JP2000017687A - 建設機械の騒音低減装置及び建設機械の吸音体 - Google Patents

建設機械の騒音低減装置及び建設機械の吸音体

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JP2000017687A
JP2000017687A JP10184165A JP18416598A JP2000017687A JP 2000017687 A JP2000017687 A JP 2000017687A JP 10184165 A JP10184165 A JP 10184165A JP 18416598 A JP18416598 A JP 18416598A JP 2000017687 A JP2000017687 A JP 2000017687A
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Sakae Takeda
栄 竹田
Katsumi Miyaki
克己 宮木
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建設機械の騒音のうち特に低周波数帯域の成分
を低減することにより、建設機械の全体的な騒音を十分
に低減できる建設機械の騒音低減装置、及びこれに用い
る建設機械の吸音体を提供する。 【解決手段】油圧ポンプ18、エンジン8、及びこのエ
ンジン8の補機等をカバー22a〜22eで覆ってなる
建設機械において、前記カバー22a〜22e内の前記
各機器に対応した位置に、少なくとも2つの吸音材3
3,34とこれら吸音材33,3の間に介在させる膜部
材35とからなる吸音体29〜32を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の騒音低
減装置及びこれに用いる建設機械の吸音体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】建設機械を構成するブーム、アーム、バ
ケット、旋回体、及び走行体等の動作部材は、通常、液
圧シリンダ(例えば油圧シリンダ、以下同様)、液圧モ
ータ等の液圧作動機によって駆動される。建設機械に
は、この液圧作動機の液圧源として液圧ポンプが設けら
れており、この液圧ポンプはエンジン等の原動機によっ
て駆動される。一般に、これら液圧ポンプ及び原動機
は、原動機に接続するラジエータ、消音器等の補機とと
もに、建設機械を構成する旋回体に載置され、カバーで
覆われている。
【0003】ところで、前述した液圧ポンプ、原動機、
及び補機は動作時に騒音を発生するため、この騒音の低
減を目的として従来より種々の方策がなされている。そ
の方策は、各機器からの発生音自体を低減する方策と、
発生した音を吸音又は遮音する方策とに大別される。こ
れらの方策のうち、発生した音を吸音する方策が一般的
であり、例えば、前述したカバーの内面に発泡ウレタン
系の吸音材を貼り付けることによって発生音の吸音を図
っている。このとき、一般に、吸音材には、その材料や
寸法等で決定される最も吸音性能が良好な固有の周波数
帯域が存在する。一般的に発泡ウレタン系の吸音材は、
厚さの増加に伴って低周波域の吸音率が上昇する傾向に
あるが、建設機械のエンジン室内のスペースの関係上、
現実的には厚さに限界があり、低周波域の吸音は難し
く、通常約1000ヘルツ近傍の帯域において最も優れ
た吸音性能を発揮するように使われることが多い。
【0004】前述した発泡ウレタン系吸音材の吸音性能
に関する公知技術としては、例えば、文献「小松技報1
997.VOL.43.NO.1」の技術論文・解説
「油圧ショベルの騒音低減について」がある。この従来
技術には、発泡ウレタン系吸音材の裏面に塗布する粘着
剤の面積を増やすことにより、発泡ウレタン系吸音材単
体での吸音周波数特性(約1000ヘルツがピーク)を
より高周波数側にシフトさせ、これによって高周波数側
の吸音率を高くできることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、上記の従来技術
にも記載されているように、欧州騒音規則に合格する騒
音基準を持った建設機械を開発することが急務となって
いる。通常、建設機械における主たる騒音源である原動
機、液圧ポンプ等からの騒音は、100Hzから250
Hz程度の低周波数であるため、この低周波数帯域の騒
音を低減することが、建設機械の全体的な騒音低減の観
点から重要である。
【0006】しかしながら、上記の従来技術は、発泡ウ
レタン系吸音材の単体での吸音周波数特性(約1000
ヘルツがピーク)をより高周波数側にシフトさせるもの
であり、低周波数側にシフトさせるものではない。その
ため、騒音のうち高周波数帯域の吸音性能は向上するも
のの、本来低減すべき低周波数帯域の吸音性能は低下す
る憾みがあり、建設機械の全体的な騒音を十分に低減す
ることができない。本発明は、上述の事柄に基づいてな
されたもので、建設機械の騒音のうち特に低周波数帯域
の成分を低減することにより、建設機械の全体的な騒音
を十分に低減できる建設機械の騒音低減装置、及びこれ
に用いる建設機械の吸音体を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、液圧ポンプ、原動機、及びこの原動機
の補機等を含む複数の機器をカバーで覆った建設機械に
設けられる建設機械の騒音低減装置において、前記カバ
ー内の各機器に対応した位置に、少なくとも2つの吸音
材とこれら吸音材の間に介在させる膜部材とからなる吸
音体を設けたことを特徴とする建設機械の騒音低減装置
にある。一般的に用いられる吸音材は、建設機械の主た
る騒音源である液圧ポンプ、原動機、及び原動機の補機
等からの騒音の周波数帯域ではあまり吸音性能が高くな
く、それよりも高周波数側において吸音性能が高いとい
う吸音周波数特性をもつ。そこで、本発明においては、
例えば2つの吸音材を用い、それらの間に膜部材を介在
させて吸音体を構成する。これにより、各機器から発生
した騒音が一方の吸音材に入射すると、音はその吸音材
で熱エネルギーに変換されながらさらに吸音材内部に侵
入し、一部は膜部材で入射側に反射し同様に熱エネルギ
ーに変換されて消滅する。また残りは膜部材を通過して
他方の吸音材へと侵入し、この吸音材内で同様に熱エネ
ルギーに変換され消滅する。このような膜部材での反射
機能を利用した吸音メカニズムにより、吸音体全体の吸
音周波数特性を、2つの吸音材それぞれの単体の吸音特
性よりも低周波数側にシフトさせ、低周波数帯域での吸
音効果を高めることができる。従って、主たる騒音源で
ある液圧ポンプ、原動機、及び原動機の補機等からの騒
音を低減することができるので、建設機械の全体的な騒
音を十分に低減することができる。
【0008】好ましくは、前記吸音体の膜部材は、前記
吸音材よりも透過率が小さくなるように構成されてい
る。
【0009】また、液圧ポンプ、原動機、及びこの原動
機の補機等を含む複数の機器をカバーで覆った建設機械
に設けられる建設機械の騒音低減装置において、前記カ
バー内の各機器に対応した位置に設けられ、少なくとも
2つの吸音材を備えた吸音体と、前記吸音材の間に介在
して設けられ、前記吸音体の吸音周波数特性を低周波数
側にシフトさせる吸音特性制御手段とを有することを特
徴とする建設機械の騒音低減装置にある。
【0010】さらに、液圧ポンプ、原動機、及びこの原
動機の補機等を含む複数の機器をカバーで覆った建設機
械に設けられる建設機械の吸音体において、少なくとも
2つの吸音材とこれら吸音材の間に介在させる膜部材と
を備え、かつ、前記カバー内の各機器に対応した位置に
配置したことを特徴とする建設機械の吸音体にある。
【0011】好ましくは、前記膜部材は、前記吸音材よ
りも透過率が小さくなるように構成されている。
【0012】また、液圧ポンプ、原動機、及びこの原動
機の補機等を含む複数の機器をカバーで覆った建設機械
の前記カバー内の各機器に対応した位置に設けられ、少
なくとも2つの吸音材を備えた建設機械の吸音体におい
て、該吸音体の吸音周波数特性を低周波数側にシフトさ
せる吸音特性制御手段を、前記吸音材の間に介在させた
ことを特徴とする建設機械の吸音体にある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルに適
用した場合の実施の形態を図面を用いて説明する。ま
ず、本発明の一実施の形態を図1〜図6により説明す
る。
【0014】図1は、本発明を適用する油圧ショベルを
示すもので、この図1において、1は走行体、2は走行
体1上に旋回可能に設けた旋回体、3は旋回体2の前方
左側に設けた運転室、4は前記旋回体2上に横置きに配
置したエンジン室、5は前記旋回体2の後部に設けたカ
ウンタウエイト、6は前記旋回体2の前部に設けられ、
ブーム6a、アーム6b、及びバケット6cからなる多
関節型のフロント装置である。
【0015】前記の走行体1は、左右に無限軌道履帯1
aを備えている。この無限軌道履帯1aは、それぞれ走
行用のモータ1bの駆動力によって駆動される。前記の
運転室3、エンジン室4、カウンタウェイト5、及び多
関節型のフロント装置6等を備えた旋回体2は、旋回体
2の中心部に設けた旋回用のモータ(図示せず)により
前記走行体1に対して旋回される。前記の多関節型のフ
ロント装置6を構成するブーム6a、アーム6b、及び
バケット6cは、それらにそれぞれ設けた各シリンダ7
a,7b,7cによって駆動動作される。前述したシリ
ンダ7a,7b,7c、旋回モータ、走行用のモータ1
b等の駆動機器(アクチュエータ)は、運転室3内の操
作者によって操作される操作レバーの操作に応動して、
エンジン8(後述する)で駆動される油圧ポンプ18
(後述する)からの圧油を制御する制御弁装置(図示せ
ず)からの圧油より駆動される。
【0016】図2は、本発明の騒音低減装置の一実施の
形態が適用されるエンジン室4の外観構造を示す拡大斜
視図、図3は本発明の騒音低減装置の一実施の形態が適
用されるエンジン室4の内部構造を示す図2中のIII−I
II矢視による断面図で、これらの図2及び図3におい
て、図1と同符号のものは同一部分を示す。
【0017】図2及び図3において、8は旋回体2の基
礎下部構造をなすメインフレーム9上に振動減衰装置1
0を介して設置されたエンジン、11はエンジン8のク
ランク軸、12はベルト13を介してクランク軸11に
連結された補助回転軸、14は補助回転軸12に設けた
冷却ファンで、この冷却ファン14には通常軸流ファン
が用いられている。前述した補助回転軸12の他方に
は、後述するラジエータにエンジン冷却水を循環させる
水ポンプ(図示せず)が連結されている。15は前記冷
却ファン14の前段(上流側)に配置した熱交換器で、
この熱交換器15はエンジン8の冷却水が循環供給され
ているラジエータ、油圧ポンプ(後述)から前記アクチ
ュエータに供給された油を冷却するオイルクーラ、また
必要に応じてエンジン8への燃焼用空気を予冷するため
に設置されるインタークーラ、エアコンのコンデンサで
構成される。16は熱交換器15の上方を塞ぐ仕切部
材、17は熱交換器15の下流側に固定されたシュラウ
ド、18は図示しない歯車機構を介しエンジン8に連結
され、エンジンの駆動力によって駆動される油圧ポン
プ、19はエンジン8の排気ガスが導かれてその消音を
行うマフラ、20はマフラ19の排気ガス管、21はエ
ンジン8の上部に固定されたマフラカバーで、このマフ
ラカバー21は油圧ポンプ18からエンジン8側への油
の飛散を防止するものである。また、22は前述したエ
ンジン8、冷却ファン14、熱交換器15、油圧ポンプ
18、マフラ19等の機器を覆うカバーで、このカバー
22は前側のカバー22a、後側のカバー22b、側面
のカバー22c、上面のカバー22d、及び下面のカバ
ー22eで構成されている。前述した上面カバー22d
は、その一方端がヒンジ23によって開閉可能に側面カ
バー22cに取付けられ、他方端には、その開閉側を側
面カバー22cに掛け止めるための係止具24が設けら
れている。
【0018】前述した側面カバー22c及び上面カバー
22dの熱交換器15側には、冷却ファンへの空気流P
を導入する吸気孔25,26がそれぞれ設けられ、また
側面カバー22c及び上面カバー22dの油圧ポンプ1
8側には、冷却ファン14から流出する空気流Pを外部
に排出する排気孔27,28がそれぞれ設けられてい
る。
【0019】以上のようなエンジン室4内に本発明の一
実施の形態による騒音低減装置が設けられる。図2及び
図3において、騒音低減装置は、前側カバー22a、後
側カバー22b、上面カバー22d、及び下面カバー2
2eのうちエンジン8に対応する位置に設けた吸音体2
9(一部図示せず)と、前側カバー22a、後側カバー
22b、及び下面カバー22eのうち冷却ファン14に
対応する位置に設けた吸音体30(同)と、前側カバー
22a、後側カバー22b、側面カバー22c、及び下
面カバー22eのうち油圧ポンプ18に対応する位置に
設けた吸音体31(同)と、マフラカバー21のうちマ
フラ19に対応する部分に設けた吸音体32とを備えて
いる。
【0020】図4は本発明の騒音低減装置の一実施の形
態に備えられた吸音体の基本的構造を示す斜視図、図5
は図4中のV−V矢視による断面図で、これら図4及び
図5において、図1〜図3と同符号のものは同一部分を
示す。図4及び図5において、前述した吸音体29,3
0,31,32は、基本的には同一構造であり、カバー
22a乃至22eの内面に取付けられた第1の吸音材3
3と、騒音発生機器側に位置する第2の吸音材34と、
これらの第1の吸音材33と第2の吸音材34との間に
介在させて設けた膜部材35とで構成されている。
【0021】前述した第1の吸音材33及び第2の吸音
材34は、例えば、コストの面等から好ましい発泡ウレ
タン材で構成されている。前述した膜部材35は、吸音
材33,34よりも透過率が小さくなるように構成され
ており、例えば塗料膜やビニール等のフィルム状体で構
成されている。この膜部材35と第1の吸音材33及び
第2の吸音材34との接合や、第1の吸音材33とカバ
ー22a乃至22eの内面との接合には、接着剤が用い
られる。なお、第1の吸音材33又は第2の吸音材34
の表面に塗布や噴霧等によって成膜を行い、これによっ
て膜部材35を形成しても良い。
【0022】なお、上記において、膜部材35が、吸音
材の間に介在して設けられ、吸音体の吸音周波数特性を
低周波数側にシフトさせる吸音特性制御手段を構成す
る。
【0023】次に、上述した本発明の騒音低減装置の一
実施の形態の動作を説明する。建設機械による作業を開
始するためにエンジン8を駆動すると、その駆動力が前
記歯車機構を介し油圧ポンプ18へ伝達されて前記斜板
が回転し、この斜板の傾転角に応じた容積の圧油を前記
制御弁装置を介し駆動機器へと吐出する。またこのと
き、エンジン8のクランク軸11の回転がベルト13を
介して補助回転軸12に伝達され、補助回転軸12が回
転して冷却ファン14が回転する。この冷却ファン14
の回転により、吸気孔25、26から空気が吸入され
て、熱交換器15を冷却し、熱交換器15を通過した空
気は冷却ファン14に流入する。冷却ファン14から流
出した空気は、空気流Pとして、エンジン8、油圧ポン
プ18、及びマフラ19等を冷却して、排気孔27、2
8から外部に放出される。さらにこのとき、エンジン8
からの排気ガスは、エンジン8の排気マニホールド(図
示せず)及びこれに接続される排気管(同)を介しマフ
ラ19に流入する。マフラ19に流入した排気ガスはマ
フラ19で消音された後、排気ガス管20から大気中に
放出される。
【0024】以上のような動作状態において、エンジン
8、油圧ポンプ18、マフラ19、冷却ファン14、及
び熱交換器15等から種々の騒音が発生するが、それら
のうち、主たる騒音は、エンジン8、油圧ポンプ18、
マフラ19等から発生する100Hzから250Hz程
度の低周波数の騒音である。本実施の形態では、カバー
22a乃至22eの各機器に対応する位置に吸音体29
〜32を設けることにより、これら低周波数成分を低減
する。以下、その詳細について説明する。
【0025】図4及び図5において、各機器から発生し
た騒音は、機器側にある第2の吸音材34に入射し、こ
の第2の吸音材34で熱エネルギーに変換されながらさ
らに第2の吸音材34の内部に侵入し、一部は膜部材3
5で入射側に反射し同様に熱エネルギーに変換され消滅
する。また残りは膜部材35を通過してカバー22a乃
至22eに取り付けられた第1の吸音材33に侵入し、
この第1の吸音材33内で同様に熱エネルギーに変換さ
れ消滅する。このような膜部材35での反射機能を利用
した吸音メカニズムにより、図6に示すように、吸音体
29〜32それぞれの吸音周波数特性(アで示す)を吸
音材33,34単体の吸音周波数特性(イで示す)より
も低周波数側にシフトさせ、低周波帯域での吸音効果を
高めることができる。従って、上述した本発明の一実施
の形態においては、主たる騒音源となるエンジン8、油
圧ポンプ18、マフラ19等からの騒音を低減すること
ができるので、建設機械の全体的な騒音を十分に低減す
ることができる。また、吸音体29〜32においては、
それらを構成する第1の吸音材33と、第2の吸音材3
4と、これら第1の吸音材33と第2の吸音材34との
間に設けた膜部材35との厚さを適宜変えることによ
り、吸音周波数特性をさらに細かく調整することができ
る。これにより、各機器から発生する騒音を最も効率よ
く吸音し得る吸音体を適宜提供することができる。この
とき、これら吸音体29〜32は、前記の厚さ調整によ
って容易に製作することができるので、生産性も良好で
ある。
【0026】図7は、本発明の騒音低減装置の他の実施
の形態による吸音体の基本構造を示す断面図で、上記本
発明の騒音低減装置の一実施の形態における図5に相当
する図である。図7において、図5と同符号のものは同
一部分である。この実施の形態による吸音体29〜32
は、図5に示す実施の形態に対して、各機器側に膜部材
36を介してもう一つの吸音材37を設けて、3層に構
成したものである。この実施の形態によれば、図5に示
す実施の形態に比べて、更に騒音の低減を図ることがで
きる。
【0027】図8は、本発明の騒音低減装置の更に他の
実施の形態による吸音体の基本構造を示す斜視図であ
り、図9は、本発明の騒音低減装置の更に他の実施の形
態による吸音体の基本構造を示す図8中のIX−IX矢視に
よる断面図であり、それぞれ上記本発明の騒音低減装置
の一実施の形態における図4及び図5に相当する図であ
る。これら図8及び図9において、図4及び図5と同符
号のものは同一部分である。
【0028】この実施の形態による吸音体29〜32
は、各機器側の面を網目状の板(例えばパンチングメタ
ル等)で構成しその網目間を通気孔38とした枠体39
を、カバー22a乃至22eの内面に溶接等により固定
し、この枠体39内のカバー側に吸音材33と膜部材3
5とを設けるとともに、枠体39内の通気孔28側に吸
音材34を設け、膜部材35と吸音材34との間に空気
層40を形成して構成したものである。なお、吸音材3
3、吸音材34、及び膜部材35の枠体39への固定
は、例えば接着剤で接着すれば良い。また、後述の図1
1のようなピン体を用いて固定しても良い。このとき、
空気層40部分に相当する位置には、膜部材35・吸音
材34間にスペーサを配置して間隙を確保すればよい。
【0029】この実施の形態によれば、騒音は、吸音材
34に入射して吸音された後、空気層40によって減衰
され、この減衰した騒音がさらに膜部材35及び吸音材
33によって吸音されるので、なお一層の吸音効果を発
揮することができる。また、この実施の形態によれば、
枠体39は、吸音体29〜32の保護体として機能する
とともに、カバー22a〜22eの補強体としても機能
する。
【0030】なお、この実施の形態においては、吸音材
34と膜部材35との間に空気層40を設けたが、これ
に限られず、図10に示すように、吸音材33と膜部材
35との間に空気層40を設けても良い。この場合も、
同様の効果を得る。
【0031】図11は本発明の騒音低減装置の更に他の
実施の形態による吸音体の基本構造を示す断面図で、上
記本発明の騒音低減装置の一実施の形態における図5に
相当する図である。図11において、図5等と同符号の
ものは同一部分である。
【0032】この実施の形態による吸音体29〜32
は、第2の吸音材34における各機器側の表面に、突部
41または/及び凹み部42を形成したものである。
【0033】この実施の形態によれば、突部41または
/及び凹み部42によって吸音材34の吸音表面積が増
加して吸音を促進するとともに、突部41または/及び
凹み部42による音の乱反射作用による防音効果を得ら
れるので、さらに騒音を低減することができる。
【0034】なお、この実施の形態においては、波状の
突部41または/及び凹み部42を形成したが、この形
状に限られるものではなく、例えば凸型状に形成しても
良い。これらの場合も同様の効果を得る。
【0035】また、前述した各実施の形態においては、
エンジン室4に備えられる吸気孔25,27は、図2及
び図3等に示すように側面カバー22cに単なる開口部
を形成した構造であったが、これに限られず、さらに整
流板(ルーバ)を配置しても良い。この場合、油圧ポン
プ18側に設けられる吸気孔27については、吸音体3
1をその整流板の下面に設けても良い。
【0036】さらに、前述した各実施の形態において
は、吸音体29〜32を接着剤でカバー22a乃至22
eに固定したが、図12に示すように、ピン体43等に
よって固定することも可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明の騒音低減装置によれば、建設機
械の駆動源を構成する各機器の騒音を吸収する吸音体
を、カバー内の各機器の対応する位置に設けたので、建
設機械の騒音のうち低周波数帯域の成分を低減すること
ができる。したがって、建設機械の全体的な騒音を十分
に低減することができる。また、吸音体を、第1の吸音
材と、第2の吸音材と、これら吸音材の間に設けられる
膜部材とで構成するので、構成が簡単で、安価であると
ともに、吸音のための周波数調整が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した油圧ショベルの全体外観を示
す斜視図である。
【図2】本発明の騒音低減装置の一実施の形態が適用さ
れるエンジン室の外観構造を示す拡大斜視図である。
【図3】図2に示すIII−III矢視から本発明の騒音低減
装置の一実施の形態を備えたエンジン室を見た断面図で
ある。
【図4】本発明の騒音低減装置の一実施の形態に備えら
れた吸音体の基本的構造を示す斜視図である。
【図5】図4のV−V矢視から本発明の騒音低減装置の
一実施の形態を見た断面図である。
【図6】本発明の騒音低減装置における騒音吸収特性を
示す特性図である。
【図7】本発明の騒音低減装置の他の実施の形態による
吸音体の基本構造を示す断面図である。
【図8】本発明の騒音低減装置の更に他の実施の形態に
よる吸音体の基本構造を示す断面図である。
【図9】本発明の騒音低減装置の更に他の実施の形態に
よる吸音体の基本構造を示す図8中のIX−IX矢視による
断面図である。
【図10】本発明の騒音低減装置の更に他の実施の形態
の変形例による吸音体の基本構造を示す断面図である。
【図11】本発明の騒音低減装置の更に他の実施の形態
による吸音体の基本構造を示す断面図である。
【図12】本発明の騒音低減装置のカバーへの取付け構
成に関する変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
8…エンジン(原動機)、18…油圧ポンプ(液圧ポン
プ)、22a〜22e…カバー、29,30,31,3
2…吸音体、33…第1の吸音材、34…第2の吸音
材、35…膜部材(吸音特性制御手段)。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液圧ポンプ、原動機、及びこの原動機の補
    機等を含む複数の機器をカバーで覆った建設機械に設け
    られる建設機械の騒音低減装置において、 前記カバー内の各機器に対応した位置に、少なくとも2
    つの吸音材とこれら吸音材の間に介在させる膜部材とか
    らなる吸音体を設けたことを特徴とする建設機械の騒音
    低減装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械の騒音低減装置に
    おいて、前記吸音体の膜部材は、前記吸音材よりも透過
    率が小さくなるように構成されていることを特徴とする
    建設機械の騒音低減装置。
  3. 【請求項3】液圧ポンプ、原動機、及びこの原動機の補
    機等を含む複数の機器をカバーで覆った建設機械に設け
    られる建設機械の騒音低減装置において、 前記カバー内の各機器に対応した位置に設けられ、少な
    くとも2つの吸音材を備えた吸音体と、前記吸音材の間
    に介在して設けられ、前記吸音体の吸音周波数特性を低
    周波数側にシフトさせる吸音特性制御手段とを有するこ
    とを特徴とする建設機械の騒音低減装置。
  4. 【請求項4】液圧ポンプ、原動機、及びこの原動機の補
    機等を含む複数の機器をカバーで覆った建設機械に設け
    られる建設機械の吸音体において、 少なくとも2つの吸音材とこれら吸音材の間に介在させ
    る膜部材とを備え、かつ、前記カバー内の各機器に対応
    した位置に配置したことを特徴とする建設機械の吸音
    体。
  5. 【請求項5】請求項3記載の建設機械の吸音体におい
    て、前記膜部材は、前記吸音材よりも透過率が小さくな
    るように構成されていることを特徴とする建設機械の吸
    音体。
  6. 【請求項6】液圧ポンプ、原動機、及びこの原動機の補
    機等を含む複数の機器をカバーで覆った建設機械の前記
    カバー内の各機器に対応した位置に設けられ、少なくと
    も2つの吸音材を備えた建設機械の吸音体において、 該吸音体の吸音周波数特性を低周波数側にシフトさせる
    吸音特性制御手段を、前記吸音材の間に介在させたこと
    を特徴とする建設機械の吸音体。
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