JP2000017059A - ポリエステルフィルム及びシート - Google Patents

ポリエステルフィルム及びシート

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JP2000017059A
JP2000017059A JP10188869A JP18886998A JP2000017059A JP 2000017059 A JP2000017059 A JP 2000017059A JP 10188869 A JP10188869 A JP 10188869A JP 18886998 A JP18886998 A JP 18886998A JP 2000017059 A JP2000017059 A JP 2000017059A
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polyester
sheet
acid
propanediol
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Shinichi Kawai
伸一 河合
Masaya Watanabe
真哉 渡辺
Koji Furuya
幸治 古谷
Kenji Suzuki
賢司 鈴木
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性に優れ、湿度依存性が低く且つ
焼却の際に有毒ガスを発生しないポリエステルフィルム
及びシートを提供する。 【解決手段】 ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分
とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成
分とするポリエステルを成形したフィルムまたはシート
であって、その密度が1.310以上であるポリエステ
ルフィルムまたはシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナフタレンジカル
ボン酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオール
を主たるジオール成分とするポリエステルを用いて作製
したフィルム及びシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下「P
ET」と称することがある)はその素材の優れた力学的
性質、化学的性質から磁気記録テープやコンデンサ、イ
ンクリボン、PETボトルの熱収縮性ラベルの如きフィ
ルムや、トレーや中空容器、そしてその蓋材の如きシー
ト、更にはPETボトルの如き成形品等に加工され、広
く利用されている。
【0003】しかしながらPETは酸素や二酸化炭素に
対するガスバリア性に関しては、ポリエチレンやポリプ
ロピレン等に比較すれば優れているものの未だ充分では
なく、例えば油脂を含む食品のように酸化しやすい内容
物を包装する用途や、炭酸飲料のように充填ガスの漏洩
を防止する必要がある用途において、より一層の性能向
上が要望されている。
【0004】PETのガスバリア性を改良する方法とし
て、PETよりもガスバリア性の優れた樹脂、例えばポ
リ塩化ビニリデン、エチレンー酢酸ビニル共重合体ケン
化物、ポリアミド等をコーティング或いは積層する方法
が知られているが、かかる樹脂は何れもPETとの接着
性が悪く、層間剥離を起こしたり、その結果容器の透明
性が失われるばかりでなく、異種ポリマーの積層体では
回収の点からも不利である。
【0005】PETに代えて、PETのテレフタル酸成
分の一部又は全部をイソフタル酸で置換した重合体を用
いる方法(特開昭59−64624号公報等)や、1,
3−フェニレンジオキシジ酢酸等を共重合させることに
よってガスバリア性向上を狙うという方法(特表昭60
−501060号公報等)が提案されているが、いずれ
の方法も、満足なガスバリア性が達成されていなかった
り、ガラス転移温度(Tg)の低下が大きく、耐熱性が悪
くなる等の問題を抱えている。
【0006】かかるポリエステルよりもガスバリア性に
優れたポリマーとしては、エチレンー酢酸ビニル共重合
体(以下EVOHと称する)やポリアミド(同PAと称
する),ポリ塩化ビニリデン(同PVDCと称する)な
どが用いられている。しかしEVOHやPAのガスバリ
ア性は湿度に大きく依存し、高湿度の状態ではガスバリ
ア性が低下するという欠点を有している。またPVDC
は焼却の際にダイオキシンなどの有毒ガスを発生する恐
れがあるという欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】湿度依存性が弱く、ま
た焼却の際に有毒ガスを発生しないという、優れた特徴
を有するポリエステルのなかで、PETよりも更にガス
バリア性に優れたものを提供すべく鋭意検討した結果、
本発明に到達したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、前記の課題は、ナ
フタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、1,3−プ
ロパンジオールを主たるグリコール成分とするポリエス
テルを成形したフィルムまたはシートであって、その密
度が1.310以上であるポリエステルフィルムまたは
シートによって解決されることを見出した。
【0009】本発明におけるポリエステルは、ナフタレ
ンジカルボン酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパン
ジオールを主たるグリコール成分とするポリエステルで
ある。ここで、主たるとは、全酸成分に対しナフタレン
ジカルボン酸成分が、また全グリコール成分に対し1,
3−プロパンジオール成分が、各々80mol%以上、
好ましくは85mol%以上、更に好ましくは90mo
l%以上であることを言う。
【0010】本発明でナフタレンジカルボン酸として
は、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、1、4−ナフタレンジカルボン酸等
が例示でき、エステル交換法によって本発明のポリエス
テルを製造する場合には、これらのジカルボン酸のエス
テル誘導体を原料として用いる事ができる。
【0011】これらのエステル誘導体としては、例え
ば、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6
−ナフタレンジカルボン酸ジエチル、2,7−ナフタレ
ンジカルボン酸ジメチル等を挙げることができ、中でも
工業的に容易に入手できる2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルは好ましいものの一つである。
【0012】本発明においてナフタレンジカルボン酸以
外のジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸等
のジカルボン酸及びこれらのエステル誘導体などが使用
できるが、これらの中で好ましくは、テレフタル酸、イ
ソフタル酸及びこれらのエステル誘導体(例えば、テレ
フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル等)である。
これらのジカルボン酸は1種のみでなく2種以上を用い
る事も出来るが、ナフタレンジカルボン酸以外のジカル
ボン酸成分の合計は、全ジカルボン酸成分の20mol
%未満とすることが、本発明の特徴を損なわないため好
ましい。更に好ましくは15mol%未満、特に好まし
くは10mol%未満である。
【0013】また本発明において1,3−プロパンジオ
ール以外のグリコール成分として、例えばエチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、テトラメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、シクロヘキサンジメタノール、オクタメチレ
ングリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノ
ールS,ビスフェノールA,ヒドロキノン等の芳香族ジ
オール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等の高分子グリコール等を使用する事が出来る。
これらのジオール化合物は1種のみでなく2種以上を用
いる事も出来るが、1,3−プロパンジオール以外のジ
オール成分の合計量は全ジオール成分の20mol%未
満、好ましくは15mol%未満、更に好ましくは10
mol%未満である事が本発明の特徴を損なわない為に
好ましい。
【0014】また本発明のポリエステルは、本発明の効
果を損なわない限り、例えばヒドロキシ安息香酸の如き
芳香族オキシ酸、ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪
族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を含ん
でいてもかまわない、或いは、トリメリット酸、ピロメ
リット酸等の多価カルボン酸、ペンタエリスリトールの
如きポリオール等も、本発明のポリエステルの特徴を損
なわない範囲で少量共重合していてもよい。
【0015】本発明におけるポリエステルは実質的に線
状であり、そしてフィルム形成性、特に溶融形成による
フィルム形成性を有する。
【0016】さらに、本発明におけるポリエステルに
は、本発明の特徴を損なわない範囲で、例えば結晶核
剤、安定剤、染料、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
蛍光増白剤、ハードコート剤、分散剤および難燃剤など
の添加剤を必要に応じて含有させることができる。
【0017】本発明におけるポリエステルは従来公知の
方法で製造することが出来る。
【0018】例えばナフタレンジカルボン酸のエステル
誘導体及び脂肪族グリコールを、従来公知のエステル交
換触媒である、例えばナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジ
ルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物の一種又
は二種以上を用いて加熱反応させ、エステル交換反応を
行い、次いで減圧下、重合触媒の存在下で加熱重合が行
われる。好ましい重合触媒としては、アンチモン化合物
やゲルマニウム化合物、チタン化合物などが挙げられ
る。
【0019】また、PETの直接重合法と同様の公知の方
法を用い、ジカルボン酸とグリコールの直接重合法によ
って、本発明のポリエステルを得る方法も挙げる事が出
来る。
【0020】なお、本発明のポリエステルは溶融重合
後、これをチップ化し、固相重合をすることも出来る。
固相重合をすると極限粘度の高いポリエステルを得る事
が出来、それを用いて機械的強度等の優れたフィルムや
シートを作ることが出来る。
【0021】本発明におけるポリエステルは、フィルム
又はシートの形で提供される。ここでシートとは、溶融
ポリマーをダイ等から押出した後に、次いで熱処理を施
したものを指し、延伸処理を特別に施していなくても良
い。一方フィルムとはシートを一軸方向又は二軸方向に
逐次延伸或いは同時延伸し、分子鎖を配向させたものを
指す。
【0022】一般的にポリマーのガスバリア性は、ポリ
マー分子鎖の凝集エネルギー密度、ポリマー分子鎖間の
隙間を表わす自由体積分率、結晶化度や分子鎖の配向度
などに関係している。このうちの結晶化度とガスバリア
性との関係については、酸素や炭酸ガスなどの気体分子
はポリマーの非晶部分のみを透過し、結晶部分は透過し
ないといわれている。つまり同種のポリマー同士で比較
すると、結晶化度の高いものほど、ガスが透過できる部
分が少なくなり、従ってガスバリア性が良い。
【0023】また配向度とガスバリア性との関係につい
ては、分子鎖がランダムな状態よりも、延伸されて分子
鎖が配向している方が、分子鎖間の隙間が小さくなり、
ガスは透過しづらくなる。従って同種のポリマー同士で
比較すると、延伸倍率の高いほうがガスバリア性が良
い。
【0024】本発明で得られるポリエステルのフィルム
及びシートの密度は1.310g/cm3以上であるこ
とが好ましい。密度は結晶化度を表わす指標であり、同
種のポリマー同士で比較した際には、結晶化度の高いも
のほどその密度も高くなる。従って上記の理由により、
密度が高くなるほどガスバリア性が向上する。又密度は
1.366g/cm3以下であることが好ましい。結晶
化度があまり高くなりすぎると、ガスバリア性は向上し
ても、フィルム等に成形した際に靭性が失われるので実
用上好ましくない。
【0025】また本発明のポリエステルは上記の理由に
より、延伸したフィルムの方が、延伸していないものよ
りもガスバリア性が更に向上するので好ましい。
【0026】以上の方法によって得られる本発明のポリ
エステルは、O−クロロフェノールの溶媒中で25℃で
測定した場合に、極限粘度が0.4〜1.5、好ましく
は0.5〜1.3の範囲であることが成形性の点におい
て好ましい。極限粘度が0.4より低いと、フィルムや
シートに成形した際に強度が不足する為に好ましくな
い。極限粘度が1.3を超えるようなポリエステル樹脂
は成形する際にろ過や押出し成形が難しくなるので好ま
しくない。
【0027】本発明のポリエステルは二軸延伸フィルム
とすることにより、結晶配向性を高め、よりガスバリア
性も向上し、好ましい事であるが、二軸延伸フィルムと
した際に、縦、横方向のヤング率の和が350kg/m
2以上であることが好ましい。縦、横方向のヤング率
の和がこの値よりも低いと、フィルムとして利用する際
に強度が不足するので好ましくない。更に好ましくは
縦、横方向のヤング率の和が400kg/mm2以上、
一層好ましくは500kg/mm2以上である。又縦、
横方向のヤング率の和が1200kg/mm2以下であ
る事が好ましい。ヤング率がこの値を超えるようなフィ
ルムは耐デラミネーション性が悪化するので好ましくな
い。更に好ましくは縦、横方向のヤング率の和が900
kg/mm2以下、一層好ましくは800kg/mm2
下である。
【0028】また、本発明のポリエステルは二軸延伸フ
ィルムとした際に、面配向係数(ns)が0.02以上
であることが好ましい。この面配向係数が0.02未満
ではフィルムの強度が不足するので好ましくない。面配
向係数の上限については特に定めないが、面配向係数の
値が過大なフィルムは、耐デラミネーション性が悪化す
るなどの理由で、実用上0.35以下が好ましい。更に
好ましい面配向係数は0.10から0.30である。
【0029】本発明のポリエステルは二軸延伸フィルム
とした際に、その厚さが400μm以下であることが好
ましい。延伸後の厚さが400μmを超えるようなフィ
ルムは厚すぎて延伸が困難となり、熱処理の際にフィル
ム内部まで熱が到達しづらい等の生産上の理由で好まし
くない。更に好ましくは二軸延伸後のフィルムの厚みが
350μm以下、最も好ましくは250μm以下であ
る。
【0030】[フィルムの製造方法]本発明のポリエステ
ルフィルム及びシートはPETやポリエチレンナフタレ
ート(ポリエチレンナフタレートは以下「PEN」とい
うことがある)のフィルム及びシートを製造する通常の
方法、例えばギアポンプを経てTダイ又はIダイが接続
された一軸又は二軸スクリューの押出機のホッパーに原
料のポリエステルを供給して、押出機のシリンダ内で溶
融させてダイからシート状に押出し、それをキャスティ
ングロールにより冷却することで製造できる。キャステ
ィングロールについては、静電密着装置やエアナイフを
用いてシートを密着させることが、厚み斑やエアの巻き
込みを防止できる等の点から好ましい。
【0031】本発明のフィルムは熱可塑性樹脂に対して
用いられる、従来公知のフィルムの製造方法で行うこと
が出来る。例えばTダイやIダイによる押出成形法、環
状ダイを用いるインフレーション押出成形法、流延成形
法、カレンダー成形法、プレス成形法などを挙げること
が出来るが、PETやPENのフィルムを製膜する際に
通常用いられる、ロールやテンターを用いた一軸延伸や
二軸延伸のうちの任意の延伸方法を用いて成形すること
が好ましい。二軸延伸としては、逐次二軸延伸、同時二
軸延伸等が挙げられる。
【0032】延伸方法は公知の方法で良いが、延伸温度
は通常50〜120℃であり、延伸倍率は縦方向に1.
1〜6.5倍、好ましくは1.5〜6.0倍、より好ま
しくは2.5〜5.0倍である。二軸延伸をする際は更
に、横方向に1.1〜6.5倍、好ましくは2.5〜
6.0倍、より好ましくは2.8〜5.2倍である。
又、縦方向と横方向とに同時に延伸しても良い。更に、
縦、横方向に延伸した後で更に縦、横方向に延伸しても
良い。
【0033】また延伸した後は熱処理をすることが好ま
しい。延伸して得られたフイルムは125〜180℃、
好ましくは130〜175℃で1〜100秒間熱処理を
する事が好ましい。
【0034】フィルムに滑り性を付与するために、不活
性粒子を少量割合含有させることは好ましいことであ
る。かかる不活性粒子としては、例えば球状シリカ、多
孔質シリカ、炭酸カルシウム、シリカアルミナ、アルミ
ナ、二酸化チタン、カオリンクレー、硫酸バリウム、ゼ
オライトのごとき無機粒子、あるいはシリコン樹脂粒
子、架橋ポリスチレン粒子やポリプロピレン粒子のごと
き有機粒子をあげることができる。不活性粒子は天然
品、合成品のいずれでもよいが、無機粒子の場合は、粒
径が均一であることが好ましいなどの理由により、天然
品よりも合成品であることが好ましく、結晶形態、硬
度、比重、色などについては特に制限を受けることなく
使用することができる。
【0035】上記の不活性微粒子の平均粒径は0.05
〜5.0μmの範囲であることが好ましく、0.1〜
3.0μmであることが更に好ましい。平均粒径が0.
05μm未満だと滑り性を十分に付与する事が出来な
い。また、平均粒径が5.0μmを越えるとフィルムの
表面が平滑でなくなるので好ましくない。
【0036】また、不活性微粒子の含有量は0.001
〜1.0重量%であることが好ましく、0.03〜0.
5重量%であることが更に好ましい。含有量が0.00
1重量%未満だと滑り性を十分に付与する事が出来な
い。また、含有量が1.0重量%を越えるとフィルムや
シートの透明性が低下するので好ましくない。
【0037】フィルムに添加する不活性粒子は前記例示
した中から選ばれた単一成分でもよく、二成分あるいは
三成分以上を含む多成分であってもよい。
【0038】不活性粒子の添加時期は、ポリプロピレン
ナフタレートを製膜するまでの段階であれば特に制限は
なく、例えば重合段階で添加してもよく、また製膜の際
に添加してもよい。
【0039】本発明のポリエステルより得られるフィル
ム及びシートは、酸素透過係数がPETよりも小さく、優
れたガスバリア性を有する為に、例えば気体遮断性を必
要とされる包装用材料として有用であるが、用途はこれ
に限ったものではない。例えば磁気テープのベースや写
真用、コンデンサ用、更にはボトル用途など、PET等従
来のポリエステルが使用されている全ての用途におい
て、本発明のポリエステルを用いることが出来る。
【0040】
【実施例】以下実施例により、本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。なお、本実施例における種
々の物性及び特性の測定方法、定義は次のとおりであ
る。
【0041】密度 硝酸カルシウム水溶液を溶媒として用いた密度勾配管
中、25℃で浮沈法により測定した。単位は[g/cm
3]である。
【0042】極限粘度 O−クロロフェノールを溶媒として用いて25℃で測定
した。単位は[dl/g]である。
【0043】酸素透過係数 ASTM D−1434−75M法に基づき、市販のガ
ス透過率測定装置(東洋精機製作所製GTRテスターMーC
1)でフィルムの酸素透過係数を求めた。フィルムの両
側に圧力差をつけ、25℃における圧力の、時間に対す
る変化の勾配から酸素透過率を算出し、更に単位厚み当
たりの酸素透過係数に換算した。単位は[cc・cm/
cm2・sec・cmHg]である。
【0044】ヤング率 フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャ
ック間100mmにして引張速度10mm/分、チャー
ト速度500mm/分でインストロンタイプの万能引張
試験装置にて引張った。得られた荷重ー伸び曲線の立上
部の接線よりヤング率を計算した。単位は[kg/mm
2]である。
【0045】面配向係数(ns) アッベの屈折率計(株式会社アタゴ製)を使用して、2
5℃にてNa−D線を用いてフィルム面内の縦方向(M
D)、幅方向(TD)及びフィルムの厚み方向(Z)の
屈折率nMD、nTD及びnZを各々求め、下式により
算出した。
【0046】
【数1】ns=((nMD+nTD)/2)−nZ
【0047】[実施例1]ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸ジメチル100部、1,3−プロパンジオールを
47部、及びチタン触媒(チタニウムテトラブトキシ
ド)0.0586部を混合して150℃から210℃に
徐々に昇温しながら150分間エステル交換反応を行っ
た。次いで260℃まで昇温した後、0.1mmHg以
下の高真空下で重縮合反応を行い、極限粘度0.63の
ポリプロピレンー2,6−ナフタレートを製造した。
【0048】このポリプロピレンー2,6−ナフタレー
トを145℃で4時間乾燥させた後、押出し機ホッパー
に供給し、溶融温度280℃にて1mmのスリット状ダ
イを通して表面温度25℃の回転冷却ドラム上に押出
し、急冷して未延伸フィルムを得た。
【0049】この未延伸フィルムを75℃で予熱し低
速、高速のロール間で20mm上方より670℃の表面
温度のIRヒーターにて加熱し、縦方向に3.6倍に延
伸した。続いてテンターに供給し、105℃にて横方向
に3.9倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを1
40℃の温度で熱固定し、次いで135℃の温度で横方
向に4%弛緩させ、厚み12μmの二軸配向フィルムを
得た。得られた二軸延伸フィルムの物性を表1に示す。
【0050】[実施例2]実施例1において得られたポ
リプロピレンー2,6−ナフタレート未延伸フィルムを
75℃で予熱し低速、高速のロール間で20mm上方よ
り670℃の表面温度のIRヒーターにて加熱し、縦方
向に4.0倍に延伸した。続いてテンターに供給し、1
05℃にて横方向に4.5倍に延伸した。得られた二軸
配向フィルムを140℃の温度で熱固定し、135℃の
温度で横方向に4%弛緩させ、厚み14μmの二軸配向
フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの物性を表
1に示す。
【0051】[実施例3]実施例1において得られたポ
リプロピレンー2,6−ナフタレート未延伸フィルムを
2枚の鉄板の間に挟み、フィルムに張力がかからない状
態でギアオーブン内で150℃、10分間熱処理をし
た。得られた熱処理フィルムの物性を表1に示す。
【0052】[実施例4]実施例1において得られたポ
リプロピレンー2,6−ナフタレート未延伸フィルムを
2枚の鉄板の間に挟み、フィルムに張力がかからない状
態でギアオーブン内で150℃、120分間熱処理をし
た。得られた熱処理フィルムの物性を表1に示す。
【0053】[比較例1]実施例1において得られたポ
リプロピレンー2,6−ナフタレート未延伸フィルムに
対して、何ら延伸或いは熱処理を施すこと無くそのまま
の物性を評価した結果を表1に示す。
【0054】[比較例2]ポリエチレンテレフタレート
(PET)(極限粘度;0.62、ガラス転移温度、:
79℃、融点257℃)を170℃で3時間乾燥させた
後、押出し機ホッパーに供給し、溶融温度285℃にて
溶融し、1mmのスリット状ダイを通して表面温度25
℃の回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィル
ムを得た。
【0055】次にこのPET未延伸フィルム75℃で予
熱し低速、高速のロール間で20mm上方より670℃
の表面温度のIRヒーターにて加熱し、縦方向に3.6
倍に延伸した。続いてテンターに供給し、120℃にて
横方向に3.9倍に延伸した。得られた2軸配向フィル
ムを205℃の温度で熱固定し、185℃の温度で横方
向に4%弛緩させ、厚み12μmの二軸配向フィルムを
得た。得られた二軸延伸フィルムの物性を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】実施例1〜4に挙げたポリプロピレンー
2,6−ナフタレートのフィルムまたはシートの酸素透
過係数は何れも、PET二軸配向フィルムの値を下回っ
ており、酸素に対するガスバリア性が優れている事が分
る。
【0058】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルム及びシー
トは、ポリエチレンテレフタレートよりも優れたガスバ
リア性を持っており、ガスバリア性の湿度依存性が低く
且つ焼却の際に有毒ガスを発生することがないという優
れた特徴を持っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 幸治 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 (72)発明者 鈴木 賢司 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA82 AA88 AF08 AF20Y AF29Y AH05 AH14 AH19 BA01 BB06 BB08 BC01 BC11 BC12 4J029 AA03 AB01 AC02 AD01 AD10 AE03 BA02 BA03 BA04 BA10 BB05A BB13A BD06A BD07A BH02 CA02 CA04 CA06 CB04A CB05A CB06A CC05A CC06A DB07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分
    とし、1,3−プロパンジオールを主たるジオール成分
    とするポリエステルを用いて成形したフィルムまたはシ
    ートであって、その密度が1.310以上であるポリエ
    ステルフィルムまたはシート。
  2. 【請求項2】 極限粘度が0.4〜1.5である請求項
    1に記載のポリエステルフィルムまたはシート。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフィルムが二軸延伸フィル
    ムであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 縦方向及び横方向のヤング率の和が35
    0kg/mm2以上であることを特徴とする請求項3に
    記載のポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 面配向係数(ns)が0.02以上であ
    ることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のポ
    リエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 二軸延伸フィルムの厚さが400μm以
    下であることを特徴とする請求項3、請求項4または請
    求項5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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