JP2000017166A5 - 熱可塑性エラストマー組成物および多孔性フィルムまたはシート - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物および多孔性フィルムまたはシート Download PDF

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Description

【0004】
【発明を解決するための手段】
本発明によれば、下記熱可塑性エラストマーおよび多孔性フィルムまたはシートが提供されて、本発明の上記目的が達成される。
〔1〕(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマー100重量部、および(ロ)充填剤50〜400重量部を含有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物
〔2〕上記(ロ)充填剤の平均粒径が、0.01〜30μmである上記〔1〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔3〕上記(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマーが、(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーのみからなる熱可塑性エラストマーである上記〔1〕または〔2〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔4〕上記(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマーが、(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、(2)ビニル芳香族化合物・共役ジエン系ブロック共重合体および/または水添ジエン系重合体からなる熱可塑性エラストマーである上記〔1〕または〔2〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
〔5〕上記(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマーが、(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、(2)ビニル芳香族化合物・共役ジエン系ブロック共重合体および/または水添ジエン系重合体と、(3)下記の(3)−1および(3)−2からなる群から選択される少なくとも1種からなる熱可塑性エラストマーである上記〔1〕または〔2〕に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
(3)−1:ビニル芳香族化合物と、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体との共重合体
(3)−2:ビニル芳香族化合物および/または共役ジエン化合物の(共)重合体の重合活性末端にイソシアナート化合物を反応させて得られるイソシアナート変性重合体、並びに共役ジエン化合物成分を含有している場合は、その水添物
〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物から得られる多孔性フィルムまたはシート。
以下本発明を詳述するが、それにより本発明の他の目的、利点および効果が明らかとなるであろう。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の多孔性フィルムまたはシート用熱可塑性エラストマー組成物に含有される(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマーについて説明する。
(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマーの好ましい態様として、下記(A)、(B)、および(C)の熱可塑性エラストマーを挙げることができるが、これらに制限されない。
(A)(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーのみからなる熱可塑性エラストマー。
(B)(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、(2)ビニル芳香族化合物・共役ジエン系ブロック共重合体および/または水添ジエン系重合体からなる熱可塑性エラストマー。
(C)(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、(2)ビニル芳香族化合物・共役ジエン系ブロック共重合体および/または水添ジエン系重合体と、(3)下記の(3)−1および(3)−2からなる群から選択される少なくとも1種からなる熱可塑性エラストマー。
(3)−1:ビニル芳香族化合物と、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体との共重合体
(3)−2:ビニル芳香族化合物および/または共役ジエン化合物の(共)重合体の重合活性末端にイソシアナート化合物を反応させて得られるイソシアナート変性重合体、並びに共役ジエン化合物成分を含有している場合は、その水添物(以下、水添物を含んで、「(3)−2イソシアナート変性重合体」ともいう)
上記(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、長鎖ポリオール、短鎖グリコール、およびジイソシアネートなどを原料として重付加反応により生成し、分子内に有するウレタン結合を介して高分子化している重合体であり、靴底、ホース、チューブ、接着剤などに用いられているよく知られているエラストマーである。
(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーの原料である長鎖ポリオールとして、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどを挙げることができる。
また短鎖グリコールとして、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ヘキサンジオールなどを挙げることができる。
またジイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサンメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどを挙げることができる。
(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーの重量平均分子量は、好ましくは5000〜500000、更に好ましくは10000〜300000である。
上記(2)ビニル芳香族化合物・共役ジエン系ブロック共重合体および/または水添ジエン系重合体のうち、ビニル芳香族化合物・共役ジエンブロック共重合体(以下、単に「ブロック共重合体」ともいう)は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物(以下、単に「共役ジエン」ともいう)を主体とする重合体ブロックとからなる。
ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物単位を、好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは10〜45重量%含むものであって、その構造は直鎖状、分岐状、放射状のいずれであってもよく、特に限定されない。
上記(2)成分のうち、水添ジエン系共重合体は、ジエン系共重合体に含有される共役ジエン成分の不飽和結合を水素添加したものであり、例えば共役ジエンの単独重合体、共役ジエンと芳香族ビニル化合物のランダム共重合体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックからなるブロック共重合体、芳香族ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエン/芳香族ビニル化合物の共重合体ブロックからなるブロック共重合体、共役ジエン化合物の重合体ブロックと共役ジエン/芳香族ビニル化合物の共重合体ブロックからなるブロック共重合体もしくはこれらの官能基変性体などのジエン系重合体(以下、「水添前重合体」ともいう)の水素添加物を挙げることができる。
なかでも、特にSEBSやSEPSなどの、上記ビニル芳香族化合物・共役ジエンブロック共重合体の水添体や以下に説明する共役ジエン系重合体の水添体((2)−1)、((2)−2)あるいは((2)−3)が好ましい。以下、これら水添体について説明する。
(2)−1)水添体
(2)−1)水添体は、共役ジエンと芳香族ビニル化合物のランダム共重合部分を主体とする重合体を水素添加することにより得られるものである。
ここで、上記共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエン系重合体を得るには、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
また、上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
(2)−1)水添体は、上述のようにランダム共重合部分を主体とする重合体を水添することによって得られるが、水添前重合体の分子鎖中に、下記のごとき重合体ブロックが含まれていてもよい。水添前重合体に含まれてもよい重合体ブロックとしては、芳香族ビニル化合物重合体、1,4−結合を主体とするポリブタジエン重合体、および芳香族ビニル化合物と共役ジエンからなり芳香族ビニル化合物がポリマー鎖に添って漸増するテーパー状重合体などがあげられる。
これらの重合体ブロックが存在すると、((2)−1)水添体の物性上の特徴は若干損なわれるものの、水添体のブロッキング性が低下することにより取扱い性が向上するため、工業的に有用な場合がある。水添前重合体における前記重合体ブロックの全分子鎖中の割合は、特に限定されるものではないが、50重量%以下が好ましく、40%重量以下がより好ましい。重合体ブロックの割合が50重量%を越えると、柔軟性が低下する。
前記水添前重合体は、カップリング剤の使用により重合体分子鎖がカップリング剤残基を介して延長または分岐した重合体であってもよい。
この際用いられるカップリング剤としては、例えばアジピン酸ジエチル、ジビニルベンゼン、メチルジクロロシラン、四塩化ケイ素、ブチルトリクロロケイ素、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、ジメチルクロロケイ素、テトラクロロゲルマニウム、1,2−ジブロモエタン、1,4−クロロメチルベンゼン、ビス(トリクロロシリル)エタン、エポキシ化アマニ油、トリレンジイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネートなどが挙げられる。
本発明の((2)−1)水添ジエン系重合体において、分子鎖中の共役ジエン部分の二重結合の水素添加率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。80%未満では、耐候性が不十分となる。
さらに、本発明の((2)−1)水添ジエン系重合体は、重量平均分子量が好ましくは5万〜70万、より好ましくは5万〜60万である。5万未満では、機械的強度が不十分となり、一方70万を超えると、流動性が不足し成形加工性が不十分となる。
(2)−2)水添体
(2)−2)水添体は、下記の(A)、(B)および(C)の各ブロックを主成分とする共重合体である。なお、((2)−2)水添体を得るために用いられるビニル芳香族化合物および共役ジエンは、上記((2)−1)水添体の水添前重合体を得るために用いられるものと同様である。
(A)ブロックは、芳香族ビニル化合物単位から実質的になるブロックである。好ましくは、芳香族ビニル化合物の単独重合体ブロック、あるいは芳香族ビニル化合物単位を90重量%以上、共役ジエン単位を10重量%以下含有する芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体の共役ジエン部分の80重量%以上が水素化された重合体ブロックである。
(A)ブロック中の芳香族ビニル化合物含量が90重量%未満では、強度および耐候性が低下する。
また、(A)ブロックの好ましい重量平均分子量は、0.2万〜42万である。
(2)−2)水添体中、(A)ブロックの好ましい含量は5〜60重量%、さらに好ましくは10〜55重量%である。5重量%未満では、((2)−2)水添体の耐熱性、機械的強度が劣る。一方60重量%を越えると、加工性、柔軟性が劣る。
(B)ブロックは、共役ジエン単位から実質的になる共役ジエンブロックが水素添加されたブロックである。水素添加前の共役ジエンブロック中のビニル結合した共役ジエン含量(ビニル結合含量)は、好ましくは25〜95重量%、より好ましくは30〜90重量%である。例えば共役ジエンがブタジエンの場合、ビニル結合含量が25重量%未満では、水素化されるとポリエチレン連鎖が生成し、ゴム的性質が失われ、一方95重量%を超えると、機械的強度、加工性や耐熱性に劣り、得られる水添ジエン系重合体をペレット化した場合、そのペレットのブロッキングが激しいので好ましくない。
(B)ブロックは、水素添加前の共役ジエンブロックの二重結合が80%以上水素化されていることが好ましい。
(B)ブロックの好ましい重量平均分子量は1.5万〜63万、より好ましくは3.5万〜42万である。
また、((2)−2)水添体中、(B)ブロックの好ましい含量は、30〜90重量%、より好ましくは35〜80重量%である。(B)ブロックの含量が30重量%未満では、((2)−2)水添体の柔軟性が低下し、一方90重量%を超えると、加工性、機械的強度が低下する。
(C)ブロックは、ビニル結合含量が25%未満、好ましくは20%未満のポリブタジエン重合体ブロックが水素添加されたブロックである。ビニル結合含量が25%以上では、水素化されると(C)ブロックの樹脂的性質が失われ、また((2)−2)水添体の熱可塑性エラストマーの性質が失われる。
(C)ブロックは、水素添加前のポリブタジエンブロックのブタジエン単位の二重結合が80%以上水素化されていることが好ましい。
また、(C)ブロックの好ましい重量平均分子量は、0.25万〜42万である。
(2)−2)水添体中、(C)ブロックの含量は、5〜60重量%、好ましくは5〜50重量%である。(C)ブロックの含量が5重量%未満では、((2)−2)水添体の力学的性質が劣り、一方60重量%を超えると、ゴム的性質が失われ好ましくない。
また、((2)−2)水添体は、重合体ブロック(A)、(B)および(C)が結合して形成されたブロックに、さらにカップリング剤残基を介して、重合体ブロック(A)、(B)および(C)のうち少なくとも1個の重合体ブロックが結合し、例えば下記式(i)、(ii)で表される重合体分子鎖が延長または分岐した構造であってもよい。
(i)
〔(A)−(B)−(C)〕n−X
(ii) 〔(A)−(B)−(C)〕X〔(A)−(B)〕
〔上記式中、nは2〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示し、使用されるカップリング剤も、((2)−1)水添体で使用されるものと同様である〕
このような((2)−2)水添体は、共役ジエンに由来する二重結合が、その80%以上飽和(水素添加)されていることが好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95〜100%である。該二重結合の飽和率が80%未満では、熱可塑性エラストマーの熱安定性、耐久性などが劣る。
(2)−2)水添体重量平均分子量は5万〜70万であり、好ましくは10万〜60万である。5万未満では耐熱性、強度が低下し、70万を越えると流動性、加工性、柔軟性が劣る。((2)−2)水添体は、例えば特開平2−133406号公報に開示されている方法によって得ることができる。
(2)−3)水添体
(2)−3)水添ジエン系共重合体は、(D)ビニル結合含量が25%以下であるポリブタジエン重合体ブロック(以下「(D)ブロック」ともいう)と、(E)共役ジエン部分のビニル結合含量が25〜95%である、共役ジエン重合体ブロックもしくはビニル芳香族化合物・共役ジエン共重合体ブロック(以下「(E)ブロック」ともいう)とが、直鎖状あるいは分岐状に配列したブロック共重合体の二重結合の80%以上が水素添加されたものである。上記ブロック共重合体は、例えば(D)−(E)−(D)または(D)−(E)のように配列された構造を有する。
(2)−3)水添体を得るために用いられるビニル芳香族化合物および共役ジエンとしては、上記((2)−1)水添体を得るために用いられるものとして例示した化合物を挙げることができる。
上記(D)ブロックは、水素添加により通常の低密度ポリエチレン(LDPE)に類似の構造を示す結晶性の重合体ブロックとなる。ブロック(D)中の1,2−ビニル結合含量は、通常25%以下であるが、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下であることが望ましい。ブロック(D)中の1,2−ビニル結合含量が25%を越えた場合には、水素添加後の結晶融点の降下が著しく、機械的強度が劣る。
また、((2)−3)水添体を得るための水添前重合体であるブロック共重合体は、(D)ブロックと(E)ブロックの割合が、通常、(D)ブロック5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、(E)ブロック95〜10重量%、好ましくは90〜20重量%(ここで、(D)+(E)=100重量%)である。(D)ブロックが5重量%未満、即ち(E)ブロックが95重量%を超える場合には、結晶性の重合体ブロックが不足し、((2)−3)成分の力学的性質が劣るため好ましくない。また、(D)ブロックが90重量%を超え、(E)ブロックが10重量%未満の場合には、((2)−3)成分の硬度が上昇し、好ましくない。
なお、(D)ブロックの好ましい重量平均分子量は、0.25万〜63万、より好ましくは1万〜48万である。また(E)ブロックの好ましい重量平均分子量は、0.5万〜66.5万、より好ましくは2万〜54万である。
なお、水添前重合体である上記ブロック共重合体は、(D)ブロックおよび(E)ブロックが結合して形成されたブロックに、さらにカップリング剤残基を介して、(D)ブロックおよび(E)ブロックのうち少なくとも1個の重合体ブロックが結合し、例えば下記式(iii)、(iv)で表されるような延長したあるいは分岐状の配列構造を有していてもよい。
(iii) 〔(D)−(E)〕n−X
(iv) 〔(D)−(E)−(D)〕n−X
(上記式中、nは2〜4の整数、Xはカップリング剤残基を示し、使用されるカップリング剤も、((2)−1)水添体で使用されるものと同様である)
以上のブロック共重合体が水素添加されることにより、該ブロック共重合体の共役ジエンに由来する二重結合が飽和されることによって、水添ジエン系共重合体である((2)−3)水添体が得られる。
共役ジエンに由来する二重結合は、その80%以上飽和されていることが好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95〜100%である。共役ジエン部分の二重結合の飽和率が80%未満では、熱可塑性エラストマーの熱安定性、耐久性に劣る。
(2)−3)水添体の重量平均分子量は5万〜70万であり、好ましくは10万60万である。5万未満では耐熱性、強度、流動性、加工性が低下し、70万を越えると流動性、加工性、柔軟性が劣る。((2)−3)成分は、例えば特開平3−1289576号公報に開示されている方法によって得ることができる。
(イ)熱可塑性エラストマーの好ましい態様である上記(C)に用いられる(3)成分は、既に述べたように、(3)−1共重合体および(3)−2イソシアナート変性重合体から選択される。
(3)−1共重合体は、ビニル芳香族化合物と不飽和カルボン酸および/またはその誘導体との共重合体である。
上記ビニル芳香族化合物は、スチレン、α−メチルスチレン、−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、−ターシャリーブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどであり、なかでもスチレンが好ましい。
また、不飽和カルボン酸およびその誘導体としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸など、およびその無水物、更にイミド化合物などが挙げられるが、これらのなかでは無水マレイン酸が好ましい。
さらに、(3)−1重合体は、ゴム成分が結合した変性物であってもよい。かかるゴム成分として、例えばポリブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、アクリロニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、天然ゴムなどを挙げることができる。
(3)−2イソシアナート変性重合体は例えば次の方法で製造することができる。
即ち、リチウム系開始剤を用いて共役ジエン化合物および/またはビニル芳香族化合物を単独重合した後、または好ましくはランダム状、ブロック状に共重合した後、その重合活性末端をイソシアナート化合物と反応させて得ることができる。また、反応後、得られた重合体に共役ジエン化合物成分が存在する場合、共役ジエン化合物成分に基づく不飽和結合の一部または全部を水素添加して飽和させてもよい。
好ましいイソシアナート化合物として、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリジンジイソシアナート、−フェニレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナートなどの芳香族ジイソシアナート;トリフェニルメタントリイソシアナート、トリス(イソシアナートフェニル)チオホスフェート、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアナート、ナフタレン−1,3,7−トリイソシアナートなどの芳香族トリイソシアナート;ナフタレン−1,2,5,7−テトライソシアナート、フェニルイソシアナートなどの他の芳香族イソシアナートなど;これら芳香族イソシアナート化合物の2量体、3量体など;これら芳香族イソシアナートと、ポリオールもしくはポリアミンと反応させたアダクトを挙げることができる。
特に好ましいイソシアナート化合物は、2,4−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナートなどの芳香族ジまたはトリイソシアナート化合物である。
イソシアナート化合物の使用量は、重合活性末端1個あたり、イソシアナート基で0.1〜10個、好ましくは0.2〜3個に相当する量用いられる。
上記(B)および(C)の熱可塑性エラストマーにおいて、(1)成分100重量部当たり、(2)成分は1〜1000重量部、好ましくは60〜800重量部用いられる。
また、(C)の熱可塑性エラストマーにおいて、(3)成分を用いることにより(1)
成分と(2)成分の相溶性が改良される。(3)成分は、(1)成分と(2)成分の合計量100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは2〜80重量部用いられる。
次に、(イ)熱可塑性エラストマーには、所望により(4)その他の熱可塑性重合体を含有してもよい。
好ましい(4)その他の熱可塑性重合体として、ビニル芳香族系重合体を挙げることができる。
上記ビニル芳香族系重合体として、ビニル芳香族化合物の単独重合体、ビニル芳香族化合物と他の単量体との共重合体、およびゴム状重合体の存在下でビニル芳香族化合物あるいはビニル芳香族化合物と上記他の単量体を重合して得られるゴム状重合体で変性したビニル芳香族化合物重合体を挙げることができる。但し、上記(3)に包含されるものは除かれる。
これらは単独で、あるいは組み合わせて用いられる。
芳香族ビニル系重合体で使用されるビニル芳香族化合物としては、前記(2)成分のブロック共重合体で用いられるビニル芳香族化合物を挙げることができる。
また、これらのビニル芳香族化合物と共重合可能な他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドテシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル;グリシジルメタクリレートなどのエポキシ化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミドなどを挙げることができる。
これらの共重合可能な他の単量体は1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
芳香族ビニル系重合体の具体例としては、ポリスチレン、ポリ−メチルスチレン、ポリm−メチルスチレン、ポリp−メチルスチレン、スチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、ポリクロルスチレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などを挙げることができる。
これらの他に、例えばハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレンプロピレン・スチレン樹脂、メタクリル酸メチル・ブタジエン・スチレン樹脂、メタクリル酸メチルと上記(2)成分のブロック共重合体の水添体とのグラフト共重合樹脂などのゴム変性物が挙げられる。
これらは1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
芳香族ビニル系重合体の重量平均分子量は、好ましくは0.5万〜100万、さらに好ましくは1万〜70万、特に好ましくは2万〜50万である。0.5万未満では機械的強度に劣り、100万超えると加工性が著しく劣る。
(イ)熱可塑性エラストマーに配合してもよい(4)成分として、上記芳香族ビニル系重合体の他に、IIR、EP(D)M、SBR、NBR、BR、NR、IR、1,2−ポリブタジエン、AR、CR、などのゴム質重合体;ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ジエン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルフォン、ポリフェニルサルファイドを挙げることができるが、上記芳香族ビニル系重合体が最も好ましい。
(イ)熱可塑性エラストマーの好ましい態様である(B)および(C)の熱可塑性エラストマーを構成する(2)および(3)の各成分は、必要に応じて従来公知の方法で官能基が導入された変性重合体でもよい。
かかる変性重合体は、例えばカルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、エポキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、イソシアネート基、スルホニル基およびスルホネート基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を未変性成分に導入することにより得ることができる。
官能基を導入する方法としては、
a.官能基を含有する共役ジエンあるいはビニル芳香族化合物を用い、単量体の官能基を保護した状態で共重合してブロック共重合体を得、重合完結後、脱保護を行う手法で重合中に付加させる方法、
b.官能基を有するラジカル重合性単量体を既知のグラフト化反応によって重合体に付加させる方法、
c.上記(2)の方法の1種であるが、官能基を含有する単量体と共に、有機過酸化物またはアゾ化合物の存在下もしくは非存在下に、重合体をニーダー、ミキサー、押出機などを用いて混練りして、官能基を付加させる方法など
が挙げられる。
上記a〜cの方法は、工業的に簡便であり、効果的である。
(2)成分である水添ジエン系重合体を変性する場合、官能基の量は、該水添ジエン系重合体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部、さらに好ましくは0.15〜5重量部である。
(2)成分の重合体に官能基を導入するために用いられる単量体の好ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシエチレンメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどが挙げられる。
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造するために、(2)成分を他の成分と混合する際に、該混合を架橋剤の存在下で動的に熱処理を施して、(2)成分を架橋したものとすることもできる。また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を多孔性フィルムまたはシートに成形後、既知の方法で架橋することもできる。
架橋方法は、硫黄架橋、過酸化物架橋、樹脂架橋、金属イオン架橋、電子線架橋、シラン架橋などが挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に含有される(ロ)充填剤としては、無機および有機の充填剤が用いられる。
無機充填剤の好ましい具体例として、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオライト、珪藻白土、ハイドロタルサイト、非晶性アルミノシリケートなどを挙げることができ、特に炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、シリカなどが好ましく用いられる。
これら充填剤は単独でまたは2種類以上組み合わせて用いられる。また粉体表面を脂肪酸処理、樹脂酸処理、カチオン処理、アニオン処理など公知の方法で表面処理することもできる。
充填剤の平均粒径は、好ましくは0.01〜30μm、さらに好ましくは0.05〜10μmである。
また充填剤は、熱可塑性樹脂とのマスターバッチとして使用することも好ましい。好ましい熱可塑性樹脂はポリスチレンなどのスチレン系樹脂、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのエチレン系重合体などである。マスターバッチ中の充填剤の濃度は好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。このように充填剤をマスターバッチとして用いることにより、(イ)熱可塑性エラストマー中に(ロ)充填剤が良好に分散する。
なお、本発明においては、マスターバッチに用いられた上記熱可塑性樹脂は、(イ)熱可塑性エラストマーの(4)その他の熱可塑性重合体成分として取り扱われる。
(ロ)充填剤は、(イ)熱可塑性エラストマー100重量部に対して、50〜400重量部、好ましくは100〜300重量部、さらに好ましくは120〜250重量部の範囲で用いられる。
(ロ)充填剤が50重量部未満では、延伸してフィルムまたはシートとした場合に空孔が十分に形成されないので好ましくない。また充填剤が400重量部を超えて配合された場合、フィルムまたはシートの柔軟性や弾性回復性が著しく劣るので好ましくない。
本発明の組成物には、上記(イ)および(ロ)成分の他に必要に応じて、酸化防止、帯電防止、耐候、紫外線吸収、滑剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、結晶核剤、難燃化、防菌、防かび剤、粘着付与剤、軟化剤、可塑剤、酸化チタン、カーボンブラックなどの着色剤、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、充填剤、ナフテン油、パラフィン系鉱物油、ジオクチルフタレートなどの無極性/極性の可塑剤などを適宜配合することができる。
本発明の多孔性フィルムまたはシートは、(イ)および(ロ)成分、必要に応じて上記の成分を適宜混合したのち、フィルムまたはシート化し少なくとも一軸方向に延伸をかけることにより得られる。未延伸フィルムまたはシートの成形法は、上記成分をタンブラーやヘンシェルミキサーなどで混合した後、直接Tダイフィルム成形装置やインフレーション成形装置で成形する方法を用いてもよいが、一度混練装置を用いてペレットとしたものをフィルム成形する方法が好ましい。
混練装置としては軸押出機や単軸押出機などの連続装置、あるいは加圧式ニーダー、バンバリーミキサーなどの回分式装置などを用いることができる。回分式装置を用いた場合、フィーダールーダーやシートカッター、粉砕機などを用いてペレットを作成することができる。未延伸フィルムまたはシート成形装置としては、通常上記のTダイ押出し装置やインフレーション製膜装置を用いることができるが、これらに制限されない
上記方法で得られた未延伸フィルムまたはシートは、少なくともフィルムまたはシートの流れ方向に、通常ロール延伸により一軸延伸されるが、一軸延伸後テンター延伸機、エヤーインフレーション延伸機、マンドレル延伸機などを用いて流れと垂直方向に軸延伸することもできる。延伸は、一段でもあるいは二段以上で行われる。また、公知のコロナ放電処理法による表面処理を行ってもよい。
また延伸は、本発明の組成物の流動開始温度より100℃10℃低い温度範囲で行う加熱延伸、あるいは常温で延伸を行う冷延伸のいずれの方法を用いてもよい。
なお、本発明では、流動開始点をフローテスター(島津製作所社製)でQ−T曲線(加重:10kgf、昇温:6℃/分、オリフィス径:1φ×2mm)を描いて決定した。
(1)膜厚
後述する成形法で得られたシートやフィルムなどの成形品の厚みをマイクロメーターで測定した。
(2)引張特性
後述する成形法で得られたシートやフィルムなどの成形品を、127mm×25mmの短冊状に打ち抜き500mm/minの速度で測定した。モジュラス(弾性率)の単位はg/25mmである。
MD100:成形品の流れ方向の100%モジュラス
TD100:成形品の流れ方向に対して垂直方向の100%モジュラス
これらのモジュラスが小さいほど柔軟性に優れている。
(3)弾性回復性
後述する成形法で得られたシートやフィルムなどの成形品を、127mm×25mmの短冊状に打ち抜き500mm/minの速度で200%伸長し、500mm/minの速度で歪みを解放した。試験前と試験後の長さの変化を測定し以下の式に従い永久伸びを測定し弾性回復性の指標とした。永久伸びの数値が小さいほど弾性回復性に優れている。
永久伸び=((L1−L0)/L0)×100 (%)
L0:伸長前のフィルムの長さ
L1:200%伸長歪み解放後のフィルムの長さ
(4)透湿性
JIS K7129 A法に基づき、透湿度を測定した。装置としては Dr.LYSSY製 L80−4000型を用い、測定温度40℃、相対湿度差90%RHの条件で測定した。なお、標準サンプルとして透湿度5000g/m2dayのゴアテックスフィルムを用いた。透湿度の値が大きいほど透湿に優れている。
用いた各成分は、以下の通りである。
(イ)成分
(1)成分
TPU−1 熱可塑性ポリウレタンエラストマー
〔クラミロンU8180 クラレ社製
TPU−2 熱可塑性ポリウレタンエラストマー
〔クラミロンU3190 クラレ社製
(2)成分
※ブロック重合体成分
SBS−1 スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
〔TR2827 JSR社製
SBS−2 スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
〔TR2000 JSR社製
SIS スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
〔SIS5000 JSR社製
※水添ジエン系共重合体
水添ジエン系共重合体A
水添ブロック共重合体AはJSR社製のもので、A−B構造 (Aはポリスチレンブロック、Bはスチレンとブタジエンの共重合体ブロックのブタジエン部の二重結合を水添したもの)を有し、全結合スチレンは10%、A部のスチレン量6%、水添前のブタジエン部のビニル量(1,2結合量)が80%で、全分子量300,000の水添ブロック共重合体。
水添ジエン系共重合体B
水添ブロック共重合体Bは、JSR社製のもので、D−E−F構造(Dはポリスチレンブロック、Eは1,2−ビニル含量の多いポリブタジエン、Fは1,2−ビニル含量の少ないポリブタジエンでEおよびFはブタジエン部の二重結合が水添されている)を有し、水添前のE部のビニル量が39%、F部のビニル量が15%で、全分子量が150,000の水添ブロック共重合体。
水添ジエン系共重合体C
水添ブロック共重合体Cは、JSR社製のもので、G−H−G構造(Gは1,2−ビニル含量の少ないポリブタジエン、Hは1,2−ビニル含量の多いポリブタジエンでそれぞれのブタジエン部の二重結合が水添されている)を有し、水添前のG部のビニル量が15%、H部のビニル含量が35%で、全分子量が300,000の水添ブロック共重合体。
水添ジエン系共重合体D
水添ブロック共重合体は、JSR社製のもので、G−H−G構造(Gは1,2−ビニル含量の少ないポリブタジエン、Hは1,2−ビニル含量の多いポリブタジエンでそれぞれのブタジエン部の二重結合が水添されている)を有し、水添前のG部のビニル量が15%、H部のビニル含量が80%で、全分子量が300,000の水添ブロック共重合体。
SEBS−1
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水素添加物

〔シェル化学社製、Krayton G1657〕
SEBS−2
スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水素添加物

〔シェル化学社製、Krayton G1650〕
SEPS−1
スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物
〔クラレ社製、ハイブラー HVS−3〕
SEPS−2
スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物
〔クラレ社製、SEPTON 2007〕
SEPS−3
スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水素添加物
〔クラレ社製、SEPTON 2005〕
(3)−1成分
MS MMA−スチレン共重合体
〔セビアン MAS10 ダイセル化学工業社製
SMAH スチレン−無水マレイン酸共重合体
〔ダイラークD332 アーコケミカル社製
(3)−2成分
変性ゴム
窒素置換された反応器に、シクロヘキサン2000g、ブタジエン400g、スチレン100g、テトラヒドロフラン10gを仕込んだ後、n−ブチルリチウムを0.4g添加し、断熱下30〜90℃で重合反応を行った。重合添加率が100%に達した後、ジフェニルメタンジイソシアネートをリチウム原子に対し2当量加え、反応させた。次いで2,6−ジターシャリーブチル−−クレゾールを添加後、シクロヘキサンを加熱除去して重合体を得た。この重合体の結合スチレン含量は20wt%、重量平均分子量は20万であった。
(4)その他の熱可塑性重合体
PS ポリスチレン
〔トーポレックス525 三井東圧化学社製
Figure 2000017166
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Claims (6)

  1. (イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマー100重量部、および(ロ)充填剤50〜400重量部を含有することを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物
  2. 上記(ロ)充填剤の平均粒径が、0.01〜30μmである請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 上記(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマーが、(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーのみからなる熱可塑性エラストマーである請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 上記(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマーが、(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、(2)ビニル芳香族化合物・共役ジエン系ブロック共重合体および/または水添ジエン系重合体からなる熱可塑性エラストマーである請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 上記(イ)熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とする熱可塑性エラストマーが、(1)熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、(2)ビニル芳香族化合物・共役ジエン系ブロック共重合体および/または水添ジエン系重合体と、(3)下記の(3)−1および(3)−2からなる群から選択される少なくとも1種からなる熱可塑性エラストマーである請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
    (3)−1:ビニル芳香族化合物と、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体との共重合体
    (3)−2:ビニル芳香族化合物および/または共役ジエン化合物の(共)重合体の重合活性末端にイソシアナート化合物を反応させて得られるイソシアナート変性重合体、並びに共役ジエン化合物成分を含有している場合は、その水添物
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物から得られる多孔性フィルムまたはシート。
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