A´)は、架橋性基として一般式(1)で表さ
れるシリル基のほか、エポキシ基、水酸基などの任意の
架橋性基を有することができる。
【0048】重合体(A´)を併用する場合、(A)成
分は(A)成分および重合体(A´)の総和の20重量
%以上100重量%未満用いるのがよく、30重量%以
上が好ましく、80重量%以上が特に好ましい。本発明
の粉体塗料用樹脂組成物は、(B)成分の脂肪族二塩基
酸中に含まれるカルボキシル基が(A)成分中の一般式
(1)で表されるシリル基の加水分解・縮合触媒とな
り、さらに(A)成分中のグリシジル基と架橋反応を起
こし、十分に硬化性を示すが、シリル基同士の架橋を更
にスムーズに進めるために硬化触媒を添加することがで
きる。
【0049】硬化触媒としては、有機酸性化合物、該有
機酸性化合物と含チッ素化合物との混合物または反応
物、有機金属化合物等が挙げられる。有機酸性化合物と
しては、有機スルホン酸、リン酸またはリン酸エステル
等が挙げられる。硬化触媒の具体例としては、例えば、
ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホ
ン酸などの有機スルホン酸化合物;前記有機スルホン酸
化合物と含チッ素化合物(例えば、1−アミノ−2−プ
ロパノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−ジメチルエ
タノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパ
ノール、ジイソプロパノールアミン、3−アミノプロパ
ノール、2−メチルアミノ−2−メチルプロパノール、
モルホリン、オキサゾリジン、4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン、3,4,4−トリメチルオキサゾリジンな
ど)との混合物または反応物;リン酸、モノメチルホス
フェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフ
ェート、モノオクチルホスフェート、モノドデシルホス
フェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェー
ト、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、
ジドデシルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エス
テル;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シ
クロヘキセンオキサイド、グリシジルメタクリレート、
グリシドール、アクリルグリシジルエーテル、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルトリメチルジメトキシシラン、油化シェルエポキシ
(株)製カーデュラE、油化シェルエポキシ(株)製の
エピコート828、エピコート1001などのエポキシ
化合物とリン酸および/またはモノリン酸エステルとの
付加反応物;ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシル
アミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、DABC
O、DBU、モルホリン、ジイソプロパノールアミンな
どのアミン類;これらのアミン類と酸性リン酸エステル
との反応物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ性化合物;ベンジルトリエチルアンモニウムク
ロリドあるいはブロミド、テトラブチルアンモニウムク
ロリドあるいはブロミドなどの4級アンモニウム塩、ま
たホスホニウム塩;オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ
などの2価スズ化合物、ジブチルスズジオクトエート、
ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテー
ト、ジブチルスズジアセチルアセトナート、ジブチルス
ズビストリエトキシシリケート、ジブチルスズジステア
レート、ジブチルスズマレートなどのジブチルスズ化合
物、ジオクチルスズジバーサテート、ジオクチルスズジ
ラウレート、ジオクチルスズジステアレート、ジオクチ
ルスズマレートなどのジオクチルスズ化合物などの4価
有機スズ化合物;テトラメトキシチタン、テトラステア
リルオキシチタン等の有機チタン化合物;アルミニウム
イソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート
等の有機アルミニウム化合物;ステアリン酸ジルコニ
ア、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート等の有機
ジルコニウム化合物などが挙げられる。
【0050】これらのうち有機チタン化合物、有機ジル
コニウム化合物が、焼き付け時の硬化性の点から好まし
い。これらの硬化触媒はそれぞれ単独で使用してもよ
く、また併用してもよい。これらの硬化触媒の使用量は
(A)成分100重量部に対し、0.001〜10重量
部、さらには0.01〜5重量部が好ましい。10重量
部より多ければ、貯蔵安定性に欠けたり、塗膜の外観が
低下するという問題が生じる。
【0051】本粉体塗料用樹脂組成物には必要に応じ
て、ポリエステル、エポキシ、アクリルなどの樹脂、二
酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロムな
どの無機顔料およびフタロシアニン系、キナクドリン系
などの有機顔料、着色助剤、流展剤や消泡剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤などの添加剤を
加えることができる。これらの添加剤の配合割合は必要
特性に応じて適宜選定可能であり、また混合して使用す
ることも可能である。
【0052】粉体塗料の製造は、例えば、加熱ロール、
ニーダーなどの溶融混練機を用い、必要により上記添加
剤を含む本発明の粉体塗料用樹脂組成物を溶融、混練
し、そして冷却した後に、粉砕して調製される。また
は、(A)成分の重合後の溶液に、硬化触媒や顔料、添
加剤などを加えて混合し、本発明の粉体塗料用樹脂組成
物とし、これをスプレードライする方法も使用できる。
【0053】このようにして得られた粉体塗料は、静電
塗装や流動浸漬塗装などの公知の方法により被塗物に塗
布される。塗膜の厚みは必要に応じて適宜選定可能であ
り、通常は20〜150μm、好ましくは40〜100
μmがよい。20μmより薄い場合は、塗膜にムラが生
じやすく、150μmより厚い場合は、塗膜に凹凸やピ
ンホールなどができやすくなるという問題がある。
【0054】得られた塗布物は、通常150〜200℃
程度の温度で、5分〜1時間焼き付けることにより、充
分に硬化させることができ、耐候性、耐酸性などの物性
に優れた硬化物(塗膜)を形成することができる。15
0℃より低温の場合や5分より短い場合は、塗膜の硬化
が充分ではなく、200℃より高温の場合や1時間より
長い場合は、作業性が悪くなったり光熱費などのコスト
が上昇するという問題が生じる。
【0055】本発明の組成物は、例えば、アルミサイデ
ィングやフェンスなどの建築内外装用、ガードレールな
どの道路資材、エアコンや冷蔵庫などの家電品などに用
いられる。
【0056】
【実施例】次に、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に束縛されるものでは
ない。なお、以下に示す部は特に断りのない限り重量部
を示すものとする。また、実施例における分析値、特性
値および塗膜の性能は次の方法により測定又は評価した
ものである。 分析値 (1)ポリマーの数平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
により測定した。Waters社製600型GPCシス
テムを用いて、クロロホルムを移動相とし、流速を1m
L/minとした。カラム温度は40℃で測定した。ポ
リスチレンを標準試料として数平均分子量を算出した。 (2)ガラス転位温度 示差走査熱量計(DSC、(株)島津製作所製DSC−
50型)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度5℃/mi
nで測定し、決定した。特性値および塗膜の性能 (1)外観性 目視により、外観性、平滑性を評価した。 ◎:きわめて良好、○:良好、△:つや引け、×:不良 (2)耐候性 サンシャインウェザーメーター3000時間照射後の塗
膜外観を目視により評価した。 ◎:きわめて良好、○:ややつや引け、△:つや引け、
×:割れ、はがれ (3)耐汚染性 鐘淵化学工業(株)神戸研究所にて、6ヶ月間(4月〜
10月)屋外曝露試験を行い、曝露前後での明度差(Δ
L)を調べた。 ◎:きわめて良好、○:良好、△:やや不良、×:不良 (4)耐酸性 塗膜を5%の硫酸水溶液に室温下24時間浸せきした後
の塗膜外観を目視により評価した。 ◎:きわめて良好、○:ややつや引け、△:つや引け、
×:割れ、はがれ (5)硬化性 焼き付けを行った組成物1gを200メッシュステンレ
ス金網に包み込み、アセトンに24時間浸漬して、組成
物の重量変化を調べ、重量変化がない場合をゲル分率1
00%とした。 ◎:90%以上、○:90〜80%、△:80〜70
%、×:70%以下 (6)貯蔵安定性 40℃で1ヶ月貯蔵した粉体塗料について、ゲル化の進
行の目安として貯蔵前後でのゲル分率の変化を調べた。 ◎:変化なし、○:5%以内のゲル分率変化、△:5%
〜15%のゲル分率変化、×:15%以上のゲル分率変
化 樹脂製造例1〜2 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロート
を備えた反応容器に、トルエン50部を仕込み、窒素ガ
スを導入しながら110℃に昇温した後、メチルメタク
リレート61重量%、ブチルアクリレート4重量%、グ
リシジルメタクリレート10重量%、3−メタクリルオ
キシプロピルトリエトキシシラン15重量%、スチレン
10重量%のモノマー混合物100部、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル3.5部およびトルエン40部
の混合液を滴下ロートにより5時間で等速滴下した。混
合物の滴下終了後、2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル0.5部、トルエン10部の混合物を1時間で等速
滴下した。滴下終了後、110℃でさらに1時間加熱
後、冷却した。樹脂溶液を減圧下溶媒留去することで、
固体状態の(A)成分の樹脂(A−1)を得た。
【0057】また、上記反応容器に、トルエン50部を
仕込み、窒素ガスを導入しながら110℃に昇温した
後、メチルメタクリレート44重量%、ブチルアクリレ
ート7重量%、グリシジルメタクリレート24重量%、
スチレン25重量%のモノマー混合物100部、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル5部およびトルエン
40部の混合液を滴下ロートにより5時間で等速滴下し
た。混合物の滴下終了後、2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル0.5部、トルエン10部の混合物を1時間
で等速滴下した。滴下終了後、110℃でさらに1時間
加熱後、冷却した。樹脂溶液を減圧下溶媒留去すること
で、本発明範囲外の固体状態の樹脂(α−1)を得た。
【0058】実施例1〜3、比較例1〜2 樹脂(A−1)及び樹脂(α−1)を用いて、表1の配
合に従い、それぞれの全成分をドライブレンダー(三井
化工機(株)製、商品名ヘンシェルミキサー)により3
分間均一に混合した後、100〜110℃の温度条件で
押出混練機(BUSS社製、商品名BUSSコニーダー
PR−46)を用いて溶融混練し、冷却した後、ジェッ
ト粉砕機(セイシン企業(株)製、商品名シングルトラ
ックジェットミルSTJ200)を用いて微粉砕して、
平均粒度30μmの各種粉体塗料を製造した。得られた
粉体塗料を厚さ0.8mmのリン酸亜鉛処理鋼板上に膜
厚が50〜60μmになるように静電塗装機(日本ワー
グナー・スプレーテック(株)製、商品名エアマティッ
クスプレーガンPEM−C1)を用いて塗装し、180
℃で20分間焼き付けして塗膜を形成した。得られた塗
膜の性能を評価した結果を表1に示した。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明により、優れた耐候性、耐汚染
性、耐酸性を有し、環境問題をクリアし、さらに低コス
トで製造可能な、新たな架橋形式を有する粉体塗料を提
供することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CA021 CA022 CA081 CA082 CB081 CB082 CC012 CC021 CC071 CC081 CC091 CC101 CD012 CD041 CD081 CE051 CE052 CF011 CF012 CF021 CF101 CF102 CG141 CG142 CG161 CG162 CH031 CH032 CH071 CH072 CH081 CH082 CH121 CH122 CH141 CH142 CH161 CH162 CH191 CH192 CJ081 CJ082 CJ131 CJ132 CJ181 CJ182 CK021 CK022 CL001 CL002 DB001 DB002 DD001 DD002 DL032 DL052 DL082 DL092 DL102 DL152 GA07 GA15 JA39 JC32 KA03 MA13 MA14 NA01 NA03 NA05 NA11 NA27 PA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分:下記(a)成分1〜30重量
    部、(b)成分1〜30重量部及び(c)成分98〜4
    0重量部からなるビニル系共重合体100重量部 (a)成分:下記一般式(1)で表されるシリル基を含
    有するビニル系単量体(b)成分:グリシジル基を含有
    するビニル系単量体 (c)成分:前記(a)成分及び(b)成分以外の他の
    共重合可能なビニル系単量体 (B)成分:脂肪族二塩基酸1〜30重量部 (C)成分:有機シリコン化合物1〜30重量部 上記(A)成分と(B)成分と(C)成分とを必須成分
    とし、前記(A)成分は下記一般式(1)で表されるシ
    リル基を主たる架橋性基とし、かつガラス転移温度が4
    0〜100℃で、数平均分子量が2000〜20000
    であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
    〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル
    基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基であり、
    複数個の場合はそれらは同一であっても異なっていても
    よい。Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ア
    ルコキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アシロ
    キシ基、アミノキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、
    アミド基、およびアルケニルオキシ基よりなる群から選
    ばれる少なくとも1種の基であり、複数個の場合はそれ
    らは同一であっても異なっていてもよい。aは0〜2の
    整数である。)
  2. 【請求項2】前記(A)成分以外の架橋硬化可能な重合
    体を含み、かつ前記(A)成分は(A)成分および前記
    重合体全体の総和の20重量%以上100重量%未満で
    あることを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料用樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】前記一般式(1)中のXがアルコキシ基で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体塗
    料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記(a)成分が、3−(メタ)アクリロ
    キシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリ
    ロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アク
    リロキシプロピルメチルジメトキシシラン及び3−(メ
    タ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランより
    なる群から選ばれ1種またはこれらの2種以上の混合物
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の粉体塗料用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記(b)成分が、グリシジル(メタ)ア
    クリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレー
    ト、アリルグリシジルエーテルよりなる群から選ばれる
    1種またはこれらの2種以上の混合物であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉体塗料用
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記(B)成分が、下記一般式(2)で表
    される化合物よりなる群から選ばれる1種またはこれら
    の2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。 【化2】 (式中、R2は炭素数1〜20の直鎖状または分岐状の
    アルキレン基である。)
  7. 【請求項7】前記(C)成分の有機シリコン化合物が、
    下記一般式(3)および/または(4)で表される化合
    物よりなる群から選ばれる1種またはこれらの2種以上
    の混合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。 【化3】 (式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
    〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル
    基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜1
    0のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基または
    炭素数1〜10のハロアルキル基、bは0〜2の整数、
    複数個含まれるR3、複数個含まれる場合のR4はそれぞ
    れ同一であっても異なっていてもよい) 【化4】 (式中、R5、R6、R7およびR9はそれぞれ独立して炭
    素数1〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリー
    ル基または炭素数7〜10のアラルキル基、R8は炭素
    数1〜20のアルキレン基または炭素数1〜80のアル
    キレンオキシ基、X2はアルコキシ基、ヒドロキシ基、
    アシロキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミ
    ノ基、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイルオ
    キシ基、スチリル基、ポリエーテル基、ポリエステル基
    またはポリカーボネート基、l、mおよびnはそれぞれ
    モル比が、l:m:n=1〜50:1〜50:0〜50
    を満足する整数を示す。)
  8. 【請求項8】前記(C)成分の融点が40℃以上である
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    粉体塗料用樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003165951A (ja) * 2001-11-29 2003-06-10 Nippon Paint Co Ltd 耐汚染性に優れた粉体塗料組成物およびこれを用いた塗膜形成方法
JP2005126513A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Nippon Paint Co Ltd 固形シリケート組成物、その製造方法および粉体塗料

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