JP2000012345A - トランス用ボビンおよびトランス - Google Patents

トランス用ボビンおよびトランス

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JP2000012345A
JP2000012345A JP10176816A JP17681698A JP2000012345A JP 2000012345 A JP2000012345 A JP 2000012345A JP 10176816 A JP10176816 A JP 10176816A JP 17681698 A JP17681698 A JP 17681698A JP 2000012345 A JP2000012345 A JP 2000012345A
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bobbin
transformer
insulating
winding
winding frame
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JP10176816A
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Tomoaki Yajima
智明 矢島
Hideaki Takahashi
秀彰 高橋
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Japan Radio Co Ltd
NEC Corp
Nagano Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
NEC Corp
Nagano Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産コストを低減しつつ、巻線間、並びに巻
線およびコア部材間の絶縁耐圧性を向上させる。 【解決手段】 無底筒状に形成されると共にその内側空
間2bにコア部材を挿入可能であって、かつ第1の導線
を巻き回し可能に構成された内側巻枠2と、無底筒状に
形成されると共にその内側空間3bに第1の導線を巻き
回した状態の内側巻枠2を挿入可能であって、かつ第2
の導線を巻き回し可能に構成された外側巻枠3とを備え
てなるトランス用ボビン1において、両巻枠2,3にそ
れぞれ巻き回した第1および第2の導線間の沿面距離
と、挿入された状態のコア部材および両導線の少なくと
も一方の間の沿面距離とのいずれか一方または両方を延
長するための絶縁用巻枠ケース4,5を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランス用のボビ
ン、およびこれを用いたトランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボビンに巻き回された一次巻線の周りに
絶縁紙が巻き回され、その絶縁紙の周りに二次巻線がさ
らに巻き回され、かつ両巻線の巻き崩れを防止すると共
に絶縁耐圧性を高めるために巻線全体を絶縁性樹脂で塗
り固めたトランスが従来から知られている。このトラン
スは、構造が単純で部品数が少ない反面、絶縁紙を介し
て一次巻線の上に二次巻線を巻き回すため、二次巻線を
整然と巻き回すのが困難であると共に、絶縁性樹脂が硬
化するまでに長時間を要するなどの問題点がある。
【0003】一方、これらの問題点を解決したボビンを
用いたトランスとして、図10,11に示すトランス4
1が知られている。このトランス41は、両図に示すよ
うに、U形のフェライトコア12a,12b(以下、特
に区別しないときには「フェライトコア12」ともい
う)、締付用バンド13、およびボビン31を備えて構
成されている。この場合、締付用バンド13は、ボルト
13aを締め付けることにより、フェライトコア12
a,12bの互いの接合面を密着させると共に、トラン
ス41を固定板15に固定し、さらに、アース線17と
フェライトコア12a,12bとを端子16を介して電
気的に接続する。
【0004】ボビン31は、いわゆる内外ボビンと呼ば
れ、図12に示すように、樹脂製の内側巻枠32および
外側巻枠33を備えて構成されている。内側巻枠32
は、無底筒状に形成され外側に一次巻線W1が巻き回さ
れると共に内側空間のフェライトコア挿入用孔32bに
フェライトコア12a,12bを挿入可能なベース部3
2aと、ベース部32aの両端部にそれぞれ形成された
鍔部32c,32dと、鍔部32dに形成され端子6
a,6bを固定するための端子固定部32eとを備えて
いる。一方、外側巻枠33は、無底筒状に形成され外側
に二次巻線W2が巻き回されると共に内側空間の内側巻
枠挿入用孔33bに二次巻線W2を巻き回した状態の内
側巻枠32を挿入可能なベース部33aと、ベース部3
3aの両端部にそれぞれ形成された鍔部33c,33d
と、鍔部33cに形成され端子6c,6dを固定するた
めの端子固定部33eとを備えている。
【0005】トランス41を製作する場合には、まず、
図12に示すように、内側巻枠32および外側巻枠33
に一次巻線W1および二次巻線W2をそれぞれ巻き回
す。次に、一次巻線W1の両端を端子6a,6bにそれ
ぞれ半田付けすると共に、二次巻線W2の両端を端子6
c,6dにそれぞれ半田付けする。次いで、同図の矢印
Aの方向から内側巻枠32を外側巻枠33の内側巻枠挿
入用孔33bに挿入する。この後、フェライトコア12
a,12bをフェライトコア挿入用孔32bの両端から
それぞれ挿入し、締付用バンド13によって接合面を互
いに密着させることにより、図11に示すトランス41
が完成する。
【0006】このように、このトランス41のボビン3
1では、一次巻線W1および二次巻線W2を内側巻枠3
2および外側巻枠33にそれぞれ別個独立して巻き回す
ことにより、二次巻線W2の巻き崩れが防止されると共
に、絶縁紙の巻き回し工程や絶縁性樹脂の塗り固め工程
が不要となる。このため、トランス41を製作する際の
作業効率を向上させることができると共に、短時間でか
つ容易にトランス41を製作することができる。
【0007】また、ボビン31では、図13に示すよう
に、内側巻枠32の鍔部32dが高背に形成されると共
に、外側巻枠33の鍔部33cがベース部33aの内側
巻枠挿入用孔33b側に突出するように形成されてい
る。したがって、外側巻枠33の内側巻枠挿入用孔33
bに内側巻枠32を挿入した状態では、外側巻枠33の
鍔部33dの外壁と内側巻枠32の鍔部32dの内壁と
が互いに重なり合い、かつ、内側巻枠32の鍔部32c
の外壁と外側巻枠33の鍔部33cの内壁とが互いに重
なり合う。なお、同図は、ボビン31の構造についての
理解を容易にするために、内側巻枠32、外側巻枠33
およびフェライトコア12a,12bのそれぞれの間隔
を実際よりも広く図示し、かつ、端子固定部32e,3
3eおよび締付用バンド13などの図示を省略してい
る。この場合、鍔部32c,33cおよび鍔部32d,
33dが重なり合わないように形成されているときに
は、一次巻線W1とフェライトコア12との沿面距離
が、同図の矢印C1,C2で示すように短いのに対し
て、このボビン31では、一次巻線W1とフェライトコ
ア12との沿面距離が、同図の矢印D1,D2で示すよ
うにやや長めとなる。このため、前述したように、トラ
ンス41を製作する際の作業性が向上されると共に、一
次巻線W1とフェライトコア12との間の絶縁耐圧性が
向上されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のトラ
ンス41に用いられているボビン31には、以下の問題
点がある。すなわち、従来のボビン31では、内側巻枠
32および外側巻枠33を用いることにより、一次巻線
W1および二次巻線W2の間の絶縁耐圧性、並びに、一
次巻線W1およびフェライトコア12の間の絶縁耐圧性
を低下させることなく、作業性の向上を図ろうとしてい
る。しかし、落雷などに起因して一次巻線W1の両端に
高電圧が印加された場合には、図13の矢印E1,E2
で示す一次巻線W1および二次巻線W2の間の沿面距
離、および同図の矢印D1,D2で示す一次巻線W1お
よびフェライトコア12の間の沿面距離では、依然とし
て足りず、これらの間で短絡事故などが発生することが
ある。このため、従来のボビンには、短絡事故などに起
因して、内側巻枠32や外側巻枠33が破壊されたり、
最悪の場合には、ボビン31が発火したりするという問
題点がある。
【0009】この場合、一次巻線W1および二次巻線W
2の間、並びに一次巻線W1およびフェライトコア12
の間を絶縁性樹脂で塗り固めることによって絶縁耐圧性
を向上させることも考えられる。しかし、この方法で
は、絶縁性樹脂を均一な厚さで塗り固めることが困難で
あるため、絶縁耐圧性にばらつきが生じるという問題が
生じるのに加えて、短時間でかつ容易にトランス41を
製作するという当初の目的に反することになる。
【0010】また、一般的には、落雷などに起因する高
電圧が一次巻線W1に印加され易い。したがって、従来
のボビン31では、外側巻枠33に巻き回した導線およ
びフェライトコア12間の距離が短いため、外側巻枠3
3に一次巻線W1を巻き回すのは問題がある。このた
め、必然的に、一次巻線W1を内側巻枠32に巻き回さ
ざるを得ない。この場合、一次巻線W1が比較的熱を発
生し易いため、ボビン31内に熱が籠もり易いという問
題点もある。
【0011】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、生産コストを低減しつつ、巻線間、並びに
巻線およびコア部材間の絶縁耐圧性を向上させることが
可能なトランス用ボビンおよびトランスを提供すること
を主目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載のトランス用ボビンは、無底筒状に形成され
ると共にその内側空間にコア部材を挿入可能であって、
かつ第1の導線を巻き回し可能に構成された内側巻枠
と、無底筒状に形成されると共にその内側空間に第1の
導線を巻き回した状態の内側巻枠を挿入可能であって、
かつ第2の導線を巻き回し可能に構成された外側巻枠と
を備えてなるトランス用ボビンにおいて、両巻枠にそれ
ぞれ巻き回した第1および第2の導線間の沿面距離と、
挿入された状態のコア部材および両導線の少なくとも一
方の間の沿面距離とのいずれか一方または両方を延長す
るための絶縁用巻枠ケースを備えていることを特徴とす
る。
【0013】請求項2記載のトランス用ボビンは、請求
項1記載のトランス用ボビンにおいて、外側巻枠は、巻
き回された第2の導線の脱落を防止するための鍔部が両
端部に沿ってそれぞれ形成され、絶縁用巻枠ケースは、
外側巻枠の一方の鍔部を嵌入可能な溝部が形成された第
1の絶縁ケース用部材と、外側巻枠の他方の鍔部を嵌入
可能な溝部が形成された第2の絶縁ケース用部材とを備
えて構成され、両溝部をそれぞれ形成する両絶縁ケース
用部材の内壁と外側巻枠の内壁とで内側巻枠を挿入可能
な内側空間が形成されることを特徴とする。
【0014】請求項3記載のトランス用ボビンは、請求
項2記載のトランス用ボビンにおいて、両絶縁ケース用
部材は、外側巻枠の両鍔部側から互いに嵌め合わせるこ
とにより外側巻枠を把持しつつ一体化可能に形成されて
いることを特徴とする。
【0015】請求項4記載のトランス用ボビンは、請求
項2または3記載のトランス用ボビンにおいて、絶縁用
巻枠ケースには、外側巻枠に巻き回された第2の導線に
生じた熱を放熱するための放熱用孔が形成されているこ
とを特徴とする。
【0016】請求項5記載のトランスは、請求項1から
4のいずれかに記載のトランス用ボビンを用いて構成し
たことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るトランス用ボビンを用いたトランスの好適な実
施の形態について説明する。なお、従来のボビン31お
よびトランス41と同一の機能を有する構成要素につい
ては、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0018】最初に、トランス11の構成について、図
面を参照して説明する。
【0019】トランス11は、図1,9に示すように、
フェライトコア12a,12b、締付用バンド13、絶
縁フィルム14、およびボビン1を備えて構成されてい
る。この場合、絶縁フィルム14には、絶縁耐圧性の高
いポリエステルフィルムが用いられている。
【0020】ボビン1は、図2に示すように、内側巻枠
2、外側巻枠3、およびケース4,5を備えており、全
体として樹脂材料で形成されている。内側巻枠2は、無
底筒状に形成され外側に二次巻線W2が巻き回されると
共に内側空間のフェライトコア挿入用孔2bにフェライ
トコア12a,12bを挿入可能なベース部2aと、ベ
ース部2aの両端部にそれぞれ形成された鍔部2c,2
dと、鍔部2cに形成され端子6c,6dを固定するた
めの端子固定部2eとを備えている。一方、外側巻枠3
は、無底筒状に形成され外側に一次巻線W1が巻き回さ
れると共に内側空間の内側巻枠挿入用孔3bに二次巻線
W2を巻き回した状態の内側巻枠2を挿入可能なベース
部3aと、ベース部3aの両端部にそれぞれ形成された
鍔部3c,3dとを備えている。
【0021】ケース4,5は、本発明における第1およ
び第2の絶縁ケース用部材にそれぞれ相当し、同図に示
すように、ケース4には、内側絶縁壁4a、外側絶縁壁
4b、フラップ部4c、切欠部4d,4d,4d、およ
び端子6aを固定するための端子固定部4eが形成さ
れ、ケース5には、内側絶縁壁5a、外側絶縁壁5b、
フラップ部5c、切欠部5d,5d,5d、および端子
6bを固定するための端子固定部5eが形成されてい
る。この場合、図7に示すように、ケース4の内側絶縁
壁4aと外側絶縁壁4bとで、外側巻枠3の鍔部3cを
嵌入可能な溝部4fが形成されており、この溝部4fに
鍔部3cを嵌入した状態では、図5に示すように、内側
絶縁壁4aと外側巻枠3のベース部3aの内壁とが面一
となる。また、同様にして、図2に示すように、ケース
5の内側絶縁壁5aと外側絶縁壁5bとで、外側巻枠3
の鍔部3dを嵌入可能な溝部5fが形成されており、こ
の溝部5fに鍔部3dを嵌入した状態では、内側絶縁壁
5aと外側巻枠3のベース部3aの内壁とが面一とな
る。
【0022】フラップ部4c,5cは、外側巻枠3の鍔
部3c,3d側からケース4,5を互いに嵌め合わせる
ことにより、図5に示すように、外側巻枠3を把持しつ
つケース4,5を一体化可能に形成されている。切欠部
4d,4d,4d,5d,5d,5dは、ケース4,5
を互いに嵌め合わせた状態において、図1に示すよう
に、放熱用孔7,7,7(同図において紙面奥側の放熱
用孔7は図示せず)を形成する。
【0023】次に、トランス11の組立方法について、
図面を参照して説明する。
【0024】まず、図3に示すように、内側巻枠2に二
次巻線W2を巻き回すと共に、外側巻枠3に一次巻線W
1を巻き回す。次に、外側巻枠3に巻き回した一次巻線
W1の周りに、絶縁フィルム14を巻き回す。次いで、
図4に示すように、ケース4,5を矢印G,Hの方向か
ら外側巻枠3を包み込むようにして互いに嵌め合わせた
後に、一次巻線W1の両端を端子6a,6bにそれぞれ
半田付けする。続いて、図5に示すように、二次巻線W
2を端子6c,6dに半田付けした後、同図の矢印Iの
方向から内側巻枠2を外側巻枠3の内側巻枠挿入用孔3
bに挿入する。これにより、図6に示すように、内側巻
枠2、外側巻枠3およびケース4,5が一体化すること
により、ボビン1が形成される。この後、フェライトコ
ア12a,12bの各々の一端(同図において上端)
を、同図の矢印J,Kの方向から内側巻枠2のフェライ
トコア挿入用孔2bにそれぞれ挿入する。次いで、フェ
ライトコア12a,12bの外周に締付用バンド13を
巻き回した状態でボルト13aを締め付けることによ
り、フェライトコア12a,12bの互いの端部同士を
密着させる。これにより、図1に示すように、トランス
11が完成する。
【0025】次いで、トランス11におけるボビン1の
絶縁耐圧効果について、図7〜9を参照して説明する。
【0026】まず、一次巻線W1および二次巻線W2の
間の沿面距離については、従来のボビン31では、図7
において、矢印L1,L2で示すように外側巻枠3の鍔
部3cの高さとほぼ同じ距離となる。これに対して、こ
のボビン1では、矢印M1,M2で示すように、ケース
4,5の内側絶縁壁4a,5aの長さ分だけ従来のボビ
ン31における沿面距離よりも延長されている(同図で
は、ケース4のみを示す)。また、ケース4,5の外側
絶縁壁4b,5bが無い従来のボビン31では、同図の
矢印Nで示す沿面距離となるのに対し、このボビン1で
は、矢印Oで示すように、外側絶縁壁4b,5bの長さ
のほぼ2倍分だけ沿面距離が延長されている。この場
合、沿面距離が1mm延長されると、絶縁耐圧が1kV
程度高電圧になる。このため、例えば、内側絶縁壁4
a,5aの長さを10mmとした場合には、従来のボビ
ン31と比較して、絶縁耐圧を10kV程度高電圧にす
ることができる。したがって、落雷などに起因して高電
圧が一次巻線W1の両端に印加された場合であっても、
ボビン1の電圧破壊や発火を防止することができる。
【0027】さらに、一次巻線W1およびフェライトコ
ア12の間の沿面距離については、従来のボビン31で
は、図8において、矢印P,Qで示す沿面距離となる。
これに対して、このボビン1では、矢印R,Sで示すよ
うに、ケース4,5の内側絶縁壁4a,5aおよび外側
絶縁壁4b,5bによって沿面距離が延長される。ま
た、矢印Rで示す沿面距離については、ケース4,5の
嵌め合わせ箇所にフラップ部4c,5cを形成したこと
により、フラップ部4c,5cが無いとした場合の同図
の矢印Tで示す沿面距離と比較して、フラップ部4c,
5cが互いに重なり合っている部分の1.5倍の長さ分
だけ延長されている。このように、このボビン1では、
従来のボビン31と比較して、一次巻線W1およびフェ
ライトコア12の間の絶縁耐圧性が向上されている。
【0028】また、このトランス11では、外側巻枠3
に巻き回した導線およびフェライトコア12間に外側絶
縁壁4b,5bを配設したことにより、その間の絶縁耐
圧性が向上する結果、外側巻枠3に一次巻線W1を巻き
回すことが可能となっている。加えて、ケース4,5に
放熱用孔7,7,7が形成されている。このため、一次
巻線W1およびフェライトコア12間の絶縁耐圧性を低
下させることがなく、しかも、一次巻線W1に発生する
熱を放熱用孔7,7,7から外部に容易に放熱すること
ができる。
【0029】以上のように、このボビン1およびトラン
ス11では、従来のボビン31およびトランス41の利
点を損なうことなく、一次巻線W1および二次巻線W2
の間の絶縁耐圧性、並びに、一次巻線W1およびフェラ
イトコア12の間の絶縁耐圧性を向上させることがで
き、加えて、外側巻枠3に巻き回した一次巻線W1に発
生する熱をトランス11の外部に容易に放熱することが
できる。
【0030】なお、本発明は、上記した本発明の実施の
形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実
施の形態では、ケース4,5が外側巻枠3を把持する構
成を採用しているが、ケース4,5が内側巻枠2を把持
するように構成し、そのケース4,5の外側に外側巻枠
3を取り付けるように構成してもよい。
【0031】また、本発明におけるコア部材について
は、本発明の実施の形態では、フェライト材のフェライ
トコア12を用いた例について説明したが、これに限定
されず、鉄芯コアなどの種々の材料のコアを用いること
ができる。さらに、コア部材の形状についても、U形コ
アに限定されず、2つのL形コアの組合せ、2つのE形
コアの組合せ、およびE形コアとI形コアの組合せなど
の種々の形状のコア同士を組み合わせて構成することが
できる。なお、例えば、2つのE形コアを組み合わせる
場合、図6において、一方のE形コアの両外足をケース
4の左右の外側絶縁壁4bに沿わせつつ、中足を同図の
矢印Jの方向から内側巻枠2のフェライトコア挿入用孔
2bに挿入し、同様にして、他方のE形コアの両外足を
ケース5の左右の外側絶縁壁5bに沿わせつつ、中足を
同図の矢印Kの方向から内側巻枠2のフェライトコア挿
入用孔2bに挿入すればよい。この場合、E形コアおよ
び一次巻線W1間の絶縁耐圧を高電圧に維持するために
は、E形コアの外足に対向する放熱用孔7,7を塞ぐ必
要があるのは勿論である。また、E形コアとI形コアと
を組み合わせる場合には、E形コアの両外足および中足
を、内側巻枠2のフェライトコア挿入用孔2bの長さよ
りも長い足長に形成すればよい。
【0032】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜3記載のトラ
ンス用ボビンおよび請求項5記載のトランスによれば、
絶縁用巻枠ケースによって第1の導線および第2の導線
の間の沿面距離と、両導線およびフェライトコアの間の
沿面距離を延長することができるため、生産コストを低
減しつつ、両導線間、およびに両導線およびコア部材間
の絶縁耐圧性を向上させることができる。
【0033】また、請求項4記載のトランス用ボビンに
よれば、外側巻枠に巻き回した第2の導線に発生する熱
を放熱することができ、これにより、トランスの電気的
性能を一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るトランスの斜視図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態に係るボビンの分解斜視図
である。
【図3】本発明の実施の形態に係るボビンにおける内側
巻枠および外側巻枠に二次巻線および一次巻線をそれぞ
れ巻き回した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るトランスの組立手順
を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るトランスの組立手順
を示す他の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るトランスの組立手順
を示すさらに他の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るトランスの構造を示
す図であって、図9におけるX−X線の概念的な断面図
である。
【図8】本発明の実施の形態に係るトランスの構造を示
す図であって、図9におけるX−X線の他の概念的な断
面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るトランスの平面図で
ある。
【図10】従来のトランスの平面図である。
【図11】従来のトランスの斜視図である。
【図12】従来のボビンにおける内側巻枠および外側巻
枠に一次巻線および二次巻線をそれぞれ巻き回した状態
を示す斜視図である。
【図13】従来のトランスの構造を示す図であって、図
10におけるY−Y線の概念的な断面図である。
【符号の説明】
1 ボビン 2 内側巻枠 2b フェライトコア挿入用孔 3 外側巻枠 3a ベース部 3b 内側巻枠挿入用孔 3c 鍔部 3d 鍔部 4 ケース 4a 内側絶縁壁 4d 切欠部 4f 溝部 5 ケース 5a 内側絶縁壁 5d 切欠部 5f 溝部 7 放熱用孔 11 トランス 12a フェライトコア 12b フェライトコア W1 一次巻線 W2 二次巻線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 秀彰 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5E044 BA03 BB01 BB08 BC01 BC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無底筒状に形成されると共にその内側空
    間にコア部材を挿入可能であって、かつ第1の導線を巻
    き回し可能に構成された内側巻枠と、 無底筒状に形成されると共にその内側空間に前記第1の
    導線を巻き回した状態の前記内側巻枠を挿入可能であっ
    て、かつ第2の導線を巻き回し可能に構成された外側巻
    枠とを備えてなるトランス用ボビンにおいて、 前記両巻枠にそれぞれ巻き回した前記第1および第2の
    導線間の沿面距離と、前記挿入された状態のコア部材お
    よび前記両導線の少なくとも一方の間の沿面距離とのい
    ずれか一方または両方を延長するための絶縁用巻枠ケー
    スを備えていることを特徴とするトランス用ボビン。
  2. 【請求項2】 前記外側巻枠は、巻き回された前記第2
    の導線の脱落を防止するための鍔部が両端部に沿ってそ
    れぞれ形成され、 前記絶縁用巻枠ケースは、前記外側巻枠の一方の鍔部を
    嵌入可能な溝部が形成された第1の絶縁ケース用部材
    と、前記外側巻枠の他方の鍔部を嵌入可能な溝部が形成
    された第2の絶縁ケース用部材とを備えて構成され、前
    記両溝部をそれぞれ形成する前記両絶縁ケース用部材の
    内壁と前記外側巻枠の内壁とで前記内側巻枠を挿入可能
    な前記内側空間が形成されることを特徴とする請求項1
    記載のトランス用ボビン。
  3. 【請求項3】 前記両絶縁ケース用部材は、前記外側巻
    枠の前記両鍔部側から互いに嵌め合わせることにより前
    記外側巻枠を把持しつつ一体化可能に形成されているこ
    とを特徴とする請求項2記載のトランス用ボビン。
  4. 【請求項4】 前記絶縁用巻枠ケースには、前記外側巻
    枠に巻き回された前記第2の導線に生じた熱を放熱する
    ための放熱用孔が形成されていることを特徴とする請求
    項2または3記載のトランス用ボビン。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のトラ
    ンス用ボビンを用いて構成したことを特徴とするトラン
    ス。
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