JP2000016320A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2000016320A
JP2000016320A JP18471298A JP18471298A JP2000016320A JP 2000016320 A JP2000016320 A JP 2000016320A JP 18471298 A JP18471298 A JP 18471298A JP 18471298 A JP18471298 A JP 18471298A JP 2000016320 A JP2000016320 A JP 2000016320A
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JP
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steering
fuzzy inference
assist torque
current
θis
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English (en)
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Takekuni Fu
建国 傅
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】運転者が良好な操舵フィーリングを得ることの
できる電動パワーステアリング装置が望まれていた。 【解決手段】アシストトルクファジイ推論ユニット3に
よってソフト的に操舵アシストトルクTrを推論する。
このファジイ推論ユニット3では、摩擦係数μ、操舵角
度θ、操舵角速度θ1 および操舵角加速度θ2 を入力と
し、ファジイ推論ルールおよびメンバーシップ関数によ
りファジイ推論を行う。さらに推論された操舵アシスト
トルクTrは車速補正回路6でTr′に補正される。補
正された操舵アシストトルクTr′はトルク−電流変換
回路7で目標電流it に変換される。そして演算回路8
で目標電流it とモータ9を流れる実電流ia との差電
流ir が求められ、さらにその微分値である変化率id
が算出される。これら差電流ir および変化率id が電
流ファジイ制御ユニット10の入力とされ、これら2入
力に基づいてファジイ推論が行われて、その出力はモー
タ9の端子電圧V t として与えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電動モータの回転
力によって操舵補助力を発生する電動パワーステアリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪車両に装備されている従来の電動パ
ワーステアリング装置では、一般に、操舵トルク(路面
からの反力)および車速に応じて操舵補助力が決定され
る。そして決定された操舵補助力がステアリング機構に
与えられるように、モータの駆動電流が制御される。
【0003】操舵トルクの検出には、一般に、ステアリ
ング系にトーションバーを設けて、トーションバーのね
じれ角を検出するというハード式の構成が採用されてい
た。
【0004】また、モータに対する電流制御は、古典的
なPI制御が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、従来の電動
パワーステアリング装置においては、次のような課題が
あった。
【0006】まず、ステアリング系にトーションバーが
備えられていることにより、 ステアリング系の剛性が下がり、応答性と安定性が悪
くなる傾向がある。
【0007】ねじれ角を検出するための検出リング等
の磁性材料の温度補償が難しい。
【0008】製造組立工程での品質保証が難しい。
【0009】ねじれ角を電気信号に変換させるための
電気回路が必要とされる。
【0010】ハード式の操舵トルク検出構造のため、
製造コストが高価になる傾向にある。
【0011】また、モータの電流制御をPI制御により
行うと、応答性を良くするとオーバーシュートが生じて
ドライバはハンドルから微小振動を感じるという不具合
が生じ、逆に、オーバーシュートを抑えようとすると応
答性が悪くなりドライバが操舵違和感を感じるという不
具合があった。
【0012】この発明は、かかる従来装置の欠点を解消
し、運転者が良好な操舵フィーリングを得ることのでき
る電動パワーステアリング装置を提供することを目的と
する。
【0013】また、この発明の他の目的は、路面状況の
変化に対応させて操舵補助力を変化させ、操縦安定性の
向上が図れる電動パワーステアリング装置を提供するこ
とである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
電動モータの回転力によって操舵補助力を発生させる電
動パワーステアリング装置において、タイヤと路面間の
摩擦係数、ハンドルの操舵角度、ハンドルの操舵角速
度、およびハンドルの操舵角加速度に基づいてファジイ
推論をし、操舵アシストトルクを出力するための第1フ
ァジイ推論手段、推論された操舵アシストトルクを車速
に応じて補正するための補正手段、ならびに補正された
操舵アシストトルクに対応する電流値を目標値として、
目標値および実測値の差と差の変化率とに基づいてファ
ジイ推論をし、前記モータの制御信号を出力する第2フ
ァジイ推論手段、を含むことを特徴とするものである。
【0015】請求項2記載の発明は、前記第1ファジイ
推論手段および第2ファジイ推論手段は、単一のファジ
イチップにより構成されていることを特徴とする請求項
1記載の電動パワーステアリング装置である。
【0016】請求項3記載の発明は、前記第1ファジイ
推論手段に入力されるハンドルの操舵角速度および操舵
角加速度は、操舵角度をそれぞれ1回および2回微分す
ることにより求めることを特徴とする請求項1または2
記載の電動パワーステアリング装置である。
【0017】請求項4記載の発明は、前記補正手段は、
車速に応じた車速係数を推論された操舵アシストトルク
に乗算することにより補正を行うことを特徴とする請求
項1ないし3のいずれかに記載の電動パワーステアリン
グ装置である。
【0018】上述の構成によれば、操舵トルクの検出
が、ハード式の構成ではなく、ソフト的に行われる。す
なわち、タイヤと路面間の摩擦係数、ハンドルの操舵角
度、ハンドルの操舵角速度、およびハンドルの操舵角加
速度という4つの信号を入力とし、それをファジイ推論
することによって操舵アシストトルクが出力される。
【0019】ここで、ハンドルの操舵角速度および操舵
角加速度は、ハンドルの操舵角度をそれぞれ1回および
2回微分することにより簡単に算出することができる。
【0020】ファジイ推論は、これら4つの入力信号の
メンバーシップ関数を適当に設定し、ファジイルールに
基づいて行われる。ファジイルールは、ステアリング操
作の実際を反映させてできるだけ少ないルールで構成さ
れ、推論の簡易化が図られている。
【0021】この結果、操舵トルクの検出のための構成
がステアリング系の剛性を低下させる等の不具合を生じ
ず、ソフト的処理によって操舵アシストトルクを推論す
ることができる。
【0022】さらに、推論された操舵アシストトルク
は、車速に応じて補正される。具体的にはたとえば車速
係数が掛けられることにより操舵アシストトルクが補正
されて、車速に合った操舵アシストトルクとされる。
【0023】この補正はファジイ推論とは別個に行われ
るので、上記ファジイ推論の入力信号が少なく、ファジ
イ推論が簡単にかつ短時間で行われる。
【0024】さらに、モータの制御電流は、PI制御で
はなく、目標値および実測値の差およびその変化率とい
う2つの入力信号をファジイ推論することにより求める
ので、応答性が速く、かつオーバーシュートの生じない
電流制御を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、この
発明の一実施形態について説明をする。
【0026】図1は、この発明の一実施形態にかかる電
動パワーステアリング装置の制御回路の構成を示すブロ
ック図である。この装置の制御回路には、前段にアシス
トトルク推論ブロック1および後段にモータ電流制御ブ
ロック2が備えられている。
【0027】アシストトルク推論ブロック1にはアシス
トトルクファジイ推論ユニット3が備えられており、こ
のユニット3には、入力として、タイヤと路面間の摩擦
係数μ、操舵角度θが与えられる。また、操舵角度θが
微分器4により微分されて得られた操舵角速度θ1 、お
よびさらにその角速度θ1 が微分器5で微分されること
により得られた操舵角加速度θ2 も、それぞれ、ユニッ
ト3へ与えられる。
【0028】この実施形態の特徴は、アシストトルク推
論ブロック1が、従来のようにハード式の検出手段から
の信号を用いることなく、摩擦係数μおよびハンドルの
操舵角度θという2つの信号およびそれらを演算処理し
て得られた操舵角速度θ 1および操舵角加速度θ 2
いう信号に基づきファジイ推論を行っていることであ
る。かかる信号を用いることにより、従来必要であった
ステアリング系におけるトーションバーおよび該トーシ
ョンバーのねじれ角を検出するためのセンサ等が不要に
なる。また、ねじれ角を電気信号に変換するための電気
回路等も不要になる。
【0029】この結果、アシストトルクのファジイ推論
の前提として必要であった周辺回路が簡単になり、アシ
ストトルクファジイ推論ユニット3内に周辺回路の殆ど
を組み込むことが可能になる。
【0030】言い換えれば、アシストトルク推論ブロッ
ク1をたとえば1つの集積回路チップによって構成する
ことができ、その処理内容をコンピュータ・ソフトウェ
アで実現することが可能となる。
【0031】ファジイ推論ユニット3では、これら4つ
の入力要素を予め定めるファジイ推論ルールおよびメン
バーシップ関数にあてはめて推論を行い、操舵アシスト
トルクTrを出力する。
【0032】ファジイ推論ユニット3では、実際の物理
変化量を使っての推論は行わず、物理変化量を量子化
し、量子化レベルデータを用いてファジイ推論を行う。
このために、ユニット3に入力された信号は、表1のよ
うに量子化される。
【0033】
【表1】 表1において、タイヤと路面間の摩擦係数μは、0.0
〜1.0までの数値で与えられるので、この入力は0〜
5に量子化される。
【0034】操舵角度θは、ハンドルの操舵角度が片方
向0〜550°と仮定すれば、片方向で0〜5、もう片
方向は0〜−5に量子化される。操舵角速度θ1 は片方
向0〜1000(deg/s)と仮定して、それを片方
向0〜5、もう片方向0〜−5に量子化する。さらに操
舵角加速度θ2 は片方向0〜100(deg/s2 )と
仮定して、量子化レベルは片方向0〜5、もう片方向0
〜−5となる。
【0035】ファジイ推論ユニット3から出力される操
舵アシストトルクTr(v)も、−5〜5の範囲に量子
化する。
【0036】上記4つの入力信号に基づき単純にファジ
イ推論ルールを考えると、その組合わせは数千個にな
り、ルール数が多すぎて実用性が失われる。そこで、電
動パワーステアリング装置における従来の経験を活かし
て、ファジイ推論ルールを考えるにあたり、次のような
条件を設定した。
【0037】摩擦係数μがZEとSPの場合、アシス
トトルクTrは不要(Tr=ZE)と見なす。
【0038】操舵角加速度θ2 は、急操舵の場合だけ
を考慮し、θ2 =LPの場合だけ、この入力要素を考慮
する。
【0039】かかる条件を考慮した結果、操舵アシスト
トルクTrを推論するファジイ推論ルールは、次の66
個のルールとなった。
【0040】1.If (μ is ZE)then(Tr is ZE) 2.If (μ is SP)then(Tr is ZE) 3.If (μ is MP)and (θ is ZE)and (θ1 is ZE)and(θ
2 is LP)then(Tr is SP) 4.If (μ is MP)and (θ is ZE)and (θ1 is ZE)and(θ
2 is LN)then(Tr is SN) 5.If (μ is MP)and (θ is ZE)and (θ1 is SP)and(θ
2 is LP)then(Tr is SP) 6.If (μ is MP)and (θ is ZE)and (θ1 is SN)and(θ
2 is LN)then(Tr is SN) 7.If (μ is MP)and (θis ZE)and(θ1 is MP)then(Tr
is SP) 8.If (μ is MP)and (θis ZE)and(θ1 is MN)then(Tr
is SN) 9.If (μ is MP)and (θis ZE)and(θ1 is LP)then(Tr
is MP) 10.If (μ is MP)and (θis ZE)and(θ1 is LN)then(Tr
is MN) 11.If (μ is MP)and (θis SP)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LP)then(Tr is SP) 12.If (μ is MP)and (θis SN)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LN)then(Tr is SN) 13.If (μ is MP)and (θis SP)and(θ1 is SP)and(θ
2 is LP)then(Tr is SP) 14.If (μ is MP)and (θis SN)and(θ1 is SN)and(θ
2 is LN)then(Tr is SN) 15.If (μ is MP)and θis SP)and(θ1 is MP)then(Tr
is SP) 16.If (μ is MP)and (θis SN)and(θ1 is MN)then(Tr
is SN) 17.If (μ is MP)and (θis SP)and(θ1 is LP)then(Tr
is MP)18.If (μ is MP)and (θis SN)and(θ
1 is LN)then(Tr is MN) 19.If (μ is MP)and (θis MP)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LP)then(Tr is SP) 20.If (μ is MP)and (θis MN)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LN)then(Tr is SN) 21.If (μ is MP)and (θis MP)and(θ1 is SP)and(θ
2 is LP)then(Tr is SP) 22.If (μ is MP)and (θis MN)and(θ1 is SN)and(θ
2 is LN)then(Tr is SN) 23.If (μ is MP)and (θis MP)and(θ1 is MP)then(Tr
is SP) 24.If (μ is MP)and (θis MN)and(θ1 is MN)then(Tr
is SN) 25.If (μ is MP)and (θis MP)and(θ1 is LP)then(Tr
is MP) 26.If (μ is MP)and (θis MN)and(θ1 is LN)then(Tr
is MN) 27.If (μ is MP)and (θis LP)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LP)then(Tr is SP) 28.If (μ is MP)and (θis LN)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LN)then(Tr is SN) 29.If (μ is MP)and (θis LP)and(θ1 is SP)and(θ
2 is LP)then(Tr is SP)30.If (μ is MP)and
(θis LN)and(θ1 is SN)and(θ2 is LN)then(Tr is S
N) 31.If (μ is MP)and (θis LP)and(θ1 is MP)then(Tr
is SP) 32.If (μ is MP)and (θis LN)and(θ1 is MN)then(Tr
is SN) 33.If (μ is MP)and (θis LP)and(θ1 is LP)then(Tr
is MP) 34.If (μ is MP)and (θis LN)and(θ1 is LN)then(Tr
is MN) 35.If (μ is LP)and (θis ZE)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LP)then(Tr is MP) 36.If (μ is LP)and (θis ZE)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LN)then(Tr is MN) 37.If (μ is LP)and (θis ZE)and(θ1 is SP)and(θ
2 is LP)then(Tr is MP) 38.If (μ is LP)and (θis ZE)and(θ1 is SN)and(θ
2 is LN)then(Tr is MN) 39.If (μ is LP)and (θis ZE)and(θ1 is MP)then(Tr
is MP) 40.If (μ is LP)and (θis ZE)and(θ1 is MN)then(Tr
is MN) 41.If (μ is LP)and (θis ZE)and(θ1 is LP)then(Tr
is LP) 42.If (μ is LP)and (θis ZE)and(θ1 is LN)then(Tr
is LN) 43.If (μ is LP)and (θis SP)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LP)then(Tr is MP) 44.If (μ is LP)and (θis SN)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LN)then(Tr is MN) 45.If (μ is LP)and (θis SP)and(θ1 is SP)and(θ
2 is LP)then(Tr is MP) 46.If (μ is LP)and (θis SN)and(θ1 is SN)and(θ
2 is LN)then(Tr is MN) 47.If (μ is LP)and (θis SP)and(θ1 is MP)then(Tr
is MP) 48.If (μ is LP)and (θis SN)and(θ1 is MN)then(Tr
is MN) 49.If (μ is LP)and (θis SP)and(θ1 is LP)then(Tr
is LP) 50.If (μ is LP)and (θis SN)and(θ1 is LN)then(Tr
is LN) 51.If (μ is LP)and (θis MP)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LP)then(Tr is MP) 52.If (μ is LP)and (θis MN)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LN)then(Tr is MN) 53.If (μ is LP)and (θis MP)and(θ1 is SP)and(θ
2 is LP)then(Tr is MP) 54.If μ is LP)and θis MN)and(θ1 is SN)and(θ
2 is LN)then(Tr is MN) 55.If (μ is LP)and (θis MP)and(θ1 is MP)then(Tr
is MP) 56.If (μ is LP)and (θis MN)and(θ1 is MN)then(Tr
is MN) 57.If (μ is LP)and (θis MP)and(θ1 is LP)then(Tr
is LP) 58.If (μ is LP)and (θis MN)and(θ1 is LN)then(Tr
is LN) 59.If (μ is LP)and (θis LP)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LP)then(Tr is MP) 60.If (μ is LP)and (θis LN)and(θ1 is ZE)and(θ
2 is LN)then(Tr is MN) 61.If (μ is LP)and (θis LP)and(θ1 is SP)and(θ
2 is LP)then(Tr is MP) 62.If (μ is LP)and (θis LN)and(θ1 is SN)and(θ
2 is LN)then(Tr is MN) 63.If (μ is LP)and (θis LP)and(θ1 is MP)then(Tr
is MP) 64.If (μ is LP)and (θis LN)and(θ1 is MN)then(Tr
is MN) 65.If (μ is LP)and (θis LP)and(θ1 is LP)then(Tr
is LP) 66.If (μ is LP)and (θis LN)and(θ1 is LN)then(Tr
is LN) 上述のファジイ推論ルールにおいて、LP,MP,S
P,ZE,SN,MNおよびLNはメンバーシップ関数
のラベルを表わし、LPは正に大きい(Large Positiv
e)、MPは正に中位(Medium Positive) 、SPは正に小
さい(Small Positive)、ZEはほぼ0(Allmost Zero)、
SNは負に小さい(Small Negative)、MNは負に中位(M
edium Negative) 、およびLNは負に大きい(Large Neg
ative)をそれぞれ表現している。
【0041】図2に摩擦係数μについてのメンバーシッ
プ関数を示す。この実施形態では、メンバーシップ関数
は台形状のものを利用したが、メンバーシップ関数の形
状は台形状に限らず、三角形状、波形状等の任意の形の
ものを採用し得る。
【0042】図3に操舵角度θ、操舵角速度θ1 および
操舵角加速度θ2 のメンバーシップ関数を示す。さらに
図4にファジイ推論ユニット3から出力される操舵アシ
ストトルクTrのメンバーシップ関数を示す。いずれの
メンバーシップ関数においても、上述と同様、その形状
は台形状に限らず、任意の形を採用することができる。
【0043】ファジイ推論ルールにおいて、上述のよう
に信号を量子化レベルで扱うと、信号レベルを等しいレ
ベルで扱えて計算が容易になるという利点がある。
【0044】図1に戻って、アシストトルクファジイ推
論ユニット3で推論された推論結果、すなわち操舵アシ
ストトルクTrは車速補正回路6へ与えられる。車速補
正回路6には、ファジイ推論ユニット3からの入力とは
別に、車速Vが与えられている。
【0045】この補正回路6内には、図5に示すような
車速に対する車速係数が予めテーブルとして設定されて
いる。そしてファジイ推論ユニット3から出力される操
舵アシストトルクTrに、このテーブルから読み出され
た車速係数を乗算することにより車速Vに応じた補正が
施され、補正された操舵アシストトルクTr′が出力さ
れる。
【0046】以上の処理がアシストトルク推論ブロック
1において行われる。
【0047】車速補正回路6から出力される操舵アシス
トトルクTr′はトルク−電流変換回路7において電流
値に変換される。通常、操舵アシストトルクTr′は電
圧信号であり、この電圧信号が電流信号である目標電流
t に変換される。この目標電流it は演算器8の一方
入力に正入力として与えられる。演算器8には、他方、
モータ9を流れる実電流ia が負入力として与えられて
いる。よって演算器8の出力はir (目標電流it と実
電流ia との差)となる。
【0048】この差電流ir は電流ファジイ制御ユニッ
ト10に与えられる。さらに、この差電流ir が微分器
11で微分された値id (この値id は「目標電流it
と実電流ia の差」の変化率を示している。)も電流フ
ァジイ制御ユニット10の入力とされる。
【0049】電流ファジイ制御ユニット10に、上述の
ように2つの入力を与えることにより、このファジイ制
御ユニット10は、速い応答性を確保しながら、オーバ
ーシュートさせないようなモータ制御電流を推論するこ
とができる。つまり、従来のPI制御では、入力量が1
つに決まっていたが、ファジイ制御ユニット10を用い
ることにより、入力量を2つに増やして、応答性が良
く、かつオーバーシュートを生じさせないモータ電流を
推論することが可能となっている。
【0050】電流ファジイ制御ユニット10の出力Vt
はモータ9の端子電圧に相当し、これがモータ9に与え
られる。
【0051】電流ファジイ制御ユニット10において
も、実際の物理変化量が用いられて推論が行われるので
はなく、物理変化量を量子化した量子化レベルのデータ
によってファジイ推論が行われる。
【0052】入力量および出力量の量子化は、一例とし
て表2のように行われる。
【0053】
【表2】 また電流ファジイ制御ユニット10におけるファジイ推
論ルールは、次のように設定されている。
【0054】1.If(ir is LP) then (Vt is LP) 2.If(ir is SP) and(id is SP)then(Vt is SP) 3.If(ir is SP) and(id is ZE)then(Vt is SP) 4.If(ir is ZE) and(id is SP)then(Vt is ZE) 5.If(ir is ZE) and(id is SN)then(Vt is SN) 6.If(ir is ZE) and(id is ZE)then(Vt is ZE) 7.If(ir is SN) and(id is ZE)then(Vt is SN) 8.If(ir is SN) and(id is SN)then(Vt is SN) 9.If(ir is LN) then (Vt is LN) 上記ファジイ推論ルールにおけるLP,MP,SP,Z
E,SN,MNおよびLNは、先に説明したアシストト
ルク推論ユニット3における定義と同様に、メンバーシ
ップ関数のラベルを表わす符号である。
【0055】図6に第1入力量である差電流ir (目標
電流it と実電流ia との差)および第2入力量である
変化率id (目標電流it と実電流ia の差の変化率)
のメンバーシップ関数を示す。
【0056】また、図7に、推論出力であるモータ端子
電圧Vt のメンバーシップ関数を示す。図6および図7
に示す各メンバーシップ関数は、台形状で表現されてい
るが、三角形状、波形状等の他の形状表現のメンバーシ
ップ関数を用いてもよい。
【0057】上記制御回路において、アシストトルクフ
ァジイ推論ユニット3と電流ファジイ制御ユニット10
とは、集積化された1つのファジイチップにより実現す
ることができる。アシストトルクファジイ推論ユニット
3および電流ファジイ制御ユニット10を1つのファジ
イチップにより実現すれば、回路構成がより簡素化され
て、安価に回路を構成することができる。
【0058】また、その場合、電動パワーステアリング
装置の全体的な構成を合理的に設計でき、電動パワース
テアリング装置の性能の向上とコストダウンが実現でき
る。
【0059】
【発明の効果】この発明によれば、運転者が良好な操舵
フィーリングを得ることのできる電動パワーステアリン
グ装置を提供することができる。
【0060】またこの発明によれば、操舵アシストトル
クがタイヤと路面間の摩擦係数に基づいて推論されるの
で、路面状況の変化に対応させて操舵補助力を変化させ
ることができ、操縦安定性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる電動パワーステ
アリング装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】タイヤと路面間の摩擦係数μについてのメンバ
ーシップ関数を示す図である。
【図3】操舵角度θ、操舵角速度θ1 および操舵角加速
度θ2 の各メンバーシップ関数を示す図である。
【図4】操舵アシストトルクTrのメンバーシップ関数
を示す図である。
【図5】車速に対する車速係数を表わすグラフである。
【図6】目標電流it と実電流ia との差である差電流
r およびその差電流の変化率id の各メンバーシップ
関数を示す図である。
【図7】モータ端子電圧Vt のメンバーシップ関数を示
す図である。
【符号の説明】
1 アシストトルク推論ブロック 2 モータ電流制御ブロック 3 ファジイ推論ユニット 4,5,11 微分器 6 車速補正回路 7 トルク−電流変換回路 8 演算器 9 モータ 10 電流ファジイ制御ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 113:00 117:00 137:00 Fターム(参考) 3D032 CC05 CC08 CC12 CC48 DA03 DA09 DA13 DA23 DA82 DC03 DD02 DD11 EB11 EC23 GG01 3D033 CA11 CA13 CA17 CA19 CA21 5H004 GA02 GA03 GA26 GB12 HA07 HB07 HB08 HB09 HB14 KB39 KD03 KD18 MA41

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動モータの回転力によって操舵補助力を
    発生させる電動パワーステアリング装置において、 タイヤと路面間の摩擦係数、ハンドルの操舵角度、ハン
    ドルの操舵角速度、およびハンドルの操舵角加速度に基
    づいてファジイ推論をし、操舵アシストトルクを出力す
    るための第1ファジイ推論手段、 推論された操舵アシストトルクを車速に応じて補正する
    ための補正手段、ならびに補正された操舵アシストトル
    クに対応する電流値を目標値として、目標値および実測
    値の差と差の変化率とに基づいてファジイ推論をし、前
    記モータの制御信号を出力する第2ファジイ推論手段、
    を含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】前記第1ファジイ推論手段および第2ファ
    ジイ推論手段は、単一のファジイチップにより構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステ
    アリング装置。
  3. 【請求項3】前記第1ファジイ推論手段に入力されるハ
    ンドルの操舵角速度および操舵角加速度は、操舵角度を
    それぞれ1回および2回微分することにより求めること
    を特徴とする請求項1または2記載の電動パワーステア
    リング装置。
  4. 【請求項4】前記補正手段は、車速に応じた車速係数を
    推論された操舵アシストトルクに乗算することにより補
    正を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の電動パワーステアリング装置。
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