JP2000017394A - カラ―ブラウン管用シャドウマスク - Google Patents

カラ―ブラウン管用シャドウマスク

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JP2000017394A
JP2000017394A JP11121508A JP12150899A JP2000017394A JP 2000017394 A JP2000017394 A JP 2000017394A JP 11121508 A JP11121508 A JP 11121508A JP 12150899 A JP12150899 A JP 12150899A JP 2000017394 A JP2000017394 A JP 2000017394A
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信明 金山
Takahito Aoki
孝仁 青木
Yutaka Matsumoto
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
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Abstract

(57)【要約】 低膨張性のニッケル鉄合金からなる色識別用マスクにお
いて、開孔形状の悪化による表示特性の劣化を防止す
る。 【課題】 【解決手段】 ニッケル34〜38重量%含有するニッ
ケル鉄合金からなるニッケル鉄合金鋼板であって、結晶
粒度が10以上であり、圧延方向と直角方向の断面の粒
径が50μm以下であり、伸展方向の平均粒径が30μ
m以下である基材にパターンを設けてエッチングによっ
て開孔部を形成した色識別用マスクであって、開孔形状
の悪化による表示特性の劣化を防止するとともに、強度
が大きく微細ピッチ化が可能な色識別用マスクである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビやコ
ンピュータのカラー表示装置用のシャドウマスク方式、
アパーチャグリル方式等のいずれの方式のブラウン管に
も使用可能なカラーブラウン管用の色識別用マスクに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビ、コンピュータのカラー表
示装置用のブラウン管には、所定の蛍光体へ電子ビーム
が照射されるように色選別用マスクが用いられている。
色選別用マスクには、多数の小孔を設けた金属板からな
るシャドウマスクまたは多数のスリットを設けたアパー
チヤグリルが用いられている。コンピュータのカラー表
示装置には、高解像度の画像を表示することが可能なピ
ッチの小さなブラウン管が求められている。
【0003】カラーブラウン管は、長時間連続使用する
とシャドウマスクまたはアパーチャグリル等の色識別用
マスクは、加速された電子が衝突するために加熱され、
熱膨張によって歪み、次第に蛍光面に対する電子線の位
置ずれが生じるようになり、画像に色ずれが生じること
があった。そこで、色識別用マスクとして、低炭素鋼板
等に代えて、膨張係数の小さなアンバーなどのニッケル
鉄合金が用いて、熱膨張による色ずれを防止することが
提案されている。ところが、アンバーなどの合金は、炭
素鋼板に比べて微細な孔のエッチングが困難であるとい
う問題があった。
【0004】また、色識別用マスクは、図1に、開孔部
の断面を示すように、一般には両面からエッチングを
し、色識別用マスク1の電子線の入射側2と、色識別用
マスクの表示面側3には、それぞれ小開孔4と大開孔5
を形成している。そして、小開孔と大開孔の交点部6に
おいて電子線が透過する孔径が決められている。
【0005】エッチングでは、深さ方向のみではなく横
方向へのエッチングも同時に進行し、エッチングを深く
行うと横方向への径も大きくなるので、口径が大きな大
開孔が形成されることとなる。必要以上に口径が大きな
孔が形成されると、基材から大量の金属が除去されるた
めに、色識別用マスクの強度が低下するという問題があ
った。
【0006】とくに、カラーブラウン管の表示画面の大
型化によって、色識別用マスクも大型化しており、さら
には、テレビやコンピュータ用の表示装置の製造が世界
的な規模で行われるようになり、ブラウン管あるいはそ
の構成部材の地球規模での長距離輸送が行われている。
大型のブラウン管の長距離輸送においては、輸送時の振
動、あるいは落下等による大きな衝撃を受ける可能性が
高まっており、輸送時に受ける可能性がある振動等への
対応が求められている。
【0007】ブラウン管が大きな衝撃を受けると、アパ
ーチャグリルの様な枠体によって保持した展張型の色識
別部材の場合には、上下から展張されているので、衝撃
を受けても部材の振動のみで変形等を起こす可能性は小
さいが、シャドウマスクのように、ブラウン管の曲面形
状にプレス加工した色識別部材の場合には、大きな衝撃
を受けた場合には、中央部の曲面の一部が回復不能な変
形を起こすことがあった。また、ブラウン管の受けるこ
うした損傷は、表示画面が大きな大型のブラウン管ほど
その機会も大きく、ブラウン管の表面の曲率半径を大き
くしたブラウン管や、表面が平面のブラウン管の場合に
多く起こるという問題があった。
【0008】さらには、大孔径の孔の口径が大きくなる
と、隣接する孔とつながりが生じるおそれがあるので開
孔間のピッチを小さくすることは困難であり、微細表示
に必要な開孔間のピッチの小さな色識別用マスクを得る
ことは困難であった。
【0009】一方、素材の結晶粒度が小さいほどエッチ
ング後の開孔壁面が滑らかになり、透過する電子線の不
要な輻射等が生じることがないので、高品質な色選別用
マスクが得られることが知られていた。しかしながら、
結晶粒度を小さくすると、エッチングの速度が低下し、
軟鋼製の基材に比べてエッチングに長時間を要するとい
う問題があった。また、結晶粒度が小さいのみでは、形
成される孔形状が真円形状とはならず、特性が優れた色
選別用マスクが得られないという問題点もあった。さら
に、材料の微量成分、表面清浄度あるいは結晶面方位を
特定の方向に調整したニッケル鉄合金を用いたシャドウ
マスクも知られているが、十分な特性を有するものは得
ることができなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低膨張性の
ニッケル鉄合金からなる色識別用マスクにおいて、開孔
形状の悪化による表示特性の劣化を防止するとともに、
大開孔の口径の増大による強度低下、隣接孔とのつなが
り等の微細ピッチ化の障害を取り除くことを課題とする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、カラーブラウ
ン管用の色識別用マスクにおいて、ニッケル34〜38
重量%含有するニッケル鉄合金からなるニッケル鉄合金
鋼板であって、結晶粒度が10以上であり、圧延方向と
直角方向の断面の粒径が50μm以下であり、伸展方向
の平均粒径が30μm以下である基材にパターンを設け
てエッチングによって開孔部を形成した色識別用マスク
である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、色識別用マスクにおい
て、微細な結晶粒度を有するとともに、材料圧延方向と
直角の方向の断面において粒径が50μm以下であるニ
ッケル鉄合金を用いることによって、熱膨張係数が小さ
く、開孔部の形状に優れ、表示面側の大孔径の口径が小
さく開孔のピッチを小さくした高精度の表示が可能な色
識別用マスクを得るものである。
【0013】すなわち、エッチングによって除去される
金属は均一に除去されるものではなく、結晶粒界に沿っ
て除去される。そのために、結晶粒度が小さい金属材料
であっても大きな結晶粒が存在していると、大きな結晶
粒がエッチングによって除去されると表面形状は、大き
な結晶粒界に沿って開孔形状が悪化することを見いだし
たものである。
【0014】本発明の色識別用マスクにおいて、JIS
G0551(ASTM E112)に規定する粒度測
定方法によって測定した結晶粒度は、10以上であるこ
とが好ましく、より好ましくは11以上である。結晶粒
度が小さいと開孔の真円形状が悪化する。また、結晶粒
の大きさは、50μm以下であることが好ましく、50
μmよりも大きい結晶粒が存在すると、結晶粒度が10
以上であっても、開孔の表面形状が悪化するとともに真
円度が悪化するという問題が生じる。
【0015】また、伸展方向の平均粒径が30μm以下
であることが好ましい。結晶粒の大きさに異方性がある
と、一軸方向に優先的にエッチングが進行する。シャド
ウマスク用の素材は圧延により製造されるため、結晶粒
は少なからず板厚と直角方向に伸展しており、伸展方向
に優先的にエッチングが進行する。この結果、板厚方向
に比べ、板厚直角方向にエッチングが進行し、大孔側の
拡大が起こるという問題が生じる。
【0016】また、真円度は開孔が円形の場合について
述べたものであるが、開孔がスリット状あるいはスロッ
ト状である場合には、エッチングによって形成する開孔
の直線性を向上させることができるとともに、表示面側
に形成する開孔の大きさを小さくすることができるの
で、微細な開孔を小さなピッチで配置した高精細表示用
の色識別用マスクを得ることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を説明する。 実施例1 JIS G0551(ASTM E112)に規定する
粒度測定方法によって測定した結晶粒度番号が11であ
る厚さ0.12mmのニッケルを36重量%を含むニッ
ケル鉄合金板に水溶性カゼインレジストを塗布し、乾燥
後、素材の両面のレジストにパターンを描いたガラス乾
板を用いて所定のレジストのパターンを形成した。
【0018】次いで、露光、硬膜処理、ベーキング処理
を行い、その後、パターンニングされたレジストの両面
に、液温60℃、比重48゜Be(重ボーメ)の塩化第
二鉄溶液をエッチング液として、小孔を形成する面から
噴霧してエッチングを行った。所定の小孔を形成した後
に、パラフィン、紫外線硬化樹脂等の耐酸性樹脂を小孔
側に充填、被覆し、続いて大口径の孔を形成する面から
同様にエッチングを行い小開孔と大開孔の孔を貫通させ
た後にアルカリ水溶液によって樹脂およびレジストを剥
離し、円形状の開孔部を有するシャドウマスクを得た。
得られたシャドウマスクの特性を以下の評価方法によっ
て評価をし、その結果を表1に示す。
【0019】実施例2 結晶粒度が10であるとともに、最大粒径、および伸展
方向平均粒径が異なるニッケル鉄合金を用いた点を除き
実施例1と同様にニッケル鉄合金をエッチングし、実施
例1と同様にその評価をし、その結果を表1に示す。
【0020】比較例1 結晶粒度が9.5であるとともに、最大粒径、および伸
展方向平均粒径がニッケル鉄合金を用いた点を除き実施
例1と同様にニッケル鉄合金をエッチングし、実施例1
と同様にその評価をし、その結果を表1に示す。
【0021】比較例2 結晶粒度が10であるとともに、最大粒径、および伸展
方向平均粒径がニッケル鉄合金を用いた点を除き実施例
1と同様にニッケル鉄合金をエッチングし、実施例1と
同様にその評価をし、その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】 結晶 最大 伸展方向 むら 開孔 真円度 大孔径 小孔径 孔径 粒度 粒径 平均粒径 形状 (μm)(μm) (%) (μm) (μm) (μm) 実施例1 11.0 37 21.8 良好 良好 99.0 242.6 129.2 127.2 実施例2 10.0 42 20.5 良好 良好 98.7 243.0 129.0 127.2 比較例1 9.5 52 42.1 不良 輪郭が 96.1 247.0 131.7 127.0 波打つ 比較例2 10.0 52 30.9 不良 輪郭が 97.6 245.2 131.4 127.1 波打つ
【0023】(評価方法) 1.むら シャドウマスクの小孔側から光をあて目視で観察した。 2.開孔形状 走査型電子顕微鏡により観察した。 3.真円度 シャドウマスク1個の開孔に対し、孔径を少なくとも周
線上の任意の点にて5点以上測定する。得られた測定値
の最大値、最小値を用い、式(1)により真円度を算出
した。測定は少なくとも5個以上の開孔に対して行い、
その平均値で評価した。 真円度(%)=孔径最小値/孔径最大値×100 式(1) 4.最大粒径 図2に、最大粒径の測定方法を説明する。図2(A)
は、試料を圧延方向に垂直な断面で切断した断面図を示
す。ニッケル鉄合金鋼板11を構成する結晶粒12は圧
延によって圧延方向13に伸展するとともに、板厚方向
14には押し潰された形状を示す。図2(B)は、個々
の結晶粒の測定方法を説明する図であり、予め設定した
直径の円15を描いたすりガラスを、測定すべき結晶粒
12上に載置して測定するものである。
【0024】直径が20、30、40、および50μm
の円を描いたすりガラスを結晶粒度測定試料上に載置し
て、200〜500倍の倍率の顕微鏡下で観察し、最大
の結晶粒の中央に50μmの円を載置して、円からはみ
出す領域が2箇所以上あるか否かを確認し、2箇所以上
存在する場合には、はみ出したそれぞれの領域の結晶粒
界上の任意の点より直線を引き、長さが最大となるもの
を最大粒径として測長した。2箇所以上ない場合には4
0μm、30μm、20μmと順に小さな円に変えて同
様に測定して最大粒径を測定した。
【0025】5.伸展方向の平均粒径 伸展方向の平均粒径は、以下の式(2)によって求め
た。 伸展方向の平均粒径=d×N1/N2 式(2) ただし、 d:平均粒径…測定した結晶粒度JIS G0551
(ASTM E112)に規定する粒度測定方法によっ
て測定した結晶粒の形状を正方形と仮定して、その一辺
の長さを平均粒径とみなし平均断面積の平方根から算出
する。 N1 :結晶粒の伸展された方向に直角な一定長さの線分
(板厚方向すなわちz軸方向)によって切断された結晶
粒の数。 N2 :結晶粒の伸展された方向に平行な(圧延方向ある
いは圧延方向と直角の方向、すなわちx軸、y軸方向)
1 を求めた線分と同一長さの線分によって切断される
結晶粒の数。 N1およびN2は、結晶粒度を測定した試料を用い最低5
視野以上測定を行いその平均値を用いた。
【0026】
【発明の効果】本発明のカラーブラウン管の色識別用マ
スクは、低膨張性ニッケル鉄合金板として、結晶粒度と
結晶の粒径が所定の範囲のものを用いてパターンを形成
してエッチングによって開孔を形成したので、直線状の
開孔部にあっては開孔部の直線性が向上し、円形状の開
孔部にあっては真円度が向上するとともに、表示面側の
大孔径の寸法精度を向上することができるので、マスク
の強度を向上し、微細なピッチを有する高精細表示用の
マスクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、色識別用マスクの開孔部の断面を説明
する図である。
【図2】図2は、最大粒径の測定方法を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1…色識別用マスク、2…電子線の入射側、3…色識別
用マスクの表示面側、4…小開孔、5…大開孔、6…交
点部、11…ニッケル鉄合金鋼板、12…結晶粒、13
…圧延方向、14…板厚方向、15…円

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラーブラウン管用の色識別用マスクに
    おいて、ニッケル34〜38重量%含有するニッケル鉄
    合金からなるニッケル鉄合金鋼板であって、結晶粒度が
    10以上であり、圧延方向と直角方向の断面の粒径が5
    0μm以下であり、伸展方向の平均粒径が30μm以下
    の基材にパターンを設けてエッチングによって開孔部を
    形成したことを特徴とする色識別用マスク。
JP11121508A 1998-04-30 1999-04-28 カラ―ブラウン管用シャドウマスク Withdrawn JP2000017394A (ja)

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DE (1) DE19919810A1 (ja)
GB (1) GB2336939B (ja)
SG (1) SG75949A1 (ja)
TW (1) TWI226375B (ja)

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KR100567708B1 (ko) 2006-04-05
KR19990083602A (ko) 1999-11-25
SG75949A1 (en) 2000-10-24
TWI226375B (en) 2005-01-11
GB2336939A (en) 1999-11-03
GB9910094D0 (en) 1999-06-30
DE19919810A1 (de) 1999-11-04
CN1234597A (zh) 1999-11-10
CN1153247C (zh) 2004-06-09

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