JP2000019423A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JP2000019423A
JP2000019423A JP10182606A JP18260698A JP2000019423A JP 2000019423 A JP2000019423 A JP 2000019423A JP 10182606 A JP10182606 A JP 10182606A JP 18260698 A JP18260698 A JP 18260698A JP 2000019423 A JP2000019423 A JP 2000019423A
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JP
Japan
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focus
operation unit
unit
bending
endoscope
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JP10182606A
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Masahiro Kawachi
昌宏 河内
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は内視鏡の操作部に設けられる焦
点操作部を改良することで、操作部を小型化し、かつ焦
点操作が行いやすい内視鏡を提供する。 【解決手段】本発明は、焦点操作機構の焦点操作回転軸
67を焦点操作つまみ75で回転させることによりピン
82を介してリンク83を回転し、焦点操作ワイヤ88
を進退操作し、先端部に設けられた移動レンズ枠を操作
するものにおいて、上記焦点操作回転軸67の中心を通
り上記操作部9の長手方向軸により2分割される片側の
領域で、上記操作部長手方向軸と略垂直に交差する線か
ら前後それぞれに略70゜の直線に囲まれ、上記交差す
る点を中心とする扇形の範囲内で、上記焦点操作回転軸
67と運動変換機構のリンク82に連結するピン82が
移動するように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は操作部に湾曲操作部
と焦点操作部との両方を設けた内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、移動焦点型の対物レンズ光学系を
有する内視鏡が、例えば特開平4−338443号公報
において知られている。この種の内視鏡は挿入部の先端
部内に対物光学系の焦点調節機構を組み込み、その焦点
調節機構の移動レンズ枠に焦点操作ワイヤを連結し、焦
点操作ワイヤを進退させることにより移動レンズ枠を移
動させて焦点調節を行うようになっている。そして、内
視鏡の操作部後端部分に焦点操作リング部材を設け、こ
の焦点操作リング部材を回転操作することにより焦点操
作ワイヤを進退し、通常観察と拡大観察の切り替えを行
って良好な観察と正確な診断を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の内視鏡にあって
は、焦点操作ワイヤを進退操作するための操作リング部
材が操作部の後端部分に設けられている。このため、操
作部が大型化してしまい術者にとって操作しづらいもの
であった。特に、手の小さな術者にとっては、操作部の
後端部分に設けられた焦点操作部に指が容易に届かない
場合もあり、大変操作しづらいものであった。つまり、
操作部に設けられている湾曲操作ノブ及びスイッチ釦な
どの他に上記焦点操作リング部材を、操作部を把持した
片手で、同時に操作することが難しく、両手を使用せざ
るを得なかった。また、体腔内へ挿入部を挿入する操作
をしているとき、挿入部を把持しているもう一方の手を
挿入部から離さなくてはならないので、挿入部が体腔内
に挿入しづらく、患者の苦痛も大きかった。
【0004】また、従来の内視鏡にあっては、焦点操作
リング部材を回転する方向が湾曲操作ノブの回転方向と
は略垂直な方向にあり、このため、湾曲操作ノブの回転
操作方向とは略垂直な方向に焦点操作リング部材を回転
させる必要があり、操作する指の動きが複雑になり、操
作しづらいものであった。
【0005】さらに、移動レンズ枠の前後移動距離が大
きい対物光学系の場合、焦点操作リング部材を大きく回
転する必要が生じるが、この焦点操作リング部材をユニ
バーサルケーブル側に向けて回転操作する場合にはその
ユニバーサルケーブルが邪魔になり、内視鏡の操作部を
把持した手の甲付近までしか一度に回転操作することが
できないため、一度に所望の焦点調節を行うことが困難
であり、焦点操作リング部材を何度か回転操作し直すた
めに操作しづらいものであった。一方、ユニバーサルケ
ーブル側とは反対方向に焦点操作リング部材を回転する
場合は、指が延びきって届く僅かな範囲までしか、焦点
操作リング部材を回転することができず、この向きでも
一度に所望の焦点操作を行うことが困難であり、操作し
づらいものであった。
【0006】(発明の目的)本発明は上記問題点に着目
してなされたものあり、その目的とするところは、内視
鏡の操作部に設けられる焦点操作部を改良することで、
内視鏡の操作部を小型化し、かつ焦点操作が行いやすい
ようにした内視鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、挿入
部の先端部に組み込まれた、移動レンズ枠を有した対物
レンズ光学系と、上記挿入部内を通じて導かれ、一端が
上記移動レンズ枠に連結され、他端が操作部内に設けら
れた連結手段に連結された伝達部材と、上記操作部に設
けられ、焦点操作用回転部材と、この回転部材の回転運
動を上記連結手段を介して上記伝達部材の前後直線運動
に変換する運動変換手段とを含む焦点操作機構を有した
焦点操作部と、上記操作部に設けられ、湾曲操作用回転
部材を有し、この回転部材を回転することにより上記挿
入部に設けられた湾曲部を湾曲操作する湾曲操作機構を
有した湾曲操作部とを備えた内視鏡において、上記焦点
操作部の回転部材と、湾曲操作部の回転部材とが、上記
操作部において同軸上に設けられ、かつ焦点操作部が、
上記回転部材の中心を通る上記操作部の長手方向軸によ
り2分割される片側の領域で、上記操作部長手方向軸と
略垂直に交差する線から前後それぞれに上記交差する点
を中心として略70゜の両直線に囲まれる扇形の範囲内
で、上記焦点操作用回転部材と上記運動変換手段との連
結部が移動操作されるように構成したものである。
【0008】例えば焦点操作機構の運動変換手段にリン
ク機構を用いたものであり、焦点操作機構の回転部材を
回転させることにより、上記回転部材に一端が連結され
た運動変換手段の他端に連結された連結手段を直線軸上
に移動操作し、先端部に設けられた移動レンズ枠を操作
する。このリンク機構において、上記回転部材と運動変
換手段の連結部が回転部材中心を通る移動直線軸に近い
範囲で回転するほど上記回転部材の単位回転角度当たり
の運動変換手段の直線移動ストロークが小さくなる。よ
って、回転部材を一定角度回転操作した場合、上記回転
部材中心を通り、移動直線軸と略垂直な軸からそれぞれ
略70゜の扇形範囲内で上記回転部材と上記運動変換手
段との連結部が移動操作することで、移動焦点型の対物
光学系が有する移動レンズ枠を操作するための移動スト
ロークを十分確保することができ、操作部に設けられた
焦点操作部を少ない操作回数、例えば1回の操作で焦点
切替えすることができる。そして、操作部の同軸上にお
いて、焦点操作回転軸と湾曲操作回転軸を設けること
で、操作部の小型化を図ることができる。また上記操作
部を把持した片手で双方を操作することも容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]図1乃至図2
0に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。 (構成)まず、図1を参照して内視鏡システムの構成を
概略的に説明する。同図中、符号1は電子式の内視鏡で
あり、符号2は光源装置であり、符号3は映像信号処理
回路や駆動回路等を内蔵するビデオプロセッサである。
ビデオプロセッサ3には、モニタ4、VTRデッキ5、
ビデオプリンタ6、及びビデオディスク7等の周辺機器
が接続されている。
【0010】上記内視鏡1は体腔内に挿入することが可
能な細長の挿入部8と、この挿入部8の基端側に連設さ
れた操作部9とを有する。挿入部8は細長で可撓性を有
する可撓管11と、この可撓管11の先端に接続された
湾曲部12と、この湾曲部12の先端に接続された硬質
の先端部13によって構成されている。湾曲部12は図
示しない複数の湾曲駒にて湾曲自在に構成され、上記操
作部9の操作によって湾曲させられる。
【0011】操作部9の一端からはユニバーサルコード
14が延設されている。ユニバーサルコード14の延出
先端には上記光源装置2のコネクタ受け15に接続され
るコネクタ装置16が設けられている。そして、図1で
示すように、光源装置2のコネクタ受け15にコネクタ
装置16を接続することにより、光源装置2の光源ラン
プにて発生された照明光をユニバーサルコード14内に
配設されたライトガイドファイバーを通じて内視鏡1の
先端部13へ導くことができるようになっている。
【0012】図2に示すように、上記操作部9はその中
間部分に術者が片手で把持する把持領域20が形成され
ている。把持領域20に隣接して、上記操作部9の上端
部には突き出す状態で後述する湾曲操作部21と焦点操
作部22が設けられている。この湾曲操作部21を術者
が操作することにより後述する湾曲操作機構を介して挿
入部8の湾曲部12を遠隔的に湾曲させ、先端部13の
向きを上下左右の方向に向けて被観察部位の観察が可能
となる。さらに操作部9の上端部にはビデオプロセッサ
3を遠隔操作するための複数のスイッチ17が設けられ
ている。
【0013】また、内視鏡1の挿入部8における先端部
13には、移動焦点型の対物レンズ光学系を有した撮像
ユニットが設けられている。対物レンズ光学系の複数の
レンズ枠のうちで、変倍レンズを介在した移動レンズ枠
を移動させることにより対物レンズ光学系の焦点操作を
行い、通常観察と拡大観察のいずれかを選択できるよう
になっている。移動レンズ枠は後述する焦点操作ワイヤ
88を介して、上記湾曲操作部21と同様、操作部9の
外面から突き出して設けられた焦点操作部22を操作す
ることにより焦点操作機構を動かす。すると、上記焦点
操作ワイヤ88が進退し、上記対物レンズ光学系の焦点
位置を変えることができるようになっている。
【0014】上記湾曲操作部21および湾曲操作機構2
3、焦点操作部22と焦点操作機構24は以下のように
構成される。図3及び図5で示すように、操作部9には
ケーシング本体31が設けられ、このケーシング本体3
1内には基板32が固定的に配設されている。基板32
には固定軸33の一端が固定されており、この固定軸3
3の他端側軸部分はケーシング本体31に設けられた通
孔34を通じて外部に突き出している。
【0015】図3に示すように、上記固定軸33には第
1のスリーブ41と第2のスリーブ42が回動自在に順
次重ねて外嵌されている。そして外側の第1のスリーブ
41には図2に示す第1の湾曲操作手段としての第1湾
曲操作ノブ43が取着され、内側の第2のスリーブ42
には同じく図2に示す第2の湾曲操作手段としての第2
湾曲操作ノブ44が取着されている。また、第1湾曲操
作ノブ43と第2湾曲操作ノブ44はケーシング本体3
1の外側に露出して位置すると共に、第1湾曲操作ノブ
43が第2湾曲操作ノブ44の下側に位置する関係の配
置で設けられている。
【0016】第1のスリーブ41の内端部には第1のス
プロケット45が固定的に取着されており、第2のスリ
ーブ42の内端部には第2のスプロケット46が固定的
に取着されている。第1のスプロケット45のボス部に
は第1の係合溝47が形成され、第2のスプロケット4
6のボス部には第2の係合溝48が形成されている。一
方、第1のスリーブ41には第1の係合爪49が形成さ
れ、第2のスリーブ42には第2の係合爪50が形成さ
れている。そして、第1の係合溝47に第1の係合爪4
9が係合して第1のスリーブ41と第1のスプロケット
45が一体的に回転するように連結されている。また、
第2の係合溝48に第2の係合爪50が係合して第2の
スリーブ42と第2のスプロケット46が一体的に回転
するように連結されている。
【0017】図5で示すように、第1のスプロケット4
5と第2のスプロケット46にはそれぞれチェーン51
が掛けられている(ここでは第1のスプロケット45側
のもののみを図示する。)。チェーン51の両端には湾
曲連結部材54にて湾曲操作ワイヤ53の後端がそれぞ
れ連結されている。このとき、第1のスプロケット45
及び第2のスプロケット46は第1湾曲操作ノブ43及
び第2湾曲操作ノブ44が回転する領域の中央に位置し
た際にその係合溝47,48がこれに対応する係合爪4
9,50とそれぞれ係合する位置に保持されており、上
記チェーン51は上記湾曲操作ワイヤ53の湾曲連結部
材54がそれぞれのスプロケット45,46に対して均
等な位置になるように組み付けられている。上記湾曲操
作ワイヤ53の先端は挿入部8の湾曲部12に連結され
ている。そして、第1のスプロケット45が回転する
と、湾曲部12が上下の向きに湾曲し、第2のスプロケ
ット46が回転すると、湾曲部12が左右の向きに湾曲
するようになっている。
【0018】図2に示すように、湾曲操作部21には第
1湾曲操作ノブ43を操作位置に保持する第1の固定手
段としての固定レバー56と、第2湾曲操作ノブ44を
操作位置に保持する第2の固定手段としての固定ノブ5
7が設けられている。操作部9の湾曲操作部21の前面
には管路操作用釦58,59が設けられている。操作部
9の、把持領域20より下に位置する部分には鉗子栓6
1を備えた鉗子挿入口62が設けられている。
【0019】次に、図3及び図5を参照して上記焦点操
作部22の構成について説明する。ケーシング本体31
の通孔34には上記スリーブ41,42を内嵌して軸支
する略筒状の軸受65が設けられている。軸受65の一
端は、上記基板32に一端が固定され、かつスプロケッ
ト45,46を覆うカバー66の他端に固定されてい
る。また、軸受65の外周には焦点操作用回転部材とし
ての焦点操作回転軸67が回動自在に外嵌しており、こ
の焦点操作回転軸67は環状の支持軸68により軸支さ
れている。支持軸68の外周には環状の支持軸固定部材
69が螺合されている。そして、支持軸68は支持軸6
8と支持軸固定部材69とで上記ケーシング本体31の
壁部を挾持することによりケーシング本体31に支持さ
れている。このとき、支持軸68の外周にはケーシング
本体31との間の水密を保つ第1のOリング71が設け
られ、支持軸68の内周には焦点操作回転軸67との間
を水密に保つ第2のOリング72が設けられている。
【0020】この焦点操作回転軸67は焦点操作レバー
74を有し、焦点操作レバー74の基端部が複数のレバ
ー取付ビス73によって焦点操作回転軸67に一体的に
取付け固定されている。また、焦点操作レバー74の延
出先端には樹脂製の焦点調節用操作つまみ75が取り付
けられている。この焦点調節用操作つまみ75には取付
け板76と焦点操作レバー74の先端との間で2個のつ
まみ取付ビス77により挟み込み固定されている。さら
に、焦点操作回転軸67の下端には第1のリンク81が
第1のリンク取付ねじ(図示せず)によって固定されて
いる。第1のリンク81の先端には第1のピン82を介
して第2のリンク83の一端が回動自在に連結されてい
る。この第2のリンク83の他端は第2のピン84を介
して後述する焦点位置調整機構の調整筒85に枢着され
ている。調整筒85の内周面には雌ネジが形成されてい
る。
【0021】なお、調整筒85の近傍には図4及び図5
に示すように、基板32に固定され、かつ凹状に形成さ
れたガイド壁86を有する摺動基板87が固定的に設け
られている。そして、上記調整筒85はそのガイド壁8
6を有する摺動基板87内に配置されている。
【0022】そして、焦点調節用操作つまみ75を操作
して焦点操作回転軸67を回転すると、その回転は焦点
操作回転軸67と第1のリンク81を介して、第2のリ
ンク83とガイド壁86とによって調整筒85の直線運
動に変換され、挿入部8の先端部13に設けられた移動
焦点型の対物レンズ系が有する移動レンズ枠に連結され
た焦点操作ワイヤ88を進退させて、対物レンズ系の焦
点操作を行う。つまり、焦点操作回転軸67を回転する
ことによりリンク機構からなる運動変換手段を介して上
記伝達部材としての焦点操作ワイヤ88を進退させる焦
点操作機構を構成している。
【0023】図5で示すように、焦点操作回転軸67の
基部領域部分には扇状の領域において同心的な円弧状の
溝孔からなる切欠き部91が設けられている。切欠き部
91の両端はそれぞれ、カバー66と軸受65との両者
を固定している止めビス92の一本を長くすることによ
り構成したストッパビス93が当接する第1の当接面9
5と第2の当接面96を形成している。したがって、焦
点操作レバー74と一体的に回転する焦点操作回転軸6
7は第1の当接面95と第2の当接面96とがストッパ
ビス93に当接する各位置をそれぞれの終端としてこの
扇形に含まれる範囲内でのみ回動する。そして、上記焦
点操作回転軸67の中心を通り上記操作部9の長手方向
軸により2分割される片側の領域で、上記操作部長手方
向軸と交差し、かつ略垂直な線から前後それぞれに上記
交差点を中心とした略70゜の扇形に含まれる範囲内
で、上記運動変換手段の第1のリンク81と第2のリン
ク83を連結する連結部としての第1のピン82が移動
操作されるように構成した。このため、第2のリンク8
3と調整筒85の移動量が規制され、その結果、移動焦
点型の対物光学系の焦点移動量が規制される。
【0024】なお、高倍率で拡大観察を行うときの焦点
調節用操作つまみ75の位置がそれぞれの対物光学系が
有する焦点移動距離の大きさによって変化することなく
全ての内視鏡で一定の位置になるように、ストッパビス
93と第1の当接面95とが設定されている。したがっ
て、焦点移動距離の異なる内視鏡を使用した場合でも高
倍率で拡大観察を行う状態が焦点調節用操作つまみ75
の位置で判断できる。
【0025】ところで、図2に示すように、第1の湾曲
操作手段としての第1湾曲操作ノブ43、第2の湾曲操
作手段としての第2湾曲操作ノブ44、第1の固定係止
手段としての固定レバー56、第2の固定係止手段とし
ての固定ノブ57、及び焦点調節用操作つまみ75のそ
れぞれの上面にはそれぞれの操作手段の操作内容や操作
方向及び先端部の動く方向を示した記号・文字による表
示がなされている。この場合、図6(b)に示すように
焦点調節用操作つまみ75の上面には操作方向を意味す
る記号W(WIDE:通常観察)、T(TELE:拡大
観察)の表示が設けられている。また、図6(a)に示
すように、焦点調節用操作つまみ75の指当て面には指
が滑らないように筋状の滑り止め97が形成されてい
る。また、焦点調節用操作つまみ75には指を多く掛け
られるように凸部98が形成されている。
【0026】なお、図7(a)(b)に示すように滑り
止め97のピッチを大きく滑らかにすることで、その焦
点調節用操作つまみ75を操作する指の苦痛を軽減する
ことができる。この焦点調節用操作つまみ75の上面に
も図7(b)に示すように、操作方向を意味する記号W
と矢印が表示されている。なお、さらに大きな操作回転
角度が必要な場合は図8に示すように操作部9のケーシ
ング本体31、第1の湾曲操作手段としての第1湾曲操
作ノブ43や第2の湾曲操作手段としての第2湾曲操作
ノブ44に干渉しないように凸部がない形の焦点調節操
作つまみ75を用いても良い。そして、これらの焦点調
節用操作つまみ75はいずれも焦点操作レバー74に着
脱可能なものであり、このため、術者の好みに合わせた
形状の焦点調節用操作つまみ75を選んで使用すること
ができる。
【0027】次に、図4を参照して、焦点位置調整機構
を説明する。挿入部8の先端部13に配設された移動焦
点型の対物光学系の移動レンズ枠を操作するための焦点
操作ワイヤ88の一端が上記対物光学系の後端固定レン
ズ枠に連結されたガイドパイプ101内に挿通されて、
上記挿入部8内を通り操作部9内まで導かれる。この操
作部9内まで延出したガイドパイプ101の延出基端部
分は挿入部8の可撓管11が連結される操作部9の先端
部分に配置されるガイド板102の基端(後)側の面か
ら所定の距離L1 の位置で途切れている。この焦点操作
ワイヤ88の基端側端部には、可撓管11の長さの寸法
公差よりも長い黄銅等の軟性金属からなる接続パイプ1
03が被嵌され、接続パイプ103はロウ付け等で焦点
操作ワイヤ88に固定されている。
【0028】また、ガイドパイプ101の前端部分はガ
イド板102の基端(後)側の面から前方へ所定の距離
L2 のところに位置するガイドパイプ止め部材104内
に嵌挿され、そのガイドパイプ止め部材104に形成さ
れた扇形溝部105を利用してロウ付け106等で固定
されている。このガイドパイプ止め部材104は雌ネジ
を形成した止め板107と2つの係止ビス108で固定
板109上のスライド溝110に沿う部分に締め付けて
固定されている。また、このガイドパイプ止め部材10
4の固定板109への固定位置は係止ビス108を締め
付け直すことによりスライド溝110に沿い前後に変更
することができる。
【0029】ガイドパイプ止め部材104に通したガイ
ドパイプ101は前側焦点調整部材111を螺合した台
座112に形成されたガイド溝113を通り、移動自在
な摺動部材114に連結されたスライドパイプ115内
まで延出される。このスライドパイプ115の長さは焦
点切替え操作時に摺動部材114が移動する最大距離と
挿入部8の可撓管11の長さの公差幅の合計以上になる
ように設定される。焦点操作ワイヤ88はその摺動部材
114内まで通されている。また、焦点操作ワイヤ88
に被嵌固定された接続パイプ103は図9に示すよう
に、先端形状が円錐状の2本の連結ビス116にて摺動
部材114に締め付けて固定されている。尚、図17
(a)、(b)は、焦点操作ワイヤ88、接続パイプ1
03、ガイドパイプ101、スライドパイプ115の拡
大図である。
【0030】そこで、図16(a)に示すように、焦点
操作ワイヤ88の基端部分に被嵌固定した接続パイプ1
03の中央に連結ビス116が位置するように設定して
焦点操作ワイヤ88を切断する。すると、接続パイプ1
03の長さが可撓管11の長さ寸法の公差の2倍以上あ
るため、図16(b)に示すように可撓管11の長さが
最も長い場合や、図16(c)に示すように最も短い場
合でも、必ず連結ビス116により固定できる。同様
に、可撓管11の組み替えを行うと、ガイドパイプ止め
部材104も図16(a)(b)(c)に示すように、
その設定が変化してしまうが、図16(a)に示すよう
に、ガイドパイプ止め部材104を固定板109へ係止
する係止ビス108の中心の初期設定を、固定板109
のスライド溝110の中央に位置するように(つまり図
4でのガイド板102からL2 の位置に)設ければ、ス
ライド溝110の長さは前後方向いずれも可撓管11の
長さ寸法の公差幅以上に余裕があるので、各種の可撓管
が使用された内視鏡に組み付けたとしてもいずれも固定
可能である。以上により、ガイドパイプ止め部材104
と、ガイドパイプ101の固定位置、及び焦点操作ワイ
ヤ88の切断位置を一度設定した対物光学系を、修理等
で他の内視鏡に組み替えることが可能となる。
【0031】図4及び図5で示すように、台座112は
2本の固定ビス121によって、基板32と、焦点操作
回転軸67を第1のリンク81及び第2のリンク82を
介して操作部長手方向軸の直線運動に変換した摺動部材
114を摺動補助するガイド壁86が形成された摺動基
板87と、挿入部8の湾曲部12を湾曲操作するための
湾曲操作手段であるチェーン51と湾曲連結部材54と
焦点位置調整機構とを隔離するための仕切壁123を形
成した第2の基板124と、固定板109を2本の第2
の連結ビス125にて連結固定するための連結板126
と共に、一体的に連結固定される。また、台座112に
は図10に示すように、摺動基板87との位置出しを行
うための段差部127が形成されている。これにより摺
動基板87に台座112を容易に組み付けることができ
る。
【0032】図4及び図11に示すように、前側焦点調
整部材111は雄ネジが形成された小径部131を有
し、小径部131は雌ネジが形成された台座112また
はガイド板102に螺合される(台座112に螺合する
ことなく、ガイド板102にのみ螺合してもよい。)。
また、図4のC−C断面、C´−C´断面である図11
に示すように、小径部131は円柱状の第1の回転防止
ビス132にて台座112に回転しないように係止固定
されている。この第1の回転防止ビス132の先端部分
は円錐状に形成してもよい。
【0033】また、前側焦点調整部材111の基端部は
太径部133が形成されており、この太径部133には
第1の十字溝136が形成されている。そして、第1の
十字溝136に長尺なピン等の治具を嵌め込んで係止す
ることにより前側焦点調整部材111を回転操作できる
ようになっている。前側焦点調整部材111を回転操作
することにより、後述する如く操作部長手方向に前側焦
点調整部材111をアナログ的に連続的に移動する調整
を行うことができ、適正な焦点位置の調整を行うことが
できる。ここでは前側焦点とは例えばWIDE状態(通
常観察)の焦点位置である。
【0034】上記前側焦点調整部材111は図12に示
すように形成したものでもよい。つまり、雄ネジが形成
された小径部131の一側面部が全長にわたってカット
され、この第1のカット面137に対して円柱状の第1
の回転防止ビス132を当接させるようにする。これに
より、前側焦点調整部材111の回転を確実に防止する
ことができるので、焦点調整位置がズレることがなくな
る。
【0035】また、図10に示すように、上記前側焦点
調整部材111の太径部133の外周面における一部が
カットされており、この第2のカット面138を上側に
位置させれば、第1のカット面137に、台座112に
設けられる第1の回転防止ビス132の先端面が必然的
に当接するような位置関係で形成されている。なお、こ
の前側焦点調整部材111と台座112が螺合するネジ
ピッチを小さくすることで、より微細な焦点位置の調整
が可能となる。
【0036】一方、調整筒85内には基端側焦点調整部
材141の、外周に雄ネジが形成された基端側小径部1
42が螺合している。基端側焦点調整部材141の略中
央部に設けられた太径部には第2の十字溝143が形成
されている。そして、第2の十字溝143に長尺なピン
等の治具を挿入して基端側焦点調整部材141を回転さ
せることにより上記調整筒85へ進退させることができ
るようになっている。また、基端側小径部142とは反
対側に位置する先端側小径部144の部分は摺動部材1
14内に嵌入され、上記摺動部材114に設けられた、
先端部が円錐状の2個の抜止め防止ビス145で締め付
け固定される。先端側小径部144の外周には、それら
の抜止め防止ビス145の先端部を受けるため、全周に
わたり形成したV字溝よりなる抜止め部146が形成さ
れている。抜止め部146に抜止め防止ビス145の先
端部を係合することにより摺動部材114と基端側焦点
調整部材141とが固定される。
【0037】また、図4中E−E線に沿う断面である図
15に示すように、摺動部材114に設けられた円柱状
の回転防止ビス147の先端部を基端側焦点調整部材1
41の周面に押し当て当接することで、その基端側焦点
調整部材141が回転することを防止している。なお、
この回転防止ビス147の先端部は円錐状であってもよ
い。ここでの基端側焦点とは、TELE状態(拡大観
察)の焦点位置である。
【0038】さらに、図13及び図14に示すように、
基端側焦点調整部材141の外周部分に回転防止受け部
150を形成し、この回転防止受け部150に上記摺動
部材114に設けられた、円柱状の回転防止ビス148
や先端部が円錐状の回転防止ビス149と係合させるよ
うにすれば、基端側焦点調整部材141の回転を確実に
防止することができ、焦点調整位置のズレがなくなる。
【0039】以上の構成により、前側焦点調整部材11
1、基端側焦点調整部材141、焦点操作回転軸67の
基部に形成した扇状の領域内に位置する切欠き部91、
ストッパビス93を用いて、焦点操作回転軸67の回転
運動を、直線運動に変換する第2のリンク83の連結
部、つまり第1のピン82の移動範囲を、上記焦点操作
回転軸67の中心を通り、焦点操作ワイヤ88が進退す
る移動軸により2分割される片側にあって、上記移動軸
と略垂直な軸からそれぞれ前後に略70゜以下で傾く半
直線で形成される扇形範囲内に規制することができる。
【0040】次に、焦点操作機構の焦点調整方法を述べ
る。まず、モニタ4に画像を映し出し、焦点調節用操作
つまみ75をW側(通常観察側)に向けて操作する。す
ると、摺動部材114は先端側へ移動し、画像が動かな
くなったところで、焦点調節用操作つまみ75をその位
置で停止して保持する。そして、前側焦点調整部材11
1の第1の十字溝136に長尺のピン等を挿入し、前側
焦点調整部材111を回転させることにより、摺動部材
114に当接するまで、前側焦点調整部材111を基端
側へ移動させる。
【0041】次に、この摺動部材114に当接した位置
から前側焦点調整部材111を逆方向に回転させ、第1
の所定距離分だけ先端側へ戻す。もしくは、摺動部材1
14から第1の所定距離分離れた位置に前側焦点調整部
材111を移動させる。この後、この焦点調節用操作つ
まみ75をT側(拡大観察側)に向けて操作し、再び画
像が動かなくなったところで焦点調節用操作つまみ75
をその位置で停止して保持する。
【0042】そこで、摺動部材114がその位置で動か
ないように保持した後、基端側焦点調整部材141を回
転して調整筒85を基端側へ移動させ、この調整筒85
に連結される第2のリンク83及び第1のリンク81を
介して焦点操作回転軸67を回転させ、この焦点操作回
転軸67に形成された扇状の切欠き部91の第1の当接
面95をストッパビス93に当接させる。次に、この当
接した位置より基端側焦点調整部材141を逆方向に回
転させ、第2の所定距離分だけ調整筒85を先端側へ戻
す。もしくは、基端側焦点調整部材141を、調整筒8
5から第2の所定距離分離れた(抜いた)位置に移動さ
せる。尚、調整の順番は、基端側を先に調整し、後に前
側を調整しても良い。
【0043】(作用・効果)図18は上記焦点操作部2
2が有する焦点操作機構部分を構成するリンク機構を概
念的に表すものである。すなわち、回転部材(焦点操作
回転軸67)が回転することにより、上記回転部材に連
結された運動変換手段(第2のリンク83)が所定の移
動ストロークを示して移動軸上を移動操作される。図1
9はこのリンク機構を構成する回転部材の単位回転角度
当たりの運動変換手段の直線移動ストロークを表すもの
である。この図19により明らかな如く、上記回転部材
と運動変換手段の連結部(第1のピン82)が、移動直
線軸に近い程、つまり0゜もしくは180゜に近い程、
単位回転角度当たりの移動ストロークは小さい。
【0044】また、移動ストロークが大きい略60゜〜
100゜に対して略0〜20゜及び略160゜〜180
゜は1/3以下である。よって、図20(a)(b)
(c)に示すように、回転部材を一定角度回転操作した
場合、上記略20゜〜160゜の範囲内で上記回転部材
と運動変換手段との連結部を移動操作することで、移動
焦点型の対物光学系が有する移動レンズ枠を操作するた
めの移動ストロークを十分確保することができる(L1
>L2>L3)。また、操作部9において、焦点操作部
22の焦点操作回転軸67と湾曲操作部21の固定軸3
3を同軸上に設けることで、操作部9を小型化すること
ができる。また、上記操作部9を把持した片手で双方を
操作することができる。そして湾曲操作部21を回転操
作するのと同様に、焦点操作部22を回転操作すること
ができるので、それぞれ操作する指の動きが同じにな
り、双方の操作が行いやすくなる。
【0045】なお、この焦点操作部22の操作回転角度
を140゜以内にすることで、指の移動範囲を小さくす
ることができ、一度の操作で焦点切替え操作が完了可能
となる。
【0046】また、上記移動レンズ枠を進退するために
連結された焦点操作ワイヤ88の移動範囲、つまり焦点
操作範囲の設定を行うためには焦点操作ワイヤ88を連
結し、操作部9内で進退する摺動部材114を、上記焦
点操作ワイヤ88の移動軸上に設けられた前側焦点調整
部材111と基端側焦点調整部材141との間で挟み込
むように両側から摺動部材114の移動範囲を規制する
ようにしている。また、前側焦点調整部材111と基端
側焦点調整部材141を回転して摺動部材114の移動
範囲をアナログ的に変更し、焦点操作範囲をアナログ的
に調整することができるので、それぞれの対物光学系に
適正な焦点位置の調整を正確に行うことができる。ま
た、焦点位置調整機構を操作部9内において、焦点操作
ワイヤ88、湾曲連結部材54に挟まれるように平行に
配置することで、操作部9内のスペースを有効活用し、
特に操作部9の小型化を図ることができる。
【0047】また、上述したように焦点切り替え操作を
行う焦点操作ワイヤ88を前後に進退させる摺動部材1
14の移動範囲を規制するため、焦点操作ワイヤ88を
押し込み過ぎてワイヤの弛みや座屈等を起こさないと共
に、焦点操作ワイヤ88を引き過ぎてワイヤ抜けやズー
ム操作ができなくなるなどの不都合な現象を回避でき
る。また、対物学系が異なると、その摺動部材114を
移動レンズ枠の移動距離も変わるが、前述したようにそ
の移動範囲を調節できるので、各種の対物光学系に対処
できる。
【0048】また、摺動部材114をそれぞれの対物レ
ンズ光学系の焦点移動距離に加え、第1の所定距離分、
及び第2の所定距離分を動かせるようにしたことで、挿
入部8内で焦点操作ワイヤ88が蛇行したり、たるみが
生じたりしても、先端部13まで十分な操作量を伝達さ
せることができる。
【0049】[第2の実施形態] (構成)この実施形態では前述した第1の実施形態での
焦点操作回転軸67に連結される第1のリンク81と第
2のリンク83の連結部、つまり第1のピン82の移動
範囲は、上記焦点操作回転軸67の中心を通り、焦点操
作ワイヤ88の移動軸により2分割される片側の基端側
略70゜の扇形範囲を中心に移動操作できるように前側
焦点調整部材111、基端側焦点調整部材141、焦点
操作回転軸67に同心的に形成した円弧状の切欠き部9
1、及びストッパビス93を設定したものである。
【0050】(作用・効果)図21(a)に示すよう
に、回転部材(焦点操作回転軸67)と運動変換手段
(第2のリンク83)の連結部(第1のピン82)を、
回転部材中心を通り移動軸と略垂直な軸により2分割さ
れる片側の上記垂直軸より基端側の略70゜の扇形範囲
を中心に移動操作することで、小さな移動ストロークで
大きな回転操作量を得ることができる。よって、単位移
動ストローク当たりの回転操作量が増し、焦点操作の微
調整が可能である。
【0051】また、移動焦点型のそれぞれの対物レンズ
光学系の焦点移動距離は、それぞれ異なるものであるの
で焦点移動距離が小さいが、十分な回転操作量が必要な
内視鏡に有効である。
【0052】そして、移動レンズ枠を先端側に移動する
ことで通常観察を行い、基端側に移動することで拡大観
察が行える内視鏡の場合、図19に示すように回転角度
が減るほど、つまり0゜方向へ回転するほど単位回転角
度あたりの移動ストロークが小さくなるので、本実施形
態の構成により、TELE時(拡大観察時)の微調整が
可能となる。
【0053】一方、対物光学系が有する移動レンズ枠を
先端側に移動することで拡大観察を行い、基端側に移動
することで通常観察が行える内視鏡の場合は通常観察時
の微調整が可能となる。
【0054】[第3の実施形態]この実施形態では前述
した第1の実施形態での焦点操作回転軸67に連結され
る第1のリンク81と、第2のリンク83の連結部、つ
まり第1のピン82の移動範囲は、上記焦点操作回転軸
67の中心を通り、焦点操作ワイヤ88の移動軸により
2分割される片側の先端側略70゜の扇形範囲を中心に
移動操作できるように、上記前側焦点調整部材111、
基端側焦点調整部材141、焦点操作回転軸67に形成
した扇状切欠き部91、ストッパピス93を設定したも
のである。
【0055】(作用・効果)図21(b)に示すよう
に、回転部材(焦点操作回転軸67)と運動変換手段
(第2のリンク83)の連結部(第1のピン82)が、
回転部材中心を通り移動軸と略垂直な軸により2分割さ
れる片側の上記垂直軸より先端側の略70゜の扇形範囲
を中心に移動操作することで、単位移動ストローク当た
りの回転操作量を小さくすることができる。よって、移
動焦点型のそれぞれの対物レンズ光学系の焦点移動距離
は、それぞれ異なるものであり、焦点移動距離が大きい
が、回転操作量を小さくしなければならない内視鏡、例
えば、操作部9に設けた焦点操作部22の焦点操作つま
み75を回転操作し焦点切替えを行う際、焦点操作つま
み75の形状によりケーシング本体31や、湾曲操作を
行う第1の湾曲操作手段としての第1湾曲操作ノブ4
3、第2の湾曲操作手段としての第2湾曲操作ノブ44
と干渉して、大きな回転操作量が得難い内視鏡に有効で
ある。
【0056】そして、移動レンズ枠を移動することで通
常観察を行い、基端側に移動することで拡大観察が行え
る内視鏡の場合、図19に示すように回転角度が増すほ
ど、つまり180゜方向へ回転するほど単位回転角度あ
たりの移動ストロークが小さくなるので、本実施形態の
構成により、WIDE時(通常観察時)の微調整が可能
となる。
【0057】一方、対物光学系が有する移動レンズ枠を
先端側に移動することで拡大観察を行い、基端側に移動
することで通常観察が行える内視鏡の場合は拡大観察時
の微調整が可能となる。
【0058】本発明は前述した実施形態のものに限定さ
れない。上記実施形態の説明によれば少なくとも以下に
列記する事項及びその任意の組み合わせの事項のものが
得られる。
【0059】<付記> 1.挿入部の先端部に組み込まれた、移動レンズ枠を有
した対物レンズ光学系と、上記挿入部内を通じて導か
れ、一端が上記移動レンズ枠に連結され、他端が操作部
内に設けられた連結手段に連結された伝達部材と、上記
操作部に設けられ、焦点操作用回転部材と、この回転部
材の回転運動を上記連結手段を介して上記伝達部材の前
後直線運動に変換する運動変換手段とを含む焦点操作機
構を有した焦点操作部と、上記操作部に設けられ、湾曲
操作用回転部材を有し、この回転部材を回転することに
より上記挿入部に設けられた湾曲部を湾曲操作する湾曲
操作機構を有した湾曲操作部とを備えた内視鏡におい
て、上記焦点操作部の回転部材と、湾曲操作部の回転部
材とが、上記操作部において同軸上に設けられ、かつ焦
点操作部が、上記回転部材の中心を通る上記操作部の長
手方向軸により2分割される片側の領域で、上記操作部
長手方向軸と略垂直に交差する線から前後それぞれに上
記交差する点を中心として略70゜の両直線に囲まれる
扇形の範囲内で、上記焦点操作用回転部材と上記運動変
換手段との連結部が移動操作されるように構成したこと
を特徴とする内視鏡。
【0060】2.第1項において、上記回転部材の中心
を通り上記操作部長手方向軸により2分割される片側の
領域で、上記操作部長手方向軸と略垂直な軸から基端側
の略70゜の扇形範囲内を中心として上記回転部材と上
記運動変換手段との連結部が移動操作されることを特徴
とする内視鏡。上記回転部材と運動変換手段の連結部
が、回転部材中心を通り移動直線軸と略垂直な軸により
2分割される一側の上記垂直軸より基端側範囲の略70
゜の扇形範囲を中心に移動操作することで、運動変換手
段の小さな直線移動ストロークで大きな回転操作量を得
ることができる。つまり、単位移動ストローク当たりの
回転操作量が増すので焦点操作の微調整が可能である。
【0061】3.第1項において、上記回転板の中心を
通り上記操作部長手方向軸により2分割される片側の上
記操作部長手方向軸と略垂直な軸から先端側の略70゜
の扇形範囲内を中心として上記回転部材と上記運動変換
手段との連結部が移動操作されることを特徴とする。上
記連結部を上記垂直軸より先端側範囲の略70゜の扇形
範囲を中心に移動操作することで、上記回転部材の単位
回転角度当たりの運動変換手段の直線移動ストロークを
大きくとることができるので、移動焦点距離が大きい
が、回転操作角度を小さくしなければならない内視鏡に
有用である。
【0062】4.挿入部の先端部に組み込まれ、移動レ
ンズ枠を配設した対物レンズ光学系と、一端が上記移動
レンズ枠に連結され、他端が挿入部内を通じて操作部内
に設けられた第1の連結手段に連結された第1の伝達部
材と、上記第1の伝達部材を進退操作する焦点操作機構
を有する焦点操作部が、一端が上記先端部に連結され、
他端が上記挿入部内を通じて上記操作部内に設けられた
第2の連結手段に連結された第2の伝達部材と、上記第
2の連結手段を進退操作し湾曲部を湾曲操作する湾曲操
作機構を有する湾曲操作部と、上記操作部の同軸上に設
けられた内視鏡において、上記第1及び第2の伝達部材
が平行状態で進退し、上記第1の連結手段の移動方向前
後に焦点位置調整機構を設けたことを特徴とする。先端
部に移動可能な移動レンズ枠を配設した移動焦点型の対
物光学系を有する内視鏡は、操作部に設けた焦点操作部
を操作することにより通常観察と拡大観察を切替えて内
視鏡検査を行うことができる。上記移動レンズ枠を進退
するために連結された第1の伝達部材の移動範囲、つま
り焦点操作の調整を行うためには上記第1の伝達部材を
連結し操作部内で進退される連結手段を、上記第1、第
2の伝達部材の移動軸上に設けられた前側焦点調整部と
基端側焦点調整部とで挟み込むように配置し、前後両側
から連結手段の移動範囲を制御する。これにより、アナ
ログ的に焦点位置を連続調整することができるので、そ
れぞれの対物光学系に適正な調整を行うことができる。
また、焦点位置調整機構は操作部内、湾曲操作伝達部材
と平行で、挟まれるように配置することで操作部内のス
ペースを有効活用し、操作部を小型化することができ
る。
【0063】5.挿入部の先端部に組み込まれ、移動レ
ンズ枠を配設した対物レンズ光学系と、一端が上記移動
レンズ枠に連結され、他端が挿入部内を通じて操作部内
に設けられた第1の連結手段に連結された第1の伝達部
材と、上記第1の伝達部材を進退操作する回転部材と、
この回転部材に連結される運動変換手段とからなる焦点
操作機構を有する焦点操作部が、一端が上記先端部に連
結され、他端が上記挿入部内を通じて操作部内に設けら
れた第2の連結手段に連結された第2の伝達部材と、上
記第2の連結手段を進退操作し、湾曲部を湾曲操作する
湾曲操作機構を有する湾曲操作部と、上記操作部の同軸
上に設けられた内視鏡において、上記回転部材の中心を
通り上記操作部長手方向軸により2分割される片側の上
記操作部長手方向軸と略垂直な軸からそれぞれ略70゜
の扇形範囲内で上記回転部材と上記運動変換手段との連
結部が移動操作され、上記第1及び第2の伝達部材が平
行状態で進退し、上記第1の連結手段の移動方向の移動
方向前後に焦点位置調整機構を設けたことを特徴とする
(これは第1項から第4項までのものを組み合わせのも
のである)。
【0064】(付記の第4,5項のものの従来例と課題
及び目的)従来は特開平4−338443号公報に示す
ように、焦点操作の調整を行うためには焦点操作レバー
に咬合クラッチ形式で連結された中空路形成部材にねじ
込まれ固定された規制用制御ネジが、制御部材の側面に
設けられた複数、例えば、36個の雌ネジの切られたネ
ジ穴のうち、所望のネジ穴にねじ込まれ固定された2つ
の制御用ネジの間に設けることで設定している。しかし
ながら、本技術では焦点位置調整幅が制御用ネジが設け
られているピッチ間隔で決定してしまうので、アナログ
的な連続調整をすることが不可能であり、適正な焦点位
置の調整をすることが困難であった。
【0065】先端部に移動レンズ枠を移動焦点型の対物
光学系を有する内視鏡は、操作部に設けた焦点操作部を
操作することにより通常観察と拡大観察を切替えて内視
鏡検査を行うことができる。従来は上記移動レンズ枠を
進退するために連結された伝達部材の移動範囲、つまり
焦点位置の調整を行うためには焦点操作部に咬合クラッ
チ形式で連結された連結手段にねじ込まれ固定された規
制用制御ネジが、制御部材の側面に設けられた複数、例
えば、36個の雌ネジの切られたネジ穴のうち、所望の
ネジ穴にねじ込まれ固定された2つの制御用ネジの間に
設けることで設定していた。また、従来は挿入部軸方向
に直線的に移動操作される移動レンズ枠に連結される伝
達部材の動きを、挿入部軸方向とは略垂直方向の回転運
動に変換し、上記焦点操作部に形成されたヘリコイド部
材を用いて操作されていたが、ヘリコイド部材が操作部
後端部に設けられたため操作部が大型化してしまい操作
しづらいものであった。また、調整幅も制御用ネジが設
けられているピッチ間隔で行わなければならないので、
アナログ的な連続調整をすることが不可能であり、適正
な焦点位置の調整をすることが困難であった。
【0066】そこで、付記の第4,5項のものの目的は
内視鏡の操作部に設けられる焦点操作部を改良すること
で、操作部を小型化すると共に、適正な焦点位置の調整
が行える内視鏡を提供することである。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、内視鏡の操作部を小型
化し、かつ焦点操作を行う指の移動範囲を小さくできて
焦点操作を容易に行うことができる内視鏡を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る内視鏡システムの概略的
な構成の説明図。
【図2】第1の実施形態に係る内視鏡の操作部の側面
図。
【図3】第1の実施形態に係る内視鏡の操作部における
長手軸方向に沿う縦断面図。
【図4】第1の実施形態に係る内視鏡の焦点調節機構部
の縦断面図。
【図5】第1の実施形態に係る内視鏡の操作部における
内部構造を示す平面図。
【図6】第1の実施形態に係る内視鏡の焦点操作部の焦
点操作レバーを示し、(a)はその平面図、(b)はそ
の正面図。
【図7】第1の実施形態に係る内視鏡の焦点操作部の焦
点操作レバーの変形例を示し、(a)はその平面図、
(b)はその正面図。
【図8】第1の実施形態に係る内視鏡の焦点操作部の焦
点操作レバーの他の変形例を示す平面図。
【図9】図4中のA−A線に沿う部分の断面図。
【図10】図4中のB−B線に沿う部分の断面図。
【図11】図4中のC−C線及びC´−C´線に沿う部
分の断面図。
【図12】図4中のC−C線に沿う部分の変形例の断面
図。
【図13】第1の実施形態の変形例の摺動部材と基端側
焦点調整部材の組み付け状態の縦断面図。
【図14】図13中のD−D線に沿う部分の変形例の断
面図。
【図15】図4中のE−E線に沿う部分の断面図。
【図16】第1の実施形態に係る内視鏡の焦点操作ワイ
ヤとその周辺の部材との関連の説明図。
【図17】第1の実施形態に係る内視鏡の焦点操作ワイ
ヤとその周辺の部材との取り付け状態の説明図。
【図18】第1の実施形態に係る内視鏡の焦点操作機構
を概念的に表す説明図。
【図19】第1の実施形態に係る内視鏡の焦点操作機構
における回転部材と運動変換手段の連結部の単位回転角
度当たりの移動ストロークを示す特性図。
【図20】第1の実施形態に係る内視鏡の焦点操作機構
の動作説明図。
【図21】(a)は第2の実施形態に係る内視鏡の焦点
操作機構の概念的に示す構成説明図、(b)は第3の実
施形態に係る内視鏡の焦点操作機構の概念的に示す構成
説明図。
【符号の説明】
1…内視鏡、8…挿入部、9…操作部、13…先端部、
21…湾曲操作部、22…焦点操作部、33…固定軸、
67…焦点操作回転軸、75…焦点操作つまみ、81…
第1のリンク、82…第1のピン、83…第2のリン
ク、88…焦点操作ワイヤ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】挿入部の先端部に組み込まれた、移動レン
    ズ枠を有した対物レンズ光学系と、 上記挿入部内を通じて導かれ、一端が上記移動レンズ枠
    に連結され、他端が操作部内に設けられた連結手段に連
    結された伝達部材と、 上記操作部に設けられ、焦点操作用回転部材と、この回
    転部材の回転運動を上記連結手段を介して上記伝達部材
    の前後直線運動に変換する運動変換手段とを含む焦点操
    作機構を有した焦点操作部と、 上記操作部に設けられ、湾曲操作用回転部材を有し、こ
    の回転部材を回転することにより上記挿入部に設けられ
    た湾曲部を湾曲操作する湾曲操作機構を有した湾曲操作
    部とを備えた内視鏡において、 上記焦点操作部の回転部材と、湾曲操作部の回転部材と
    が、上記操作部において同軸上に設けられ、かつ焦点操
    作部が、上記回転部材の中心を通る上記操作部の長手方
    向軸により2分割される片側の領域で、上記操作部長手
    方向軸と略垂直に交差する線から前後それぞれに上記交
    差する点を中心として略70゜の両直線に囲まれる扇形
    の範囲内で、上記焦点操作用回転部材と上記運動変換手
    段との連結部が移動操作されるように構成したことを特
    徴とする内視鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023191056A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 日本ゼオン株式会社 医療用デバイス

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