JP2000012643A - 電子デバイスの製造方法および製造装置 - Google Patents

電子デバイスの製造方法および製造装置

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JP2000012643A
JP2000012643A JP17418098A JP17418098A JP2000012643A JP 2000012643 A JP2000012643 A JP 2000012643A JP 17418098 A JP17418098 A JP 17418098A JP 17418098 A JP17418098 A JP 17418098A JP 2000012643 A JP2000012643 A JP 2000012643A
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electronic device
manufacturing
insulating substrate
polarizing plate
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JP17418098A
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English (en)
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Hiroyoshi Kitabayashi
宏佳 北林
Takashi Tsukasaki
尚 塚崎
Katsunori Takahashi
勝徳 高橋
Tetsuya Sakuguchi
哲也 窄口
Takayuki Oishi
貴之 大石
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Advanced Display Inc
Mitsubishi Electric Corp
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Advanced Display Inc
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触摩擦によって発生していた静電気を逃す
方策を考慮する必要がなく、かつ、長期間使用すること
が可能な電子デバイスの製造方法および製造装置を提供
する。 【解決手段】 本発明の電子デバイスの製造方法は、絶
縁性基板上に素子を形成する工程を含む電子デバイスの
製造方法であって、前記絶縁性基板上に素子を形成する
工程において前記絶縁性基板に接触する部材の材料とし
て、前記絶縁性基板の仕事関数と等しい仕事関数を有す
る金属単体、および前記絶縁性基板の仕事関数との差が
小さい仕事関数を有する金属単体のうちの一方を用い
る。また、本発明の電子デバイスの製造装置は、前記部
材を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気の発生を防
止することができる電子デバイスの製造方法および製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置、カラーフィルタ、半導体
装置またはプラズマディスプレイパネル(plasma displ
ay panel、以下、PDPという)などの電子デバイスを
製造する方法および装置においては、しばしば静電気の
発生が問題となる。特に液晶表示装置は、2枚の絶縁性
基板と、該2枚の絶縁性基板表面に形成された液晶素子
と、2枚の絶縁性基板が貼り合わされたのちに該2枚の
絶縁性基板表面に貼りつけられる2枚の偏光板とからな
る。前記液晶素子が、たとえば、液晶材料と、該液晶材
料を挟持する2種類の電極と、該2種類の電極にそれぞ
れ所定の電圧を印加するための配線と、RGB(赤緑
青)の3原色からなるカラーフィルタとを含んでいる。
したがって静電気を発生しやすい構造となっている。
【0003】電子デバイスを製造する際には、通常、電
子デバイスを構成する部分を移載および搬送するための
装置(以下、単に「移載および搬送装置」という)が用
いられる。電子デバイスを製造する工程においては、電
子デバイスを構成する部品であるたとえば絶縁性基板
と、移載および搬送装置との剥離や摩擦などによって、
絶縁性基板が静電気を帯びる場合が多々ある。同時に、
移載および搬送装置の絶縁性基板に接触していた部材
は、絶縁性基板に帯電した静電気と逆の極性の静電気を
帯びる。前記静電気によって周囲の塵埃が絶縁性基板に
引き寄せられ、絶縁性基板に塵埃が付着すると、電子デ
バイスの製造工程の歩留まりが低下する問題が生じる。
また絶縁性基板に帯電した静電気の量によっては、絶縁
性基板と外部との間で放電が発生し、絶縁性基板表面上
に形成された電子デバイスが損傷を受け、電子デバイス
が不良となる場合がある。したがって、静電気の発生を
防止したり、発生した静電気を速やかに逃がすことがで
きるような方策を講じることは、歩留向上を図る上で極
めて有用である。
【0004】前述のような観点にもとづく、発生した静
電気を速やかにリークさせることができる装置の一例と
して、特開平7−37962号公報で開示された移載お
よび搬送装置がある。かかる移載および搬送装置につい
て、図6を用いて説明する。図6は、従来の移載および
搬送装置の一例を示す説明図である。図6において、1
01はアーム、102はアーム101の先端に取り付け
られたチャック、103はチャック102の先端の吸引
部、104は半導体ウエハ、105は接地点を示す。ア
ーム101およびチャック102は、アルミニウムまた
はアルミニウム合金と、該アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金の表面に形成された多孔性の陽極酸化被膜(ア
ルマイト被膜)、陽極酸化被膜表面に塗布されたフッ素
系樹脂とからなる。
【0005】前記陽極酸化被膜およびフッ素系樹脂とか
らなる処理層の厚さは40μm以下である。また、アル
ミニウムまたはアルミニウム合金からなるアーム101
およびチャック102から、接地点105までのあいだ
は絶縁性の部材を一切介していない。
【0006】前記フッ素系樹脂は薄いので、フッ素系樹
脂の表面に静電気が帯電することはない。さらに、半導
体ウエハ104に接触する部分、すなわち吸引部103
から接地点105に至るまで絶縁性の部材が介在しな
い。したがって、移載および移送装置および半導体ウエ
ハ104のあいだで発生した静電気を効率的に、かつ完
全に接地点105から移載および搬送装置外部に逃がす
ことができる。また、フッ素樹脂が表面に塗布されてい
るので、移載および搬送装置の摺接部の耐摩耗性も高め
ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の移載および搬送
装置を用いた電子デバイスの製造方法では、絶縁性基板
と該絶縁性基板に接触する部材との接触や摩擦により移
載および搬送装置側で発生した静電気を効率的に逃がす
ことができるが、絶縁性基板が絶縁性であるため、絶縁
性基板表面側で発生した静電気を効率良く接地点に逃が
すことができない可能性がある。また、ウエハ処理を繰
り返すにしたがって、絶縁物である陽極酸化被膜によ
り、電荷が蓄積し、帯電が増加する可能性もある。さら
に、移載および搬送装置の表面に陽極酸化被膜を形成す
ることが必要であるため、移載および搬送装置の製作に
手間がかかる。またフッ素系樹脂が非常に薄いために、
該フッ素系樹脂が短期間で摩耗し、フッ素系樹脂の下の
層が露出して効果がえられなくなるという問題があっ
た。
【0008】本発明は前述した問題点を解消するために
なされたものであり、静電気の発生自体を安定して長期
間防止することができる。したがって、接触摩擦によっ
て発生していた静電気を逃がす方策を考慮する必要がな
く、かつ、長期間使用することが可能な電子デバイスの
製造方法および電子デバイスの製造装置を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】絶縁性基板での静電気の
発生を防止するためには、電子デバイスを製造するとき
に絶縁性基板に接触する部材の材質に着目する必要があ
る。すなわち、2つの接触している物質AおよびBの剥
離により生じる帯電(以下、「単に「剥離帯電」とい
う)や物質AおよびBの摩擦により生じる帯電(以下、
単に「摩擦帯電」という)などの静電気は、互いに電気
的な特性が違う物質AおよびBが接触することによって
起こる現象であり、つぎのように解釈することができ
る。
【0010】まずはじめに、剥離帯電では、物質Aおよ
びBが密着している際に、たとえば物質Aから物質Bへ
マイナスの電荷が移動し、物質Aがプラスの電気(静電
気)を帯び、物質Bがマイナスの電気(静電気)を帯び
る。しかし、この時点では物質AおよびBが密着してい
るため、物質AおよびB間の静電容量が極めて大きく、
電位としてはほとんど観測されない。そののち、プラス
の電気(静電気)を帯びた物質Aと、マイナスの電気
(静電気)を帯びた物質Bとが引き離され(剥離され)
距離が生じると、物質AおよびB間の静電気容量が有限
の値になる。したがって、物質AおよびB間で電位が発
生し、物質AおよびBの外部から帯電現象が観察され
る。前述のように、剥離という動作によりはじめて帯電
現象が観察されるが、該帯電現象は物質AおよびBが接
触している間に生じる。
【0011】つぎに、摩擦帯電について説明する。物質
AおよびBの接触界面を微視的に見れば、物質Aおよび
Bのそれぞれの表面に凹凸があり、該凹凸の形状に応じ
て物質AおよびBは互いに部分的に接触している。接触
した状態で摩擦という動作を行うことにより物質Aおよ
びBのあいだで接触する部分が増加する。その結果、物
質AおよびB間を移動する電荷が増え、物質AおよびB
それぞれの帯電量が増大する。したがって、摩擦帯電も
物質AおよびBが接触することが直接の要因となって生
じる。
【0012】前記剥離帯電や摩擦帯電により生じる静電
気は、基本的には電気的な特性が異なる2つ物質Aおよ
びBが接触することによって引き起こされる現象である
と考えることができる。また、静電気による電子デバイ
スの不良を防ぐには、静電気の発生を防止する方法と、
発生した静電気を逃がす方法が考えられる。後者の場
合、電子デバイスを製造する際に絶縁性基板に接触する
電子デバイスを製造するための装置(以下、単に「製造
装置」という)側において、接地を行ったり、絶縁性基
板に接触する部材から接地点へ電荷を逃がすための手段
を講じたりする。接地は有効な手段である。また、接地
の効果として、絶縁性基板のみかけ上の電位をさげる。
つまり、接地から絶縁性基板との距離が短いことは、静
電容量が大きくなり、絶縁性基板の電位が下がる。した
がって、加工時に薬液などを通じて新たな電荷を基板に
与えることがないし、絶縁性基板に対する放電などの静
電気障害を防止するが可能である。しかし、かかる方策
により除去できるのは製造装置側に帯電した電荷であ
り、絶縁性基板側に帯電した電荷は除去できないので、
絶縁性基板に静電気は発生する。したがって、静電気に
よる電子デバイスの不良を防ぐためには、静電気の発生
を抑制する必要がある。本発明ではかかる点に重点をお
いた。
【0013】つぎに、絶縁性基板に接触する物質の材質
の違いによる絶縁性基板の帯電量の違いについて説明す
る。図5は、材質の異なる3種類の金属プレートの仕事
関数と、これら金属プレートと接触させた場合の絶縁性
基板の帯電量を示すグラフである。仕事関数とは、物理
学的には、固体内で平衡状態にある電子のうち、一番高
いエネルギーをもつ電子を真空中で静止した電子のエネ
ルギーまで引き上げるために要するエネルギーのことで
ある。図5において、縦軸は絶縁性基板の帯電量として
電位(V(ボルト))、横軸は金属プレートの仕事関数
(eV(エレクトロンボルト))を示す。なお、絶縁性
基板としてはガラス基板が用いられ、金属プレート材質
としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、
金(Au)からなるプレートが用いられた。図中、ガラ
スとプレート材とを接触させた場合の電位をすべてプロ
ットし、白抜きの四角形は平均値を示す。仕事関数とガ
ラスの電位は比例していることが確認できる。
【0014】図5に示されるように、接触する材料によ
って絶縁性基板の電位が異なる理由は、プレート材質の
仕事関数の違いで説明できる。すなわち、異なる2つの
物質を接触させた場合、仕事関数の差だけ、ある物質か
ら別の物質へ電荷が移動しやすく、すなわち接触時の帯
電が発生しやすい。一方、仕事関数が近い2つの物質を
接触させた場合、電荷の移動量が少なく、すなわち帯電
しにくい。ガラス基板の仕事関数は図5から4.85e
Vであると確認できる。図5に示されているように、ガ
ラス基板の仕事関数と差が小さい仕事関数をもつ金属を
プレート金属に用いた方が、帯電しにくいことがわか
る。
【0015】さらに、図5において、プレート金属とし
てのAl、NiまたはAuの比較で、帯電量が異なる原
因は、ガラス基板の仕事関数とプレート金属の仕事関数
との差で説明できる。すなわち、ガラス基板の仕事関数
は4.85eVであるのに対し、Alの仕事関数は4.
0leV、Niの仕事関数は4.70eVであり、Au
の仕事関数は4.97eVである。つまり、ガラスの仕
事関数より小さい仕事関数のプレート材質では、接触さ
せた場合に、ガラスはマイナスに帯電し、ガラスの仕事
関数より大きな仕事関数のプレート材質では、接触させ
た場合に、ガラスはプラスに帯電する。接触材料間の仕
事関数差が大きいほど、絶対値の帯電量が大きくなるこ
とがわかる。このとき、たとえばガラス基板の仕事関数
とプレート金属の仕事関数との差が小さいというのは、
絶縁性基板の仕事関数に対して±0.2eV以内が望ま
しいことをいう。この範囲であれば電子の移動が小さい
からである。
【0016】このことから、絶縁性基板での静電気発生
を防止するためには、電子デバイスを製造する際に、電
子デバイスを構成する部品の1つである絶縁性基板に接
触する部材の材料として、絶縁性基板の仕事関数と等し
い仕事関数を有する金属、または絶縁性基板の仕事関数
の差が小さい仕事関数を有する金属を選べばよく、もし
くは、絶縁性基板の仕事関数と等しい仕事関数を有する
合金、または絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事
関数を有する合金を選べばよい。このような条件にもと
づき絶縁性基板に接触する部材の材料を選択することに
よって、絶縁性基板と該絶縁性基板に接触する部材との
あいだでの静電気の発生自体が防止できる。同時に、静
電気が発生しないので、絶縁性基板や該絶縁性基板に接
触する部材で発生した電荷を逃がすことや除電すること
を考慮する必要がなく、そのための手段を講じる必要も
なくなる。たとえ、絶縁性基板に少しの静電気が発生し
たとしても、接触部材は金属であり、移載および搬送装
置側から発生した静電気は効率的に逃がすことができ
る。さらに、絶縁性基板のみかけの電位を下げる効果も
ある。
【0017】本発明の請求項1にかかわる電子デバイス
の製造方法は、絶縁性基板上に素子を形成する工程を含
む電子デバイスの製造方法であって、前記絶縁性基板上
に素子を形成する工程において前記絶縁性基板に接触す
る部材の材料として、前記絶縁性基板の仕事関数と等し
い仕事関数を有する金属単体、および前記絶縁性基板の
仕事関数との差が小さい仕事関数を有する金属単体のう
ちの一方を用いるものである。
【0018】請求項2にかかわる電子デバイスの製造方
法においては、前記電子デバイスが液晶表示装置、カラ
ーフィルタ、半導体およびPDPのうちのいずれか1つ
である。
【0019】また、請求項3にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記部材の全体が、前記絶縁性基
板の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、およ
び前記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数を
有する金属単体のうちの一方からなるものである。
【0020】また、請求項4にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記部材の表面が、前記絶縁性基
板の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、およ
び前記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数を
有する金属単体のうちの一方からなるものである。
【0021】また、請求項5にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記金属単体としてBe、Cr、
Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、Rb、P
d、W、Re、OsおよびAuのうちのいずれか1つの
金属を用いる。
【0022】また、請求項6にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記金属単体は接地されている。
【0023】また、請求項7にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記金属単体は薬液または環境に
よる腐食および摩耗を受けにくい。
【0024】本発明の請求項8にかかわる電子デバイス
製造方法は絶縁性基板上に素子を形成する工程を含む電
子デバイスの製造方法であって、前記絶縁性基板上に素
子を形成する工程において前記絶縁性基板に接触する部
材の材料として、前記絶縁性基板の仕事関数と等しい仕
事関数を有する金属合金、および前記絶縁性基板の仕事
関数との差が小さい仕事関数を有する金属合金のうちの
一方を用いるものである。
【0025】請求項9にかかわる電子デバイスの製造方
法においては、前記電子デバイスが液晶表示装置、カラ
ーフィルタ、半導体およびPDPのうちのいずれか1つ
である。
【0026】また、請求項10にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の全体が、前記絶縁性
基板の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、お
よび前記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数
を有する金属合金のうちの一方からなるものである。
【0027】また、請求項11にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の表面が、前記絶縁性
基板の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、お
よび前記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数
を有する金属合金のうちの一方からなるものである。
【0028】また、請求項12にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金としてBe、C
r、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、R
b、Pd、W、Re、OsおよびAuの少なくとも2つ
の金属を合金して用いる。
【0029】また、請求項13にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金は接地されてい
る。
【0030】また、請求項14にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金は薬液または環境
による腐食および摩耗を受けにくい。
【0031】本発明の請求項15にかかわる電子デバイ
スの製造方法は、2枚の絶縁性基板上にそれぞれ素子を
形成する工程と、前記2枚の絶縁性基板を貼り合わせる
工程と、前記2枚の絶縁性基板のそれぞれの表面に偏光
板を貼り付ける工程とからなる電子デバイスの製造方法
であって、前記偏光板を貼り付ける工程および当該工程
以降に実施される工程において前記偏光板に接触する部
材の材料として、前記偏光板の仕事関数と等しい仕事関
数を有する金属、および前記偏光板の仕事関数との差が
小さい仕事関数を有する金属単体のうちの一方を用いる
ものである。
【0032】また、請求項16にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の全体が、前記偏光板
の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、および
前記偏光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
金属単体のうちの一方を用いるものである。
【0033】また、請求項17にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の表面が、前記偏光板
の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、および
前記偏光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
金属単体のうちの一方を用いるものである。
【0034】また、請求項18にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属単体としてBe、C
r、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、R
b、Pd、W、Re、OsおよびAuのうちのいずれか
1つの金属である。
【0035】また、請求項19にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属単体は接地されてい
る。
【0036】また、請求項20にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属単体は薬液または環境
による腐食および摩耗を受けにくい。
【0037】本発明の請求項21にかかわる電子デバイ
ス製造方法は、2枚の絶縁性基板上にそれぞれ素子を形
成する工程と、前記2枚の絶縁性基板を貼り合わせる工
程と、前記2枚の絶縁性基板のそれぞれの表面に偏光板
を貼り付ける工程とからなる電子デバイスの製造方法で
あって、前記偏光板を貼り付ける工程および当該工程以
降に実施される工程において前記偏光板に接触する部材
の材料として、前記偏光板の仕事関数と等しい仕事関数
を有する金属合金、および前記偏光板の仕事関数との差
が小さい仕事関数を有する金属合金のうちの一方を用い
るものである。
【0038】また、請求項22にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の全体が、前記偏光板
の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、および
前記偏光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
金属合金のうちの一方を用いるものである。
【0039】また、請求項23にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の表面が、前記偏光板
の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、および
前記偏光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
金属合金のうちの一方を用いるものである。
【0040】また、請求項24にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金としてBe、C
r、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、R
b、Pd、W、Re、OsおよびAuのうち少なくとも
2つの金属を合金して用いる。
【0041】また、請求項25にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金は接地されてい
る。
【0042】また、請求項26にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金は薬液または環境
による腐食および摩耗を受けにくい。
【0043】本発明の請求項27にかかわる電子デバイ
スの製造装置は、絶縁性基板上に素子を形成する電子デ
バイスの製造装置であって、該電子デバイスの製造装置
が前記絶縁性基板に接触する部材を含んでおり、該部材
が前記絶縁性基板の仕事関数と等しい仕事関数を有する
金属単体、および前記絶縁性基板の仕事関数との差が小
さい仕事関数を有する金属単体のうちの一方からなる。
【0044】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
の電子デバイスの製造方法および電子デバイスの製造装
置の実施の形態について説明する。
【0045】実施の形態1 本発明の電子デバイスの実施の形態1について説明す
る。
【0046】本実施の形態においては、本発明の電子デ
バイスの製造方法を絶縁性基板表面に素子を形成するた
めにレジスト液や現像液を塗布する工程で実施した場合
について説明する。図1は、本発明の電子デバイスの製
造方法の一実施の形態において用いられる固定チャック
を示す説明図である。図1(a)は固定チャックを示す
上面説明図であり、図1(b)は固定チャックを示す側
面説明図である。図1において、1は絶縁性基板の一例
としての、たとえば、ガラス基板である(図1(a)に
おいては、ガラス基板の位置を二点鎖線で示した)。5
はガラス基板1を真空吸着することで固定し、たとえ
ば、Al製部材である。6はアルミ製部材5の表面にめ
っきされたNiとAuの合金めっきコーティングであ
り、たとえば厚さ1μmである。4はガラス基板を真空
引きするための穴で、チャック中心部に設けられ、放射
状に広がった溝により、ガラス基板1を固定する。ガラ
ス基板1はNiとAuの合金めっきコーティング6に接
触して、ガラス基板表面に液が塗布され、その後回転す
る。この場合、ガラス基板1と接触する部材の材質がN
iとAuの合金めっきであるため、ガラス基板1は帯電
することがなく、したがって、発生した電荷を逃がした
り除電したりすることを考慮する必要がない。たとえ、
絶縁性基板に少しの静電気が発生したとしても、接触部
材は金属であり、移載および搬送装置側から発生した静
電気は効率的に逃がすことができる。さらに、絶縁性基
板のみかけの電位を下げる効果もある。また、合金めっ
きであるので、そのコーティング厚さも1μm以上と厚
いので、短期間でNiとAuの合金めっきコーティング
6が薬液または環境による腐食および摩耗を受けること
なく、下地のAlが露出してガラス基板1とAlが接触
するようになることがなく(ガラス基板1とAlとの接
触では帯電が生じやすい)、長時間安定して静電気の発
生を防止することができる。本実施の形態においては、
絶縁性基板に接触する部材の一例として固定チャックの
場合を説明したが、これに限定されない。
【0047】実施の形態2 つぎに、本発明の電子デバイスの製造方法の実施の形態
2について説明する。
【0048】本実験の形態においては、本発明の電子デ
バイスの製法を、電子デバイスの製造工程中に絶縁性基
板を搬送アームで搬送する際に実施した場合について説
明する。図2は、本発明の電子デバイスの製法の他の実
施の形態において用いられる搬送アームを示す説明図で
ある。図2(a)は搬送アームを示す上面説明図であ
り、図2(b)はその側面説明図である。図2におい
て、1は絶縁性基板の一例としての、たとえば、ガラス
基板である。2は処理が終了したガラス基板1を搬送す
るための搬送アーム、3は搬送アーム2上の4ケ所に設
置されたNiとAuの合金めっきコーティング製のOリ
ングである。4はガラス基板1を真空吸着するための孔
で、搬送アーム2の、Oリング3の中央の位置に設けら
れている。処理が終了したガラス基板1は、搬送アーム
2によって保持されて搬送されるが、その際ガラス基板
1と接触する部材はOリング3のみである、ガラス基板
1は真空吸着によりOリング3に密着しているので、滑
ることはない。ここで、ガラス基板1と唯一接触するO
リング3をNiとAuの合金めっきコーティングとして
おり、ガラス基板1とNiとAuの合金めっきとの接触
では両者間の電荷移動はほとんど生じないので、ガラス
基板1にもOリング3にも静電気が発生することがな
い。したがって、発生した静電気を逃がしたり除電した
りする方策を考慮する必要がない。本実施の形態では、
ガラス基板1を真空吸着した場合を示したが、Oリング
3上をガラス基板1が滑ることがない場合、あるいは滑
ってもよい場合には、真空吸着を行なわなくてもよく、
その場合前述した効果が損なわれることはない。また、
Oリング3の数を4箇所としたが、ガラス基板1を確実
に保持でき、しかもガラス基板1がNiとAuの合金め
っきコーティングOリング以外の材質と接触しないよう
になっていれば、4箇所でなくてもよく、同様の効果が
得られる。搬送アームは接地されており、Oリングの電
荷が逃げやすくなっているのは言うまでもない。本実施
の形態においては、絶縁性基板に接触部材の一例として
真空吸着のためのOリングの場合を説明したが、これに
限定されない。
【0049】実施の形態3 つぎに、本発明の電子デバイスの製造方法の実施の形態
3について説明する。
【0050】本実施の形態においては、本発明の電子デ
バイスの製法を、絶縁性基板を加熱プレート上で加熱す
る工程で実施した場合について説明する。図3は、本発
明の電子デバイスの製法のさらに他の実施の形態におい
て用いられる加熱するためのプレートを示す説明図であ
る。図3において、7は加熱プレートであり、たとえば
SUS製である。6は加熱プレート7の表面にコーティ
ングされたNiとAuの合金めっきコーティングであ
り、たとえば厚さ1μmである。加熱プレート7の内部
には図示しないヒータが設けられており、所望の温度に
設定できるようになっている。さらに加熱プレート7は
設置されている。加熱すべきガラス基板1はNiとAu
の合金めっきコーティング6に接触して、加熱される。
この場合、ガラス基板1と接触する材質がNiとAuの
合金めっきであるため、ガラス基板1は帯電することが
なく、したがって、発生した電荷を逃がしたり除電した
りすることを考慮する必要がない。たとえ、絶縁性基板
に少しの静電気が発生したとしても、接触部材は金属合
金であり、移載および搬送装置側から発生した静電気は
効率的に逃がすことができる。さらに、絶縁性基板のみ
かけの電位を下げる効果もある。また、コーティング厚
さが1μmと厚いので、短期間でNiとAuの合金めっ
きコーティング6が摩耗して下地のSUS(ステンレス
鋼)が露出してガラス基板1とSUSが接触するように
なることがなく(ガラス基板1とSUSとの接触では帯
電が生じやすい)、長時間安定して静電気の発生を防止
することができる。
【0051】前述の実施の形態1、2および3において
は、絶縁性基板に接触する部材の材質としてNiとAu
の合金めっきを用いた例を示したが、これに限定され
ず、絶縁性基板の仕事関数と等しい、または、絶縁性基
板の仕事関数と差が小さい金属(Be、Cr、Fe、C
o、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、Rb、Pd、W、
Re、OsまたはAu)、もしくは、絶縁性基板の仕事
関数と等しい、または、絶縁性基板の仕事関数と差が小
さい金属合金の(Be、Cr、Fe、Co、Ni、C
u、Ge、Mo、Ru、Rb、Pd、W、Re、Osま
たはAuうちの少なくとも2つの金属の合金)による部
材、または表面のコーティングを用いても絶縁性基板で
の静電気の発生を防止することができ、電子デバイスの
製造工程の歩留りを向上させることができる。
【0052】実施の形態4 つぎに、本発明の電子デバイスの製造方法の実施の形態
4について説明する。
【0053】本実施の形態においては、本発明の電子デ
バイスの製造方法を、液晶素子が形成された2枚の絶縁
性基板を貼り合わせた後、さらに偏光板を絶縁性基板の
表面に貼り付ける工程で実施した場合について説明す
る。図4は、本発明の電子デバイスの製造方法のさらに
他の実施の形態において用いられるローラを示す説明図
である。図4(a)は、2つのローラで絶縁性基板と偏
向板とを挟みこんでいるところを示す説明図であり、図
4(b)は図4(a)に示されるローラを拡大した図で
ある。このローラが偏光板に接触する部材である。図4
において、8は表面に素子が形成された2枚のガスラ基
板を貼り合わせることにより作成されたパネル、9は偏
光板であり、偏光板9はパネル8の表面に貼り付けられ
る。10は偏光板9をパネル8に貼り付けるためのロー
ラである。ローラの詳細説明図を図4(b)に示す。図
中、10aはローラの素材で、ゴム製である。10bは
ゴム製ローラ10aの表面にコーティングされたNiと
Auの合金めっきである。2つのローラ10の間にパネ
ル8と偏光板9をはさみ、ローラ10が回転することに
よってパネル8と偏光板が送られ、両者同士が貼り付け
られる。このとき、偏光板9と接触するのはローラ表面
のNiとAuの合金めっきコーティング10bであり、
実施の形態1〜3におけるガラス基板の場合と同様に、
偏光板9と、NiとAuの合金めっきコーティング10
bとの接触では電荷移動はほとんど発生しないために偏
光板9が帯電することはない。この場合、前述した実施
の形態1、2および3と同様な効果がある。また、実施
の形態1〜3の場合と同様に前述したNiとAuの合金
めっき以外でも、偏光板表面と等しい仕事関数を有する
金属単体、または、偏光板表面との仕事関数が小さい金
属単体、もしくは偏光板表面と等しい仕事関数を有する
金属合金、または、偏光板表面との仕事関数差が小さい
金属合金を用いて形成してもよい。
【0054】
【発明の効果】本発明の電子デバイスの製造方法におけ
る、移載および搬送装置の構成素材として、前述した材
質を用いることによって、静電気の発生が防止でき、発
生した電荷を逃がすことや除電することを考慮する必要
がなく、そのための手段を講じる必要もなくなる。その
結果、静電気の放電により絶縁性基板の表面に形成され
た素子や配線が不良になるのを防止することができ、電
子デバイスの歩留りを向上させることができる。
【0055】本発明の請求項1にかかわる電子デバイス
の製造方法は、絶縁性基板上に素子を形成する工程を含
む電子デバイスの製造方法であって、前記絶縁性基板上
に素子を形成する工程において前記絶縁性基板に接触す
る部材の材料として、前記絶縁性基板の仕事関数と等し
い仕事関数を有する金属単体、および前記絶縁性基板の
仕事関数との差が小さい仕事関数を有する金属単体のう
ちの一方を用いるものであるので、絶縁性基板と前記部
材とのあいだでの静電気の発生自体が防止できる効果を
奏する。
【0056】請求項2にかかわる電子デバイスの製造方
法においては、前記電子デバイスが液晶表示装置、カラ
ーフィルタ、半導体およびPDPのうちのいずれか1つ
であるので、静電気の発生自体が防止できる効果を奏す
る。
【0057】また、請求項3にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記部材の全体が、前記絶縁性基
板の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、およ
び前記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数を
有する金属単体のうちの一方からなるものであるので、
静電気の発生自体が防止できる効果を奏する。
【0058】また、請求項4にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記部材の表面が、前記絶縁性基
板の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、およ
び前記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数を
有する金属単体のうちの一方からなるものであるので、
静電気の発生自体が防止できる効果を奏する。
【0059】また、請求項5にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記金属単体としてBe、Cr、
Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、Rb、P
d、W、Re、OsおよびAuのうちのいずれか1つの
金属を用いるので、静電気の発生自体が防止できる効果
を奏する。
【0060】また、請求項6にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記金属単体は接地されているの
で、発生した静電気を効率的に逃すことができる効果を
奏する。
【0061】また、請求項7にかかわる電子デバイスの
製造方法においては、前記金属単体は薬液または環境に
よる腐食および摩耗を受けにくいので、長期間安定して
静電気の発生を防止できる。
【0062】本発明の請求項8にかかわる電子デバイス
製造方法は絶縁性基板上に素子を形成する工程を含む電
子デバイスの製造方法であって、前記絶縁性基板上に素
子を形成する工程において前記絶縁性基板に接触する部
材の材料として、前記絶縁性基板の仕事関数と等しい仕
事関数を有する金属合金、および前記絶縁性基板の仕事
関数との差が小さい仕事関数を有する金属合金のうちの
一方を用いるものであるので、絶縁性基板と前記部材と
のあいだでの静電気の発生自体が防止できる効果を奏す
る。
【0063】請求項9にかかわる電子デバイスの製造方
法においては、前記電子デバイスが液晶表示装置、カラ
ーフィルタ、半導体およびPDPのうちのいずれか1つ
であるので、静電気の発生自体が防止できる効果ととも
に、合金を用いると柔らかい金属を混ぜることで、傷が
つきにくくできる効果も奏する。
【0064】また、請求項10にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の全体が、前記絶縁性
基板の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、お
よび前記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数
を有する金属合金のうちの一方からなるものであるの
で、静電気の発生自体が防止できる効果とともに、合金
を用いると柔らかい金属を混ぜることで、傷がつきにく
くできる効果も奏する。
【0065】また、請求項11にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の表面が、前記絶縁性
基板の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、お
よび前記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数
を有する金属合金のうちの一方からなるものであるの
で、静電気の発生自体が防止できる効果とともに、合金
を用いると柔らかい金属を混ぜることで、傷がつきにく
くできる効果も奏する。
【0066】また、請求項12にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金としてBe、C
r、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、R
b、Pd、W、Re、OsおよびAuの少なくとも2つ
の金属を合金して用いるので、静電気の発生自体が防止
できる効果とともに、合金を用いると柔らかい金属を混
ぜることで、傷がつきにくくできる効果も奏する。
【0067】また、請求項13にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金は接地されている
ので、発生した静電気を効率的に逃すことができる効果
を奏する。
【0068】また、請求項14にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金は薬液または環境
による腐食および摩耗を受けにくいので、長期間安定し
て静電気の発生を防止できる効果を奏する。
【0069】本発明の請求項15にかかわる電子デバイ
スの製造方法は、2枚の絶縁性基板上にそれぞれ素子を
形成する工程と、前記2枚の絶縁性基板を貼り合わせる
工程と、前記2枚の絶縁性基板のそれぞれの表面に偏光
板を貼り付ける工程とからなる電子デバイスの製造方法
であって、前記偏光板を貼り付ける工程および当該工程
以降に実施される工程において前記偏光板に接触する部
材の材料として、前記偏光板の仕事関数と等しい仕事関
数を有する金属、および前記偏光板の仕事関数との差が
小さい仕事関数を有する金属単体のうちの一方を用いる
ものであるので、絶縁性基板と前記部材とのあいだでの
静電気の発生自体が防止できる効果を奏する。
【0070】また、請求項16にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の全体が、前記偏光板
の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、および
前記偏光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
金属単体のうちの一方を用いるものであるので、静電気
の発生自体が防止できる効果を奏する。
【0071】また、請求項17にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の表面が、前記偏光板
の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、および
前記偏光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
金属単体のうちの一方を用いるものであるので、静電気
の発生自体が防止できる効果を奏する。
【0072】また、請求項18にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属単体としてBe、C
r、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、R
b、Pd、W、Re、OsおよびAuのうちのいずれか
1つの金属であるので、静電気の発生自体が防止できる
効果を奏する。
【0073】また、請求項19にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属単体は接地されている
ので、発生した静電気を効率的に逃すことができる効果
を奏する。
【0074】また、請求項20にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属単体は薬液または環境
による腐食および摩耗を受けにくいので、長期間安定し
て静電気の発生を防止できる効果を奏する。
【0075】本発明の請求項21にかかわる電子デバイ
ス製造方法は、2枚の絶縁性基板上にそれぞれ素子を形
成する工程と、前記2枚の絶縁性基板を貼り合わせる工
程と、前記2枚の絶縁性基板のそれぞれの表面に偏光板
を貼り付ける工程とからなる電子デバイスの製造方法で
あって、前記偏光板を貼り付ける工程および当該工程以
降に実施される工程において前記偏光板に接触する部材
の材料として、前記偏光板の仕事関数と等しい仕事関数
を有する金属合金、および前記偏光板の仕事関数との差
が小さい仕事関数を有する金属合金のうちの一方を用い
るものであるので、絶縁性基板と前記部材とのあいだで
の静電気の発生自体が防止できる効果を奏する。
【0076】また、請求項22にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の全体が、前記偏光板
の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、および
前記偏光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
金属合金のうちの一方を用いるものであるので、静電気
の発生自体が防止できる効果とともに、合金を用いると
柔らかい金属を混ぜることで、傷がつきにくくできる効
果を奏する。
【0077】また、請求項23にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記部材の表面が、前記偏光板
の仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、および
前記偏光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
金属合金のうちの一方を用いるものであるので、静電気
の発生自体が防止できる効果とともに、合金を用いると
柔らかい金属を混ぜることで、傷がつきにくくできる効
果を奏する。
【0078】また、請求項24にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金としてBe、C
r、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、R
b、Pd、W、Re、OsおよびAuのうち少なくとも
2つの金属を合金して用いるので、静電気の発生自体が
防止できる効果とともに、合金を用いると柔らかい金属
を混ぜることで、傷がつきにくくできる効果を奏する。
【0079】また、請求項25にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金は接地されている
ので、発生した静電気を効率的に逃すことができる効果
を奏する。
【0080】また、請求項26にかかわる電子デバイス
の製造方法においては、前記金属合金は薬液または環境
による腐食および摩耗を受けにくいので、長期間安定し
て静電気の発生を防止できる効果を奏する。
【0081】本発明の請求項27にかかわる電子デバイ
スの製造装置は、絶縁性基板上に素子を形成する電子デ
バイスの製造装置であって、該電子デバイスの製造装置
が前記絶縁性基板に接触する部材を含んでおり、該部材
が前記絶縁性基板の仕事関数と等しい仕事関数を有する
金属単体、および前記絶縁性基板の仕事関数との差が小
さい仕事関数を有する金属単体のうちの一方からなるの
で、絶縁性基板と前記部材とのあいだでの静電気の発生
自体が防止できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子デバイスの製造方法の一実施の
形態において用いられる固定チャックを示す説明図であ
る。
【図2】 本発明の電子デバイスの製造方法の他の実施
の形態において用いられる搬送アームを示す説明図であ
る。
【図3】 本発明の電子デバイスの製造方法のさらに他
の実施の形態において用いられる加熱プレートを示す説
明図である。
【図4】 本発明の電子デバイスの製造方法のさらに他
の実施の形態において用いられるローラを示す説明図で
ある。
【図5】 各々のプレート材質の仕事関数とガラス基板
の接触帯電量の関係を示す説明図である。
【図6】 従来の移載および搬送装置の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板、3 Oリング、6 NiとAuの合金
めっきコーティング、8 パネル、9 偏光板、10
ローラ。
フロントページの続き (72)発明者 塚崎 尚 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高橋 勝徳 熊本県菊池郡西合志町御代志997番地 株 式会社アドバンスト・ディスプレイ内 (72)発明者 窄口 哲也 熊本県菊池郡西合志町御代志997番地 株 式会社アドバンスト・ディスプレイ内 (72)発明者 大石 貴之 熊本県菊池郡西合志町御代志997番地 株 式会社アドバンスト・ディスプレイ内 Fターム(参考) 5F031 BB09 BC01 CC12 FF01 KK06 MM06

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に素子を形成する工程を含
    む電子デバイスの製造方法であって、前記絶縁性基板上
    に素子を形成する工程において前記絶縁性基板に接触す
    る部材の材料として、前記絶縁性基板の仕事関数と等し
    い仕事関数を有する金属単体、および前記絶縁性基板の
    仕事関数との差が小さい仕事関数を有する金属単体のう
    ちの一方を用いる電子デバイスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電子デバイスが液晶表示装置、カラ
    ーフィルタ、半導体およびPDPのうちのいずれか1つ
    である請求項1記載の電子デバイスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記部材の全体が、前記絶縁性基板の仕
    事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、および前記
    絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
    金属単体のうちの一方からなる請求項1記載の電子デバ
    イスの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記部材の表面が、前記絶縁性基板の仕
    事関数と等しい仕事関数を有する金属単体、および前記
    絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する
    金属単体のうちの一方からなる請求項1記載の電子デバ
    イスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属単体としてBe、Cr、Fe、
    Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、Rb、Pd、
    W、Re、OsおよびAuのうちのいずれか1つの金属
    を用いる請求項1、3または4記載の電子デバイスの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属単体は接地されていることを特
    徴とする、請求項1、3または4記載の電子デバイスの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記金属単体は薬液または環境による腐
    食および摩耗を受けにくい請求項1、3または4記載の
    電子デバイスの製造方法。
  8. 【請求項8】 絶縁性基板上に素子を形成する工程を含
    む電子デバイスの製造方法であって、前記絶縁性基板上
    に素子を形成する工程において前記絶縁性基板に接触す
    る部材の材料として、前記絶縁性基板の仕事関数と等し
    い仕事関数を有する金属合金、および前記絶縁性基板の
    仕事関数との差が小さい仕事関数を有する金属合金のう
    ちの一方を用いる電子デバイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電子デバイスが液晶表示装置、カラ
    ーフィルタ、半導体およびPDPのうちのいずれか1つ
    である請求項8記載の電子デバイスの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記部材の全体が、前記絶縁性基板の
    仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、および前
    記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有す
    る金属合金のうちの一方からなる請求項8記載の電子デ
    バイスの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記部材の表面が、前記絶縁性基板の
    仕事関数と等しい仕事関数を有する金属合金、および前
    記絶縁性基板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有す
    る金属合金のうちの一方からなる請求項8記載の電子デ
    バイスの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記金属合金としてBe、Cr、F
    e、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、Rb、P
    d、W、Re、OsおよびAuのうちの少なくとも2つ
    の金属を合金して用いる請求項8、10または11記載
    の電子デバイスの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記金属合金は接地されていることを
    特徴とする、請求項8、10または11記載の電子デバ
    イス装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記金属合金は薬液または環境による
    腐食および摩耗を受けにくい請求項8、10または11
    記載の電子デバイスの製造方法。
  15. 【請求項15】 2枚の絶縁性基板上にそれぞれ素子を
    形成する工程と、前記2枚の絶縁性基板を貼り合わる工
    程と、前記2枚の絶縁性基板のそれぞれの表面に偏光板
    を貼り付ける工程とからなる電子デバイスの製造方法で
    あって、前記偏光板を貼り付ける工程および当該工程以
    降に実施される工程において前記偏光板に接触する部材
    の材料として、前記偏光板の仕事関数と等しい仕事関数
    を有する金属単体、および前記偏光板の仕事関数との差
    が小さい仕事関数を有する金属単体のうちの一方を用い
    る電子デバイスの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記部材の全体が、前記偏光板の仕事
    関数と等しい仕事関数を有する金属単体、および前記偏
    光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する金属単
    体のうち一方からなる請求項15記載の電子デバイスの
    製造方法。
  17. 【請求項17】 前記部材の表面が、前記偏光板の仕事
    関数と等しい仕事関数を有する金属単体、および前記偏
    光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する金属単
    体のうち一方からなる請求項15記載の電子デバイスの
    製造方法。
  18. 【請求項18】 前記金属単体としてBe、Cr、F
    e、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、Rb、P
    d、W、Re、OsおよびAuのうちのいずれか1つの
    金属を用いる請求項15、16または17記載の電子デ
    バイスの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記金属単体は接地されていることを
    特徴とする、請求項15、16または17記載の電子デ
    バイスの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記金属単体は薬液または環境による
    腐食および摩耗を受けにくい請求項15、16または1
    7記載の電子デバイスの製造方法。
  21. 【請求項21】 2枚の絶縁性基板上にそれぞれ素子を
    形成する工程と、前記2枚の絶縁性基板を貼り合わる工
    程と、前記2枚の絶縁性基板のそれぞれの表面に偏光板
    を貼り付ける工程とからなる電子デバイスの製造方法で
    あって、前記偏光板を貼り付ける工程および当該工程以
    降に実施される工程において前記偏光板に接触する部材
    の材料として、前記偏光板の仕事関数と等しい仕事関数
    を有する金属合金、および前記偏光板の仕事関数との差
    が小さい仕事関数を有する金属合金のうちの一方を用い
    る電子デバイスの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記部材の全体が、前記偏光板の仕事
    関数と等しい仕事関数を有する金属合金、および前記偏
    光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する金属合
    金のうちの一方からなる請求項21記載の電子デバイス
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記部材の表面が、前記偏光板の仕事
    関数と等しい仕事関数を有する金属合金、および前記偏
    光板の仕事関数との差が小さい仕事関数を有する金属合
    金のうちの一方からなる請求項21記載の電子デバイス
    の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記金属合金としてBe、Cr、F
    e、Co、Ni、Cu、Ge、Mo、Ru、Rb、P
    d、W、Re、OsおよびAuのうちの少なくとも2つ
    の金属を合金して用いる請求項21、22または23記
    載の電子デバイスの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記金属合金は接地されていることを
    特徴とする請求項19、20または21記載の電子デバ
    イスの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記金属合金は薬液または環境による
    腐食および摩耗を受けにくい請求項19、20または2
    1記載の電子デバイスの製造方法。
  27. 【請求項27】 絶縁性基板上に素子を形成する電子デ
    バイスの製造装置であって、該電子デバイスの製造装置
    が前記絶縁性基板に接触する部材を含んでおり、該部材
    が前記絶縁性基板の仕事関数と等しい仕事関数を有する
    金属単体、および前記絶縁性基板の仕事関数との差が小
    さい仕事関数を有する金属単体のうちの一方からなる電
    子デバイスの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007059704A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Sumco Corp 貼合せ基板の製造方法及び貼合せ基板

Cited By (1)

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JP2007059704A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Sumco Corp 貼合せ基板の製造方法及び貼合せ基板

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