JP2000026379A - 塩酸セルトラリンメタノール和物および塩酸セルトラリンエタノール和物、ならびにそれらの製法 - Google Patents

塩酸セルトラリンメタノール和物および塩酸セルトラリンエタノール和物、ならびにそれらの製法

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JP2000026379A
JP2000026379A JP19303598A JP19303598A JP2000026379A JP 2000026379 A JP2000026379 A JP 2000026379A JP 19303598 A JP19303598 A JP 19303598A JP 19303598 A JP19303598 A JP 19303598A JP 2000026379 A JP2000026379 A JP 2000026379A
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methyl
dichlorophenyl
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Hideto Miyamoto
宮本  秀人
Kiyoshi Sugi
潔 杉
Nobushige Itaya
信重 板谷
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗うつ剤として有用な塩酸セルトラリンの結晶
および該結晶を工業的に製造しうる製法を提供するこ
と。 【解決手段】角度2θが少なくとも12.3°、17.
8°、22.0°、23.4°および24.8°である
ときに、粉末X線回折図において、その結晶構造に基づ
く回折ピークを有する(1S,4S)−4−(3,4−
ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−
N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩メタノール和
物、ならびに角度2θが少なくとも12.1°、17.
5°、21.9°、22.9°および24.2°である
ときに、粉末X線回折図において、その結晶構造に基づ
く回折ピークを有する(1S,4S)−4−(3,4−
ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−
N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩エタノール和
物、ならびにそれらの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩酸セルトラリン
メタノール和物および塩酸セルトラリンエタノール和
物、ならびにそれらの製法に関する。さらに詳しくは、
抗うつ剤などとして有用な(1S,4S)−4−(3,
4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒド
ロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩メタノール
和物および(1S,4S)−4−(3,4−ジクロロフ
ェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル
−1−ナフチルアミン塩酸塩エタノール和物、ならびに
それらの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩酸セルトラリンは、抗うつ剤として有
用な化合物である〔米国特許第4,536,518 号明細書〕。
【0003】従来、塩酸セルトラリンとしては、粉末X
線回折図において、以下の特定の角度2θで、その結晶
構造に基づく回折を有する、5つの形態のものが知られ
ている〔米国特許第5,248,699 号明細書〕。
【0004】(形態I) 2θ:7.1°、12.7°、14.1°、15.3
°、15.7°、21.2°、23.4°および26.
3° (形態II) 2θ:5.4°、10.8°、14.6°、16.3
°、18.1°、19.0°、20.3°、21.8
°、24.4°および27.3° (形態III) 2θ:14.3°、15.5°、17.4°および1
9.6° (形態IV) 2θ:15.6°、22.4°、25.4°、28.9
°、31.9°および32.1° (形態V) 2θ:5.2°、10.4°、10.9°、14.2
°、16.3°、17.2°、20.1°、25.3
°、25.9°および29.1°
【0005】前記形態I〜Vを有する塩酸セルトラリン
は、いずれも、その結晶の大きさが0.03〜0.32
mm程度と小さく、また嵩密度が1.308〜1.35
4g/cm3 程度と低いので、これらの形態を有する塩
酸セルトラリンを製造した後、濾過、洗浄するのに長時
間を要するため、工業的生産性に劣るという欠点があ
る。
【0006】したがって、近年、濾過性に優れた塩酸セ
ルトラリンの結晶の開発が待ち望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、抗うつ剤として有用な
塩酸セルトラリンの結晶および該結晶を工業的に製造し
うる製法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、〔1〕
角度2θが少なくとも12.3°、17.8°、2
2.0°、23.4°および24.8°であるときに、
粉末X線回折図において、その結晶構造に基づく回折ピ
ークを有する(1S,4S)−4−(3,4−ジクロロ
フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチ
ル−1−ナフチルアミン塩酸塩メタノール和物、〔2〕
赤外吸収スペクトルにおいて、3400cm-1(s)、
3000−2700cm-1(s)、2500−2450cm
-1(m)、1590cm-1(m)、1560cm-1(w)、
1490−1450cm-1(s)、1400cm-1(s)、
1328cm -1(w)、1217cm-1(m)、1133cm
-1(s)、1077cm-1(m)、1055cm-1(w)、
1030cm-1(s)、1011cm-1(m)、958cm-1
(m)、931cm-1(w)、888cm-1(m)、868
cm-1(w)、838cm-1(m)、824cm-1(m)、7
79cm-1(s)、742cm-1(s)、709cm-1(m)
および672cm-1(m)に、吸収帯を有する前記〔1〕
記載の(1S,4S)−4−(3,4−ジクロロフェニ
ル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル−1
−ナフチルアミン塩酸塩メタノール和物、〔3〕 セル
トラリン遊離塩基をメタノールに溶解させた後、得られ
た溶液に塩酸または塩化水素を導入することを特徴とす
る、角度2θが少なくとも12.3°、17.8°、2
2.0°、23.4°および24.8°であるときに、
粉末X線回折図において、その結晶構造に基づく回折ピ
ークを有する(1S,4S)−4−(3,4−ジクロロ
フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチ
ル−1−ナフチルアミン塩酸塩メタノール和物の製法、
〔4〕 角度2θが少なくとも12.1°、17.5
°、21.9°、22.9°および24.2°であると
きに、粉末X線回折図において、その結晶構造に基づく
回折ピークを有する(1S,4S)−4−(3,4−ジ
クロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N
−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩エタノール和物、
〔5〕 赤外吸収スペクトルにおいて、3411cm
-1(s)、3000−2700cm-1(s)、2500−
2450cm-1(m)、1590cm-1(m)、1562cm
-1(w)、1490−1450cm-1(s)、1401cm
-1(s)、1331cm -1(w)、1218cm-1(m)、
1133cm-1(s)、1078cm-1(m)、1056cm
-1(w)、1030cm-1(s)、1012cm-1(m)、
958cm-1(m)、930cm-1(w)、887cm
-1(m)、868cm-1(w)、824cm-1(m)、77
8cm-1(s)、741cm-1(s)、709cm-1(m)お
よび672cm-1(m)に、吸収帯を有する請求項4記載
の(1S,4S)−4−(3,4−ジクロロフェニル)
−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル−1−ナ
フチルアミン塩酸塩エタノール和物、ならびに〔6〕
セルトラリン遊離塩基をエタノールに溶解させた後、得
られた溶液に塩酸または塩化水素を導入することを特徴
とする、角度2θが少なくとも12.1°、17.5
°、21.9°、22.9°および24.2°であると
きに、粉末X線回折図において、その結晶構造に基づく
回折ピークを有する(1S,4S)−4−(3,4−ジ
クロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N
−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩エタノール和物の
製法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の(1S,4S)−4−
(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩メタ
ノール和物〔以下、塩酸セルトラリンメタノール和物と
いう〕は、角度2θが少なくとも12.3°、17.8
°、22.0°、23.4°および24.8°であると
きに、粉末X線回折図において、その結晶構造に基づく
回折ピークを有するものである。
【0010】また、本発明の(1S,4S)−4−
(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩エタ
ノール和物〔以下、塩酸セルトラリンエタノール和物と
いう〕は、角度2θが少なくとも12.1°、17.5
°、21.9°、22.9°および24.2°であると
きに、粉末X線回折図において、その結晶構造に基づく
回折ピークを有するものである。
【0011】塩酸セルトラリンメタノール和物および塩
酸セルトラリンエタノール和物は、いずれも、前記した
従来の形態I〜Vを有する塩酸セルトラリンと対比し
て、異なる結晶構造を有することに起因して、嵩密度が
高く、濾過性に非常に優れたものである。
【0012】塩酸セルトラリンメタノール和物および塩
酸セルトラリンエタノール和物は、それぞれ、セルトラ
リン遊離塩基をメタノールまたはエタノールに溶解させ
た後、得られた溶液に塩酸または塩化水素を導入するこ
とにより、製造することができる。
【0013】前記セルトラリン遊離塩基の製法として
は、例えば、セルトラリンのマンデル酸塩をアルカリ分
解する方法などがあげられる。該セルトラリンのマンデ
ル酸塩は、例えば、(1SR,4SR)−4−(3,4
−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ
−N−メチル−1−ナフチルアミンをD−(−)−マン
デル酸で光学分割することによって得ることができる。
【0014】前記メタノールまたはエタノールの使用量
は、セルトラリン遊離塩基100重量部に対して、10
0〜2000重量部、好ましくは500〜1500重量
部程度であることが望ましい。セルトラリン遊離塩基を
メタノールまたはエタノールに溶解させる際の温度は、
通常、室温〜溶媒の還流温度程度であることが望まし
い。
【0015】セルトラリン遊離塩基をメタノールまたは
エタノールに溶解させた後、得られた溶液に、塩酸また
は塩化水素ガスを導入することにより、塩酸セルトラリ
ンメタノール和物または塩酸セルトラリンエタノール和
物を得ることができる。なお、塩酸を用いる場合、前記
溶液に塩酸を滴下すればよく、また塩化水素を用いる場
合、前記溶液に塩化水素ガスを吹き込めばよい。
【0016】塩酸または塩化水素の使用量は、セルトラ
リン遊離塩基が塩酸セルトラリンとなるのに十分な量が
選ばれる。かかる塩酸または塩化水素の使用量は、通
常、セルトラリン遊離塩基1.0モルに対して、1.0
〜5.0モル、好ましくは、1.1〜3.0モルである
ことが望ましい。なお、塩酸セルトラリンが生成したこ
とは、例えば、溶液のpHが酸性を示すことなどによ
り、確認することができる。
【0017】塩酸または塩化水素を溶液に導入する際の
溶液の温度は、特に限定されず、室温から溶媒の還流温
度であればよい。
【0018】反応終了後、反応溶液を、例えば、室温に
冷却し、析出した結晶を濾過により取り出すことができ
る。なお、反応溶液から結晶を析出させる際には、必要
により、種晶を接種し、結晶を析出させてもよい。
【0019】このようにして得られた塩酸セルトラリン
メタノール和物は、赤外吸収スペクトルにおいて、34
00cm-1(s)、3000−2700cm-1(s)、25
00−2450cm-1(m)、1590cm-1(m)、15
60cm-1(w)、1490−1450cm-1(s)、14
00cm-1(s)、1328cm-1(w)、1217cm
-1(m)、1133cm-1(s)、1077cm-1(m)、
1055cm-1(w)、1030cm-1(s)、1011cm
-1(m)、958cm-1(m)、931cm-1(w)、88
8cm-1(m)、868cm-1(w)、838cm-1(m)、
824cm-1(m)、779cm-1(s)、742cm
-1(s)、709cm-1(m)および672cm-1(m)
に、吸収帯を有する。
【0020】一方、塩酸セルトラリンエタノール和物
は、赤外吸収スペクトルにおいて、3411cm
-1(s)、3000−2700cm-1(s)、2500−
2450cm-1(m)、1590cm-1(m)、1562cm
-1(w)、1490−1450cm-1(s)、1401cm
-1(s)、1331cm-1(w)、1218cm-1(m)、
1133cm-1(s)、1078cm-1(m)、1056cm
-1(w)、1030cm-1(s)、1012cm-1(m)、
958cm-1(m)、930cm-1(w)、887cm
-1(m)、868cm-1(w)、824cm-1(m)、77
8cm-1(s)、741cm-1(s)、709cm-1(m)お
よび672cm-1(m)に、吸収帯を有する。
【0021】本発明の塩酸セルトラリンメタノール和物
および塩酸セルトラリンエタノール和物の結晶は、従来
の塩酸セルトラリンの結晶形との相違により、製造後に
短時間で濾別することができ、しかも容易に乾燥させる
ことができる。
【0022】さらに、本発明の塩酸セルトラリンメタノ
ール和物および塩酸セルトラリンエタノール和物の結晶
は、従来の塩酸セルトラリンの結晶と対比して、流動性
に優れた粉末であるので、従来の塩酸セルトラリンの結
晶のように塊状となることがないので、煩雑な粉砕など
の処理を施す必要がなく、工業的生産性に優れるという
利点を有する。
【0023】以上、説明したように、本発明の塩酸セル
トラリンメタノール和物および塩酸セルトラリンエタノ
ール和物は、いずれも、抗うつ剤などとして有用な化合
物である。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0025】製造例 攪拌機および温度計を備えた500ml容の三つ口フラ
スコ内に、酢酸エチル120ml、水100mlおよび
セルトラリンマンデル酸塩3.0g(6.54mmo
l)を添加し、混合した。
【0026】次に、該フラスコ内に、25%水酸化ナト
リウム水溶液2.1g(13.1mmol)を添加した
後、室温で1時間攪拌した。その後、得られた溶液を静
置し、分液した後、酢酸エチル層を水50mlで洗浄
し、エバポレーターにて減圧濃縮し、濃縮残渣(セルト
ラリン遊離塩基)2.0gを得た。
【0027】実施例1 製造例で得られた濃縮残渣2.0gに、メタノール15
mlを添加し、塩化水素ガス0.36gを吹き込んだ
後、60℃まで昇温し、25℃まで徐冷した。
【0028】次に、析出した結晶を室温で2日間攪拌
し、得られた白色スラリー液をヌッチェにより濾過し、
白色の塩酸セルトラリンメタノール和物の結晶1.67
gを得た。
【0029】得られた結晶について、粉末X線回折、赤
外線吸収スペクトルおよび示差熱分析を以下の方法にし
たがって調べた。
【0030】〔粉末X線回折〕 粉末X線回折装置:理学電機(株)製、Mini Flex 〔 C
uKα1 線〕により測定 測定条件: 対陰極:Cu フィルター: Kβ 管電圧:30kV 管電流:15mA フルスケールレンジ:10000cps 走査速度:2°/min
【0031】〔赤外線吸収スペクトル〕 測定装置:(株)日立製作所製、赤外線吸収スペクトル
装置270-30(KBr法) により測定
【0032】〔示差熱分析〕 測定装置:示差走査型熱量計〔(株)島津製作所製、DS
C-50〕により示差走査熱量法(DSC)にしたがって測
【0033】実施例1で得られた結晶の粉末X線回折の
測定結果を図1および表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】図1および表1に示された結果から、実施
例1で得られた結晶は、角度2θが、12.3°(ピー
ク番号4)、17.8°(同9)、22.0°(同1
2)、23.4°(同13)および24.8°(同1
5)であるときに、その結晶構造に基づくX線回折を有
していることがわかる。
【0036】実施例1で得られた結晶の赤外線吸収スペ
クトルの測定結果を図2に示す。
【0037】図2に示された結果から、赤外吸収スペク
トルは、以下のとおりである。IR(KBr)νmax ( c
m-1) :3400(s)、3000−2700(s)、
2500−2450(m)、1590(m)、1560
(w)、1490−1450(s)、1400(s)、
1328(w)、1217(m)、1133(s)、1
077(m)、1055(w)、1030(s)、10
11(m)、958(m)、931(w)、888
(m)、868(w)、838(m)、824(m)、
779(s)、742(s)、709(m)、672
(m)
【0038】以上の結果から、実施例1で得られた塩酸
セルトラリンメタノール和物の結晶は、赤外線吸収スペ
クトルにおいて、波数約779cm-1に主ピークを有する
ことがわかる。また、実施例1で得られた塩酸セルトラ
リンメタノール和物の結晶は、赤外線吸収スペクトルに
おいて、波数約3400cm-1において強い吸収帯を示す
が、これは、結晶中のメタノールに基づくものである。
【0039】実施例1で得られた結晶の示差熱分析の測
定結果を図3に示す。
【0040】実施例1で得られた結晶は、メタノールを
含有することから、約55〜65℃に弱い吸熱ピーク、
約85〜95℃に強い吸熱ピーク、約205℃に僅かな
吸熱ピーク、および約260℃に強い吸熱ピークを呈す
ることがわかる。
【0041】また、1 H−NMR測定の結果より、実施
例1で得られた塩酸セルトラリンメタノール和物の結晶
は、塩酸セルトラリン1モルに対して、メタノールを約
0.7モル有するものであることがわかる。
【0042】実施例2 製造例で得られた濃縮残渣に、エタノール33mlを添
加し、室温で塩化水素ガス0.36gを吹き込み、75
℃まで昇温し、30分間保持した後、60℃に冷却し
た。
【0043】次に、60℃で塩酸セルトラリンエタノー
ル和物の結晶を接種し、さらに25℃に徐冷した。
【0044】析出した結晶を室温で1日間攪拌し、濾過
し、塩酸セルトラリンエタノール和物の結晶1.75g
を得た。
【0045】得られた結晶について、粉末X線回折、赤
外線吸収スペクトルおよび示差熱分析を実施例1と同様
の方法で調べた。
【0046】実施例2で得られた結晶の粉末X線回折の
測定結果を図4および表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】図4および表2に示された結果から、実施
例2で得られた結晶は、角度2θが、12.1°(ピー
ク番号3)、17.5°(同7)、21.9°(同1
0)、22.9°(同11)および24.2°(同1
3)であるときに、その結晶構造に基づくX線回折を有
していることがわかる。
【0049】実施例2で得られた結晶の赤外線吸収スペ
クトルの測定結果を図5に示す。
【0050】図5に示された結果から、赤外吸収スペク
トルは、以下のとおりである。 IR(KBr)νmax ( cm-1) :3411(s)、3000
−2700(s)、2500−2450(m)、159
0(m)、1562(w)、1490−1450
(s)、1401(s)、1331(w)、1218
(m)、1133(s)、1078(m)、1056
(w)、1030(s)、1012(m)、958
(m)、930(w)、887(m)、868(w)、
824(m)、778(s)、741(s)、709
(m)、672(m)
【0051】以上の結果から、実施例2で得られた塩酸
セルトラリンエタノール和物の結晶は、赤外線吸収スペ
クトルにおいて、波数約778cm-1に主ピークを有する
ことがわかる。また、実施例2で得られた塩酸セルトラ
リンエタノール和物の結晶は、赤外線吸収スペクトルに
おいて、波数約3411cm-1において強い吸収帯を示す
が、これは、結晶中に含まれるエタノールに基づくもの
である。
【0052】実施例2で得られた結晶の示差熱分析の測
定結果を図6に示す。
【0053】実施例2で得られた結晶は、エタノールを
有することから、約55〜65℃に弱い吸熱ピーク、約
85〜95℃に強い吸熱ピーク、約205℃に僅かな吸
熱ピーク、および約260℃に強い吸熱ピークを呈する
ことがわかる。
【0054】また、1 H−NMR測定の結果より、実施
例2で得られた塩酸セルトラリンメタノール和物の結晶
は、塩酸セルトラリン1モルに対して、エタノールを約
0.7モル有するものであることがわかる。
【0055】以上の結果から、実施例1〜2によれば、
濾過性に優れた塩酸セルトラリンメタノール和物および
エタノール和物の結晶を工業的規模で容易に製造するこ
とができることがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明の製法によれば、抗うつ剤として
有用な塩酸セルトラリンメタノール和物およびエタノー
ル和物の結晶を工業的に容易に製造しうるという優れた
効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1で得られた塩酸セル
トラリンメタノール和物の結晶の粉末X線回折図であ
る。
【図2】図2は、本発明の実施例1で得られた塩酸セル
トラリンメタノール和物の結晶の赤外線吸収スペクトル
を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1で得られた塩酸セル
トラリンメタノール和物の結晶の示差走査熱量分析の結
果を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施例2で得られた塩酸セル
トラリンエタノール和物の結晶の粉末X線回折図であ
る。
【図5】図5は、本発明の実施例2で得られた塩酸セル
トラリンエタノール和物の結晶の赤外線吸収スペクトル
を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施例2で得られた塩酸セル
トラリンエタノール和物の結晶の結晶の示差走査熱量分
析の結果を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 板谷 信重 大阪市西淀川区歌島3丁目1番21号 住化 ファインケム株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AC52 AC90 AD15 BE01 BJ50 BM30 BM72 BU44

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角度2θが少なくとも12.3°、1
    7.8°、22.0°、23.4°および24.8°で
    あるときに、粉末X線回折図において、その結晶構造に
    基づく回折ピークを有する(1S,4S)−4−(3,
    4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒド
    ロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩メタノール
    和物。
  2. 【請求項2】 赤外吸収スペクトルにおいて、3400
    cm-1(s)、3000−2700cm-1(s)、2500
    −2450cm-1(m)、1590cm-1(m)、1560
    cm-1(w)、1490−1450cm-1(s)、1400
    cm-1(s)、1328cm-1(w)、1217cm
    -1(m)、1133cm-1(s)、1077cm-1(m)、
    1055cm-1(w)、1030cm-1(s)、1011cm
    -1(m)、958cm-1(m)、931cm-1(w)、88
    8cm-1(m)、868cm-1(w)、838cm-1(m)、
    824cm-1(m)、779cm-1(s)、742cm
    -1(s)、709cm-1(m)および672cm-1(m)
    に、吸収帯を有する請求項1記載の(1S,4S)−4
    −(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テ
    トラヒドロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩メ
    タノール和物。
  3. 【請求項3】 セルトラリン遊離塩基をメタノールに溶
    解させた後、得られた溶液に塩酸または塩化水素を導入
    することを特徴とする、角度2θが少なくとも12.3
    °、17.8°、22.0°、23.4°および24.
    8°であるときに、粉末X線回折図において、その結晶
    構造に基づく回折ピークを有する(1S,4S)−4−
    (3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テト
    ラヒドロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩メタ
    ノール和物の製法。
  4. 【請求項4】 角度2θが少なくとも12.1°、1
    7.5°、21.9°、22.9°および24.2°で
    あるときに、粉末X線回折図において、その結晶構造に
    基づく回折ピークを有する(1S,4S)−4−(3,
    4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒド
    ロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩エタノール
    和物。
  5. 【請求項5】 赤外吸収スペクトルにおいて、3411
    cm-1(s)、3000−2700cm-1(s)、2500
    −2450cm-1(m)、1590cm-1(m)、1562
    cm-1(w)、1490−1450cm-1(s)、1401
    cm-1(s)、1331cm-1(w)、1218cm
    -1(m)、1133cm-1(s)、1078cm-1(m)、
    1056cm-1(w)、1030cm-1(s)、1012cm
    -1(m)、958cm-1(m)、930cm-1(w)、88
    7cm-1(m)、868cm-1(w)、824cm-1(m)、
    778cm-1(s)、741cm-1(s)、709cm
    -1(m)および672cm-1(m)に、吸収帯を有する請
    求項4記載の(1S,4S)−4−(3,4−ジクロロ
    フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチ
    ル−1−ナフチルアミン塩酸塩エタノール和物。
  6. 【請求項6】 セルトラリン遊離塩基をエタノールに溶
    解させた後、得られた溶液に塩酸または塩化水素を導入
    することを特徴とする、角度2θが少なくとも12.1
    °、17.5°、21.9°、22.9°および24.
    2°であるときに、粉末X線回折図において、その結晶
    構造に基づく回折ピークを有する(1S,4S)−4−
    (3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テト
    ラヒドロ−N−メチル−1−ナフチルアミン塩酸塩エタ
    ノール和物の製法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6600073B1 (en) 1999-11-24 2003-07-29 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Methods for preparation of sertraline hydrochloride polymorphs
US6897340B2 (en) 2002-04-29 2005-05-24 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Processes for preparation of polymorphic form II of sertraline hydrochloride
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EP1797875A2 (en) * 1999-12-21 2007-06-20 Teva Pharmaceutical Industries Ltd Novel sertraline hydrochloride polymorphs, processes for preparing them, compositions containing them and methods of using them

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