JP2000011964A - 電池用アルミニウムケースの製造方法 - Google Patents

電池用アルミニウムケースの製造方法

Info

Publication number
JP2000011964A
JP2000011964A JP10181971A JP18197198A JP2000011964A JP 2000011964 A JP2000011964 A JP 2000011964A JP 10181971 A JP10181971 A JP 10181971A JP 18197198 A JP18197198 A JP 18197198A JP 2000011964 A JP2000011964 A JP 2000011964A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
joining
aluminum member
case
bonding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10181971A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsunehisa Sekiguchi
常久 関口
Akio Fukuda
明夫 福田
Koji Miyano
幸治 宮野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Aluminum Can Corp
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Showa Aluminum Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK, Showa Aluminum Corp filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP10181971A priority Critical patent/JP2000011964A/ja
Publication of JP2000011964A publication Critical patent/JP2000011964A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】新たな接合方法を用いた電池用アルミニウムケ
ースの製造方法を提供する。 【解決手段】複数個のアルミニウム部材1、2を接合し
て電池ケースを製造するに際し、前記アルミニウム部材
1、2の接合界面に、該アルミニウム部材よりも融点の
低いろう材3を介在させたのち、前記接合界面を電磁力
を利用して接合方向に圧縮することにより、アルミニウ
ム部材を固相拡散接合する。接合界面の永久圧縮歪みが
4%以上となるように圧縮するのが良いし、接合に際し
て、接合界面をろう材の融点よりも低い温度に加熱する
のが良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数個のアルミ
ニウム部材を接合してLiイオン電池等のケースを製造
するための、電池用アルミニウムケースの製造方法に関
する。
【0002】なお、この明細書において、アルミニウム
の語はアルミニウム合金を含む意味で用いる。また、ろ
う材の語ははんだ材を含む意味で用いる。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ノート
パソコン、携帯電話等の電子機器の小型電源から、自動
車用を中心とした大型電源に至るまで、Liイオン電池
等の二次電池が広く使用されている。
【0004】このような二次電池は、電池ケース内に電
池作用を有する物質が収容されてなるが、電池ケースの
重量が重いと全体重量も大きくなることから、電池ケー
スは可及的軽量であることが望まれる。また、同一容積
で大きな電気出力を取り出すために、電池ケースは薄肉
であることが望ましい。このような軽量薄肉化の要請に
答えるため、最近では電池ケースとして薄肉のアルミニ
ウム材が用いられるようになってきている。
【0005】一方、電池ケースは一般に、例えば本体と
蓋体のように2種以上の部材を接合することによって形
成されるが、接合が不十分であると液漏れや外部からの
水分等の侵入を生じる。特に、Liイオン電池の場合、
Liが強酸化性の金属であることから、液漏れは勿論の
こと外部から水分や酸素の侵入があっても、激しい反応
を生じて爆発の恐れがある。
【0006】このため、漏れや外部水分等の侵入を防止
するため、電池ケースを構成する各アルミニウム部材を
強固に接合する必要がある。
【0007】従来、このような電池ケースの強固な接合
を可能とする方法として、レーザ溶接法が採用されてい
た。このレーザ溶接法は、接合すべきアルミニウム部材
の接合部位にろう材を介在させるとともに、このろう材
にレーザを照射してろう材を溶融し、アルミニウム部材
をろう付する方法である。この方法によれば、レーザ光
を微細なスポットとして集光できるので、細部のろう付
が可能であるとともに、レーザ光の出力を電気的または
光学的に制御できるためろう付温度の管理制御も容易で
あるというような利点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
レーザ溶接法では、ろう材によるレーザ光の反射率が高
く、従ってレーザ光の吸収率が低いため、十分なレーザ
光を吸収させるためには大出力にてレーザ光を出射させ
る必要があり、レーザ光発生電源設備等の大型化を招く
という欠点があった。
【0009】また、アルミニウム部材の加熱は、主とし
てろう材からの熱伝導によって行われるため、その昇温
速度が遅く、ろう付速度の低下原因となるという欠点も
あった。
【0010】しかも、レーザ光は、空気中に出射される
と急激にそのエネルギが低下し、照射点に至るまでの間
のエネルギ損失が大きいという欠点もあった。
【0011】また、レーザ光は収束性が高いもののある
程度の拡散性があるため、加熱を避けたいアルミニウム
部材表面へも照射されてしまい、その部分の熱的損傷を
生じることがあるというような欠点もあった。
【0012】しかもまた、溶接可能な材質に制限があ
り、例えば純アルミニウム部材や3003、5052ア
ルミニウム部材では良好な結果をもたらすが、溶質濃度
が高くなると溶接が厄介となるものであった。また、溶
接施工上の問題もあり、接合部が曲線形状になるほど良
好な溶接が困難となるものであり、例えば極端な直角部
を有するもの等は溶接が困難であった。このため、Li
イオン電池ケースに使用されるような角形のものや、あ
るいは底浅で比較的大型の弁当箱形状のものでは溶け落
ち等の溶接欠陥が生じやすく、特にいずれの形状であっ
てもケースコーナー部の接合には問題があった。
【0013】この発明は、このような技術的背景に鑑み
てなされたものであって、上述のような欠点を解消しう
る新たな接合方法を用いた電池用アルミニウムケースの
製造方法の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、複数個のアルミニウム部材を接合して
電池ケースを製造するに際し、前記アルミニウム部材の
接合界面に、該アルミニウム部材よりも融点の低いろう
材を介在させたのち、前記接合界面を電磁力を利用して
接合方向に圧縮することにより、アルミニウム部材を固
相拡散接合することを特徴とするものである。
【0015】アルミニウム部材の種類は、特に限定され
ることはなく、ケース形状に成形した各種の圧延材、押
出材、鍛造材、鋳物材等を適宜用いれば良い。いずれの
アルミニウム部材であっても良好な接合が可能である。
また、複数個のアルミニウム部材が材質の異なるもので
あっても良い。また、電池ケースの形状も限定されるこ
とはない。最も一般には、電池ケースは図1に示すよう
に、有底筒状のケース本体用アルミニウム部材(1)
と、該本体の開口部を閉塞する蓋用アルミニウム部材
(2)の2個のアルミニウム部材によって構成される場
合が多いが、これに限定されることはなく、3個以上の
アルミニウム部材の接合体からなるものであっても良
い。
【0016】図2のように、接合されるべきアルミニウ
ム部材(1)(2)の接合界面に、該アルミニウム部材
よりも融点の低いろう材(3)を介在させるのは、該ろ
う材(3)をアルミニウム部材へ拡散させることによっ
て、一般に実施されている個々の方法に比べ、少ない圧
縮力、低い接合温度にて強固でかつ内容物のシール性に
優れた接合を得るためである。
【0017】ろう材はアルミニウム部材の融点よりも低
く、かつ接合時の接合界面の温度よりも高い融点のもの
であれば、その組成は問わない。ろう材の具体例として
は、Zn−Al系合金、Sn−Al系合金、Zn−Sn
−Al系合金、あるいはこれら各合金にCu、Mg、S
i等のうちの1種または2種以上を添加したものを挙示
できる。
【0018】ろう材は、直接コーティングでも良いし、
ブレージングシートのような形で接合界面に予め被覆し
ておいても良いし、粉末状あるいは板状等のろう材を接
合界面にサンドイッチ状に配置しても良い。また、ろう
材をアルミニウム部材の接合界面に押し付けて塗っても
良い。また、接着剤を用いて、粉末状あるいは板状のろ
う材を接合界面に接着しておいても良く、ろう材の介在
態様は任意に設定し得る。
【0019】アルミニウム部材の接合界面を接合方向に
圧縮するのは、アルミニウム部材の接合界面に金属の原
子空孔を多量に発生させるためである。即ち、2個のア
ルミニウム部材が接合するとき拡散現象が生じるが、こ
の拡散現象の担い手として金属の点欠陥、原子空孔が大
きく関与している。このため、接合界面を接合方向に塑
性流動するに至るまで圧縮して永久歪みを生じさせるこ
とにより、金属の原子空孔を多量に発生させるものであ
る。そして、接合界面を塑性流動させることで、アルミ
ニウム原子の前記原子空孔への移動を容易に行わしめ、
接合界面を挟んでの原子の置き換えを促進する結果、短
時間で良好な接合状態が確実に得られるものである。
【0020】ここに、アルミニウム部材の接合界面の圧
縮は、接合界面の永久圧縮歪みが4%以上となるように
行うのが好ましい。永久圧縮歪みを4%以上とすること
により、接合界面に原子空孔を多量に有効に発生させる
ことができる。特に6%以上とするのが良い。ただし、
永久圧縮歪みが大きすぎると、アルミニウム部材が座屈
してケース形状が変化してしまい、所期する内容積を確
保できない恐れがあることから、永久圧縮歪みは30%
以下、好適には10%以下に設定するのが良い。
【0021】アルミニウム部材の接合界面を圧縮して塑
性流動させる方法として、電磁力を利用する。電磁力を
利用することにより、均一で大きな圧縮力が瞬時に得ら
れ、ひいては接合作業時間を短くできる。電磁力を利用
した接合装置の一例を図3に示す。
【0022】図3において、(4)は電源であり、この
電源にコンデンサ(5)とコイル(6)とが並列に接続
されている。また、電源(4)とコンデンサ(5)との
間には充電スイッチ(7)が、コンデンサ(5)とコイ
ル(6)との間には放電スイッチ(8)がそれぞれ設け
られている。そして、ケース本体用のアルミニウム部材
(1)の端部開口部に蓋用のアルミニウム部材(2)が
嵌合され、この状態で、アルミニウム部材(1)の端部
がコイル(6)内に挿通されている。この接合装置で
は、まず充電スイッチ(7)を閉じて電源(4)からコ
ンデンサ(5)へ電荷を充電したのち、充電スイッチ
(7)を開き、ついで放電スイッチ(8)を閉じると、
コンデンサ(5)からコイル(6)へと電荷が急激に放
電され、コイル(6)には大電流が急激に流れる。これ
により、コイル内のアルミニウム部材(1)には、縮径
方向の大きな電磁力(圧縮力)が作用し、この電磁力に
よりケース本体用のアルミニウム部材(1)の内周面と
アルミニウム部材(2)の外周面とが圧接され接合され
るものである。
【0023】上記のような接合界面の塑性流動により、
ろう材が拡散しさらに両アルミニウム部材の拡散が促進
され、両アルミニウム部材は強固に固相拡散接合され
る。
【0024】なお、接合に際してフラックスの使用の有
無は問わないが、接合後の接合界面の腐食を考慮する
と、使用しない方が望ましい。また、アルミニウム基合
金をろう接する場合には、表面の酸化膜に影響を受けろ
う材は濡れないが、本方法によればフラックスなしでも
良好な濡れ性及びその後の拡散性を示す。
【0025】而して、接合作業に際しては、ろう材及び
アルミニウム部材の拡散を促進するため、接合界面を加
熱するのが良い。この発明によれば、通常のアルミニウ
ム部材のろう付温度よりも低い加熱温度でアルミニウム
部材を固相拡散接合できる。具体的な加熱温度は、ろう
材の融点よりも低くかつ使用するろう材に合わせ適宜選
択するが、一般的には、180〜500℃の範囲に設定
するのが良い。加熱温度が500℃を超えると、ケース
内容物特にLi等に悪影響を及ぼすおそれがあるととも
に、母材であるアルミニウム部材が軟化して強度低下を
派生し使用時に悪影響を及ぼすおそれがある。一方、1
80℃未満の温度では、拡散が促進されず、作業時間が
長くなる恐れがある。なお、接合界面に4%以上の永久
圧縮歪みを付与して接合を行う場合には、前述のとお
り、接合界面に多量の原子空孔が発生しているから、永
久圧縮歪みが4%未満の場合に比べて加熱温度を前記に
比べて30〜150℃低くできる。
【0026】接合界面の加熱方法は、特に限定されるこ
とはない。接合界面を直接加熱しても良いし、所定温度
に設定した雰囲気中で作業を行うことにより、接合界面
を加熱状態としても良い。最も好ましくは、接合界面の
圧縮加工と同時的に接合界面を加工発熱させるのが、効
率の面から推奨される。例えば、スピンドル工具をアル
ミニウム部材に接触させ相対回転させて発熱させるとと
もに、この状態で電磁力を作用させて接合界面を圧縮す
る方法を挙げ得る。この場合、スピンドル工具とアルミ
ニウム材との相対回転数や押付け力等の調整により発熱
温度を調整できる。
【0027】また、アルミニウム部材を予め加熱してお
かなくても良いが、80〜300℃の範囲で予備加熱し
ておき、この状態で接合に際してさらに接合界面を加熱
した場合には、接合界面における拡散現象がさらに促進
されて、前記の加熱温度180〜500℃を80〜15
0℃低下できる。しかし、80℃未満の予備加熱では、
接合に際しての加熱温度をさほど低くできない。一方、
300℃を超える予備加熱を施しても、その効果が飽和
するため、エネルギの無駄となる。
【0028】さらに、ろう材の拡散を促進するため、望
ましくは、接合後に180℃以上で接合部を加熱するの
が良い。180℃未満では、拡散促進効果に乏しい。ま
たろう材の融転以下の温度とするのが良い。
【0029】また、アルミニウム部材は製造上がりのま
まで用いても良いが、望ましくはT5またはT6熱処理
したものを用いるのが良い。T5、T6熱処理を施すこ
とによって、アルミニウム部材の時効・析出が進み、あ
たかも永久歪みを与えたのと同様の効果が得られる。こ
のため、接合界面の加熱温度をより低くでき、作業性が
良好になるとともに、接合強度が向上しかつそのばらつ
きも少なくなって信頼性が向上する。
【0030】接合後には、必要に応じて、接合部をレー
ザ溶接しても良い。もし、電磁力による固相拡散接合後
に、両アルミニウム部材(1)(2)の接合界面に微小
な隙間が残存している場合には、このレーザ溶接によっ
て、隙間を完全に埋めることができるし、溶接時の温度
上昇によってろう材の拡散が促進され、強固な接合が達
成される。なお、アルミニウム部材(1)(2)はすで
に接合されているため、一般的なレーザ溶接時に必要な
接合界面の隙間管理は不要である。
【0031】
【実施例】(実施例1)リチウムイオン電池ケースの製
造に当たり、A3003アルミニウムを用いて、図1に
示すような有底角形のケース本体用アルミニウム部材
(1)と蓋用アルミニウム部材(2)とをそれぞれ複数
個製作した。ケース本体用アルミニウム部材(1)はイ
ンパクト成形によって、蓋用アルミニウム部材(2)は
板金加工によってそれぞれ製作した。ケース本体用アル
ミニウム部材(1)の内寸法は、高さ150mm×縦7
0mm×横20mmで肉厚は0.5mmとした。また、
蓋用アルミニウム部材(2)の大きさは、縦70mm×
横20mmで肉厚は0.5mmとした。
【0032】そして、蓋用アルミニウム部材(2)の外
周部に、Zn−Cu−Mg−Al系合金を主成分とする
ろう材を予めコーティングした。ろう材の作業温度(融
点)は表1の通り各種に設定した。なお、より完全に接
合するためには、ケース本体用アルミニウム部材(1)
の端部内周部にもろう材をコーティングするのがよい
が、本実施例では行わなかった。
【0033】ついで、前記蓋用アルミニウム部材(2)
をケース本体用アルミニウム部材(1)の端部開口部に
嵌入した後、このケース本体用アルミニウム部材(1)
の端部を、図3に示す接合装置のコイル(6)に挿通配
置した。
【0034】そして、200℃に保持した雰囲気中で、
コイル(6)に30〜100KAの電流を瞬時(0.0
05〜0.06秒)に流し、そのとき発生する電磁力で
両アルミニウム部材(1)(2)を接合一体化した。接
合時における接合界面の永久圧縮歪みはいずれも6.5
〜7.0%になるようにした。また、接合後もしばらく
200℃の雰囲気中に保持した。
【0035】一方、同一のケース本体用アルミニウム部
材、蓋用アルミニウム部材及びろう材を用いて、従来一
般のろう付法、レーザ溶接法及びろう材を用いない電磁
接合法により、両者を接合した。なお、レーザ溶接の場
合については、ケース用アルミニウム部材(1)の内面
と蓋用アルミニウム部材(2)の外面との隙間が0.0
7mm以上になると実質的に溶接不可能であることか
ら、隙間が0.05mm以下になるように精密加工して
溶接を実施した。
【0036】こうして得られた各電池ケースにつき、接
合作業時間と耐圧強度を比較した。耐圧強度は各電池ケ
ースの底部より空気圧を加えて、ケースが破壊するとき
の破壊強度をもって評価した。それらの結果を表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】上記表1の結果から、本発明によればきわ
めて良好な接合特性が得られることを確認し得た。
【0039】(実施例2)ケース本体用アルミニウム部
材(1)の内寸法を、高さ80mm×縦48mm×横8
mmで肉厚は0.6mmとし、蓋用アルミニウム部材
(2)の大きさを、縦48mm×横8mmで肉厚を1.
0mmとした以外は、前記実施例1と同じようにして、
両アルミニウム部材を電磁力を利用して接合した。
【0040】次に、得られた接合品の接合部をさらにレ
ーザ溶接して、リチウムイオン電池ケースを製造した。
【0041】一方、同一のケース本体用アルミニウム部
材、蓋用アルミニウム部材及びろう材を用いて、従来一
般のろう付法およびレーザ溶接法により、両者を接合し
た。こうして得られた各電池ケースにつき、接合作業時
間、耐圧強度及び漏れ発生圧力を比較した。耐圧強度は
各電池ケースの底部より空気圧を加えて、ケースが破壊
するときの破壊強度をもって評価した。また、漏れ発生
圧力は、前記空気圧の付与をアルコール中で実施し、発
生する泡によって漏れが発生したことを判定し、そのと
きの加圧力で評価した。それらの結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】上記表2の結果から、本発明によれば耐圧
強度と漏れ発生圧力がほぼ同じであり、従って電池ケー
スが破壊されるまでは漏れがないのに対し、ろう付やレ
ーザ溶接の場合には、電池ケースが破壊される前に漏れ
が生じることがわかる。従って、本発明によれば、漏れ
や破壊を生じにくい電池用アルミニウムケースを製造で
きることを確認し得た。
【0044】
【発明の効果】この発明は、上述の次第で、複数個のア
ルミニウム部材を接合して電池ケースを製造するに際
し、前記アルミニウム部材の接合界面に、該アルミニウ
ム部材よりも融点の低いろう材を介在させたのち、前記
接合界面を電磁力を利用して接合方向に圧縮させること
により、アルミニウム部材を固相拡散接合することを特
徴とするものであるから、レーザ溶接法による場合のよ
うな設備の大型化やエネルギ損失を生じることなく、簡
単な設備でアルミニウム部材の強固な接合が可能とな
る。
【0045】しかも、従来のろう付のようにろう材を溶
融させる必要がなく、ろう材の融点以下の低温度で接合
を行うことができるから、アルミニウム部材の接合界面
や他の部位に熱的損傷を生じさせる危険が極めて少な
く、信頼性の高い電池ケースを製造できる。
【0046】しかもまた、接合界面を接合方向に圧縮さ
せれば良いから、使用アルミニウム部材の種類に制限が
なく各種のアルミニウム部材を適用できると共に、レー
ザ溶接の場合のような形状の制約もなく、接合部が曲線
形状であっても容易に作業を行うことができ、良好な接
合状態を確保できる。
【0047】しかも、電磁力を利用して圧縮を行うか
ら、短時間に圧縮力を発生させることができ、ひいては
接合作業時間履短縮による効率向上を図ることができ
る。
【0048】また、接合界面の永久圧縮歪みが4%以上
となるように圧縮する場合には、さらに良好な接合状態
を実現できる。
【0049】また、接合に際して、接合界面をろう材の
融点よりも低い温度に加熱する場合には、接合の進行が
促進されて、より作業性良く電池ケースを製造できる効
果がある。この場合、接合界面の加熱を接合界面の加工
発熱によって行うことによって、接合界面を圧縮加工と
同時的に加熱することができ、極めて効率よく接合作業
を遂行し得る。さらに、接合界面の加熱前に、アルミニ
ウム部材を予め80℃以上の温度で予備加熱しておくこ
とにより、接合の進行が益々促進されて一層短時間で作
業を行うことができる。
【0050】また、接合後に、接合部をさらに180℃
以上の温度で加熱した場合には、ろう材の拡散が促進さ
れる結果、益々強固な接合状態を得ることができる。
【0051】また、接合後に、接合部をレーザ溶接する
場合には、微小な隙間が残存していてもこれを埋めてよ
り確実な接合状態を実現できる。この場合、アルミニウ
ム部材はすでに接合されているから、溶接に際しての隙
間管理等は不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池ケースの一例を、構成部材を分離した状態
で示す斜視図である。
【図2】アルミニウム部材の接合時の状態を示す拡大断
面図である。
【図3】電磁力による接合装置の一例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1…ケース本体用アルミニウム部材 2…蓋用アルミニウム部材 3…ろう材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 31/00 B23K 31/00 B // B23K 101:12 103:10 (72)発明者 福田 明夫 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 宮野 幸治 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 Fターム(参考) 4E067 AA05 AB06 BA03 BL01 DA17 DC06 EA04 EB06 4E068 AJ03 BA00 DA06 5H011 AA09 CC06 DD05 DD13 KK00 KK04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のアルミニウム部材を接合して電
    池ケースを製造するに際し、 前記アルミニウム部材の接合界面に、該アルミニウム部
    材よりも融点の低いろう材を介在させたのち、前記接合
    界面を電磁力を利用して接合方向に圧縮することによ
    り、アルミニウム部材を固相拡散接合することを特徴と
    する電池用アルミニウムケースの製造方法。
  2. 【請求項2】 接合界面の永久圧縮歪みが4%以上とな
    るように圧縮する請求項1に記載の電池用アルミニウム
    ケースの製造方法。
  3. 【請求項3】 接合に際して、接合界面をろう材の融点
    よりも低い温度に加熱する請求項1または2に記載の電
    池用アルミニウムケースの製造方法。
  4. 【請求項4】 接合界面の加熱を接合界面の加工発熱に
    よって行う請求項3に記載の電池用アルミニウムケース
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 接合前に、アルミニウム部材を予め80
    ℃以上の温度で予備加熱しておく請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の電池用アルミニウムケースの製造方法。
  6. 【請求項6】 接合後に、接合部をさらに180℃以上
    の温度で加熱する請求項1ないし5のいずれかに記載の
    電池用アルミニウムケースの製造方法。
  7. 【請求項7】 接合後に、接合部をさらにレーザ溶接す
    る請求項1ないし6のいずれかに記載の電池用アルミニ
    ウムケースの製造方法。
JP10181971A 1998-06-29 1998-06-29 電池用アルミニウムケースの製造方法 Pending JP2000011964A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10181971A JP2000011964A (ja) 1998-06-29 1998-06-29 電池用アルミニウムケースの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10181971A JP2000011964A (ja) 1998-06-29 1998-06-29 電池用アルミニウムケースの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000011964A true JP2000011964A (ja) 2000-01-14

Family

ID=16110077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10181971A Pending JP2000011964A (ja) 1998-06-29 1998-06-29 電池用アルミニウムケースの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000011964A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007518564A (ja) * 2003-07-07 2007-07-12 パルサー・ウェルディング・リミテッド 容器を封止するための磁気パルス溶接方法および封止装置ならびに封止容器
WO2009084454A1 (ja) 2007-12-28 2009-07-09 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho パルスレーザ溶接用アルミニウム合金材及び電池ケース
US8899084B2 (en) 2011-10-10 2014-12-02 Dana Automotive Systems Group, Llc Magnetic pulse welding and forming for plates
JP2022023262A (ja) * 2020-07-27 2022-02-08 プライムアースEvエナジー株式会社 二次電池の製造方法及び二次電池
WO2023013048A1 (ja) * 2021-08-06 2023-02-09 富山県 封止構造体及びその製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007518564A (ja) * 2003-07-07 2007-07-12 パルサー・ウェルディング・リミテッド 容器を封止するための磁気パルス溶接方法および封止装置ならびに封止容器
JP4701170B2 (ja) * 2003-07-07 2011-06-15 パルサー・ウェルディング・リミテッド 容器を封止する方法
WO2009084454A1 (ja) 2007-12-28 2009-07-09 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho パルスレーザ溶接用アルミニウム合金材及び電池ケース
EP2489751A2 (en) 2007-12-28 2012-08-22 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Pulse laser welding aluminium alloy material, and battery case
US9741978B2 (en) 2007-12-28 2017-08-22 Kobe Steel, Ltd. Pulse laser welding aluminum alloy material, and battery case
US8899084B2 (en) 2011-10-10 2014-12-02 Dana Automotive Systems Group, Llc Magnetic pulse welding and forming for plates
JP2022023262A (ja) * 2020-07-27 2022-02-08 プライムアースEvエナジー株式会社 二次電池の製造方法及び二次電池
JP7218328B2 (ja) 2020-07-27 2023-02-06 プライムアースEvエナジー株式会社 二次電池の製造方法及び二次電池
US12027726B2 (en) 2020-07-27 2024-07-02 Primearth Ev Energy Co., Ltd. Secondary battery manufacturing method and secondary battery
WO2023013048A1 (ja) * 2021-08-06 2023-02-09 富山県 封止構造体及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110421268B (zh) 用于制造锂金属负电极的方法和系统
US7727672B2 (en) Battery, method of manufacturing the same, method of manufacturing weldment, and pedestal
US8590768B2 (en) Battery tab joint by reaction metallurgy
JP3177982B2 (ja) 異種金属のレーザ溶接方法
CN114523204A (zh) 使用蓝色激光焊接铜的方法和系统
WO2006016441A1 (ja) 異金属薄板の溶接方法、異金属薄板接合体、電気デバイスおよび電気デバイス集合体
JP2000090893A (ja) 電池及び電池の製造方法
JP2000133241A (ja) 非水電解質電池及び非水電解質電池の製造方法
JP2000011964A (ja) 電池用アルミニウムケースの製造方法
JP2002042769A (ja) 二次電池およびその製造方法
JP2831356B2 (ja) スパッタリング用ターゲットの製造方法
US20190363328A1 (en) Robust Reaction Metallurgical Joining
TW575974B (en) Closed type battery and its manufacturing method
JP3296070B2 (ja) 接合構造体及びその製造方法
JP3272787B2 (ja) 接合クラッド板の製造方法
CN102138190A (zh) 电子零件用端子的制造方法及通过该制造方法得到的电子零件用端子
KR100516768B1 (ko) 전극탭 병렬결합구조를 갖는 이차전지 및 그 전극탭 결합 방법
JP2861819B2 (ja) 異種金属の抵抗溶接方法
JPH10180438A (ja) 電池用アルミニウムケースの製造方法
JP3555698B2 (ja) アルミニウム材の抵抗溶接方法及びt字型アルミニウム構造体
JPH10314933A (ja) アルミニウム材料と鉄材料の接合方法
JP3504727B2 (ja) アルミ材の抵抗スポット溶接方法
JPH0489190A (ja) 絶縁電線と端子との接合方法
JP2006210761A (ja) はんだ接合方法及び装置
Kim et al. Review on Ultrasonic and Laser Welding Technologies of Multi-Layer Thin Foils for the Lithium-Ion Pouch Cell Manufacturing

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050104