JP2000026342A - フェニルエチニルナフタレン誘導体 - Google Patents

フェニルエチニルナフタレン誘導体

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JP2000026342A
JP2000026342A JP10187349A JP18734998A JP2000026342A JP 2000026342 A JP2000026342 A JP 2000026342A JP 10187349 A JP10187349 A JP 10187349A JP 18734998 A JP18734998 A JP 18734998A JP 2000026342 A JP2000026342 A JP 2000026342A
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compound
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Sadao Takehara
貞夫 竹原
Masashi Osawa
政志 大澤
Makoto Negishi
真 根岸
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘性の低下、△nの増大、TN-Iの上昇等の
効果に優れた誘導体であって、且つ△εの大きいp型液
晶性化合物を提供し、これを用いて△nが大きく、液晶
温度範囲は広く、Vthが低く低電圧駆動可能な液晶組
成物、これを用いた表示素子を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (R:C数1〜10のアルキル基、Xa、Xb及びXc
H原子又はF原子)の液晶性化合物、これを含有する液
晶組成物及びこれを用いた表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規液晶性化合物で
ある、フェニルエチニルナフタレン誘導体とそれを含有
する液晶組成物に関する。これらは電気光学的液晶表示
用、特に低電圧駆動と高速応答が可能なネマチック液晶
材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。
【0003】これらの表示方式や駆動方式に応じて、液
晶材料としても種々の特性が要求されている。中でも高
速応答性はほとんどの場合に共通して非常に重要であ
る。応答を高速化するために液晶材料に求められる物性
は直接的には(i)粘性を小さくするか、あるいは(i
i)弾性定数を大きくすることである。しかしながら、
弾性定数を大きくした場合には閾値電圧が上昇すること
が多い。従って、低電圧駆動が要求される場合には、弾
性定数はあまり大きくせずにその粘性を小さくすること
が必要である。
【0004】さらに、液晶素子の応答を高速化するため
の手段としてはセル厚を薄くすることも非常に有効であ
る。しかしながら、液晶素子においては干渉縞の発生に
よる着色やむらを防止するために、セル厚(d)と屈折
率異方性(Δn)の積(Δn・d)をある一定の値(0.
5、1.0、1.6、2.2通常前二者が用いられることが多
い。)に設定する必要がある。従って、セル厚を薄くす
るためには屈折率異方性(Δn)の大きい液晶材料が必
要である。
【0005】また、一般に粘性が小さい化合物は液晶性
が低いことが多い。そのため、組成物中に充分量添加で
きない、あるいはその温度補償のため粘性の大きい高温
液晶を同時に用いる必要があるなど、その効果が十分発
揮できない場合も多い。従って、必ずしも液晶性を示す
必要がないにしても、その添加によるネマチック相上限
温度(TN-I)の低下度合いの小さいことが望まれる。
【0006】以上のことから、粘性が小さく、屈折率異
方性(Δn)の大きい、かつその添加によるネマチック
相上限温度(TN-I)のできるだけ小さい液晶化合物が
望まれている。
【0007】現在、こうした条件を比較的よく満足させ
ている低粘性でΔnの大きい液晶化合物としては例え
ば、一般式(A)
【0008】
【化2】
【0009】で表されるジアルキルトラン(式中、Ra
及びRbは直鎖状アルキル基を表す。)をあげることが
できる。しかし、これを用いても、表示品質の向上に伴
う液晶材料の粘性低下の要求には応え難くなってきてい
るのが実情であり、さらに優れた減粘剤が望まれてい
る。
【0010】高速応答性と並んで液晶材料に要求される
特性の中で重要であるのが、低電圧駆動性である。液晶
素子を低電圧で駆動するためには低い閾値電圧(Vt
h)が必要であるが、通常のネマチック液晶素子におけ
るVthはその自乗が液晶材料の弾性定数(K)に比例
し、誘電率異方性(Δε)に逆比例することが知られて
いる。ところが弾性定数を小さくすると応答が遅くなる
ので、前述の高速応答性を保ちながらそのVthを低く
しようとすると、誘電率異方性(Δε)を大きくする必
要がある。
【0011】しかしながら、前述の(A)の化合物は、
その誘電率異方性(Δε)がほとんど0に近いいわゆる
n型液晶であり、その添加によって特に閾値電圧(Vt
h)の低減効果が得られるわけではなかった。
【0012】通常、こうした目的には誘電率異方性(Δ
ε)が大きいいわゆるp型液晶が必要であり、前述の高
速応答性も比較的兼ね備えた液晶性化合物としては一般
式(B)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、Rcは直鎖状アルキル基を表し、
U及びVはそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を
表す。)で表されるフルオロトラン系液晶化合物が知ら
れている。しかしながら、この(B)のフルオロトラン
誘導体は液晶性が低く、その添加によりネマチック相上
限温度(TN-I)を大きく低下させてしまうという問題
点を有している。そのために、汎用の液晶組成物に対し
て少量しか添加することができず、屈折率異方性(Δ
n)の増大や低粘性化の点で充分な効果を引き出すこと
はできなかった。
【0015】従って、一般式(B)の化合物と同様に低
粘性のp型液晶であって、かつより液晶性に優れ、屈折
率異方性(Δn)の大きい液晶化合物が望まれている。
一方、液晶化合物において、その骨格構造中の1,4−
フェニレン基を2,6−ナフチレン基に変換することに
より液晶性の向上及び屈折率異方性(Δn)の増大とい
った効果が得られることはよく知られており、一般式
(C)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、Rdは直鎖状アルキル基を表し、
Wは水素原子又はフッ素原子を表す。)で表されるフェ
ニルエチニルナフタレン誘導体も報告(S.-T.Wu et.al.,
Mol.Cryst.Liq.Cryst.,261,79(1994))されている。この
一般式(C)の化合物は市販の6−ブロモ−2−ナフト
ール(IIa)
【0018】
【化5】
【0019】もしくはそのメチルエーテル(IIb)か
ら容易に製造することができ、一般式(B)の化合物に
対し、液晶性の向上及び屈折率異方性(Δn)の増大と
いった予想通りの効果を示す。しかしながら、この
(C)の化合物はナフタレン骨格に直結する側鎖がアル
コキシル基であるため、その粘性が(B)の化合物に対
してかなり増大してしまうという問題点がある。また、
現在汎用の液晶化合物や液晶組成物に対する相溶性も満
足のいくものとは言えなかった。
【0020】また、特願平4−501575号に記載さ
れた発明の一般式は、本発明の一般式(I)で表される
フェニルエチニルナフタレン誘導体の一部を包含しうる
ものである。しかしながら、当該明細書には、本発明の
一般式(I)のフェニルエチニルナフタレン誘導体に相
当する化合物を実際に合成した例はなく、また、これを
用いた液晶組成物についても一切例示されていない。更
には、当該明細書には数種の合成例が示されているが、
これらの例から本発明に関わる一般式(I)の化合物を
合成することはできず、また、これらの例によって本発
明に関わる一般式(I)の化合物の合成が示唆されるも
のでもない。
【0021】あるいは、特願平1−160924号に
は、フェニルエチニルナフタレン構造を有する化合物が
示されているが、本発明の一般式(I)に関わるフッ素
原子等で置換されるようなp型の化合物については全く
開示されておらず、また、このような化合物の効果を具
体的に示した例もない。
【0022】よって、上記の特性を満足する新規液晶性
化合物が要求されていた。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じるため、粘性の低下、屈
折率異方性(Δn)の増大、及びネマチック相上限温度
(TN-I)の上昇等の効果に優れたフェニルエチニルナ
フタレン誘導体であって、かつその誘電率異方性(Δ
ε)の大きいp型の液晶性化合物を提供し、さらにこれ
を用いて低粘性で屈折率異方性(Δn)が大きく、液晶
温度範囲が広く、かつ閾値電圧(Vth)が低く低電圧
駆動の可能な液晶組成物を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、 1.一般式(I)
【0025】
【化6】
【0026】(式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキ
ル基を表し、Xa、Xb及びXcはそれぞれ独立的に水素
原子又はフッ素原子を表す。)で表されるフェニルエチ
ニルナフタレン誘導体。 2.一般式(I)において、Xa及びXbの少なくとも一
方がフッ素原子を表すところの上記1記載のフェニルエ
チニルナフタレン誘導体。 3.一般式(I)において、Xa及びXbがともにフッ素
原子を表すところの上記2記載のフェニルエチニルナフ
タレン誘導体。 4.一般式(I)において、Xcがフッ素原子を表すと
ころの上記1、2又は3記載のフェニルエチニルナフタ
レン誘導体。 5.一般式(I)において、Rが炭素原子数2〜7の直
鎖状アルキル基を表すところの上記1、2、3又は4記
載のフェニルエチニルナフタレン誘導体。 6.上記1、2、3、4又は5記載の一般式(I)で表
される化合物を含有する液晶組成物。 7.上記6記載の液晶組成物を構成要素とする液晶素
子。 を前記課題を解決するための手段として見出した。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。本発明は、一般式(I)
【0028】
【化7】
【0029】で表されるフェニルエチニルナフタレン誘
導体を提供するものである。式中、Rは炭素原子数1〜
10のアルキル基を表すが、直鎖状アルキル基が好まし
く、炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基が特に好まし
い。Xa及びXbはそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素
原子を表すが、誘電率異方性(Δε)を増大させ閾値電
圧(Vth)の低減効果を高めるためにはその少なくと
も1個はフッ素原子であることが好ましく、更には、X
a及びXbは共にフッ素原子であることが好ましい。Xc
は水素原子又はフッ素原子を表すが、特に溶解性を向上
させるためにはフッ素原子であることが好ましい。
【0030】一般式(I)においては、そのR、Xa
b及びXcの選択によって数種の化合物群を包含するけ
れども、それらの中では一般式(Ia)〜(Ie)
【0031】
【化8】
【0032】(式中、R’は炭素原子数2〜7の直鎖状
アルキル基を表す。)で表される化合物が好ましいもの
であり、(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Ie)が
特に好ましい。
【0033】一般式(I)の化合物は以下の工程に基づ
いて製造することができる。 6−ブロモ−2−メトキシナフタレン(IIb)
【0034】
【化9】
【0035】に、一般式(III)
【0036】
【化10】
【0037】(式中、Rは一般式(I)におけるとおな
じ意味を表し、Xは塩素、臭素又はヨウ素原子を表
す。)で表されるグリニヤール反応剤を遷移金属触媒存
在下に反応させることにより一般式(IVa)
【0038】
【化11】
【0039】(式中、Rは一般式(I)におけるとおな
じ意味を表す。)で表される6−アルキル−2−メトキ
シナフタレンを得ることができる。ここで遷移金属触媒
としてはニッケル(0)錯体及びニッケル(II)錯体が特
に好ましい。
【0040】この(IVa)を脱メチル化することによ
り一般式(IVb)
【0041】
【化12】
【0042】(式中、Rは一般式(I)におけるとおな
じ意味を表す。)で表される6−アルキル−2−ナフト
ールを得ることができる。脱メチル化剤としては臭化水
素酸、三臭化ホウ素、ヨウ化トリメチルシリル、塩化ア
ルミニウム、ジメチルスルフィド/塩化アルミニウム等
を用いることができる。
【0043】この(IVb)を例えばN−フルオロ−5
−(トリフルオロメチル)ピリジニウム−2−スルホナ
ートあるいはビステトラフルオロホウ酸N,N’−ジフ
ルオロ−2,2’−ビピリジニウム等のフッ素化剤と反
応させることにより、一般式(IVc)
【0044】
【化13】
【0045】(式中、Rは一般式(I)におけるとおな
じ意味を表す。)で表される6−アルキル−1−フルオ
ロ−2−ナフトールを得ることができる。この(IV
b)あるいは(IVc)を無水トリフルオロメタンスル
ホン酸等でエステル化することにより一般式(V)
【0046】
【化14】
【0047】(式中、R及びXcは一般式(I)におけ
るとおなじ意味を表し、Tfはトリフルオロメタンスル
ホニル基を表す。)で表されるトリフラートを得るが、
このトリフラート(V)を一般式(VI)
【0048】
【化15】
【0049】(式中、Xa及びXbは一般式(I)におけ
るとおなじ意味を表す。)で表されるエチニルベンゼン
誘導体と遷移金属触媒存在下に反応させることにより、
一般式(I)のフェニルエチニルナフタレン誘導体を得
ることができる。ここで遷移金属触媒としてはパラジウ
ム系触媒が好ましく、パラジウム(0)錯体及びパラジウ
ム(II)錯体がより好ましく、パラジウム(0)錯体が特
に好ましい。反応は銅(I)塩併用下に行うことが好まし
く、特にヨウ化銅(I)を併用することが好ましい。反応
は溶媒中で行われ、溶媒としてジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)等のいわゆる極性溶媒が好
ましく、通常トリエチルアミン等のアミン系溶媒を併用
する。
【0050】斯くして製造される本発明の代表的な化合
物(I)の具体例をその相転移温度とともに第1表にま
とめて示す。
【0051】
【表1】
【0052】表中、Crは結晶相を、Nはネマチック相
を、Iは等方性液体相をそれぞれ示す。また( )内の
相は等方性液体相からの降温時にのみ現れる(モノトロ
ピック)ことを示す。
【0053】一般式(I)の化合物を液晶組成物中に添
加することにより得られる優れた効果は以下の通りであ
る。第1表中に示された式(I−1)
【0054】
【化16】
【0055】の化合物20重量%及び汎用のホスト液晶
組成物(H)
【0056】
【化17】
【0057】80重量%からなる液晶組成物(H−1)
を調製した。ここでホスト液晶(H)の物性値ならびに
それを用いて作製した液晶素子の電気光学的特性値は以
下の通りである。
【0058】 TN-I: 116.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.14V 誘電率異方性(Δε): 4.8 応答時間(τr=τd): 25.3m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、閾値電圧(Vth)及び応答時間は厚さ6μm
のTNセルに封入して測定した値である。また、応答時
間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時間(τd)
が等しくなる電圧印加時の20℃における測定値であ
る。
【0059】これに対して(H−1)の物性値ならびに
それを用いて作製した液晶素子の電気光学的特性値は以
下の通りとなった。 TN-I: 99.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.12V 誘電率異方性(Δε): 5.1 応答時間(τr=τd): 25.4m秒 屈折率異方性(Δn): 0.131 従って、本発明の式(I−1)の化合物を添加すること
により、応答を悪化させることなく、わずかではあるが
閾値電圧を低減し、屈折率異方性を大幅(ホスト液晶
(H)に対し0.04)に増大させていることがわか
る。
【0060】次に、この組成物を0℃で2週間放置した
が、結晶の析出や相分離等は観察されなかった。また、
−60℃に冷却して結晶化させ、その融点(TC-N)を
測定したところ、+1℃であった。
【0061】これに対して一般式(B)で表される代表
的な式(B−1)
【0062】
【化18】
【0063】の化合物20重量%及びホスト液晶(H)
80重量%からなる比較組成物(H−B)を調整した。
この物性値ならびにそれを用いて作製した液晶素子の電
気光学的特性値は以下の通りとなった。
【0064】 TN-I: 75.5℃ 閾値電圧(Vth): 1.85V 誘電率異方性(Δε): 5.6 応答時間(τr=τd): 25.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.107 従って、式(B−1)の化合物の添加により閾値電圧は
より大きく低減され、応答もわずかながら高速化されて
いることがわかる。しかしながら、ネマチック相上限温
度(TN-I)は40°以上も低下してしまった。しか
も、屈折率異方性はホスト液晶(H)に対して0.17
しか増大させることができなかった。
【0065】次に、一般式(C)で表される代表的な式
(C−1)
【0066】
【化19】
【0067】の化合物20重量%及びホスト液晶(H)
80重量%からなる比較組成物(H−C)を調製した。
比較組成物(H−C)の物性値ならびにそれを用いて作
製した液晶素子の電気光学的特性値は以下の通りとなっ
た。
【0068】 TN-I: 109.5℃ 閾値電圧(Vth): 2.10V 誘電率異方性(Δε): 5.3 応答時間(τr=τd): 33.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.134 このように、式(C−1)の化合物の添加によりネマチ
ック相上限温度(TN- I)をほとんど降下させることな
く、閾値電圧を低減し、屈折率異方性を大きく増大させ
ていることがわかる。しかしながら、その応答はホスト
液晶(H)や本発明に関わる式(I−1)の化合物を添
加した(H−1)と比較して大幅に遅くなってしまっ
た。また、この組成物を0℃で放置したところ、1週間
で結晶が析出した。
【0069】従って、広い温度範囲と、低い閾値電圧
と、大きい屈折率異方性及び高速応答性を兼ね備えた液
晶組成物を得る上において、本発明の式(I−1)の化
合物は優れた効果を有していることがわかる。
【0070】次に、ホスト液晶(H)80重量%及び第
1表中に示された式(I−2)
【0071】
【化20】
【0072】の化合物20重量%からなる液晶組成物
(H−2)を調製した。この組成物の物性値ならびにそ
れを用いて作製した液晶素子の電気光学的特性値は以下
の通りとなった。
【0073】 TN-I: 94.1℃ 閾値電圧(Vth): 1.87V 誘電率異方性(Δε): 6.2 応答時間(τr=τd): 25.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.125 従って、(H−1)と比較してネマチック相上限温度が
やや低下し、屈折率異方性がやや減少しているものの、
同様の高速応答性を有し、閾値電圧はさらに低減されて
いることがわかる。
【0074】このように、本発明の一般式(I)の化合
物は、低粘性で応答性に優れ屈折率異方性が大きくかつ
ネマチック相温度範囲が広く、加えてしきい値電圧の低
い液晶組成物を得る上において、従来の化合物より優れ
た効果を示すことが明らかである。
【0075】従って、一般式(I)の化合物は、他のネ
マチック液晶化合物との混合物の状態で、TN型あるい
はSTN型等の電界効果型表示セル用として、特に低電
圧駆動が可能な低粘性高速応答性の材料として好適に使
用することができる。また、本発明の一般式(I)の化
合物は、上記した(C)の化合物とは異なり、分子内に
強い極性基を持たないので、大きい比抵抗と高い電圧保
持率を得ることが容易であり、アクティブマトリックス
駆動用液晶材料の構成成分として使用することも可能で
ある。 本発明はこのように一般式(I)で表される化
合物の少なくとも1種類をその構成成分として含有する
液晶組成物も提供し、更には、この液晶組成物を用いた
表示素子をも提供するものである。
【0076】この組成物中において、一般式(I)の化
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4’−置換ビフェニリル、4−(4−置換シクロヘ
キサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニル、
4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換フェ
ニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置
換シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,
4’−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4
−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エタン、4,4”−置換ターフェニル、4−(4−
置換シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニル、4−
[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置
換ビフェニル、4−(4−置換フェニル)−4’−置換
ビシクロヘキサン、4−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル−4’
−置換ベンゼン、4−[2−(4−置換フェニル)エチ
ル]−4’−置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フ
ェニルエチニル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換
フェニルエチニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)
ベンゼン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミ
ジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリ
ミジン及び上記各化合物においてベンゼン環が側方置換
基を有する化合物等を挙げることができる。
【0077】このうち、アクティブマトリックス駆動用
としては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シ
クロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビ
シクロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタ
ン、4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シク
ロヘキシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニ
ル、4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘ
キサン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチ
ル]−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベ
ンゼン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−
4’−置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニル
エチニル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニ
ルエチニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼ
ン及び上記においてベンゼン環がフッ素置換されている
化合物が適している。
【0078】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0079】化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認した。組成物の「%」は『重
量%』を表す。 (実施例1) 2−(3,4−ジフルオロフェニル)エ
チニル−6−プロピルナフタレン(第1表中の式(I−
1)の化合物)の合成
【0080】
【化21】
【0081】(1−a) 2−メトキシ−6−プロピル
ナフタレンの合成 マグネシウム8gをテトラヒドロフラン(THF)15
mlに懸濁し、1−ブロモプロパン35gのTHF14
0ml溶液をTHFが穏やか還流する速度で滴下した。
滴下終了後もさらに1時間撹拌した後、過剰のマグネシ
ウムを濾別除去した。これを2−メトキシ−6−ブロモ
ナフタレン45g及び[1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノエタン)]ジクロロニッケル(II)0.7gの
THF180ml溶液に室温で滴下し、さらに1時間撹
拌した。水150mlを加え、酢酸エチル150mlで
抽出し、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を溜去し、2−メトキシ−6−プロピル
ナフタレン38gを得た。 (1−b) 6−プロピル−2−ナフトールの合成 上記(1−a)で得た2−メトキシ−6−プロピルナフ
タレン38gを酢酸120mlに加え、さらに47%臭
化水素酸120mlを加えて4時間加熱還流させた。室
温まで放冷し、水240mlを加え、析出した結晶を濾
過した。得られた結晶を水洗した後、減圧下に乾燥して
6−プロピル−2−ナフトール33gを得た。 (1−c) トリフルオロメタンスルホン酸6−プロピ
ルナフタレン−2−イルの合成 上記(1−b)で得た6−プロピル−2−ナフトール3
4gをジクロロメタン140mlに懸濁(一部溶解)さ
せ、トリフルオロメタンスルホン酸無水物62gを加え
氷冷した。撹拌下、ピリジン22gのジクロロメタン8
0ml溶液を20℃以下で滴下し、室温にもどし、さら
に1時間撹拌した。水200mlを加え、有機層を分離
し、水、飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ジクロロメタン)を用いて精製し、トリフルオ
ロメタンスルホン酸6−プロピルナフタレン−2−イル
57gを得た。 (1−d) 2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチ
ニル−6−プロピルナフタレンの合成 上記(1−c)で得たトリフルオロメタンスルホン酸6
−プロピルナフタレン−2−イル10.0g及び1−エ
チニル−3,4−ジフルオロベンゼン5.7gをN,N-ジ
メチルホルムアミド(DMF)50ml及びトリエチル
アミン10mlに溶解し、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウム(0)0.4g及びヨウ化銅(I)0.
1gを加え、50℃で1時間撹拌させた。水を加え、水
層を分離後、トルエンで抽出し、有機層をあわせ、水次
いで飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸ナトリウムで脱水
乾燥させた後、溶媒を溜去して2−(3,4−ジフルオ
ロフェニル)エチニル−6−プロピルナフタレンの粗結
晶11.0gを得た。これをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン)で精製し、さらにエタノールか
ら再結晶させて精製物5.5gを得た。相転移温度は第
1表にまとめて示した。 (実施例2) 2−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)エチニル−6−プロピルナフタレン(第1表中の式
(I−2)の化合物)の合成 実施例1の(1−d)において1−エチニル−3,4−
ジフルオロベンゼンに換えて、1−エチニル−3,4,
5−トリフルオロベンゼンを用いた他は同様にして2−
(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチニル−6−
プロピルナフタレンを得た。相転移温度は第1表にまと
めて示した。
【0082】同様にして以下の化合物を得た。 2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチニル−6−エ
チルナフタレン 2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチニル−6−ブ
チルナフタレン 2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチニル−6−ペ
ンチルナフタレン 2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチニル−6−ヘ
プチルナフタレン 2−(4−フルオロフェニル)エチニル−6−エチルナ
フタレン 2−(4−フルオロフェニル)エチニル−6−プロピル
ナフタレン 2−(4−フルオロフェニル)エチニル−6−ブチルナ
フタレン 2−(4−フルオロフェニル)エチニル−6−ペンチル
ナフタレン 2−(4−フルオロフェニル)エチニル−6−ヘプチル
ナフタレン 2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチニル−
6−エチルナフタレン 2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチニル−
6−ブチルナフタレン 2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチニル−
6−ペンチルナフタレン 2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチニル−
6−ヘプチルナフタレン (実施例3) 1−フルオロ−2−(3,4,5−トリ
フルオロフェニル)エチニル−6−プロピルナフタレン
(第1表中の式(I−3)の化合物)の合成
【0083】
【化22】
【0084】(3−a) 1−フルオロ−6−プロピル
−2−ナフトールの合成 実施例1の(1−b)で得た6−プロピル−2−ナフト
ール34.5gをジクロロメタン160mlに溶解し、
N−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジニウ
ム−2−スルホナート55gを加え、室温で10時間撹
拌させた。水を加え、有機層を分離し、水層はジクロロ
メタンで抽出した。有機層を併せ、水、次いで飽和食塩
水で洗滌し、無水硫酸マグネシウムで脱水乾燥させた。
溶媒を減圧溜去後、得られた粗生成物39.3gをアル
ミナカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル
=9/1)を用いて精製して、1−フルオロ−6−プロ
ピル−2−ナフトール38.6gを得た。 (3−b) トリフルオロメタンスルホン酸1−フルオ
ロ−6−プロピルナフタレン−2−イルの合成 上記(3−a)で得た1−フルオロ−6−プロピル−2
−ナフトールの全量を170mlのジクロロメタンに溶
解し、無水トリフルオロメタンスルホン酸33.2ml
を加え撹拌した。氷冷下、ピリジン18mlを滴下し、
同温度でさらに1時間撹拌した。酢酸エチルを加え、
水、次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸マグネシウム
で脱水乾燥させた。減圧下に溶媒を溜去して、トリフル
オロメタンスルホン酸1−フルオロ−6−プロピルナフ
タレン−2−イル44gを得た。 (3−c) 1−フルオロ−2−(3,4−ジフルオロ
フェニル)エチニル−6−プロピルナフタレンの合成 (3−b)で得たトリフルオロメタンスルホン酸1−フ
ルオロ−6−プロピルナフタレン−2−イル5gをDM
F25ml及びトリエチルアミン5mlに溶解し、ジブ
ロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)0.
4g、トリフェニルホスフィン0.3g、亜鉛粉0.1
g及びヨウ化銅(I)0.14gを加え室温で攪拌した。
これに1−エチニル−3,4−ジフルオロベンゼン3.
1gのDMF10ml溶液を滴下し、50℃で5時間撹
拌させた。水を加え、水層を分離後、トルエンで抽出
し、有機層をあわせ、水、次いで飽和食塩水で洗滌し
た。無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた後、溶媒を溜
去して1−フルオロ−2−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)エチニル−6−プロピルナフタレンの粗結晶5.1
gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン)を用いて精製し、さらにエタノールから再
結晶させて精製物3.4gを得た。
【0085】同様にして以下の化合物を得た。 1−フルオロ−2−(3,4−ジフルオロフェニル)エ
チニル−6−エチルナフタレン 1−フルオロ−2−(3,4−ジフルオロフェニル)エ
チニル−6−ブチルナフタレン 1−フルオロ−2−(3,4−ジフルオロフェニル)エ
チニル−6−ペンチルナフタレン 1−フルオロ−2−(3,4−ジフルオロフェニル)エ
チニル−6−ヘプチルナフタレン 1−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)エチニル
−6−エチルナフタレン 1−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)エチニル
−6−プロピルナフタレン 1−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)エチニル
−6−ブチルナフタレン 1−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)エチニル
−6−ペンチルナフタレン 1−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)エチニル
−6−ヘプチルナフタレン 1−フルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)エチニル−6−エチルナフタレン 1−フルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)エチニル−6−プロピルナフタレン(第1表中の式
(I−4)の化合物) 1−フルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)エチニル−6−ブチルナフタレン 1−フルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)エチニル−6−ペンチルナフタレン 1−フルオロ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)エチニル−6−ヘプチルナフタレン (実施例4) 液晶組成物の調製(1) 汎用のホスト液晶(H)
【0086】
【化23】
【0087】を調製した。このホスト液晶(H)は11
6.7℃以下でネマチック相を示し、その融点は11℃
である。この組成物の20℃における粘度、これを用い
て作製したセル厚6μmのTNセルの閾値電圧(Vt
h)、そのときの応答時間及び屈折率異方性(Δn)は
以下の通りであった。
【0088】 TN-I: 116.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.14V 誘電率異方性(Δε): 4.8 応答時間(τr=τd): 25.3m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、粘度及び応答時間は20℃における測定値であ
り、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時
間(τd)が等しくなる電圧印加時の測定値である。
【0089】次に、このホスト液晶(H)の80%及び
実施例1で得た本発明の化合物である式(I−1)
【0090】
【化24】
【0091】の化合物20%からなる液晶組成物(H−
1)を調製した。この物性値ならびにそれを用いて同様
に作製した液晶素子の電気光学的特性値は以下の通りと
なった。
【0092】 TN-I: 99.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.12V 誘電率異方性(Δε): 5.1 応答時間(τr=τd): 25.4m秒 屈折率異方性(Δn): 0.131 従って、本発明の式(I−1)の化合物を添加すること
により、応答を悪化させることなく、わずかではあるが
閾値電圧を低減し、屈折率異方性を大幅(ホスト液晶
(H)に対し0.04)に増大させていることがわか
る。
【0093】次に、この組成物を0℃で2週間放置した
が、結晶の析出や相分離等は観察されなかった。また、
−60℃に冷却して結晶化させ、その融点(TC-N)を
測定したところ、+1℃であった。従って、本発明の式
(I−1)の化合物は汎用の液晶との相溶性にも優れて
いることがわかる。 (比較例1)実施例4において、式(I−1)の化合物
に換えて、一般式(B)で表され式(I−1)の化合物
と類似の構造を有する式(B−1)
【0094】
【化25】
【0095】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
%)添加して比較組成物(H−B)を調製した。この組
成物の物性値ならびにそれを用いて同様に作製した液晶
素子の電気光学的特性値は以下の通りであった。
【0096】 TN-I: 75.5℃ 閾値電圧(Vth): 1.85V 誘電率異方性(Δε): 5.6 応答時間(τr=τd): 25.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.107 この結果から、式(B−1)の化合物の添加により閾値
電圧はより大きく低減され、応答もわずかながら高速化
されていることがわかる。しかしながら、ネマチック相
上限温度(TN-I)はホスト液晶(H)に対して40°
以上も低下してしまった。しかも、屈折率異方性はホス
ト液晶(H)に対して0.17しか増大させることがで
きなかった。 (比較例2)実施例4において、式(I−1)の化合物
に換えて、一般式(C)で表され式(I−1)の化合物
と類似の構造を有する式(C−1)
【0097】
【化26】
【0098】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
%)添加して比較組成物(H−C)を調製した。この組
成物の物性値ならびにそれを用いて同様に作製した液晶
素子の電気光学的特性値は以下の通りであった。
【0099】 TN-I: 109.5℃ 閾値電圧(Vth): 2.10V 誘電率異方性(Δε): 5.3 応答時間(τr=τd): 33.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.134 このように、式(C−1)の化合物の添加によりネマチ
ック相上限温度(TN- I)をほとんど降下させることな
く、閾値電圧を低減し、屈折率異方性を大きく増大させ
ていることがわかる。しかしながら、その応答はホスト
液晶(H)や本発明の式(I−1)の化合物を添加した
(H−1)と比較して大幅に遅くなってしまった。
【0100】次に、この組成物を0℃で放置したとこ
ろ、1週間で結晶が析出した。以上から広い温度範囲
と、低い閾値電圧と、大きい屈折率異方性及び高速応答
性を兼ね備えた液晶組成物を得る上において本発明の式
(I−1)の化合物は優れた効果を有していることがわ
かる。 (実施例5) 液晶組成物の調製(2) 実施例4において、式(I−1)の化合物に換えて、第
1表中に示された式(I−2)
【0101】
【化27】
【0102】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
%)添加して液晶組成物(H−2)を調製した。この組
成物の物性値ならびにそれを用いて作製した液晶素子の
電気光学的特性値は以下の通りとなった。
【0103】 TN-I: 94.1℃ 閾値電圧(Vth): 1.87V 誘電率異方性(Δε): 6.2 応答時間(τr=τd): 25.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.125 従って、(H−1)と比較してネマチック相上限温度が
やや低下し、屈折率異方性がやや減少しているものの、
同様の高速応答性を有し、閾値電圧はさらに低減されて
いることがわかる。
【0104】
【発明の効果】本発明により提供される、フェニルエチ
ニルナフタレン誘導体は、液晶性に優れ、現在汎用の液
晶化合物あるいは組成物との相溶性にも優れる。しかも
その添加により液晶組成物の屈折率異方性を大幅に増大
できるとともに、粘性が小さく、閾値電圧の低減にも優
れた効果を示す。また分子内に強い極性の基を含まない
ため、アクティブマトリックス駆動用としても使用可能
である。さらに、実施例にも示したように工業的にも製
造が可能であり、無色で化学的にも安定である。従っ
て、これを含有する液晶組成物は実用的液晶として、特
に温度範囲が広く、高速応答と低電圧駆動を必要とする
液晶表示用として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高津 晴義 東京都東大和市仲原3−6−27 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB64 EA23 4H027 BA01 BC04 BD01 BD02 BD03 BD04 BD07 BD08 BD09 CT04 DK04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基を表し、
    a、Xb及びXcはそれぞれ独立的に水素原子又はフッ
    素原子を表す。)で表されるフェニルエチニルナフタレ
    ン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、Xa及びXbの少
    なくとも一方がフッ素原子を表すところの請求項1記載
    のフェニルエチニルナフタレン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、Xa及びXbがと
    もにフッ素原子を表すところの請求項2記載のフェニル
    エチニルナフタレン誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式(I)において、Xcがフッ素原
    子を表すところの請求項1、2又は3記載のフェニルエ
    チニルナフタレン誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式(I)において、Rが炭素原子数
    2〜7の直鎖状アルキル基を表すところの請求項1、
    2、3又は4記載のフェニルエチニルナフタレン誘導
    体。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の一般
    式(I)で表される化合物を含有する液晶組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の液晶組成物を構成要素と
    する液晶素子。
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