JP2000018424A - 自動車エンジンの高冷却効率のワックス型サーモスタット - Google Patents

自動車エンジンの高冷却効率のワックス型サーモスタット

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JP2000018424A JP10219531A JP21953198A JP2000018424A JP 2000018424 A JP2000018424 A JP 2000018424A JP 10219531 A JP10219531 A JP 10219531A JP 21953198 A JP21953198 A JP 21953198A JP 2000018424 A JP2000018424 A JP 2000018424A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 クーリング・ファン・スイッチの連動によ
り、自動車エンジンの冷却水の温度の上限を従来の12
3℃を81℃以下に大きく低下させる高い冷却効率のワ
ックス型サーモスタットを得るにある。 【解決手段】 ロッド2に係合する弾性シール・スプー
ル5の中心孔の側壁の肉厚を超薄くし、更に、ジグル弁
機構を排除してリターン・スプリング13のバネ定数を
半減させ、サーモスタットの作動温度範囲をワックス7
が固体から液化する状態変化領域に集中させる様に構成
し、クーリング・ファン・スイッチの連動で水温の上限
を81℃以下に下げ、自己能力の50%内で従来の冷却
水の流量を倍増させるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの冷却水
の温度を制御するワックス型サーモスタットに関する。
【0002】
【従来の技術】サーモスタットの作動範囲は弁のリフト
・アップの大きなワックスが固体から液化する状態変化
領域の15℃と、弁のリフト・アップの微少なワックス
液の体膨張領域の30℃に亘る合計45℃なので、水温
の上限は123℃にもなる。これが従来自動車エンジン
の熱効率の著しく低い原因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サーモスタットの作動
温度範囲をワックスが固体から液化する弁のリフト・ア
ップの大きな状態変化領域の15℃間に集中し、その領
域の弁のリフト・アップの拡大、増長手段を講ずると共
に、クーリング・ファン・スイッチの連動により水温の
上限を81℃以下に抑えるのである。
【0004】
【発明が解決するための手段】弁のリフト・アップの拡
大、増長手段は、第1にロッドに係合する弾性シール・
スプールの中心孔の側壁の肉厚をロッドの直径の25%
から5%の範囲内に超薄くして、これを絞り上げるワッ
クス圧を下げるにあり、又、第2にサーモスタットのフ
ランジ面に少なくとも1個の小孔をあけ、主弁の表裏に
加わる水圧を同圧にしてリターン・スプリングのバネ定
数を1/2にしてワックスの液化を促進するにある。こ
の第1、第2の相乗効果と、後述する(図9)クーリン
グ・ファン・スイッチの連動により水温の上限を81℃
以下に抑え、自己能力の50%で冷却水の流量を倍増さ
せることが実現したのである(図2)。
【0005】例えばクーリング・ファン・スイッチが水
温81℃でONするようにセットする。本発明の主弁を
通る冷却水の流量が従来のものの倍であるからクーリン
グ・ファン・スイッチONの時は水温は極めて敏感に下
がるので水温は81℃を超すことはない。従って、クー
リング・ファン・スイッチの起動温度が先行する。水温
の上限は81℃とは限らない。それより1℃でも低い方
が良いので、それにはクーリング・ファン・スイッチの
起動温度を1℃刻みに下げて確認を取る。これが一番容
易、確実で時間もとらない。
【実施例】
【0006】図2は従来のワックス型サーモスタットY
と、それに、本発明のワックス型サーモスタットXとの
夫々冷却水温対主弁リフトのダイヤグラムである。
【0007】Xは72℃を起点として、僅か9℃の上昇
81℃で、リフト6mmになるが余裕は充分であり、更
に4℃の上昇85℃でリフトは倍の12mmになる。即
ち自己能力の50%で従来の2倍の成果を上げ、尚50
%(リフト6mm)の余裕を温存しているのであるが、
これはクーリング・ファン・スイッチが81℃でONし
て水温の上昇を止めるからである。若しクーリング・フ
ァン・スイッチが無ければXは大きくリフトアップして
危険である。本発明のサーモスタットは本発明のクーリ
ング・ファン・スイッチの連動無しで単独では存在出来
ないのである。
【0008】これに対しYは水温86℃以後はリフト不
足の連続でリフトが12mmに達するのに水温が123
℃にもなるが、全然余裕が無い。
【0009】X、Y曲線と、水温の上限81℃のZ−
Z’ラインとの間の斜線部分は主弁を通って流れるXと
Yの水量の差で、この時、Xのリフトは6mmでYのリ
フトは3mmになる。従ってXの水量はYの約2倍であ
る。クーリング・ファン・スイッチONで第1、第2の
相乗効果がこれ程の威力を発揮できるのである。従っ
て、このラジエータを含むクーリング・ファン、クーリ
ング・ファン・スイッチは他からの影響を受けぬように
ワンセットとして絶対に独立して設置するべきである。
そして、エアコン用のラジエータ及びファン等は小さく
別に設ける。
【0010】図3及び図4は本発明の自動車エンジン冷
却水の温度制御用ワックス型サーモスタットの断面図で
前者は主弁の閉弁時を後者はその全開時を示す。
【0011】図3に於いて、ワックス型サーモスタット
1に装着するサーモ・アクチュエータ2はロッド3とロ
ッド3に摺動自在に係合するガイド・メンバ4とガイド
・メンバ4の下端面に気密に係合し、同じくロッド3に
摺動自在に係合する弾性シール・スプール5の底内面と
ロッドの下端面との間に形成される空間に所要量の潤滑
油6を封じ込み、これ等4者を一体にしてワックス7を
充填する感熱シリンダ筒8内に挿入し、気密に圧着して
構成する。
【0012】一般にワックス型サーモスタットは図4に
示す様に、弁座9を形成するハウジング10に固定する
フレーム11と、弁座9に係合する主弁12、及びこれ
を圧入固定するサーモ・アクチュエータ2及び、主弁1
2とフレーム11との間に介装するリターン・スプリン
グ13とよりなる。
【0013】水温が規定温度を超えて上昇すると、サー
モ・アクチュエータ2の感熱シリンダ筒8内に密封充満
するワックス7の溶融膨張によるワックス圧と等価の弾
性シール・スプール5内の潤滑油6は、リターン・スプ
リング13に抗してロッド3を上方へ絞り上げる。然
し、ロッド3はハウジング10の頂点14に係合支持さ
れているので、相対的に主弁12は下方へ開く(図
4)。
【0014】水温が下降に転ずると感熱シリンダ筒8内
の溶融ワックス7は逐次凝固収縮するからリターン・ス
プリング13により主弁12は全閉に至る(図3)。こ
の様にしてハウジング10の頂点14に係合支持されて
いるロッド3に対しサーモ・アクチュエータ2のガイド
・メンバ4は上下に摺動し、これに固定される主弁12
及び主弁と一体構成のバイパス弁15はこれに対応して
開閉する。
【0015】以下に弾性シール・スプールの肉厚を超薄
くし且つ、フランジ面に小孔を設け、リターン・スプリ
ングのバネ定数を1/2にする相乗効果に就き説明す
る。
【0016】ワックス圧の代りに油圧を利用した簡易な
弾性シール・スプールの油圧力−主弁リフトの卓上試験
装置を図1に示す。 35.油圧供給口 36.サーモ・アクチュエータ 内部の弾性シール・スプールを観察出来る様に感熱シリ
ンダを切断して装着する 37.外部から内部を観察する窓 38.透明なアクリルパイプ 39.弾性シール・スプール 40.ロッド 41.潤滑油 42.リターン・スプリング 43・ダイヤル・インジゲータ(図示せず)
【0017】図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値を表1に示す。 表1に於いて (A)は従来のロッド3の径3.8mmで、その径の4
5%の肉厚1.7mmのもの (B)はロッド3の径4.5mmで、その径の25%の
肉厚1.25mmのもの (C)はロッド3の径4.5mmで、その径の5%の肉
厚0.225mmのもの であって係合するリターン・スプリング9のバネ定数は
0.55kg/mmである。
【0018】弾性シール・スプール5の肉厚が(C)の
ように超薄いとスプール内部の潤滑油6の圧力はワック
ス圧と等価になる。弾性シール・スプール5はその内外
から等価の圧力で支えられ浮遊状態になるので、ロッド
3間の摩擦抵抗が0となり、ロッド3のリフト・アップ
はロッド3の下端面に加えられる潤滑油6の圧力によっ
てもたらされる。
【0019】(A)は肉厚1.7mmのため起動圧力は
80kg/cmで、リフトが0.6mmであり、バネ
荷重15.1kgに抗し、ロッド3を10mm絞り上げ
るのに140kg/cmの圧力を要し論外である。
【0020】ロッド3を起動する圧力は(B)、(C)
共に50kg/cmで、その時の主弁のリフトは同じ
く0.4mmであるが、それ以後はバネ荷重15.1k
gに抗してロッドを10mm絞り上げるのに、(C)は
超薄肉0.225mmのため、90kg/cmで達
し、(B)は遅れて100kg/cmで達す。
【0021】従って、これ等を考えると、弾性シール・
スプール5の肉厚を(B)以上に厚くすると、起動圧力
は50kg/cmを超すので、肉厚の上限はロッド3
の径の25%とする。又、弾性シール・スプール5の肉
厚は(C)に示す5%で充分で、これ以上薄くすると、
その製造が困難になり、コスト高になるので、肉厚の下
限はロッド3の径の5%とする。
【0022】更に、表1の(C)のリターン・スプリン
グ9のバネ定数0.55kg/mmを0.27kg/m
mに変えて、図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値(D)を表2に示す。
【0023】(D)の起動圧力30kg/cmで弁リ
フトは0.3mm、圧力60kg/cmで弁リフトは
13.5mmとなる。超薄肉の弾性シール・スプール5
に、更にバネ定数を従来、0.55kg/mmを0.2
7kg/mmと約半減にしたリターン・スプリング9を
係合して、ワックス7の液化を促進し、その液化の量を
急増させて弁リフトを上げる相乗効果は図2に示す通り
で群を抜くのである。
【0024】従来から現在に亘り、自動車エンジンのサ
ーモスタット1のフランジ面16にはエンジンの冷却水
の温度上昇を早める目的で必ず公知のジグル弁機構17
(図5)を装着する。エンジンの作動中は水圧で閉弁
し、エンジンが停止するとジグル弁18が解放されて開
き、矢印の方向に冷却水の補給が出来る。
【0025】ところが、このジクル弁機構は実は後述す
る様に諸悪の根源である。以下これに就き述べる。
【0026】図6はジグル弁機構付き(図示せず)従来
の旧型のワックス型サーモスタット構成の自動車エンジ
ン冷却システムの一例である。エンジンのウォータ・ジ
ャケット20の流出口21とラジエータ22の流入口2
3間の第1水路24と、ラジエータの流出口25とサー
モスタット・キャップ26、サーモスタット・ハウジン
グ27、ウォータ・ポンプ28を経てウォータ・ジャケ
ット20の流入口29に至る第2水路30と、第1水路
24及び第2水路30間を連通するバイパス水路31
と、バイパス水路31の開口32を開閉するバイパス弁
15及び第2水路を開閉する主弁12を有するバイパス
型サーモスタット1は、サーモスタット・キャップ26
によってサーモスタット・ハウジング27内に気密に固
定される。
【0027】尚、図に於いてA’はサーモスタット・ハ
ウジング27内、B’はサーモスタット・キャップ26
内に近接する部位の水温の測定点、Cは流量の測定点で
あり、33はクーリング・ファンである。
【0028】エンジンの冷態時、バイパス型サーモスタ
ット1の主弁12は密閉し、ジグル弁18(図示せず)
も水圧で閉弁しているので、ウォータ・ジャケット20
の流出口21からの高温の冷却水は、ラジエータ22内
を還流出来ず、第1水路24の分岐点Jからバイパス水
路31→サーモスタット・ハウジング27→ウォータ・
ポンプ28→ウォータ・ジャケット20の流入口29へ
と矢印の様に短絡還流する。従ってサーモスタット・ハ
ウジング29内の水温の上昇は早くなる。
【0029】然し、ラジエータ22とサーモスタット・
キャップ26間の冷却水は流れないで滞留しているから
水温の上昇率は低い。図6の自記記録の図7で明らかな
ように、サーモスタット・ハウジング27内の測定点
A’における水温Aがバイパス型サーモスタット1の主
弁12の開弁温度87℃になっても、第2水路30の図
示測定点B’の水温Bは45℃になるに過ぎず、その差
は42℃である。サーモスタット1の主弁12が開弁す
る瞬間、ラジエータ22の下部からの低温冷却水が流入
するため、Bの水温は更に13℃下がり、結局、サーモ
スタット・ハウジング27内の水温との差は55℃に拡
大する。A、B間の斜線で示す面積はその間の熱エネル
ギー損失となる。尚、経過時間はAの水温60℃の時を
0とする。
【0030】サーモスタット1の熱応答は冷却水の熱応
答よりかなり遅れる。従って、主弁12は水温が規定の
開弁温度よりかなり高くなってから弁を開く。同様に、
水温が規定の閉弁温度よりかなり下がってから弁を閉じ
る。この主弁12の開閉初期に大きな熱オーバー・シュ
ートが発生し、又、主弁が閉じたとき主弁の上流側にサ
ージ圧のピークが続発する。
【0031】この熱オーバー・シュートとサージ圧によ
って、シリンダ・ブロック、シリンダ・ヘッドに亀裂が
発生することがあり、サーモスタット1、ラジエータ2
2、ウォータ・ポンプ28等の寿命を縮める。
【0032】そこで、本発明では、従来のジグル弁機構
を排除してサーモスタットのフラシジ面16に少なくと
も1個の小孔19を開口する(図8)。この孔があって
も、コンピュータ制御によるスロットル・ボディ内に噴
射するコールド・スタート・インジェクターのためにエ
ンジンは暖気時間ゼロで即起動するのである。
【0033】本発明のサーモスタットは自己の能力の5
0%は温存しているのですべての作動が静かにソフトに
迅速に実行されるので、エンジンの振動も少なく、エン
ジンの寿命も増す。
【0034】本発明のサーモスタット4ヶの耐久試験の
結果を表3に、従来のもの4ヶを表4に示す。サーモス
タットの耐久性に最も重要な要素であるリフトの変化値
は本発明の方が従来のものより一桁以上も小さく、初期
との変化に至っては殆どゼロに等しい。
【0035】以上述べた本発明のサーモスタットは、ロ
ッドの径、シリンダの内容積、シリンダの肉厚を従来の
サーモスタットと同一のものとした。それでいてもこの
様な類を見ない成果を得たのであるが、以下に述べる手
段を講ずれば冷却水温の上限81℃を更に下げることが
出来る。
【0036】即ち、例えば図2で溶融温度がラインXよ
り3℃早い別のワックスを使用して冷却水温の上限81
℃を78℃に下げることが出来るのである。いずれにし
てもクーリング・ファンスイッチONの温度を1℃刻み
に下げて確認を取る。
【0037】図9はクーリング・ファンを電気的にO
N、OFF制御する有接点ファン・スイッチ44の拡大
断面図で、その右下にその実物大を示す。図9に於いて
ファン・スイッチに装着する小型サーモ・アクチュエー
タ45はロッド46とロッドに摺動自在に係合するガイ
ド・メンバ47の下端面に気密に係合し、同じくロッド
46に摺動自在に係合する弾性シール・スプール48の
底内面とロッドの下端面との間に形成される空間に所要
量の潤滑油49を封じ込み、これ等4者を一体にしてワ
ックス50を充填する感熱筒51内に挿入し、気密に圧
着して構成する。
【0038】サーモ・アクチュエータ45を筐体52の
下端に圧入固定し、ロッド46に挿入する止めリング5
3にリターン・スプリング54を負荷するプッシュ・ロ
ッド55は筐体52の中心孔を貫通突出し、摺動自在で
その先端面56は筐体52の上面に固定するスイッチ・
ケース57内の可動接点58の背面に対向する。
【0039】スイッチ・ケース57の内部には固定接点
59を固定する薄い燐青銅板60の開放遊端を止金具6
1の先端アゴ部で抑え込み、+端子62の下端に固定
し、電気絶縁モールド63で一体に成形する。この固定
接点59はスイッチ・ケース57内にあって可動接点5
8に対向する。可動接点58を固定する薄い燐青銅の円
板64は固定接点59に対し、スナップ・アクションす
るように湾曲成形し、その外周は止め盤65とバネ66
で支持する。そして、スイッチ・ケース57内にこれ等
接点機構を内蔵してケース57の上周面を図示のように
加圧してクーリング・ファン・スイッチは構成される。
【0040】エンジン冷却水の温度が上昇するとサーモ
・アクチュエータ45内のワックスは膨張して体積を増
し、ロッド46は上昇しロッドに固定する止めリング5
3を介してリターン・スプリング54に抗してプッシュ
・ロッド55を前進させる。そして例えば水温が81℃
になるとプッシュ・ロッド55は前進して可動接点58
は翻転してスイッチONとなる。水温が下がるとワック
スは収縮して今度はリターン・スプリング54によりプ
ッシュ・ロッド55は後退し、可動接点は逆に翻転して
スイッチOFFとなるのである。
【0041】このクーリング・ファン・スイッチの最適
起動温度は先行して1℃刻みで下げて確認決定し、エン
ジン冷却システムの最適部を選んでネジ込み、感熱筒が
冷却水中にある様に取り付けるのである。この有接点ク
ーリング・ファン・スイッチのONを75℃にした水温
対経過時間の自記記録を図10に示す。75℃に達する
迄はA’(図12)の温度AはB’(図12)の温度B
より1℃高いが75.5℃に達してON、OFF繰り返
す段になるとA、B共に75.5℃を上限として両者ほ
ぼ同じになり絶対に75.5℃を超すことはない。
【0042】図11は半導体温度センサを内蔵した無接
点型クーリング・ファン・スイッチ67の拡大断面図で
右下にその実物大を示す。本体68の上部にケース69
を固定し、ケース69の内部に+端子70を電気絶縁モ
ールドで一体に成形する絶縁体71を収容する。
【0043】本体68の内部に半導体温度センサー72
の+端子73を端子70に、又アース端子74をケース
69に夫々接続する。そして内部を例えばエポキシ系モ
ールドで固める。75はその注入口である。注入後、注
入口はモールドで塞がる。この無接点型クーリング・フ
ァン・スイッチのONを75℃にした実施例は図10と
全く同じである。
【0044】図12は本発明の自動車エンジン冷却シス
テムの一例である。図6のエンジン冷却システムと同一
の箇所には同一符号で示す。無接点型クーリング・ファ
ン・スイッチ67はサーモスタット・キャップ26を変
形して取り付ける。サーモスタット1は弾性シール・ス
プールの肉厚を超薄くし、リターン・スプリングのバネ
定数を半減し、更に従来のジグル弁機構をフランジ面か
ら取りのぞき小孔を設ける(図8)。76はファン駆動
モーターである。尚、図に於いてA’はウォータ・ジャ
ケット20の流出口からJの間、B’はウォータ・ポン
プ28の出口部位の水温の測定点である。
【0045】
【発明の効果】本発明は弾性シール・スプールの肉厚を
超薄くし、更にリターン・スプリングのバネ定数を半減
させる相乗効果と有接点或は半導体温度センサのクーリ
ング・ファン・スイッチの連動で、冷却水の流量の倍増
を自己能力の50%のリフト6mmで軽く達成、従来の
自動車エンジンの冷却水の温度の上限123℃を81℃
以下に大きく下げ、燃費を節約し、エンジンの寿命を増
し、NOx、COを削減し、地球温暖化防止に貢献す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワックス圧の代りに油圧を利用した弾性シ
ール・スプールの油圧力−弁リフトの試験装置。
【図2】 従来の最新型ワックス型サーモスタットY
と本発明のワックス型サーモスタットXの冷却水温対弁
リフトのダイヤグラムである。
【図3】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全閉時を示す。
【図4】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全開時を示す。
【図5】 ジグル弁機構。
【図6】 ジグル弁機構付の従来のサーモスタットで
構成する自動車エンジンの冷却システム。
【図7】 図6の冷却水の流量、温度、経過時間の自
記記録を示す。
【図8】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットのフランジ面の小孔を示す断面図。
【図9】 有接点クーリング・ファン・スイッチの断
面図。
【図10】 有接点クーリング・ファン・スイッチの冷
却水温対経過時間の自記記録を示す
【図11】 半導体温度センサを内蔵する無接点のクー
リング・ファン・スイッチの断面図
【図12】 本発明の自動車エンジンの高冷却効率のワ
ックス型サーモスタットに連動する同じく本発明の半導
体温度センサを内蔵する無接点クーリング・ファン・ス
イッチで構成する自動車エンジンの冷却システム。
【符号の説明】
1 サーモスタット 20 ウォータ・ジャ
ケット 2 サーモ・アクチュエータ 21 ウォータ・ジャ
ケットの流出口 3 ロッド 22 ラジエータ 4 ガイド・メンバ 23 ラジエータの流
入口 5 弾性シール・スプール 24 第1水路 6 潤滑油 25 ラジエータの流
出口 7 ワックス 26 サーモスタット
・キャップ 8 感熱シリンダ筒 27 サーモスタット
・ハウジング 9 弁座 28 ウォータ・ポン
プ 10 ハウジング 29 ウォータ・ジ
ャケットの流入口 11 フレーム 30 第2水路 12 主弁 31 バイパス水路 13 リターン・スプリング 32 バイパス水路
の開口 14 頂点 33 クーリング・
ファン 15 バイパス弁 44 有接点クーリング・ファン・ 16 フランジ面 スイッチ 17 ジグル弁機構 67 半導体温度センサを利用した 18 ジグル弁 無接点クーリング・ファン・ 19 小孔 スイッチ 76 ファン駆動モーター
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月3日(1998.7.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動車エンジンの高冷却効率のワッ
クス型サーモスタット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車エンジンの冷却水
の温度を制御するワックス型サーモスタットに関する。
【0002】
【従来の技術】サーモスタットの作動範囲は弁のリフト
・アップの大きなワックスが固体から液化する状態変化
領域の15℃と、弁のリフト・アップの微少なワックス
液の体膨張領域の30℃に亘る合計45℃なので、水温
の上限は123℃にもなる。これが従来自動車エンジン
の熱効率の著しく低い原因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サーモスタットの作動
温度範囲をワックスが固体から液化する弁のリフト・ア
ップの大きな状態変化領域の15℃間に集中し、その領
域の弁のリフト・アップの拡大、増長手段を講ずると共
に、クーリング・ファン・スイッチの連動により水温の
上限を81℃以下に抑えるのである。
【0004】
【発明が解決するための手段】弁のリフト・アップの拡
大、増長手段は、第1にロッドに係合する弾性シール・
スプールの中心孔の側壁の肉厚をロッドの直径の25%
から5%の範囲内に超薄くして、これを絞り上げるワッ
クス圧を下げるにあり、又、第2にサーモスタットのフ
ランジ面に少なくとも1個の小孔をあけ、主弁の表裏に
加わる水圧を同圧にしてリターン・スプリングのバネ定
数を1/2にしてワックスの液化を促進するにある。こ
の第1、第2の相乗効果と、後述する(図9)クーリン
グ・ファン・スイッチの連動により水温の上限を81℃
以下に抑え、自己能力の50%で冷却水の流量を倍増さ
せることが実現したのである(図2)。
【0005】例えばクーリング・ファン・スイッチが水
温81℃でONするようにセットする。本発明の主弁を
通る冷却水の流量が従来のものの倍であるからクーリン
グ・ファン・スイッチONの時は水温は極めて敏感に下
がるので水温は81℃を超すことはない。従って、クー
リング・ファン・スイッチの起動温度が先行する。水温
の上限は81℃とは限らない。それより1℃でも低い方
が良いので、それにはクーリング・ファン・スイッチの
起動温度を1℃刻みに下げて確認を取る。これが一番容
易、確実で時間もとらない。
【実施例】
【0006】図2は従来のワックス型サーモスタットY
と、それに、本発明のワックス型サーモスタットXとの
夫々冷却水温対主弁リフトのダイヤグラムである。
【0007】Xは72℃を起点として、僅か9℃の上昇
81℃で、リフト6mmになるが余裕は充分であり、更
に4℃の上昇85℃でリフトは倍の12mmになる。即
ち自己能力の50%で従来の2倍の成果を上げ、尚50
%(リフト6mm)の余裕を温存しているのであるが、
これはクーリング・ファン・スイッチが81℃でONし
て水温の上昇を止めるからである。若しクーリング・フ
ァン・スイッチが無ければXは大きくリフトアップして
危険である。本発明のサーモスタットは本発明のクーリ
ング・ファン・スイッチの連動無しで単独では存在出来
ないのである。
【0008】これに対しYは水温86℃以後はリフト不
足の連続でリフトが12mmに達するのに水温が123
℃にもなるが、全然余裕が無い。
【0009】X、Y曲線と、水温の上限81℃のZ−
Z’ラインとの間の斜線部分は主弁を通って流れるXと
Yの水量の差で、この時、Xのリフトは6mmでYのリ
フトは3mmになる。従ってXの水量はYの約2倍であ
る。クーリング・ファン・スイッチONで第1、第2の
相乗効果がこれ程の威力を発揮できるのである。従っ
て、このラジエータを含むクーリング・ファン、クーリ
ング・ファン・スイッチ、ファン・モーターは他からの
影響を受けぬようにワンセットとして絶対に独立して設
置するべきである(図12の一点鎖線内)。そして、エ
アコン用のラジエータ、及びファン等は小さく別に設け
る。
【0010】図3及び図4は本発明の自動車エンジン冷
却水の温度制御用ワックス型サーモスタットの断面図で
前者は主弁の閉弁時を後者はその全開時を示す。
【0011】図3に於いて、ワックス型サーモスタット
1に装着するサーモ・アクチュエータ2はロッド3とロ
ッド3に摺動自在に係合するガイド・メンバ4とガイド
・メンバ4の下端面に気密に係合し、同じくロッド3に
摺動自在に係合する弾性シール・スプール5の底内面と
ロッドの下端面との間に形成される空間に所要量の潤滑
油6を封じ込み、これ等4者を一体にしてワックス7を
充填する感熱シリンダ筒8内に挿入し、気密に圧着して
構成する。
【0012】一般にワックス型サーモスタットは図4に
示す様に、弁座9を形成するハウジング10に固定する
フレーム11と、弁座9に係合する主弁12、及びこれ
を圧入固定するサーモ・アクチュエータ2及び、主弁1
2とフレーム11との間に介装するリターン・スプリン
グ13とよりなる。
【0013】水温が規定温度を超えて上昇すると、サー
モ・アクチュエータ2の感熱シリンダ筒8内に密封充満
するワックス7の溶融膨張によるワックス圧と等価の弾
性シール・スプール5内の潤滑油6は、リターン・スプ
リング13に抗してロッド3を上方へ絞り上げる。然
し、ロッド3はハウジング10の頂点14に係合支持さ
れているので、相対的に主弁12は下方へ開く(図
4)。
【0014】水温が下降に転ずると感熱シリンダ筒8内
の溶融ワックス7は逐次凝固収縮するからリターン・ス
プリング13により主弁12は全閉に至る(図3)。こ
の様にしてハウジング10の頂点14に係合支持されて
いるロッド3に対しサーモ・アクチュエータ2のガイド
・メンバ4は上下に摺動し、これに固定される主弁12
及び主弁と一体構成のバイパス弁15はこれに対応して
開閉する。
【0015】以下に弾性シール・スプールの肉厚を超薄
くし且つ、フランジ面に小孔を設け、リターン・スプリ
ングのバネ定数を1/2にする相乗効果に就き説明す
る。
【0016】ワックス圧の代りに油圧を利用した簡易な
弾性シール・スプールの油圧力−主弁リフトの卓上試験
装置を図1に示す。 35.油圧供給口 36.サーモ・アクチュエータ 内部の弾性シール・スプールを観察出来る様に感熱シリ
ンダを切断して装着する 37.外部から内部を観察する窓 38.透明なアクリルパイプ 39.弾性シール・スプール 40.ロッド 41.潤滑油 42.リターン・スプリング 43・ダイヤル・インジゲータ(図示せず)
【0017】図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値を表1に示す。 表1に於いて (A)は従来のロッド3の径3.8mmで、その径の4
5%の肉厚1.7mmのもの (B)はロッド3の径4.5mmで、その径の25%の
肉厚1.25mmのもの (C)はロッド3の径4.5mmで、その径の5%の肉
厚0.225mmのもの であって係合するリターン・スプリング9のバネ定数は
0.55kg/mmである。
【0018】弾性シール・スプール5の肉厚が(C)の
ように超薄いとスプール内部の潤滑油6の圧力はワック
ス圧と等価になる。弾性シール・スプール5はその内外
から等価の圧力で支えられ浮遊状態になるので、ロッド
3間の摩擦抵抗が0となり、ロッド3のリフト・アップ
はロッド3の下端面に加えられる潤滑油6の圧力によっ
てもたらされる。
【0019】(A)は肉厚1.7mmのため起動圧力は
80kg/cmで、リフトが0.6mmであり、バネ
荷重15.1kgに抗し、ロッド3を10mm絞り上げ
るのに140kg/cmの圧力を要し論外である。
【0020】ロッド3を起動する圧力は(B)、(C)
共に50kg/cmでその時の主弁のリフトは同じく
0.4mmであるが、それ以後はバネ荷重15.1kg
に抗してロッドを10mm絞り上げるのに、(C)は超
薄肉0.225mmのため、90kg/cmで達し、
(B)は遅れて100kg/cmで達す。
【0021】従って、これ等を考えると、弾性シール・
スプール5の肉厚を(B)以上に厚くすると、起動圧力
は50kg/cmを超すので、肉厚の上限はロッド3
の径の25%とする。又、弾性シール・スプール5の肉
厚は(C)に示す5%で充分で、これ以上薄くすると、
その製造が困難になり、コスト高になるので、肉厚の下
限はロッド3の径の5%とする。
【0022】更に、表1の(C)のリターン・スプリン
グ9のバネ定数0.55kg/mmを0.27kg/m
mに変えて、図1の試験装置で測定した油圧−主弁リフ
トの実測値(D)を表2に示す。
【0023】(D)の起動圧力30kg/cmで弁リ
フトは0.3mm、圧力60kg/cmで弁リフトは
13.5mmとなる。超薄肉の弾性シール・スプール5
に、更にバネ定数を従来、0.55kg/mmを0.2
7kg/mmと約半減にしたリターン・スプリング9を
係合して、ワックス7の液化を促進し、その液化の量を
急増させて弁リフトを上げる相乗効果は図2に示す通り
で群を抜くのである。
【0024】従来から現在に亘り、自動車エンジンのサ
ーモスタット1のフランジ面16にはエンジンの冷却水
の温度上昇を早める目的で必ず公知のジグル弁機構17
(図5)を装着する。エンジンの作動中は水圧で閉弁
し、エンジンが停止するとジグル弁18が解放されて開
き、矢印の方向に冷却水の補給が出来る。
【0025】ところが、このジクル弁機構は実は後述す
る様に諸悪の根源である。以下これに就き述べる。
【0026】図6はジグル弁機構付き(図示せず)従来
の旧型のワックス型サーモスタット構成の自動車エンジ
ン冷却システムの一例である。エンジンのウォータ・ジ
ャケット20の流出口21とラジエータ22の流入口2
3間の第1水路24と、ラジエータの流出口25とサー
モスタット・キャップ26、サーモスタット・ハウジン
グ27、ウォータ・ポンプ28を経てウォータ・ジャケ
ット20の流入口29に至る第2水路30と、第1水路
24及び第2水路30間を連通するバイパス水路31
と、バイパス水路31の開口32を開閉するバイパス弁
15及び第2水路を開閉する主弁12を有するバイパス
型サーモスタット1は、サーモスタット・キャップ26
によってサーモスタット・ハウジング27内に気密に固
定される。
【0027】尚、図に於いてA’はサーモスタット・ハ
ウジング27内、B’はサーモスタット・キャップ26
内に近接する部位の水温の測定点、Cは流量の測定点で
あり、33はクーリング・ファンである。
【0028】エンジンの冷態時、バイパス型サーモスタ
ット1の主弁12は密閉し、ジグル弁18(図示せず)
も水圧で閉弁しているので、ウォータ・ジャケット20
の流出口21からの高温の冷却水は、ラジエータ22内
を還流出来ず、第1水路24の分岐点Jからバイパス水
路31→サーモスタット・ハウジング27→ウォータ・
ポンプ28→ウォータ・ジャケット20の流入口29へ
と矢印の様に短絡還流する。従ってサーモスタット・ハ
ウジング27内の水温の上昇は早くなる。
【0029】然し、ラジエータ22とサーモスタット・
キャップ26間の冷却水は流れないで滞留しているから
水温の上昇率は低い。図6の自記記録の図7で明らかな
ように、サーモスタット・ハウジング27内の測定点
A’における水温Aがバイパス型サーモスタット1の主
弁12の開弁温度87℃になっても、第2水路30の図
示測定点B’の水温Bは45℃になるに過ぎず、その差
は42℃である。サーモスタット1の主弁12が開弁す
る瞬間、ラジエータ22の下部からの低温冷却水が流入
するため、Bの水温は更に13℃下がり、結局、サーモ
スタット・ハウジング27内の水温との差は55℃に拡
大する。A、B間の斜線で示す面積はその間の熱エネル
ギー損失となる。尚、経過時間はAの水温60℃の時を
0とする。
【0030】サーモスタット1の熱応答は冷却水の熱応
答よりかなり遅れる。従って、主弁12は水温が規定の
開弁温度よりかなり高くなってから弁を開く。同様に、
水温が規定の閉弁温度よりかなり下がってから弁を閉じ
る。この主弁12の開閉初期に大きな熱オーバー・シュ
ートが発生し、又、主弁が閉じたとき主弁の上流側にサ
ージ圧のピークが続発する。
【0031】この熱オーバー・シュートとサージ圧によ
って、シリンダ・ブロック、シリンダ・ヘッドに亀裂が
発生することがあり、サーモスタット1、ラジエータ2
2、ウォータ・ポンプ28等の寿命を縮める。
【0032】そこで、本発明では、従来のジグル弁機構
を排除してサーモスタットのフランジ面16に少なくと
も1個の小孔19を開口する(図8)。この孔があって
も、コンピュータ制御によるスロットル・ボディ内に噴
射するコールド・スタート・インジェクターのためにエ
ンジンは暖気時間ゼロで即起動するのである。
【0033】本発明のサーモスタットは自己の能力の5
0%は温存しているのですべての作動が静かにソフトに
迅速に実行されるので、エンジンの振動も少なく、エン
ジンの寿命も増す。
【0034】本発明のサーモスタット4ヶの耐久試験の
結果を表3に、従来のもの4ヶを表4に示す。サーモス
タットの耐久性に最も重要な要素であるリフトの変化値
は本発明の方が従来のものより一桁以上も小さく、初期
との変化に至っては殆どゼロに等しい。
【0035】以上述べた本発明のサーモスタットは、ロ
ッドの径、シリンダの内容積、シリンダの肉厚を従来の
サーモスタットと同一のものとした。それでいてもこの
様な類を見ない成果を得たのであるが、以下に述べる手
段を講ずれば冷却水温の上限81℃を更に下げることが
出来る。
【0036】即ち、例えば図2で溶融温度がラインXよ
り3℃早い別のワックスを使用して冷却水温の上限81
℃を78℃に下げることが出来るのである。いずれにし
てもクーリング・ファンスイッチONの温度を1℃刻み
に下げて確認を取る。
【0037】図9はクーリング・ファンを電気的にO
N、OFF制御する有接点ファン・スイッチ44の拡大
断面図で、その右下にその実物大を示す。図9に於いて
ファン・スイッチに装着する小型サーモ・アクチュエー
タ45はロッド46とロッドに摺動自在に係合するガイ
ド・メンバ47の下端面に気密に係合し、同じくロッド
46に摺動自在に係合する弾性シール・スプール48の
底内面とロッドの下端面との間に形成される空間に所要
量の潤滑油49を封じ込み、これ等4者を一体にしてワ
ックス50を充填する感熱筒51内に挿入し、気密に圧
着して構成する。
【0038】サーモ・アクチュエータ45を筐体52の
下端に圧入固定し、ロッド46に挿入する止めリング5
3にリターン・スプリング54を負荷するプッシュ・ロ
ッド55は筐体52の中心孔を貫通突出し、摺動自在で
その先端面56は筐体52の上面に固定するスイッチ・
ケース57内の可動接点58の背面に対向する。
【0039】スイッチ・ケース57の内部には固定接点
59を固定する薄い燐青銅板60の開放遊端を止金具6
1の先端アゴ部で抑え込み、+端子62の下端に固定
し、電気絶縁モールド63で一体に成形する。この固定
接点59はスイッチ・ケース57内にあって可動接点5
8に対向する。可動接点58を固定する薄い燐青銅の円
板64は固定接点59に対し、スナップ・アクションす
るように湾曲成形し、その外周は止め盤65とバネ66
で支持する。そして、スイッチ・ケース57内にこれ等
接点機構を内蔵してケース57の上周面を図示のように
加圧してクーリング・ファン・スイッチは構成される。
【0040】エンジン冷却水の温度が上昇するとサーモ
・アクチュエータ45内のワックスは膨張して体積を増
し、ロッド46は上昇しロッドに固定する止めリング5
3を介してリターン・スプリング54に抗してプッシュ
・ロッド55を前進させる。そして例えば水温が81℃
になるとプッシュ・ロッド55は前進して可動接点58
は翻転してスイッチONとなる。水温が下がるとワック
スは収縮して今度はリターン・スプリング54によりプ
ッシュ・ロッド55は後退し、可動接点は逆に翻転して
スイッチOFFとなるのである。
【0041】このクーリング・ファン・スイッチの最適
起動温度は先行して1℃刻みで下げて確認決定し、エン
ジン冷却システムの最適部を選んでネジ込み、感熱筒が
冷却水中にある様に取り付けるのである。この有接点ク
ーリング・ファン・スイッチのONを75℃にした水温
対経過時間の自記記録を図10に示す。75℃に達する
迄はA’(図12)の温度AはB’(図12)の温度B
より1℃高いが75.5℃に達してON、OFF繰り返
す段になるとA、B共に75.5℃を上限として両者ほ
ぼ同じになり絶対に75.5℃を超すことはない。
【0042】図11は半導体温度センサを内蔵した無接
点型クーリング・ファン・スイッチ67の拡大断面図で
右下にその実物大を示す。本体68の上部にケース69
を固定し、ケース69の内部に+端子70を電気絶縁モ
ールドで一体に成形する絶縁体71を収容する。
【0043】本体68の内部に半導体温度センサー72
の+端子73を端子70に、又アース端子74をケース
69に夫々接続する。そして内部を例えばエポキシ系モ
ールドで固める。75はその注入口である。注入後、注
入口はモールドで塞がる。この無接点型クーリング・フ
ァン・スイッチのONを75℃にした実施例は図10と
全く同じである。
【0044】図12は本発明の自動車エンジン冷却シス
テムの一例である。図6のエンジン冷却システムと同一
の箇所には同一符号で示す。無接点型クーリング・ファ
ン・スイッチ67はサーモスタット・キャップ26を変
形して取り付ける。サーモスタット1は弾性シール・ス
プールの肉厚を超薄くし、リターン・スプリングのバネ
定数を半減し、更に従来のジグル弁機構をフラシジ面か
ら取りのぞき小孔を設ける(図8)。76はファン駆動
モーターである。尚、図に於いてA’はサーモスタット
・ハウジング27内、B’はサーモスタット・キャップ
26内の水温の測定点である。
【0045】
【発明の効果】本発明は弾性シール・スプールの肉厚を
超薄くし、更にリターン・スプリシグのバネ定数を半減
させる相乗効果と有接点或は半導体温度センサのクーリ
ング・ファン・スイッチの連動で、冷却水の流量の倍増
を自己能力の50%のリフト6mmで軽く達成、従来の
自動車エンジンの冷却水の温度の上限123℃を81℃
以下に大きく下げ、燃費を節約し、エンジンの寿命を増
し、NOx、COを削減し、地球温暖化防止に貢献す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワックス圧の代りに油圧を利用した弾性シ
ール・スプールの油圧力−弁リフトの試験装置。
【図2】 従来の最新型ワックス型サーモスタットY
と本発明のワックス型サーモスタットXの冷却水温対弁
リフトのダイヤグラムである。
【図3】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全閉時を示す。
【図4】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットの断面図で主弁の全開時を示す。
【図5】 ジグル弁機構。
【図6】 ジグル弁機構付の従来のサーモスタットで
構成する自動車エンジンの冷却システム。
【図7】 図6の冷却水の流量、温度、経過時間の自
記記録を示す。
【図8】 本発明の自動車エンジン用ワックス型サー
モスタットのフランジ面の小孔を示す断面図。
【図9】 有接点クーリング・ファン・スイッチの断
面図。
【図10】 有接点クーリング・ファン・スイッチの冷
却水温対経過時間の自記記録を示す
【図11】 半導体温度センサを内蔵する無接点のクー
リング・ファン・スイッチの断面図
【図12】 本発明の自動車エンジンの高冷却効率のワ
ックス型サーモスタットに連動する同じく本発明の半導
体温度センサを内蔵する無接点クーリング・ファン・ス
イッチで構成する自動車エンジンの冷却システム。
【符号の説明】 1 サーモスタット 20 ウォータ・ジャ
ケット 2 サーモ・アクチュエータ 21 ウォータ・ジャ
ケットの流出口 3ロッド 22
ラジエータ 4 ガイド・メンバ 23 ラジエータの流
入口 5 弾性シール・スプール 24 第1水路 6 潤滑油 25 ラジエータの流
出口 7 ワックス 26 サーモスタット
・キャップ 8 感熱シリンダ筒 27 サーモスタット
・ハウジング 9 弁座 28 ウォータ・ポン
プ 10 ハウジング 29 ウォータ・ジ
ャケットの流入口 11 フレーム 30 第2水路 12 主弁 31 バイパス水路 13 リターン・スプリング 32 バイパス水路
の開口 14 頂点 33 クーリング・
ファン 15 バイパス弁 44 有接点クーリング・ファン・ 16 フランジ面 スイッチ 17 ジグル弁機構 67 半導体温度センサを利用した 18 ジグル弁 無接点クーリング・ファン・ 19 小孔 スイッチ 76 ファン駆動モーター
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月8日(1998.7.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロッドとロッドに摺動自在なガイド・メ
    ンバとガイド・メンバの端面に気密に係合する弾性シー
    ル・スプールとロッドの下端と弾性シール・スプールの
    底面との空間に封じ込まれた潤滑油の4者を一体にして
    ワックスを充填する感熱シリンダ筒内に挿入し、気密に
    圧着して構成するワックス型サーモスタットのサーモ・
    アクチュエータのロッドに係合する弾性シール・スプー
    ルの中心孔の側壁の肉厚をロッドの直径の25%から5
    %の範囲に超薄くし、従来のジグル弁機構を排除し、サ
    ーモスタットのフランジ面に少なくとも1個の小孔を開
    口し、主弁の表裏に加わる水圧を同圧にして、主弁のリ
    ターン・スプリングのバネ定数を低減し、ワックスの液
    化を促進して主弁を通る冷却水の流量を約倍増し、これ
    に冷却水の温度の上限を大巾に下げるクーリング・ファ
    ン・スイッチを連動して構成することを特徴とする自動
    車エンジンの高冷却効率のワックス型サーモスタット。
  2. 【請求項2】小型ワックス型サーモ・アクチュエータを
    筐体の下端に挿入固定し、筐体の中心にリターン・スプ
    リングを負荷するプッシュ・ロッドを摺動自在に貫通突
    出し、該ロッドで筐体の上端に固定するスイッチ・ケー
    ス内の可動接点を押し、対向する固定接点に対しスナッ
    プ・アクションする様に構成することを特徴とする自動
    車エンジンの高冷却効率のワックス型サーモスタットに
    連動する有接点クーリング・ファン・スイッチ。
  3. 【請求項3】半導体温度センサ(IC化温度センサ)を
    利用して有接点のクーリング・ファン・スイッチを無接
    点化することを特徴とする自動車エンジンの高冷却効率
    のワックス型サーモスタットに連動するクーリング・フ
    ァン・スイッチ。
  4. 【請求項4】自動車エンジンの高冷却効率のワックス型
    サーモスタットとこれに連動する半導体温度センサを内
    蔵する無接点クーリング・ファン・スイッチとクーリン
    グ・ファン駆動モーターで構成する自動車エンジンの冷
    却システム。
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KR101478513B1 (ko) 2013-04-11 2015-01-02 전혜영 작동유체용 온도조절장치

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