JP2013187558A - スピーカー振動板用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて軽量で摩擦による自己帯電性を有することで、帯電のための高電圧を印加することを必要とせず、且つ、塵や埃が付着しづらく、また付着した塵や埃は振動により容易に除塵可能であるため、帯電状態を安定的に維持できることにより、静電型スピーカーシステムを構築できる新たなスピーカー用振動膜を提供することにある。
【解決手段】フッ素系の高分子で形成されるフィルムの少なくとも表層部の少なくとも一部に非結晶質の非結晶質部を有し、前記フィルムの単位面積当たりの質量が15mg/dm以上350mg/dm以下であることを特徴とするスピーカー振動板用フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、スピーカー用振動板に関し、さらに詳細には、静電型スピーカーや超音波型スピーカーへの使用に好適なスピーカー振動板用フィルムに関する。
近年、液晶デバイスや有機ELデバイスによる超薄膜型のディスプレイや、携帯電話などの移動通信端末の小型化、高機能化に伴い、搭載されるスピーカーに対しても、小型化、薄膜化、省電力化、音質改良に対する要求が高まっている。特に、静電型スピーカーシステムは、フレキシブル性を有することから、有機ELディスプレイには有用なスピーカーシステムとして期待できる。しかしながら、静電型スピーカーの問題点としては、振動膜に高い電位を印加して帯電させることが必要であり、そのため、安全性の課題が残されている。また、乾燥した環境で長時間使用すると、振動膜表面に塵が付着する。振動膜表面に塵が付着すると、音質や音量に影響する。さらに、静電型スピーカを湿度の高い環境に長時間放置すると、帯電した振動膜が放電して帯電が低下し、音が出にくくなるなどの問題がある。
このような課題を解決する方法として、高分子フィルム表面を導電性高分子で処理したフィルムを振動膜に使用して湿度の影響を抑制する方法(特許文献1)や、集塵機能を有する部材を設置してごみの付着を抑制する方法(特許文献2)や、振動膜表面に形成する導電性膜を縁部分に形成しないことで、放電を発生し難くする方法(特許文献3)などが提案されている。
特開平7−046697号公報 特開2008−148195号公報 特開2010−016603号公報
しかしながら、高分子フィルム表面を導電性高分子で処理したフィルムを振動膜に使用して湿度の影響を抑制する方法では、湿度に対しては対策が可能ではあるが、使用経時に伴って塵や埃の付着が発生したり、或いは、帯電させるために高電位を印加することが必要であり、根本的な対策とはならない。また、集塵機能を有する部材を設置して塵や埃の付着を抑制する方法や、振動膜表面に形成する導電性膜を縁部分に形成しないことで、放電が発生し難くする方法などでは、構造が複雑になってスピーカーシステムが厚くなったり、或いは、放電は一部緩和できるものの、振動膜表面からの放電を防止することは不可能であり、さらに、システムとしては高電位を印加することが必要であることから、根本的な改善にはならないのが現状である。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、極めて軽量で摩擦による自己帯電性を有することで、帯電のための高電圧を印加することを必要とせず、且つ、塵や埃が付着しづらく、また付着した塵や埃は振動により容易に除塵可能であるため、帯電状態を安定的に維持できることにより、静電型スピーカーシステムを構築できる新たなスピーカー用振動膜を提供することにある。
すなわち第1の発明は、フッ素系の高分子で形成されるフィルムの少なくとも表層部の少なくとも一部に非結晶質の非結晶質部を有し、前記フィルムの単位面積当たりの質量が15mg/dm以上350mg/dm以下であることを特徴とするスピーカー振動板用フィルムである。
フッ素系の高分子フィルムの少なくとも表面の一部が非結晶質化されたスピーカー振動板用フィルムとすることで、軽量で強度に優れると共に、帯電性に優れたスピーカー用振動板フィルムに好適なフィルムを形成することができる。ここで、本発明の振動板用フィルムは、少なくとも表面の一部が非結晶質化されていれば良いので、フィルム全体が非結晶質化されてあったり、非結晶質のフッ素系高分子からなるフィルムを含むものとする。
第2の発明は、フッ素系の高分子で形成されるフィルムの少なくとも表層部の少なくとも一部に非結晶質の非結晶質部を有し、前記フィルムの単位面積当たりの質量が15mg/dm以上350mg/dm以下であるとともに、前記非結晶質部がある前記フィルムの表面の算術平均粗さRaが5nm以上500nm以下であることを特徴とするスピーカー振動板用フィルムである。
第3の発明は、第1または第2の発明において、JIS K 7127に規定される引張特性試験に準拠して測定される前記フィルムの降伏点強度であって、フィルムの樹脂の流れ方向における降伏点強度と樹脂の流れ方向に直交する方向における降伏点強度が、いずれも7N以上であるとともに、前記フィルムの前記樹脂の流れ方向および前記樹脂の流れ方向に直交する方向での、降伏点におけるそれぞれの伸度の平均値が5%以上であることを特徴とするスピーカー振動板用フィルムである。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、前記フィルムの表層部の少なくともスピーカー振動板としての動作範囲の全面に、前記非結晶質部が形成されることを特徴とするスピーカー振動板用フィルムである。
第5の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、前記フィルムの表層部の少なくともスピーカー振動板としての動作範囲内に、複数の前記非結晶質部が平均的に分布することを特徴とするスピーカー振動板用フィルムである。
第6の発明は、フッ素系の高分子で形成されるフィルムの表面に、前記フィルムの融点以上の温度で電離性放射線を照射することにより、前記フィルムの少なくとも表層部の少なくとも一部を非結晶質化することを特徴とするスピーカー振動板用フィルムの製造方法である。
第7の発明は、フッ素系の高分子で形成されるフィルムの表面に、前記フィルムの融点以上の温度で電離性放射線を照射することにより、前記フィルムの少なくとも表層部の少なくとも一部を非結晶質化し、少なくとも一部が非結晶質化されたフィルムを延伸することを特徴とするスピーカー振動板用フィルムの製造方法である。
本発明におけるスピーカー振動板用フィルムは、少なくとも表層部分の少なくとも一部が非結晶質化されたフッ素系の高分子フィルムである。従って、自己帯電性に優れるため、振動膜の振動により容易に摩擦帯電することが可能となり、且つ、誘電率が低いことにより、帯電した状態が維持され易いとの特長をもつ。そのため、帯電のために高い電圧を印加する必要がなく、高電圧による感電の危険性がなくなるとともに、長時間振動膜の帯電が保持できることで、長期間使用しないような場合においても優れた音響特性を維持できる。
さらに、フィルム表面に微細な凹凸を有する構成である場合には、フィルム表面への塵やごみの付着が抑制される。さらに、塵やごみが表面に付着したとしても、微細な凹凸が形成されていることで、塵や埃とフィルム表面との接触面積が極めて小さいので、振動膜の振動により振動膜表面から容易に脱離する。従って、長期間使用しても、音質の変化や音量の低下などが抑制できる。よって、高電圧を印加するトランスなどを必要としない安全性の高い、新たな静電スピーカーシステムが構築できるスピーカー振動板用フィルムを提供できる。
さらに、本発明におけるスピーカー振動板用フィルムにおいて、フッ素系高分子フィルムの表層を非結晶質化する際の処理条件を制御することで、所望の機械的特性を有するスピーカ振動板用フィルムを提供できる。例えば結晶質のPTFE(polytetrafluoroethylene)のフィルムを、その結晶融点以上の温度でかつ酸素濃度が低い環境下において、電子線やγ線等の電離放射線を照射するなどの公知の技術を用いて表面層を非結晶質に変性した場合、高分子の架橋が進行することにより、フィルムの応力―歪特性における伸度を低下させ、強度を向上させることができる。以上のように、本発明によれば、表面層の非結晶化により摩擦により容易に帯電するとともに帯電後の放電がしづらいという、優れたスピーカー振動板用フィルムの実用的な設計に極めて有用な材料を提供できる。
第1実施形態のスピーカー振動板用フィルムの断面図である。 第2実施形態のスピーカー振動板用フィルムの断面図である。 第3実施形態のスピーカー振動板用フィルムの断面図である。
(第1実施形態)
以下に、本発明の実施形態のスピーカー振動板用フィルムについて詳述する。
図1は、本発明の実施形態のスピーカー振動板用フィルム100(以下、「振動板用フィルム100」とも記載する。)の断面の一部を拡大した図である。本実施形態のスピーカー振動板用フィルム100は、スピーカー用振動膜の本体部をなすフッ素系高分子フィルム1の表層部分が非結晶質化されている薄膜である。図1ではフッ素系高分子フィルム1の表層全体を非結晶質化している状態を示したが、フッ素系高分子フィルム1の少なくとも表層の一部が非結晶質化していればよく、例えば非結晶質化された表層部分2が海島状の海または島のような配置をしていてもよい。ただし、スピーカー振動板用フィルム100として使用される際に、振動板として振動して動作することが予定されている範囲(動作範囲)については、フィルムの表層に非結晶質化部が全面にわたって存在する、あるいは海島状の場合には非結晶質化された部分がバラつきが少なく(動作範囲に満遍なく)存在していることが好ましい。
本実施形態のスピーカー振動板用フィルム100は、フッ素系の高分子からなるフィルムあるいはシートを用いて形成される。フッ素系高分子の具体的な材質としては、例えばPTFE(polytetrafluoroethylene)や、PVF(poly vinyl fluoride)や、FEP(fluorinated ethylene propylene copolymer)や、ETFE(ethylene tetra fluoroethylene)や、PVDF(poly vinylidene difluoride)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらのフッ素系高分子からなるフィルムの厚さは、1.0μm以下ではハンドリングが難しくなる。また、20μm以上では質量が高くなるので、振動膜を振動させるために高いエネルギーが必要となり、消費電力が多く必要とされる。従って、スピーカー振動板用フィルム100の厚みは、1.0μm以上、20μm以下が好ましい。
これらのフッ素系高分子を用いた表層部分が非結晶質化されたフィルム100は、誘電率も低く、低吸水率で防湿性に優れていることから、帯電しやすく、且つ、帯電しても環境により放電し難い特性を有し、スピーカー振動板用フィルム100として優れた特性を発現できる。なお、非結晶質化された表層部分2の厚さに特に制限はないが、誘電率が低く、低吸水率で防湿性を有し、帯電しやすいという特性を発現できる厚さとして、0.01μm以上が好ましい。フィルム100の表層部分を非結晶質化することによるフィルムの機械的特性の変化や、非結晶質化に要するエネルギーや生産性の点を考慮して非結晶質化された表層部分2の厚さを決めればよい。
ここで、本実施形態の振動板用フィルム100は、少なくとも表面の一部が非結晶質化されて、非結晶質化された表層部分2が形成されていれば良いので、振動板用フィルム100全体が非結晶質化されたものであったり、非結晶質のフッ素系高分子、例えば、サイトップ(登録商標)(商品名:旭硝子株式会社製)や、テフロンAF(「テフロン」は登録商標)(商品名:デュポン株式会社製)や、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)などを材料とするフィルムで振動板用フィルム100が形成されてもよい。
本実施形態における振動板用フィルム100は、その単位面積当たりの質量が15mg/dm以上350mg/dm以下であることが必要である。質量が350mg/dm以上になると振動膜を振動させるために高いエネルギーが必要となる。また15mg/dm以下では振動膜としての強度が不十分であったり取り扱い性が困難となり好ましくない。
また、本実施形態のスピーカー振動板用フィルム100は、JIS K 7127の引張特性の試験により測定される、フィルムのMD(Machine Directrion:樹脂の流れ方向)及びTD(Transverse Directrion:MD方向に直交する方向)方向における降伏点における強度(N)が、MD方向及びTD方向ともに7N以上であることが好ましい。なお、スピーカー振動板用フィルムという用途から、MD方向及びTD方向ともに7〜8N程度であれば実用的な設計に適した材料として供給できる。
また、同様の試験により測定される降伏点における伸度(%)は、MD方向又はTD方向の2方向の平均値が5%以上であることが好ましい。特にMD方向又はTD方向のいずれかの伸度が10%以上50%以下であれば、僅かな電位変化を大きな変位に変換でき、エネルギー効率の高いスピーカー振動板用フィルムを構成することができる。
フッ素系高分子フィルム1の表層部分を非結晶質化して非結晶質化された表層部分2を形成する方法としては、たとえば、フッ素を含有する高分子からなる結晶質のフィルムあるいはシートに、その結晶融点以上の温度でかつ酸素濃度が極めて低い環境下において、電子線やγ線等の電離放射線を照射することで、結晶質のフィルムやシートを非結晶質に変性する方法など、公知の技術を用いることができる。特に電子線やγ等の照射エネルギー、すなわち加速電圧や照射時間など電子線やγ等の電離放射線の照射量を制御することにより、フッ素系高分子フィルム1の表層部のみを非結晶質化することで、本実施形態のスピーカー振動板用フィルム100を形成することができる。
また、フッ素系高分子フィルムの上に、電子線やγ等の電離放射線を透過させない材質のマスクを重ね、その上から電子線やγ等の電離放射線を放射することで、電子線やγ等の電離放射線が通過した部分だけに、非結晶質化した表層部2を形成することができる。当該方法で非結晶質化した場合には、非結晶化した部分2が、フッ素系高分子フィルム1の表層部分において、海島状の島または海のように配置した状態で形成される。
以上説明した、本実施形態によれば放電を抑制し帯電状態を安定的に維持できるスピーカー振動板用フィルム100を提供することができる。従って、本実施形態のスピーカー振動板用フィルム100は音の出力が経時的に安定しているという優れた効果も得られる。また、本実施形態のスピーカー振動板用フィルム100は、非常に薄く軽量であるが強度に優れるため、静電型スピーカーの振動板用フィルムに最適である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態のスピーカー振動板用フィルム200について図2を用いて詳述する。
図2は、本発明の実施形態のスピーカー振動板用フィルム200の断面の一部を拡大した図である。本実施形態のスピーカー振動板用フィルム200は、フッ素系高分子フィルム1の表層部が非結晶質化されているとともに、フッ素系高分子フィルム1の表面に微小な凹凸3を有している。この凹凸3を有するスピーカー振動板用フィルム200は、表面の算術平均粗さRaが5nm以上500nm以下、好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは5nm以上50nm以下であればよい。
本実施形態のスピーカー振動板用フィルム200の表面の微小な凹凸3は、フッ素系高分子フィルム1の表面をエンボス加工や、ナノインプリンティング法や、酸素プラズマなどの物理的な方法や、或いは化学エッチングなどの化学的な方法により加工することで形成される。非結晶化した表層部分2は、結晶質のフッ素系高分子フィルムやシートの表面に凹凸を形成した後に、表層部分を非結晶質化して形成してもよいし、凹凸を形成する前にフィルムやシートの表層部分を非結晶質化し、その後凹凸を形成してもよい。
また、例えばPTFEのような結晶質で、かつ多孔質なフィルムを用いた場合などでは、もともと存在する細孔を利用することで、特別の加工などは行わなくとも微細な凹凸有するスピーカー振動板用フィルム200を形成することも可能である。
さらに非結晶質のフッ素系高分子である、サイトップ(登録商標)(商品名:旭硝子株式会社製)や、テフロンAF(「テフロン」は登録商標)(商品名:デュポン株式会社製)や、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)などのフッ素系樹脂は、その分子構造の単位が環状であったり環状構造を含むので、特定の溶剤に溶解可能である。これらのフッ素系樹脂を溶解した溶液をスピンコートやディップコートなど公知の方法を用いて薄膜を形成し、溶剤を蒸発させる際に、その溶剤の蒸発速度をコントロールすることで微細な凹凸を形成することもできる。
この凹凸3により、帯電したスピーカー振動板用フィルム200の表面に付着する塵や埃と、振動板用フィルム200の表面との接触面積が小さくなる。そのため、表面に付着した塵や埃は、スピーカー振動板用フィルム200の振動により容易に脱離する。従って、振動板用フィルム200が凹凸3を有することで、塵や埃がスピーカ振動板用フィルム200の表面に蓄積することを抑制できる。
なお、図2においても、非結晶質化された表層部2がフッ素系高分子フィルム1の表面全体に形成されたものを示したが、フッ素系高分子フィルム1の少なくとも表面の一部が非結晶質化されていればよいことは図1と同様である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態のスピーカー振動板用フィルム300について図3を用いて詳述する。
図3は、本発明の実施形態のスピーカー振動板用フィルム300の断面の一部を拡大した図である。本実施形態のスピーカー振動板用フィルム300は、第2実施形態と同様にフッ素系高分子フィルム1の表層部に凹凸が形成されているが、非結晶質化した表層部2自体によって凹凸が形成されている点が第2実施形態と異なる。すなわち、本実施形態のスピーカー振動板用フィルム300は、非晶質化していないフッ素系高分子フィルム1の表面側に部分的に非結晶質化した表層部2が存在したり、非結晶質化した表層部2の表面に部分的に凹部が形成されることにより、スピーカー振動板用フィルム300の表面に凹凸が形成されたものである。非晶質化していないフッ素系高分子フィルム1の表面側に部分的に非結晶質化した表層部2が存在する場合には、表面部は結晶質の部分(凹部の底部)と非結晶質化された部分とが混在し、且つ、スピーカー振動板用フィルム300の表面は微小な凹凸形状となる。
本実施形態のスピーカー振動板用フィルム300が有する微細な凹凸は、その表面の算術平均粗さRaが5nm以上500nm以下、好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは5nm以上50nm以下であればよい。
微細な凹凸を形成する方法としては、まず、たとえば、フッ素を含有する高分子からなる結晶質のフィルムあるいはシートに、その結晶融点以上の温度で、かつ、酸素濃度の低い環境下において、電子線やγ線等の電離放射線を照射するなどの公知の技術を用いて結晶質のフィルムやシートの表面層を非結晶質に変性する。そして、表面側が非結晶質に変性したフィルムあるいはシートを延伸したり、エンボス加工したり、サンドブラストによる機械的な研磨や、ナノインプリンティング法や、酸素プラズマなどの物理的な方法や、化学エッチングなどの化学的な方法によって、表面に凹凸を形成することができる。
ここで、延伸により微細な凹凸を形成する方法について説明する。フッ素系高分子フィルム1の表面側に形成される非結晶質化した表層部分2は、非結晶質化していない部分(結晶質化している部分)に比べ強度は向上するが、延性は劣る。そのため、表面側に非結晶質化した表層部分2を有するフッ素系高分子フィルム1を両側から引っ張って延伸処理すると、非結晶質化していない部分はそのまま延伸するのに対し、非結晶質化した表層部分2は延伸しない。そうすると延伸しない表層部分2は、延伸する非結晶化していない部分に引っ張られて、引張方向に裂ける。これにより、延伸された非結晶化していないフィルムの上に、島状に非結晶化した表層部分2が存在する形態となり、結果としてフッ素系高分子フィルム1の表面に凹凸が形成される。当該延伸方法によって凹凸を形成する場合には、延伸方向や延伸率を変えることにより、フィルム表面の算術平均粗さRaやフィルムの単位面積当たりの質量を制御することが容易であり、本実施形態のスピーカー振動板用フィルム300の作製には好適である。
また、エンボス加工やサンドブラスト加工などの物理的方法やエッチングなどの化学的方法により、非結晶質化した表層部2をその厚み方向における一部分だけ取り除くことで、非結晶質化した表層部2の表面部に凹凸を形成してもよい。
なお、延伸による処理と、その他の物理的方法や化学的方法を組み合わせてフッ素系高分子フィルム1の表面に凹凸を形成してもよい。
さらに、本実施形態のスピーカー振動板用フィルム300は、第2実施形態と同様に、表面に微小な凹凸を有している。この凹凸により、スピーカー振動板用フィルム300の表面に付着した塵や埃と、フィルムとの接触面積が小さくなる。そのため、表面に付着した塵埃は、スピーカー振動板用フィルム300の振動により容易に脱離し、塵や埃の蓄積が抑制される。さらに、塵やごみが表面に付着したとしても容易に脱離するので、長期間使用しても、音質の変化や音量の低下などが少ない優れたスピーカー振動板用フィルム300を形成することができる。
以上に説明した本発明に係る実施形態において、非結晶質化した表層部2の厚みは、フッ素系高分子フィルムまたはシートの表層部分を非結晶質化する方法として、フッ素を含有する高分子からなる結晶質のフィルムあるいはシートに、その結晶融点以上の温度でかつ酸素濃度の低い環境下において、電子線やγ線等の電離放射線を照射するなどの技術を用いる場合、電子線やγ線等の照射エネルギー、すなわち加速電圧や照射時間などによって決まる照射量を適切に選定することで調整されればよい。そして、非結晶質化した表層部2の厚みは、表層部分を非結晶質化することによるフィルムやシートの機械的特性の変化や、非結晶質化に要するエネルギーや生産性の点を考慮して決めればよい。
また、本発明の振動板用フィルムは、少なくとも表面の一部が非結晶質化されていればよいので、例えば非結晶質化した表層部分2が点在する海島状の海または島のような配置をしていてもよいし、フィルム全体を非結晶質化してもよいし、フィルム全体がもともと非結晶質のフッ素系高分子であるものでもよい。ここで、非結晶質化した表層部分2が海島状の海または島のような配置の場合は、少なくともスピーカ振動板用フィルムとして動作が予定されている動作範囲については、ほぼ均一分布の海島状とすることが、スピーカー振動板用フィルム300として使用時の音質の点からは望ましい。すなわち、振動板用フィルム表面において、非結晶質化した表層部分2を島、非結晶質化していない部分を海とした場合、上記動作範囲内においては、島の大きさや形状のバラつきが少なく、フィルム全面において島がバラつきが少なく散在するように(平均的に分布するように)形成されていることが好ましい。非結晶質化した表層部分2の分布が偏ったり、大きさがばらばらであると、形成した振動板用フィルムによって音質にバラつきが生じてしまい、好ましくない。バラつきが少なく非結晶質化した部分を形成する例としては、たとえば、市松模様や水玉模様のように非結晶質化した部分を形成することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<スピーカー振動板用フィルムの作製>
(実施例1)
PFAフィルム(ダイキン工業株式会社製、ネオフロンPFA 厚さ12.5μm)を温度300℃、酸素濃度300ppm以下の雰囲気下で、電子線を150kVの加速電圧で5Mrad照射し、PFAフィルム全体を非結晶化させたもの(フィルム全てが非結晶化したもの)を実施例1とした。
(実施例2)
PFAフィルム(ダイキン工業株式会社製、ネオフロンPFA 厚さ25μm)を温度300℃、酸素濃度300ppm以下の雰囲気下で、電子線を80kVの加速電圧で5Mrad照射した後、カレンダー加工機を用いて延伸して厚さ13.5μmとしたフィルムを実施例2とした。
(実施例3)
PFAフィルム(ダイキン工業株式会社製、ネオフロンPFA 厚さ12.5μm)を温度300℃、酸素濃度300ppm以下の雰囲気下で、電子線を150kVの加速電圧で5Mrad照射した後、サンドブラスト処理により、フィルム表面に微細な凹凸を形成したものを実施例3とした。
(実施例4)
PFAフィルム(ダイキン工業株式会社製、ネオフロンPFA 厚さ12.5μm)上にSUS325のメッシュ板を設置し、温度300℃、酸素濃度300ppm以下の雰囲気下で、電子線を150kVの加速電圧で5Mrad照射し、非晶質化した部分、しない部分が海島状に存在するPFAフィルムを作製し実施例4とした。
(比較例1)
何も処理をしないPFAフィルム(ダイキン工業株式会社製、ネオフロンPFA 厚さ12.5μm)を比較例1とし、特性を評価した。
(比較例2)
PFAフィルム(ダイキン工業株式会社製、ネオフロンPFA 厚さ12.5μm)を加熱せずに電子線を150kVの加速電圧で5Mrad照射したものを比較例2とした。
(比較例3)
延伸処理を行なわない以外は実施例2と同様の方法で作製したものを比較例3とした。
以上の実施例及び比較例に対して以下の試験を行って特性を評価した。
(電荷量)
電荷量は、それぞれのサンプルを10×10cmの大きさに切り取り、春日電機株式会社製のクーロンメーター(NK-1001)が接続された静電電荷量測定器(ファラデーケージ型 KQ-1400)を用いて測定した。さらに、測定後、50℃、湿度90%RH(Relative Humidity)の環境下で試験サンプルを1週間放置した後、再度同じ方法で電荷量を測定した。
(表面粗さ)
実施例、比較例のスピーカ振動板用フィルムの表面粗さの評価として、算術平均粗さRaを、触針式の表面粗さ計((株)アルバック製DEKTAK3030ST)により測定した。
(防塵性)
家庭や建築物の室内、屋内区間における塵埃に比較的類似したコットンリンタ(日本空気清浄協会製 直径1.5μm、長さ1mm以下)を用いて防塵性の評価を行った。試験サンプル(10×10cm)を羽毛はたきで摩擦し帯電させた後、満遍なくコットンリンタを振りかけ、その後、軽く衝撃を加え、重量を測定してコットンリンタ付着前後の試験サンプルの重量差を測定し評価した。その際、コットンリンタの付着前後に電荷量を測定した。
(音出力状態)
それぞれのサンプルを振動板とし、電極をSUS325のメッシュ板、緩衝部材をPET不織布とした静電スピーカを構成した。静電スピーカは公知の静電スピーカの構造であり、具体的には、一対の電極板の間に、振動板を緩衝材を介して挟んで構成されるものである。作成した静電スピーカの音の出力状態を騒音計(NL-20 リオン(株)製)にて評価した。その際、80dB以上の場合は音の出力を(○)とし、40dB以上80dB未満の場合を(△)、40dB未満の場合を(×)として評価した。
(応力―歪特性)
JIS K 7127の引張り特性の試験方法に従い、測定対象とするフィルムのMD(Machine Directrion:樹脂の流れ方向)及びTD(Transverse Directrion:MD方向に直交する方向)のそれぞれの方向に平行に、幅50mm、つかみ間隔200mmとなるようにそれぞれの方向が長手方向である短冊状のサンプルを切り出し、試験片とした。引張り試験機RTG―1210(A&D社製)に各々のサンプルをセットし、100mm/分の速度で引張り荷重をかけてゆくときの伸びと引張り荷重の曲線である応力―歪曲線から、降伏点における荷重と伸びとを強度[N]及び伸度[%]として表1に示した。
上記評価試験の結果を表1から表3に示す。
Figure 2013187558
Figure 2013187558
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以上、表2の結果より、結晶質のフィルムである比較例1に対して、電子線の照射エネルギー、すなわち加速電圧や照射時間などの電子線の照射量を適切に選定して、フィルム全体を非結晶質化した実施例1や実施例3、またフィルムの表層部分の一部を非結晶質化した実施例2や、結晶質部を海部、非結晶質化部を島部とした海島構造の実施例4においては、いずれも放電を抑制し帯電状態を安定的に維持できた。そして、これら実施例は音の出力も経時的に安定であり、スピーカー振動板用フィルムに好適であることがわかる。
比較例2では、非結晶質化していない結晶性のフッ素樹脂フィルムに対して、当該フィルムの融点近傍での適切な加熱を行わずに電子線を照射したため、分子の主鎖切断が進行し、機械的な強度、伸度の顕著な低下が認められる。また、比較例3では、単位面積あたりの質量が大きく、また、厚みがあって柔軟性も低いため、帯電した状態であっても音出力が悪く好ましくない。
さらに防塵性の試験結果である表3より、500nm以下の微小な凹凸をフィルム表面に形成することにより、塵や埃がフィルムに付着しづらい。また塵や埃が付着しても、フィルムの表面と塵や埃との接触面積が小さいので、フィルムの振動等により容易に脱離することが確認された。
電子線の照射エネルギー、すなわち加速電圧や照射時間など電子線の照射量を適切に選定した場合の機械的特性については、フィルム表面もしくは全体を非結晶質化させた実施例1、2と、比較例1との比較より、実施例1、2において強度の向上が認められる。
よって、本発明で得られたフィルムは帯電特性に優れ、長期にわたって性能が保持される有用なスピーカ振動板用フィルムであることが確認された。
100、200、300 スピーカー振動板用フィルム
1 フッ素系高分子フィルム
2 非結晶質化した表層部分

Claims (7)

  1. フッ素系の高分子で形成されるフィルムの少なくとも表層部の少なくとも一部に非結晶質の非結晶質部を有し、前記フィルムの単位面積当たりの質量が15mg/dm以上350mg/dm以下であることを特徴とするスピーカー振動板用フィルム。
  2. フッ素系の高分子で形成されるフィルムの少なくとも表層部の少なくとも一部に非結晶質の非結晶質部を有し、前記フィルムの単位面積当たりの質量が15mg/dm以上350mg/dm以下であるとともに、前記非結晶質部がある前記フィルムの表面の算術平均粗さRaが5nm以上500nm以下であることを特徴とするスピーカー振動板用フィルム。
  3. JIS K 7127に規定される引張特性試験に準拠して測定される前記フィルムの降伏点強度であって、フィルムの樹脂の流れ方向における降伏点強度と樹脂の流れ方向に直交する方向における降伏点強度が、いずれも7N以上であるとともに、前記フィルムの前記樹脂の流れ方向および前記樹脂の流れ方向に直交する方向での、降伏点におけるそれぞれの伸度の平均値が5%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカー振動板用フィルム。
  4. 前記フィルムの表層部の少なくともスピーカー振動板としての動作範囲の全面に、前記非結晶質部が形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のスピーカー振動板用フィルム。
  5. 前記フィルムの表層部の少なくともスピーカー振動板としての動作範囲内に、複数の前記非結晶質部が平均的に分布することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のスピーカー振動板用フィルム。
  6. フッ素系の高分子で形成されるフィルムの表面に、前記フィルムの融点以上の温度で電離性放射線を照射することにより、前記フィルムの少なくとも表層部の少なくとも一部を非結晶質化することを特徴とするスピーカー振動板用フィルムの製造方法。
  7. フッ素系の高分子で形成されるフィルムの表面に、前記フィルムの融点以上の温度で電離性放射線を照射することにより、前記フィルムの少なくとも表層部の少なくとも一部を非結晶質化し、
    少なくとも一部が非結晶質化されたフィルムを延伸することを特徴とするスピーカー振動板用フィルムの製造方法。
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