JP2000072729A - N置換βアラニン又はその塩の製造方法及びN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤組成物 - Google Patents

N置換βアラニン又はその塩の製造方法及びN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤組成物

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JP2000072729A
JP2000072729A JP10244573A JP24457398A JP2000072729A JP 2000072729 A JP2000072729 A JP 2000072729A JP 10244573 A JP10244573 A JP 10244573A JP 24457398 A JP24457398 A JP 24457398A JP 2000072729 A JP2000072729 A JP 2000072729A
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Akihiro Sato
章弘 佐藤
Tsugio Wakui
二男 涌井
Tomomichi Okano
知道 岡野
Masao Nishida
誠男 西田
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Lion Corp
Lion Akzo Co Ltd
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Lion Corp
Lion Akzo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェノール化合物の存在下に脂肪族第一アミ
ンとアクリル酸誘導体との反応で得られる付加生成物を
加水分解する方法により、低温での安定性の良好なN置
換βアラニンの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 アクリル酸誘導体100重量部に対して
0.0001〜0.1重量部の配合量でフェノール化合
物を存在させ、脂肪族第一アミンとアクリル酸誘導体と
を反応させ、得られる付加生成物を加水分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N置換βアラニン
又はその塩の製造方法及びこの製造方法によって得られ
るN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近マイルドな界面活性剤としてアミノ
系界面活性剤が用いられるようになってきた。下記の一
般式(I)で表されるN置換βアラニン又はその塩はア
ミノ酸系の両性活性剤に分類され、米国特許第2787
633号、特開平6−116596号公報や特開平9−
3485号公報に特に記載がある。
【0003】 R1NHCH2CH2COOM (I) (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
4の炭化水素基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属イ
オン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のアルカノー
ル基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモ
ニウムイオン、炭素数1〜5のアルキル基置換アンモニ
ウムイオン又は塩基性アミノ酸基を示す)
【0004】米国特許第2787633号に記載されて
いるように、N置換βアラニンは、脂肪族第一アミンに
アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリロニトリル等
をマイケル付加させ、必要により得られた付加生成物を
加水分解することにより製造できることが知られてい
る。
【0005】また、特開平6−116596号公報には
N置換βアラニン系活性剤とヒドロキシカルボン酸とを
組み合わせた洗浄剤組成物、特開平9−3485号公報
にはN置換βアラニン系活性剤とエーテルカルボン酸系
活性剤とを組み合わせた洗浄剤組成物が記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法で製造したN置換βアラニン系活性剤は洗浄剤や界
面活性剤組成物として使用する場合、低温での安定性が
悪く、濁りを与えるという問題を有している。特に、台
所用洗浄剤、毛髪用洗浄剤、皮膚用洗浄剤として使用す
る場合には低温での安定性が問題となり、商品としての
価値を著しく損なう。
【0007】本発明は、低温での安定性の良好なN置換
βアラニンの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、フェノール化合物の
存在下に脂肪族第一アミンとアクリル酸誘導体との反応
で得られる付加生成物を加水分解する方法が、本発明の
目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち、本発明は、下記の一般式(I)
で表されるN置換βアラニン又はその塩の製造方法であ
って、フェノール化合物の存在下に脂肪族第一アミンと
アクリル酸誘導体との反応で得られる付加生成物を加水
分解する方法であり、フェノール化合物をアクリル酸誘
導体100重量部に対して0.0001〜0.1重量部
含有することを特徴とする方法に関する。
【0010】 R1NHCH2CH2COOM (I) (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
4の炭化水素基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属イ
オン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のアルカノー
ル基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモ
ニウムイオン、炭素数1〜5のアルキル基置換アンモニ
ウムイオン又は塩基性アミノ酸基を示す)
【0011】尚、本発明の方法において、フェノール化
合物として、置換フェノール化合物、置換キノン化合物
又は置換カテコール化合物を使用することが好ましい。
【0012】また、本発明は、上記の方法により製造し
たN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤組
成物に関する。
【0013】また、本発明は、上記の界面活性剤組成物
を含有する洗浄剤組成物に関する。
【0014】さらに、本発明は、上記の界面活性剤組成
物とアニオン性界面活性剤とを含有する洗浄剤組成物に
関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法を式で具体的に
示せば以下のようになる。
【化1】
【0016】(式中、R1 は置換基を含んでいても良い
炭素数6〜24の炭化水素基を示し、Mは水素原子、ア
ルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3
のアルカノール基を有するモノ、ジもしくはトリアルカ
ノールアンモニウムイオン、炭素数1〜5のアルキル基
置換アンモニウムイオン又は塩基性アミノ酸基を示し、
XはCOOMで表されるカルボン酸(塩)基、COOR
2 で表されるエステル基又はシアノ基を示し、R2 は炭
素数1〜8、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す)
【0017】本発明の製造方法で使用する脂肪族第一ア
ミンは下記の一般式(II)で表される。 R1NH2 (II) (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
4の炭化水素基を示す)
【0018】上記の一般式(II)中のR1 において、炭
化水素基としては、直鎖でも分岐鎖でもよく、飽和でも
不飽和でもよく、ヒドロキシル基のような置換基を任意
に含んでよい。炭素数は6〜24であり、好ましくは1
0〜22である。これらの中でも、直鎖又は分岐鎖の炭
素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基が好まし
く、直鎖又は分岐鎖の炭素数10〜22のアルキル基又
はアルケニル基が特に好ましい。具体的には、R1 とし
ては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、エルカ
酸、椰子脂肪酸、牛脂脂肪酸に由来する炭化水素基等が
挙げられる。この脂肪族第一アミンは対応する脂肪酸又
はアルコールを原料にして製造される。
【0019】本発明の製造方法においては、最初に、フ
ェノール化合物の存在下、脂肪族第一アミンをアクリル
酸誘導体と反応させ、一般式(III) で表される付加反応
生成物とする。アクリル酸誘導体は上記の式CH2=C
HX で表され、アクリル酸もしくはその塩、アクリル
酸エステル又はアクリロニトリルである。
【0020】フェノール化合物は一般に重合禁止剤とし
て使用されるものであり、置換フェノール化合物、置換
キノン化合物又は置換カテコール化合物が任意に用いら
れる。置換フェノール化合物としてはフェノール、メト
キシフェノール、エトキシフェノール、エチルフェノー
ル、tert−ブチルフェノール等が挙げられる。ま
た、置換キノン化合物としてハイドロキノン、メトキシ
ハイドロキノン、エトキシハイドロキノン、tert−
ブチルハイドロキノン等が挙げられる。また、置換カテ
コール化合物としてはtert−ブチルカテコールなど
が挙げられる。これらは2種以上の化合物であっても良
い。
【0021】フェノール化合物はアクリル酸誘導体10
0重量部に対して0.0001〜0.1重量部、好まし
くは0.001〜0.05重量部である。フェノール化
合物の配合量が0.0001重量部未満の場合、低温で
の濁りが多くなる。また、配合量が0.01重量部より
多い場合、色調の劣化や臭気の悪化の原因となる。
【0022】この付加反応は通常20〜100℃、望ま
しくは40〜90℃の温度で、アクリル酸誘導体を脂肪
族第一アミンに対してモル比1〜2で反応させる。温度
が20℃より低いと反応が長時間かかり、100℃より
高いとN置換βアラニンの臭い及び色相が悪くなる。ア
クリル酸誘導体の脂肪族第一アミンに対するモル比は、
多くなると残存するアクリル酸誘導体が多くなり、しか
も2モル付加体が多くなり、好ましくない。また、モル
比が少ないと未反応の脂肪族第一アミンが多くなり好ま
しくない。反応時間はアクリル酸誘導体を0.1〜2時
間かけて滴下し、1〜12時間熟成することが好まし
い。
【0023】さらに、反応を促進させるためにメチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アル
コール又は水を添加しても良い。この低級アルコール又
は水は付加反応物から必要により減圧下に留去しても良
く、また残しても良い。低級アルコール又は水の使用量
は脂肪族第一アミン100重量部に対して1〜50重量
部が好ましい。
【0024】アクリル酸誘導体としてアクリル酸エステ
ル又はアクリロニトリルを使用した場合は、さらに、生
成したN置換アミノプロピオン酸エステル又はN置換ア
ミノプロピオニトリルをアルカリや酸で加水分解するこ
とによって、一般式(I)で表されるN置換βアラニン
が得られる。
【0025】加水分解温度は通常50〜100℃、好ま
しくは60〜90℃である。加水分解の時間としては、
アルカリや酸を0.5〜2時間かけて滴下し、1〜6時
間熟成することが好ましい。加水分解後、必要に応じて
生成物のpHを酸で7〜12に調整してもよい。使用す
る酸は一般的に使用される無機酸又は有機酸であり、塩
酸、硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げ
られる。温度は20〜90℃で行うのが好ましい。加水
分解後、pH調製する場合は、使用する無機酸又は有機
酸に対応して無機塩又は有機塩が生成するが、必要によ
り電気透析などの脱塩方法により除去しても良い。
【0026】このようにして得られる一般式(I)で表
されるN置換βアラニンは、低温で濁りとなる成分を含
有せず、当初の目的を達成した化合物であるため、種々
の用途に供される界面活性剤として極めて好適である。
【0027】なかでも、身体用洗浄剤、台所用洗浄剤、
硬表面用洗浄剤等、種々の洗浄剤としての利用は、N置
換βアラニンの特性である高洗浄力、高マイルド性等の
長所を積極的に活用できるので非常に好ましい。
【0028】洗浄剤として使用する場合、本発明の製造
方法によって得られるN置換βアラニンは、単独であっ
ても、他の界面活性剤と混合してもどちらでも好適に使
用できる。混合する場合は、アルキル硫酸エステル塩、
アルキルエトキシ硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エ
ステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、アル
キルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアラニネート
やアルキルタウレート等のアミノ酸誘導体等に代表され
るアニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、脂
肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグルコシド、短
鎖アルキルグルコシド長鎖脂肪酸エステル、アルキルメ
チルグルカミド、ショ糖脂肪酸エステル等に代表される
ノニオン性界面活性剤や、アルキルアミンオキシド、ア
ルキルカルボベタイン、アルキルアミドアルキルカルボ
ベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキ
シスルホベタイン、アルキルイミダゾリン又はその誘導
体等に代表される両性及び双性界面活性剤等が好適であ
る。これらの界面活性剤の中でも、特に高洗浄力、泡性
能の点でアニオン性界面活性剤が好ましい。これら界面
活性剤の配合割合はN置換βアラニン100重量部に対
して10〜1000重量部が好ましい。
【0029】また、洗浄剤として使用するに当たって
は、一般の洗浄剤に通常用いられる界面活性剤以外の成
分、即ち、低級アルコールやポリアルキレングリコール
類等のアルコール系ハイドロトロープ剤や、トルエンス
ルホン酸、キシレンスルホン酸、キュメンスルホン酸、
安息香酸、サリチル酸等のハイドロトロープ剤や抗菌剤
として供される低分子芳香族化合物、クエン酸、リンゴ
酸、EDTA等のキレート剤、色素、香料、粘度調整
剤、無機化合物等の機能性物質などを好適に混合するこ
とができる。
【0030】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれらによって限定されるものでは
ない。尚、以下の例における「%」は「重量%」であ
る。
【0031】実施例1 1リットル容−四つ口フラスコに、ラウリルアミン18
5g(1.0モル)とエチルアルコールとを20g仕込
んだ後、60℃で加熱攪拌しながら、アクリル酸エチル
120g(1.2モル)とp−メトキシフェノール0.
012g(アクリル酸エチルに対して0.01%)との
混合物を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、同温度
で4時間熟成を行った。次に、未反応のアクリル酸エチ
ルを60℃で20mmHgの減圧下除去して、N−ラウ
リルアミノプロピオン酸エチルエステル89.5%、N
−ラウリルイミノジプロピオン酸エチルエステル10.
0%、未反応ラウリルアミン0.5%の付加反応生成物
を得た。
【0032】この反応生成物に水600gを加えて、攪
拌しながら、70℃へ昇温した。40%NaOH水溶液
120gを同温度で1時間かけて滴下した後、3時間熟
成を行った。反応終了後、塩酸によりpH10に調整
し、Nラウリルβアラニンを得た。HPLC分析の結
果、N−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムの選択
率は90%であった。
【0033】実施例2 フェノール化合物としてp−メトキシフェノール0.0
24g(アクリル酸エチルに対して0.02%)を使用
した以外は実施例1と同様に付加反応、加水分解反応及
びpH調整を行って、Nラウリルβアラニンを得た。
【0034】実施例3 フェノール化合物としてメトキシハイドロキノン0.0
006g(アクリル酸エチルに対して0.0005%)
を使用した以外は実施例1と同様に付加反応、加水分解
反応及びpH調整を行って、Nラウリルβアラニンを得
た。
【0035】実施例4 フェノール化合物としてp−tert−ブチルカテコー
ル0.12g(アクリル酸エチルに対して0.1%)を
使用した以外は実施例1と同様に付加反応、加水分解反
応及びpH調整を行って、Nラウリルβアラニンを得
た。
【0036】実施例5 アルキルアミンとしてステアリルアミン270g(1.
0モル)を使用した以外は実施例1と同様に付加反応と
加水分解反応およびpH調整を行って、Nステアリルβ
アラニンを得た。
【0037】実施例6 1リットル容−四つ口フラスコに、ラウリルアミン18
5g(1.0モル)とエチルアルコールとを20g仕込
んだ後、60℃で加熱攪拌しながら、アクリロニトリル
65g(1.2モル)とp−メトキシフェノール0.0
065g(アクリロニトリルに対して0.01%)との
混合物を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、同温度
で4時間熟成を行った。次に、未反応のアクリロニトリ
ルを60℃で20mmHgの減圧下除去して、N−ラウ
リルアミノプロピオニトリル89.8%、N−ラウリル
イミノジプロピオニトリル9.9%、未反応ラウリルア
ミン0.3%の付加反応生成物を得た。
【0038】この反応生成物に水600gを加えて、攪
拌しながら、70℃へ昇温した。40%NaOH水溶液
120gを同温度で1時間かけて滴下した後、3時間熟
成を行った。反応終了後、窒素流通により副生したアン
モニアを除去し、塩酸によりpH10に調整し、Nラウ
リルβアラニンを得た。
【0039】実施例7 1リットル容−四つ口フラスコに、ラウリルアミン18
5g(1.0モル)とエチルアルコールとを20g仕込
んだ後、60℃で加熱攪拌しながら、とアクリル酸エチ
ル180g(1.8モル)とp−メトキシフェノール
0.018g(アクリル酸エチルに対して0.01%)
との混合物を滴下漏斗より1時間かけて滴下した後、同
温度で4時間熟成を行った。次に、未反応のアクリル酸
エチルを60℃で20mmHgの減圧下除去して、N−
ラウリルアミノプロピオン酸エチルエステル70.4
%、N−ラウリルイミノジプロピオン酸エチルエステル
29.5%、未反応ラウリルアミン0.1%の付加反応
生成物を得た。
【0040】この反応生成物に水600gを加えて、攪
拌しながら、70℃へ昇温した。40%NaOH水溶液
130gを同温度で1時間かけて滴下した後、3時間熟
成を行った。反応終了後、塩酸によりpH10に調整
し、Nアルキルβアラニンを得た。HPLC分析の結
果、N−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムの選択
率は70%であった。
【0041】比較例1 フェノール化合物を使用しない以外は、実施例1と同様
に付加反応、加水分解反応及びpH調整を行って、Nラ
ウリルβアラニンを得た。
【0042】比較例2 p−メトキシフェノールをアクリル酸エチルに対して
0.2%使用する以外は、実施例1と同様に付加反応、
加水分解反応及びpH調整を行って、Nラウリルβアラ
ニンを得た。
【0043】比較例3 p−メトキシフェノールをアクリル酸エチルに対して
0.00005%使用する以外は、実施例1と同様に付
加反応、加水分解反応及びpH調整を行って、Nラウリ
ルβアラニンを得た。
【0044】評価実験 実施例1〜7及び比較例1〜3で製造したN置換βアラ
ニンの臭気及び0℃で1ヶ月保存した場合の低温安定性
は次の評価基準に従って評価した。
【0045】(臭気評価) 官能検査を行い、以下の基準で臭気を評価した。 ○:異臭がなく臭気がよい。 △:若干異臭があり臭気が悪い。 ×:異臭が強く著しく臭気が悪い。
【0046】(低温安定性評価) 視覚により、以下の基準で低温安定性を評価した。 ○:液が透明である。 △:若干の濁りが認められる。 ×:著しく濁りが認められる。
【0047】
【表1】
【0048】次に上記実施例及び比較例によって製造さ
れたN置換βアラニンを洗浄剤として用いた例を示す。
【0049】実施例8〜14及び比較例4〜6 表2に示す液体洗浄剤組成物を調製し、組成物の臭気、
皮膚刺激性、洗浄力及び低温安定性を評価した。その結
果を同表中に示す。臭気及び低温安定性の評価について
は上記と同様の方法で評価し、皮膚刺激性及び洗浄力の
評価については下記に示す方法で評価した。尚、表2中
の配合量はすべて重量%であり、組成物はpHを6.5
に調製したものである。
【0050】(皮膚の刺激性評価)界面活性剤組成物1
%水溶液(35℃)を用いてテスター10名の手による
浸漬試験により評価を行った。即ち、1分毎の浸漬−乾
燥操作を15回行い、24時間後の手の皮膚荒れの程度
を以下の基準で視覚判定した。
【0051】 ○:皮膚荒れが殆どない。 △:皮膚の角質表面の一部に乾燥落屑性や赤斑変化等の
手荒れ症状らしき兆候が認められる。 ×:乾燥落屑性や赤斑変化等の手荒れ症状が明確に認め
られる。
【0052】(洗浄力評価)日本薬局方に規定された大
豆油と牛脂各10gを60mlのクロロホルムに溶解し
た後、オイルレッド0.1gを加えて良く混合し、汚垢
溶液を調製する。この溶液にガラスプレートを浸して汚
染し、25℃の温度で30分以上風乾してクロロホルム
を除去し、汚染片を作成する(汚染量20〜30mg/
枚)。この汚染片6枚を25℃、700mlの0.15
%の洗浄剤液中で20rpmの回転速度で3分間かき混
ぜて洗浄した後、風乾して重量を測定し、洗浄後の油除
去率を下記の数式(1)により算出して洗浄力とした。
【0053】 洗浄力(%)={1−(W2−W0)/(W1−W0)}×100 (1) (上記数式(1)中、W0 はガラスプレートの重量を、
1 は汚染後のガラスプレートの重量を、W2 は洗浄風
乾後のガラスプレートの重量を示す)
【0054】
【表2】
【0055】表2から明らかなように、調製した洗浄剤
組成物はいずれも優れたマイルド性及び洗浄性能を示す
が、本発明の洗浄剤組成物(実施例8〜14)は臭気及
び低温安定性が良いのに対し、比較品の洗浄剤組成物
(比較例4〜6)はいずれも臭気及び低温安定性が悪い
という問題点を有している。
【0056】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られるN置
換βアラニン又はその塩は、低温で濁りを与える不純物
を含まないため、高起泡力、高洗浄力、低皮膚刺激性等
の優れた特性を有する界面活性剤であり、しかも、液体
洗浄剤として製剤化した場合にも低温での安定性が良好
で濁りの発生を起こさない優れた基剤であり、特に、台
所用洗浄剤、毛髪用洗浄剤、皮膚用洗浄剤として極めて
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 涌井 二男 東京都墨田区本所一丁目3番7号ライオン 株式会社内 (72)発明者 岡野 知道 東京都墨田区本所一丁目3番7号ライオン 株式会社内 (72)発明者 西田 誠男 東京都墨田区本所一丁目3番7号ライオン 株式会社内 Fターム(参考) 4D077 AB10 BA07 BA13 CA03 CA04 CA14 CA17 DC02Y DC02Z DC04Z DC12Z DC26Y DC26Z DC28Y DC43Z DC50Y 4H003 AB15 AB31 AC08 AC13 AD08 BA12 DA02 DA17 ED02 FA02 FA18 FA25 4H006 AA02 AA03 AB46 AB68 AB70 AC47 AC52 AD41 BS10 BS70 BU32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表されるN置換β
    アラニン又はその塩の製造方法であって、フェノール化
    合物の存在下に脂肪族第一アミンとアクリル酸誘導体と
    の反応で得られる付加生成物を加水分解する方法であ
    り、フェノール化合物をアクリル酸誘導体100重量部
    に対して0.0001〜0.1重量部含有することを特
    徴とする方法。 R1NHCH2CH2COOM (I) (式中、R1 は置換基を含んでいても良い炭素数6〜2
    4の炭化水素基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属イ
    オン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のアルカノー
    ル基を有するモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモ
    ニウムイオン、炭素数1〜5のアルキル基置換アンモニ
    ウムイオン又は塩基性アミノ酸基を示す)
  2. 【請求項2】 フェノール化合物として、置換フェノー
    ル化合物、置換キノン化合物又は置換カテコール化合物
    を使用する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法により製造
    したN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の界面活性剤組成物を含
    有する洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の界面活性剤組成物とア
    ニオン性界面活性剤とを含有する洗浄剤組成物。
JP10244573A 1998-08-31 1998-08-31 N置換βアラニン又はその塩の製造方法及びN置換βアラニン又はその塩を含有する界面活性剤組成物 Pending JP2000072729A (ja)

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