JP2000026484A - リン酸エステルの製法 - Google Patents

リン酸エステルの製法

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JP2000026484A
JP2000026484A JP10195785A JP19578598A JP2000026484A JP 2000026484 A JP2000026484 A JP 2000026484A JP 10195785 A JP10195785 A JP 10195785A JP 19578598 A JP19578598 A JP 19578598A JP 2000026484 A JP2000026484 A JP 2000026484A
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Takashi Kamidate
隆史 神舘
Yukihiro Nakano
幸弘 仲野
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルボン酸エステル又はアミドや重合性の炭
素炭素二重結合を有するヒドロキシ化合物からピロ体の
少ないリン酸エステルを製造する方法の提供。 【解決手段】 化合物(I)と化合物(II)とオキシハ
ロゲン化リンとを反応させた後、アルカリ条件下で加水
分解して、化合物(V)の含有量が5重量%以下のリン
酸エステル(IV)を得る。 【化1】 R3-OH (II) 【化2】 (式中、X は-O- 又は-NH-、R1は水素原子又はメチル
基、R2は炭素数1〜40の2価の炭化水素基等、R3は炭素
数1〜40の1価の炭化水素基等を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散剤、接着剤、
歯のコーティング剤に用いられるリン酸基含有ポリマー
の製造原料となるリン酸エステルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】重合性
の炭素炭素二重結合を持つような化合物をリン酸化する
場合、生成物の分解を防止するため、マイルドな条件下
でリン酸化する必要があり、その目的にオキシ塩化リン
が用いられる。例えば、オキシ塩化リンを用いて(メ
タ) アクリル酸エステル基を持つリン酸ジエステル含有
モノマーを製造する場合、反応は下記反応式に示すよう
にリン酸化と加水分解の二段階で進行する。
【0003】
【化4】
【0004】
【化5】
【0005】
【化6】
【0006】(式中、R1は水素原子又はメチル基を示
す。R2はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はカルボキ
シル基で置換されていてもよく、エーテル型、チオエー
テル型、エステル型、チオエステル型、チオカルボニル
型、アミド型、ウレタン型、カルボニル型及びスルホニ
ル型からなる群から選ばれたいずれかの型の結合が挿入
されていてもよい炭素数1〜40の2価の炭化水素基を示
す。R3はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はカルボキ
シル基で置換されていてもよく、エーテル型の結合が挿
入されていてもよい炭素数1〜40の1価の炭化水素基を
示す。) まずリン酸化により中間体(d) を合成するが、これには
工程(1) 又は(2) の方法がある。次に中間体(d) を単離
せずにそのまま加水分解し、目的のリン酸ジエステル
(f) を得る。通常、この加水分解時には、系内の温度が
10℃を越えないようにしながら、リン酸化に用いたオキ
シ塩化リンの1当量以上の水を加える。場合によって
は、生成する塩酸をトラップするために、ピリジン、ト
リエチルアミン等の有機塩基や、水酸化ナトリウム等の
無機塩基が生成する塩酸と等量加えられる場合がある。
【0007】中間体(d)の加水分解の際に、系内の温度
が10℃を越える場合には、目的物(f)が2分子縮合した
化合物(ピロ体, g)が20重量%以上生成する。しかしな
がら、系内の温度が10℃を越えないように注意しても、
ピロ体がなお10重量%以上生成する。
【0008】この方法で(メタ) アクリル酸エステル基
を持つリン酸基含有モノマーを合成した場合、ピロ体は
重合性基を1分子内に2個有することになるため、モノ
マー中のピロ体の含有量が多いと、例えば水溶液重合で
重合中にゲル化を起こしてしまい製造上のトラブルを引
き起こす。また流動性のあるポリマー溶液が得られない
などの問題が発生する。このような問題を回避するため
には、モノマー中のピロ体の含有量を極力低減する必要
がある。
【0009】従って、本発明の課題は、カルボン酸エス
テル又はアミドや重合性の炭素炭素二重結合を有するヒ
ドロキシ化合物から、特にピロ体の少ないリン酸エステ
ルを製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、X は-O- 又は-NH-を示す。R1及び
R2は前記の意味を示す。)で表わされる化合物と、一般
式(II) R3-OH (II) (式中、R3は前記の意味を示す。)で表される化合物
と、オキシハロゲン化リンとを反応させて一般式(III)
【0013】
【化8】
【0014】(式中、X,R1,R2 及びR3は前記の意味を示
し、Eはハロゲン原子を示す。)で表される化合物を得、
アルカリ条件下で一般式(III) で表される化合物を加水
分解する、一般式(V)で表される化合物の含有量(下
記式(A) で定義される)が5重量%以下の、一般式(IV)
で表されるリン酸エステルの製法である。
【0015】
【数2】
【0016】
【化9】
【0017】(式中、X,R1,R2 及びR3は前記の意味を示
す。)
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で用いる化合物(I)にお
いて、R2で示される2価の炭化水素基としては、下記Z1
〜Z7が挙げられ、炭素数2〜20の直鎖アルキレン基が好
ましい。
【0019】Z1:ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又は
カルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜40の
直鎖又は分岐鎖のアルキレン基 Z2:ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はカルボキシル
基で置換されていてもよい炭素数2〜40の直鎖又は分岐
鎖のアルケニレン基 Z3: -(AO)q- (A は炭素数2〜3のアルキレン基、q
は1〜20の数を示し、複数個のA は同一でも異なってい
てもよい。)
【0020】
【化10】
【0021】(R4はハロゲン原子で置換されることのあ
る炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示し、Y は-O-,-C
OO-,-CONH-,-OCONH-又は-CO-を示し、r は0又は1を示
す。)
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】(B は炭素数2〜3のアルキレン基、R5
ハロゲン原子で置換されることのある炭素数1〜10の1
価の炭化水素基、s 及びt はそれぞれ1〜20の数を示
し、複数個のB は同一でも異なっていてもよい。) 本発明で用いる化合物(I)の好ましい例を以下に示
す。これらの中では Xが-O- 、R1がメチル基、R2が炭素
数2〜20の直鎖アルキレン基である化合物が特に好まし
い。
【0026】
【化14】
【0027】化合物(I)は、下記反応式に示すよう
に、ジオール(j) と(メタ) アクリル酸、その酸無水物
又は酸クロライド、あるいは(メタ) アクリル酸アミド
(i) から合成するのが一般的であるが、目的の化合物
(I)を単独で得ることは難しく、ジ(メタ) アクリル
酸エステル又はジ(メタ)アクリル酸アミド(k) との混
合物を得る場合が多い。本発明のリン酸化を行う前に、
特開平7-267897に記載の方法などで目的の化合物(I)
を単離精製し用いても良いが、特公平2-51437 に記載の
方法などで化合物(I)とジエステル又はジアミド(k)
の混合物をリン酸化に用い、リン酸化後にリン酸エステ
ル(IV)と、ジエステル又はジアミド(k) を分離しても良
い。
【0028】
【化15】
【0029】(式中、R1, R2及びX は前記の意味を示
し、D はOH, Cl, NH2 又は
【0030】
【化16】
【0031】本発明で用いられる化合物(II)におい
て、R3としては、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又は
カルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜40の
直鎖又は分岐鎖アルキル基、アルケニル基、シクロアル
キル基、アリール基、ポリオキシエチレン基等が挙げら
れる。化合物(II)の好ましい例を以下に示す。
【0032】
【化17】
【0033】本発明において、リン酸化により化合物(I
II) を製造するには、下記方法1及び2がある。 方法1:化合物(II)とオキシハロゲン化リンを反応さ
せリン酸モノエステル中間体を得、このリン酸モノエス
テル中間体と化合物(I)を反応させる方法 方法2:化合物(I)とオキシハロゲン化リンを反応さ
せリン酸モノエステル中間体を得、このリン酸モノエス
テル中間体と化合物(II)を反応させる方法 以下に方法1の経路で化合物(III) を合成する方法を述
べるが、方法2の経路でも化合物(II)と化合物(I)
を入れ替えて合成を行えばよい。
【0034】本発明で用いるオキシハロゲン化リンはオ
キシ塩化リンが好ましい。その使用量は化合物(I)又
は(II)1モルに対し1〜2モルが好ましい。リン酸化
に使用する溶媒は、化合物(I)、化合物(II)及びオ
キシハロゲン化リンが溶解し、不活性なものであれば限
定されないが、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩
化メチレン、エチルエーテル、ジメトキシエタンが好ま
しい。あるいは無溶媒で反応を行っても良い。
【0035】本発明のリン酸化の際には、生成するハロ
ゲン化水素ガスをトラップするためのトラップ剤を添加
することが好ましい。トラップ剤としては、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリ
ジン、ピコリン等の有機3級アミンや、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ、過塩素酸ナトリウ
ム、過塩素酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酢酸
ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリ
ウム、コハク酸ナトリウム、ジクロロ酢酸ナトリウム等
の塩が挙げられるが、有機3級アミンが好ましい。ま
た、トラップ剤を用いずにリン酸化を行なってもよい。
【0036】リン酸化は予め反応容器にオキシハロゲン
化リンと反応溶媒を入れておいて所定の温度に冷却した
後に、化合物(II)とトラップ剤を滴下しても良いし、
あるいは反応容器にオキシハロゲン化リンと化合物(I
I)を入れておいて、所定の温度に冷却した後に、トラ
ップ剤を滴下しても良い。いずれの方法にしても、反応
系内はリン酸化前に−60〜−30℃に冷却し、反応中も−
20℃を超えないようにすることが好ましい。
【0037】次に化合物(I)を反応系内が−20℃を超
えないよう注意しながら、無溶媒あるいは先に述べた溶
媒に希釈して添加する。この際も、通常は生成するハロ
ゲン化水素ガスをトラップするトラップ剤を、化合物
(I)に対して1.0 〜1.1 当量倍用いる。その後−20℃
を越えないように注意しながら、数時間撹拌を行う。
【0038】またリン酸化する際に、系内に水が存在す
ると、ピロ体である化合物(V)が生成する。そのため
原料と反応に用いる溶媒中の水の総量は、化合物(I)
及び(II)の合計量に対して3モル%以下であることが
好ましい。
【0039】次に、上記リン酸化により得られた化合物
(III) をアルカリ条件下で加水分解する。アルカリ条件
としては、pH9以上が好ましく、更にはpH10以上、特に
pH11以上が好ましい。アルカリ条件にするためにはリン
酸化に用いたオキシハロゲン化リンの1当量以上のアル
カリ物質を添加するのが好ましい。用いられるアルカリ
物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム等のアル
カリ土類金属の水酸化物等が挙げられるが、水酸化ナト
リウムが特に好ましい。加水分解は、加水分解が完結す
るのに必要な量の1〜5倍量の水を加えて行う。加水分
解の温度は−10〜10℃が好ましく、反応時間は1〜4時
間が適当である。反応後、塩酸等の酸を用いて系内のpH
を2以下にした後、溶媒を用いて目的のリン酸エステル
(IV)を抽出する。ここで用いられる溶媒としてはクロロ
ホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、エチルエーテル、
酢酸エチル、トルエン、ベンゼン等が挙げられる。
【0040】このような本発明の方法により、上記で定
義される化合物(V)の含有量が5重量%以下のリン酸
エステル(IV)を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によると、化合物(V)の含有量
が5重量%以下のリン酸エステル(IV)が得られる。本発
明で得られたリン酸エステル(IV)は、モノマーとして重
合に用いた場合、生成したポリマーは架橋構造が少なく
ゲル化を起こすことがなく、特に高い比率で共重合した
場合に有効である。
【0042】
【実施例】製造例1 メタクリル酸140g(1.6mol)、 1,6−ヘキサンジオール15
4g(1.3mol)、p−トルエンスルホン酸15g 、2,2'−メチ
レンビス(4−エチル−tert−ブチルフェノール)0.6g
を500ml の4口フラスコに入れ減圧下(0.0066 〜0.013M
Pa) 、90℃に加熱し、酸素を吹き込みながら、1.5時間
水を留出させた。反応後、ヘキサン300mlを加え反応液
を室温まで冷やし更に約5℃で一晩放置した。析出した
1,6 −ヘキサンジオールをろ過により除去し、ろ液を分
液ロートに移し炭酸水素ナトリウム水を用い洗浄し、洗
浄液がアルカリ性を示すまで繰り返した。更にイオン交
換水で洗浄した。有機相をビーカーに移し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。乾燥後ロータリーエバポレーター
を用い得られた、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製を行っ
た。ヒドロキノンモノメチルエーテル20mgを加え、減圧
下濃縮を行った。得られた1,6 −ヘキサンジオールのメ
タクリル酸モノエステルは144gであった。液体クロマト
グラフィーから純度は97%以上であった。
【0043】実施例1 オキシ塩化リン36.8g(0.24mol)を70mlのエチルエーテル
に溶かし300ml の4口反応容器に入れ、−20〜−30℃ま
で冷却した。シクロヘキシルアルコール20.0g(0.2mol)
とトリエチルアミン24.2g(0.24mol)をエチルエーテル70
mlに溶解させ滴下ロートに入れ、反応容器に接続した。
オキシ塩化リン溶液を攪拌し、乾燥窒素ガスを吹き込み
ながら約2時間でシクロヘキシルアルコールとトリエチ
ルアミンの溶液を滴下した。滴下後、温度が−20℃を超
えないように注意しながら3時間攪拌し、リン酸モノエ
ステル中間体を合成した。製造例1で合成した、1,6 −
ヘキサンジオールのメタクリル酸モノエステル37.2g(0.
2mol) とトリエチルアミン24.2g(0.24mol)をエチルエー
テル70mlに溶解させ滴下ロートに入れ、上記反応容器に
接続した。リン酸モノエステル中間体溶液を攪拌し、乾
燥窒素ガスを吹き込みながら約2時間で1,6 −ヘキサン
ジオールのメタクリル酸モノエステルとトリエチルアミ
ンのエチルエーテル溶液を滴下した。滴下後、温度が−
20℃を超えないように注意しながら3時間攪拌し、リン
酸ジエステル中間体を合成した。その後−5℃に昇温
し、48%NaOH水溶液25g を液温が10℃を超えないように
徐々に加えた。この時のpHは14であった。その後、0〜
10℃で3時間撹拌を行った。該液体を200ml のイオン交
換水に分散させ、分液ロートに入れクロロホルムで3回
洗浄を行った。次に該水溶液に6N塩酸水溶液をpHが1
以下になるまで加えた。酢酸エチルで該水溶液から3回
抽出を行い、得られた酢酸エチル溶液を集め硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、ヒドロキノンモノメチルエーテル20mgを
加え、減圧下濃縮を行い、淡黄色液体56.5g を得た。
【0044】該液体を10%d6-ジメチルスルホキシド溶
液とし、200MHz 1H-NMR の測定を行ったところ、δ=7.9
ppm 付近にリン酸酸性のプロトンのシグナル3H分、6.0p
pmと5.7ppmにエチレン性プロトン各1H分、3.7 〜4.2ppm
と1.2 〜1.6ppmにヘキサメチレン基のシグナルとシクロ
ヘキシル基のシグナル23H 分、1.9ppmにメチルプロトン
のシグナル3H分を確認し、該化合物がメタクリロイルオ
キシヘキシルシクロヘキシルハイドロジェンフォスフェ
ートであることを確認した。
【0045】該液体を10%d6-ジメチルスルホキシド溶
液とし、81MHz 31P-NMR の測定を行ったところ、3.4ppm
にリン酸ジエステルのシグナルを、−9.0ppmにリン酸ジ
エステルのピロ体のシグナルをそれぞれ確認した。その
積分比を計算し、リン酸ジエステルとそのピロ体の重量
比は97対3であった。該液体を液体クロマトグラフィー
(カラム:LiChrosher100 RP-18 Merck社製、検出UV) で
分析した結果、純度は90〜94%であった。
【0046】製造例2 製造例1で1,6 −ヘキサンジオール154g(1.3mol)の代わ
りに1,12−ドデカンジオール258g(1.3mol)を用いた以外
は、製造例1と同様の方法で、1,12−ドデカンジオール
のメタクリル酸モノエステル229gを得た。液体クロマト
グラフィーから純度は97%以上であった。
【0047】実施例2 1,6 −ヘキサンジオールのメタクリル酸モノエステルの
代わりに、製造例2で合成した1,12−ドデカンジオール
のメタクリル酸モノエステル37.2g(0.2mol) を用いる以
外は実施例1と同様にしてリン酸ジエステル中間体を合
成した。その後−5℃に昇温し、48%NaOH水溶液25g を
液温が10℃を超えないように徐々に加えた。この時のpH
は14であった。その後、0〜10℃で3時間撹拌を行っ
た。該液体を200ml のイオン交換水に分散させ、分液ロ
ートに入れクロロホルムで3回洗浄を行った。次に該水
溶液に6N塩酸水溶液をpHが1以下になるまで加えた。
酢酸エチルで該水溶液から3回抽出を行い、得られた酢
酸エチル溶液を集め硫酸ナトリウムで乾燥後、ヒドロキ
ノンモノメチルエーテル20mgを加え、減圧下濃縮を行
い、淡黄色液体67.5g を得た。
【0048】該液体を10%d6-ジメチルスルホキシド溶
液とし、81MHz 31P-NMR の測定を行ったところ、3.4ppm
にリン酸ジエステルのシグナルを、−9.0ppmにリン酸ジ
エステルのピロ体のシグナルをそれぞれ確認した。積分
比から計算すると、リン酸ジエステルとそのピロ体の重
量比は96対4であった。該液体を液体クロマトグラフィ
ーで分析した結果、純度は91〜93%であった。
【0049】実施例3 オキシ塩化リン36.8g(0.24mol)を70mlのエチルエーテル
に溶かし300ml の4口反応容器に入れ、−20〜−30℃ま
で冷却した。シクロヘキシルアルコール20.0g(0.2mol)
をエチルエーテル70mlに溶解させ滴下ロートに入れ、反
応容器に接続した。オキシ塩化リン溶液を攪拌し、乾燥
窒素ガスを吹き込みながら約2時間でシクロヘキシルア
ルコール溶液を滴下した。滴下後、温度が−20℃を超え
ないように注意しながら3時間攪拌し、リン酸モノエス
テル中間体を合成した。製造例1で合成した、1,6 −ヘ
キサンジオールのメタクリル酸モノエステル37.2g(0.2m
ol) をエチルエーテル70mlに溶解させ滴下ロートに入
れ、上記反応容器に接続した。リン酸モノエステル中間
体溶液を攪拌し、乾燥窒素ガスを吹き込みながら約2時
間で1,6 −ヘキサンジオールのメタクリル酸モノエステ
ルのエチルエーテル溶液を滴下した。滴下後、温度が−
20℃を超えないように注意しながら3時間攪拌し、リン
酸ジエステル中間体を合成した。その後−5℃に昇温
し、48%NaOH水溶液25g を液温が10℃を超えないように
徐々に加えた。この時のpHは14であった。その後、0〜
10℃で3時間撹拌を行った。該液体を200ml のイオン交
換水に分散させ、分液ロートに入れクロロホルムで3回
洗浄を行った。次に該水溶液に6N塩酸水溶液をpHが1
以下になるまで加えた。酢酸エチルで該水溶液から3回
抽出を行い、得られた酢酸エチル溶液を集め硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、ヒドロキノンモノメチルエーテル20mgを
加え、減圧下濃縮を行い、淡黄色液体57.0g を得た。
【0050】該液体を10%d6-ジメチルスルホキシド溶
液とし、81MHz 31P-NMR の測定を行ったところ、3.4ppm
にリン酸ジエステルのシグナルを、−9.0ppmにリン酸ジ
エステルのピロ体のシグナルをそれぞれ確認した。その
積分比を計算し、リン酸ジエステルとそのピロ体の重量
比は97対3であった。該液体を液体クロマトグラフィー
で分析した結果、純度は92〜94%であった。
【0051】比較例1 実施例1と同様の方法により、リン酸ジエステル中間体
を合成した。その後0℃まで昇温した。イオン交換水20
g を温度が急激に上がらないように徐々に加えた。続い
てトリエチルアミン24.3g(0.22mol)を70mlのエチルエー
テルに溶解させ滴下した。滴下終了時のpHは7.5 であっ
た。その後10時間反応を0℃に保ち撹拌を続けた。その
後、ヒドロキノンモノメチルエーテル20mgを加え、減圧
下エチルエーテルを留去した。該液体を200ml のイオン
交換水に分散させ、液がアルカリ性を示すまで炭酸ナト
リウムを添加した。該水溶液を分液ロートに入れクロロ
ホルムで3回洗浄を行った。次に該水溶液に6N塩酸水
溶液をpHが1以下になるまで加えた。酢酸エチルで該水
溶液から3回抽出を行い、得られた酢酸エチル溶液を集
め硫酸ナトリウムで乾燥後、ヒドロキノンモノメチルエ
ーテル20mgを加え、減圧下濃縮を行い、淡黄色液体46.1
g を得た。
【0052】該液体を10%d6-ジメチルスルホキシド溶
液とし、81MHz 31P-NMR の測定を行ったところ、3.4ppm
にリン酸ジエステルのシグナルを、−9.0ppmにリン酸ジ
エステルのピロ体のシグナルをそれぞれ確認した。積分
比から計算すると、リン酸ジエステルとそのピロ体の重
量比は85対15であった。該液体を液体クロマトグラフィ
ーで分析した結果、純度は80〜82%であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、X は-O- 又は-NH-を示す。R1は水素原子又はメ
    チル基を示す。R2はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又
    はカルボキシル基で置換されていてもよく、エーテル
    型、チオエーテル型、エステル型、チオエステル型、チ
    オカルボニル型、アミド型、ウレタン型、カルボニル型
    及びスルホニル型からなる群から選ばれたいずれかの型
    の結合が挿入されていてもよい炭素数1〜40の2価の炭
    化水素基を示す。)で表わされる化合物と、一般式(I
    I) R3-OH (II) (式中、R3はハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はカル
    ボキシル基で置換されていてもよく、エーテル型の結合
    が挿入されていてもよい炭素数1〜40の1価の炭化水素
    基を示す。)で表される化合物と、オキシハロゲン化リ
    ンとを反応させて一般式(III) 【化2】 (式中、X,R1,R2 及びR3は前記の意味を示し、Eはハロ
    ゲン原子を示す。)で表される化合物を得、アルカリ条
    件下で一般式(III) で表される化合物を加水分解する、
    一般式(V)で表される化合物の含有量(下記式(A) で
    定義される)が5重量%以下の、一般式(IV)で表される
    リン酸エステルの製法。 【数1】 【化3】 (式中、X,R1,R2 及びR3は前記の意味を示す。)
  2. 【請求項2】 アルカリ条件が、pH9以上の条件である
    請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 加水分解する際の反応温度が−10〜10℃
    の範囲である請求項1又は2記載の製法。
  4. 【請求項4】 X が-O- 、R1がメチル基、R2が炭素数2
    〜20の直鎖アルキレン基である請求項1〜3のいずれか
    一項に記載の製法。
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