JP2000017168A - 吸水性フィルム - Google Patents

吸水性フィルム

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JP2000017168A
JP2000017168A JP10190204A JP19020498A JP2000017168A JP 2000017168 A JP2000017168 A JP 2000017168A JP 10190204 A JP10190204 A JP 10190204A JP 19020498 A JP19020498 A JP 19020498A JP 2000017168 A JP2000017168 A JP 2000017168A
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ethylene
polyalkylene oxide
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Manabu Osada
学 長田
Shinichi Takemori
信一 竹森
Hiroyuki Kamiyama
弘之 上山
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性が良好で、工業的に使用されている製
造装置で容易に生産可能で、また吸水・吸液・吸湿時に
も表面状態が良く、さらに湿潤時の強度低下が少ない吸
水性フィルムを提供する。 【解決手段】 架橋ポリアルキレンオキシド樹脂100
重量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体20〜4
00重量部、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体20
〜400重量部を配合した樹脂をフィルム成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸水性フィルムに関
する。さらに詳しくは、フィルムの加工性が良好で、吸
水・吸液・吸湿時の表面状態がきれいでヌメリ感がな
く、かつ湿潤時に強度低下が少ない吸水性フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】紙、布、セロハン、プラスチックフィル
ム、不織布などの基材は何れも吸水・吸液・吸湿性が全
くないか、あってもその性能は極めて低い。これらの基
材を各種用途に供するために、基材に吸水・吸液・吸湿
性を付与することが従来から検討されてきた。
【0003】吸水・吸液・吸湿性を付与する方法として
は、種々の方法が提案されており、例えば紙と紙、紙と
プラスチックフィルムの間に吸水性樹脂を存在させて、
成形する方法などが知られている。中でも、吸水性樹脂
を水不溶性基材の間に挟んで吸水性を付与する方法は、
比較的実施が容易であり、高度の吸水性が得られるので
有利な方法である。しかしながら、吸水性樹脂は基材に
対して接着性がなく、基材から脱離してしまう問題点が
あった。この問題点を解決するため、特開平2−172
739号公報にはポリウレタン系接着剤または飽和ポリ
エステル系接着剤を吸水性樹脂と配合した吸水性接着剤
組成物を基材の片面あるいは基材相互間に塗布すること
により吸水性樹脂が脱落することなく、基材に吸水性を
付与する方法が開示されているが、工業的に製造する場
合、有機溶媒を使用するためいろいろと制約がありコス
ト的にも高価なものになる。また、使用する吸水性樹脂
に熱可塑性がないため熱加工が困難であり、また吸水時
の樹脂の脱落については、静置状態ではあまり問題はな
いが手で擦する等の外力が加わると簡単に剥がれる可能
性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の問題点
を解決し、加工性が良好で、工業的に使用されている製
造装置で容易に生産可能で、また吸水・吸液・吸湿時に
も表面状態が良く、さらに湿潤時の強度低下が少ない吸
水性フィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体
とエチレン−酢酸ビニル共重合体を特定の割合で含む樹
脂組成物から本発明の目的とする吸水性フィルムが得ら
れることを見出し本発明を完成した。すなわち、本発明
の要旨は、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂100重量
部とエチレン−ビニルアルコール共重合体20〜400
重量部、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体20〜4
00重量部を含む樹脂組成物からなることを特徴とする
吸水性フィルムおよび透水性または透湿性基材の少なく
とも片面に前記吸水性フィルムを積層させてなる吸水性
フィルム複合体に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる架橋ポリアル
キレンオキシド樹脂としては、ポリアルキレンオキシド
とジオールとをイソシアネート化合物で架橋させて得ら
れる、170℃、50kg/cm2加重下での溶融粘度
が500〜20万ポイズであり、吸水能(g純水/g樹
脂)が10〜45g/gの樹脂が好適に用いられる。溶
融粘度が500ポイズ未満の場合、または吸水能が45
g/gを超える場合にはエチレン−ビニルアルコール共
重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体との相溶性
が悪くなりフィルムの加工性が悪化する。また溶融粘度
が20万ポイズを超える場合、または吸水能が10g/
g未満の場合には、フィルムの吸水・吸液・吸湿性能が
低下する等の問題が生じるので好ましくない。
【0007】該架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を構成
するポリアルキレンオキシドとしては、重量平均分子量
が500〜50万のものが用いられ、例えば、ポリエチ
レンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキ
シド/プロピレンオキシド共重合体、ポリブチレンオキ
シドおよびこれらの混合物等を挙げることができる。特
に、重量平均分子量2000〜10万のポリエチレンオ
キシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド/
プロピレンオキシド共重合体、ポリブチレンオキシド、
またはこれらの混合物が好適に用いられる。重量平均分
子量が500未満の場合、得られる架橋ポリアルキレン
オキシド樹脂の溶融粘度が低すぎ、重量平均分子量が5
0万を超えると溶融粘度が極端に高くなり、いずれの場
合も他の樹脂との相溶性が悪くなりフィルムの加工性の
悪化、および吸水・吸液・吸湿性能が低下する等の問題
が生じるので好ましくない。
【0008】該ポリアルキレンオキシドと共に架橋ポリ
アルキレンオキシド樹脂を構成するジオールとしては、
同一分子内に水酸基(−OH)を2個有する有機化合
物、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オ
クチレングリコール、グリセリルモノアセテート、グリ
セリルモノブチレート、1,6−ヘキサンジオール、
1,9−ノナンジオール、ビスフェノールA等を挙げる
ことができる。好ましくは、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等が用いら
れる。
【0009】上記のポリアルキレンオキシドとジオール
を架橋するのに用いるイソシアネート化合物としては、
同一分子内にイソシアネート基を2個有する有機化合
物、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネ−ト(HMDI)、1,3−ジ
メチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート(TDI)、TDIの3量
体、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールに活性水素の数に対
応するモル数のジイソシアネートを反応させて得られる
ウレタンイソシアネート化合物、ポリイソシアネートア
ダクト等を挙げることができる。好ましくは、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネ−ト(HMDI)、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイ
ソシアネート(TDI)等が用いられる。
【0010】上記のポリアルキレンオキシド、ジオール
およびイソシアネート化合物の使用割合は、ポリアルキ
レンオキシドの末端水酸基とジオールの有する水酸基の
数の和とイソシアネート化合物の有するイソシアネート
基の数の比(R値)(−NCO基/−OH基)が0.5
〜2.0となる範囲、好ましくは、0.8〜1.7とな
る範囲で選択される。R値が0.5未満の時は、架橋密
度が低くなり十分な吸水能を有する架橋ポリアルキレン
オキシド樹脂が得られず、一方、R値が2.0を超える
と架橋密度が高くなると共に、溶融粘度が高くなり、他
の樹脂との相溶性が悪くなるため好ましくない。ポリア
ルキレンオキシドのモル数は、その重量を平均分子量で
割ることにより求めることができる。ジオールを添加す
る場合は、ポリアルキレンオキシドとイソシアネート化
合物との架橋反応時に添加する。ジオールを添加するこ
とにより、得られる架橋ポリアルキレンオキシドの溶融
粘度の低下を図ることができ、加工性が向上する。
【0011】上記イソシアネート化合物の使用量は、イ
ソシアネート化合物の種類および反応条件によっても異
なるが、一般に、ポリアルキレンオキシド100重量部
に対して、0.5〜80重量部、好ましくは、1〜50
重量部の範囲である。0.5重量部より少ない量では、
得られる架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の架橋密度が
低くなって十分なフィルム強度が得られず、一方、80
重量部を超えて用いた場合、得られる架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂の架橋密度が高くなりすぎて、他の樹脂
との相溶性が悪くなるため好ましくない。ポリアルキレ
ンオキシドとジオールとをイソシアネート化合物と反応
させる方法としては、適当な溶媒を用いた溶液状で反応
させる方法が一般的である。分散状で反応させる方法
や、粉末状または固体状で両者を均一に混合した後に所
定の温度に加熱して反応させることもできるが、工業的
実施の見地から各原料を溶融状態で連続的に供給し多軸
押出機中で混合、反応させる方法が好ましい。上記反応
の温度は、通常50〜210℃である。なお、この反応
系にトリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、スタナス
オクトエート、トリエチレンジアミン等を少量添加する
ことにより、反応を促進させることもできる。
【0012】本発明で用いられるエチレン−ビニルアル
コール共重合体としては、エチレン含有量が20〜60
モル%、好ましくは30〜50モル%、融点が150〜
200℃、好ましくは160〜185℃のものが好適に
用いられる。エチレン含有量が20モル%未満または融
点が200℃を超えると、架橋ポリアルキレンオキシド
樹脂との相溶性が悪くなり、フィルムの加工性が低下す
る。エチレン含有量が60モル%を超える場合または融
点が150℃未満では、フィルム物性が低下するため好
ましくない。本発明で用いられるエチレン−酢酸ビニル
共重合体としては、エチレン含有量が60〜98重量
%、好ましくは75〜95重量%、190℃におけるメ
ルトフローレートが0.5〜20g/10分間、好まし
くは1〜10g/10分間のものが好適に用いられる。
エチレン含有量が60重量%未満またはメルトフローレ
ートが20g/10分間を超えると加工性が悪くなりフ
ィルム物性が低下する。エチレン含有量が98重量%を
超える場合またはメルトフローレートが0.5g/10
分間未満では架橋ポリアルキレンオキシド樹脂との相溶
性が悪くなり、吸水性能が低下する。架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂に対するエチレン−ビニルアルコール共
重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重合体の配合比率
は、架橋ポリアルキレンオキシド樹脂100重量部に対
してそれぞれ20〜400重量部、好ましくは30〜3
00重量部、さらに好ましくは50〜200重量部の範
囲で使用することが望ましい。それぞれの添加量が20
重量部未満ではフィルム強度が低下し加工性も悪くな
る。400重量部を超えると吸水・吸液・吸湿性能が低
下する。なお、本発明の吸水性フィルムを得るための樹
脂組成物中には、本発明の効果を実質的に損なわない範
囲で熱安定剤、紫外線吸収剤、鮮度保持剤、抗菌剤、滑
剤、ブロッキング防止剤等を適宜添加することができ
る。
【0013】次に、本発明の吸水性フィルムを製造する
方法について説明する。まず所定量の架橋ポリアルキレ
ンオキシド樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体
およびエチレン−酢酸ビニル共重合体とをヘンシェルミ
キサーを用いて、ドライブレンドした後、単軸または二
軸押出機、ニーダー、ロール等を用いる通常の方法で混
合あるいは混練して樹脂組成物を得る。次いで得られた
樹脂組成物からインフレーション加工、カレンダー加
工、Tダイ加工等の通常のフィルム成形方法によってフ
ィルムが製造されるが、中でも、工業的な生産性という
点からインフレーション加工が好ましい。本発明の吸水
性フィルムとしては、吸水率が100〜1000%、吸
湿率が5〜10%、吸水前引張破断強度が200〜50
0kgf/cm2、吸水後引張破断強度が80〜230
kgf/cm2であるものが好ましい。本発明において
は、さらに透水性または透湿性基材の少なくとも片面に
前記吸水性フィルムを積層させることにより吸水性フィ
ルム複合体を得ることができる。本発明で用いられる透
水性または透湿性基材としては特に限定されないが、食
品関係の用途おける外観や衛生上の観点から、紙、セロ
ハン、ビニロン、不織布、穴あきプラスチックフィルム
等が好ましく用いられる。上記基材と吸水性フィルムの
複合化方法としては、熱ラミネーション、ドライラミネ
ーション、多層インフレーション等の方法から適宜選択
すればよい。
【0014】
【実施例】以下に本発明を製造例、実施例および比較例
によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に
限定されるものではない。なお、製造例、実施例および
比較例で得られた組成物またはフィルムの評価について
は以下の方法で行った。 1.架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の試験項目および
その方法 (1)吸水能[g(純水)/g(樹脂)] 純水200mlに架橋ポリアルキレンオキシド樹脂1g
を添加し、24時間撹拌後、200メッシュの金網にて
瀘過し、瀘過後のゲルの重量を吸水能とした。 (2)溶融粘度(ポイズ) 170℃、50kg/cm2加重の条件下で、ダイ1m
mφ×1mmLオリフィス(島津製作所製フローテスタ
ー CFT−500C)で測定した。 2.吸水性フィルムの試験項目およびその方法 (1)インフレーション成形加工性 50mmφ単軸押出機(L/D=28、150mmφダ
イ、スリット1.2mm)にて押出し条件を一定にして
引取り速度を徐々に変化させ、引取り速度が最も高い時
に得られたインフレーションフィルムの膜厚で評価し
た。 (2)吸水率(%) 吸水性フィルム(20mm×40mm、厚さ50μm)
を純水に浸漬し、10分後にフィルムを取出し、付着水
を濾紙で取り除いた重量から次式により吸水率を求め
た。
【数1】 (3)表面状態 吸水したフィルムの表面状態を指触および目視で判定し
た。 (4)吸湿率(%) 吸水性フィルム(10mm×100mm、厚さ50μ
m)を40℃、相対湿度90%の恒温恒湿器で24時間
放置した後のフィルムの重量から、次式により吸湿率を
求めた。
【数2】 (5)引張破断強度 吸水させる前のフィルムと、吸水率が25%になるよう
に吸水させたフィルムの強度をJIS K−7127に
準じて、フィルムの流れ方向(以下「MD」と示す)お
よびフィルム流れ方向と垂直の方向(以下「TD」と示
す)について測定した。 (6)吸液率 吸水性フィルム(20mm×40mm、厚さ50μm)
を人工海水(商品名;アクアマリン、八洲薬品(株)
製)、25%硫酸、1%水酸化ナトリウム水溶液、25
%塩化カルシウム水溶液にそれぞれ浸漬し、10分後に
フィルムを取出し、付着液を濾紙で取り除いた重量から
次式により吸液率を求めた。
【数3】
【0015】製造例1 十分に脱水した平均分子量20000のポリエチレンオ
キシド100重量部、1,4−ブタンジオール0.54
重量部およびトリエチレンンジアミン0.1重量部を1
10℃に保温された撹拌機の付いた貯蔵タンクAに入
れ、窒素ガス雰囲気下で均一な混合物とした。これとは
別に、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを
50℃に保温された撹拌機の付いた貯蔵タンクBにい
れ、窒素ガス雰囲気下で貯蔵した。貯蔵タンクAの混合
物と貯蔵タンクBの4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネートを定量ポンプにて各々、250g/分、6.
36g/分の速度で110〜140℃に設定した2軸押
出機に連続的に供給し、押出機中で混合、反応を行な
い、押出機出口からストランドを出し、ペレタイザーに
よりペレット化して架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を
得た。このようにして得た架橋ポリアルキレンオキシド
樹脂の吸水能は30g/gであり、170℃、50kg
/cm2加重下での溶融粘度は10000ポイズであっ
た。
【0016】製造例2 十分に脱水した平均分子量20000のポリエチレンオ
キシド100重量部、平均分子量15000のエチレン
オキシド/プロピレンオキシド共重合体(共重合比8/
2)17重量部、1,4−ブタンジオール0.66重量
部およびトリエチレンジアミン0.1重量部を110℃
に保温された撹拌機の付いた貯蔵タンクAに入れ、窒素
ガス雰囲気下で均一な混合物とした。これとは別に、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを50℃
に保温された撹拌機の付いた貯蔵タンクBにいれ、窒素
ガス雰囲気下で貯蔵した。貯蔵タンクAの混合物と貯蔵
タンクBの4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
トを定量ポンプにて各々、250g/分、7.18g/
分の速度で110〜140℃に設定した2軸押出機に連
続的に供給し、押出機中で混合、反応を行ない、押出機
出口からストランドを出し、ペレタイザーによりペレッ
ト化して架橋ポリアルキレンオキシド樹脂を得た。この
ようにして得た架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の吸水
能は35g/gであり、170℃、50kg/cm2加
重下での溶融粘度は5000ポイズであった。
【0017】実施例1 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂1
00重量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商
品名;エバールEP−E105、エチレン含有量44モ
ル%、融点165℃、クラレ(株)製)50重量部、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(商品名;エバテートD2
011、エチレン含有量90重量%、メルトフローレー
ト1.5、住友化学(株)製)50重量部、熱安定剤と
してスミライザーGS(住友化学(株)製)、イルガノ
ックス1010(チバガイギー(株)製)およびアデカ
スタブPEP−36(旭電化(株)製)それぞれ等重量
からなる混合物2重量部、加工助剤としてステアリン酸
カルシウム4重量%、オレイン酸アミド36重量%、ダ
イカライトWF(Grefco.Inc.,製)60重
量%からなる混合物1.66重量部をヘンシェルミキサ
ーでブレンドした後65mm単軸押出機で混練し樹脂組
成物を得た。得られた樹脂組成物からインフレーション
成形により吸水性フィルムを得た。得られた吸水性フィ
ルムについて、上記(1)インフレーション加工性、
(2)吸水率、(3)表面状態、(4)吸湿率、(5)
引張破断強度、(6)吸液率の性能評価を行った。
(1)〜(5)の結果を表1に、(6)の結果を表2に
示した。
【0018】実施例2 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂1
00重量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商
品名;エバールEP−E105、エチレン含有量44モ
ル%、融点165℃、クラレ(株)製)100重量部、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名;エバテートH
2020F、エチレン含有量85重量%、メルトフロー
レート1.5、住友化学(株)製)50重量部、熱安定
剤としてスミライザーGS(住友化学(株)製)、イル
ガノックス1010(チバガイギー(株)製)およびア
デカスタブPEP−36(旭電化(株)製)それぞれ等
重量からなる混合物2.5重量部、加工助剤としてステ
アリン酸カルシウム4重量%、オレイン酸アミド36重
量%、ダイカライトWF(Grefco.Inc.,
製)60重量%からなる混合物2.08重量部をヘンシ
ェルミキサーでブレンドした後65mm単軸押出機で混
練し樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物からインフ
レーション成形により吸水性フィルムを得た。得られた
吸水性フィルムについて、上記(1)〜(5)の性能評
価を行った。結果を表1に示した。
【0019】実施例3 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂1
00重量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商
品名;エバールEP−E105、エチレン含有量44モ
ル%、融点165℃、クラレ(株)製)50重量部、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(商品名;エバテートD2
011、エチレン含有量90重量%、メルトフローレー
ト1.5、住友化学(株)製)100重量部、熱安定剤
としてスミライザーGS(住友化学(株)製)、イルガ
ノックス1010(チバガイギー(株)製)およびアデ
カスタブPEP−36(旭電化(株)製)それぞれ等重
量からなる混合物2.5重量部、加工助剤としてステア
リン酸カルシウム4重量%、オレイン酸アミド36重量
%、ダイカライトWF(Grefco.Inc.,製)
60重量%からなる混合物2.08重量部をヘンシェル
ミキサーでブレンドした後65mm単軸押出機で混練し
樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物からインフレー
ション成形により吸水性フィルムを得た。得られた吸水
性フィルムについて、上記(1)〜(5)の性能評価を
行った。結果を表1に示した。
【0020】実施例4 製造例2で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂1
00重量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商
品名;エバールEP−F101、エチレン含有量32モ
ル%、融点183℃、クラレ(株)製)125重量部、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名;エバテートD
2011、エチレン含有量90重量%、メルトフローレ
ート1.5、住友化学(株)製)125重量部、熱安定
剤としてスミライザーGS(住友化学(株)製)、イル
ガノックス1010(チバガイギー(株)製)およびア
デカスタブPEP−36(旭電化(株)製)それぞれ等
重量からなる混合物3.5重量部、加工助剤としてステ
アリン酸カルシウム4重量%、オレイン酸アミド36重
量%、ダイカライトWF(Grefco.Inc.,
製)60重量%からなる混合物2.91重量部をヘンシ
ェルミキサーでブレンドした後65mm単軸押出機で混
練し樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物からインフ
レーション成形により吸水性フィルムを得た。得られた
吸水性フィルムについて、上記(1)〜(5)の性能評
価を行った。結果を表1に示した。
【0021】実施例5 実施例2で得られた吸水性フィルムをビニロンフィルム
(20μm)の片面にテストエンボス機(由利ロール
(株)製)で熱圧着(圧着面積30%)し吸水性フィル
ムの複合体を得た。得られた吸水性フィルムの複合体に
ついて、上記(1)〜(4)の性能評価を行った。結果
を表1に示した。
【0022】比較例1 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の
みを用いてインフレーション成形により吸水性フィルム
を得た。得られた吸水性フィルムについて、上記の性能
評価を行った。
【0023】比較例2 製造例1で得られた架橋ポリアルキレンオキシド樹脂1
00重量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商
品名;エバールEP−E105、エチレン含有量44モ
ル%、融点165℃、クラレ(株)製)500重量部、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名;エバテートD
2011、エチレン含有量90重量%、メルトフローレ
ート1.5、住友化学(株)製)500重量部、熱安定
剤としてスミライザーGS(住友化学(株)製)、イル
ガノックス1010(チバガイギー(株)製)およびア
デカスタブPEP−36(旭電化(株)製)それぞれ等
重量からなる混合物11重量部、加工助剤としてステア
リン酸カルシウム4重量%、オレイン酸アミド36重量
%、ダイカライトWF(Grefco.Inc.,製)
60重量%からなる混合物9.13重量部をヘンシェル
ミキサーでブレンドした後65mm単軸押出機で混練し
樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物からインフレー
ション成形により吸水性フィルムを得た。得られた吸水
性フィルムについて、上記(1)〜(5)の性能評価を
行った。結果を表1に示した。
【0024】比較例3 実施例1において架橋ポリアルキレンオキシド樹脂の代
わりにアクリル酸系吸水性樹脂(商品名;アクアキープ
10SH−NF20、住友精化(株)製、吸水能:20
0g/g、粒径:20μm)を用い、実施例1と同様の
方法でインフレーション成形を実施したが、フィルムに
成形できなかった。表1の結果より実施例1〜5で得ら
れた吸水性フィルムおよびその複合体は、加工性が良好
で、また十分な吸水率を有し、吸水後の表面状態が良
く、しかも実施例1〜4で得られた吸水性フィルムは、
湿潤時の強度低下が少ないことがわかる。また表2より
実施例1で得られた吸水性フィルムは、酸、アルカリ、
海水等の高濃度のイオン溶液を純水と同様に吸液するこ
とがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、架橋ポリアルキレンオ
キシド樹脂とエチレン−ビニルアルコール共重合体とエ
チレン−酢酸ビニル共重合体を特定の割合で含む樹脂組
成物から、加工性が良好であり、吸水・吸液・吸湿時に
表面状態が良好でヌメリ感がなく、かつ湿潤時に強度低
下が少ない吸水性フィルムが提供できる。本発明によっ
て得られる吸水性フィルムは、その特性を生かして生鮮
食料品・加工食品の鮮度保持シート、半導体製造時や冷
却配管、コンテナ内等の結露防止材、加湿器のエレメン
ト素材等に使用することができる。また、酸、アルカ
リ、海水、セメント水、塩化カルシウム溶液等の高濃度
のイオン溶液を水と同様に吸液することから光ファイバ
ーケーブルの止水材、固体電解質、土木・建築用資材
(例えばセメント養生シート等)、園芸用資材(水苔の
代替等)、家庭用品など広範囲な用途に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上山 弘之 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内 Fターム(参考) 4J002 BB06Y BB22X BE03X CH02W CH05W

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋ポリアルキレンオキシド樹脂100重
    量部、エチレン−ビニルアルコール共重合体20〜40
    0重量部、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体20〜
    400重量部を含む樹脂組成物からなることを特徴とす
    る吸水性フィルム。
  2. 【請求項2】架橋ポリアルキレンオキシド樹脂が、ポリ
    アルキレンオキシドとジオールとをイソシアネート化合
    物で架橋させたものであって、170℃、50kg/c
    m2加重下でのその溶融粘度が500〜20万ポイズで
    ある請求項1記載の吸水性フィルム。
  3. 【請求項3】ポリアルキレンオキシドが、重量平均分子
    量500〜50万のポリエチレンオキシド、ポリプロピ
    レンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド
    共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種である
    請求項2記載の吸水性フィルム。
  4. 【請求項4】エチレン−ビニルアルコール共重合体が、
    そのエチレン含有量が20〜60モル%であって、その
    融点が150〜200℃のものである請求項1記載の吸
    水性フィルム。
  5. 【請求項5】エチレン−酢酸ビニル共重合体が、そのエ
    チレン含有量が60〜98重量%であって、190℃に
    おけるメルトフローレートが0.5〜20g/10分間
    のものである請求項1記載の吸水性フィルム。
  6. 【請求項6】透水性または透湿性基材の少なくとも片面
    に請求項1ないし5いずれか1項記載の吸水性フィルム
    を積層させてなる吸水性フィルム複合体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011132615A1 (ja) * 2010-04-23 2011-10-27 住友精化株式会社 湿潤時の潤滑性が維持された樹脂組成物
CN114276638A (zh) * 2021-11-15 2022-04-05 金发科技股份有限公司 丙烯酸酯类化合物作为水结合剂在制备耐水解pmma组合物中的应用

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