JP2000021028A - 回折格子パターンを有する光データ記録ディスクおよび記録情報の読み取り方法 - Google Patents

回折格子パターンを有する光データ記録ディスクおよび記録情報の読み取り方法

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JP2000021028A
JP2000021028A JP10187871A JP18787198A JP2000021028A JP 2000021028 A JP2000021028 A JP 2000021028A JP 10187871 A JP10187871 A JP 10187871A JP 18787198 A JP18787198 A JP 18787198A JP 2000021028 A JP2000021028 A JP 2000021028A
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Akihiko Kobayashi
昭彦 小林
Yasumasa Kamata
康昌 鎌田
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ソフトウェアを記録した記録媒体の中でも、特
に回転式でのデータ読み取り手段を用いる光学式記録デ
ィスクに適した、違法な複製行為に対して極めて抑止効
果の高い光データ記録ディスクとその記録情報の読み取
り方法の提供。 【解決手段】データ記録領域外の表面に、光学読み取り
の可能な回折格子パターンを有する光データ記録ディス
クであって、回折格子パターンが、前記ディスクの中心
を基準として、同心円状に配置されてなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に情報を再
生する光データ記憶ディスクおよびその記録情報の読み
取り方法に関し、特に、データ記録領域外の表面に、光
学読み取りの可能な回折格子パターンを配置することに
より、セキュリティ性の向上を図ったROM型の光デー
タ記憶ディスクおよびその記録情報の読み取り方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光学式記録媒体では、記録媒体
とヘッドが非接触であり、かつ高密度の記録が可能であ
る。光学式記録媒体としては、読出し専用のもの,追加
書込み可能なもの,消去再書込み可能なものなど、種々
のものが知られている。
【0003】この種の光学式記録媒体としては、既に、
例えば光学式記録ディスク(CD,CD−ROM,CD
−I,LDなど)の形で、色々な分野で実用に供されて
いる。
【0004】近年、急速なデジタル化の進化で、CDで
は、音楽ソフトの他に、これまでは書籍の形態であった
百科事典や電話帳などのデータ、あるいはゲームソフ
ト,コンピュータソフトが記録された所謂ROM型の普
及が著しい。(ROMとは、読み出し専用のメモリを指
し、決まったデータやプログラムを記録し、コンピュー
タと組み合わせて、その記録内容を読み出すわけである
が、ここでは、コンピュータなしで専用のプレーヤーで
読み取るものも、ROMと呼ぶことにする。)
【0005】一方、データの高密度化の達成でDVDが
登場し、今までLDにアナログ記録されていた映画やコ
ンサートなどのソフトが、デジタル記録の形で上市され
て来ている。DVDは、ユーザデータ容量が、片面だけ
でCDの約7倍の4. 7GByte で、MPEG2対応の高
精細な動画や、例えば8個の音声チャンネルを記録する
ことができるなどの特長がある。現在は、データ記録媒
体として単層片面タイプが普及しつつあるが、2層片面
タイプ(容量=8. 5GByte )へと普及が進んでいくと
考えられている。
【0006】DVD−ROMを製造する場合、初めに主
として、ビデオ信号からなるデジタル情報は、幅と深さ
が一様であるが周長の異なるピットをマスタディスクの
表面に形成することにより、マスタディスクに記録され
る。
【0007】これらのピットは、ディスクの表面コーテ
ィングをレーザービームで選択的に露光することにより
形成され、これには、アルゴンレーザからの457.9
nm線の様な青スペクトル線が通常用いられる。
【0008】通常、表面コーティングは、高分解能のポ
ジ型フォトレジストよりなり、ガラス基板上にスピンコ
ート法などにより形成される。レーザービームにより露
光された領域を、腐食性の現像液を用いて除去すること
により、マスタディスクが現像される。この様に形成さ
れるピットの深さは、通常0.1〜0.2μmの範囲に
ある。
【0009】露光・現像されたマスタディスクには、次
に、金蒸着や銀鏡法などを用いて、薄い導電層が形成さ
れる。次に、ニッケル電鋳槽に入れられ、その中で導電
層上にニッケル層が積層されて成型用スタンパが得られ
る。
【0010】上記スタンパを用いて、プレス成型または
真空成型(インジェクション)などにより、ディスクが
大量複製される。ポリカーボネートディスクへスタンパ
の信号パターンが型押しされ、その結果得られた0.6
mm厚のポリカーボネートディスクに反射性薄膜層,お
よびラッカーの保護コーティング層が設けられる。
【0011】得られた2枚のポリカーボネートディスク
の保護層の双方もしくは片方にホットメルト(HM)接
着剤や紫外線硬化型接着剤をロールコーター法,スピン
コート法,スクリーン印刷法などで塗布して、お互いの
接着層を貼り合わせて、2層片面タイプの1.2mm厚
のDVDを得る。単層片面および2層片面タイプの場
合、読み取り面と反対側は、読み取りには一切使用され
ない。
【0012】通常、単層片面タイプの場合は、反射性薄
膜層としてはAlが用いられ、2層片面タイプの場合
は、読み取り光の照射側から見て手前側の反射性薄膜層
として半透明膜のAuが、奥側の反射性薄膜層として全
反射膜のAlが用いられている。
【0013】CD−ROMを製造する場合は、詳細は省
略するが、DVD−ROMより単純で、記録ピットがポ
リカーボネートディスクへ型押しされ、その結果得られ
た1.2mm厚のポリカーボネートディスクにアルミニ
ウム層およびラッカーの保護コーティング層が設けられ
て基本的には出来上がる。
【0014】CD−ROM,DVD−ROM共に、読み
取り専用であるため、デジタル情報の違法な複製行為に
対しては、ピットパターンをそのままコピーされてしま
えば、完全に無防備である。
【0015】上記のような光学式記録ディスクが複製さ
れた場合、複製物か否かの真偽判別を行なう上での有効
な手法として、下記の提案が公知である。
【0016】(1)特表平6−508712号公報 デジタル記録情報とホログラフィック像とを有する光学
式記録ディスクに係る提案であり、ホログラフィック像
を、デジタル記録情報が占有する領域と異なる領域(例
えば、ホログラフィック像を、デジタル記録情報が占有
する中心領域を取り囲む環状領域)に配置する。
【0017】(2)特表平7−500938号公報 デジタル記録情報とホログラフィック像とを有する光学
式記録ディスクに係る他の提案であり、光学式記録ディ
スクの片面にデジタルデータ記録をなす凹凸パターンが
形成され、その片面がメタライズ加工され、さらに、そ
の上に層がコーティングされ、その上にホログラフィッ
ク像を形成するレリーフパターンがエンボス加工され
る。ホログラムは、ディスクの全面にわたって形成する
ことができ、ディスクの上面から見ることができる。デ
ジタル情報は、ディスクの下面から通常の方法により読
み取ることができる。
【0018】上記(1)(2)共に、その明細書には
「真偽判別」または「装飾性の向上」についての如何な
る目的も開示されておらず、ディジタル記録情報とホロ
グラフィック像とを同一の光学式記録ディスクに共存さ
せる思想と手法のみが記載されているが、ホログラフィ
ック像による情報の機械読み取りについての思想は一切
開示されていない。
【0019】ホログラムや回折格子には、装飾画像とし
てだけではなく、情報コードや信号を記録して、それら
を読み取る機能を持たせることも可能であり、各種の提
案が公知である。
【0020】ホログラムや回折格子の機械読み取りに対
する適性を利用し、複写物による使用を防止したソフト
ウェア記録媒体と、その情報読み取り装置、複写物使用
防止システム、及び複写物使用防止方法に関する下記の
提案が公知である。
【0021】(3)特開平9−305396号公報 ソフトウェアを記録した記録媒体のソフトウェアの読み
取り領域及び書き込み領域以外の領域に読み取り可能な
情報aを設けるとともに、ソフトウェアの読み取り領域
及び書き込み領域内に情報aとマッチング処理するため
の情報a’を読み取り可能に記録し、記録媒体のソフト
ウェアを読み取るときに、情報aと情報a’とを読み取
ってマッチング処理し、そのマッチングの有無により記
録媒体が複写物であるか否かを判別し、記録媒体が複写
物であると判別したときに、その記録媒体の使用を拒否
する。ソフトウェアは磁気的又は光学的に読み取り可能
に記録されており、情報aとしては、表面凹凸パターン
による光回折構造により形成されていても良い。
【0022】上記(3)の提案は、たとえプロテクトに
よりソフト・ウェアを保護しても、プロテクトを解除す
るためのプログラムがすぐに出回るため、違法コピーを
十分に防止することができなかったという従来の問題
を、ソフト・ウェアの記録媒体自体に上記のような情報
aと情報a’を持たせると共に、マッチング処理をも行
なわせることによって解決するものである。
【0023】記録媒体自体に持たせた情報a(情報記録
領域外)と情報a’(情報記録領域内)をマッチングす
ることにより、媒体の真偽判別を図る思想を有する提案
としては、上記(3)以前に、特開平5−262078
号公報・特開平5−266274号公報などが公知であ
る。
【0024】ただし、記録媒体は、情報aと情報a’を
持っていても、それのみではセキュリティ性が不十分で
ある。すなわち、情報aと情報a’の双方の複製が可能
ならば、記録媒体の不正使用を妨げることは不可能であ
り、記録媒体の読み取り(書き込み)を行なうシステム
全体として、初めてセキュリティ性の向上が実現され
る。
【0025】その点、上記(3)は、記録媒体中にシス
テムを組み込んだ発想であるため、記録媒体のみでもセ
キュリティ性が十分となる。しかし、記録媒体が最低限
有するべき情報(ソフト・ウェア)以外の情報(マッチ
ング・プログラムなど)を担持することになり、容量や
コストの上で得策であるかは疑問である。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ソフトウェ
アを記録した記録媒体の中でも、特に回転式でのデータ
読み取り手段を用いる光学式記録ディスクに適した、違
法な複製行為に対して極めて抑止効果の高い光データ記
録ディスクとその記録情報の読み取り方法を提供するこ
とを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、デー
タ記録領域外の表面に、光学読み取りの可能な回折格子
パターンを有する光データ記録ディスクであって、回折
格子パターンが、前記ディスクの中心を基準として、同
心円状に配置されてなることを特徴とする。
【0028】請求項2の発明は、回折格子パターンが、
前記ディスクの中心を基準として、それぞれ中心からの
距離が異なる複数本の同心円状であることを特徴とす
る。
【0029】請求項3の発明は、回折格子パターンが、
非連続的な複数の領域からなっており、それぞれの領域
内での回折格子の空間周波数は同一であることを特徴と
する。
【0030】請求項4の発明は、回折格子パターンが、
非連続的な複数の領域からなっており、それぞれの領域
内での回折格子の空間周波数および/または方向は異な
ることを特徴とする。
【0031】請求項5の発明は、データ記録領域外の表
面に、光学読み取りの可能な回折格子パターンを有する
光データ記録ディスクの記録情報の読み取り方法であっ
て、前記ディスクを回転させながら、回折格子パターン
に読み取り光を照射し、回折格子パターンからの出射回
折光を受光し、受光された情報と基準情報とを比較する
ことで、前記ディスクの真偽の判別を行ない、真正であ
ることが判別された場合にのみ、記録データを読み取る
ことが可能となることを特徴とする。
【0032】請求項6の発明は、回折格子パターンに照
射する読み取り光が、記録データを読み取る際に用いる
ものと同一であることを特徴とする。
【0033】請求項7の発明は、出射回折光からなる情
報と比較される基準情報が、光データ記録ディスクに応
じて個別に読み取り装置に入力されるパスワードである
ことを特徴とする。
【0034】請求項8の発明は、出射回折光からなる情
報と比較される基準情報が、予め読み取り装置内に備わ
ったものであることを特徴とする。
【0035】請求項9の発明は、出射回折光からなる情
報と比較される基準情報が、予め読み取り装置内に備わ
ったものと、光データ記録ディスクに応じて個別に読み
取り装置に入力されるパスワードの双方からなることを
特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を説
明する。図1は、請求項1および請求項3の光データ記
録ディスクの一例を示す説明図であり、図1(a)は、
リードイン領域3の内側に回折格子パターン10を設け
たものであり、共に等しい中心点を持つ円4と円5の間
の輪帯状の領域を、ディスクの中心(それぞれの円の中
心)から引いた直線によって、パターンを構成する領域
が形成される。それぞれの領域内での回折格子の空間周
波数(ハッチングのピッチ)は一定であり、その方向は
ディスクの中心を基準にして、同心円状に配列されてい
る。
【0037】図1(b)も、リードイン領域3の内側に
回折格子パターン11を設けたものであるが、図1
(a)と異なり、円4と円5の間の輪帯状の領域の分割
の仕方はランダムで規則性はない。しかしながら、それ
ぞれの領域内での回折格子の空間周波数(ハッチングの
ピッチ)は一定であり、その方向はディスクの中心を基
準にして、同心円状に配列されている。
【0038】図2は、請求項1および請求項4の光デー
タ記録ディスクの一例を示す説明図であり、リードイン
領域3の内側に回折格子10および回折格子12を設け
てなるパターンであり、共に等しい中心点を持つ円4と
円5の間の輪帯状の領域を、ディスクの中心(それぞれ
の円の中心)から引いた直線によって、それぞれのパタ
ーンを構成する領域が形成される。それぞれの領域内で
の回折格子の空間周波数(ハッチングのピッチ)は一定
で、その方向はディスクの中心を基準にして、同心円状
に配列されているが、回折格子10と回折格子12とで
は、空間周波数は異なっている。
【0039】図3は、請求項2および請求項3の光デー
タ記録ディスクの一例を示す説明図であり、図3(a)
は、リードイン領域3の内側に2本の回折格子パターン
10および13を設けたものである。回折格子パターン
10は、共に等しい中心点を持つ円4と円5の間の輪帯
状の領域を、ディスクの中心(それぞれの円の中心)か
ら引いた直線によって、それぞれのパターンを構成する
領域が形成される。それぞれの領域内での回折格子の空
間周波数(ハッチングのピッチ)は一定であり、その方
向はディスクの中心を基準にして、同心円状に配列され
ている。回折格子パターン13は、共に等しい中心点を
持つ円4と円6の間の輪帯状の領域を、ディスクの中心
(それぞれの円の中心)から引いた直線によって、それ
ぞれのパターンを構成する領域が形成される。それぞれ
の領域内での回折格子の空間周波数(ハッチングのピッ
チ)は一定であり、その方向はディスクの中心を基準に
して、同心円状に配列されている。
【0040】図3(b)も、リードイン領域3の内側に
回折格子パターン11および14を設けたものである
が、図3(a)と異なり、円4と円5の間(および、円
4と円6の間)の輪帯状の領域の分割の仕方はランダム
で規則性はない。しかしながら、それぞれのパターンを
構成する領域内での回折格子の空間周波数(ハッチング
のピッチ)は一定であり、その方向はディスクの中心を
基準にして、同心円状に配列されている。
【0041】図4は、請求項4の光データ記録ディスク
の一例を示す説明図であり、図4(a)は、図1(a)
と同様に領域分割した回折格子パターンにおいて、回折
格子のない輪帯状の領域に、方向の異なる回折格子を配
置した構成である。
【0042】図4(b)は、図3(b)と同様に領域分
割した回折格子パターンにおいて、回折格子のない輪帯
状の領域に、方向の異なる回折格子を配置した構成であ
る。
【0043】図4(a)(b)および図2の場合でも、
同一の輪帯状のパターンでは、空間周波数および/また
は方向の異なる回折格子からは、異なる回折光が出射す
ることになるが、後述する読み取りの際には、異なる回
折格子からの回折光は、両方共に受光されないように設
計する必要がある。
【0044】上記のような光データ記録ディスク(成型
用スタンパ)を得る方法としては、以下の2つの方法が
考えられる。
【0045】(A)ピットパターンを形成するマスタデ
ィスクとなるフォトレジスト面上に、ピットと一緒に
(ただし、露光する順序は別々になる)回折格子パター
ンを露光・現像で形成し、これに金蒸着や銀鏡法などに
より薄い導電層を形成し、次いでニッケル電鋳槽に入
れ、その中で導電層上にニッケル層を積層することによ
って、成型用スタンパを得る。
【0046】(B)ピットパターンのみが形成された成
型用スタンパにより、一旦、樹脂成型シートにピットパ
ターンを成型し、その上に、別に形成された回折格子パ
ターンの形成されたスタンパにより、回折格子パターン
を成型して、これから金蒸着や銀鏡法などにより薄い導
電層を形成し、次いでニッケル電鋳槽に入れ、その中で
導電層上にニッケル層を積層することによって、成型用
スタンパを得る。
【0047】回折格子パターンを作製する方法として
は、各領域に合わせた形状の開口部を設けた遮光マスク
を用いて、フォトレジスト上にコヒーレント光(レーザ
ー光)の2光束干渉によって形成する方法がある。この
方法は、2本のレーザー光をフォトレジスト上で交叉さ
せ、露光することにより、双方のレーザー光が交叉する
領域で形成される干渉縞からなる回折格子を、露光記録
する方法(2光束干渉法)である。しかしながら、領域
毎に開口部の形状を変更した遮光マスクを作製すること
は大変困難であり、効率的な方法とは言い難い。
【0048】遮光マスクを使用せずに、回折格子パター
ンを作製する方法として、コヒーレント光(レーザービ
ーム)の2光束干渉によって、回折格子からなる微小な
ドットを、基板表面に所望に配置する方法があり、本出
願人による特開昭60−156004号公報・特開平2
−72319号公報・特開平5−72406号公報など
に例示される方法が公知である。上記方法は、2本のレ
ーザービームを、フォトレジスト上でドット単位で交叉
させて露光することにより、双方のレーザービームを干
渉させて、ドットに形成される微小な干渉縞からなる回
折格子を、そのピッチ・方向・光強度を適宜変化させな
がら次々と露光記録し、回折格子ドット(セル)の集ま
りからなるパターンを作製する方法である。
【0049】上記方法は、CD−ROM,DVD−RO
Mのマスタディスクに用いる感光剤の一般的な感度から
言って、(A)の方法にも(B)の方法にも適用でき
る。
【0050】回折格子パターンの形成方法としては、2
光束干渉の他に、電子線(エレクトロン・ビーム=E
B)により、格子縞をEBレジスト上に直接描画し、回
折格子ドット(セル)を配置する方法を採用しても良
い。前記方法は、本出願人による特開平2ー72320
号公報などにより公知である。この方法は、上記の感光
剤の一般的な感度から言って、(A)には困難で、
(B)の方法に適用できる。
【0051】次に、本発明の回折格子パターンの読み取
り方法について説明する。図5は、本発明の光データ記
録ディスクにおける、ピットによる記録情報の読み取り
と回折格子パターンの読み取りの概略を示している。本
来の読み取りは、ディスクの下方からであるが、便宜的
に天地をひっくり返して説明する。
【0052】図5(a)では、回折格子パターンが、デ
ィスクの中心に対して1本の輪帯状パターンの場合を示
している。(請求項1に相当し、図1(a)に示す場
合)この場合、光データ記録ディスクのピットによる記
録情報は、光ピックアップ20で読み取られる。発光素
子21には、半導体レーザが用いられ、受光素子25に
は、フォトダイオードが用いられる。
【0053】DVDとCDとデータの再生の互換性を持
たせる為に、DVDとCDとでレンズ24を交換する
「2レンズ一体型切り替え式ピックアップ」や、レンズ
24にCDおよびDVD用に2重焦点化したホログラム
一体非球面ガラス成型レンズを用いた「2焦点方式ピッ
クアップ」が用いられ、光ピックアップ20が、回転し
ている光データ記録ディスクのリードイン領域とリード
アウト領域の間を移動して、記録情報(データ)を読取
る。
【0054】一方、回折格子パターンの読み取り装置2
6は、光ピックアップ20が、読み取りに際して、直線
的な移動をするのに対して、その位置は固定されてい
る。図5(a)では、発光素子27からの光がディスク
面に垂直に入射し、格子縞は、その方向がディスクの中
心を基準にして、同心円状に配列されているため、1次
回折光,2次回折光などは、一定の方向にしか出射回折
されない。
【0055】同図では、±1次回折光の一方側のみを、
受光素子28で受ける構成である。回折格子パターンの
読み取り装置26においても、発光素子27には、半導
体レーザを用い、受光素子28には、フォトダイオード
を用いる。ただし、残りの1次回折光や±2次回折光や
±3次回折光などが、光ピックアップ20での読み取り
に悪影響を及ぼさないように、回折格子パターンの読み
取り装置26の配置を設計する必要がある。
【0056】図5(b)では、回折格子パターンが、デ
ィスクの中心に対して2本の輪帯状パターンの場合を示
している。(請求項2に相当し、図3(a)に示す場
合)光データ記録ディスクのピットによる記録情報の読
み取りは、図5(a)と全く同じである。
【0057】回折格子パターンの読み取り装置29も、
光ピックアップ20が、読み取りに際して、直線的な移
動をするのに対して、その位置は固定されている。発光
素子30からの光が、ディスク面のリードイン領域の内
側の回折格子パターンに垂直に入射し、±1次回折光の
一方側のみを、受光素子31で受ける。
【0058】発光素子32からの光は、ディスク面のリ
ードイン領域の外側の回折格子パターンに垂直に入射
し、±1次回折光の一方側のみを、受光素子33で受け
る。回折格子パターンの読み取り装置29においても、
発光素子30,32には、半導体レーザを用い、受光素
子31,33には、フォトダイオードを用いる。
【0059】ただし、各々の回折格子パターンの残りの
1次回折光や±2次回折光や±3次回折光などが、光ピ
ックアップ20での読み取りに悪影響を及ぼさないよう
に、また、ディスク面のリードイン領域の内側の回折格
子パターンからの2次以上の回折光が外側の回折格子パ
ターンに対する受光素子33に入って悪影響を及ぼさな
いように、パターン内の回折格子の設計や読み取り装置
26の配置・感度の設計をする必要がある。
【0060】図1(b),図2,図3(c),図4
(a)(b)に相当する回折格子パターンの読み取りに
ついては説明しなかったが、これらの場合も、上記と同
様に、パターン内の回折格子の設計や読み取り装置26
の配置・感度の設計をする必要がある。
【0061】回折格子パターンからの反射回折光を受光
した信号は、その強弱がアナログ信号に変換され、さら
に“1”か“2”の2値化を行い、デジタル信号に変換
される。図5(a)(b)それぞれについてデジタル変
換した波形の例を、図6(a)(b)に示す。何れもデ
ィスクのある位置から1回転した間の波形である。(請
求項4の仕様の回折格子パターンの場合でも、回折格子
パターン領域以外からの回折光は受光部には感知されな
いので、同様な信号を得ることができる。)
【0062】これらをデコード回路により数字や文字に
データ変換することが可能である。各々のデータにおい
て、バーコードで言うスタートキャラクター,ストップ
キャラクターに当たる信号を定義すれば、回転しながら
バーコードと同じように数字や文字の情報の読み取りを
行うことができる。図6(b)の場合は、データが2組
あり、より複雑なデータとすることができる。
【0063】回折格子パターンおよび(ピットによる)
記録情報の読み取りは、上記のようにして行なわれる
が、回折格子パターンと記録情報は共に同心円状に記録
されており、ディスクを回転させての読み取り光の照射
によって読み取られる。そのため、回折格子パターンの
読み取りは、記録情報の読み取りと同程度の高い精度で
行なうことが可能であり、場合によっては、記録情報の
読み取りに用いる読み取り光と同一の光源を用いること
も可能である。(請求項6)
【0064】回折格子パターンによる真偽判定にあたっ
ては、回折格子パターンからの出射回折光を受光し、受
光された情報と基準情報とを比較する。基準情報は読み
取り装置自体が備えている場合、回折格子パターンが偽
造物であることが判定されると、記録情報へのアクセス
(読み取りやコピー)が、読み取り装置のプログラムに
よって拒否されるため、好適である。
【0065】また、基準情報としては、光データ記録デ
ィスクに応じたプロテクトと、予め読み取り装置内に入
力されたもの(例えば、パスワードなど)とを合わせて
なるものにすれば、一層セキュリティ性が向上する。
【0066】
【発明の効果】本発明によって、ソフトウェアを記録し
た記録媒体の中でも、特に回転式でのデータ読み取り手
段を用いる光学式記録ディスクに適した、違法な複製行
為に対して極めて抑止効果の高い光データ記録ディスク
とその記録情報の読み取り方法を提供することができ
る。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光データ記録ディスクの一例を示す説
明図。
【図2】本発明の光データ記録ディスクの一例を示す説
明図。
【図3】本発明の光データ記録ディスクの一例を示す説
明図。
【図4】本発明の光データ記録ディスクの一例を示す説
明図。
【図5】本発明の光データ記録ディスクにおける、ピッ
トによる記録情報の読み取りと回折格子パターンの読み
取りの概略を示す説明図。
【図6】図5について、光データ記録ディスクの回折格
子パターンを読み取った情報をデジタル変換した波形の
一例を示す説明図。
【符号の説明】 1…リードアウト領域 2…ピットからなるデータ領域 3…リードイン領域 10,11,12,13,14…回折格子パターン 20…光ピックアップ 21,27,30,32…発光素子 25,28,31,33…受光素子 23…ミラー 24…対物レンズ 26,29…回折格子パターン読み取り装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】データ記録領域外の表面に、光学読み取り
    の可能な回折格子パターンを有する光データ記録ディス
    クであって、 回折格子パターンが、前記ディスクの中心を基準とし
    て、同心円状に配置されてなることを特徴とする光デー
    タ記録ディスク。
  2. 【請求項2】回折格子パターンが、前記ディスクの中心
    を基準として、それぞれ中心からの距離が異なる複数本
    の同心円状であることを特徴とする請求項1に記載の光
    データ記録ディスク。
  3. 【請求項3】回折格子パターンが、非連続的な複数の領
    域からなっており、それぞれの領域内での回折格子の空
    間周波数は同一であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の光データ記録ディスク。
  4. 【請求項4】回折格子パターンが、非連続的な複数の領
    域からなっており、それぞれの領域内での回折格子の空
    間周波数および/または方向は異なることを特徴とする
    請求項1または2に記載の光データ記録ディスク。
  5. 【請求項5】データ記録領域外の表面に、光学読み取り
    の可能な回折格子パターンを有する光データ記録ディス
    クの記録情報の読み取り方法であって、 前記ディスクを回転させながら、回折格子パターンに読
    み取り光を照射し、回折格子パターンからの出射回折光
    を受光し、受光された情報と基準情報とを比較すること
    で、前記ディスクの真偽の判別を行ない、真正であるこ
    とが判別された場合にのみ、記録データを読み取ること
    が可能となることを特徴とする光データ記録ディスクの
    記録情報の読み取り方法。
  6. 【請求項6】回折格子パターンに照射する読み取り光
    が、記録データを読み取る際に用いるものと同一である
    ことを特徴とする請求項5記載の光データ記録ディスク
    の記録情報の読み取り方法。
  7. 【請求項7】出射回折光からなる情報と比較される基準
    情報が、光データ記録ディスクに応じて個別に読み取り
    装置に入力されるパスワードであることを特徴とする請
    求項5または6に記載の光データ記録ディスクの記録情
    報の読み取り方法。
  8. 【請求項8】出射回折光からなる情報と比較される基準
    情報が、予め読み取り装置内に備わったものであること
    を特徴とする請求項5または6に記載の光データ記録デ
    ィスクの記録情報の読み取り方法。
  9. 【請求項9】出射回折光からなる情報と比較される基準
    情報が、予め読み取り装置内に備わったものと、光デー
    タ記録ディスクに応じて個別に読み取り装置に入力され
    るパスワードの双方からなることを特徴とする請求項5
    または6に記載の光データ記録ディスクの記録情報の読
    み取り方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009525559A (ja) * 2006-01-30 2009-07-09 スリーディーシーディー,エルエルシー 光学的に可変なデバイスをマスタリングするシステム、該システムを用いて物を真正認証する方法、及び結果物

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