JP2000025043A - シートのインサート成形方法及びその装置 - Google Patents

シートのインサート成形方法及びその装置

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JP2000025043A
JP2000025043A JP19324698A JP19324698A JP2000025043A JP 2000025043 A JP2000025043 A JP 2000025043A JP 19324698 A JP19324698 A JP 19324698A JP 19324698 A JP19324698 A JP 19324698A JP 2000025043 A JP2000025043 A JP 2000025043A
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JP
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sheet
cavity
mold
deformation
fixed side
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JP19324698A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Shimane
伸浩 島根
Yoshiaki Nishijima
良明 西島
Hiroshi Matsumoto
博史 松本
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートの溶融変形を抑制防止して適切にイン
サート成形することのできるシートのインサート成形方
法及びその装置を提供する。 【解決手段】 金型1のキャビティ2と、キャビティ2
内に溶融した成形材料3を導入するランナシステム4
と、キャビティ2内に先端部29aを突出させるシート
29用の変形防止手段5とを備える。そして、ランナシ
ステム4のゲート20を金型1の固定側6に設ける。ま
た、変形防止手段5を、往動時に金型1の固定側6方向
からシート29の先端部29aに面接触し、復動時には
シート29の先端部29aから復帰してキャビティ2の
固定側壁2aの一部を形成する変形規制子22から構成
する。射出工程時にシート29の先端部29aの全表面
に変形規制子22が当接するので、成形材料3の圧力と
熱が変形規制子22にシート29の先端部29aを介し
伝熱される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートのインサー
ト成形方法及びその装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インサート成形は、成形品30にボルト
等の金属部品を埋め込む場合に広く用いられているが、
近年、成形品30に電気・電子等の分野で使用されるシ
ート29の先端部29a等を埋設する場合にも用いられ
ている(図6参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シート
29は、合成樹脂を用いて一般に薄く成形されているの
で、インサート成形時に樹脂の圧力と熱(例えば、20
0℃)とで先端部29aが簡単に溶融変形してしまうと
いう問題があった(図7及び図8参照)。また、例え位置
決め具を使用しても、成形時にシート29が所定の位置
からずれて成形品30の外部に露出することが少なくな
かった。このようにシート29のインサート成形は実に
困難であった。
【0004】本発明は、上記問題に鑑みなされたもの
で、シートの溶融変形を抑制防止して適切にインサート
成形することのできるシートのインサート成形方法及び
その装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にお
いては、上記課題を達成するため、金型にシートを挿入
してその一部と成形品とを一体化する方法であって、 上記金型を型締めしてそのキャビティ内に上記シートの
一部を突出させ、このシートの一部に変形規制子を該金
型の固定側から面接触させる型締め工程と、上記キャビ
ティ内に成形材料を充填し、この成形材料の充填終了直
前以降に上記シートの一部から上記変形規制子を復帰さ
せるとともに、この変形規制子で上記キャビティの壁の
一部を形成する射出工程とを含んでなることを特徴とし
ている。
【0006】なお、上記型締め工程時に、上記シートの
一部外周に位置決め子を上記金型の固定側から接触さ
せ、上記射出工程時には、上記成形材料の充填終了直前
以降に上記シートの一部外周から上記位置決め子を復帰
させるとともに、この位置決め子で上記キャビティの壁
の一部を形成することが好ましい。
【0007】また、請求項3記載の発明においては、上
記課題を達成するため、金型のキャビティと、このキャ
ビティ内に成形材料を導くランナシステムと、該キャビ
ティ内に一部を突出させるシート用の変形防止手段とを
含み、該シートの一部と成形品とを一体化するものであ
って、 上記ランナシステムは上記金型の固定側にゲートを備
え、 上記変形防止手段は、往動時に該固定側方向から上記シ
ートの一部に面接触し、復動時には該シートの一部から
復帰して上記キャビティの壁の一部を形成する変形規制
子を備えてなることを特徴としている。
【0008】なお、上記シート用の一部位置決め手段を
備え、この一部位置決め手段を、往動時に上記固定側方
向から該シートの一部外周に接触し、復動時には該シー
トの一部外周から復帰して上記キャビティの壁の一部を
形成する位置決め子から構成することが望ましい。さら
に、上記シート用の残部固定手段を備え、この残部固定
手段を、該シートの残部面に開口面を対向させる排気路
と、この排気路内で該シートの残部面に僅かな隙間を介
して対向する接触面積拡大部材と、該排気路内を減圧し
て該接触面積拡大部材の対向面に該シートの残部を接触
させる減圧装置とから構成し、該排気路の開口面と該接
触面積拡大部材の対向面とのコーナ部をそれぞれ面取り
形成すると良い。
【0009】ここで、特許請求の範囲における金型は、
横形配置、縦形配置、2プレート型、3プレート型、多
数個取り、又は1個取りを特に問うものではない。ま
た、シートは、機械、電気、電子、又は包装等の各分野
で使用される一切のものをいう。このシートは、少なく
ともアクリルゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、オ
レフィンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フ
ッ素ゴム、スチレンブタジエンゴム、又はブタジエンゴ
ム等を用いて各種の大きさや形状に形成される。このよ
うなシートは、その先端部、末端部、又は側部が一部と
され、この一部がキャビティ内に突出する。また、変形
規制子は、黄銅やステンレス鋼等を使用して板形、ブロ
ック形、若しくはピン等に形成され、シートの一部の全
部又は一部分に面接触する。
【0010】変形規制子の往復動には、単数複数のシリ
ンダ(各種タイプのエアシリンダや油圧シリンダ)等から
なるアクチュエータを直接、又は各種機構と組み合わせ
て使用することができる。但し、成形材料の充填時の反
力やばねを使用することも可能である。成形材料には、
この種のインサート成形に使用可能な一切の樹脂やゴム
(例えば、フェノール樹脂、ポリエチレン、又はシリコ
ーンゴム等)が含まれる。また、充填終了直前以降であ
るから、充填終了直前時と充填終了時のいずれでも良
い。また、位置決め子は、黄銅やステンレス鋼等を使用
して板形、ブロック形、若しくはピン等に形成され、少
なくともシートの一部先端に接触する。この位置決め子
の往復動にも、上記アクチュエータ、各種機構、反力、
及び又はばねを使用することができる。
【0011】ランナシステムのゲートには、インサート
成形に適用可能な一切のゲート(例えば、サイドゲー
ト、タブゲート、又はフィルムゲート等)が含まれる。
さらに、排気路は、金型の固定側、及び又は可動側に設
けられる。さらにまた、接触面積拡大部材としては、断
面円形、矩形、多角形、楕円形、又は小判形等のピンを
使用することができる。
【0012】請求項1記載の発明によれば、金型にシー
トをセットして型締めするとともに、キャビティ内にシ
ートの一部を挿入し、この一部に変形規制子を面接触さ
せ、キャビティに成形材料を充填する。この際、成形材
料の圧力及び熱は、変形規制子にシートの一部を介して
伝熱される。成形材料の充填の終了直前、又は充填が終
了したら、シートの一部から変形規制子を離して復帰さ
せ、この変形規制子でキャビティの固定側壁の一部を形
成する。こうして変形規制子を復帰させると、シートの
一部と変形規制子との間に空間が生じるので、この空間
に成形材料を充填すれば、シートの一部を包んだ高品質
の成形品を得ることができる。
【0013】また、請求項2記載の発明によれば、キャ
ビティ内にシートの一部を挿入する際、位置決め子にシ
ートの一部外周を接触させる。こうすれば、所定の成形
位置にシートの一部を位置合わせしてそのずれを抑制防
止することができる。そして、キャビティに成形材料を
充填し、この充填の終了直前、又は充填が終了したら、
シートの一部から位置決め子を離して復帰させるととも
に、この位置決め子でキャビティの固定側壁の一部を形
成する。
【0014】請求項3記載の発明によれば、成形材料の
射出時にシートの一部に変形防止手段の変形規制子が面
接触するので、ゲートからキャビティに充填された成形
材料の圧力及び熱が変形規制子にシートの一部を介して
伝熱される。成形材料の充填の終了直前、又は充填が終
了したら、シートの一部から変形規制子が離れて復帰
し、この変形規制子がキャビティの固定側壁の一部を形
成する。こうして変形規制子が復帰すると、シートの一
部と変形規制子との間に空間が生じるので、この空間に
成形材料を充填すれば、シートの一部を包んだ高品質の
成形品を得ることができる。
【0015】また、請求項5記載の発明によれば、金型
にシートがセットされると、残部固定手段の減圧装置が
動作して排気路内を負圧にし、接触面積拡大部材の対向
面にシートの残部表面が吸着支持される。シートの残部
を固定できるので、シートのずれや脱落のおそれがな
い。また、排気路と接触面積拡大部材のコーナ部から角
が除去されているので、シートの残部を吸着しても、シ
ートの残部表面に接触跡が残るのを抑制防止することが
できる。さらに、シートの残部表面に接触面積拡大部材
の平坦な対向面が僅かな隙間を介して接近するので、シ
ートの残部を変形させることなく、適切な状態に支持固
定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態になんら
限定されるものではない。本実施形態におけるシートの
インサート成形方法及びその装置は、図1や図2に示す
ように、インサート成形用の金型1と、この金型1のキ
ャビティ2内に流動性の成形材料3を導入するランナシ
ステム4と、キャビティ2内に先端部29aを突出させ
るシート29用の変形防止手段5とを備えている。
【0017】金型1は、図示しない横形の射出成形機の
固定側プラテンに装着される固定側6と、射出成形機の
可動側プラテンに装着される可動側7とを開閉可能に備
え、これら固定側6と可動側7間のパーティングライン
(以下、PLという)には、キャビティ2とインサート室8
とがそれぞれ配設されている。固定側6は、固定側取付
板9と固定側型板10とを積層して備え、これら固定側
取付板9と固定側型板10の中心部には、ランナシステ
ム4用の装着穴が縦に穿設されている。固定側型板10
のPLには高精度のキャビティ2とインサート室8の一部
が隣接して凹設されている。
【0018】キャビティ2の固定側壁2aにはインサー
ト室8寄りの復帰穴11が穿設され、この復帰穴11の
直上には縮径のロッド孔、拡径のばね孔、及び最拡径の
支持孔が連続して縦に穿設されている。また、固定側型
板10の一側部から内部にかけては、変形防止手段5用
の溝穴12が横方向に穿設され、この溝穴12の下部と
支持孔とが相互に連通している。
【0019】可動側7は、突き出しロッド穴付きの可動
側取付板13、成形品30の突き出し距離を保つスペー
サブロック14、補強用の受け板15、及び可動側型板
16を積層して備えている。可動側型板16のPLには、
高精度のキャビティ2とインサート室8の一部が隣接し
て凹設されている。
【0020】ランナシステム4は、ロケートリング1
7、スプルブシュ18、ランナ19、及びサイドゲート
20を備え、射出成形機のノズルからキャビティ2に溶
融した成形材料3を導入するよう機能する。ロケートリ
ング17は、固定側取付板9の中心部に突出して装着さ
れ、射出成形機に対する金型1の取り付けを容易にする
よう機能する。また、ランナ19は固定側型板10に設
けられるとともに、断面円形、半円形、又は台形に形成
され、スプルブシュ18からサイドゲート20に成形材
料3を円滑に流動させる。さらに、サイドゲート20
は、固定側型板10に設けられ、ランナ19の終点に連
設されており、キャビティ2に対する成形材料3の入口
として機能する。
【0021】変形防止手段5は、固定側型板10の溝穴
12に装着される油圧シリンダ21と、この油圧シリン
ダ21の駆動で進退動する変形規制子22とを備えてい
る。油圧シリンダ21は、固定側型板10の溝穴12に
シリンダチューブ23が装着され、ピストンロッド24
の先端部には下面に傾斜面を備えた原動体25が取り付
けられており、この原動体25が溝穴12にガイドを介
し進退動可能に嵌入されている。
【0022】さらに、変形規制子22は、熱伝導性に優
れる材料を使用してブロック形に構成され、復帰穴11
にガイドを介し嵌入収容されている。この変形規制子2
2には、ロッド孔及びばね孔を貫通するロッド26が立
設され、このロッド26にはばね孔の復帰ばね27が嵌
通されており、ロッド26の上端部には支持孔にガイド
を介し嵌合する従動体28が支持されるとともに、この
従動体28の上部には原動体25の傾斜面と接触するこ
う配が形成されている。
【0023】上記構成において、合成樹脂製のシート2
9をインサート成形するには、先ず、金型1のインサー
ト室8にシート29をインサートして位置決めし、固定
側6と可動側7とを型締めする(図1参照)。この際、シ
ート29の一部である先端部29aは、キャビティ2内
に突出し、キャビティ2の固定側壁2aの変形規制子2
2と可動側壁2bとの間にそれぞれ隙間を区画形成する
(図2参照)。固定側6と可動側7とが型締めされると、
油圧シリンダ21が駆動して原動体25を突出させ、こ
の原動体25との接触に伴い従動体28が徐々に移動し
て変形規制子22を突出させ、シート29の先端部29
aの全表面に変形規制子22が当接する(図1参照)。
【0024】金型1の型締め工程が終了すると、成形材
料3の射出工程が開始される。すなわち、成形材料3
は、射出成形機からランナシステム4のロケートリング
17、スプルブシュ18、ランナ19、及びサイドゲー
ト20を順次通過してキャビティ2に徐々に圧入され
る。成形材料3の充填が終了直前になると、油圧シリン
ダ21が再度駆動して原動体25を後退させる。する
と、原動体25との離隔に伴い従動体28が復帰ばね2
7の復元作用で徐々に元の位置に移動して変形規制子2
2を復帰させ、シート29の先端部29aの全表面から
変形規制子22が離間して復帰穴11に嵌入するととも
に、変形規制子22がキャビティ2の固定側壁2aの一
部を面一に形成する。
【0025】こうしてシート29の先端部29aと変形
規制子22との間に隙間が生じると、この隙間に成形材
料3が圧入され、その後、保圧されて射出工程が終了す
る。射出工程が終了すると、成形品30は、一定時間冷
却された後、固定側6と可動側7とが型開きされること
により、シート29の先端部29aを包んだ合体状態で
取り出される(この点につき、図6参照)。
【0026】上記構成によれば、射出工程時にシート2
9の先端部29aの全表面に変形規制子22が当接する
ので、成形材料3の圧力と熱とが変形規制子22にシー
ト29の先端部29aを介して伝熱される。したがっ
て、シート29の先端部29aは、表裏両面から同時に
高温で加熱されることが全くなく、樹脂圧と熱とで溶融
変形することがない。また、この溶融変形の防止を通
じ、成形時にシート29が所定の位置からずれて成形品
30の外部に露出することがないので、シート29のイ
ンサート成形の著しい円滑化、適正化、及び容易化を図
ることができ、きわめて良好な製品を得ることができ
る。
【0027】次に、図3及び図4は本発明の第2の実施
形態を示すもので、この場合には、固定側6の固定側型
板10に内蔵穴31を穿設してこの内蔵穴31には油圧
シリンダ21を下向きに設置し、固定側型板10には、
シート29用の一部位置決め手段32と残部固定手段3
3とをそれぞれ取り付けるようにしている。
【0028】一部位置決め手段32は、変形防止手段5
と共用の油圧シリンダ21と、この油圧シリンダ21の
駆動で昇降する位置決め子34とを備えている。位置決
め子34は、熱伝導性に優れる材料を使用して断面縦長
に構成され、復帰穴11に隣接した収容穴にガイドを介
し進退動可能に嵌入収容されている。この位置決め子3
4には、油圧シリンダ21のピストンロッド24の先端
部が縦に挿着されている。
【0029】残部固定手段33は、排気路35、接触面
積拡大ピン36、及び負圧手段である減圧装置37を備
えている。排気路35は、固定側型板10内に断面ほぼ
円筒形に穿設され、シート29の残部29b表面に開口
面を対向させている。この排気路35の開口面の周縁部
(コーナ部)35aは、図4に示すように、丸く面取り形
成されている。
【0030】接触面積拡大ピン36は、細長いほぼ円柱
形に構成され、排気路35の内部中心に一体縦長に設け
られるとともに、下部の対向面36aをシート29の残
部29b表面に僅かな隙間(例えば、0.5mm)を介して
対向させている。この対向面36aの周縁部(コーナ部)
36bも、図4に示すように、丸く面取り形成されてい
る。さらに、減圧装置37は、排気路35の外周上部に
排気管38を介して接続されている。その他の部分につ
いては、上記実施形態とほぼ同様であるので説明を省略
する。
【0031】上記構成において、シート29をインサー
ト成形するには、先ず、油圧シリンダ21を駆動して位
置決め子34を所定の位置に予め下降させ、金型1のイ
ンサート室8にシート29をインサートし、固定側6と
可動側7とを型締めする(図1参照)。この際、減圧装置
37が駆動して排気路35内を負圧にし、接触面積拡大
ピン36の対向面36aにシート29の残部29b表面
が吸着される。また、シート29の一部である先端部2
9aは、キャビティ2内に突出するとともに、キャビテ
ィ2の固定側壁2aの変形規制子22と可動側壁2bと
の間にそれぞれ隙間を区画形成し、位置決め子34の立
面に適正に当接して位置決めされる。固定側6と可動側
7とが型締めされると、油圧シリンダ21が駆動して変
形規制子22を突出させ、シート29の先端部29aの
全表面に変形規制子22が当接する。
【0032】金型1の型締め工程が終了すると、成形材
料3の射出工程が開始される。すなわち、成形材料3
は、射出成形機からランナシステム4のロケートリング
17、スプルブシュ18、ランナ19、及びサイドゲー
ト20を順次通過してキャビティ2に徐々に圧入され
る。成形材料3の充填が終了直前になると、油圧シリン
ダ21が再度駆動して位置決め子34と変形規制子22
とをそれぞれ復帰させ、これら位置決め子34と変形規
制子22とがキャビティ2の固定側壁2aの一部を面一
に形成する。
【0033】こうしてシート29の先端部29aとキャ
ビティ2の固定側壁2aとの間に隙間が生じると、この
隙間に成形材料3が圧入され、その後、保圧されて射出
工程が終了する。射出工程が終了すると、成形品30
は、一定時間冷却された後、固定側6と可動側7とが型
開きされることにより、シート29の先端部29aを包
んだ合体状態で取り出される。
【0034】本実施形態においても、上記実施形態と同
様の作用効果が期待でき、しかも、位置決め子34でシ
ート29の先端部29aを位置決めするので、非常に困
難だった正確な位置合わせが実に簡単になる。また、減
圧装置37により、インサート室8のシート29の残部
29bをも位置決め固定することができるので、正確な
位置合わせの他、金型1が横形配置の場合でもシート2
9の脱落のおそれが全くない。また、排気路35と接触
面積拡大ピン36の周縁部から角部が全て除去されてい
るので、シート29の残部29bを吸着しても、シート
29の残部29b表面に吸着跡が強く残存するのをきわ
めて有効に抑制防止することが可能になる。
【0035】さらに、シート29の残部29b表面に接
触面積拡大ピン36の平坦な対向面36aが僅かな隙間
を介して近接対向するので、シート29の残部29bを
変形湾曲させることなく、適正な状態で強固に吸着固定
することができる。さらにまた、油圧シリンダ21と位
置決め子34及び変形規制子22とが直接連結されてい
るので、原動体25、従動体28、及び復帰ばね27等
を省略することができ、上記実施形態に比べ、構成の簡
素化や部品点数の大幅な削減が期待できる。
【0036】なお、図5に示すように、サイドゲート2
0の場合、金型分割面をサイドゲート20側とインサー
ト室8側とで異ならせて高低差をつけ、サイドゲート2
0の延長線上方にシート29の裏面を位置させるように
しても良い。こうすれば、シート29の裏面とキャビテ
ィ2との間に成形材料3を円滑に充填することができ
る。また、原動体25を大きく長く構成し、変形規制子
22の復帰時においても、原動体25と従動体28とを
常時接触させるようにしても良い。また、固定側6と可
動側7との型締め時にシート29の先端部29aに変形
規制子22を当接させるものを示したが、固定側6と可
動側7との型締め前に変形規制子22を突出させること
もできる。
【0037】また、第2の実施形態において、油圧シリ
ンダ21と位置決め子34及び変形規制子22とを連結
するのではなく、第1の実施形態の原動体25、従動体
28、及び復帰ばね27等を用いて変形規制子22を進
退動させるようにすることも可能である。さらに、上記
実施形態においては、横形の射出成形機に金型1を装着
するものを示したが、なんらこれに限定されるものでは
ない。例えば、立形の射出成形機に金型1を装着した
り、あるいはロータリテーブル等に複数の可動側7を配
置し、シート29の装填作業の迅速化や容易化等を図る
ようにしても良い。
【0038】
【発明の効果】以上のように請求項1又は3記載の発明
によれば、シートが溶融変形したり、あるいは所定の位
置からずれて外部に露出するのを有効に防止することが
でき、これを通じてシートのインサート成形の円滑化や
容易化が期待できるという効果がある。さらに、請求項
2又は4記載の発明によれば、インサートが困難なシー
トを簡単に位置決めすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシートのインサート成形方法及び
その装置の実施形態を示す一部断面説明図である。
【図2】本発明に係るシートのインサート成形方法及び
その装置の実施形態を示す断面説明図である。
【図3】本発明に係るシートのインサート成形方法及び
その装置の第2の実施形態を示す断面説明図である。
【図4】図3のIV部分を拡大して示す要部拡大断面図で
ある。
【図5】本発明に係るシートのインサート成形方法及び
その装置の他の実施形態を示す断面説明図である。
【図6】従来の良好な成形品を示す説明図である。
【図7】従来の不適切な成形品を示す説明図である。
【図8】従来の不適切な成形品を示す説明図である。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ 2a 固定側壁 2b 可動側壁 3 成形材料 4 ランナシステム 5 変形防止手段 6 固定側 7 可動側 8 インサート室 19 ランナ 20 サイドゲート 22 変形規制子 29 シート 29a 先端部 29b 残部 30 成形品 32 一部位置決め手段 33 残部固定手段 34 位置決め子 35 排気路 35a 周縁部 36 接触面積拡大ピン(接触面積拡大部材) 36a 対向面 36b 周縁部 37 減圧装置
フロントページの続き (72)発明者 松本 博史 埼玉県大宮市吉野町1−406−1 信越ポ リマー株式会社東京工場内 Fターム(参考) 4F202 AA04 AA37 AA45 AD05 AD08 CA11 CB12 CK43 CK52 CQ03 CQ06 4F206 AA04 AA37 AA45 AD05 AD08 JA07 JB12 JF05 JF23 JL02 JM02 JM04 JN25 JQ81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型にシートを挿入してその一部と成形
    品とを一体化するシートのインサート成形方法であっ
    て、 上記金型を型締めしてそのキャビティ内に上記シートの
    一部を突出させ、このシートの一部に変形規制子を該金
    型の固定側から面接触させる型締め工程と、上記キャビ
    ティ内に成形材料を充填し、この成形材料の充填終了直
    前以降に上記シートの一部から上記変形規制子を復帰さ
    せるとともに、この変形規制子で上記キャビティの壁の
    一部を形成する射出工程とを含んでなることを特徴とす
    るシートのインサート成形方法。
  2. 【請求項2】 上記型締め工程時に、上記シートの一部
    外周に位置決め子を上記金型の固定側から接触させ、上
    記射出工程時には、上記成形材料の充填終了直前以降に
    上記シートの一部外周から上記位置決め子を復帰させる
    とともに、この位置決め子で上記キャビティの壁の一部
    を形成するようにした請求項1記載のシートのインサー
    ト成形方法。
  3. 【請求項3】 金型のキャビティと、このキャビティ内
    に成形材料を導くランナシステムと、該キャビティ内に
    一部を突出させるシート用の変形防止手段とを含み、該
    シートの一部と成形品とを一体化するシートのインサー
    ト成形装置であって、 上記ランナシステムは上記金型の固定側にゲートを備
    え、 上記変形防止手段は、往動時に該固定側方向から上記シ
    ートの一部に面接触し、復動時には該シートの一部から
    復帰して上記キャビティの壁の一部を形成する変形規制
    子を備えてなることを特徴とするシートのインサート成
    形装置。
  4. 【請求項4】 上記シート用の一部位置決め手段を備
    え、この一部位置決め手段は、往動時に上記固定側方向
    から該シートの一部外周に接触し、復動時には該シート
    の一部外周から復帰して上記キャビティの壁の一部を形
    成する位置決め子を備えてなる請求項3記載のシートの
    インサート成形装置。
  5. 【請求項5】 上記シート用の残部固定手段を備え、こ
    の残部固定手段は、該シートの残部面に開口面を対向さ
    せる排気路と、この排気路内で該シートの残部面に僅か
    な隙間を介して対向する接触面積拡大部材と、該排気路
    内を減圧して該接触面積拡大部材の対向面に該シートの
    残部を接触させる減圧装置とを含み、該排気路の開口面
    と該接触面積拡大部材の対向面とのコーナ部をそれぞれ
    面取り形成した請求項3又は4記載のシートのインサー
    ト成形装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007098863A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Calsonic Kansei Corp 発泡成形装置
CN110406015A (zh) * 2019-08-29 2019-11-05 四川科思精密模具有限公司 一种注塑模具嵌件固定装置

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