JP2000012436A - X線マスク及びこれを用いたx線露光方法 - Google Patents

X線マスク及びこれを用いたx線露光方法

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恒之 芳賀
Makoto Fukuda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微細パタン及び大パタンの両者を良好に形成す
ることができるX線マスク及びこれを用いたX線露光方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】シリコン枠1、シリコンカーバイドのメン
ブレン2、タンタル化合物のX線吸収体層3を用い、X
線吸収体層3は微細パタン形成部3Aと大パタン形成部
3Bとを有し、微細パタン形成部3Aにパタン寸法が2
00nm以下の微細パタン4が形成され、大パタン形成
部3Bにはアライメントマーク5が形成され、アライメ
ントマーク5のX線を透過すべき領域の内部は200n
m以下である微細パタンの集合体で形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線リソグラフィ
に使用されるX線マスク及びこれを用いたX線露光方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路やメモリ素子等の
高集積化が目覚ましい速度で実現されている。これを技
術的に支えているのは、これらの素子に対応するパタン
をシリコン基板等の被露光基板に形成するリソグラフィ
技術の進歩である。工業用には、これまで紫外線を光源
とした光リソグラフィが主に用いられてきており、光源
の波長を超高圧水銀灯のg線436nm,i線365n
m,KrFエキシマレーザーの248nmと短くするこ
とにより解像性を向上してきた。将来は、さらに波長の
短い波長193nmのArFエキシマレーザーの使用や
波長1nm程度の軟X線を光源としたX線リソグラフィ
の使用が予測されている。
【0003】X線リソグラフィは、形成すべきパタンの
原版となるX線マスクを、被露光基板と数10μm以下
の近接ギャップで位置合わせした後、これに光源のX線
を一括的に照射して被露光基板に塗布したレジストを感
光させる手法を用いている。X線マスクはX線を良く透
過する軽元素材料からなる薄膜のメンブレンと、この上
に形成されたX線を吸収する重金属膜のX線吸収体パタ
ンとがシリコン基板により支持される構造となってい
る。
【0004】X線露光では、一般に吸収体パタンのエッ
ジでの回折の影響が無視できる大きなパタンの中央部、
例えば数μm以上の幅を持つ、抜き及び残しパタンの中
央部におけるX線強度比(メンブレンパタン部を透過し
たX線強度/吸収体パタン部を透過したX線強度)をマ
スクコントラストと定義している。マスクコントラスト
は露光に際して、転写パタンの品質を決める重要な項目
となる。最近、200nm以下の微細パタンを転写する
ためのX線マスクのマスクコントラストとしては4以下
の低コントラストが適していることが知られている。こ
れは基本的なパタン寸法が200nm以下である微細パ
タンにおいては、吸収体部を位相変化を伴いながら透過
したX線と吸収体との境界で回折を起こしながらメンブ
レン部を透過するX線が相互干渉し、実効的なマスクコ
ントラストを高くする方向に働くためである。この結
果、微細パタンに対応するX線強度は微細パタンより大
きな寸法の大パタンに対応するX線強度より強くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】微細パタンと大パタン
が同一面内に含まれたX線マスクを用いて、両パタンを
同時に露光しようとした場合、微細パタンを形成するに
適した露光量は、先に述べたように微細パタンに対応す
るX線強度が大パタンに対応するX線強度より強いため
に、大パタンに適した露光量よりも小さい値となる。言
い換えれば、微細パタンの形成に適した露光量では、大
パタンはアンダー露光となり良好にパタンが形成できな
いという問題がある。
【0006】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、微細パタン及び大パタンの両者を良好に形
成することのできるX線マスク及びこれを用いたX線露
光方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明においては、基本的なパタン寸法が200n
m以下である微細パタンと、前記微細パタンより大きな
寸法の大パタンを同一面内に含むX線マスクにおいて、
前記大パタンのなかでX線を透過すべき領域の内部を2
00nm以下である微細パタンの集合体で形成する。
【0008】また、前記大パタンをステッパのアライメ
ント用のアライメントマークとする。
【0009】また、前記のX線マスクを用い、微細パタ
ンの形成に適した露光量で露光するX線露光方法を用い
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るX線マスクの
実施の形態を示す模式図である。図1(a)に示すよう
に、1はシリコン枠、2はシリコンカーバイドのメンブ
レン、3はタンタル化合物のX線吸収体層であり、X線
吸収体層3は微細パタン形成部3Aと大パタン形成部3
Bとを有し、微細パタン形成部3Aには、図1(b)に
示すような100nm幅のライン(吸収体部)と100
nm幅のスペース(メンブレン部)を持つラインアンド
スペースパタンからなる微細パタン(LSIパタン)4
が形成される。X線吸収体層3の膜厚は300nmと
し、このときのマスクコントラストは2.5であった。
さらに、大パタン形成部3Bには図1(c)に示すよう
な大パタンであるアライメントマーク5が形成され、ア
ライメントマーク5のX線を透過すべき領域の内部は2
00nm以下である微細パタンの集合体で形成されてい
る。すなわち、図2に示す従来のアライメントマーク6
のような2μm幅のライン(吸収体部)と2μm幅のス
ペース(メンブレン部)を持つラインアンドスペースパ
タン(100nmに比べて十分大きい大パタン)に対し
て、図1(c)のアライメントマーク5は、2μm幅の
ラインは従来の大パタンのままにX線吸収体層3を残
し、X線を透過すべき2μm幅のスペースを、ライン幅
とスペース幅がそれぞれ100nmの微細パタンのライ
ンアンドスペース10組で埋め尽くす構成とした。
【0011】図1に示すX線マスクを用いてレジストが
塗布されたウエハにX線を露光するX線露光方法を説明
する。マスクとウエハの露光ギャップは15μmにセッ
トした。レジストには化学増幅系ポジ型レジストのUV
II-HS(シップレイ株式会社)を用いた。本レジスト
のX線感度は、通常のX線露光における大パタンのメン
ブレン部(X線透過パタン)のレジストが溶解して残膜
がゼロとなるD0感度で、250mJ/cm2であった。
しかし、本発明の露光量は、D0感度より小さい180
mJ/cm2とした。それにもかかわらず100nmのラ
インアンドスペースパタンからなる微細パタン4及びこ
れと同じラインアンドスペースの集合体で構成されたア
ライメントマーク5もレジストパタンとして良好に形成
された。これは、微細パタンを形成した大パタンにおい
ては吸収体部における透過X線の位相シフトとメンブレ
ン部における回折およびこれらの相互干渉に起因して、
微細パタンを形成しない大パタンに比べてX線強度が強
められるためである。
【0012】引き続き、レジストパタンをエッチングマ
スクとして下地膜のエッチングを行い良好な結果を得
た。次の露光工程で必要となるアライメントマークも1
00nmラインアンドスペースの集合体パタンとして形
成された。引き続き、レジストを塗布し、次の工程の露
光を行った。このとき、上記アライメントマーク5を用
いることにより、従来の図2に示す2μm幅のラインア
ンドスペースパタンからの1次回折光を検出するアライ
メントマーク6に代わり、2μmのスペース部を100
nmラインアンドスペースで埋め尽くしたアライメント
マーク5を用いると、検出信号レベルは低下するもの
の、2μmのラインアンドスペースパタンからの回折光
と同様にアライメントが可能であった。これは、100
nmのラインアンドスペースからの回折光の回折角が2
μmラインアンドスペースからの回折角よりも十分大き
いために、アライメントマーク5が見かけ上2μmライ
ンアンドペースと同じに働くからである。
【0013】一方、図2に示す従来のアライメントマー
ク6を含むX線マスクを用いた露光では、2μm幅のラ
インアンドスペースのアライメントマーク6に対する適
正露光量はD0の250mJ/cm2より大きい値が要求
されるため、180mJ/cm2の露光量ではアライメン
トマーク6が形成されない問題があった。そのため、露
光量を250mJ/cm2に増やすとアライメントマーク
6は良好に形成されるものの、微細パタン4がオーバー
露光となりパタン流れが起こり、良好なパタンは形成で
きなかった。
【0014】上述のように、本発明により通常の大パタ
ンを露光する場合に必要な露光量(250mJ/cm2
より小さい露光量(180mJ/cm2)で露光すること
が可能となった。
【0015】なお、本実施の形態では微細パタン4を1
00nmのラインアンドスペースパタンとしたが、20
0nm以下のラインアンドスペースパタン、ホールパタ
ン及び2次元の周期パタンであってもよく、また、アラ
イメントマーク5のスペース部に設けた微細パタンの線
幅を60〜200nmの範囲の適当な値に調整すること
により同様な結果が得られる。この場合、微細パタン4
の適正露光量と大パタン(アライメントマーク5)の適
正露光量とが一致するようにする。さらに、ラインアン
ドスペースのピッチも1:1である必要はない。また、
アライメントマークの寸法は2μmであったが、1μm
程度以上であれば同様の結果が得られる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るX線
マスク及びこれを用いたX線露光方法においては、基本
的なパタン寸法が200nm以下である微細パタンと、
これより大きな寸法の大パタンを同一面上に含むX線マ
スクにおいて、前記大パタンのなかでX線を透過すべき
領域の内部が微細パタンの集合体で形成されているよう
な構成とし、また、前記X線マスクを用いたX線露光方
法により、従来、微細パタンに適した露光量では大パタ
ンが形成できなかったが、本発明では大パタンも微細パ
タンと同じ露光量で形成が可能となる。そのうえ、通常
のX線マスクの大パタンを露光するに必要な露光量より
遥かに小さい露光量でパタン形成が可能となり、微細パ
タン及び大パタンの両者を良好に形成することができ
る。このことは、スループットの改善にも大きく寄与す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線マスクの実施の形態を示す模
式図である。
【図2】従来のX線マスクのアライメントマーク(大パ
タン)を示す模式図である。
【符号の説明】
1……シリコン枠 2……メンブレン 3……X線吸収体層 3A…微細パタン形成部 3B…大パタン形成部 4……微細パタン 5……アライメントマーク 6……アライメントマーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳賀 恒之 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 福田 真 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H095 BA10 BC09 BE03 BE09 2H097 BB01 CA15 GB01 JA02 KA03 KA12 LA10 5F046 DA02 EA03 EA09 GA14 GD01 GD03 GD09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基本的なパタン寸法が200nm以下であ
    る微細パタンと、前記微細パタンより大きな寸法の大パ
    タンを同一面内に含むX線マスクにおいて、前記大パタ
    ンのなかでX線を透過すべき領域の内部が200nm以
    下である微細パタンの集合体で形成されていることを特
    徴とするX線マスク。
  2. 【請求項2】前記大パタンがステッパのアライメント用
    のアライメントマークであることを特徴とする請求項1
    に記載のX線マスク。
  3. 【請求項3】基本的なパタン寸法が200nm以下であ
    る微細パタンと、前記微細パタンより大きな寸法の大パ
    タンとを同時に転写するX線露光方法において、請求項
    1または2に記載のX線マスクを用い、前記微細パタン
    の形成に適した露光量で露光することを特徴とするX線
    露光方法。
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