JPH11335590A - 新規な粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents

新規な粉体塗料用樹脂組成物

Info

Publication number
JPH11335590A
JPH11335590A JP14772898A JP14772898A JPH11335590A JP H11335590 A JPH11335590 A JP H11335590A JP 14772898 A JP14772898 A JP 14772898A JP 14772898 A JP14772898 A JP 14772898A JP H11335590 A JPH11335590 A JP H11335590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
weight
resin composition
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14772898A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
Hirosuke Kawabata
裕輔 川端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP14772898A priority Critical patent/JPH11335590A/ja
Publication of JPH11335590A publication Critical patent/JPH11335590A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来多用されてきた酸−エポキシ架橋によるエ
ステル樹脂やエポキシ樹脂の欠点を克服し、優れた耐候
性を有するだけでなく、従来のアクリル系樹脂では実現
できなかった機械的特性を有する塗膜を得ることがで
き、かつ環境問題をクリアし、さらに低コストで製造可
能な、新たな架橋形式を有する粉体塗料のための新規な
粉体塗料用樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】特定構造のシリル基を含有するビニル系単
量体1〜30重量部、グリシジル基を含有するビニル系
単量体1〜30重量部及びそれ以外の他の共重合可能な
ビニル系単量体98〜40重量部からなるビニル系共重
合体100重量部、及び脂肪族二塩基酸1 〜30重量部
及びシランカップリング剤0.1〜10重量部とを必須
成分とし、前記共重合体は前記シリル基を主たる架橋性
基とし、かつガラス転移温度が40〜100℃で、数平
均分子量が2000〜20000である粉体塗料用樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、粉体塗料用樹脂組
成物に関する。詳しくは、例えば、自動車部品、産業機
械、スチール製家具、建築物内外装、家電用品などに好
適に用いられる粉体塗料用樹脂組成物に関し、さらに詳
しくは、優れた耐水性、外観性、熱硬化性、耐衝撃性な
どを呈するとともに、極めて優れた耐候性を呈する粉体
塗料用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境に対する影響が重要視さ
れ、塗料業界においては、揮発性の有機溶剤類を大量に
発生する溶剤系塗料から水系塗料および粉体塗料への転
換が推し進められている。このような背景の中で、水系
塗料と共に粉体塗料は大きな伸びを示しており、種々の
熱硬化性樹脂を用いた粉体塗料が提案されている。しか
しながら、自動車部品、産業機械、スチール製家具、建
築物内外装、家電用品などの塗装に従来使用されていた
粉体塗料は、酸−エポキシ架橋によるエステル樹脂やエ
ポキシ樹脂を主として含有する塗料であり、該塗料は比
較的安価ではあるものの、屋外での耐候性が不十分であ
り、近年の粉体塗装が行なわれる物品の範囲が広がった
こともあり、耐候性に優れる粉体塗料へのニーズが高ま
ってきている。現在、屋外での耐候性に優れる塗料とし
ては、フッ素樹脂を用いるものがあるが、この場合、コ
ストが大きく跳ね上がり、実用的ではないという問題も
ある。コストを抑え、実用的で耐候性に優れる粉体塗料
としてアクリル系樹脂を用いた粉体塗料が使用される
が、ポリエステル系樹脂ほどの物性バランスが得られ
ず、ポリエステル樹脂に比べると固くて脆い傾向があ
り、機械的特性などはポリエステル樹脂にはおよばな
い。また、アクリル系樹脂を用いても溶剤系塗料に匹敵
する耐候性を得られない場合が多い。比較的低コストで
優れた耐候性を有する樹脂として加水分解性シリル基に
よる架橋を利用した塗料用樹脂が見出され、すでに特許
出願されている(例えば、特開昭57−21410、特
開昭57−55954)。しかしながら、このような架
橋形式は硬化触媒が存在する場合、比較的低温でも硬化
反応が進行するために、硬化触媒を使用直前に配合する
ことが必要である。一旦硬化触媒を配合してしまうと、
硬化反応を抑制できず、長期の貯蔵は困難である。この
課題を解決するために、特殊な硬化剤を使用し、さらに
脱水剤および/またはアルキルアルコールを添加するこ
とにより、一液化することが可能なことを見出している
(例えば、特開平3−95249)。しかしながら、上
述した一液化溶剤系塗料も有機溶剤を含むため、地球環
境への影響を絶つことができない。
【0003】そこで、本発明者らは、加水分解性シリル
基含有樹脂を用い、有機溶剤を含まない塗料、すなわち
粉体塗料の製造を検討した。検討するにつれて、一液化
した溶剤系塗料から単に有機溶剤を除去するのみでは、
加水分解性シリル基含有樹脂が元来有する優れた諸特性
が低下するだけではなく、耐ブロッキング性などの粉体
塗料特有の課題が山積した状態になることがわかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決するためになされたものであり、その目的とする
ところは、上記の従来多用されてきた酸−エポキシ架橋
によるエステル樹脂やエポキシ樹脂の欠点を克服し、優
れた耐候性を有するだけでなく、従来のアクリル系樹脂
では実現できなかった機械的特性を有する塗膜を得るこ
とができ、かつ環境問題をクリアし、さらに低コストで
製造可能な、新たな架橋形式を有する粉体塗料のための
新規な粉体塗料用樹脂組成物を提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】酸−エポキシ架橋型アク
リル系粉体塗料において、アルコキシシリル基を含有さ
せる提案がなされている(特公昭62−14186、特
公平3−43311)が、これらは貯蔵安定性の点から
アルコキシシリル基の導入量が少なく、従来品と比べて
もそれほど耐候性の向上は見られない。
【0006】本発明は以下の構成からなる新規な樹脂組
成物を提供するものであり、これにより上記目的が達成
される。 1) (A)成分:下記(a)成分1〜30重量部、(b)成
分1〜30重量部及び(c)成分98〜40重量部から
なるビニル系共重合体100重量部 (a)成分:下記一般式(1)で表されるシリル基を含
有するビニル系単量体 (b)成分:グリシジル基を含有するビニル系単量体 (c)成分:前記(a)成分及び(b)成分以外の他の
共重合可能なビニル系単量体 (B)成分:脂肪族二塩基酸1〜30重量部 (C)成分:シランカップリング剤0.1〜10重量部 上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を必須成分
とし、前記(A)成分は下記一般式(1)で表されるシ
リル基を主たる架橋性基とし、かつガラス転移温度が4
0〜100℃で、数平均分子量が2000〜20000
であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10
のアラルキル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の基であり、複数個の場合はそれらは同一であっても異
なっていてもよい。Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒド
ロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、チオアルコキ
シ基、アシロキシ基、アミノキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、およびアルケニルオキシ基よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の基であり、複数
個の場合はそれらは同一であっても異なっていてもよ
い。aは0〜2の整数である。) 2)前記(A)成分以外の架橋硬化可能な重合体を含
み、かつ前記(A)成分は(A)成分および前記重合体
全体の総和の20重量%以上100重量%未満であるこ
とを特徴とする前記1)に記載の粉体塗料用樹脂組成
物。
【0009】3)前記一般式(1)中のXがアルコキシ
基であることを特徴とする前記1)または2)に記載の
粉体塗料用樹脂組成物。 4)前記(a)成分が、3−(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン及び3−(メタ)アク
リロキシプロピルメチルジエトキシシランよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記
1)〜3)のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成
物。
【0010】5)前記(b)成分が、グリシジル(メ
タ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アク
リレート及びアリルグリシジルエーテルよりなる群から
選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記
1)〜4)のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成
物。 6)前記(B)成分が、下記一般式(2)で表される化
合物であることを特徴とする前記1)〜5)のいずれか
1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R2 は炭素数1〜20の直鎖状ま
たは分岐状のアルキレン基である。) 7)前記(C)成分が、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン及び2−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリエトキシシランよりなる群から選
ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1)
〜6)のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
【0013】(A)成分は、(a)成分1〜30重量
部、(b)成分1〜30重量部及び(c)成分98〜4
0重量部からなるビニル系共重合体である。(a)成分
は上記一般式(1)で表されるシリル基を含有するビニ
ル系単量体である。(b)成分はグリシジル基をを含有
するビニル系単量体である。(c)成分は前記(a)成
分及び(b)成分以外の他の共重合可能なビニル系単量
体である。
【0014】(a)成分は、一般式(1)で表されるシ
リル基を有すれば特に制限はないが、例えば、 CH2=CHSi(OCH33、 CH2=CHSi(CH3)(OCH32、 CH2=C(CH3)Si(OCH33、 CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH32、 CH2=CHSi(OC253、 CH2=CHSi(OC37 3、 CH2=CHSi(OC4 9 3、 CH2=CHSi(OC6133、 CH2=CHSi(OC8 173、 CH2=CHSi(OC10213、 CH2=CHSi(OC12253、 CH2=CHSi(OCH2CH2OCH33、 CH2=CHCOO(CH23Si(OCH33、 CH2=CHCOO(CH23Si(CH3)(OC
32、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(OC
33、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3
(OCH32、 CH2=CHCOO(CH23Si(OC253、 CH2=CHCOO(CH23Si(CH3)(OC
252、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(OC25
3、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3
(OC252、 CH2=CHCOO(CH23Si(OCH2CH2OC
33、 CH2=CHCOO(CH23Si(CH3)(OCH2
CH2OCH32、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(OCH2
2OCH33、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3
(OCH2CH2OCH32、 CH2=C(CH3)COO(CH22O(CH23Si
(OCH33、 CH2=C(CH3)COO(CH22O(CH23Si
(CH3)(OCH32、 CH2=C(CH3)COO(CH211Si(OCH3
3、 CH2=C(CH3)COO(CH211Si(CH3
(OCH32、 CH2=CHCH2OCO(ort−C64 )COO(CH
23Si(OCH33(ここで、ort−C64 はオルト
フェニレン基を示す)、 CH2=CHCH2OCO(ort−C64 )COO(CH
23Si(CH3)(OCH32、 CH2=CH(CH24 Si(OCH33、 CH2=CH(CH28 Si(OCH33、 CH2=CHO(CH23Si(OCH33、 CH2=CHCH2O(CH23Si(OCH33、 CH2=CHCH2OCO(CH210Si(OC
33、 CH2=CH(p−C64 )Si(OCH33(ここ
で、p−C64 はパラフェニレン基を示す)、 CH2=CH(p−C64 )Si(CH3)(OC
32、 CH2=C(CH3)(p−C64 )Si(OCH33、 CH2=C(CH3)(p−C64 )Si(CH3)(O
CH32などのアルコキシシリル基含有単量体; CH2=CHCOO(CH23Si(CH3)Cl2、 CH2=CHCOO(CH23SiCl3、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH32
l、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3)C
2、 CH2=C(CH3)COO(CH23SiCl3などの
ハロシリル基含有単量体; CH2=C(CH3)COO(CH23Si(OH)3、 CH2=C(CH3)COO(CH23Si(CH3
(OH)2などのシラノール基含有単量体; CH2=C(CH3)COO(CH23Si(OCOCH
33などのアセトキシシリル基含有単量体が挙げられ
る。
【0015】これらの中では、特に一般式(1)のXが
アルコキシ基であるアルコキシシリル基含有単量体がコ
スト、安定性、反応性などの点で好ましく、例えば、3
−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、および3−(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジエトキシシランよりなる群から選ばれる少なくと
も1種、またはこれらの2種以上の混合物等があげられ
る。ここで、「(メタ)アクリロキシ」とは、「メタク
リロキシまたはアクリロキシ」を意味する。尚、後述に
おいて用いられる「(メタ)」の用語もこれと同様の表
記法を意味する。また、アルコキシ基とは、上記具体例
に記載のようにそのアルキル基部分が他のアルコキシ基
で置換されたものも含む。
【0016】これらの(a)成分は、1種または2種以
上を併用してもよく、また、(A)成分100重量部中
1〜30重量部共重合される。好ましくは2〜25重量
部、より好ましくは3〜22重量部共重合されるのがよ
い。(a)成分を共重合する量が、1重量部より少ない
場合、樹脂組成物の硬化特性、塗膜の耐候性に劣り、3
0重量部を超えた場合、樹脂の貯蔵安定性が低下する。
【0017】前記(b)成分のグリシジル基含有ビニル
系単量体には、特に限定はなく、例えば、グリシジル
(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)
アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどよりなる
群から選ばれる少なくとも1種、またはこれらの2種以
上の混合物等があげられる。これらの(b)成分は、1
種または2種以上を併用してもよく、(A)成分100
重量部中1〜30重量部共重合される。好ましくは2〜
26重量部、より好ましくは5〜25重量部共重合され
るのがよい。(b)成分、即ち、グリシジル基含有ビニ
ル系単量体を共重合する量が、1重量部より少ない場合
には塗膜の機械的特性に劣り、30重量部を超えると平
滑性が低下する。
【0018】前記(c)成分のその他の共重合可能なビ
ニル系単量体には、特に限定がなく、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート等のビニル系単量体;スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒドロ
キシスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビ
ニル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジア
リルフタレート等のビニルエステルやアリルエステル化
合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビ
ニル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル
(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メ
タ)アクリレートなどのα、β−エチレン性不飽和カル
ボン酸のヒドロキシアルキルエステル類;2−ヒドロキ
シエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート、ε−カプロラクト
ン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類、ポリ
アルキレングリコールモノメタクリレート類等の水酸基
含有ビニル系単量体;ウレタン結合やシロキサン結合を
含む(メタ)アクリレート等のビニル系化合物;AS−
6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などのメ
タクリロイル基含有マクロモノマー(以上、東亜合成化
学(株)製);ビニルメチルエーテル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエ
ン、N−ビニルイミダゾール等のその他のビニル系単量
体等が挙げられる。
【0019】(A)成分は、架橋性基として、一般式
(1)で表されるシリル基を有する。該シリル基は分子
間を架橋する機能を有する主たる架橋性基であるが、
(A)成分は、他に架橋性基としてグリシジル基を有し
ており、更に所望により例えば水酸基などの他の架橋性
基を有することもできる。(A)成分中に存在する全架
橋性基のうち該シリル基の個数が30%以上であること
が好ましく、50%以上であることがさらに好ましく、
70%以上であることが特に好ましい。該シリル基は、
(A)成分1分子中に好ましくは少なくとも1個、更に
は2〜10個存在することが好ましい。また、該グリシ
ジル基は(A)成分1分子中に好ましくは少なくとも1
個、更には2〜8個存在することが好ましい。
【0020】(A)成分を製造する方法には、公知の重
合方法、例えば塊状重合、懸濁重合、溶液重合などが利
用できるが、特に合成の容易さから、過酸化物やアゾ化
合物などのラジカル開始剤を用いた溶液重合が好まし
い。前記溶液重合に用いられる重合溶剤は、炭化水素類
(トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン
など)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルな
ど)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノールなど)、エーテル類(エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテー
トなど)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセト酢酸
エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メ
チルイソブチルケトン、アセトンなど)などの非反応性
の溶剤であれば特に限定はない。
【0021】前記溶液重合に用いられる開始剤として
は、特に制限されるべきものではないが、過酸化ベンゾ
イルや過酸化第三ブチルなどの有機過酸化物、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニト
リル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)などのアゾ化合物などのラジカル開始剤等が挙げら
れる。
【0022】前記溶液重合においては、必要に応じてn
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
n−オクチルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプ
タン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカ
プトプロピルメチルジメキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルメチルジエトキシシラン、(H3CO)3Si−S
−S−Si(OCH33、CH3(H3CO)2Si−S
−S−SiCH3(OCH32、(C25O)3Si−S
−S−Si(OC253、CH3(C25O)2Si−
S−S−SiCH3(OC252、(H3CO)3Si−
3−Si(OCH33、(H3CO)3Si−S4 −S
i(OCH33、(H3CO)3Si−S6−Si(OC
33などの連鎖移動剤を用い、分子量を調節すること
ができる。特に、アルコキシシリル基を分子中に有する
連鎖移動剤、例えば、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシランを用いれば、シリル基含有アクリル共重合体
の末端にアルコキシシリル基を導入することができる。
【0023】前記溶液重合において、以上に挙げられた
単量体類、開始剤、連鎖移動剤などを重合溶剤に所定量
投入し、重合を実施し、溶媒を減圧にて除去することに
より、(A)成分が得られる。(A)成分の数平均分子
量は、2000〜20000であり、好ましくは300
0〜10000なる範囲である。分子量が2000未満
の場合は、塗膜が充分な機械物性を発現することが困難
になり、また20000を越える場合は、塗膜の平滑性
が劣るという問題がある。
【0024】さらに、(A)成分のガラス転移温度は、
40〜100℃であり、好ましくは50〜80℃であ
る。40℃より低い場合は、粉体塗料の貯蔵安定性が劣
り、一方、100℃より高い場合は塗膜の平滑性が劣る
という問題がある。前記(B)成分の脂肪族二塩基酸と
しては、特に制限されるべきものではないが、一般式
(2)で表される化合物が好ましく、例えば、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸などが挙
げられ、単独もしくは2種以上組み合わせて使用される
が、貯蔵安定性や機械的強度などの諸物性のバランスの
点からセバシン酸、ドデカン二酸が好ましい。
【0025】前記(B)成分の脂肪族二塩基酸は、前記
(A)成分100重量部に対して1〜30重量部使用さ
れるが、好ましく2〜25重量部、さらに好ましくは3
〜20重量部使用される。前記(B)成分の使用量が1
重量部より少ない場合には、酸−エポキシの架橋量が少
なくなるため機械的特性が劣り、30重量部より多い場
合には、使用される脂肪族二塩基酸が多くなるため平滑
性、貯蔵安定性が低下する。
【0026】また、前記(A)成分中のグリシジル基の
個数と前記(B)成分の脂肪族二塩基酸のカルボキシル
基の個数の比は、1:3〜3:1が好ましいが、さらに
1:2〜2:1の範囲が好ましい。前記(C)成分のシ
ランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジ
エトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノ
プロピルメチルジエメトキシシランなどが挙げられる
が、貯蔵安定性や機械的強度、密着性などの諸物性のバ
ランスの点から3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシランが好ましい。
【0027】前記(C)成分のシランカップリング剤
は、前記(A)成分100重量部に対して0.1〜10
重量部使用されるが、好ましくは0.2〜7重量部、さ
らに好ましくは0.5〜5重量部使用される。前記
(C)成分の使用量が0.1重量部より少ない場合に
は、密着性、機械的特性の向上効果が見られず、10重
量部より多い場合には、貯蔵安定性、耐ブロッキング性
が低下する。
【0028】(A)成分の共重合体は水分の作用により
シロキサン結合を形成し、(A)成分中のグリシジル基
と(B)成分中のカルボキシル基との反応及び(A)及
び/又は(B)成分と(C)成分との反応により架橋硬
化可能な共重合体である。本発明においては、(A)成
分以外の架橋硬化可能な重合体(以下重合体(A´)と
もいう)を(A)成分と併用することができる。該重合
体(A´)は単独重合体、共重合体を含包するものであ
り、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、シリコン樹脂などが挙げられ、1種以上使用する
ことができる。重合体(A´)は、架橋性基として一般
式(1)で表されるシリル基のほか、エポキシ基、水酸
基などの任意の架橋性基を有することができる。
【0029】重合体(A´)を併用する場合、(A)成
分は(A)成分および重合体(A´)の総和の20重量
%以上100重量%未満用いるのがよく、30重量%以
上が好ましく、80重量%以上が特に好ましい。本発明
の粉体塗料用樹脂組成物は、(B)成分の脂肪族二塩基
酸中に含まれるカルボキシル基が(A)成分中の一般式
(1)で表されるシリル基の加水分解・縮合触媒とな
り、さらに(A)成分中のグリシジル基と架橋反応を起
こし、十分に硬化性を示すが、シリル基同士の架橋を更
にスムーズに進めるために硬化触媒を添加することがで
きる。
【0030】硬化触媒としては、有機酸性化合物、該有
機酸性化合物と含チッ素化合物との混合物または反応
物、有機金属化合物等が挙げられる。有機酸性化合物と
しては、有機スルホン酸、リン酸またはリン酸エステル
等が挙げられる。硬化触媒の具体例としては、例えば、
ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホ
ン酸などの有機スルホン酸化合物;前記有機スルホン酸
化合物と含チッ素化合物(例えば、1−アミノ−2−プ
ロパノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−ジメチルエ
タノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパ
ノール、ジイソプロパノールアミン、3−アミノプロパ
ノール、2−メチルアミノ−2−メチルプロパノール、
モルホリン、オキサゾリジン、4,4−ジメチルオキサ
ゾリジン、3,4,4−トリメチルオキサゾリジンな
ど)との混合物または反応物;リン酸、モノメチルホス
フェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフ
ェート、モノオクチルホスフェート、モノドデシルホス
フェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェー
ト、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、
ジドデシルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エス
テル;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シ
クロヘキセンオキサイド、グリシジルメタクリレート、
グリシドール、アクリルグリシジルエーテル、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルトリメチルジメトキシシラン、油化シェルエポキシ
(株)製カーデュラE、油化シェルエポキシ(株)製の
エピコート828、エピコート1001などのエポキシ
化合物とリン酸および/またはモノリン酸エステルとの
付加反応物;ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシル
アミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、DABC
O、DBU、モルホリン、ジイソプロパノールアミンな
どのアミン類;これらのアミン類と酸性リン酸エステル
との反応物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ性化合物;ベンジルトリエチルアンモニウムク
ロリドあるいはブロミド、テトラブチルアンモニウムク
ロリドあるいはブロミドなどの4級アンモニウム塩、ま
たホスホニウム塩;オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ
などの2価スズ化合物、ジブチルスズジオクトエート、
ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテー
ト、ジブチルスズジアセチルアセトナート、ジブチルス
ズビストリエトキシシリケート、ジブチルスズジステア
レート、ジブチルスズマレートなどのジブチルスズ化合
物、ジオクチルスズジバーサテート、ジオクチルスズジ
ラウレート、ジオクチルスズジステアレート、ジオクチ
ルスズマレートなどのジオクチルスズ化合物などの4価
有機スズ化合物;テトラメトキシチタン、テトラステア
リルオキシチタン等の有機チタネート化合物;アルミニ
ウムイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナ
ート等の有機アルミニウム化合物;ステアリン酸ジルコ
ニア、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート等の有
機ジルコニウム化合物などが挙げられる。
【0031】これらのうち有機チタネート化合物、有機
ジルコニウム化合物が、焼き付け時の硬化性の点から好
ましい。これらの硬化触媒はそれぞれ単独で使用しても
よく、また併用してもよい。これらの硬化触媒の使用量
は(A)成分100重量部に対し、0.001〜10重
量部、さらには0.01〜5重量部が好ましい。10重
量部より多ければ、貯蔵安定性に欠けたり、塗膜の外観
が低下するという問題が生じる。
【0032】本粉体塗料用樹脂組成物には必要に応じ
て、ポリエステル、エポキシ、アクリルなどの樹脂、二
酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロムな
どの無機顔料およびフタロシアニン系、キナクドリン系
などの有機顔料、着色助剤、流展剤や消泡剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤などの添加剤を
加えることができる。これらの添加剤の配合割合は必要
特性に応じて適宜選定可能であり、また混合して使用す
ることも可能である。
【0033】粉体塗料の製造は、例えば、加熱ロール、
ニーダーなどの溶融混練機を用い、必要により上記添加
剤を含む本発明の粉体塗料用樹脂組成物を溶融、混練
し、そして冷却した後に、粉砕して調製される。また
は、(A)成分の重合後の溶液に、硬化触媒や顔料、添
加剤などを加えて混合し、本発明の粉体塗料用樹脂組成
物とし、これをスプレードライする方法も使用できる。
【0034】このようにして得られた粉体塗料は、静電
塗装や流動浸漬塗装などの公知の方法により被塗物に塗
布される。塗膜の厚みは必要に応じて適宜選定可能であ
り、通常は20〜150μm、好ましくは40〜100
μmがよい。20μmより薄い場合は、塗膜にムラが生
じやすく、150μmより厚い場合は、塗膜に凹凸やピ
ンホールなどができやすくなるという問題がある。
【0035】得られた塗布物は、通常150〜200℃
程度の温度で、5分〜1時間焼き付けることにより、充
分に硬化させることができ、耐候性、耐酸性などの物性
に優れた硬化物(塗膜)を形成することができる。15
0℃より低温の場合や5分より短い場合は、塗膜の硬化
が充分ではなく、200℃より高温の場合や1時間より
長い場合は、作業性が悪くなったり光熱費などのコスト
が上昇するという問題が生じる。
【0036】本発明の組成物は、例えば、アルミサイデ
ィングやフェンスなどの建築内外装用、ガードレールな
どの道路資材、エアコンや冷蔵庫などの家電品などに用
いられる。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に束縛されるものでは
ない。なお、以下に示す部は特に断りのない限り重量部
を示すものとする。また、実施例における分析値、特性
値および塗膜の性能は次の方法により測定又は評価した
ものである。 分析値 (1)ポリマーの数平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
により測定した。Waters社製600型GPCシス
テムを用いて、クロロホルムを移動相とし、流速を1m
L/minとした。カラム温度は40℃で測定した。ポ
リスチレンを標準試料として数平均分子量を算出した。 (2)ガラス転位温度 示差走査熱量計(DSC、(株)島津製作所製DSC−
50型)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度5℃/mi
nで測定し、決定した。特性値および塗膜の性能 (1)外観性 目視により、外観性、平滑性を評価した。 ◎:きわめて良好、○:良好、△:つや引け、×:不良 (2)耐候性 サンシャインウェザーメーター3000時間照射後の塗
膜外観を目視により評価した。 ◎:きわめて良好、○:ややつや引け、△:つや引け、
×:割れ、はがれ (3)耐酸性 塗膜を5%の硫酸水溶液に室温下24時間浸せきした後
の塗膜外観を目視により評価した。 ◎:きわめて良好、○:ややつや引け、△:つや引け、
×:割れ、はがれ (4)硬化性 焼き付けを行った組成物1gを200メッシュステンレ
ス金網に包み込み、アセトンに24時間浸漬して、組成
物の重量変化を調べ、重量変化がない場合をゲル分率1
00%とした。 ◎:90%以上、○:90〜80%、△:80〜70
%、×:70%以下 (5)密着性 JISK5400に準じ、碁盤目テープ法により評価し
た。 ◎:欠損部なし、○:欠損部5%以内、△:欠損部5%
〜15%、×:欠損部15%以上 (6)貯蔵安定性 40℃で1ヶ月貯蔵した粉体塗料について、ゲル化の進
行の目安として貯蔵前後でのゲル分率の変化を調べた。 ◎:変化なし、○:5%以内のゲル分率変化、△:5%
〜15%のゲル分率変化、×:15%以上のゲル分率変
化 樹脂製造例1〜3(本発明範囲) 撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロート
を備えた反応容器に、トルエン50部を仕込み、窒素ガ
スを導入しながら110℃に昇温した後、表1に示した
共重合成分を含むモノマー混合液を滴下ロートにより5
時間で等速滴下した。混合物の滴下終了後、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル0.5部、トルエン10部
の混合物を1時間で等速滴下した。滴下終了後、110
℃でさらに1時間加熱後、冷却した。樹脂溶液を減圧下
溶媒留去することで、固体状態の(A)成分樹脂(A−
1)〜(A−3)を得た。
【0038】
【表1】
【0039】比較樹脂製造例1〜2 表2に示した共重合成分を含むモノマー混合液を上記樹
脂製造例1と同様の方法により、固体状態の樹脂(α−
1)〜(α−2)を得た。
【0040】
【表2】
【0041】実施例1〜3 (A)成分樹脂(A−1)〜(A−3)、(B)成分と
して、ドデカン二酸及び(C)成分としてKBM403
またはKBE402を用いて、表3の配合に従い、それ
ぞれの全成分をドライブレンダー(三井化工機(株)
製、商品名ヘンシェルミキサー)により1分間均一に混
合した後、100〜110℃の温度条件で押出混練機
(BUSS社製、商品名BUSSコニーダーPR−4
6)を用いて溶融混練し、冷却した後、ジェット粉砕機
(セイシン企業(株)製、商品名シングルトラックジェ
ットミルSTJ200)を用いて微粉砕して、平均粒度
30μmの粉体塗料(実施例1〜3)を製造した。得ら
れた粉体塗料を厚さ0.8mmのリン酸亜鉛処理鋼板上
に膜厚が50〜60μmになるように静電塗装機(日本
ワーグナー・スプレーテック(株)製、商品名エアマテ
ィックスプレーガンPEM−C1)を用いて塗装し、1
80℃で20分間焼き付けして塗膜を形成した。得られ
た塗膜の性能を評価した結果を表3に示した。
【0042】
【表3】
【0043】比較例1〜5 表4に従い、実施例と同様の方法により実施して、粉体
塗料(比較例1〜5)を製造した。また、実施例と同様
に塗装し、得られた塗膜の性能を評価した結果を表4に
示した。
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】本発明により、優れた耐候性、耐酸性、
外観性、密着性、機械的特性を有し、環境問題をクリア
し、さらに低コストで製造可能な、新たな架橋形式を有
する粉体塗料を提供することが可能である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分:下記(a)成分1〜30重量
    部、(b)成分1〜30重量部及び(c)成分98〜4
    0重量部からなるビニル系共重合体100重量部 (a)成分:下記一般式(1)で表されるシリル基を含
    有するビニル系単量体 (b)成分:グリシジル基を含有するビニル系単量体 (c)成分:前記(a)成分及び(b)成分以外の他の
    共重合可能なビニル系単量体 (B)成分:脂肪族二塩基酸1〜30重量部 (C)成分:シランカップリング剤0.1〜10重量部 上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を必須成分
    とし、前記(A)成分は下記一般式(1)で表されるシ
    リル基を主たる架橋性基とし、かつガラス転移温度が4
    0〜100℃で、数平均分子量が2000〜20000
    であることを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6
    〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル
    基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基であり、
    複数個の場合はそれらは同一であっても異なっていても
    よい。Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ア
    ルコキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アシロ
    キシ基、アミノキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、
    アミド基、およびアルケニルオキシ基よりなる群から選
    ばれる少なくとも1種の基であり、複数個の場合はそれ
    らは同一であっても異なっていてもよい。aは0〜2の
    整数である。)
  2. 【請求項2】前記(A)成分以外の架橋硬化可能な重合
    体を含み、かつ前記(A)成分は(A)成分および前記
    重合体全体の総和の20重量%以上100重量%未満で
    あることを特徴とする請求項1に記載の粉体塗料用樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】前記一般式(1)中のXがアルコキシ基で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の粉体塗
    料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記(a)成分が、3−(メタ)アクリロ
    キシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリ
    ロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アク
    リロキシプロピルメチルジメトキシシラン及び3−(メ
    タ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシランより
    なる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】前記(b)成分が、グリシジル(メタ)ア
    クリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレー
    ト及びアリルグリシジルエーテルよりなる群から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記(B)成分が、下記一般式(2)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂組成物。 【化2】 (式中、R2 は炭素数1〜20の直鎖状または分岐状の
    アルキレン基である。)
  7. 【請求項7】前記(C)成分が、3−グリシドキシプロ
    ピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルト
    リエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジ
    メトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエ
    トキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
    ル)エチルトリメトキシシラン及び2−(3,4−エポ
    キシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランよりな
    る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の粉体塗料用樹脂
    組成物。
JP14772898A 1998-05-28 1998-05-28 新規な粉体塗料用樹脂組成物 Pending JPH11335590A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14772898A JPH11335590A (ja) 1998-05-28 1998-05-28 新規な粉体塗料用樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14772898A JPH11335590A (ja) 1998-05-28 1998-05-28 新規な粉体塗料用樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11335590A true JPH11335590A (ja) 1999-12-07

Family

ID=15436830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14772898A Pending JPH11335590A (ja) 1998-05-28 1998-05-28 新規な粉体塗料用樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11335590A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000026791A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JP2000204292A (ja) アクリル/ポリエステルハイブリッド系粉体塗料用樹脂組成物
JPH111637A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH11335590A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP2000026792A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JP2000072987A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH11335592A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JPH11323198A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP2892112B2 (ja) 一液型組成物
JPH11335591A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JPH11246794A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH11323199A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP2000007950A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH11335593A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP2000034424A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JP2000095945A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH05271607A (ja) 熱硬化性上塗塗料組成物
JP2000034425A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JP2000026766A (ja) 耐候性、耐汚染性に優れた粉体塗料用樹脂組成物
JP2000026793A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH10330689A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JP3069979B2 (ja) 硬化性組成物
JP2000007949A (ja) 粉体塗料用樹脂組成物
JPH11209552A (ja) 新規な粉体塗料用樹脂組成物
JP3130542B2 (ja) 硬化性組成物