JP2000026614A - 超微粉末状の架橋ポリテトラフルオロエチレン樹脂およびその製造方法 - Google Patents
超微粉末状の架橋ポリテトラフルオロエチレン樹脂およびその製造方法Info
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Abstract
オロエチレン樹脂、およびこの樹脂を製造する新規な方
法を提供する。 【解決手段】 電離性放射線を照射することによって架
橋していて、結晶融解温度が327℃未満であり、結晶
化熱量が45J/g未満である、超微粉末状の架橋ポリ
テトラフルオロエチレン樹脂。この樹脂は下記の工程を
含む方法によって製造される:(a)テトラフルオロエ
チレンモノマーとアセトンの混合溶液に電離性放射線を
照射することによって前記モノマーを重合させて、前記
溶液をゲル状態のポリテトラフルオロエチレンのアセト
ン溶媒分散系とし、(b)前記分散系に電離性放射線を
照射することによって前記ポリテトラフルオロエチレン
を架橋させ、(c)前記分散系から前記ポリテトラフル
オロエチレンの微粉末を分離し乾燥する。
Description
晶性の架橋ポリテトラフルオロエチレン樹脂、およびこ
の樹脂を製造する新規な方法に関する。
(PTFE)は、その分子量と粒径を調節することによ
って産業界に幅広い用途が見いだされ、今後、ますます
需要の増加が見込まれているフッ素樹脂である。この樹
脂は現在、塗料、インク、潤滑剤などの添加剤として利
用されている。PTFE微粉末を配合した塗料では塗装
膜の耐久性が向上し、PTFE微粉末を添加した潤滑油
では機械の騒音や消費電流が減少する。また、軸受け、
化学装置の配管材料、電気絶縁材料、摺動材など種々の
部材として使用され、PTFEの優れた特徴(耐薬品
性、耐熱性、低摩擦性、低い誘電率、高い抵抗率など)
が生かされている。
子量のものに至るまで、テトラフルオロエチレンモノマ
ー(TFE)を化学触媒法によって重合して製造されて
いる。得られるPTFEは、その分子鎖が直鎖状で分岐
がほとんどなく、結晶化度が高い。従って弾性に乏しい
ため、結晶化度の低いゴム特性を有するPTFEの開発
が望まれている。
いてTFEに電離性放射線を照射することによって粉体
粒径が1μm以下の超微粉末状PTFEを製造する方法
を発明している(特開昭63−146908号)。この
先行技術によれば反応系の濃度や温度等の条件を選択す
ることによってPTFEの分子量を制御することが可能
であり、特に低分子量の超微粉末状PTFEを低い線量
の放射線を照射するだけで製造することに主眼が置かれ
ている。この方法によって得られるPTFEは直鎖状で
分岐をもたない構造のものであり、結晶化度が高い。
線を樹脂の結晶融点以上の温度で且つ酸素不存在下で照
射することによって架橋が起きて、その特性が大きく変
化することを見いだした(特開平7−118423号お
よび特願平9−206144号)。これらは、PTFE
などの重合されたフッ素樹脂を原料として架橋処理を行
うものである。
8423号および特願平9−206144号に係る方法
は、フッ素樹脂に放射線を樹脂の結晶融点以上に加熱し
た状態で照射するものであるため、高温下での繊細な温
度制御が求められ、従って大掛かりな装置を必要とす
る。また、結晶融点以上で照射処理された樹脂は、成形
体であれば変形しやすく、粉体であれば粉体どうしが融
着を起こしやすい。従って照射処理後に二次的な加工処
理を施す必要があり、必ずしも満足のいくものではなか
った。
て、TFEを原料として、PTFEの結晶融解温度以下
の低温のプロセスによって、架橋構造を有する超微粉末
状のPTFE樹脂を、二次的な加工処理を必要としない
最終的な重合生成物として提供しようとするものであ
る。
に、本発明によれば、(a)テトラフルオロエチレンモ
ノマーとアセトンの混合溶液に電離性放射線を照射する
ことによって前記モノマーを重合させて、前記溶液をゲ
ル状態のポリテトラフルオロエチレンのアセトン溶媒分
散系とし、(b)前記分散系に電離性放射線を照射する
ことによって前記ポリテトラフルオロエチレンを架橋さ
せ、(c)前記分散系から前記ポリテトラフルオロエチ
レンの微粉末を分離し乾燥する、以上の工程を含む、超
微粉末状の架橋ポリテトラフルオロエチレン樹脂を製造
する方法が提供される。上記(a)および(b)の工程
は、両工程が連続した一工程として行っても良い。
オロエチレンモノマーとアセトンの混合溶液に電離性放
射線を照射することによって前記モノマーを重合させ
て、前記溶液をゲル状態のポリテトラフルオロエチレン
のアセトン溶媒分散系とし、(b)前記分散系からポリ
テトラフルオロエチレンの微粉末を分離し、(c)前記
ポリテトラフルオロエチレン微粉末に電離性放射線を照
射することによって架橋させる、以上の工程を含む、超
微粉末状の架橋ポリテトラフルオロエチレン樹脂を製造
する方法が提供される。
樹脂の結晶融点以上の温度で照射すると架橋が起きる。
本願発明者はさらに研究を進め、ゲル状態のPTFEの
アセトン溶媒分散系に室温以下で電離性放射線を照射し
た場合も架橋が起き、照射線量が増大するのに伴ってP
TFEの結晶融解温度(PTFEの融点)と結晶化熱量
が減少することを見いだした。これは、放射線を照射す
ることによってPTFEの架橋が進行するのに伴って結
晶が成長し難くなり、非晶化(アモルファス化)して結
晶領域が小さくなることに起因するものと考えられる。
一方、従来のPTFEに室温以下で放射線を照射するこ
とによってPTFE分子の主鎖の切断が起こった場合
は、分子鎖が配列し易くなって結晶領域が増大すること
が確認されている。この場合、結晶融解温度と結晶化熱
量の減少は起こらず、結晶融解温度はほぼ327℃で一
定であり、結晶化熱量は45〜60J/gの値になる。
従って、結晶融解温度の低下と結晶化熱量の減少は架橋
反応の進行状況の指標となる。
アセトン溶媒中でTFEモノマーに放射線を照射する
と、重合して、低分子量でサイズが極めて小さいPTF
Eが生成する。この段階では、PTFEはアセトンによ
って溶媒和して膨潤した状態で分散している(ゲル状
態)ため、結晶状態では存在せず、非晶化していると考
えられる。このようにサイズが極めて小さいPTFEが
非晶化して存在している状態は、分子が整然と配列した
結晶状態ではなく、アセトンとの界面が乱れた状態にな
っている。
いPTFEが非晶化して存在している状態(ゲル状態)
で、このPTFEにさらに放射線を照射することにあ
る。こ非晶化状態での照射は、PTFEの結晶融点以上
の温度で照射するのと同様に、架橋反応を可能にする。
反応は主として乱れた界面で起きる。この場合、PTF
Eはサイズが極めて小さいものであるため、その内部に
対する表面の比率は非常に高く、反応に寄与する部分が
多くなる。また、この時の照射温度は最初の照射段階と
は異なった温度を選ぶことが可能である。より高い温度
を選択すれば、分子の運動性が増し、よりランダムな状
態で反応が進み、架橋が促進されると考えられる。
最初の放射線照射後にアセトンを分離・除去すると、膨
潤していたPTFE分子はある程度配列して結晶化し、
超微粉末状で低分子量の(未架橋)PTFEが得られ
る。この状態のPTFEに放射線を照射したときにも架
橋が進行する。これは、超微粉末状のPTFEの表面に
おいては分子が整然と配列していない状態であり、内部
に対する表面の比率が非常に高いためと考えられる。
分散系からPTFEの微粉末を分離し乾燥することによ
って、あるいは一回目の照射後に分散系からPTFEの
微粉末を分離してこれにさらに電離性放射線を照射する
ことによって、結晶融解温度が327℃未満で結晶化熱
量が45J/g未満の超微粉末状の架橋PTFE樹脂が
得られる。結晶融解温度は310〜325℃であるのが
好ましく、また結晶化熱量は10〜40J/gであるの
が好ましい。また、架橋PTFE樹脂の微粉末の粒径は
1μm以下であるのが好ましい。
射工程を常温で行うことが可能であるが、これは、ゲル
状態においてPTFEが溶媒和して他に例を見ないほど
微細に分散していることに原因がある。また本発明の重
要な意義は、TFEを原料として、化学触媒重合法では
不可能であった、架橋構造を有する低結晶性で超微粉末
状のPTFE樹脂を二次的な加工処理を必要としない最
終的な重合生成物として製造する新規なプロセスを提供
したことにある。
溶液への電離性放射線の照射、および架橋を行うための
PTFEのアセトン溶媒分散系またはPTFE微粉末へ
の電離性放射線の照射は、照射時の酸化を防止するため
に酸素の不存在下すなわち真空中もしくは不活性ガス雰
囲気(窒素、アルゴン、ヘリウムなど)中において放射
線を照射することによって行うのが好ましい。放射線と
してはガンマ線、電子線、X線、中性子線、高エネルギ
ーイオンなどを用いることができるが、特にガンマ線
が、物質を透過する能力が高く、反応容器外部からの照
射が容易であるため好ましい。照射温度は室温であって
もよい。好ましい照射温度は−78℃〜30℃である。
その分離作業が極めて容易である。分離したアセトン
は、捕集して繰り返し使用することができる。
する。もっとも本発明はこれらに限定されない。
5ml(液体窒素によってガラスアンプル内で一度固化さ
せ、溶解したときの液体の体積で計量)を充填して、T
FEが10vol%の混合溶液を調製した。ドライアイス
とメタノールの混合物に浸漬することによって溶液の温
度を−78℃に調節し、この溶液にコバルト60からの
ガンマ線を真空中で5kGy 照射した。溶液がゲル状態
になり、引き続き−78℃のゲルにガンマ線を真空中で
5、100、500、および1000kGy それぞれ照
射した。照射後、生成物をアセトンで十分に洗浄し、真
空乾燥することによってアセトンを分離した。
0.5μm)の結晶融解温度と結晶化熱量を熱分析(DS
C)によって測定した。図1に、実験結果として、2回
めの照射における照射線量と結晶融解温度および結晶化
熱量の関係を示す。結晶融解温度および結晶化熱量は照
射線量が増大するのに伴って減少する。このことは、照
射線量が増大するのに伴ってPTFE中の結晶の大きさ
が縮小し、結晶量が減少して、PTFEが架橋して非晶
化したことを示す。また、照射線量を変えることによっ
てPTFEの架橋度と結晶化度を制御することも可能で
あることがわかる。
5ml を充填して、TFEが10vol%の混合溶液を調製
した。ドライアイスとメタノールの混合物に浸漬するこ
とによって溶液の温度を−78℃に調節し、この溶液に
コバルト60からのガンマ線を真空中で5kGy 照射し
た。溶液がゲル状態になり、このゲルにガンマ線を約2
0℃において真空中で5、100、500、および10
00kGyそれぞれ照射した。照射後、生成物をアセトン
で十分に洗浄し、真空乾燥することによってアセトンを
分離した。
0.5μm)の結晶融解温度と結晶化熱量を熱分析(DS
C)によって測定した。図2に、実験結果として、2回
めの照射における照射線量と結晶融解温度および結晶化
熱量の関係を示す。照射線量が増大するのに伴って結晶
融解温度および結晶化熱量が減少する。このことは、室
温における照射によっても、結晶量が減少して、PTF
Eが架橋して非晶化したことを示す。また、照射線量を
変えることによってPTFEの架橋度と結晶化度を制御
することも可能であることがわかる。さらにまた、実施
例1の結果と比較すると、二回めの照射を室温で行った
方が−78℃で照射した場合よりも結晶融解温度の低下
が著しく、架橋がより進行していることがわかる。結晶
化熱量についても室温で照射した方が、照射線量が比較
的少ない範囲において、減少した。
5ml を充填して、TFEが10vol%の混合溶液を調製
した。ドライアイスとメタノールの混合物に浸漬するこ
とによって溶液の温度を−78℃に調節し、この溶液に
コバルト60からのガンマ線を真空中で1kGy 照射し
た。溶液がゲル状態になり、このゲルにガンマ線を約2
0℃において真空中で100kGy 照射した。照射後、
生成物をアセトンで十分に洗浄し、真空乾燥することに
よってアセトンを分離した。
0.5μm)の結晶融解温度と結晶化熱量を熱分析(DS
C)によって測定した。結晶融解温度と結晶化熱量はそ
れぞれ318.2℃および24.9J/gとなった。これ
は、化学触媒法によって製造された市販のPTFEが放
射線照射によって主鎖切断を起こしたものの値(結晶融
解温度:327℃、結晶化熱量:45〜60J/g)よ
りも結晶融解温度で約10℃、結晶化熱量で約20〜3
5J/g低い値となり、低結晶性の架橋PTFEが得ら
れた。
0.1ml を充填して、TFEが1vol%の混合溶液を調
製した。この溶液にコバルト60からのガンマ線を約2
0℃において真空中で200kGy 照射した。照射後、
生成物をアセトンで十分に洗浄し、真空乾燥することに
よってアセトンを分離した。
0.3μm)の結晶融解温度と結晶化熱量を熱分析(DS
C)によって測定した。結晶融解温度と結晶化熱量はそ
れぞれ317.1℃および23.8J/gとなり、市販の
PTFEに放射線照射したものよりも結晶融解温度で約
10℃、結晶化熱量で約20〜35J/g低い値とな
り、低結晶性の架橋PTFEが得られた。
5ml を充填してTFEが10vol%の混合溶液を調製し
た。ドライアイスとメタノールの混合物に浸漬すること
によって溶液の温度を−78℃に調節し、この溶液にコ
バルト60からのガンマ線を真空中で5kGy 照射し
た。溶液がゲル状態になり、このゲル状態のPTFE分
散系を真空乾燥することによって微粉末状のPTFEを
得た。このPTFEの結晶融解温度と結晶化熱量はそれ
ぞれ329.3℃および56.8J/gであった。次い
で、このPTFE微粉末1gに室温および−78℃にお
いて真空中でガンマ線をそれぞれ100kGy照射し
た。
径:0.5μm)の結晶融解温度と結晶化熱量を熱分析
(DSC)によって測定した。二回めの照射を室温にお
いて行った場合の結晶融解温度と結晶化熱量はそれぞれ
325.4℃および43.5J/gとなり、1回めの照射
後のPTFEに比べて結晶融解温度で約4℃、結晶化熱
量で約13J/g低い値となった。また二回めの照射を
−78℃において行った場合の結晶融解温度と結晶化熱
量はそれぞれ326.1℃および49.1J/gとなり、
一回めの照射後のPTFEに比べて結晶融解温度で約3
℃、結晶化熱量で約8J/g低い値となった。従って、
ゲル状態のPTFE分散系からアセトンを分離したもの
にガンマ線を照射することによって架橋が起きることが
判明した。
5ml を充填してTFEが10vol%の混合溶液を調製し
た。ドライアイスとメタノールの混合物に浸漬すること
によって溶液の温度を−78℃に調節し、この溶液にコ
バルト60からのガンマ線を真空中で5kGy 照射した
(一回めの照射)。溶液がゲル状態になり、このゲル状
態のPTFE分散系に約20℃において真空中でガンマ
線をさらに1000kGy照射した(二回めの照射)。
照射後ゲル状態のPTFE分散系を真空乾燥することに
よって微粉末状のPTFEを得た。このPTFEの結晶
融解温度と結晶化熱量はそれぞれ310.4℃および2
4.1J/gであった。次いで、このPTFE微粉末1g
に室温および−78℃において真空中でガンマ線をそれ
ぞれ100kGy照射した(三回めの照射)。
径:0.5μm)の結晶融解温度と結晶化熱量を熱分析
(DSC)によって測定した。三回めの照射を室温にお
いて行った場合の結晶融解温度と結晶化熱量はそれぞれ
306.3℃および19.5J/gとなり、二回めの照射
後のゲル状態のPTFEに比べて結晶融解温度で約4
℃、結晶化熱量で約5J/g低い値となった。また三回
めの照射を−78℃において行った場合の結晶融解温度
と結晶化熱量はそれぞれ307.1℃および21.7J/
gとなり、二回めの照射後のPTFEに比べて結晶融解
温度で約3℃、結晶化熱量で約2J/g低い値となっ
た。従って、この実験によっても、ゲル状態のPTFE
分散系からアセトンを分離したものにガンマ線を照射す
ることによって架橋が起きることが判明した。
5ml を充填して、TFEが10vol%の混合溶液を調製
した。ドライアイスとメタノールの混合物に浸漬するこ
とによって溶液の温度を−78℃に調節し、この溶液に
コバルト60からのガンマ線を真空中で5kGy 照射し
た。溶液がゲル状態になり、このゲルにガンマ線を約2
0℃において真空中で100kGy 照射した。照射後、
生成物をアセトンで十分に洗浄し、真空乾燥することに
よって微粉末状のPTFE(平均粒径:0.5μm)を得
た。
添加して、Falex Corporation のFALEXピン・ブ
ロック試験機を用い、ASTM D2670-67に定め
られたFALEX摩耗試験(条件:80℃、250 l
b、1時間)を行った。ピン摩耗量の測定結果は、PT
FE無添加のもので31.6mgであったのに対して、P
TFE微粉末を添加したものは2.2mgとなり、摩耗量
は約1/15に低減した。また比較のため、市販の低分
子量PTFE(潤滑用の添加剤:喜多村(株)製、KT
L-8)をエステル油に1wt%添加して同様の試験を行
ったところ、摩耗量は24.1mgとなり、無添加の場合
の約3/4であった。従って、架橋PTFEの添加剤
(潤滑剤用)としての優れた特性が実証された。
橋PTFEは、塗料、インクなどへの新規な添加剤とし
て、また耐熱性、耐薬品性に優れた新規な固体潤滑材と
して、さらにまた、成形加工することにより弾性を有す
る新規なPTFE成形体として期待される。また、低温
処理によって製造するため、粉末どうしが融着しにく
く、成形品は変形が少ない。従って放射線照射による重
合後に二次的な加工処理を必要としない最終的な製品と
して製造することができる。
架橋PTFEの結晶融解温度と結晶化熱量の関係を示す
グラフである。
架橋PTFEの結晶融解温度と結晶化熱量の関係を示す
グラフである。
Claims (11)
- 【請求項1】 電離性放射線を照射することによって架
橋していて、結晶融解温度が327℃未満であり、結晶
化熱量が45J/g未満であることを特徴とする、超微
粉末状の架橋ポリテトラフルオロエチレン樹脂。 - 【請求項2】 前記結晶融解温度が310〜325℃で
ある、請求項1に記載の超微粉末状の架橋ポリテトラフ
ルオロエチレン樹脂。 - 【請求項3】 前記結晶化熱量が10〜40J/gであ
る、請求項1または2に記載の超微粉末状の架橋ポリテ
トラフルオロエチレン樹脂。 - 【請求項4】 1μm以下の粒径を有する、請求項1な
いし3のいずれかに記載の超微粉末状の架橋ポリテトラ
フルオロエチレン樹脂。 - 【請求項5】 超微粉末状の架橋ポリテトラフルオロエ
チレン樹脂を製造する方法であって、 (a)テトラフルオロエチレンモノマーとアセトンの混
合溶液に電離性放射線を照射することによって前記モノ
マーを重合させて、前記溶液をゲル状態のポリテトラフ
ルオロエチレンのアセトン溶媒分散系とし、 (b)前記分散系に電離性放射線を照射することによっ
て前記ポリテトラフルオロエチレンを架橋させ、 (c)前記分散系から前記ポリテトラフルオロエチレン
の微粉末を分離し乾燥する、以上の工程を含む方法。 - 【請求項6】 超微粉末状の架橋ポリテトラフルオロエ
チレン樹脂を製造する方法であって、 (a)テトラフルオロエチレンモノマーとアセトンの混
合溶液に電離性放射線を照射することによって前記モノ
マーを重合させて、前記溶液をゲル状態のポリテトラフ
ルオロエチレンのアセトン溶媒分散系とし、 (b)前記分散系からポリテトラフルオロエチレンの微
粉末を分離し、 (c)前記ポリテトラフルオロエチレン微粉末に電離性
放射線を照射することによって架橋させる、以上の工程
を含む方法。 - 【請求項7】 前記架橋ポリテトラフルオロエチレン樹
脂の結晶融解温度が327℃未満であり、結晶化熱量が
45J/g未満である、請求項5または6に記載の製造
方法。 - 【請求項8】 前記結晶融解温度が310〜325℃で
ある、請求項7に記載の製造方法。 - 【請求項9】 前記結晶化熱量が10〜40J/gであ
る、請求項7または8に記載の製造方法。 - 【請求項10】 前記架橋ポリテトラフルオロエチレン
樹脂の微粉末の粒径が1μm以下である、請求項5ない
し9のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項11】 前記電離性放射線がガンマ線である、
請求項5ないし10のいずれかに記載の製造方法。
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