JP2000016975A - N置換βアラニン又はその塩の製造方法及びN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤組成物 - Google Patents

N置換βアラニン又はその塩の製造方法及びN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤組成物

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JP2000016975A JP10183478A JP18347898A JP2000016975A JP 2000016975 A JP2000016975 A JP 2000016975A JP 10183478 A JP10183478 A JP 10183478A JP 18347898 A JP18347898 A JP 18347898A JP 2000016975 A JP2000016975 A JP 2000016975A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脂肪族第一アミンとアクリル酸エステル又は
アクリロニトリルとの反応で得られる付加生成物に低級
アルコール又は水を添加して、その低級アルコール又は
水を減圧下及び/又は不活性ガス流通下留去させ、かつ
加水分解することにより、臭気及び色相の良好なN置換
βアラニンを製造する。 【解決手段】 1リットル四つ口フラスコに、ラウリル
アミン 1.0モルを仕込んだ後、60℃で加熱攪拌しなが
ら、アクリル酸エチル 1.5モルを滴下漏斗より1時間か
けて滴下した後、同温度で7時間熟成を行う。反応生成
物にエチルアルコールを添加して溶解し、過剰のアクリ
ル酸エチルと加えた溶媒を60℃で減圧下留去する。留去
処理物にエチルアルコール100g、水700gを加えて、攪拌
しながら、70℃へ昇温し、40%NaOH水溶液130gを1時間
かけて滴下した後、3時間熟成を行う。反応終了後、塩
酸によりpH10に調整し、Nラウリルβアラニンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N置換βアラニン
又はその塩の製造方法、N置換アラニン又はその塩を含
有する界面活性剤組成物及びこれを含有する洗浄剤組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近マイルドな界面活性剤としてアミノ
系界面活性剤が用いられるようになってきた。下記の一
般式(I)で表されるN置換βアラニン又はその塩は、
アミノ酸系の両性活性剤に分類され、米国特許第278
7633号、特開平6−116596号公報や特開平9
−3485号公報に特に記載がある。
【0003】 R1NHCH2CH2COOM (I) (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
4の炭化水素基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属イ
オン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のアルカノー
ル基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモ
ニウムイオン、炭素数1〜5のアルキル基置換アンモニ
ウムイオン又は塩基性アミノ酸基を示す)
【0004】米国特許第2787633号に記載されて
いるように、N置換βアラニンは、脂肪族第一アミンに
アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロニトリル等
をマイケル付加させ、必要により得られた付加生成物を
加水分解することにより製造できることが知られてい
る。
【0005】また、特開平6−116596号公報には
N置換βアラニン系活性剤とヒドロキシカルボン酸とを
組み合わせた洗浄剤組成物、特開平9−3485号公報
にはN置換βアラニン系活性剤とエーテルカルボン酸系
活性剤とを組み合わせた洗浄剤組成物が記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法で製造したN置換βアラニン系活性剤は洗浄剤や界
面活性剤組成物として使用する場合、臭気が悪く、しか
も経時的に着色を与えるという問題を有している。特
に、台所用洗浄剤、毛髪用洗浄剤、皮膚用洗浄剤として
使用する場合には異臭及び着色が問題となり、商品とし
ての価値を著しく損なう。
【0007】本発明は、臭気及び色相の良好なN置換β
アラニンの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、脂肪族第一アミンと
アクリル酸エステル又はアクリロニトリルとの反応で得
られる付加生成物に低級アルコール又は水を添加して、
その低級アルコール又は水を減圧、不活性ガス流通又は
不活性ガス流通下で減圧することにより留去させ、かつ
加水分解する方法が、本発明の目的を達成することを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、下記の一般式(I)
で表されるN置換βアラニン又はその塩の製造方法であ
って、脂肪族第一アミンとアクリル酸エステル又はアク
リロニトリルとの反応で得られる付加生成物に低級アル
コール又は水を添加して、その低級アルコール又は水を
減圧、不活性ガス流通又は不活性ガス流通下で減圧する
ことにより留去させた後に、加水分解することを特徴と
する方法に関する。
【0010】 R1NHCH2CH2COOM (I) (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
4の炭化水素基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属イ
オン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のアルカノー
ル基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモ
ニウムイオン、炭素数1〜5のアルキル基置換アンモニ
ウムイオン又は塩基性アミノ酸基を示す)
【0011】また、本発明は、上記の一般式(I)で表
されるN置換βアラニン又はその塩の製造方法であっ
て、低級アルコール又は水の存在下で脂肪族第一アミン
とアクリル酸エステル又はアクリロニトリルとを反応さ
せ、その低級アルコール又は水を減圧、不活性ガス流通
又は不活性ガス流通下で減圧することにより留去させた
後に、加水分解することを特徴とする方法に関する。
【0012】また、本発明は、上記の方法により製造し
たN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤組
成物に関する。
【0013】また、本発明は、上記の界面活性剤組成物
を含有する洗浄剤組成物に関する。
【0014】さらに、本発明は、上記の界面活性剤組成
物とアニオン性界面活性剤とを含有する洗浄剤組成物に
関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法で使用する脂肪
族第一アミンは、下記の一般式(II)で表される。 R1NH2 (II) (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
4の炭化水素基を示す)
【0016】上記の一般式(II)中のR1 において、炭
化水素基としては、直鎖でも分岐鎖でもよく、飽和でも
不飽和でもよく、ヒドロキシル基のような置換基を任意
に含んでもよい。好ましくは、直鎖又は分岐鎖の炭素数
6〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、さらに
好ましくは、直鎖又は分岐鎖の炭素数10〜22のアル
キル基又はアルケニル基である。具体的には、R1 とし
ては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、エルカ
酸、椰子脂肪酸、牛脂脂肪酸に由来する炭化水素基等が
挙げられる。この脂肪族第一アミンは対応する脂肪酸又
はアルコールを原料にして製造される。
【0017】本発明の製造方法を式で具体的に示せば以
下のようになる。
【化1】 (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
4の炭化水素基を示し、XはCOOR2 で表されるエス
テル基又はシアノ基を示し、R2 は炭素数1〜8、好ま
しくは1〜4の炭化水素基を示し、Mは水素原子、アル
カリ金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3の
アルカノール基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノ
ールアンモニウムイオン、炭素数1〜5のアルキル基置
換アンモニウムイオン又は塩基性アミノ酸基を示す)
【0018】本発明の製造方法においては、最初に、脂
肪族第一アミンとアクリル酸エステル又はアクリロニト
リルとを反応させ、一般式(III) で表されるN置換アミ
ノプロピオン酸エステル又はN置換アミノプロピオニト
リルとする。
【0019】この付加反応は通常20〜100℃、望ま
しくは40〜90℃の温度で、アクリル酸エステル又は
アクリロニトリルを脂肪族第一アミンに対してモル比1
〜2で反応させる。温度が20℃より低いと反応が長時
間かかり、100℃より高いとN置換βアラニンの臭い
及び色相が悪くなる。アクリル酸エステル又はアクリロ
ニトリルの脂肪族第一アミンに対するモル比は、多くな
ると、残存するアクリル酸エステル又はアクリロニトリ
ルが多くなり、しかも2モル付加体が多くなり、好まし
くない。また、モル比が少ないと未反応の脂肪族第一ア
ミンが多くなり、好ましくない。反応時間は、アクリル
酸エステル又はアクリロニトリルを0.1〜2時間かけ
て滴下し、1〜12時間熟成することが好ましい。
【0020】次に、一般式(III) で表されるN置換アミ
ノプロピオン酸エステル又はN置換アミノプロピオニト
リル(以下、「付加生成物」と称する)に低級アルコー
ル又は水を添加して、その低級アルコール又は水を減圧
及び/又は不活性ガス流通することにより留去させる処
理(IV)を行う。尚、低級アルコール又は水の添加は、
付加反応後に添加するのではなく、反応前に予め仕込み
低級アルコール又は水の存在下で反応を行なってもよ
い。
【0021】低級アルコールとしてはメチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブタノール等が挙げられる。これらの
中でも、メチルアルコール、エチルアルコールが好まし
い。
【0022】低級アルコール又は水を留去させる場合、
減圧下及び/又は不活性ガス流通下、温度は20〜10
0℃、好ましくは40〜90℃で行うのが好ましい。温
度が20℃より低いと長時間かかり、100℃より高い
とN置換βアラニンの臭いが悪くなる。減圧する場合の
圧力は100mmHg以下、好ましくは20mmHg以
下で行なうことが好ましい。不活性ガスを流通する場
合、流量は0.1L/L・分以上で行なうことが好まし
く、さらに好ましくは1L/L・分以上である。圧力が
高いか、又は流量が少ないと留去するために長時間を要
する。
【0023】低級アルコール又は水の量は付加生成物に
対して1〜100重量%であり、好ましくは2〜50重
量%である。また、残存する低級アルコール又は水は一
括して添加してもよいし、数度に分けて添加してもよ
い。アクリル酸エステル又はアクリロニトリル量は、付
加生成物に対して1重量%以下、好ましくは0.1重量
%以下になるまで低減する。
【0024】さらに、低級アルコール又は水を留去させ
る処理を行った付加生成物をアルカリや酸で加水分解す
ることによって、上記の一般式(I)で表されるN置換
βアラニンが得られる。
【0025】加水分解温度は通常50〜100℃、好ま
しくは60〜90℃である。加水分解の時間としては、
アルカリや酸を0.5〜2時間かけて滴下し、1〜6時
間熟成することが好ましい。また、加水分解を不活性ガ
ス流通下で行なうと、さらに好ましい。
【0026】加水分解後、必要に応じて生成物のpHを
酸で7〜12に調整してもよい。使用する酸は一般的に
使用される無機酸又は有機酸であり、塩酸、硫酸、安息
香酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。温度は
20〜90℃で行うのが好ましい。
【0027】このようにして得られる一般式(I)で表
されるN置換βアラニンは、異臭の原因となる成分を含
有せず、しかも、保存しても着色のない、優れた化合物
であるため、種々の用途に供される界面活性剤として極
めて好適である。
【0028】なかでも、身体用洗浄剤、台所用洗浄剤、
硬表面用洗浄剤等、種々の洗浄剤としての利用は、N置
換βアラニンの特性である高洗浄力、高マイルド性等の
長所を積極的に活用できるので非常に好ましい。
【0029】洗浄剤として使用する場合、本発明の製造
方法によって得られるN置換βアラニンは、単独であっ
ても、他の界面活性剤と混合してもどちらでも好適に使
用できる。混合する場合は、アルキル硫酸エステル塩、
アルキルエトキシ硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エ
ステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、アル
キルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアラニネート
やアルキルタウレート等のアミノ酸誘導体等に代表され
るアニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、脂
肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグルコシド、短
鎖アルキルグルコシド長鎖脂肪酸エステル、アルキルメ
チルグルカミド、ショ糖脂肪酸エステル等に代表される
ノニオン性界面活性剤や、アルキルアミンオキシド、ア
ルキルカルボベタイン、アルキルアミドアルキルカルボ
ベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキ
シスルホベタイン、アルキルイミダゾリン又はその誘導
体等に代表される両性及び双性界面活性剤等が好適であ
る。これらの界面活性剤の中でも、特に高洗浄力、泡性
能の点でアニオン性界面活性剤が好ましい。これら界面
活性剤の配合割合はN置換βアラニン100重量部に対
して10〜1000重量部が好ましい。
【0030】また、洗浄剤として使用するに当たって
は、一般の洗浄剤に通常用いられる界面活性剤以外の成
分、即ち、低級アルコールやポリアルキレングリコール
類等のアルコール系ハイドロトロープ剤や、トルエンス
ルホン酸、キシレンスルホン酸、キュメンスルホン酸、
安息香酸、サリチル酸等のハイドロトロープ剤や抗菌剤
として供される低分子芳香族化合物、クエン酸、リンゴ
酸、EDTA等のキレート剤、色素、香料、粘度調整
剤、無機化合物等の機能性物質等を好適に混合すること
ができる。
【0031】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれらによって限定されるものでは
ない。尚、以下の例における「%」は「重量%」であ
る。
【0032】実施例1〜5 (a)付加反応 1リットル容−四つ口フラスコに、表1に記載のアルキ
ルアミン1.0モルを仕込んだ後、60℃で加熱攪拌し
ながら、アクリル酸エステル1.5モルを滴下漏斗より
1時間かけて滴下した後、同温度で7時間熟成を行っ
た。
【0033】(b)留去処理 上記(a)の付加生成物に表2に記載の溶媒を添加して
溶解した。気相部を不活性ガスで置換後、過剰のアクリ
ル酸エステルと加えた溶媒を60℃で、減圧下(20m
mHg)留去して、N−アルキルアミノプロピオン酸エ
ステルを得た。
【0034】(c)加水分解反応 1リットル容−四つ口フラスコに、上記(b)の留去処
理物100g、水200gを加えて、攪拌しながら、7
0℃へ昇温した。40%NaOH水溶液45gを同温度
で1時間かけて滴下した後、2時間熟成を行った。反応
終了後、塩酸によりpH10に調整し、Nアルキルβア
ラニンを得た。
【0035】実施例6 留去処理を60℃、窒素流通下(0.1L/L・分)で
5時間行う以外は、実施例1と同様の方法で付加反応、
加水分解反応及びpH調整を行い、Nアルキルβアラニ
ンを得た。
【0036】実施例7 留去処理を60℃、圧力30mmHg、窒素流通下
(0.1L/L・分)で3時間行う以外は、実施例1と
同様の方法で付加反応、加水分解反応及びpH調整を行
い、Nアルキルβアラニンを得た。
【0037】実施例8 溶媒量を50%とする以外は、実施例1と同様の方法で
付加反応、加水分解反応及びpH調整を行い、Nアルキ
ルβアラニンを得た。
【0038】実施例9 付加反応の前に予め溶媒を添加しておく以外は実施例1
と同様の方法で付加反応、加水分解反応及びpH調整を
行い、Nアルキルβアラニンを得た。
【0039】実施例10 (a)付加反応 1リットル容−四つ口フラスコに、表1に記載のアルキ
ルアミン1.0モルを仕込んだ後、60℃で加熱攪拌し
ながら、アクリロニトリル1.5モルを滴下漏斗より1
時間かけて滴下した後、同温度で7時間熟成を行った。
【0040】(b)留去処理 上記(a)の反応生成物に表2に記載の溶媒を添加して
溶解し、過剰のアクリロニトリルと加えた溶媒を60
℃、減圧下(20mmHg)留去してN−アルキルアミ
ノプロピオニトリルを得た。
【0041】(c)加水分解反応 上記(b)の留去処理物にエチルアルコール100g、
水70gを加えて、攪拌しながら、70℃へ昇温した。
40%NaOH水溶液45gを、同温度で1時間かけて
滴下した後、窒素流通下(1L/L・分)、5時間熟成
を行った。反応終了後、塩酸により所定pH10に調整
し、Nアルキルβアラニンを得た。
【0042】比較例1 溶媒添加、留去処理を行わない以外は、実施例1と同様
に付加反応と加水分解反応、及びpH調整を行って、N
アルキルβアラニンを得た。
【0043】比較例2 留去処理を行なわない以外は、実施例9と同様に付加反
応と加水分解反応、及びpH調整を行って、Nアルキル
βアラニンを得た。
【0044】比較例3 溶媒添加、留去処理を行わない以外は、実施例10と同
様に付加反応と加水分解反応、及びpH調整を行って、
Nアルキルβアラニンを得た。
【0045】
【表1】 付加反応 使用したアルキルアミン 使用したアクリル誘導体 実施例1 ラウリルアミン アクリル酸エチル 実施例2 ラウリルアミン アクリル酸エチル 実施例3 ラウリルアミン アクリル酸エチル 実施例4 ラウリルアミン アクリル酸エチル 実施例5 ラウリルアミン アクリル酸エチル 実施例6 ラウリルアミン アクリル酸メチル 実施例7 ラウリルアミン アクリル酸エチル 実施例8 ミリスチルアミン アクリル酸エチル 実施例9 ラウリルアミン アクリル酸エチル 実施例10 ラウリルアミン アクリロニトリル 比較例1 ラウリルアミン アクリル酸エチル 比較例2 ラウリルアミン アクリル酸エチル比較例3 ラウリルアミン アクリロニトリル
【0046】
【表2】 留去処理 留去方法 溶媒 溶媒量* 溶媒添加時期 実施例1 減圧(20mmHg) エチルアルコール 25% 付加反応後 実施例2 減圧(20mmHg) メチルアルコール 25% 付加反応後 実施例3 減圧(20mmHg) イソプロピルアルコール 25% 付加反応後 実施例4 減圧(20mmHg) ブチルアルコール 25% 付加反応後 実施例5 減圧(20mmHg) 水 25% 付加反応後 実施例6 窒素ガス流通 エチルアルコール 25% 付加反応後 (0.1L/L・分) 実施例7 減圧(30mmHg) エチルアルコール 25% 付加反応後 窒素ガス流通(0.1L/L・分) 実施例8 減圧(20mmHg) エチルアルコール 50% 付加反応後 実施例9 減圧(20mmHg) エチルアルコール 25% 付加反応前 実施例10 減圧(20mmHg) エチルアルコール 25% 付加反応後 比較例1 留去処理なし − − − 比較例2 留去処理なし エチルアルコール 25% 付加反応前 比較例3 留去処理なし − − − *付加生成物に対する配合割合
【0047】評価実験 実施例1〜10及び比較例1〜3で製造したNアルキル
βアラニンに残存するアクリル酸誘導体及びアミンの量
を測定し、さらに、Nアルキルβアラニンの臭気及び一
ケ月保存後の色相を次の評価基準に従って評価した。結
果を表3に示す。
【0048】(臭気評価)官能検査を行い、以下の基準
で臭気を評価した。 ○:異臭がなく臭気がよい。 △:若干異臭があり臭気が悪い。 ×:異臭が強く著しく臭気が悪い。
【0049】(色相評価)視覚により、以下の基準で色
相を評価した。 ○:色相の変化がわずかである。 △:色相の変化があり着色が認められる。 ×:色相の変化が著しく明らかに着色が認められる。
【0050】
【表3】 Nアルキルβアラニン 残存アクリル酸誘導体 残存アミン 臭気 1ケ月保存後の色相 実施例1 0.1% 5% ○ ○ 実施例2 0.5% 5% ○ ○ 実施例3 0.1% 5% ○ ○ 実施例4 0.1% 5% ○ ○ 実施例5 0.1% 5% ○ ○ 実施例6 0.1% 5% ○ ○ 実施例7 0.1% 5% ○ ○ 実施例8 <0.1% 5% ○ ○ 実施例9 0.1% 0.5% ○ ○ 実施例10 0.1% 5% ○ ○ 比較例1 14% 5% × × 比較例2 10% 0.5% × ×比較例3 10% 5% × × *付加生成物に対する配合割合
【0051】実施例11〜20及び比較例4〜6 表4〜6に示す液体洗浄剤組成物を調製し、組成物の臭
気、皮膚刺激性、洗浄力及び一ケ月保存後の色相を評価
した。その結果を表4〜6に示す。臭気及び色相につい
ては上記と同様の方法で評価し、皮膚刺激性及び洗浄力
の評価方法については下記に示す。尚、表中の配合量は
すべて重量%であり、組成物はpHを7.0に調製した
ものである。
【0052】(皮膚の刺激性評価)界面活性剤組成物1
%水溶液(35℃)を用いてテスター10名の手による
浸漬試験により評価を行った。即ち、1分毎の浸漬−乾
燥操作を15回行い、24時間後の手の皮膚荒れの程度
を以下の基準で視覚判定した。 ○:皮膚荒れが殆どない。 △:皮膚の角質表面の一部に乾燥落屑性や赤斑変化等の
手荒れ症状らしき兆候が認められる。 ×:乾燥落屑性や赤斑変化等の手荒れ症状が明確に認め
られる。
【0053】(洗浄力評価)日本薬局方に規定された大
豆油と牛脂各10gを60mlのクロロホルムに溶解し
た後、オイルレッド0.1gを加えて良く混合し、汚垢
溶液を調製する。この溶液にガラスプレートを浸して汚
染し、25℃の温度で30分以上風乾してクロロホルム
を除去し、汚染片を作成する(汚染量20〜30mg/
枚)。この汚染片6枚を25℃、700mlの0.15
%の洗浄剤液中で20rpmの回転速度で3分間かき混
ぜて洗浄した後、風乾して重量を測定し、洗浄後の油除
去率を下記の数式(1)により算出して洗浄力とした。
【0054】 洗浄力(%)={1−(W2−W0)/(W1−W0)}×100 (1) (上記数式(1)中、W0 はガラスプレートの重量を、
1 は汚染後のガラスプレートの重量を、W2 は洗浄風
乾後のガラスプレートの重量を示す)
【0055】
【表4】 実施例 11 12 13 14 15 16 実施例1のNアルキルβアラニン 10 実施例2のNアルキルβアラニン 10 実施例3のNアルキルβアラニン 10 実施例4のNアルキルβアラニン 10 実施例5のNアルキルβアラニン 10 実施例6のNアルキルβアラニン 10 POE(n=3)ラウリル硫酸Na塩 5 5 5 C14α-オレフィンスルホン酸Na塩 5 5 POE(n=10)ラウリルエーテル 5 5 5 ラウリン酸ジエタノールアミド 5 5 5 5 精製水 残部 残部 残部 残部 残部 残部 臭気 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 皮膚の刺激性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 洗浄力 >90 >90 >90 >90 >90 >901ケ月保存後の色相 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 表4中、POEはポリオキシエチレンの略であり、nは
エチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
【0056】
【表5】 実施例 17 18 19 20 実施例7のNアルキルβアラニン 10 実施例8のNアルキルβアラニン 10 実施例9のNアルキルβアラニン 10 実施例10のNアルキルβアラニン 10 POE(n=3)ラウリル硫酸Na塩 5 5 C14α-オレフィンスルホン酸Na塩 5 5 POE(n=10)ラウリルエーテル 5 5 ラウリン酸ジエタノールアミド 5 5 5 精製水 残部 残部 残部 残部 臭気 ○ ○ ○ ○ 皮膚の刺激性 ○ ○ ○ ○ 洗浄力 >90 >90 >90 >90 1ケ月保存後の色相 ○ ○ ○ ○ 表5中、POEはポリオキシエチレンの略であり、nは
エチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
【0057】
【表6】 比較例 4 5 6 比較例1のNアルキルβアラニン 10 比較例2のNアルキルβアラニン 10 比較例3のNアルキルβアラニン 10 POE(n=3)ラウリル硫酸Na塩 5 5 C14α-オレフィンスルホン酸Na塩 5 5 POE(n=10)ラウリルエーテル ラウリン酸ジエタノールアミド 5 5 精製水 残部 残部 残部 臭気 × × × 皮膚の刺激性 ○ ○ ○ 洗浄力 >90 >90 >90 1ケ月保存後の色相 × × × 表6中、POEはポリオキシエチレンの略であり、nは
エチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
【0058】表4〜6から明らかなように、調製した洗
浄剤組成物はいずれも優れたマイルド性及び洗浄性能を
示すが、本発明の洗浄剤組成物(実施例11〜20)は
臭気及び一ケ月保存後の色相が良いのに対し、比較品の
洗浄剤組成物(比較例4〜6)はいずれも臭気及び一ケ
月保存後の色相が悪いという問題点を有している。
【0059】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られるN置
換βアラニンは、有臭成分などの不純物を含まないた
め、高起泡力、高洗浄力、低皮膚刺激性等の優れた特性
を有する界面活性剤である。しかも、液体洗浄剤として
製剤化した場合にも臭気が良好で保存した場合にも着色
や異常な臭気の発生を起こさない優れた基材であり、特
に、台所用洗浄剤、毛髪用洗浄剤、皮膚用洗浄剤として
極めて好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 涌井 二男 東京都墨田区本所一丁目3番7号ライオン 株式会社内 (72)発明者 岡野 知道 東京都墨田区本所一丁目3番7号ライオン 株式会社内 (72)発明者 西田 誠男 東京都墨田区本所一丁目3番7号ライオン 株式会社内 Fターム(参考) 4H003 AB08 AB15 AB31 AC08 AC13 BA12 DA02 DA05 DA17 ED02 FA08 FA25 4H006 AA01 AA02 AA03 AB68 AC11 BE60 BS10 BS70 NB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表されるN置換β
    アラニン又はその塩の製造方法であって、脂肪族第一ア
    ミンとアクリル酸エステル又はアクリロニトリルとの反
    応で得られる付加生成物に低級アルコール又は水を添加
    して、その低級アルコール又は水を減圧、不活性ガス流
    通又は不活性ガス流通下で減圧することにより留去させ
    た後に、加水分解することを特徴とする方法。 R1NHCH2CH2COOM (I) (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
    4の炭化水素基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属イ
    オン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のアルカノー
    ル基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモ
    ニウムイオン、炭素数1〜5のアルキル基置換アンモニ
    ウムイオン又は塩基性アミノ酸基を示す)
  2. 【請求項2】 下記の一般式(I)で表されるN置換β
    アラニン又はその塩の製造方法であって、低級アルコー
    ル又は水の存在下で脂肪族第一アミンとアクリル酸エス
    テル又はアクリロニトリルとを反応させ、その低級アル
    コール又は水を減圧、不活性ガス流通又は不活性ガス流
    通下で減圧することにより留去させた後に、加水分解す
    ることを特徴とする方法。 R1NHCH2CH2COOM (I) (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
    4の炭化水素基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属イ
    オン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のアルカノー
    ル基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモ
    ニウムイオン、炭素数1〜5のアルキル基置換アンモニ
    ウムイオン又は塩基性アミノ酸基を示す)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法により製造
    したN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の界面活性剤組成物を含
    有する洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の界面活性剤組成物とア
    ニオン性界面活性剤とを含有する洗浄剤組成物。
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CN111470993A (zh) * 2020-05-22 2020-07-31 安徽安力肽生物科技有限公司 一种不结块Beta-丙氨酸制备方法

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