JP2000017555A - 短繊維積層不織布およびその製造方法 - Google Patents
短繊維積層不織布およびその製造方法Info
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- JP2000017555A JP2000017555A JP18198098A JP18198098A JP2000017555A JP 2000017555 A JP2000017555 A JP 2000017555A JP 18198098 A JP18198098 A JP 18198098A JP 18198098 A JP18198098 A JP 18198098A JP 2000017555 A JP2000017555 A JP 2000017555A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた嵩高性と優れた表面タッチを有する積
層短繊維不織布を提供する。 【解決手段】 細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェ
ブとが積層されて三次元的交絡により一体化してなる不
織布であり、細繊度短繊維の単糸繊度が0.1〜2デニ
ール、太繊度短繊維の単糸繊度が3〜25デニ−ル、細
繊度短繊維と太繊度短繊維の単糸繊度比(太繊度短繊維
の単糸繊度)/(細繊度短繊維の単糸繊度)が3〜50
であることを特徴とする短繊維積層不織布。
層短繊維不織布を提供する。 【解決手段】 細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェ
ブとが積層されて三次元的交絡により一体化してなる不
織布であり、細繊度短繊維の単糸繊度が0.1〜2デニ
ール、太繊度短繊維の単糸繊度が3〜25デニ−ル、細
繊度短繊維と太繊度短繊維の単糸繊度比(太繊度短繊維
の単糸繊度)/(細繊度短繊維の単糸繊度)が3〜50
であることを特徴とする短繊維積層不織布。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構成繊維同士が三
次元的に交絡した短繊維不織布に関するものである。
次元的に交絡した短繊維不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より嵩高性を有する短繊維不織布と
しては、比較的太繊度の短繊維をニードルパンチ法やス
パンレース法により三次元的に交絡させた不織布が知ら
れている。しかしながら、太繊度の短繊維を三次元的に
交絡させた不織布は、嵩高性には優れるものの、構成繊
維の曲げモーメントが大きいため構成繊維同士の交絡度
合いが小さくなり、機械的強力に劣るという問題がある
とともに、交絡処理の施された不織布は、構成繊維が太
いことで不織布表面に粗硬感が生じるとともに、外観上
のきめ細かさに欠けるという問題がある。
しては、比較的太繊度の短繊維をニードルパンチ法やス
パンレース法により三次元的に交絡させた不織布が知ら
れている。しかしながら、太繊度の短繊維を三次元的に
交絡させた不織布は、嵩高性には優れるものの、構成繊
維の曲げモーメントが大きいため構成繊維同士の交絡度
合いが小さくなり、機械的強力に劣るという問題がある
とともに、交絡処理の施された不織布は、構成繊維が太
いことで不織布表面に粗硬感が生じるとともに、外観上
のきめ細かさに欠けるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
を解決するもので、優れた嵩高性を有し、かつ不織布表
面に粗硬感がなく、機械的強力に優れた短繊維積層不織
布及びその製造方法を提供するものである。
を解決するもので、優れた嵩高性を有し、かつ不織布表
面に粗硬感がなく、機械的強力に優れた短繊維積層不織
布及びその製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討を行った結果、特定繊度の細繊度
短繊維からなるウェブと特定繊度の太繊度短繊維からな
るウェブとを積層した積層ウェブに、高圧液体流処理を
施して三次元的に交絡させたところ、得られる短繊維積
層不織布が、実用的な機械的強力と優れた嵩高性を有
し、かつ少なくとも片面に細繊度短繊維が配されている
ことにより、不織布表面の粗硬感を打ち消すことを見い
だした。本発明ではこれらの知見に基づき、以下の構成
を要旨とするものである。
を達成すべく鋭意検討を行った結果、特定繊度の細繊度
短繊維からなるウェブと特定繊度の太繊度短繊維からな
るウェブとを積層した積層ウェブに、高圧液体流処理を
施して三次元的に交絡させたところ、得られる短繊維積
層不織布が、実用的な機械的強力と優れた嵩高性を有
し、かつ少なくとも片面に細繊度短繊維が配されている
ことにより、不織布表面の粗硬感を打ち消すことを見い
だした。本発明ではこれらの知見に基づき、以下の構成
を要旨とするものである。
【0005】細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェブ
とが積層されて三次元的交絡により一体化してなり、細
繊度短繊維ウェブを構成する短繊維の単糸繊度が0.1
〜2デニール、太繊度短繊維ウェブを構成する短繊維の
単糸繊度が3〜25デニ−ル、細繊度短繊維と太繊度短
繊維の単糸繊度比(太繊度短繊維の単糸繊度)/(細繊
度短繊維の単糸繊度)が3〜50であることを特徴とす
る短繊維積層不織布を要旨とするものである。
とが積層されて三次元的交絡により一体化してなり、細
繊度短繊維ウェブを構成する短繊維の単糸繊度が0.1
〜2デニール、太繊度短繊維ウェブを構成する短繊維の
単糸繊度が3〜25デニ−ル、細繊度短繊維と太繊度短
繊維の単糸繊度比(太繊度短繊維の単糸繊度)/(細繊
度短繊維の単糸繊度)が3〜50であることを特徴とす
る短繊維積層不織布を要旨とするものである。
【0006】また、単糸繊度が0.1〜2デニ−ルであ
る細繊度短繊維からなる細繊度短繊維ウェブと、単糸繊
度が3〜25デニールでありかつ細繊度短繊維と太繊度
短繊維の単糸繊度比(太繊度短繊維の単糸繊度)/(細
繊度短繊維の単糸繊度)が3〜50である太繊度短繊維
からなる太繊度短繊維ウェブとを積層した積層ウェブに
高圧液体流処理を施し、細繊度短繊維ウェブの構成繊維
同士を三次元的に交絡させて緻密に一体化させるととも
に、太繊度短繊維ウェブの構成繊維同士を緩やかに交絡
させ、かつ細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェブの
積層境界面において、太繊度短繊維に細繊度短繊維を絡
ませ、積層ウェブを一体化させることを特徴とする短繊
維積層不織布の製造方法を要旨とするものである。
る細繊度短繊維からなる細繊度短繊維ウェブと、単糸繊
度が3〜25デニールでありかつ細繊度短繊維と太繊度
短繊維の単糸繊度比(太繊度短繊維の単糸繊度)/(細
繊度短繊維の単糸繊度)が3〜50である太繊度短繊維
からなる太繊度短繊維ウェブとを積層した積層ウェブに
高圧液体流処理を施し、細繊度短繊維ウェブの構成繊維
同士を三次元的に交絡させて緻密に一体化させるととも
に、太繊度短繊維ウェブの構成繊維同士を緩やかに交絡
させ、かつ細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェブの
積層境界面において、太繊度短繊維に細繊度短繊維を絡
ませ、積層ウェブを一体化させることを特徴とする短繊
維積層不織布の製造方法を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の不織布に用いる短繊維と
しては、繊維形成性を有する熱可塑性重合体から得られ
る合成繊維、レーヨン、溶剤紡糸により得られるリヨセ
ル繊維等のセルロース系繊維、炭素繊維、ガラス繊維等
の要求する繊度を任意に設定できる素材からなるものが
挙げられる。
しては、繊維形成性を有する熱可塑性重合体から得られ
る合成繊維、レーヨン、溶剤紡糸により得られるリヨセ
ル繊維等のセルロース系繊維、炭素繊維、ガラス繊維等
の要求する繊度を任意に設定できる素材からなるものが
挙げられる。
【0008】熱可塑性重合体としては、ポリエステル系
重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合
体、脂肪族ポリエステル系重合体等が挙げられる。
重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合
体、脂肪族ポリエステル系重合体等が挙げられる。
【0009】ポリエステル系重合体としては、酸成分と
してテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2・6
−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸あるいはアジピ
ン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらの
エステル類を、ジオール成分としてエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1・4−ブタンジオール、
ネオペンテングリコール、シクロヘキサン−1・4−ジ
メタノール等のジオール化合物を用いたホモポリエステ
ル重合体あるいは共重合ポリエステルであり、上記ポリ
エステルに、パラオキシ安息香酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエ
リストール、ビスフェノールA等が添加あるいは共重合
されてもよい。
してテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン−2・6
−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸あるいはアジピ
ン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらの
エステル類を、ジオール成分としてエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1・4−ブタンジオール、
ネオペンテングリコール、シクロヘキサン−1・4−ジ
メタノール等のジオール化合物を用いたホモポリエステ
ル重合体あるいは共重合ポリエステルであり、上記ポリ
エステルに、パラオキシ安息香酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、ポリアルキレングリコール、ペンタエ
リストール、ビスフェノールA等が添加あるいは共重合
されてもよい。
【0010】ポリアミド系重合体としてはポリイミノ−
1−オキソテトラメチレン(ナイロン4)、ポリテトラ
メチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプラミド
(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイ
ロン66)、ポリウデカナミド(ナイロン11)、ポリ
ラウロラクタミド(ナイロン12)、ポリメタキシレン
アジパミド、ポリパラキシリレンデカナミド、ポリビス
シクロヘキシルメタンデカナミドまたはこれらのモノマ
を構成単位とするポリアミド系重合体が挙げられる。特
に、ポリテトラメチレンアジパミドの場合、ポリテトラ
メチレンアジパミドにポリカプラミドやポリヘキサメチ
レンアジパミド、ポリウンデカメチレンテレフタラミド
などの他のポリアミド成分が30モル%以下共重合され
たポリテトラメチレンアジパミド系共重合体であっても
よい。
1−オキソテトラメチレン(ナイロン4)、ポリテトラ
メチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリカプラミド
(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイ
ロン66)、ポリウデカナミド(ナイロン11)、ポリ
ラウロラクタミド(ナイロン12)、ポリメタキシレン
アジパミド、ポリパラキシリレンデカナミド、ポリビス
シクロヘキシルメタンデカナミドまたはこれらのモノマ
を構成単位とするポリアミド系重合体が挙げられる。特
に、ポリテトラメチレンアジパミドの場合、ポリテトラ
メチレンアジパミドにポリカプラミドやポリヘキサメチ
レンアジパミド、ポリウンデカメチレンテレフタラミド
などの他のポリアミド成分が30モル%以下共重合され
たポリテトラメチレンアジパミド系共重合体であっても
よい。
【0011】ポリオレフィン系重合体としては炭素原子
数2〜18の脂肪族α−モノオレフィン、例えば、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ドデセン−1、オクタ
デセン−1からなるホモポリオレフィン重合体が挙げら
れる。この脂肪族α−モノオレフィンは、他のエチレン
系不飽和モノマー、例えばブタジエン、イソプレン、ペ
ンタジエン−1,3、スチレン、α−メチルスチレンの
ような類似のエチレン系不飽和モノマーが共重合された
ポリオレフィン系共重合体であってもよい。また、ポリ
エチレン系重合体の場合には、エチレンに対してプロピ
レン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1または
類似の高級α−オレフィンが10重量%以下共重合され
たものであってもよく、ポリプロピレン系重合体の場合
には、プロピレンに対してエチレンまたは類似の高級α
−オレフィンが10重量%以下共重合されたものであっ
てもよい。
数2〜18の脂肪族α−モノオレフィン、例えば、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ドデセン−1、オクタ
デセン−1からなるホモポリオレフィン重合体が挙げら
れる。この脂肪族α−モノオレフィンは、他のエチレン
系不飽和モノマー、例えばブタジエン、イソプレン、ペ
ンタジエン−1,3、スチレン、α−メチルスチレンの
ような類似のエチレン系不飽和モノマーが共重合された
ポリオレフィン系共重合体であってもよい。また、ポリ
エチレン系重合体の場合には、エチレンに対してプロピ
レン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1または
類似の高級α−オレフィンが10重量%以下共重合され
たものであってもよく、ポリプロピレン系重合体の場合
には、プロピレンに対してエチレンまたは類似の高級α
−オレフィンが10重量%以下共重合されたものであっ
てもよい。
【0012】脂肪族ポリエステル系重合体としては、α
−ヒドロキシ酸や乳酸を重合させてなるポリグリコール
酸やポリ乳酸、又はこれらの共重合体を用いることがで
きる。また、ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(β−
プロピオラクトン)等のポリ(ω−ヒドロキシアルカノ
エート)も用いることができる。更に、ポリ−3−ヒド
ロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレー
ト、ポリ−3−ヒドロキシカプロレート、ポリ−3−ヒ
ドロキシヘプタノエート、ポリ−3−ヒドロキシオクタ
ノエート等のポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)、
又はこれらにポリ−3−ヒドロキシバリレートやポリ−
4−ヒドロキシブチレート等を構成するモノマー成分を
共重合させたものを用いることができる。
−ヒドロキシ酸や乳酸を重合させてなるポリグリコール
酸やポリ乳酸、又はこれらの共重合体を用いることがで
きる。また、ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(β−
プロピオラクトン)等のポリ(ω−ヒドロキシアルカノ
エート)も用いることができる。更に、ポリ−3−ヒド
ロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレー
ト、ポリ−3−ヒドロキシカプロレート、ポリ−3−ヒ
ドロキシヘプタノエート、ポリ−3−ヒドロキシオクタ
ノエート等のポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)、
又はこれらにポリ−3−ヒドロキシバリレートやポリ−
4−ヒドロキシブチレート等を構成するモノマー成分を
共重合させたものを用いることができる。
【0013】更には、アジピン酸やセバチン酸等の脂肪
族ジカルボン酸又はこれらのエステル類を酸成分とし、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、1−4−ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、シクロヘキサン−1−4−ジメタノール
等のジオール化合物をグリコール成分とする重合体又は
共縮重合体を用いることもできる。具体的には、ポリエ
チレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブ
チレンサクシネート、ポリブチレンアジベート、ポリブ
チレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポ
リネオペンチルオキサレート又はこれらの共重合体を用
いることができる。
族ジカルボン酸又はこれらのエステル類を酸成分とし、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、1−4−ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、シクロヘキサン−1−4−ジメタノール
等のジオール化合物をグリコール成分とする重合体又は
共縮重合体を用いることもできる。具体的には、ポリエ
チレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブ
チレンサクシネート、ポリブチレンアジベート、ポリブ
チレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポ
リネオペンチルオキサレート又はこれらの共重合体を用
いることができる。
【0014】上記した各種繊維形成性重合体中には、必
要に応じて、艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、光安定
剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶化促進剤等の各種添加
剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよ
い。
要に応じて、艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、光安定
剤、熱安定剤、酸化防止剤、結晶化促進剤等の各種添加
剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよ
い。
【0015】本発明の短繊維積層不織布は、細繊度短繊
維ウェブと太繊度短繊維ウェブとが積層されてなり、細
繊度短繊維の単糸繊度が0.1〜2デニール、太繊度短
繊維の単糸繊度が3〜25デニール、かつ細繊度短繊維
と太繊度短繊維の単糸繊度比〔(太繊度短繊維の単糸繊
度)/(細繊度短繊維の単糸繊度)〕が3〜50であ
る。本発明において、単糸繊度比とは、(太繊度短繊維
の単糸繊度)を(細繊度短繊維の単糸繊度)で割った値
をいう。
維ウェブと太繊度短繊維ウェブとが積層されてなり、細
繊度短繊維の単糸繊度が0.1〜2デニール、太繊度短
繊維の単糸繊度が3〜25デニール、かつ細繊度短繊維
と太繊度短繊維の単糸繊度比〔(太繊度短繊維の単糸繊
度)/(細繊度短繊維の単糸繊度)〕が3〜50であ
る。本発明において、単糸繊度比とは、(太繊度短繊維
の単糸繊度)を(細繊度短繊維の単糸繊度)で割った値
をいう。
【0016】本発明に用いる細繊度短繊維の単糸繊度が
2デニールを超えると、細繊度短繊維不織ウェブ内での
構成繊維同士の交絡性、細繊度短繊維不織ウェブと太繊
度短繊維不織ウェブの境界面での構成繊維同士の交絡性
に乏しくなり、短繊維積層不織布の機械的強力に劣るも
のとなり好ましくない。また、細繊度短繊維ウェブ側の
不織布表面の肌触りが粗硬となる。一方、0.1デニー
ル未満であると、特殊なカード機を用い開繊する必要が
生じ、一般的なカード機による製造が不適となる。
2デニールを超えると、細繊度短繊維不織ウェブ内での
構成繊維同士の交絡性、細繊度短繊維不織ウェブと太繊
度短繊維不織ウェブの境界面での構成繊維同士の交絡性
に乏しくなり、短繊維積層不織布の機械的強力に劣るも
のとなり好ましくない。また、細繊度短繊維ウェブ側の
不織布表面の肌触りが粗硬となる。一方、0.1デニー
ル未満であると、特殊なカード機を用い開繊する必要が
生じ、一般的なカード機による製造が不適となる。
【0017】細繊度短繊維を得る方法としては、例え
ば、直接紡糸法により得る方法、海島型二成分系複合短
繊維を用いて、海部を溶剤により溶かすか又は衝撃によ
り破壊することにより島部で構成される細繊度短繊維を
得る方法、分割型二成分系複合短繊維を用いて、カード
ウェブを作成する際、カード機にかけるときの衝撃によ
り分割割繊する、または太繊度短繊維ウェブと積層し、
高圧液体流の作用により交絡一体化する際、高圧液体流
の衝撃により分割割繊させ細繊度短繊維を発現させる方
法が挙げられる。本発明において、特に1デニール未満
の細繊度短繊維を得ようとするとき、製糸操業性や生産
性を考慮して分割型二成分系複合短繊維を用いることが
好ましい。
ば、直接紡糸法により得る方法、海島型二成分系複合短
繊維を用いて、海部を溶剤により溶かすか又は衝撃によ
り破壊することにより島部で構成される細繊度短繊維を
得る方法、分割型二成分系複合短繊維を用いて、カード
ウェブを作成する際、カード機にかけるときの衝撃によ
り分割割繊する、または太繊度短繊維ウェブと積層し、
高圧液体流の作用により交絡一体化する際、高圧液体流
の衝撃により分割割繊させ細繊度短繊維を発現させる方
法が挙げられる。本発明において、特に1デニール未満
の細繊度短繊維を得ようとするとき、製糸操業性や生産
性を考慮して分割型二成分系複合短繊維を用いることが
好ましい。
【0018】分割型二成分系複合短繊維は、物理的な衝
撃によりその境界面において分割しやすいように、用い
る2つの重合体は互いに非相溶性であるものを採用す
る。例えば、その組み合わせとしては、ポリオレフイン
/ポリアミド、ポリオレフイン/ポリエステル、ポリア
ミド/ポリエステル等が挙げられる。分割型二成分系複
合短繊維の具体例としては、図1〜3に示した如き横断
面をもつものが好ましい。これらは、前述のように非相
溶性の2種類の重合体からなる複合短繊維であり、図1
〜3に示す如く、両重合体が共に繊維表面に露出してお
り、かつ繊維の断面内において、一方の重合体が他方の
重合体により分割可能な形に仕切られているものであ
る。分割型二成分系複合短繊維は、分割して細繊度の割
繊された短繊維を発現するので、細繊度短繊維ウェブ
は、くさび状や薄片等の異形断面や繊度の極めて小さい
繊維を有することとなる。この異形断面を有する割繊短
繊維の存在により、丸断面の細繊度の短繊維よりも高圧
液体流処理での交絡性に優れ、その交絡は解舒しにくい
ものとなる。
撃によりその境界面において分割しやすいように、用い
る2つの重合体は互いに非相溶性であるものを採用す
る。例えば、その組み合わせとしては、ポリオレフイン
/ポリアミド、ポリオレフイン/ポリエステル、ポリア
ミド/ポリエステル等が挙げられる。分割型二成分系複
合短繊維の具体例としては、図1〜3に示した如き横断
面をもつものが好ましい。これらは、前述のように非相
溶性の2種類の重合体からなる複合短繊維であり、図1
〜3に示す如く、両重合体が共に繊維表面に露出してお
り、かつ繊維の断面内において、一方の重合体が他方の
重合体により分割可能な形に仕切られているものであ
る。分割型二成分系複合短繊維は、分割して細繊度の割
繊された短繊維を発現するので、細繊度短繊維ウェブ
は、くさび状や薄片等の異形断面や繊度の極めて小さい
繊維を有することとなる。この異形断面を有する割繊短
繊維の存在により、丸断面の細繊度の短繊維よりも高圧
液体流処理での交絡性に優れ、その交絡は解舒しにくい
ものとなる。
【0019】本発明に用いる太繊度短繊維の単糸繊度
は、3〜25デニールとし、特に好ましくは5〜20デ
ニールである。単糸繊度が3デニール未満では、繊維同
士の交絡性には優れるものの、太繊度短繊維ウェブ側が
嵩高でなくなり、太繊度短繊維ウェブの効果が奏されな
い。一方、単糸繊度が25デニールを超えると、嵩高性
には優れるものの、太繊度短繊維の剛性が高すぎて繊維
同士が絡みにくくなる。したがって、太繊度短繊維ウェ
ブ内に侵入した細繊度短繊維と交絡した太繊度短繊維は
交絡状態を保持できるが、それ以外の太繊度短繊維は不
織布より容易に脱落してしまうため好ましくない。
は、3〜25デニールとし、特に好ましくは5〜20デ
ニールである。単糸繊度が3デニール未満では、繊維同
士の交絡性には優れるものの、太繊度短繊維ウェブ側が
嵩高でなくなり、太繊度短繊維ウェブの効果が奏されな
い。一方、単糸繊度が25デニールを超えると、嵩高性
には優れるものの、太繊度短繊維の剛性が高すぎて繊維
同士が絡みにくくなる。したがって、太繊度短繊維ウェ
ブ内に侵入した細繊度短繊維と交絡した太繊度短繊維は
交絡状態を保持できるが、それ以外の太繊度短繊維は不
織布より容易に脱落してしまうため好ましくない。
【0020】太繊度短繊維の繊維断面は、丸断面に限定
されるものではなく、多角断面、多葉断面等の異形断面
やそれらの中空断面でもよい。また、単一の重合体から
なるものであっても、2種類以上の重合体からなる芯鞘
複合断面、並列型複合断面、芯鞘型中空断面、並列型中
空断面等でもよい。特に、太繊度短繊維の繊維断面を中
空断面にすることにより、不織布の嵩高性をさらに高め
ることができる。本発明において、中空断面の繊維を用
いる際、この繊維の単糸繊度は、中空部がないと仮定し
た繊維の外径から求めた繊度を中空断面の繊維の単糸繊
度とする。具体的には、次の方法により求める。すなわ
ち、中空断面の繊維50本の断面を写真に撮り、繊維外
径の厚みおよび中空部径を測定し、密度補正を行い、そ
の平均値を中空断面の繊維の単糸繊度とした。
されるものではなく、多角断面、多葉断面等の異形断面
やそれらの中空断面でもよい。また、単一の重合体から
なるものであっても、2種類以上の重合体からなる芯鞘
複合断面、並列型複合断面、芯鞘型中空断面、並列型中
空断面等でもよい。特に、太繊度短繊維の繊維断面を中
空断面にすることにより、不織布の嵩高性をさらに高め
ることができる。本発明において、中空断面の繊維を用
いる際、この繊維の単糸繊度は、中空部がないと仮定し
た繊維の外径から求めた繊度を中空断面の繊維の単糸繊
度とする。具体的には、次の方法により求める。すなわ
ち、中空断面の繊維50本の断面を写真に撮り、繊維外
径の厚みおよび中空部径を測定し、密度補正を行い、そ
の平均値を中空断面の繊維の単糸繊度とした。
【0021】細繊度短繊維と太繊度短繊維との単糸繊度
比は3〜50である。単糸繊度比が3未満であると、細
繊度短繊維と太繊度短繊維との繊度差が僅かであるた
め、両者の特性を生かすことができず、本発明が目的と
するものが得られない。一方、単糸繊度比が50を超え
ると、細繊度短繊維と太繊度短繊維との曲げモーメント
差が大きくなるため細繊度短繊維が太繊度短繊維に絡み
にくくなり、機械的強力が劣るものとなる。従って、細
繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェブとの単糸繊度比
は3〜50であることが必要であり、上記の理由から単
糸繊度比を4〜40とすることが好ましい。本発明に用
いる短繊維の繊維長としては、特に限定しないが、30
〜80mm程度のものが好ましく用いられる。30mm
未満であると構成繊維同士の交絡性に劣る傾向となり、
また、80mmを超えても構成繊維の自由度が減少する
ため交絡性に劣る傾向となる。
比は3〜50である。単糸繊度比が3未満であると、細
繊度短繊維と太繊度短繊維との繊度差が僅かであるた
め、両者の特性を生かすことができず、本発明が目的と
するものが得られない。一方、単糸繊度比が50を超え
ると、細繊度短繊維と太繊度短繊維との曲げモーメント
差が大きくなるため細繊度短繊維が太繊度短繊維に絡み
にくくなり、機械的強力が劣るものとなる。従って、細
繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェブとの単糸繊度比
は3〜50であることが必要であり、上記の理由から単
糸繊度比を4〜40とすることが好ましい。本発明に用
いる短繊維の繊維長としては、特に限定しないが、30
〜80mm程度のものが好ましく用いられる。30mm
未満であると構成繊維同士の交絡性に劣る傾向となり、
また、80mmを超えても構成繊維の自由度が減少する
ため交絡性に劣る傾向となる。
【0022】本発明の積層短繊維不織布は、細繊度短繊
維ウェブの構成繊維同士が緻密に一体化して形態保持し
ているとともに、太繊度短繊維ウェブの構成繊維同士が
緩やかな交絡をしており、細繊度短繊維ウェブと太繊度
短繊維ウェブの積層境界面においては太繊度短繊維に細
繊度短繊維が交絡して全体として一体化しており、かつ
嵩密度が0.08g/cc以下であることが好ましく、
さらには0.07g/cc以下であることが好ましい。
本発明において、嵩高性を有する短繊維積層不織布と
は、厚みと繊維間空隙を有する構造であり、嵩密度が
0.08g/cc以下の不織布は、厚みと繊維間空隙を
有する嵩高性に優れたものである。
維ウェブの構成繊維同士が緻密に一体化して形態保持し
ているとともに、太繊度短繊維ウェブの構成繊維同士が
緩やかな交絡をしており、細繊度短繊維ウェブと太繊度
短繊維ウェブの積層境界面においては太繊度短繊維に細
繊度短繊維が交絡して全体として一体化しており、かつ
嵩密度が0.08g/cc以下であることが好ましく、
さらには0.07g/cc以下であることが好ましい。
本発明において、嵩高性を有する短繊維積層不織布と
は、厚みと繊維間空隙を有する構造であり、嵩密度が
0.08g/cc以下の不織布は、厚みと繊維間空隙を
有する嵩高性に優れたものである。
【0023】短繊維積層不織布は、細繊度短繊維ウェブ
と太繊度短繊維ウェブとが積層一体化したものであり、
それぞれの短繊維ウェブの積層比率は、(細繊度短繊維
ウェブ):(太繊度短繊維ウェブ)=20:80〜8
0:20(重量%)の範囲であるのが好ましい。細繊度
短繊維ウェブの比率が20重量%未満であると、積層不
織布における機械的性能を保持すべき細繊度短繊維の量
が少ないため、短繊維積層不織布は、機械的強力に劣る
傾向となる。一方、細繊度短繊維ウェブが80重量%を
超えると、機械的性能に優れた積層不織布が得られるも
のの、厚みがなく、嵩高性に劣る傾向となる。
と太繊度短繊維ウェブとが積層一体化したものであり、
それぞれの短繊維ウェブの積層比率は、(細繊度短繊維
ウェブ):(太繊度短繊維ウェブ)=20:80〜8
0:20(重量%)の範囲であるのが好ましい。細繊度
短繊維ウェブの比率が20重量%未満であると、積層不
織布における機械的性能を保持すべき細繊度短繊維の量
が少ないため、短繊維積層不織布は、機械的強力に劣る
傾向となる。一方、細繊度短繊維ウェブが80重量%を
超えると、機械的性能に優れた積層不織布が得られるも
のの、厚みがなく、嵩高性に劣る傾向となる。
【0024】本発明の積層不織布の目付については、用
途に応じて適宜選択すればよいが、20g/m2 以上で
あればよい。目付が20g/m2 未満では、ウェブ作成
工程においてウェブの乱れが生じ、得られる不織布の地
合が低下する傾向となる。目付の上限については特に限
定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。
途に応じて適宜選択すればよいが、20g/m2 以上で
あればよい。目付が20g/m2 未満では、ウェブ作成
工程においてウェブの乱れが生じ、得られる不織布の地
合が低下する傾向となる。目付の上限については特に限
定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。
【0025】次に、本発明の不織布の製造方法に関して
説明する。本発明では、まず、0.1〜2デニ−ルの範
囲の繊度の細繊度短繊維ないしは0.1〜2デニールの
範囲の繊度を発現する分割型二成分系複合短繊維を準備
し、カード機を用いて細繊度短繊維ウェブを作成する。
また、単糸繊度が3〜25デニールの範囲で、単糸繊度
比が3〜50の太繊度短繊維を準備し、同様にカード機
による太繊度短繊維ウェブを作成する。このウェブで
は、構成繊維の配列度合によってカード機の進行方向に
配列したパラレルウェブ、パラレルウェブがクロスレイ
ドされたウェブ、ランダムウェブあるいは両者の中程度
に配列したセミランダムウェブのいずれであってもよく
用途によって適宜選択すればよい。
説明する。本発明では、まず、0.1〜2デニ−ルの範
囲の繊度の細繊度短繊維ないしは0.1〜2デニールの
範囲の繊度を発現する分割型二成分系複合短繊維を準備
し、カード機を用いて細繊度短繊維ウェブを作成する。
また、単糸繊度が3〜25デニールの範囲で、単糸繊度
比が3〜50の太繊度短繊維を準備し、同様にカード機
による太繊度短繊維ウェブを作成する。このウェブで
は、構成繊維の配列度合によってカード機の進行方向に
配列したパラレルウェブ、パラレルウェブがクロスレイ
ドされたウェブ、ランダムウェブあるいは両者の中程度
に配列したセミランダムウェブのいずれであってもよく
用途によって適宜選択すればよい。
【0026】得られた細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊
維ウェブとを積層して積層ウェブとする。次に、得られ
た積層ウェブに高圧液体流処理を施して、ウェブを構成
している構成繊維同士を三次元的に交絡させる。また、
細繊度短繊維ウェブに分割型二成分系複合短繊維を用い
る場合には、高圧液体流処理を施すことにより、分割割
繊した細繊度短繊維を発現させると同時にウェブを構成
している構成繊維同士を三次元的に交絡させる。ここで
いう、三次元的な交絡とは、ウェブを構成している繊維
相互間が不織布の縦、横の方向のみでなく不織布の厚み
方向に対しても交絡し、一体化した構造を有しているこ
とをいう。
維ウェブとを積層して積層ウェブとする。次に、得られ
た積層ウェブに高圧液体流処理を施して、ウェブを構成
している構成繊維同士を三次元的に交絡させる。また、
細繊度短繊維ウェブに分割型二成分系複合短繊維を用い
る場合には、高圧液体流処理を施すことにより、分割割
繊した細繊度短繊維を発現させると同時にウェブを構成
している構成繊維同士を三次元的に交絡させる。ここで
いう、三次元的な交絡とは、ウェブを構成している繊維
相互間が不織布の縦、横の方向のみでなく不織布の厚み
方向に対しても交絡し、一体化した構造を有しているこ
とをいう。
【0027】高圧液体流処理について説明する。処理を
施すための高圧液体流装置としては、例えば、孔径が
0.05〜2.0mm、好ましくは0.1〜0.4mm
の噴射孔を、孔間隔0.3〜10mmで一列或いは複数
列に多数配置した装置を用いる。噴射孔から高圧力で噴
射させて得られる水流すなわち高圧液体流を噴射し、多
孔性支持部材上に載置した積層ウェブに衝突させる。
施すための高圧液体流装置としては、例えば、孔径が
0.05〜2.0mm、好ましくは0.1〜0.4mm
の噴射孔を、孔間隔0.3〜10mmで一列或いは複数
列に多数配置した装置を用いる。噴射孔から高圧力で噴
射させて得られる水流すなわち高圧液体流を噴射し、多
孔性支持部材上に載置した積層ウェブに衝突させる。
【0028】噴射孔の配列は、積層ウェブの進行方向と
直交する方向に列状に配列する。高圧液体流としては、
常温あるいは温水を用いることができる。噴射孔と積層
ウェブとの間の距離は、10〜150mmとするのが良
い。この距離が10mm未満であると、この処理により
得られる不織布の地合が乱れ、一方、この距離が150
mmを超えると液体流が積層ウェブに衝突したときの衝
撃力が低下して交絡一体化が十分に施されない傾向とな
る。
直交する方向に列状に配列する。高圧液体流としては、
常温あるいは温水を用いることができる。噴射孔と積層
ウェブとの間の距離は、10〜150mmとするのが良
い。この距離が10mm未満であると、この処理により
得られる不織布の地合が乱れ、一方、この距離が150
mmを超えると液体流が積層ウェブに衝突したときの衝
撃力が低下して交絡一体化が十分に施されない傾向とな
る。
【0029】この高圧液体流の処理圧力は、不織布の要
求性能等によって適宜選択すればよいが、一般的には2
0〜200kg/cm2 Gの高圧液体流を噴射するのが
良い。高圧液体流の圧力が20kg/cm2 G未満で
は、剛性が高い太繊度短繊維の交絡が十分に施されない
傾向となり、高圧液体流の圧力が200kg/cm2 G
を超えると水圧による打撃により、極端な場合には構成
繊維が切断されて不織布表面に毛羽が発生するものとな
る。
求性能等によって適宜選択すればよいが、一般的には2
0〜200kg/cm2 Gの高圧液体流を噴射するのが
良い。高圧液体流の圧力が20kg/cm2 G未満で
は、剛性が高い太繊度短繊維の交絡が十分に施されない
傾向となり、高圧液体流の圧力が200kg/cm2 G
を超えると水圧による打撃により、極端な場合には構成
繊維が切断されて不織布表面に毛羽が発生するものとな
る。
【0030】高圧液体流処理を施すに際して用いる積層
ウェブを担持する多孔性支持部材としては、例えば、2
0〜200メッシュの金網製あるいは合成樹脂製等のメ
ッシュスクリーンや有孔板など、高圧液体流が積層ウェ
ブと支持部材を貫通するものであれば限定されない。
ウェブを担持する多孔性支持部材としては、例えば、2
0〜200メッシュの金網製あるいは合成樹脂製等のメ
ッシュスクリーンや有孔板など、高圧液体流が積層ウェ
ブと支持部材を貫通するものであれば限定されない。
【0031】なお、積層ウェブの片面より高圧液体流処
理を施した後、引き続き交絡の施された積層ウェブを反
転して高圧液体流を施すことにより、表裏共に交絡性が
向上されるので、不織布の用途に応じて、また、積層ウ
ェブの目付の大きいもの等に適用すればよい。
理を施した後、引き続き交絡の施された積層ウェブを反
転して高圧液体流を施すことにより、表裏共に交絡性が
向上されるので、不織布の用途に応じて、また、積層ウ
ェブの目付の大きいもの等に適用すればよい。
【0032】高圧液体流処理を施した後、処理後の不織
ウェブから過剰の水分を除去する。この過剰水分を除去
するに際しては、公知の方法を採用することができる。
例えば、マングルロール等の絞り装置を用いて過剰水分
をある程度機械的に除去し、引き続きサクションバンド
方式の熱風循環乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分
を除去することが挙げられる。
ウェブから過剰の水分を除去する。この過剰水分を除去
するに際しては、公知の方法を採用することができる。
例えば、マングルロール等の絞り装置を用いて過剰水分
をある程度機械的に除去し、引き続きサクションバンド
方式の熱風循環乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分
を除去することが挙げられる。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。また、不織布の各種物性は以下の方
法により測定した。
するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。また、不織布の各種物性は以下の方
法により測定した。
【0034】(1)目付(g/m2 ): 幅10cm、
長さ10cmの試験片を5個作成し、その重量を個々に
測定し、その平均値を1m2 に換算したものを目付(g
/m2)とした。
長さ10cmの試験片を5個作成し、その重量を個々に
測定し、その平均値を1m2 に換算したものを目付(g
/m2)とした。
【0035】(2)引張強力(kg/5cm幅):幅5
cm、長さ15cmの試験片を10個作成し、東洋ボー
ルドウィン社製テンシロンUTM−4−1−100を用
いて、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/分の条
件で各試験片の最大引張強力を個々に測定し、その平均
値を引張強力(kg/5cm幅)とした。
cm、長さ15cmの試験片を10個作成し、東洋ボー
ルドウィン社製テンシロンUTM−4−1−100を用
いて、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/分の条
件で各試験片の最大引張強力を個々に測定し、その平均
値を引張強力(kg/5cm幅)とした。
【0036】(3)嵩密度(g/cc): 嵩密度(g/cc)=目付(g/m2 )/厚み(mm)
/1000 幅10cm、長さ10cmの試験片を5個作成し、大栄
科学精機製作所(株)製の厚み測定器により4.5g/
cm2 荷重の印加による個々の不織布の厚みを測定して
その平均値を厚み(mm)とし、上式の計算式により得
られる値を嵩密度(g/cc)とした。
/1000 幅10cm、長さ10cmの試験片を5個作成し、大栄
科学精機製作所(株)製の厚み測定器により4.5g/
cm2 荷重の印加による個々の不織布の厚みを測定して
その平均値を厚み(mm)とし、上式の計算式により得
られる値を嵩密度(g/cc)とした。
【0037】実施例1 細繊度短繊維として、単糸繊度1.3デニール、繊維長
38mm、繊維断面が中実丸断面である日本エステル
(株)製のポリエステル短繊維を用いた。一方、太繊度
短繊維として、単糸繊度6デニール、繊維長51mm、
繊維断面が中空丸断面である日本エステル(株)製のポ
リエステル短繊維を用いた。
38mm、繊維断面が中実丸断面である日本エステル
(株)製のポリエステル短繊維を用いた。一方、太繊度
短繊維として、単糸繊度6デニール、繊維長51mm、
繊維断面が中空丸断面である日本エステル(株)製のポ
リエステル短繊維を用いた。
【0038】上記の細繊度短繊維と太繊度短繊維を、そ
れぞれパラレルカード機により開繊し、繊維の配列が一
様な短繊維ウェブを作成し、得られた短繊維ウェブを重
量比で50:50(重量%)の割合で積層し積層ウェブ
を得た。次いで、この積層ウェブを、移動する100メ
ッシュの金属製ネット上に載置して高圧液体流処理を施
した。高圧液体流処理の条件は、噴射孔径0.1mm、
噴射孔間隔0.6mmで一列に配置されたオリフィスを
用い、積層ウェブの上方50mmの位置から2段階に分
けて高圧液体流を作用させた。第1段階の処理として、
水圧30kg/cm2 Gの常温の水により高圧液体流を
作用させ予備交絡を施し、引き続き、第二段階の処理で
は水圧を60kg/cm2 Gとした。この第2段階の処
理は、細繊度短繊維ウェブ側より5回施した後に積層ウ
ェブを反転し、太繊度短繊維ウェブ側より水圧60kg
/cm2 Gで5回施した。次いで、得られた処理物から
マングルを用いて余剰の水分を除去した後、温度110
℃の乾燥機により乾燥処理を行った。得られた短繊維積
層不織布は、構成繊維同士が3次元的に交絡をした目付
60g/m2 であった。
れぞれパラレルカード機により開繊し、繊維の配列が一
様な短繊維ウェブを作成し、得られた短繊維ウェブを重
量比で50:50(重量%)の割合で積層し積層ウェブ
を得た。次いで、この積層ウェブを、移動する100メ
ッシュの金属製ネット上に載置して高圧液体流処理を施
した。高圧液体流処理の条件は、噴射孔径0.1mm、
噴射孔間隔0.6mmで一列に配置されたオリフィスを
用い、積層ウェブの上方50mmの位置から2段階に分
けて高圧液体流を作用させた。第1段階の処理として、
水圧30kg/cm2 Gの常温の水により高圧液体流を
作用させ予備交絡を施し、引き続き、第二段階の処理で
は水圧を60kg/cm2 Gとした。この第2段階の処
理は、細繊度短繊維ウェブ側より5回施した後に積層ウ
ェブを反転し、太繊度短繊維ウェブ側より水圧60kg
/cm2 Gで5回施した。次いで、得られた処理物から
マングルを用いて余剰の水分を除去した後、温度110
℃の乾燥機により乾燥処理を行った。得られた短繊維積
層不織布は、構成繊維同士が3次元的に交絡をした目付
60g/m2 であった。
【0039】実施例2 細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェブとの積層比率
を重量比で(細繊度短繊維ウェブ):(太繊度短繊維ウ
ェブ)=75:25とした以外は実施例1と同様にして
目付60g/m2 の短繊維積層不織布を得た。
を重量比で(細繊度短繊維ウェブ):(太繊度短繊維ウ
ェブ)=75:25とした以外は実施例1と同様にして
目付60g/m2 の短繊維積層不織布を得た。
【0040】実施例3 細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェブとの積層比率
を重量比で(細繊度短繊維ウェブ):(太繊度短繊維ウ
ェブ)=25:75とした以外は実施例1と同様にして
目付60g/m2 の短繊維積層不織布を得た。
を重量比で(細繊度短繊維ウェブ):(太繊度短繊維ウ
ェブ)=25:75とした以外は実施例1と同様にして
目付60g/m2 の短繊維積層不織布を得た。
【0041】実施例4 太繊度短繊維として、単糸繊度が13デニール、繊維長
51mm、繊維断面が並列型中空複合断面である日本エ
ステル(株)製のポリエステル短繊維を用いた以外は、
実施例1と同様にして目付60g/m2 の短繊維積層不
織布を得た。
51mm、繊維断面が並列型中空複合断面である日本エ
ステル(株)製のポリエステル短繊維を用いた以外は、
実施例1と同様にして目付60g/m2 の短繊維積層不
織布を得た。
【0042】実施例5 太繊度短繊維として単糸繊度が20デニール、繊維長5
1mm、繊維断面が並列型中空複合断面である日本エス
テル(株)製のポリエステル短繊維を用いた以外は実施
例1と同様にして目付60g/m2 の短繊維積層不織布
を得た。
1mm、繊維断面が並列型中空複合断面である日本エス
テル(株)製のポリエステル短繊維を用いた以外は実施
例1と同様にして目付60g/m2 の短繊維積層不織布
を得た。
【0043】実施例6 細繊度短繊維として、単糸繊度0.7デニール、繊維長
38mm、繊維断面が中実丸断面である日本エステル
(株)製のポリエステル短繊維を用い、太繊度短繊維と
して実施例2に用いたものと同様の単糸繊度6デニー
ル、繊維長51mmのポリエステル短繊維を用いた以外
は実施例1と同様にして目付60g/m2 の短繊維積層
不織布を得た。
38mm、繊維断面が中実丸断面である日本エステル
(株)製のポリエステル短繊維を用い、太繊度短繊維と
して実施例2に用いたものと同様の単糸繊度6デニー
ル、繊維長51mmのポリエステル短繊維を用いた以外
は実施例1と同様にして目付60g/m2 の短繊維積層
不織布を得た。
【0044】実施例7 細繊度短繊維として、実施例6に用いたものと同様の単
糸繊度0.7デニールのポリエステル短繊維を用い、太
繊度短繊維として、実施例4に用いたものと同様の単糸
繊度13デニールのポリエステル短繊維を用いた以外は
実施例1と同様にして目付60g/m2 の短繊維積層不
織布を得た。
糸繊度0.7デニールのポリエステル短繊維を用い、太
繊度短繊維として、実施例4に用いたものと同様の単糸
繊度13デニールのポリエステル短繊維を用いた以外は
実施例1と同様にして目付60g/m2 の短繊維積層不
織布を得た。
【0045】実施例8 細繊度短繊維として、ポリエチレンとポリエチレンテレ
フタレートとからなり、断面構造が図1に示す如き形態
で、中心部にポリエチレンが配され、その葉部にポリエ
チレンテレフタレートが4個配された形態の単糸繊度
2.0デニールの分割型二成分系複合短繊維を用いた。
この分割型二成分系複合短繊維の分割割繊後の単糸繊度
は、ポリエチレンからなる割繊短繊維が1デニール、ポ
リエチレンテレフタレートからなる割繊短繊維が0.2
5デニールである。一方、太繊度短繊維としては、実施
例1に用いたものと同様の単糸繊度6デニールのポリエ
ステル短繊維を用いた。
フタレートとからなり、断面構造が図1に示す如き形態
で、中心部にポリエチレンが配され、その葉部にポリエ
チレンテレフタレートが4個配された形態の単糸繊度
2.0デニールの分割型二成分系複合短繊維を用いた。
この分割型二成分系複合短繊維の分割割繊後の単糸繊度
は、ポリエチレンからなる割繊短繊維が1デニール、ポ
リエチレンテレフタレートからなる割繊短繊維が0.2
5デニールである。一方、太繊度短繊維としては、実施
例1に用いたものと同様の単糸繊度6デニールのポリエ
ステル短繊維を用いた。
【0046】細繊度短繊維および太繊度短繊維として上
述したものを用いた以外は、実施例1と同様にして目付
60g/m2 の短繊維積層不織布を得た。
述したものを用いた以外は、実施例1と同様にして目付
60g/m2 の短繊維積層不織布を得た。
【0047】比較例1 細繊度短繊維として、実施例6で用いたものと同様の単
糸繊度0.7デニールのポリエステル短繊維を用い、太
繊度短繊維として単糸繊度30デニール、繊維長38m
mのポリエステル短繊維を用いた以外は、実施例1と同
様にして目付60g/m2 の短繊維積層不織布を得た。
糸繊度0.7デニールのポリエステル短繊維を用い、太
繊度短繊維として単糸繊度30デニール、繊維長38m
mのポリエステル短繊維を用いた以外は、実施例1と同
様にして目付60g/m2 の短繊維積層不織布を得た。
【0048】比較例2 細繊度短繊維として単糸繊度6デニール、繊維長51m
mのポリエステル短繊維を用い、太線度短繊維として単
糸繊度20デニール、繊維長51mmのポリエステル短
繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして目付60g
/m2 の短繊維積層不織布を得た。
mのポリエステル短繊維を用い、太線度短繊維として単
糸繊度20デニール、繊維長51mmのポリエステル短
繊維を用いた以外は、実施例1と同様にして目付60g
/m2 の短繊維積層不織布を得た。
【0049】比較例3 太繊度短繊維ウェブを積層せず、実施例1で用いた単糸
繊度0.7デニールのポリエステル短繊維のみからなる
ウェブを用いた以外は、実施例1と同様にして目付60
g/m2 の短繊維不織布を作成した。
繊度0.7デニールのポリエステル短繊維のみからなる
ウェブを用いた以外は、実施例1と同様にして目付60
g/m2 の短繊維不織布を作成した。
【0050】比較例4 細繊度短繊維ウェブを積層せず、単糸繊度13デニール
のポリエステル短繊維のみからなるウェブを用いた以外
は、実施例1と同様にして、目付60g/m2の短繊維
不織布を作成した。
のポリエステル短繊維のみからなるウェブを用いた以外
は、実施例1と同様にして、目付60g/m2の短繊維
不織布を作成した。
【0051】得られた実施例1〜8および比較例1〜4
の短繊維不織布の物性を測定し、表1に示した。
の短繊維不織布の物性を測定し、表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】実施例1〜5の短繊維積層不織布は、1.
3デニールの細繊度短繊維同士が緻密に交絡して短繊維
積層不織布の機械的特性を機能し、6〜20デニールの
太繊度短繊維同士が緩やかに交絡して繊維間空隙を保持
して短繊維積層不織布の嵩高性を機能し、ウェブ層間で
は、細繊度短繊維と太繊度短繊維相互の交絡によって不
織布形状を保持したものであった。
3デニールの細繊度短繊維同士が緻密に交絡して短繊維
積層不織布の機械的特性を機能し、6〜20デニールの
太繊度短繊維同士が緩やかに交絡して繊維間空隙を保持
して短繊維積層不織布の嵩高性を機能し、ウェブ層間で
は、細繊度短繊維と太繊度短繊維相互の交絡によって不
織布形状を保持したものであった。
【0054】実施例6、7で得られた短繊維積層不織布
は、細繊度短繊維の単糸繊度を更に細繊度としたこと
で、短繊維積層不織布の機械的性能を向上され、細繊度
短繊維ウェブ側は表面平滑性に特に優れ、肌触りの良好
で、柔軟性に優れたものあった。
は、細繊度短繊維の単糸繊度を更に細繊度としたこと
で、短繊維積層不織布の機械的性能を向上され、細繊度
短繊維ウェブ側は表面平滑性に特に優れ、肌触りの良好
で、柔軟性に優れたものあった。
【0055】実施例8は、細繊度短繊維として分割型二
成分系複合短繊維を用い、高圧液体流の作用により1デ
ニールと0.25デニールの極細の割繊繊維を発現させ
たもので、極細の割繊繊維同士の緻密な交絡により積層
短繊維不織布の機械的性能を更に向上させ、細繊度短繊
維ウェブ側の表面平滑性、肌触りが一層向上し、柔軟性
にもより優れたものであった。
成分系複合短繊維を用い、高圧液体流の作用により1デ
ニールと0.25デニールの極細の割繊繊維を発現させ
たもので、極細の割繊繊維同士の緻密な交絡により積層
短繊維不織布の機械的性能を更に向上させ、細繊度短繊
維ウェブ側の表面平滑性、肌触りが一層向上し、柔軟性
にもより優れたものであった。
【0056】太繊度短繊維の単糸繊度および単糸繊度比
が本発明の範囲外であった比較例1の積層短繊維不織布
は、太繊度短繊維同士の交絡性に乏しく、外力により太
繊度短繊維が不織布より容易に脱落してしまい、非常に
形態保持性に乏しいものであった。
が本発明の範囲外であった比較例1の積層短繊維不織布
は、太繊度短繊維同士の交絡性に乏しく、外力により太
繊度短繊維が不織布より容易に脱落してしまい、非常に
形態保持性に乏しいものであった。
【0057】細繊度短繊維の単糸繊度が本発明の範囲外
であった比較例2の短繊維積層不織布は、細繊度短繊維
が交絡性に劣るため、機械的性能に劣り、形態安定性が
悪く実用性に欠け、また、不織布表面は粗硬感を有する
ものであった。
であった比較例2の短繊維積層不織布は、細繊度短繊維
が交絡性に劣るため、機械的性能に劣り、形態安定性が
悪く実用性に欠け、また、不織布表面は粗硬感を有する
ものであった。
【0058】細繊度短繊維のみで構成された比較例3の
不織布は、構成繊維同士が緻密に交絡したものであり、
不織布の機械的性能、表面平滑性には優れるものである
が、本発明が求める嵩高性を有するものではなかった。
不織布は、構成繊維同士が緻密に交絡したものであり、
不織布の機械的性能、表面平滑性には優れるものである
が、本発明が求める嵩高性を有するものではなかった。
【0059】太繊度短繊維のみで構成された比較例4の
不織布は、太繊度短繊維同士の交絡性に乏しく、機械的
性能、形状保持性に劣るものであり、不織布表面には粗
硬感を有し、本発明が目的とするものではなかった。
不織布は、太繊度短繊維同士の交絡性に乏しく、機械的
性能、形状保持性に劣るものであり、不織布表面には粗
硬感を有し、本発明が目的とするものではなかった。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、0.1〜2デニールの
細繊度短繊維からなるウェブと、3〜25デニールの範
囲にあり、かつ単糸繊度比(太繊度短繊維の単糸繊度)
/(細繊度短繊維の単糸繊度)が3〜50である太繊度
短繊維からなるウェブとが積層されて、構成繊維同士が
三次元的に交絡一体化した短繊維積層不織布であるの
で、曲げ剛性が小さく易動性に優れる細繊度短繊維同士
が、高圧液体流処理による水流の衝撃により、緻密に交
絡一体化し、不織布の機械的強力を向上させ、細繊度短
繊維ウェブ側の不織布表面の平滑性を良好とし、肌触り
の優れたものとなる。また、太繊度短繊維同士は、緩や
かに交絡し、不織布に繊維間空隙と厚みを持たせ、嵩高
性に優れたものとなる。さらに、積層ウェブの境界面で
は、細繊度短繊維と太繊度短繊維とが交絡しあい、積層
ウェブを一体化し、層間剥離がないものとなる。特に単
糸繊度比を特定範囲とすることにより、細繊度短繊維が
太繊度短繊維に絡みつきやすく、積層ウェブの境界面に
存在する細繊度短繊維および太繊度短繊維ウェブ内へ侵
入した細繊度短繊維は、太繊度短繊維同士の繋ぎとなる
べく絡みつき、不織布の形態安定性、機械的強度の向上
に寄与している。
細繊度短繊維からなるウェブと、3〜25デニールの範
囲にあり、かつ単糸繊度比(太繊度短繊維の単糸繊度)
/(細繊度短繊維の単糸繊度)が3〜50である太繊度
短繊維からなるウェブとが積層されて、構成繊維同士が
三次元的に交絡一体化した短繊維積層不織布であるの
で、曲げ剛性が小さく易動性に優れる細繊度短繊維同士
が、高圧液体流処理による水流の衝撃により、緻密に交
絡一体化し、不織布の機械的強力を向上させ、細繊度短
繊維ウェブ側の不織布表面の平滑性を良好とし、肌触り
の優れたものとなる。また、太繊度短繊維同士は、緩や
かに交絡し、不織布に繊維間空隙と厚みを持たせ、嵩高
性に優れたものとなる。さらに、積層ウェブの境界面で
は、細繊度短繊維と太繊度短繊維とが交絡しあい、積層
ウェブを一体化し、層間剥離がないものとなる。特に単
糸繊度比を特定範囲とすることにより、細繊度短繊維が
太繊度短繊維に絡みつきやすく、積層ウェブの境界面に
存在する細繊度短繊維および太繊度短繊維ウェブ内へ侵
入した細繊度短繊維は、太繊度短繊維同士の繋ぎとなる
べく絡みつき、不織布の形態安定性、機械的強度の向上
に寄与している。
【0061】三次元交絡を付与する方法として、高圧液
体流によるスパンレース法を採用したことにより、肌触
りが良好で柔軟な不織布を得ることができたものであ
る。
体流によるスパンレース法を採用したことにより、肌触
りが良好で柔軟な不織布を得ることができたものであ
る。
【0062】本発明の短繊維積層不織布によれば、片面
は、細繊度短繊維の緻密な交絡による表面平滑で肌触り
がよく、他面は、嵩高で繊維間空隙を有するものであ
る。すなわち、不織布の両面において、相反する性能を
有するものであり、細繊度短繊維ウェブ側が、肌に直接
接する用途に、特に好ましく用いることができる。
は、細繊度短繊維の緻密な交絡による表面平滑で肌触り
がよく、他面は、嵩高で繊維間空隙を有するものであ
る。すなわち、不織布の両面において、相反する性能を
有するものであり、細繊度短繊維ウェブ側が、肌に直接
接する用途に、特に好ましく用いることができる。
【0063】例えば、化粧パフ、衛生材料の表面材、オ
ムツの表面材、おしぼり、赤ちゃん用おしり拭き等に好
適である。化粧パフとして用いる際には、本発明の短繊
維積層不織布2枚を用意し、太繊度短繊維ウェブ側を内
側として積層すると、外側(肌に触れる側)は、肌触り
の良好な細繊度短繊維ウェブ側となり、中側では、嵩高
で繊維間空隙の大きい太繊度短繊維ウェブからなり、化
粧液等を繊維間空隙内で保持することができる。
ムツの表面材、おしぼり、赤ちゃん用おしり拭き等に好
適である。化粧パフとして用いる際には、本発明の短繊
維積層不織布2枚を用意し、太繊度短繊維ウェブ側を内
側として積層すると、外側(肌に触れる側)は、肌触り
の良好な細繊度短繊維ウェブ側となり、中側では、嵩高
で繊維間空隙の大きい太繊度短繊維ウェブからなり、化
粧液等を繊維間空隙内で保持することができる。
【0064】また、換気扇等のフィルター材、清拭材等
にも好適に用いることができ、粉塵や微塵等を細繊度短
繊維ウェブ側で、比較的大きめの塵等を太繊度短繊維ウ
ェブ側で捕集することができる。
にも好適に用いることができ、粉塵や微塵等を細繊度短
繊維ウェブ側で、比較的大きめの塵等を太繊度短繊維ウ
ェブ側で捕集することができる。
【0065】その他、本発明の不織布の膨らみを利用し
て、衣服の中地、中綿等にも好適に用いることができ
る。また、上記した以外の家庭用品、生活雑貨、衛生材
料他の様々な用途にも用いることができるものである。
て、衣服の中地、中綿等にも好適に用いることができ
る。また、上記した以外の家庭用品、生活雑貨、衛生材
料他の様々な用途にも用いることができるものである。
【図1】本発明に用いる分割型二成分系複合短繊維の一
例を示す横断面図である。
例を示す横断面図である。
【図2】本発明に用いる分割型二成分系複合短繊維の一
例を示す横断面図である。
例を示す横断面図である。
【図3】本発明に用いる分割型二成分系複合短繊維の一
例を示す横断面図である。
例を示す横断面図である。
1,2 互いに非相溶性を有する重合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L047 AA21 AA27 AB02 AB07 AB08 AB09 BA04 BA22 CA02 CB01 CB08 CC02 CC03 CC04 CC12 CC16 EA02
Claims (4)
- 【請求項1】 細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェ
ブとが積層されて三次元的交絡により一体化してなり、
細繊度短繊維ウェブを構成する短繊維の単糸繊度が0.
1〜2デニール、太繊度短繊維ウェブを構成する短繊維
の単糸繊度が3〜25デニ−ル、細繊度短繊維と太繊度
短繊維の単糸繊度比(太繊度短繊維の単糸繊度)/(細
繊度短繊維の単糸繊度)が3〜50であることを特徴と
する短繊維積層不織布。 - 【請求項2】 細繊度短繊維ウェブを構成する短繊維
が、分割型二成分系複合短繊維から発現した割繊された
短繊維であることを特徴とする請求項1に記載の短繊維
積層不織布。 - 【請求項3】 細繊度短繊維ウェブの構成繊維同士が緻
密に一体化して形態保持しているとともに、太繊度短繊
維ウェブの構成繊維同士が緩やかな交絡をしており、細
繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェブの積層境界面に
おいては太繊度短繊維に細繊度短繊維が交絡して全体と
して一体化しており、かつ嵩密度が0.08g/cc以
下であることを特徴とする請求項1または2に記載の短
繊維積層不織布。 - 【請求項4】 単糸繊度が0.1〜2デニ−ルである細
繊度短繊維からなる細繊度短繊維ウェブと、単糸繊度が
3〜25デニールでありかつ細繊度短繊維と太繊度短繊
維の単糸繊度比(太繊度短繊維の単糸繊度)/(細繊度
短繊維の単糸繊度)が3〜50である太繊度短繊維から
なる太繊度短繊維ウェブとを積層した積層ウェブに高圧
液体流処理を施し、細繊度短繊維ウェブの構成繊維同士
を三次元的に交絡させて緻密に一体化させるとともに、
太繊度短繊維ウェブの構成繊維同士を緩やかに交絡さ
せ、かつ細繊度短繊維ウェブと太繊度短繊維ウェブの積
層境界面において、太繊度短繊維に細繊度短繊維を絡ま
せ、積層ウェブを一体化させることを特徴とする短繊維
積層不織布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18198098A JP2000017555A (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 短繊維積層不織布およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18198098A JP2000017555A (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 短繊維積層不織布およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000017555A true JP2000017555A (ja) | 2000-01-18 |
Family
ID=16110228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18198098A Pending JP2000017555A (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 短繊維積層不織布およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000017555A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019108630A (ja) * | 2017-12-20 | 2019-07-04 | ユニチカ株式会社 | 積層不織布 |
-
1998
- 1998-06-29 JP JP18198098A patent/JP2000017555A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019108630A (ja) * | 2017-12-20 | 2019-07-04 | ユニチカ株式会社 | 積層不織布 |
JP7050281B2 (ja) | 2017-12-20 | 2022-04-08 | ユニチカ株式会社 | 積層不織布 |
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Legal Events
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|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070417 |
|
A02 | Decision of refusal |
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