JP2000018600A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JP2000018600A
JP2000018600A JP10180107A JP18010798A JP2000018600A JP 2000018600 A JP2000018600 A JP 2000018600A JP 10180107 A JP10180107 A JP 10180107A JP 18010798 A JP18010798 A JP 18010798A JP 2000018600 A JP2000018600 A JP 2000018600A
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Koichi Nakano
幸一 中野
Toshimitsu Kurumisawa
利光 胡桃沢
修三 ▲とく▼滿
Shuzo Tokumitsu
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    • F24C15/00Details
    • F24C15/20Removing cooking fumes
    • F24C15/2007Removing cooking fumes from oven cavities
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の加熱が小電力でしかも短い時間で行わ
れる脱臭装置を、充分な電気絶縁対策をして取り付けた
加熱調理器を審理することを課題とする。 【解決手段】 加熱調理器9は、通電により発熱する金
属薄板20を有する脱臭装置15を、調理ガス通過方向
の設定幅を取り付け部16a、16bより両側に大きく
設定した撥水耐熱絶縁性シート14を周囲に介在させて
排気筒13に取り付ける。付着水分に起因する排気筒1
3と脱臭装置15との電気的導通が、撥水耐熱絶縁性シ
ート14の撥水作用および絶縁作用によって遮断され、
金属薄板20に流れている電流が加熱調理器9に流れる
ことが防止され、しかも、臭気分解触媒22が絶縁層2
1を介して発熱する金属薄板20に直接的に形成されて
いるため、触媒の加熱が小電力でしかも短い時間で行わ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理物から発生す
る調理ガスの脱臭を行う脱臭装置を備えた加熱調理器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】加熱調理器は、調理物から発生する排出
調理ガスが、不快臭を発したり周囲の壁紙を汚したりす
ることのないように、調理室に連通する排気筒に触媒を
内部に配置した脱臭装置を取り付けて、きれいな空気と
して排出するための工夫が種々提案されている。
【0003】図4は、特開平4‐29722号公報に記
載されている従来の加熱調理器の断面を、また図5は触
媒装置の拡大断面を示す。調理器本体1は、その加熱室
2に排気通路3を連接し、この排気通路3に触媒装置4
を取り付けている。触媒装置4は、電気ヒータ5と、こ
の電気ヒータ5により加熱される第1の酸化触媒6およ
び第2の酸化触媒7から構成される。この酸化触媒6、
7は、いずれも調理ガスが通る多数の小穴8を有する直
方体形状物であり、丸棒を蛇行状に成形した電気ヒータ
5を挟んでいる。電気ヒータ5が第1の酸化触媒6およ
び第2の酸化触媒7を所定温度まで加熱するため、加熱
室2から排出される排出調理ガスは第1の酸化触媒6お
よび第2の酸化触媒7の夫々小穴8を通る際に浄化され
る。
【0004】一方、触媒は種々の構成品が提案されてい
るが、特開平5−301048号公報には、通電を可能
としたエキスパンド加工(ラス網加工とも称す)のステ
ンレス鋼薄板に絶縁性無機物を被覆して担体とし、この
担体に触媒成分を担持させる構成が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
加熱調理器に使用されている触媒装置4は、大容積の第
1の酸化触媒6および第2の酸化触媒7を小型の電気ヒ
ータ5が挟む構成としたものであるため、第1の酸化触
媒6および第2の酸化触媒7の加熱に電気ヒータ5は大
きな電力と長い加熱時間を必要とし、また第1の酸化触
媒6および第2の酸化触媒7の温度分布が悪いという問
題点があった。
【0006】一方、新しい触媒構成として提案されてい
る通電を可能としたエキスパンド加工のステンレス鋼薄
板に絶縁性無機物を被覆して担体とし、この担体に触媒
成分を担持させる構成品は、水分に対する電気絶縁対策
が施こされていない。そのため、この構成品を加熱調理
器の排気通路に配設しても、調理物から発生する水分が
通電を可能としたステンレス鋼薄板の表面に付着し、こ
の付着水分を介してステンレス鋼薄板と調理器本体が電
気的に導通し、ステンレス鋼薄板に流れている電流が調
理器本体に流れるという問題があった。
【0007】そこで本発明は、前記する従来例の問題を
解決することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、排気筒に撥水耐熱絶縁性シートを周囲に介
在させて、通電により発熱する金属薄板の上に絶縁層を
介して臭気分解触媒を形成した構成品を有する脱臭装置
を取り付けた加熱調理器としたものである。そして、こ
の脱臭装置は、耐熱絶縁性の筺体と、筺体のガス通過用
空洞に配置されており複数の開孔部を有し通電により発
熱する金属薄板と、金属薄板の表面に形成した耐熱性の
絶縁層と、絶縁層の表面に形成した臭気分解触媒とで構
成されている。また、撥水耐熱絶縁性シートは、調理ガ
ス通過方向に設定した幅を脱臭装置および排気筒の取り
付け部の幅より両側に大きく設定して介在されている。
【0009】上記構成によれば、通電される金属薄板を
有する脱臭装置を、その設定幅を取り付け部の幅より両
側に大きく設定した撥水耐熱絶縁性シートを周囲に介在
させて、排気筒に取り付けているため、排気筒や脱臭装
置に付着する水分によって起こされる両者の電気的導通
が、撥水耐熱絶縁性シートの撥水作用および絶縁作用に
よって遮断される。従って、金属薄板に流れている電流
が加熱調理器に流れることが防止される。一方、発熱す
る金属薄板に絶縁層を介して臭気分解触媒が直接的に形
成されているため、触媒の加熱が小電力ですみしかも短
時間で昇温できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、各請求項に記載した形
態で実施することができる。すなわち、請求項1記載の
発明は、調理室に収納した調理物から発生する調理ガス
を排出する排気筒と、前記排気筒に撥水耐熱絶縁性シー
トを周囲に介在させて取り付けられており調理ガスに含
まれる臭気成分を分解する脱臭装置を備えており、前記
脱臭装置が、ガス通過用空洞を内部に形成した耐熱絶縁
性の筺体と、前記筺体のガス通過用空洞に配置されてお
り複数の開孔部を有し通電により発熱する金属薄板と、
前記金属薄板の表面に形成した耐熱性の絶縁層と、前記
絶縁層の表面に形成した臭気分解触媒とで構成され、前
記撥水耐熱絶縁性シートが調理ガス通過方向に設定した
幅を前記脱臭装置および前記排気筒を取り付けた取り付
け部の幅より大きく設定されて介在させることで、実施
することができる。
【0011】そして、通電される金属薄板を有する脱臭
装置を、その設定幅を取り付け部より大きく設定した撥
水耐熱絶縁性シートを周囲に介在させて排気筒に取り付
けているので、付着水分に起因する排気筒と脱臭装置と
の電気的導通が、撥水耐熱絶縁性シートの撥水作用およ
び絶縁作用によって遮断され、金属薄板に流れている電
流が加熱調理器に流れることが防止される。また、臭気
分解触媒が絶縁層を介して発熱する金属薄板に直接的に
形成されているため、臭気分解触媒の加熱が小電力です
みしかも短時間で昇温できる。
【0012】また、請求項2記載の発明は、金属薄板を
ラス網状に加工することで複数の開孔部を形成した後に
更に波付け加工したステンレス製箔体とし、筺体のガス
通過用空洞にガス通過方向に対して略垂直に配置するこ
とで実施できる。箔体をラス網状に加工して複数の開孔
部を形成しているため、熱容量や重量が小さくしかも開
孔率が大きい金属薄板となり、一層小さな消費電力で早
い昇温スピードを得ることができる。また、金属薄板が
ステンレスであるので耐食性に優れるとともに、ラス網
加工し更に波付け加工することで単位体積当たりの発熱
面積が大きくなって高い温度が得られる。さらに、金属
薄板は、筺体のガス通過用空洞にガス通過方向に対して
略垂直に配置されているので、ラス網に設けた開孔部を
効果的にガスが通過して圧力損失が低減するとともに、
絶縁層を介して形成した触媒との接触が良くなり臭気の
分解率が高まる。
【0013】また、請求項3記載の発明は、金属薄板が
ラス網状に加工したステンレス薄板であり、絶縁層がア
ルミニウムを少なくとも10〜45重量%含む琺瑯とす
ることで実施できる。琺瑯にアルミニウムが10〜45
重量%含まれると、焼き付けた際にアルミニウムは体積
膨張しその表面に酸化アルミニウムの被膜を形成して電
気不導体となる。そのため琺瑯は多孔質な絶縁層とな
り、琺瑯を焼き付けた際の金属薄体の熱変形や琺瑯の剥
離が生じない。
【0014】また、請求項4記載の発明は、金属薄板が
ラス網状に加工したステンレス薄板であり、絶縁層がア
ルミニウムの10〜45重量%と酸化チタンの10〜2
5重量%を少なくとも含む琺瑯とすることで実施でき
る。前述のようにアルミニウムが10〜45重量%含ま
れると琺瑯はその焼き付けで多孔質な絶縁層となり、酸
化チタンの10〜25重量%の更なる含有で耐熱水性に
優れた絶縁層となる。そのため、琺瑯を焼き付けた際の
金属薄体の熱変形が無く、しかも蒸気に長時間曝されて
も剥離が生じない。
【0015】また、請求項5記載の発明は、水酸化アル
ミニウムを主成分とするゾルを付着させ焼成した担体層
と、前記担体層に担持された白金とパラジウムのうちの
少なくともいずれかまたは両方を備えた貴金属から構成
される臭気分解触媒を、請求項3または4記載の絶縁層
の表面に形成することで実施できる。アルミニウムを1
0〜45重量%混合した琺瑯は、前述のようにステンレ
ス製の金属薄板の表面に多孔質絶縁層となって密着して
いる。そのため、水酸化アルミニウムのゾルを琺瑯に付
着させると、このゾルは多孔質な琺瑯の空隙に浸入し、
焼成によって多孔質なアルミナとなって強固に付着す
る。また、高活性な白金もしくはパラジウムうちの少な
くともいずれかまたは両方を備えた貴金属は、この多孔
質な担体層に担持されるため強固に付着する。従って、
臭気分解触媒は、優れた浄化特性と密着性を示す。
【0016】また、請求項6記載の発明は、水酸化アル
ミニウムを主成分とするゾルを付着させ焼成した担体層
と、前記担体層に担持されたマンガン酸化物と銅酸化物
とコバルト酸化物のうちの少なくとも1種または複数種
の金属酸化物から構成される臭気分解触媒を、請求項3
または4記載の絶縁層の表面に形成することで実施でき
る。前述の理由により、担体層は多孔質なアルミナとな
って琺瑯に強固に付着している。この多孔質な担体層
に、高活性なマンガン酸化物と銅酸化物コバルト酸化物
のうちの少なくとも1種または複数種の金属酸化物が担
持させているため、この臭気分解触媒は優れた浄化特性
と密着性を示す。
【0017】また、請求項7記載の発明は、複数の開孔
部を有する非通電の通気板を、筺体のガス通過用空洞に
おける金属薄板の後流側に、ガス通過方向に対して略垂
直に配置することで実施できる。この構成にすると、通
気板によってガスの通過速度が低下して、前流側の金属
薄板上の臭気分解触媒との反応時間が長くなり臭気の分
解率が一層高まる。
【0018】また、請求項8記載の発明は、通気板をス
テンレス製としその表面に、通気板を熱処理することに
よって形成した酸化被膜と、前記酸化被膜に水酸化アル
ミニウムを主成分とするゾルを付着させ焼成した担体層
と、前記担体層に担持された白金とパラジウムのうちの
少なくともいずれかまたは両方を備えた貴金属から構成
される臭気分解触媒を、請求項7記載の通気板の表面に
形成することで実施できる。通気板の表面に臭気分解触
媒を形成したため、触媒との反応回数が増え臭気成分の
分解率がさらに高まる。
【0019】また、請求項9記載の発明は、撥水耐熱絶
縁性シートの設定幅を、取り付け部の端部から調理室側
方向に設定する幅が、取り付け部の他端部から大気側方
向に設定する幅よりも大きくすることで実施できる。撥
水耐熱絶縁性シートの設定幅を、水分量の多い調理室側
を大気側より大きくしているため、水分の撥水が充分に
行われる。従って、付着水分に起因する排気筒と脱臭装
置との電気的絶縁が一層充実し、金属薄板に流れている
電流が加熱調理器に流れることが一層防止される。
【0020】また、請求項10記載の発明は、撥水耐熱
絶縁性シートを、フッソ樹脂を主成分とするシート、も
しくはフッソ樹脂を表面に被覆したシートとすることで
実施できる。フッソ樹脂系のシートを使用しているた
め、水分の撥水が充分に行われ、付着水分に起因する排
気筒と脱臭装置との電気的絶縁が一層充分に行われ、金
属薄板に流れている電流が加熱調理器に流れることが一
層防止される。また、フッソ樹脂系のシートであるた
め、シートの持つ弾力作用により脱臭装置が排気筒に隙
間なく嵌合され、取り付ける際のガス洩れが防止され
る。
【0021】また請求項11記載の発明は、高周波加熱
装置を併設する加熱調理機器とし、調理室と排気筒の間
に、複数の開口穴を有する金属製の高周波電波漏洩防止
材を取り付け、前記高周波電波漏洩防止材の開口穴と非
開口穴部を合計した面積を、筺体に形成したガス通過用
空洞の開口面積より大きくすることで実施できる。高周
波加熱装置を併設するとその電波漏洩防止のため、複数
の開口穴を有する金属製の高周波電波漏洩防止材を、調
理室と排気筒の間に取り付ける必要がある。この高周波
電波漏洩防止材は、排出調理ガスの流通に対して比較的
圧力損失となるのであるが、高周波電波漏洩防止材の開
口穴と非開口穴部を合計した面積を、筺体に形成したガ
ス通過用空洞の開口面積より大きくすることで、高周波
電波漏洩防止材の圧力損失が低減され、その分だけ脱臭
装置を小型化できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0023】(実施例1)図1は、本発明の実施例であ
る加熱調理器の断面図、図2は脱臭装置の要部拡大断面
図である。加熱調理器9は、調理物を収納する調理室1
0と、調理物を調理室10から出し入れするためのドア
11と、調理室10の庫内温度を上昇させることで調理
物を加熱する加熱熱源12と、調理室10に連通してお
り調理物から発生する調理ガスを排出する排気筒13
と、排気筒13に撥水耐熱絶縁性シート14を周囲に介
在させて取り付けられており調理ガスに含まれる臭気成
分を分解する脱臭装置15を備えている。そして、撥水
耐熱絶縁性シート14は調理ガス通過方向に設定した幅
を、排気筒13に取り付けた取り付け部16aの幅およ
び、脱臭装置15に取り付けた取り付け部16bの幅よ
り、両側に大きく設定されて介在されている。
【0024】脱臭装置15は、耐熱絶縁性の筺体17
と、筺体17の内に形成したガス通過用空洞18に配置
されておりガスが通過する複数の開孔部19を有し通電
により発熱する金属薄板20と、金属薄板20の表面に
形成した耐熱性の絶縁層21と、絶縁層21の表面に形
成した臭気分解触媒22とで構成されている。本発明品
の試作を行い、その効果判定を行った。
【0025】本発明の加熱調理器9は、撥水耐熱絶縁性
シート14として4フッ化エチレン樹脂のシートを使用
し、この撥水耐熱接続性シート14を周囲に介在させて
ステンレス製の排気筒13の内側に、脱臭装置15を取
り付けたものである。撥水耐熱絶縁性シート14は、排
気筒13の内側と脱臭装置15の外側の間に介在できる
様に成形した厚み0.5mmの帯状シートである。この帯
状の揆水耐熱絶縁性シート14は、調理ガス通過方向に
設定した幅が20mmであり、長さ180mmが脱臭装置1
5の周囲に介在させる分として使用されている。そし
て、幅20mmの内側部5mm幅を排気筒13への取り付け
部16aおよび脱臭装置15への取り付け部16bとし
て使用した。また、取り付け部16a、16b以外の残
り幅15mmは、取り付け部16a、16bの端部から調
理室側方向に設定する幅を10mm、取り付け部16a、
16bの端部から大気側方向に設定する幅を5mmとして
いる。
【0026】一方、脱臭装置15は、雲母製の筺体17
と、ラス網状に加工し更に波付け加工したステンレス製
の金属薄板20と、琺瑯製の絶縁層21と、水酸化アル
ミニウムを主成分とするゾルを付着させ焼成した担体層
とこの担体層に担持した白金とパラジウムの貴金属から
構成される臭気分解触媒22で構成した。金属薄板20
は、クロムの18重量%とアルミニウム3.5重量%を
少なくとも含むフェライト系ステンレスであり、ラス網
状でしかも波付け加工した板厚65μmの箔体である。
金属薄板20はラス網状としたためその穴開口率は約8
5%であり、その表面に絶縁層21さらにその表面に臭
気分解触媒22を形成しても穴開口率は75%であっ
た。金属薄板20は、通電により発熱して臭気分解触媒
22を加熱し、筺体17のガス通過用空洞18にガス通
過方向に対して略垂直に配置されている。
【0027】効果判定のための測定項目は、絶縁抵抗、
消費電力および温度到達時間、調理ガスの洩れ状況、炭
化水素除去率の4項目である。
【0028】絶縁抵抗は、若とり2枚重量500gを調
理終了後に加熱熱源12および脱臭装置15を非通電状
態にし、24時間経過させた際の、金属薄板20と加熱
調理器9間の最低絶縁抵抗値およびその最低絶縁抵抗値
への到達時間を求めたものである。
【0029】消費電力および所定温度到達時間は、触媒
が効果的に働く温度である400℃になるのに必要な脱
臭装置15の消費電力と、この温度400℃に到達する
までの所用時間を求めたものである。
【0030】調理ガスの洩れ状況は、若とり2枚を調理
した際の、脱臭装置15以外の場所からの調理ガスの洩
れ状況であり、脱臭装置15の圧力損失を知る手懸かり
として求めたものである。
【0031】炭化水素除去率は、若とり2枚を調理した
際の、調理室庫内濃度および脱臭装置出口濃度を炭化水
素濃度として求め、そこから算出したものである。その
測定結果を(表1)に示す。
【0032】なお、従来品は、触媒装置を、調理ガスが
通る多数の小穴8を有する第1の酸化触媒6と第2の酸
化触媒7と第1の酸化触媒6と第2の酸化触媒7で挟ま
れた電気ヒータ5で構成し、ステンレス製の排気通路3
の内側にそのまま取り付けたものである。第1の酸化触
媒6と第2の酸化触媒7は、小穴8を多数有するハニカ
ム形であり、酸化アルミニウムを主成分とする担体層に
白金とパラジウムを担持させた組成としたため、強度や
成形性との兼ね合いでその穴開口率は45%が上限であ
った。電気ヒータ5は、ヒータ線を蛇行状金属管の内部
に収納した電気絶縁対策品であり、通電により発熱して
周囲にある第1の酸化触媒6および第2の酸化触媒7を
加熱する。なお、触媒装置の見かけ寸法や白金とパラジ
ウムの量は、本発明品と同一とした。参考品は、本発明
品より撥水耐熱絶縁性シートを除外した加熱調理器であ
る。
【0033】
【表1】
【0034】本発明品は、従来品と比較して、消費電力
が小さいうえに短時間に所定温度に上昇すること、脱臭
装置以外からの調理ガスの洩れがないこと、炭化水素除
去率が高いの利点があることがわかる。また、本発明品
は、参考品と比較して絶縁抵抗が高く、電気的に絶縁さ
れていることがわかる。この優れた利点は、次の理由か
らである。
【0035】絶縁抵抗が高い理由は、電気絶縁作用と撥
水作用の優れた4フッ化エチレン樹脂シートにより、脱
臭装置と排気筒の間の表面付着水を介在させての電気的
導通が遮断されるためである。
【0036】消費電力が小さくしかも短時間に所定温度
に上昇する理由は、金属薄板が開口率の高いラス網でし
かもこの箔体を更に波付け加工しているためであり、こ
の加工により熱容量が小さくなりさらに単位体積当たり
の発熱面積も大きくなっているのである。
【0037】調理ガスの洩れが無い理由は、金属薄板を
ラス網状としその表面に絶縁層さらに臭気分解触媒を形
成しても、穴開口率が75%と大きく、圧力損失がその
分小さいためである。その点、従来品は、穴開口率が4
5%と小さいため圧力損失が大きくなり、調理ガスが加
熱調理器の前面ドアから洩れる問題が発生した。
【0038】炭化水素除去率が高い理由は、穴開口率が
75%と高いため表面積が大きくなったためである。
【0039】さて、金属薄板20の材料であるが、ニッ
ケルークロム合金、鉄―ニッケルークロム合金、鉄―ニ
ッケル合金、鉄―クロムーアルミニウム合金、が適切で
ある。 これは、比抵抗が高いので発熱特性に優れてい
ること、加工性に優ているのでその薄板に穴を開けてガ
スが通過する複数の開孔部を形成することが容易である
との理由からである。
【0040】一方、金属薄板20の表面に形成する絶縁
層21の材料は、ガラス、琺瑯、アルミナゾル、シリカ
ゾル、ポリシロキサン、ポリリン酸が密着性に優れる理
由から適切であり、これらはその粘性水溶液を金属表面
に付着させ焼成することで絶縁層を形成した。
【0041】これらの組み合わせ品において、鉄―ニッ
ケルークロム合金、鉄―ニッケル合金、鉄―クロムーア
ルミニウム合金のステンレス製の金属薄板に、琺瑯製の
絶縁層を形成した試作品は、特に密着性が優れている。
この理由は、金属薄板に含有する鉄成分と琺瑯に含有さ
れるガラス成分が琺瑯焼成中に反応して固着するためで
ある。またこの中で特に、鉄―クロムーアルミニウム合
金は、金属薄板に含有するアルミニウム成分が琺瑯に含
有されるガラス成分と反応して強固に固着するため、密
着性が最も優れていた。鉄―クロムーアルミニウム合金
は、クロムの13〜33重量%とアルミニウムの3〜8
重量%を少なくとも含む組成品が市販させており、この
市販品は耐熱性、耐食性、機械的強さ、比抵抗の点で他
の金属発熱材料より優れている利点があった。
【0042】一方、琺瑯は多孔質ほど焼き付けた際の金
属薄体の熱変形が少なく良好である。
【0043】実験に使用した多孔質琺瑯の組成を以下に
示す。琺瑯は、ガラス成分15重量%と、金属酸化物系
顔料30重量%と、アルミニウム35重量%と、酸化チ
タン20重量%から構成されており、各々の組成物はそ
の配合割合が最大で±5重量%変動することが許容され
ているものを使用した。
【0044】臭気分解触媒22は、白金、パラジウム、
酸化マンガン、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄などの酸
化反応触媒が適切であり、これらは絶縁層21に直接担
持する方法もしくはアルミナやシリカ系の担体を絶縁層
21の表面に形成しこの担体に担持する方法で形成して
いる。
【0045】筐体17は、雲母(マイカとも称す)もし
くはセラミックが適切である。揆水耐熱絶縁性シート1
4は、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリシリキサン樹脂
が適切である。そして脱臭装置15に、筐体17のガス
入口部の外周面すべに直接的に取り付けるか、放熱の目
的で介在されるアルミニウムやステンレスの放熱シール
材を介して筐体17のガス入口部に間接的に取り付ける
かによって、その周囲に取り付けられている。
【0046】(実施例2)実施例3は、金属薄板の形状
と配置方法を変えて効果を確認したものである。
【0047】図2は、本発明の実施例の加熱調理器で使
用する脱臭装置の一部破断斜視図である。金属薄板20
は、ラス網状に加工することで複数の開孔部を形成した
後に更に波付け加工したステンレス製箔体であり、その
表面に絶縁層さらにその表面に臭気分解触媒が形成され
ている。そして、筺体17のガス通過用空洞18にガス
通過方向に対して略垂直に配置されている。
【0048】形状と配置方法を変えた金属薄板を試作し
その効果を前述と同様に、消費電力50W時の最大到達
温度、調理ガスの洩れ状況、炭化水素除去率の3項目で
判定した結果を(表2)に示す。
【0049】試作番号1は、図3記載の実施例であり、
ラス網状に加工したのち更に波付け加工したステンレス
製箔体を、ガス通過方向に対して略垂直に配置してい
る。試作番号2は、プレスで穴あけ加工したのち更に波
付け加工したステンレス製箔体を、ガス通過方向に対し
て略垂直に配置したものである。
【0050】試作番号3は、ラス網状に加工したステン
レス製箔体を、ガス通過方向に対して略垂直に配置した
ものである。
【0051】試作番号4は、ラス網状に加工したのち更
に波付け加工したステンレス製箔体を、ガス通過方向に
対して略平行に配置したものである。
【0052】なお、いずれの試作番号品も、ステンレス
製箔体の表面には、琺瑯製の絶縁層と、酸化アルミニウ
ムを主成分とする担体層とこの担体層に担持した白金と
パラジウムの貴金属から構成される臭気分解触媒が、順
に形成されており、脱臭装置として加熱調理器に取り付
けて効果を確認した。
【0053】
【表2】
【0054】試作番号1は、金属薄板の箔体をラス網状
に加工して複数の開孔部を形成しているため、熱容量や
重量が小さくしかも開口率が大きい金属薄板が得られ、
圧力損失が低減して調理ガスが加熱調理器の前面ドアか
ら洩れる問題が発生しなかった。しかも、更に波付け加
工しているため、単位体積当たりの発熱面積が大きくな
って高い温度が得られ、炭化水素除去率の分解率が高ま
る。また、金属薄板がガス通過方向に対して略垂直方向
に配置されているため、ラス網に設けた開孔部を効果的
にガスが通過して触媒との接触が良くなり、炭化水素除
去率が一層高まった。
【0055】試作番号2は、プレスで穴あけ加工したた
め穴開口率が最大でも50%であった。そのため、抵抗
が小さくなって到達温度がやや低くなり炭化水素除去率
が低下するとともに、逆に穴開口率を大きくできないた
め圧力損失が大きくなり調理ガスが加熱調理器の前面ド
アから洩れる問題が発生したため、不適格である。
【0056】試作番号3は、金属薄板の波付け加工が無
いため、単位体積当たりの発熱面積が小さくなって低い
温度となり、炭化水素除去率も低くなることがわかる。
【0057】試作番号4は、金属薄板をガス通過方向に
対して略平行に配置しているため、相当量のガスが金属
薄板と金属薄板との間を通過して、触媒との接触が悪く
なり炭化水素除去率も低くなることがわかる。
【0058】(表2)の結果より、試作番号1が金属薄
板の形状と配置方法として最適な構成であった。
【0059】(実施例3)実施例3は、絶縁層を多孔質
にするために琺瑯に混合する材料とその混合量を検討し
たものである。
【0060】実験はまず、クロムの18重量%とアルミ
ニウム3.5重量%を少なくとも含むフェライト系ステ
ンレスの板厚65μm箔体を、Lwが5mmでSwが2mm
できざみ幅0.2mmのラス網に加工した。そしてこのラ
ス網加工品(以下に、特に限定しない限りこの加工品を
使用)に、30重量%の多孔質形成材を少なくとも含む
琺瑯を850℃で焼き付けた。そしてこの膜物性を、電
気絶縁性、琺瑯の多孔度、琺瑯を焼き付けた際の金属薄
体の熱変形度、耐蒸気性(温度80℃で相対湿度95%
雰囲気中に100時間晒す)で評価した。試作に用いた
多孔質形成材の種類とその評価結果を(表3)に示す。
【0061】
【表3】
【0062】多孔質形成材としてアルミニウムを混入し
た試作番号1の琺瑯層は、電気絶縁性に問題がないとと
もに、多孔度に優れるため琺瑯を焼き付けた際の金属薄
体の熱変形が無く、しかも剥離がない。そのため、多孔
質形成材として最適であった。
【0063】アルミニウムは、融点が660℃であるた
め琺瑯焼成温度850℃では完全に溶融し、溶融後はそ
の表面に酸化アルミナの被膜が形成される。この表面に
形成された酸化アルミナ被膜により、試作番号1の琺瑯
層は、電気絶縁性が充分に確保できていた。一方、アル
ミニウムは、熱膨張係数の値(この値に10のー6乗を
乗じた値が真の値、単位は1/deg)が24であり、
フェライト系ステンレスの11、琺瑯に含まれるガラス
成分の7〜12に比べてその値が非常に大きい。
【0064】この熱膨張係数の大きさが多孔度の優れた
琺瑯を形成する源であり、琺瑯が多孔質なため金属薄体
はその熱変形が防止されている。また琺瑯は、優れた多
孔度を有するにもかかわらず、金属薄体から剥離してい
ない。これは、アルミニウムが融点660℃で溶融して
琺瑯と金属薄体の密着を助けているためである。
【0065】次に、多孔質形成材であるアルミニウムの
量を変化させた琺瑯を試作し、その膜物性を検討した。
実験は、アルミニウムの量を変化させた琺瑯を使用する
こと以外は、前述と同じである。その結果を(表4)に
示す。
【0066】
【表4】
【0067】アルミニウムを10〜45重量%混入して
その膜性状を多孔質とした試作番号3〜7の琺瑯層は、
電気絶縁性に問題がない、多孔度に優れるため琺瑯を焼
き付けた際の金属薄体の熱変形が無い、外観的にも琺瑯
の剥離がない、の利点があり最適な組成であった。さら
に、抵抗の変化は極めて微小であり実用上問題とならな
いレベルであった。また特に、アルミニウムを20〜4
0重量%混入した琺瑯は、上記利点が極めて優れてい
た。一方、アルミニウムが10重量%未満の琺瑯だと、
多孔度に乏しいため琺瑯を焼き付けた際の金属薄体の熱
変形が発生した。
【0068】また、アルミニウムが45重量%を越える
琺瑯層だと、多孔質過ぎて金属薄体に対する密着性が確
保されなかったさて、本実施例で用いた琺瑯は、上記量
のアルミニウム以外に、溶融するガラス成分(シリカが
略9割であり少量の酸化ナトリウムや酸化カリウムや酸
化カルシウムなどを含有)と、酸化マンガンと酸化鉄を
略等量混合した金属酸化物系顔料が、残部成分として混
合されている。この残部成分は、ガラス成分の1部に対
して金属酸化物系顔料を3〜4部の割合で混合した組成
物であり、この組成物が一般に琺瑯と呼ばれておりステ
ンレスとの密着性を高める作用がある。
【0069】一方、アルミニウムを10〜45重量%と
変化させる範囲において琺瑯層の残部成分を、ガラス成
分の1部に対して金属酸化物系顔料を2〜5部と変化さ
せたり、ガラス成分におけるシリカ組成を9〜6割まで
変化させたり、金属酸化物系顔料における酸化マンガン
の組成を8〜3割まで変化させたり酸化亜鉛もしくは酸
化コバルトを略等量づつ更に混合して同様の検討を行っ
たが、上記の利点が同様に得られた。以上のことより、
琺瑯層中にアルミニウムが10〜45重量%混合される
ことが、この優れた利点の主原因と思われる。
【0070】また、金属薄体の材料はステンレスを使用
する範囲において特に限定されるものでなく、ステンレ
スであれば同様の効果が得られることは言うまでもな
い。
【0071】(実施例4)実施例4は、耐蒸気性向上の
ために琺瑯に混合する酸化チタンの量を検討したもので
ある。
【0072】実験は、アルミニウムおよび酸化チタンの
混合量を変化させた琺瑯を使用すること以外は、前述の
実施例3と同じである。膜物性の評価方法は、琺瑯の多
孔度、琺瑯を焼き付けた際の金属薄体の熱変形度、耐蒸
気性(温度80℃で相対湿度95%雰囲中に100時間
晒す)で評価した。その結果を表5に示す。
【0073】
【表5】
【0074】アルミニウムを10〜45重量%混合した
物にさらに酸化チタンを10〜25重量%混入した琺瑯
層は、多孔度に優れるとともに琺瑯を焼き付けた際の金
属薄体の熱変形が無く、蒸気に長時間曝されされた際の
密着性が極めて優れる利点があった。さらに、抵抗の変
化は極めて微小であり実用上問題とならないレベルであ
った。また特に、アルミニウムの30〜40重量%と酸
化チタンの15〜20重量%を混入した琺瑯層は、上記
利点が特に優れていた。一方、酸化チタンが15重量%
未満の琺瑯だと耐蒸気性は期待するほど向上しないし、
酸化チタンが25重量%を越える琺瑯だと金属薄体の熱
変形が低下する傾向にあるため、混合する酸化チタンの
量としては好ましくなかった。
【0075】本実施例で用いた琺瑯は、上記量のアルミ
ニウムおよび酸化チタン以外に、ガラス成分の1部に対
して金属酸化物系顔料を2〜3部の割合で混合した組成
物が残部成分として混合されており、琺瑯の溶着を助け
ている。ガラス成分は、シリカが9割で、ナトリウムや
カリウムやカルシウムやマグネシウムの酸化物が残部で
ある。また金属酸化物系顔料は、酸化マンガンと酸化鉄
を略等量混合したものである。
【0076】一方、アルミニウムの10〜45重量%と
酸化チタンの10〜25重量%の変化範囲において琺瑯
の残部成分を、ガラス成分の1部に対して金属酸化物系
顔料を1〜4部と変化させたり、ガラス成分におけるシ
リカ組成を9〜6割まで変化させたり、金属酸化物系顔
料における酸化マンガンの組成を8〜3割まで変化させ
たり酸化亜鉛や酸化コバルトを略等量づつ更に混合して
同様の検討を行っても、優れた密着性が同様に得られ
た。
【0077】以上のことより、琺瑯中にアルミニウムの
10〜45重量%と酸化チタンの10〜25重量%混入
が、この優れた密着性の主原因と思われる。
【0078】また、金属薄体の材料はステンレスを使用
する範囲において特に限定されるものでなく、ステンレ
スであれば同様の効果が得られることは言うまでもな
い。
【0079】(実施例5)実施例5は、金属薄板および
絶縁層に対して密着性に優れた臭気分解触媒の材料組成
について検討したものである。
【0080】検討は以下の方法で行った。まず、ラス網
状に加工したステンレス製の金属薄板の表面に、アルミ
ニウムの混合量を変化させた琺瑯を850℃で焼き付け
絶縁層とした。次に絶縁層の表面に、水酸化アルミニウ
ムのゾルを付着させ600℃で焼成してアルミナの担体
層とし、最後にこの担体層に白金やパラジウムの貴金属
を担持させ600℃で焼き付けて臭気分解触媒とした。
そして筐体に2層構造として収納して脱臭装置とし、加
熱調理器に取り付けて炭化水素除去率を評価した。
【0081】また、高温多湿環境(温度80℃で相対湿
度95%)に200時間放置した際の、絶縁層、臭気分
解触媒の密着性をテープ剥離方法で評価した。その結果
を(表6)に示す。
【0082】アルミニウムを10〜45重量%混合した
琺瑯層に、水酸化アルミニウムのゾルを付着させ焼成し
てアルミナの担体層とし白金やパラジウムの貴金属を担
持させた臭気分解触媒は、優れた浄化特性と密着性を示
している。また、アルミニウムを20〜40重量%混合
した琺瑯層に対して特に優れた密着性を示した。
【0083】
【表6】
【0084】アルミニウムは、融点660℃であり琺瑯
の焼成時に溶融してその表面は比表面の大きいアルミナ
に変化するとともに、熱膨張係数が他の琺瑯成分やステ
ンレス製の金属薄体さらにアルミナの担体層に対して格
段に大きい性質がある。そのため、アルミニウムを10
〜45重量%混合した琺瑯は、表面にアルミナが露出し
た多孔質体となって金属薄体に強固に密着しているとと
もに、水酸化アルミニウムのゾルがこの表面露出のアル
ミナに付着し易いため焼成で得られるアルミナの担体層
も強固に密着させる。一方、アルミニウムが10重量%
未満の琺瑯層だと、表面露出のアルミナが少ない緻密体
であるため、担体層に対する密着性が確保されなかっ
た。また、アルミニウムが45重量%を越える琺瑯層だ
と、多孔質過ぎて金属薄体に対する密着性が確保されな
かった。
【0085】上記実施例で用いた琺瑯は、上記量のアル
ミニウム以外に、ガラス成分(シリカが略9割でナトリ
ウムやカリウムやカルシウムやマグネシウムの酸化物が
残部)の1部に対して、金属酸化物系顔料(酸化マンガ
ンと酸化鉄が略等量混合)を3〜4部混合した組成物
が、残部成分として混入した物である。そこで実施例3
に記載の様に、ガラス成分と金属酸化物系顔料の混合割
合やその組成を変動させて検討したが、上記効果が同様
に得られた。
【0086】次に、さらに酸化チタンをさらに混合した
琺瑯で同様の検討を行った。実験はまず、酸化マンガン
と酸化鉄を略等量混合した金属酸化物系顔料の2〜3部
と、ガラス成分の1部とを混合した組成物に、アルミニ
ウムを10〜45重量%と酸化チタンを10〜25重量
%変化させて混合して琺瑯を試作した。そして、前述と
同様に実験したその結果を表7に示す。
【0087】
【表7】
【0088】アルミニウムを10〜45重量%混合した
物にさらに酸化チタンを10〜25重量%混入した琺瑯
は、優れた浄化特性と一層優れた密着性を示すことがわ
かる。
【0089】さらに実施例4に記載の様に、ガラス成分
と金属酸化物系顔料の混合割合やその組成を変動させて
検討したが、上記効果が同様に得られた。
【0090】このように、金属酸化物系顔料およびガラ
ス成分の材料組成や配合が変化してもアルミニウムが1
0〜45重量%混合された琺瑯であれば、金属薄体およ
び臭気分解触媒に対する密着性は問題ないことより、琺
瑯層中にアルミニウムが10〜45重量%混合されるこ
とが、この優れた密着性の主原因と思われる。
【0091】一方、担体層として用いる水酸化アルミニ
ウムのゾル組成を検討したところ、他化合物の30重量
%以内好ましくは15重量%以内の混合なら、琺瑯と担
体層の密着性は特に変化しなかった。そのため、酸素吸
着能力の優れた酸化セリウムをゾルに2〜30重量%好
ましくは2〜15重量%混合すると、琺瑯との密着性を
保持しつつ浄化特性の向上がはかれる特性が得られた。
また、調理油煙のガス化能力の優れた酸化バリウムや酸
化カルシウムさらに酸化マグネシウムをゾルに1〜30
重量%好ましくは1〜10重量%混合すると、琺瑯との
密着性や浄化特性を保持しつつ嫌な臭気が低減できる特
性があり、特に酸化バリウムはこの特性が優れていた。
【0092】また、金属薄体の材質はステンレスを使用
する範囲において特に限定されるものでなく、ステンレ
スであれば同様の効果が得られることは言うまでもな
い。なお、水酸化アルミニウムのゾルは、酸化アルミニ
ウム含水物のゾル、アルミナゾルと称される場合がある
が、特にその名称を限定するものでない。
【0093】(実施例6)実施例6は、金属薄板および
絶縁層に対して密着性に優れた臭気分解触媒の材料組成
についてさらに検討したものである。
【0094】検討方法は、水酸化アルミニウムのゾルの
焼成物である担体層に、マンガンやコバルトさらに銅の
硝酸溶液を1重量%担持させ600℃で焼き付けて金属
酸化物に変化させた材料組成の臭気成分分解用触媒を形
成すること以外は、実施例5と同じである。その結果を
(表8)に示す。
【0095】
【表8】
【0096】アルミニウムを10〜45重量%混合した
琺瑯層に、水酸化アルミニウムのゾルを付着させ焼成し
てアルミナの担体層としマンガンやコバルトさらに銅の
酸化物を担持させた臭気分解触媒は、優れた浄化特性と
密着性を示すことがわかる。
【0097】この理由は、前述の実施例5と同じでアル
ミニウムが10〜45重量%好ましくは20〜40重量
%混合されることがこの優れた密着性の主原因であり、
担持させたマンガンやコバルトさらに銅の酸化物も琺瑯
に混合されるアルミニウムによって担体層に良好に保持
される利点もさらに生じていた。
【0098】また、担持させる金属酸化物は、アルミナ
系担体層に対して0.1〜10重量の担持が最適であっ
た。
【0099】上記実施例で用いた琺瑯は実施例3と同じ
であり、上記量のアルミニウム以外に、ガラス成分の1
部に対して、金属酸化物系顔料(酸化マンガンと酸化鉄
が略等量混合)を3〜4部混合した組成物が、残部成分
として混入した物である。そこで、金属酸化物系顔料お
よびガラス成分の組成とその配合を種々変化させた琺瑯
層を使用してその効果を確認したが、琺瑯の担体層およ
び金属薄体に対する密着性は問題なかった。また実施例
4のように、さらに酸化チタンを10〜25重量%混合
した琺瑯を使用して、同様の検討を行ったが、琺瑯の担
体層および金属薄体に対する密着性は一層向上した。以
上のことより、金属酸化物系顔料およびガラス成分の材
料組成や配合が変化してもアルミニウムが10〜45重
量%混合された琺瑯であれば、金属薄体および臭気分解
触媒に対する密着性は問題なく、琺瑯層中にアルミニウ
ムが10〜45重量%混合されることが、この優れた密
着性の主原因であった。
【0100】さらに、担体層として用いる水酸化アルミ
ニウムのゾル組成についても、酸化セリウムをゾルに2
〜30重量%好ましくは2〜15重量%混合することの
利点や、酸化バリウムや酸化カルシウムさらに酸化マグ
ネシウムをゾルに1〜30重量%好ましくは1〜10重
量%混合することの利点は、実施例5と同じである。
【0101】また、金属薄体の材質はステンレスを使用
する範囲において特に限定されるものでなく、ステンレ
スであれば同様の効果が得られることは言うまでもな
い。
【0102】(実施例7)実施例7は、複数の開孔部を
有する非通電の通気板を、臭気分解触媒付き金属薄板の
後流側に、ガス通過方向に対して略垂直に配置した脱臭
装置の効果について検討したものである。その実施例は
図1、図3であり、複数の開孔部を有する通電なしの通
気板23が、筐体17のガス通過用空洞18内に配置し
た金属薄板20の後流側に、ガス通過方向に対して略垂
直に配置されている。
【0103】通気板の効果は、この脱臭装置を加熱調理
器に取り付け、消費電力と到達温度、調理ガスの洩れ状
況、炭化水素除去率の3項目で判定した。その結果を
(表9)に示す。
【0104】試作番号1は、通気板なしの脱臭装置であ
り、臭気分解触媒付き金属薄板だけが1層構造で配置さ
れている。
【0105】試作番号2は、ラス網加工で複数の開孔部
を形成したステンレス製の通気板(通電なし)を、臭気
分解触媒付き金属薄板の後流側に配置した脱臭装置であ
る。
【0106】なお、いずれの試作番号も、通電により発
熱する臭気分解触媒付き金属薄板が前流側に配置されて
いる。この臭気分解触媒付き金属薄板は、ラス網加工し
更に波付け加工したステンレス製箔体の表面に、琺瑯製
の絶縁層と、水酸化アルミニウムのゾルを付着させ焼成
してアルミナの担体層とこの担体層に担持した白金とパ
ラジウムの貴金属から構成される臭気分解触媒を、順に
形成したものである。そして、50Wの通電で400℃
に保持されている。
【0107】
【表9】
【0108】複数の開孔部を有する通気板を、臭気分解
触媒付き金属薄板の後流側に配置すると、臭気成分の分
解率が一層高まることがわかる。これは、通気板によっ
てガスの通過速度が低下して、金属薄板に設けている臭
気分解触媒との反応時間が長くなるためである。また、
調理ガスの漏れもなかった。
【0109】(実施例8)実施例8は、臭気分解触媒付
き金属薄板20の後流側に、複数の開孔部を有する非通
電の通気板23を配置し、この通気板23の表面に臭気
分解触媒を形成した脱臭装置の効果について検討したも
のである。
【0110】通気板の表面に形成した臭気分解触媒の効
果は、この脱臭装置を加熱調理器に取り付けて、到達温
度、調理ガスの洩れ状況、炭化水素除去率の3項目で判
定した。その結果を(表10)に示す。
【0111】試作番号1は、通気板だけを有する脱臭装
置であり、通気板はラス網加工し更に波付け加工したス
テンレス製箔体を使用した。
【0112】試作番号2は、通気板に臭気分解触媒を形
成した脱臭装置である。臭気分解触媒を形成した通気板
は、ラス網加工し更に波付け加工したステンレス製箔体
の表面に、熱処理により形成した酸化被膜と、水酸化ア
ルミニウムのゾルを付着させ焼成してアルミナの担体層
とこの担体層に担持した白金とパラジウムの貴金属から
構成される臭気分解触媒を、順に形成したものを使用し
た。
【0113】なお、いずれの試作番号品も、前流側には
通電により発熱する臭気分解触媒付き金属薄板が配置さ
れており、後流側の通気板は通電なしである。
【0114】
【表10】
【0115】通気板に臭気分解触媒を形成すると、臭気
成分の分解率が一層高まることがわかる。これは、前流
側に配置した臭気分解触媒付き金属薄板が通電によって
400℃まで昇温し、この熱が後流側に配置した通気板
に伝わって通気板が380℃まで上昇し、触媒の効果が
発揮されるためである。また、臭気分解触媒は、ステン
レス製箔体を熱処理にして形成した酸化被膜の表面に、
水酸化アルミニウムのゾルを付着させ焼成してアルミナ
の担体層を形成しさらにこの担体層に白金とパラジウム
の貴金属を担持させた製法で得ているため、密着性が優
れている。一方、通気板は通電されないため、金属薄板
だけに電力が集中しその結果、金属薄板は高い温度に保
持されその表面に形成した臭気分解触媒の分解特性が益
々向上する。
【0116】(実施例9)実施例9は、撥水耐熱絶縁性
シートの設定幅について検討したものである。
【0117】効果判定は、まず大気側方向に設定する幅
の決定から行った。実験は、図1記載の加熱調理器9を
使用し、撥水耐熱絶縁性シート14である4フッ化エチ
レン樹脂のシートを介在させて、ステンレス製の排気筒
13の内側に脱臭装置15を取り付けた。
【0118】撥水耐熱絶縁性シート14は、厚み0.5
mmの帯状シートであり、その長さ180mmが排気筒13
の内側と脱臭装置15の外側の間に介在する周囲分とし
て使用されている。そして、調理ガス通過方向に設定さ
れる幅の内側部5mmが排気筒12への取り付け部16a
および脱臭装置14への取り付け部16bとして使用さ
れている。そして取り付け部16a、16b以外の残り
幅は、調理室側方向への設定幅と大気側方向への設定幅
を同じとして使用した。
【0119】効果の判定は、加熱熱源12および脱臭装
置15を非通電状態にし、温度40℃湿度90%の高温
高湿雰囲気中に60分間放置した際の、金属薄板20と
加熱調理器9間の絶縁抵抗を測定し、その最低値で行っ
た。撥水耐熱絶縁性シートの大気側方向への設定幅を変
化させて、最低絶縁抵抗を測定した結果を(表11)に
示す。
【0120】
【表11】
【0121】撥水耐熱絶縁性シートは、大気側方向へ幅
5mm以上設定すれば、高温高湿雰囲気中でも絶縁抵抗は
充分に確保されることがわかる。次に、調理室側方向に
設定する幅について検討した。
【0122】実験は、調理室側方向に設定する面積が異
なること以外は、実施例1と同じでありそのポイントは
以下の通りである。4フッ化エチレン樹脂製の撥水耐熱
絶縁性シート14は、厚み0.5mmの帯状シート(長さ
180mmを周囲介在分と使用)であり、調理ガス通過方
向に設定される幅の内側部5mmを脱臭装置15および排
気筒13への取り付け部16a、16bとし、外側部5
mmを大気側方向への設定幅としている。効果の判定は、
加熱調理器が若とり2枚重量500gを調理した直後に
加熱熱源および脱臭装置を非通電状態にし24時間経過
させた際の、金属薄板17と加熱調理器9間の絶縁抵抗
を測定し、その最低値で行った。撥水耐熱絶縁性シート
の調理室側方向への設定幅を変化させて、最低絶縁抵抗
を測定した結果を(表12)に示す。
【0123】
【表12】
【0124】上記実験より、撥水耐熱絶縁性シートの設
定幅は、大気側5mmに対して調理室側を5mm以上望まし
くは7.5mm以上に設定すれば、絶縁抵抗は充分に確保
されることがわかる。
【0125】(実施例10)実施例10は、撥水耐熱絶
縁性シートの材質について検討したものである。
【0126】実験は、撥水耐熱絶縁性シートの材質が異
なる以外は、実施例1と同じでありそのポイントは以下
の通りである。撥水耐熱絶縁性シート14は、厚み0.
5mmの帯状シート(長さ180mmを周囲介在分と使用)
であり、調理ガス通過方向に設定される幅20mmの内側
部5mmを脱臭装置15および排気筒13への取り付け部
16a、16bとし、外側部5mmを大気側方向への設定
幅、他方の外側部10mmを調理室側方向への設定幅とし
ている。効果の判定は、加熱調理器が若とり2枚で重量
500gを調理した直後に加熱熱源および脱臭装置を非
通電状態にし24時間経過させた際の、金属薄板17と
加熱調理器9間の絶縁抵抗を測定し、その最低値で行っ
た。撥水耐熱絶縁性シートの材質を変化させて、絶縁抵
抗を測定した結果を(表13)に示す。
【0127】
【表13】
【0128】撥水耐熱絶縁性シートが、フッソ樹脂を5
0重量%以上望ましくは60重量%含有するシート、も
しくはフッソ樹脂を表面に被覆したシートであると、絶
縁抵抗は充分に確保されることがわかる。また、耐熱性
の有るフッソ樹脂であるため、特に耐熱性が優れた4フ
ッ化エチレン樹脂であると、排出調理ガス温度を冷却す
るための部品や空間を必要とせず、その分だけ加熱調理
器を小型化できる。
【0129】(実施例11)実施例11は、高周波加熱
装置を有する加熱調理器への応用例であり、その応用例
を図1に示す。
【0130】高周波加熱装置24を併設すると、その電
波漏れ防止のため調理室10と排気筒13の間に、複数
の開口穴を有する金属製の高周波電波漏洩防止材25を
取り付ける必要がある。そのため、この高周波電波漏洩
防止材25と脱臭装置15が排出調理ガスの流れを妨
げ、取り付け条件が最適でないと加熱調理器の前面ドア
11などから調理ガスが漏れ、脱臭が効果的になされな
い。そこで、その取り付け条件の最適化を検討した。
【0131】実験はまず、脱臭装置を取り付けない状態
にある高周波加熱装置付き加熱調理器において、最適な
高周波電波漏洩防止材の条件を求めた。電波漏れ防止の
ためには、その開口穴は開口穴と非開口穴部の合計面積
に対して45%以下(以下、開口比45%以下と称す)
とし、金属板の板厚1.0mm以上とする必要がある。
【0132】そこで、開口比45%で板厚1.0mmの条
件において、加熱調理器のドアなどから調理ガスが漏れ
ない寸法を求めたところ、その開口穴と非開口穴部の合
計面積が高さ3cm×横幅6cm以上あれば調理ガスが
漏れないことを確認した。以後、これを基礎に最適化の
検討を進めた。(表14)は、高周波電波漏洩防止材の
開口穴と非開口穴部の合計面積と、脱臭装置の筺体に形
成したガス通過用空洞の開口面積の関係について検討し
たものである。
【0133】
【表14】
【0134】高周波電波漏洩防止材の開口穴と非開口穴
部の合計面積を、筺体に形成したガス通過用空洞の開口
面積より大きくすることで、調理ガスの漏れがなく、し
かも脱臭装置を小型にできる。
【0135】
【発明の効果】以上の説明から明らかのように本発明の
加熱調理機器によれば、次の効果が得られる。
【0136】本発明の請求項1記載の発明によれば、通
電により発熱する金属薄板を有する脱臭装置を、調理ガ
ス通過方向における幅を取り付け部より両側に大きく設
定した撥水耐熱絶縁性シートを周囲に介在させて排気筒
に取り付けているので、付着水分に起因する排気筒と脱
臭装置との電気的導通が、撥水耐熱絶縁性シートの撥水
作用および絶縁作用によって遮断され、金属薄板に流れ
ている電流が加熱調理器に流れることが防止される。さ
らに、シートであるためその弾力作用により、脱臭装置
を排気筒に隙間なく取り付けることができ、取り付けた
際のガス漏れも発生しない。また、臭気分解触媒が絶縁
層を介して発熱する金属薄板に直接的に形成されている
ため、触媒の加熱が小電力でしかも短い時間ですむ。
【0137】本発明の請求項2記載の発明によれば、箔
体をラス網状に加工して複数の開孔部を形成しているた
め、熱容量や重量が小さくしかも開孔率が大きい金属薄
板となり、小さな消費電力で早い昇温スピードを得るこ
とができる。しかも、金属薄板はステンレスであるので
耐食性に優れるとともにラス網加工が自由にでき、更に
波付け加工することで単位体積当たりの発熱面積が大き
くなって高い温度が得られる。また、金属薄板は、筺体
のガス通過用空洞にガス通過方向に対して略垂直に配置
されているので、ラス網に設けた開孔部を効果的にガス
が通過して圧力損失が低減するとともに、絶縁層を介し
て形成した触媒との接触が良くなり臭気成分の分解率が
高まる。
【0138】本発明の請求項3記載の発明によれば、琺
瑯層にアルミニウムが10〜45重量%含まれるため、
焼き付けた際にアルミニウムは体積膨張しその表面に酸
化アルミニウムの被膜を形成する。そのため琺瑯層は多
孔質な絶縁層となり、琺瑯焼き付け時のラス網状金属薄
体の熱変形や琺瑯層の剥離が発生しない。
【0139】本発明の請求項4記載の発明によれば、琺
瑯層はアルミニウムの10〜45重量%のほかに酸化チ
タンが10〜25重量%含まれているため、耐熱水性に
優れた多孔質絶縁層となり蒸気に長時間曝されても剥離
が生じないし、琺瑯焼き付け時のラス網状金属薄体の熱
変形や琺瑯層の剥離も発生しない。
【0140】本発明の請求項5記載の発明によれば、ア
ルミニウムを10〜45重量%混合した琺瑯層に、水酸
化アルミニウムを主成分とするゾルを付着させ焼成した
担体層とこの担体層に担持された白金とパラジウムのう
ちのいずれかまたは両方を備えた貴金属から構成される
臭気分解触媒を形成したため、臭気分解触媒は、優れた
浄化特性と密着性を示す。これは、アルミニウムの混合
で多孔質となった琺瑯層の空隙に担体層が浸入して強固
に付着するとともに、高活性な白金とパラジウムのうち
の少なくともいずれかまたは両方を備えた貴金属がこの
多孔質な担体層に強固に付着しているためである。
【0141】本発明の請求項6記載の発明によれば、ア
ルミニウム重量%混合した琺瑯層に、水酸化アルミニウ
ムを主成分とするゾルを付着させ焼成した担体層とこの
担体層に担持されたマンガン酸化物と銅酸化物とコバル
ト酸化物のうちの少なくともいずれか1種または複数種
の金属酸化物から構成される臭気分解触媒を形成したた
め、臭気分解触媒は、優れた浄化特性と密着性を示す。
これは、アルミニウムの混合で多孔質となった琺瑯層の
空隙に担体層が浸入して強固に付着するとともに、高活
性なマンガン酸化物と銅酸化物とコバルト酸化物のうち
のいずれか1種または複数種の金属酸化物がこの多孔質
な担体層に強固に付着しているためである。
【0142】本発明の請求項7記載の発明によれば、複
数の開孔部を有する通気板を、筺体のガス通過用空洞に
おける金属薄板の後流側に、ガス通過方向に対して略垂
直に配置するため、通気板によってガスの通過速度が低
下して、金属薄板に設けている臭気分解触媒との反応時
間が長くなり臭気成分の分解率が一層高まる。
【0143】本発明の請求項8記載の発明によれば、金
属製の通気板を熱処理することによって形成した酸化被
膜の表面に、水酸化アルミニウムを主成分とするゾルを
付着させ焼成した担体層とこの担体層に担持された白金
とパラジウムのうちの少なくともいずれかまたは両方を
備えた貴金属から構成される臭気分解触媒を形成したた
め、触媒との反応回数が増え臭気成分の分解率がさらに
高まり、その密着性も良好となる。
【0144】本発明の請求項9記載の発明によれば、撥
水耐熱絶縁性シートの設定面積を、水分量の多い排出調
理ガス側を大きくしているため、水分の撥水が充分に行
われ、付着水分に起因する排気筒と脱臭装置との電気的
絶縁が一層充実し、金属薄板に流れている電流が加熱調
理器に流れることが一層防止される。
【0145】本発明の請求項10記載の発明によれば、
撥水耐熱絶縁性シートをフッソ樹脂を主成分とするシー
ト、もしくはフッソ樹脂を表面に被覆したシートである
としたため、水分の撥水が充分に行われ、付着水分に起
因する排気筒と脱臭装置との電気的絶縁が一層充実にな
され、金属薄板に流れている電流が加熱調理器に流れる
ことが一層防止される。また、耐熱性の有るフッソ樹脂
であるため、排出調理ガス温度を冷却するための部品や
空間を必要とせず、その分だけ加熱調理器を小型化でき
る。
【0146】本発明の請求項11記載の発明によれば、
高周波加熱装置付きの加熱調理機器とし、調理室と排気
筒の間に、複数の開口穴を有する金属製の高周波電波漏
洩防止材を取り付け、前記高周波電波漏洩防止材の開口
穴と非開口穴部を合計した面積を、筺体に形成したガス
通過用空洞の開口面積より大きくしたため、高周波電波
漏洩防止材の圧力損失が低減され、さらにその分だけ脱
臭装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である加熱調理器の断面図
【図2】同要部拡大断面図
【図3】同実施例に用いる脱臭装置の一部破断斜視図
【図4】従来の加熱調理器の断面図
【図5】同触媒装置の拡大断面図
【符号の説明】
9 加熱調理器 10 調理室 12 加熱熱源 13 排気筒 14 撥水耐熱絶縁性シート 15 脱臭装置 16a、16b 取り付け部 17 筐体 18 ガス通過用空洞 19 開孔部 20 金属薄板 21 絶縁層 22 臭気分解触媒 23 通気板 24 高周波加熱装置 25 高周波電波漏洩防止材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/44 B01J 23/72 M 23/72 B01D 53/36 H 23/745 B01J 23/74 301M 23/75 311M 23/889 23/84 311M (72)発明者 中野 幸一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 胡桃沢 利光 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 ▲とく▼滿 修三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 CC02 CC14 HH05 JJ03 KK08 MM02 MM07 NN02 QQ11 QQ14 QQ20 4D048 AA22 BA03X BA28X BA30X BA35X BA37X BA39X BA41X BB07 CA01 CC04 CC29 CC43 4G069 AA03 AA08 AA09 BA01A BA01B BA02B BA04A BA04B BA14A BA14B BA18 BA22B BA37 BB01B BB02A BB02B BB04A BB04B BB05C BB06A BB06B BC09B BC10B BC13B BC16C BC31A BC31B BC43B BC62A BC62B BC67A BC67B BC72A BC72B BC75A BC75B BD02B BD07B BE32B CA10 CA17 CD03 EA12 EB02 EB10 EB11 EB12Y EB15Y ED06 EE03 FA01 FA03 FB14 FB23 FB30 FC02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】調理室に収納した調理物から発生する調理
    ガスを排出する排気筒と、前記排気筒に撥水耐熱絶縁性
    シートを周囲に介在させて取り付けられており調理ガス
    に含まれる臭気成分を分解する脱臭装置とを備えてお
    り、前記脱臭装置が、ガス通過用空洞を内部に形成した
    耐熱絶縁性の筺体と、前記筺体のガス通過用空洞に配置
    されており複数の開孔部を有し通電により発熱する金属
    薄板と、前記金属薄板の表面に形成した耐熱性の絶縁層
    と、前記絶縁層の表面に形成した臭気分解触媒とで構成
    され、前記撥水耐熱絶縁性シートが調理ガス通過方向に
    設定した幅を前記脱臭装置および前記排気筒を取り付け
    た取り付け部の幅より両側に大きく設定して介在されて
    いる加熱調理器。
  2. 【請求項2】金属薄板が、ラス網状に加工することで複
    数の開孔部を形成した後に更に波付け加工したステンレ
    ス製箔体であり、筺体のガス通過用空洞にガス通過方向
    に対して略垂直に配置されている請求項1記載の加熱調
    理器。
  3. 【請求項3】金属薄板がラス網状に加工したステンレス
    薄板であり、絶縁層はアルミニウムを少なくとも10〜
    45重量%含む琺瑯とした請求項1記載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】絶縁層は、酸化チタンの10〜25重量%
    を混合した琺瑯とした請求項3記載の加熱調理器。
  5. 【請求項5】水酸化アルミニウムを主成分とするゾルを
    付着させ焼成した担体層と、前記担体層に担持された白
    金とパラジウムのうちの少なくともいずれかまたは両方
    を備えた貴金属とから構成される臭気分解触媒を、絶縁
    層の表面に形成した請求項3または4記載の加熱調理
    器。
  6. 【請求項6】水酸化アルミニウムを主成分とするゾルを
    付着させ焼成した担体層と、前記担体層に担持されたマ
    ンガン酸化物と銅酸化物とコバルト酸化物のうちの少な
    くともいずれか1種または複数種の金属酸化物とから構
    成される臭気分解触媒を、絶縁層の表面に形成した請求
    項3または4記載の加熱調理器。
  7. 【請求項7】複数の開孔部を有する非通電の通気板を、
    筺体のガス通過用空洞における金属薄板の後流側に、ガ
    ス通過方向に対して略垂直に配置した請求項1記載の加
    熱調理器。
  8. 【請求項8】通気板をステンレス製としその表面に、前
    記通気板を熱処理することによって形成した酸化被膜
    と、水酸化アルミニウムを主成分とするゾルを前記酸化
    被膜に付着させ焼成して形成した担体層に担持させた白
    金とパラジウムのうちの少なくともいずれかまたは両方
    を備えた貴金属とから構成される臭気分解触媒を形成し
    た請求項7記載の加熱調理器。
  9. 【請求項9】撥水耐熱絶縁性シートの設定幅を、取り付
    け部の端部から調理室側方向へ設定する幅が、取り付け
    部の他端部から大気側方向へ設定する幅よりも大きくし
    た請求項1記載の加熱調理器。
  10. 【請求項10】撥水耐熱絶縁性シートを、フッソ樹脂を
    主成分とするシート、もしくはフッソ樹脂を表面に被覆
    したシートとした請求項1記載の加熱調理器。
  11. 【請求項11】高周波加熱装置を併設した加熱調理機器
    であり、調理室と排気筒の間に、複数の開口穴を有する
    金属製の高周波電波漏洩防止材を取り付け、前記高周波
    電波漏洩防止材の開口穴と非開口穴部を合計した面積
    を、筺体に形成したガス通過用空洞の開口面積より大き
    くした請求項1記載の加熱調理機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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