JP2000102975A - 二軸延伸ポリエステルフィルム及び包装材 - Google Patents

二軸延伸ポリエステルフィルム及び包装材

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JP2000102975A
JP2000102975A JP27792398A JP27792398A JP2000102975A JP 2000102975 A JP2000102975 A JP 2000102975A JP 27792398 A JP27792398 A JP 27792398A JP 27792398 A JP27792398 A JP 27792398A JP 2000102975 A JP2000102975 A JP 2000102975A
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JP27792398A
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Shinichi Kawai
伸一 河合
Masaya Watanabe
真哉 渡辺
Koji Furuya
幸治 古谷
Makoto Iida
真 飯田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い突刺し強度を有しながら引裂きが容易な
ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分
とし、1,3―プロパンジオールを主たるジオール成分
とするポリエステルからなり、密度が1.320g/c
3以上、極限粘度が0.4〜1.5、突刺し強度と引
裂き強度の比(突刺し強度/引裂き強度)が4.0以上
である二軸延伸ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナフタレンジカル
ボン酸を主たる酸成分とし、1,3―プロパンジオール
を主たるジオール成分とするポリエステルを用いて作製
したフィルム及び包装材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、包装材として使われているプラス
チックフィルムには、ポリエチレンフィルム、ポリアミ
ドフィルム、ポリエステルフィルム等がある。
【0003】これらの中で、ポリアミドフィルム及びポ
リエチレンテレフタレート(以後、ポリエチレンテレフ
タレートのことを「PET」ということがある)など
は、突刺し強度が高く、耐突刺し性に優れたフィルムと
して、包装用途などに広く使用されている。しかしなが
ら、これらのフィルムは引裂き強度も高いため、包装袋
などに使用して、その内容物を取り出そうとする場合、
袋を簡単に引き裂くことができず、内容物の取り出しに
手間がかかるという問題がある。
【0004】フィルムに易引裂き性を付与する為には、
フィルムの端面にノッチや切込みを入れたり、ポリアミ
ドやポリオレフィンなどの一軸延伸フィルムを内層に、
ポリエステルとラミネートしたフィルムにするなどの方
法があるが、これらの方法は何れもコストが高くなる原
因となり、好ましくない。出来ればフィルム単体として
易引裂き性を有している事が好ましい。
【0005】このように、従来、高い突刺し強度を有し
ながら引裂きが容易なフィルムは、知られておらず、耐
突刺し性及び易引裂き性の両性能を具備したフィルムが
得られれば、包装材を始めとして、広い分野への応用が
期待される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
のフィルムの問題点を解消し、高い突刺し強度を有しな
がら引裂きが容易なフィルムを提供することを課題とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ナフタレンジカル
ボン酸を主たる酸成分とし、1,3―プロパンジオール
を主たるグリコール成分とするポリエステルを成形した
フィルムを用いればよいことを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、(1)ナフタレン
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、1,3―プロパンジ
オールを主たるジオール成分とするポリエステルからな
り、密度が1.320g/cm3以上、極限粘度が0.
4〜1.5、突刺し強度と引裂き強度の比(突刺し強度
/引裂き強度)が4.0以上であることを特徴とする二
軸延伸ポリエステルフィルム、(2)縦方向及び横方向
の破断強度の和が30kg/mm2以上であることを特
徴とする上記(1)記載の二軸延伸ポリエステルフィル
ム、(3)平均粒径が0.05〜5μmの不活性微粒子
を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)記載
の二軸延伸ポリエステルフィルム、(4)厚さが400
μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)に
記載の二軸延伸ポリエステルフィルム、及び(5)上記
(1)〜(4)に記載の二軸延伸ポリエステルフィルム
からなることを特徴とする包装材が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルは、
ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、1,3―
プロパンジオールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルである。ここで、“主たる”とは、全酸成分に対
しナフタレンジカルボン酸成分が、また全グリコール成
分に対し1,3―プロパンジオール成分が、各々80モ
ル%以上、好ましくは85モル%以上、更に好ましくは
90モル%以上であることを言う。
【0010】本発明におけるナフタレンジカルボン酸と
しては、2,6―ナフタレンジカルボン酸、2,7―ナ
フタレンジカルボン酸、1、4―ナフタレンジカルボン
酸等が例示でき、エステル交換法によって本発明のポリ
エステルを製造する場合には、これらのジカルボン酸の
エステル誘導体を原料として用いる事ができる。
【0011】これらのエステル誘導体としては、例え
ば、2,6―ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6
―ナフタレンジカルボン酸ジエチル、2,7―ナフタレ
ンジカルボン酸ジメチル等を挙げることができ、中でも
工業的に容易に入手できる2,6―ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルは好ましいものの一つである。
【0012】本発明において、ナフタレンジカルボン酸
以外のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル
酸等のジカルボン酸及びこれらのエステル誘導体などが
使用できるが、これらの中で好ましくは、テレフタル
酸、イソフタル酸及びこれらのエステル誘導体(例え
ば、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル等)
である。これらのジカルボン酸は1種のみでなく2種以
上を用いる事も出来るが、ナフタレンジカルボン酸以外
のジカルボン酸成分の合計は、全ジカルボン酸成分の2
0モル%未満とすることが、本発明の特徴を損なわない
ようにするうえで好ましい。更に好ましくは15モル%
未満、特に好ましくは10モル%未満である。
【0013】また本発明において、1,3―プロパンジ
オール以外のグリコール成分としては、例えばエチレン
グリコール、1,2―プロパンジオール、テトラメチレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、オクタメ
チレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4―シク
ロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフ
ェノールS,ビスフェノールA,ヒドロキノン等の芳香
族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール等の高分子グリコール等を使用する事が出来
る。これらのジオール化合物は1種のみでなく2種以上
を用いる事も出来るが、1,3―プロパンジオール以外
のジオール成分の合計は、全ジオール成分の20モル%
未満、好ましくは15モル%未満、更に好ましくは10
モル%未満である事が、本発明の特徴を損なわないよう
にするうえで好ましい。
【0014】また、本発明のポリエステルは、本発明の
効果を損なわない限り、例えばヒドロキシ安息香酸の如
き芳香族オキシ酸、ω―ヒドロキシカプロン酸の如き脂
肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を含
んでいてもかまわない。また、トリメリット酸、ピロメ
リット酸等の多価カルボン酸、ペンタエリスリトールの
如きポリオール等も、本発明のポリエステルの特徴を損
なわない範囲で少量共重合していてもよい。
【0015】本発明におけるポリエステルは、実質的に
線状であり、フィルム形成性、特に溶融形成によるフィ
ルム形成性を有する。
【0016】さらに、本発明におけるポリエステルに
は、本発明の特徴を損なわない範囲で、例えば結晶核
剤、安定剤、染料、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
蛍光増白剤、ハードコート剤、分散剤および難燃剤など
の添加剤を必要に応じて含有させることができる。
【0017】本発明におけるポリエステルは、従来公知
の方法で製造することが出来る。例えばナフタレンジカ
ルボン酸のエステル誘導体及び脂肪族グリコールを、従
来公知のエステル交換触媒である、例えばナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロン
チウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、コバルトを
含む化合物の一種又は二種以上を用いて加熱反応させ、
エステル交換反応を行い、次いで減圧下、重合触媒の存
在下で加熱重合が行われる。好ましい重合触媒として
は、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及びチタン
化合物などが挙げられる。
【0018】また、PETの直接重合法と同様の公知の
方法を用い、ジカルボン酸とグリコールの直接重合法に
よって、本発明のポリエステルを得る方法も挙げる事が
出来る。
【0019】なお、本発明のポリエステルは溶融重合
後、これをチップ化し、固相重合をすることも出来る。
固相重合をすると極限粘度の高いポリエステルを得る事
が出来、それを用いて機械的強度等の優れたフィルムを
作ることが出来る。
【0020】本発明のポリエステルフィルムの密度は、
易引裂き性の点で、1.320g/cm3以上であるこ
とが必要である。フィルムの密度は結晶化度を表わす指
標であり、結晶化度の高いものほどその密度も高くな
る。密度が1.320g/cm3未満で結晶化度が低い
と、十分な引き裂き性が得られない。
【0021】また、密度は1.366g/cm3以下で
あることが好ましい。結晶化度があまり高くなりすぎる
と、ガスバリア性は向上しても、フィルム等に成形した
際に靭性が失われ、透明性が失われるので、包装材など
に使用する際に実用上好ましくない場合がある。
【0022】好ましい密度は1.325〜1.360g
/cm3である。より好ましくは1.330〜1.35
0g/cm3である。
【0023】更に、本発明の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、o―クロロフェノールの溶媒中で25℃で測定
した場合に、極限粘度が0.4〜1.5である事が必要
である。
【0024】極限粘度が0.4より低いと、フィルム強
度が不足する為に好ましくない。一方、極限粘度が1.
5を超える場合は、成形する際にろ過や押出し成形が難
しくなるので不適当である。好ましい極限粘度は0.5
〜1.3の範囲である。
【0025】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
は、突刺し強度と引裂き強度の比(突刺し強度/引裂き
強度)が4.0以上であることが必要である。
【0026】包装用途におけるフィルムには、突刺し強
度が強い事と、引裂き強度が弱い事の両方の性質を同時
に満たす事が必要である。突刺し強度及び引裂き強度
は、後述の実施例の箇所で定義するが、本発明において
は、突刺し強度(先端部直径0.5mmの針を50mm
/分で突刺した際に針がフィルムを貫通する強度)と、
引裂き強度(フィルムを単位厚さ当たり、引裂くのに要
する力)の比をとり、この値が大きくなる程、高い突刺
し強度と低い引裂き強度の両方の性質を併せ持つフィル
ムとして評価出来る。
【0027】好ましい(突刺し強度/引裂き強度)比
は、7.0以上、更に好ましくは10.0以上である。
この比が4.0未満では、突刺し強度に対して引裂き強
度が高くなりすぎて、十分な耐突刺し性と易引裂き性が
得られない。
【0028】密度を1.320g/cm3以上とし、か
つ、突刺し強度と引裂き強度の比を4.0以上とするに
は、ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、1,
3―プロパンジオールを主たるグリコール成分とする本
発明のポリエステルを溶融し、ダイ等から押出した後、
二軸方向に逐次延伸或いは同時延伸し、分子鎖を配向さ
せることは好ましい方法の一つである。
【0029】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
は、縦、横方向の破断強度の和が30kg/mm2以上
であることが好ましい。縦、横方向の破断強度の和がこ
の値よりも低いと、フィルムとして利用する際に強度が
不足するので好ましくない。更に好ましくは、縦、横方
向の破断強度の和が40kg/mm2以上、一層好まし
くは50kg/mm2以上である。
【0030】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
は、その厚さが400μm以下であることが好ましい。
延伸後の厚さが400μmを超えるようなフィルムは、
延伸前の厚さが厚すぎて延伸が困難となり、熱処理の際
にフィルム内部まで熱が到達しづらい等の生産上の理由
で好ましくない。更に好ましい二軸延伸後のフィルムの
厚みは350μm以下、最も好ましくは250μm以下
である。
【0031】[フィルムの製造方法]本発明の二軸延伸ポ
リエステルフィルムは、PETやポリエチレンナフタレ
ート(ポリエチレンナフタレートは以下、「PEN」と
いうことがある)のフィルムを製造する通常の方法、例
えば、一軸又は二軸スクリューの押出機のホッパーに原
料のポリエステルを供給し、押出機のシリンダ内で溶融
させ、ギアポンプによりダイからシート状に押出し、そ
れをキャスティングロールにより冷却した後、二軸延伸
することで製造できる。キャスティングロールについて
は、静電密着装置やエアナイフを用いてシートを密着さ
せることが、厚み斑やエアの巻き込みを防止できる等の
点から好ましい。
【0032】本発明のフィルムを製造する際に用いられ
る従来公知のフィルムの製造方法としては、例えば、T
ダイやIダイによる押出成形法、環状ダイを用いるイン
フレーション押出成形法、流延成形法、カレンダー成形
法、プレス成形法などを挙げることが出来る。
【0033】また、PETやPENのフィルムを製膜す
る際に通常用いられる、ロールやテンターを用いた二軸
延伸のうちの任意の延伸方法を用いて成形することがで
きる。二軸延伸としては、逐次二軸延伸、同時二軸延伸
等が挙げられる。
【0034】延伸方法としては、公知の方法が用いられ
るが、延伸温度は、通常50〜120℃であり、延伸倍
率は縦方向に1.5〜6.5倍、好ましくは2.0〜
6.0倍、より好ましくは2.5〜5.0倍、横方向に
1.5〜6.5倍、好ましくは2.5〜6.0倍、より
好ましくは3.0〜5.0倍である。また、縦方向と横
方向とに同時に延伸しても良い。更に、縦、横方向に延
伸した後で、更に縦、横方向に延伸しても良い。
【0035】また、延伸した後は、熱処理をすることが
好ましい。延伸して得られたフイルムは、130〜18
0℃、好ましくは135〜175℃で1〜100秒間熱
処理をする事が好ましい。
【0036】更に、本発明のフィルムに滑り性を付与す
るために、不活性微粒子を少量割合含有させることは好
ましいことである。
【0037】かかる不活性微粒子としては、例えば球状
シリカ、多孔質シリカ、炭酸カルシウム、シリカアルミ
ナ、アルミナ、二酸化チタン、カオリンクレー、硫酸バ
リウム、ゼオライトのごとき無機粒子、あるいはシリコ
ン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子やポリプロピレン粒
子のごとき有機粒子をあげることができる。
【0038】不活性微粒子は天然品、合成品のいずれで
もよいが、無機粒子の場合は、粒径が均一であることが
好ましいなどの理由により、天然品よりも合成品である
ことが好ましく、結晶形態、硬度、比重、色などについ
ては特に制限を受けることなく使用することができる。
【0039】上記の不活性微粒子の平均粒径は0.05
〜5.0μmの範囲であることが好ましく、0.1〜
3.0μmであることが更に好ましい。平均粒径が0.
05μm未満だと滑り性を十分に付与する事が出来な
い。また、平均粒径が5.0μmを越えるとフィルムの
表面が平滑でなくなるので好ましくない。
【0040】また、不活性微粒子の本発明フィルム中で
の含有量は0.001〜1.0重量%であることが好ま
しく、0.03〜0.5重量%であることが更に好まし
い。含有量が0.001重量%未満だと滑り性を十分に
付与する事が出来ない。また、含有量が1.0重量%を
越えると、フィルムの透明性が低下するので好ましくな
い。
【0041】フィルムに添加する不活性微粒子は、前記
例示した中から選ばれた単一成分でもよく、二成分ある
いは三成分以上を含む多成分であってもよい。
【0042】不活性微粒子の添加時期は、ポリプロピレ
ンナフタレートを製膜するまでの段階であれば特に制限
はなく、例えば重合段階で添加してもよく、また製膜の
際に添加してもよい。
【0043】本発明のポリエステルより得られる二軸延
伸フィルムは、突刺し強度と引裂き強度の比(突刺し強
度/引裂き強度)が高く、耐突刺し性と易引裂き性の両
方に優れているので、包装袋やラッピング材などの包装
材として好ましく用いられる。 しかし、本発明の二軸
延伸ポリエステルフィルムの用途は、これに限定される
ものではなく、耐突刺し性と易引裂き性の両性能が要求
されるフィルムの全ての用途に用いることが出来る。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。なお、本実施例における種々の物性及び特性
の測定方法、定義は次のとおりである。
【0045】密度 硝酸カルシウム水溶液を溶媒として用いた密度勾配管
中、25℃で浮沈法により測定した。単位は[g/cm
3]である。
【0046】極限粘度 o―クロロフェノールを溶媒として用いて25℃で測定
した。単位は[dl/g]である。
【0047】突刺し強度 食品衛生法における「食品、添加物等の規格基準 第
3:器具及び容器包装」(昭和57年厚生省告示第20
号)の「2.強度等試験法」に準拠して測定した。即
ち、直径1mm、先端部直径0.5mmの針を、突刺し
速度50mm/分でフィルムに突き刺し、針がフィルム
を貫通する際の強度を測定して、突刺し強度とした。測
定は常温(25℃)で行い、単位は[kgf]である。
【0048】引裂き強度(引裂き伝播抵抗) 軽荷重引き裂き強度試験機(東洋精機製作所製)を用
い、50.8mm(長手方向)×63.5mm(幅方
向)のフィルム試料の長手方向に沿った両ツカミの中央
で、幅方向に直角に12.7mmの亀裂を入れ、残りの
50.8mmに対する引き裂きに要する力を測定した。
この測定をフィルムの長手方向、幅方向の両方について
行い、各々要した力をフィルムの厚みで除して、長手方
向の引裂き強度、幅方向の引裂き強度とし、この両方向
の引裂き強度の平均値を、本発明の引裂き強度(引裂き
伝播抵抗)とした。単位は[kg/mm]である。
【0049】破断強度 フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャ
ック間100mmにして引張速度10mm/分、チャー
ト速度500mm/分でインストロンタイプの万能引張
試験装置にて引っ張り、破断強度を求めた。単位は[k
g/mm2]である。
【0050】[実施例1]ナフタレン―2,6―ジカル
ボン酸ジメチル100部、1,3―プロパンジオールを
47部、及びチタン触媒(チタニウムテトラブトキシ
ド)0.0586部を混合して150℃から210℃に
徐々に昇温しながら150分間エステル交換反応を行っ
た。次いで260℃まで昇温した後、0.1mmHg以
下の高真空下で重縮合反応を行い、極限粘度0.63の
ポリプロピレン―2,6―ナフタレートを製造した。な
お、このポリマーには、フィルムに滑り性を付与するた
めの不活性微粒子として、平均粒径が2μmの多孔質シ
リカを0.05重量%添加した。
【0051】このポリプロピレン―2,6―ナフタレー
トを145℃で4時間乾燥させた後、押出し機に供給
し、溶融温度280℃にて1mmのスリット状ダイを通
して表面温度25℃の回転冷却ドラム上に押出し、急冷
して未延伸フィルムを得た。
【0052】この未延伸フィルムを75℃で予熱し、低
速、高速のロール間で20mm上方より670℃の表面
温度のIRヒーターにて加熱し、縦方向に3.6倍に延
伸した。続いてテンターに供給し、105℃にて横方向
に3.9倍に延伸した。得られた二軸配向後のフィルム
を140℃の温度で10秒間熱固定し、厚み15μmの
二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの
物性を表1に示す。
【0053】[実施例2]実施例1において、縦方向の
延伸倍率を4.0倍、横方向の延伸倍率を4.5倍とし
た以外は、実施例1と同様にして、厚み15μmの二軸
延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの物性
を表1に示す。
【0054】[比較例1]実施例1において、縦方向及
び横方向の延伸倍率をいずれも2.0倍とした以外は、
実施例1と同様にして、厚み15μmの二軸延伸フィル
ムを得た。得られた二軸延伸フィルムの物性を表1に示
す。この比較例の場合は、密度が低く、突刺し強度が著
しく劣っていた。
【0055】[比較例2]ポリエチレンナフタレート
(PEN)(極限粘度0.62、ガラス転移温度121
℃、融点269℃、平均粒径2μmの多孔質シリカを
0.05重量%含有)を170℃で3時間乾燥させた
後、押出し機に供給し、溶融温度300℃にて溶融し、
1mmのスリット状ダイを通して表面温度25℃の回転
冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルムを得
た。次にこのPEN未延伸フィルムを75℃で予熱し、
低速、高速のロール間で20mm上方より670℃の表
面温度のIRヒーターにて加熱し、縦方向に3.6倍に
延伸した。続いてテンターに供給し、120℃にて横方
向に3.9倍に延伸した。得られた二軸配向フィルムを
205℃の温度で10秒間熱固定し、厚み15μmの二
軸配向フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの物
性を表1に示す。
【0056】[比較例3]市販のナイロン6フィルム
(エンブレムON、ユニチカ(株)製、厚み15μm)
について、物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】実施例1及び2に挙げた本発明の二軸延伸
ポリプロピレン―2,6―ナフタレートフィルムは、い
ずれも突刺し強度/引裂き強度比が4.0以上であり、
突刺し強度がPENフィルム、ナイロン6フィルムより
も高く、しかも引裂き強度がこれらのフィルムよりも格
段に低いことから、耐突刺し性、易引裂き性の両性能に
優れていることが分る。
【0059】
【発明の効果】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルム
は、高い突刺し強度を有しながら引裂きが容易であり、
包装材を始めとして、種々の用途に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 C08L 67:02 (72)発明者 古谷 幸治 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 (72)発明者 飯田 真 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA82 AA88 AD02 AD06 AF15Y AF16Y AH04 BA01 BB06 BB08 BC01 BC10 BC12 4F210 AA24 AB17 AE01 AG01 QA02 QA03 QC06 QG01 QG18 QW07 4J029 AA03 AB07 AC01 AC02 AD01 AD10 AE03 BA04 CC06A JA093 JA123 JA203 JA283 JA293 JA303 JE043 JE053 JE223 JF143 JF163 JF223 KH08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分
    とし、1,3―プロパンジオールを主たるジオール成分
    とするポリエステルからなり、密度が1.320g/c
    3以上、極限粘度が0.4〜1.5、突刺し強度と引
    裂き強度の比(突刺し強度/引裂き強度)が4.0以上
    であることを特徴とする二軸延伸ポリエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】 縦方向及び横方向の破断強度の和が30
    kg/mm2以上であることを特徴とする請求項1記載
    の二軸延伸ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 平均粒径が0.05〜5μmの不活性微
    粒子を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の
    二軸延伸ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 厚さが400μm以下であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸延伸ポ
    リエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の二
    軸延伸ポリエステルフィルムからなることを特徴とする
    包装材。
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JP2002001808A (ja) * 2000-06-20 2002-01-08 Toyobo Co Ltd ニ軸延伸ポリエステルフィルム及びその製造方法
JP2010235656A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Teijin Dupont Films Japan Ltd 固体高分子電解質膜補強用二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれからなる固体高分子電解質膜補強部材

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