JP2000011320A - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JP2000011320A
JP2000011320A JP17567598A JP17567598A JP2000011320A JP 2000011320 A JP2000011320 A JP 2000011320A JP 17567598 A JP17567598 A JP 17567598A JP 17567598 A JP17567598 A JP 17567598A JP 2000011320 A JP2000011320 A JP 2000011320A
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layer
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ion
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Minoru Hasegawa
実 長谷川
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜磁気ヘッドの製造方法に関し、簡単でス
ループットの良好な方法で下部磁極層に設ける凸部の幅
を上部磁極コアの幅に揃える。 【解決手段】 異なる2つ以上のイオンビーム源4,5
からのイオン6,7を、イオンミルマスクとなる上部磁
極3の左右両側の斜め方向から同時に入射させ、下部磁
極1をエッチングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜磁気ヘッドの製
造方法に関し、特に、ハードディスクドライブ(HD
D)等の磁気記録装置或いは磁気テープ装置等に用いら
れる複合型薄膜磁気ヘッドを構成する誘導型の薄膜磁気
ヘッドの下部磁極に凸部を形成する際の再付着物の付着
防止方法に特徴のある薄膜磁気ヘッドの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの外部記憶装置とし
て用いるハードディスク装置等の小型化,大容量化によ
る需要の高まりに伴い、高密度磁気記録が可能なハード
ディスク装置等の研究開発が急速に進められているが、
この様なハードディスク装置の高密度化に伴い、記録ヘ
ッド、即ち、磁気ヘッドの高性能化が要請されており、
この様な要請に応えるものとして、再生ヘッドとしては
記録媒体の速度に依存せず、小型ディスクに対しても適
用でき、且つ、高い出力が得られるMR(磁気抵抗)ヘ
ッドが注目されている。
【0003】また、高記録密度を実現するためには、線
記録密度とトラック密度を向上させる必要があるが、そ
のためには、記録ヘッドとしては、高い周波数まで記録
でき、且つ、隣接するトラックとのクロストーク等の原
因となる記録にじみの少ないヘッドが要求されることに
なる。
【0004】近年、この様な高性能化の要請に応えるヘ
ッドとして、MRヘッドと誘導型の薄膜磁気ヘッドとを
複合化した複合型薄膜磁気ヘッドが開発されており、記
録ヘッドの記録ギャップと再生ヘッドの再生ギャップを
それぞれ最適化することによって、記録特性の向上と、
再生分解能の向上を共に実現しようとしている。
【0005】しかし、通常の複合型薄膜磁気ヘッドにお
いては、下部磁極層がMRヘッドの上部シールド層を兼
ねているために記録トラック幅よりも幅広く形成されて
おり、このために、記録の際に記録磁界がトラック幅方
向に広く拡がってしまい、書きにじみの原因になってい
た。
【0006】そこで、記録磁界の拡がりを小さくするた
めに、上下の磁極の幅を揃えたヘッドが各種提案(必要
ならば、特開平2−208812号公報、特開平5−1
43939号公報、特開平7−220245号公報、特
開平8−129715号公報、特開平8−129720
号公報、或いは、特開平9−167316号公報参照)
されているので、図4を参照して、この様な従来の改良
型の複合型薄膜磁気ヘッドを説明する。なお、図4
(a)は記録媒体に対する対向面側の断面図であり、図
4(b)は図4(a)の一点鎖線に沿った断面図であ
り、また、図4(c)は上部磁極の平面図である。
【0007】図4(a)及び(b)参照 まず、基板31上に、NiFe合金等からなる下部シー
ルド層32を設け、Al2 3 等のギャップスペーサ層
33を介してNiFe,Ti,CoZrMoの積層構造
等からなる磁気抵抗効果素子層34を設けて所定の形状
にパターニングしたのち、磁気抵抗効果素子層34の両
端にAu等からなる導電膜を堆積させて素子電極35を
形成する。
【0008】次いで、再び、Al2 3 等のギャップス
ペーサ層36を介してNiFe合金等からなる上部シー
ルド層を兼ねる下部磁極層37を設け、その上にAl2
3等からなるギャップ層38を設けたのち、レジスト
等の下部絶縁層39を介して所定形状のコイル層40を
形成し、次いで、レジスト等からなる上部絶縁膜41で
コイル層40を被覆し、この上部絶縁層41を介して上
部磁極先端部43及び上部磁極後方部44からなる上部
磁極42を設けることによって磁気抵抗効果素子層34
を利用した再生用MRヘッドと、記録用の誘導型の薄膜
磁気ヘッドとを複合化した複合型薄膜磁気ヘッドが得ら
れる。
【0009】この場合、下部磁極層37には、上部磁極
先端部43と同じ幅を残して0.2〜1.0μmの深さ
でエッチングすることによって凸部45、即ち、ペデス
タルが形成されており、この凸部45により記録磁界の
トラック幅方向の拡がりを最小限に抑えることができ、
それによって、書きにじみが防止されることになる。な
お、上部電極42は上部磁極後方部43の後端部におい
て下部磁極層37と接合しており、コイル層40は、こ
の接合部を回るように平面スパイラル状にパターニング
されている。
【0010】図4(c)参照 また、この場合の上部磁極42は、記録時におけるトラ
ック幅を決めるための幅細の上部磁極先端部43と、よ
り多くの磁束を流すために幅方向を広く形成した上部磁
極後方部44とからなり、両者の間はテーパ状部によっ
て接続されている。
【0011】ここで、図5を参照して、下部磁極に凸部
を設けた従来の薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する。 図5(a)参照 まず、図4と全く同様に、上部磁極42まで形成したの
ち、上部磁極42をマスクとしてArイオンを照射する
ことによって露出しているメッキベース層46を選択的
にエッチングする。なお、図においては上部磁極42と
して上部電極先端部43を示している。
【0012】図5(b)参照 次いで、上部磁極先端部43をマスクとしてArイオン
47を用いたイオンミーリングを施すことによってギャ
ップ層38の露出部を除去する。なお、この場合の除去
工程は、RIE(化学反応性イオンエッチング)によっ
て行っても良い。
【0013】図5(c)参照 引き続いて、上部磁極先端部43をマスクとしてArイ
オン48を用いたイオンミリングを施すことによって下
部磁極層37を0.2〜1.0μm程度の深さまでエッ
チングすることによって凸部45を形成する。
【0014】この様なイオンミリング工程においては、
イオンビームは通常2〜10°の拡がりが生じて完全に
直進していないために、上部磁極先端部43をイオンミ
ルマスクとして下部磁極層37をエッチングする際に、
基板31の真上からイオンビームの照射を行うと、上部
磁極先端部43の裾の部分が陰となって下部磁極層11
がエッチングされにくくなるという問題が生ずる。
【0015】そこで、この様な問題を解決するために、
イオンビームの照射を上部磁極先端部43の側面に対し
て斜め方向から行うと共に、基板31を回転させてエッ
チングすることによって上部磁極先端部43の裾の部分
もエッチングすることが行われているが、この場合に、
エッチングされた下部磁極層37からの再付着物が上部
磁極先端部43の側面に付着し、上部磁極先端部43と
下部磁極層37の先端部が磁気的に短絡するという問題
があるので、この事情を図6を参照して説明する。
【0016】図6(a)及び(b)参照 基板を回転させながらArイオン48によってイオンミ
リングを行った場合、常に、一方の側においては、下部
磁極層37と上部磁極先端部43の側面にArイオン4
8が照射されるが、他方の側においては下部磁極像37
にのみArイオン48が照射され、図において点線で示
す陰の部分の上部磁極先端部43の側面にはArイオン
48は照射されないので、こちらの側の側面に下部磁極
層37のエッチングに伴う再付着物が付着することにな
る。
【0017】図6(c)参照 この様な工程を下部磁極層37に0.2〜1.0μmの
高さの凸部45が形成されるまで行うと、上部磁極先端
部43、メッキベース層46、ギャップ層38、及び、
凸部43の両側の側面に再付着物層49が形成され、上
部磁極先端部43と下部磁極層37の先端部が磁気的に
短絡することになる。
【0018】この様な不所望な再付着物層の問題を解決
するために各種の方法が提案されているので、これらの
提案を図7を参照して説明する。 図7(a)及び(b)参照 二つのイオンビーム源を用いて、まず、入射角θ1 が0
°<θ1 <60°、より好適には、20°<θ1 <40
°、例えば、θ1 =30°のArイオン50を照射して
下部磁極層37をイオンミリングすることによって凸部
45を形成したのち、入射角θ2 が60°<θ2 <85
°、好適には、θ2 =75°のArイオン51を照射し
て側面に付着した再付着物層49を除去することが提案
(必要ならば、特開平7−262519号公報及び特開
昭64−64223号公報参照)されている。
【0019】図7(c)参照 或いは、入射角θ1 が0°<θ1 <60°、より好適に
は、20°<θ1 <40°、例えば、θ1 =30°のA
rイオン50と、入射角θ2 が60°<θ2 <85°、
好適には、θ2 =75°のArイオン51を同時に照射
して、側面に付着した再付着物層を逐次除去しながら凸
部45を形成することも合わせて提案(必要ならば、同
じく、特開平7−262519号公報参照)されてい
る。
【0020】図7(d)参照 さらに、入射角θ3 が45°<θ3 <65°、好適に
は、θ3 =55°のArイオン52のみを照射すること
によって、再付着物の付着を抑制しながら下部磁極層3
7のエッチングを行い凸部45を形成することも合わせ
て提案(必要ならば、同じく、特開平7−262519
号公報参照)されている。この場合には、下部磁極層3
7のエッチングに伴う再付着物の付着速度よりも、上部
磁極先端部43の側面のエッチング速度が上回ることを
利用したものである。
【0021】この様に再付着物層を除去、乃至、再付着
物の付着を抑制することによって、磁気的な短絡の問題
を発生することなく、上部磁極先端部43の幅と下部磁
極層37の凸部45の幅を揃えることができ、それによ
って、記録磁界の拡がりを最小限に抑えることができる
ので記録密度を向上することができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の各種の
提案においては、結果として得られる誘導型薄膜磁気ヘ
ッド部の上下磁極の幅はほぼ同じであるために、記録ヘ
ッドとしての特性は向上し、記録密度を上げることがで
きるものの、製造方法に難点があり、したがって、生産
性良く低コストで複合型薄膜磁気ヘッドを製造すること
が困難であった。
【0023】例えば、上記の図7(a)及び(b)に示
した、異なった入射角のArイオンを2度に分けて照射
する方法は、工程数が増えるという問題があるととも
に、イオンミル装置として一方の側に異なった入射角で
設定されたイオンビーム源を2つ配置した特殊なイオン
ミル装置を必要とし、また、上部磁極先端部43の裾の
部分のエッチングは瞬間瞬間には片面側しか行われず、
時間がかかるという問題がある。
【0024】また、図7(c)に示した異なった入射角
のArイオンを同時に照射する方法は、工程数は増えな
いものの、図7(a)及び(b)の方法と同様に、イオ
ンミル装置として一方側に異なった入射角で設定された
イオンビーム源を2つ配置した特殊なイオンミル装置を
必要とし、また、上部磁極先端部43の裾の部分のエッ
チングは瞬間瞬間には片面側しか行われず、時間がかか
るという問題がある。
【0025】さらに、図7(d)に示した方法の場合に
は、イオンビーム源は1つで良いものの、入射角θ3
45°<θ3 <65°とかなり大きなArイオンを用い
ており、下部磁極層37のエッチング速度はArイオン
の入射角に依存するので、イオンミリングに要する時間
が増大することになり、且つ、イオンミリング時間の増
大に伴って上部磁極先端部43の頂部のエッチング量が
増大し、上部磁極先端部43の厚さが設計値より減少し
て特性低下をもたらすという問題がある。なお、この様
な膜厚の減少の問題を解決するためには、予め上部磁極
先端部43を厚く形成しておけば良いが、そのためには
上部磁極先端部43をメッキで形成する際のレジストパ
ターンを厚くしなければならず、その結果、レジストパ
ターンの加工精度が低下するので上下磁極の先端部の
幅、即ち、記録幅を再現性良く狭くすることが困難にな
るという新たな問題が発生する。
【0026】したがって、本発明は、簡単でスループッ
トの良好な方法で下部磁極層に設ける凸部の幅を上部磁
極先端部の幅に揃えて、記録磁界の拡がりを抑えること
を目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図におけ
る上部磁極3は上部磁極の先端部を表している。 図1参照 (1)本発明は、薄膜磁気ヘッドの製造方法において、
異なる2つ以上のイオンビーム源4,5からのイオン
6,7を、イオンミルマスクとなる上部磁極3の左右両
側の斜め方向から同時に入射させ、下部磁極1をエッチ
ングすることを特徴とする。
【0028】この様に、イオンミルマスクとなる上部磁
極3の左右両側の斜め方向から同時にイオン6,7を入
射させることによって、上部磁極3の左右の側面は常に
イオン6,7によりエッチングされるので再付着物の付
着が抑制されとともに、同時に左右両側の下部磁極1を
エッチングするので、イオンミリングに要する時間が短
縮される。また、イオンミル装置としても両側に少なく
とも一つずつのイオンビーム源4,5を備えた装置(必
要ならば、特開昭59−19325号公報参照)を用い
れば良いので、特殊な構成のイオンミル装置を必要とす
ることはない。なお、本発明における薄膜磁気ヘッド
は、単独の誘導型の薄膜磁気ヘッド、及び、誘導型の薄
膜磁気ヘッドとMRヘッドとを積層した複合型薄膜磁気
ヘッドの双方を意味するものである。
【0029】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、イオン6,7の入射角θが、10°≦θ<45°で
あり、左右両側から同じ角度及び同じエネルギーで入射
させることを特徴とする。
【0030】この様に、イオン6,7を左右両側から同
時に入射させることによって、イオン6,7の入射角θ
を、10°≦θ<45°と図7(d)の場合に比べて小
さくすることができ、それによって、エッチング速度が
向上するので、イオンミリングに要する時間をより短縮
することができる。
【0031】(3)また、本発明は、上記(1)または
(2)において、下部磁極1のエッチング深さdが、
0.2μm≦d≦1.0μmであることを特徴とする。
【0032】この様に、下部磁極1のエッチング深さ
d、即ち、凸部の高さdはギャップ層2の厚さと同程度
の0.2μm≦d≦1.0μmの範囲が好適であり、d
<0.2μmであれば凸部を設けたことによる記録磁界
の拡がりの抑制の作用が効果的に発揮されず、一方、d
>1.0μmの場合には、dを大きくしても凸部を設け
た作用効果は飽和するのでイオンミリングに要する時間
が増大するだけで意味がなくなる。
【0033】(4)また、本発明は、上記(1)乃至
(3)において、下部磁極1をエッチングする際に、基
板を固定してエッチングを行うことを特徴とする。
【0034】この様に、基板を固定した状態でエッチン
グを行うことによって、イオン6,7は常に左右両側に
入射するので、イオンミリングを効率的に行うことがで
きる。
【0035】(5)また、本発明は、上記(1)乃至
(3)において、下部磁極1をエッチングする際に、基
板を回転しながらエッチングを行うことを特徴とする。
【0036】この様に、基板を回転させながらエッチン
グを行った場合には、回転の状態によりイオン6,7は
常には上部磁極3の左右から入射されないので、イオン
ミリングに要する時間は増加するが、異なったイオンビ
ーム源4,5の微妙なエネルギーの違いにより生ずる左
右のエッチング量の違いを相殺することができ、より精
度の高いエッチングが可能になる。
【0037】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の実施の形態の複
合型薄膜磁気ヘッドの製造工程を図2を参照して説明す
る。なお、図2は複合型薄膜磁気ヘッドの記録媒体との
対向面側の要部断面図で示しており、本発明の本質に実
質的に関連しない磁気抵抗効果ヘッド部については説明
を簡単にするために図示を省略する。 図2(a)参照 まず、図4に示した従来の複合型薄膜磁気ヘッドと同様
に、Al2 3 −TiCからなる基板上に、NiFe合
金からなる下部シールド層を設け、Al2 3からなる
ギャップスペーサ層を介してNiFe,Ti,CoZr
Moの積層構造からなる磁気抵抗効果素子層を設けて所
定の形状にパターニングしたのち、磁気抵抗効果素子層
の両端にAuからなる導電膜を堆積させて素子電極を形
成し、次いで、再び、Al2 3 からなるギャップスペ
ーサ層を介してNiFe合金からなる厚さが2.0〜
4.0μm、例えば、3.0μmの上部シールド層を兼
ねる下部磁極層11を形成する。
【0038】次いで、スパッタリング法によって厚さ
0.3〜0.6μm、例えば、0.4μmのAl2 3
を堆積させてギャップ層12としたのち、レジストから
なる下部絶縁層(図示せず)を介して導電体膜を設け、
パターニングすることによって上部磁極の後端と下部磁
極層11の接続部を複数回巻く平面スパイラル状のコイ
ル(図示せず)を形成し、次いで、レジストからなる上
部絶縁層(図示せず)を形成してコイルを被覆したの
ち、下部磁極層11の上部磁極の後端との接続部が露出
するようにパターニングする。なお、この場合のギャッ
プ層12の厚さが、磁気ギャップの間隔、即ち、記録ギ
ャップ長となる。
【0039】次いで、メッキベース層13となる、厚さ
50〜100Å、例えば、50ÅのTi層、及び、厚さ
1000Å以下、例えば、500ÅのNiFeをスパッ
タリング法によって順次成膜し、レジストを塗布して、
露光・現像することによって上部磁極を形成するための
レジストマスク(図示せず)を形成したのち、電解メッ
キを行うことによって、厚さ2.5〜4.0μm、例え
ば、3.0μmで、上部磁極先端部14の幅が0.5〜
2.0μm、例えば、1.0μmのNiFe合金からな
る上部磁極を形成し、次いで、レジストマスクを除去し
たのち、露出したメッキベース層12をArイオンを用
いたイオンミリングによって除去する。なお、この場合
のイオンミリングは、後述する工程と同様のイオンミリ
ング工程である。
【0040】図2(b)参照 次いで、再び、基板を固定した状態で、2つのイオンビ
ーム源(図示せず)から、入射角θが10°≦θ<45
°、例えば、θ=30°のArイオン15を上部磁極先
端部14の左右両側から、同じエネルギーで同時に入射
させることによって、上部磁極先端部14をイオンミル
マスクとしてギャップ層12をエッチングする。
【0041】図2(c)参照 引き続いて、同じく基板を固定した状態で、2つのイオ
ンビーム源(図示せず)から、入射角θが10°≦θ<
45°、例えば、θ=30°のArイオン15を上部磁
極先端部14の左右両側から、同じエネルギーで同時に
入射させることによって、上部磁極先端部14をイオン
ミルマスクとして下部磁極層11を0.2〜1.0μ
m、例えば、0.5μmだけエッチングすることによっ
て凸部17を形成する。
【0042】この様な2つのイオンビーム源を用いて左
右からArイオンを同時に照射することによって、再付
着物が付着することなく、且つ、高いエッチングレート
で凸部17を形成することができるので、図3を参照し
てこの事情を説明する。 図3(a)参照 図3(a)は、本発明の実施の形態に用いるイオンミル
装置21の概念的構成図であり、装置の両側に同じ入射
角θに設定された2つのイオンビーム源22,23が設
けられており、この2つのイオンビーム源22,23か
ら出射されたArイオン24,25が基板、即ち、Al
2 3 −TiCウェハ26に対して左右から同じ入射角
θで、且つ、同じエネルギーで同時に入射する。
【0043】図3(b)参照 図3(b)は、図3(a)に示したAl2 3 −TiC
ウェハ26の一部を拡大して概念的に示したもので、下
部磁性層11をエッチングして凸部17を形成する際
に、左側においてはArイオン24及びArイオン25
によって下部磁性層11をエッチングするとともに、A
rイオン24によって上部磁極先端部14の左側面をエ
ッチングするので、上部磁極先端部14の左側面に再付
着物が付着することがない。
【0044】また、右側においても同様に、Arイオン
24及びArイオン25によって下部磁性層11をエッ
チングするとともに、Arイオン25によって上部磁極
先端部14の右側面をエッチングするので、上部磁極先
端部14の右側面に再付着物が付着することがない。
【0045】この様に、本発明の実施の形態において
は、2つのイオンビーム源を用いて左右両側から同時に
Arイオンを照射しているので、再付着物が付着するこ
となく凸部17の形成が可能になるので、再付着物層の
除去工程が不要になり、処理時間が大幅に短縮される。
【0046】また、2つのイオンビーム源を用いて左右
両側から同時にArイオンを照射することによって、A
rイオンの入射角θをより小さくすることができ、それ
によって、エッチング速度が大きくなるので、より処理
時間を短縮することができ、且つ、処理時間の短縮に伴
って、上部磁極先端部14の膜厚の減少も抑制すること
ができる。
【0047】また、本発明の実施の形態においては、基
板を固定してエッチングを行っているので、Arイオン
は常に上部磁極先端部14の左右から同時に入射するの
でエッチング効率を高めることができ、それによっても
処理時間が短縮されるので上部磁極先端部14の膜厚の
減少を抑制することができる。
【0048】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明は実施の形態に記載した構成に限られるもの
ではなく、各種の変更が可能であり、例えば、凸部17
の形成工程において基板を固定してエッチングを行って
いるが、基板を回転させながら行っても良いものであ
る。
【0049】この様に、基板を回転させながらエッチン
グを行った場合には、回転の状態により経時的にArイ
オンは上部磁極先端部14の延在方向からの入射される
場合があり、この場合には、Arイオンは凸部17の形
成に寄与しないためイオンミリングに要する時間は増加
するが、互いに異なったイオンビーム源22及びイオン
ビーム源23の微妙なエネルギーの違いにより生ずる左
右のエッチング量の違いを相殺することができ、より精
度の高いエッチングが可能になる。
【0050】また、上記の実施の形態の説明において
は、イオンミル装置として、両側にイオンビーム源を1
つずつ設けた、計2個のイオンビーム源を有する装置を
用いているが、両側に複数個同数ずつ設けて、計偶数個
のイオンビーム源を有する装置を用いても良いものであ
る。
【0051】また、上記の実施の形態の説明において
は、ギャップ層12のエッチングに際して、イオンミリ
ング法を用いているが、イオンミリング法に限られるも
のではなく、例えば、反応ガスとして塩素系ガス或いは
CHF3 等を用いた反応性イオンエッチング法を用いて
も良いものであり、或いは、燐酸(H3 PO4 )を用い
たウェット・エッチングによって除去しても良いもので
ある。
【0052】また、上記の実施の形態の説明において
は、下部磁性層11及び上部磁極先端部14としては、
高周波特性を向上するために飽和磁束密度Bs の高い材
料を用いることが必要となり、また、高周波になるに従
って渦電流による損失が大きくなり、表皮効果による記
録磁界強度の低下を招くことになるため、渦電流の発生
を抑制するために、比抵抗ρの大きな材料を用いること
が必要となり、そのために高Bs 軟磁性材料であるNi
Fe合金を用いているが、FeNiZr、CoNiFe
等の他の高Bs 軟磁性材料を用いても良いものである。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、下部磁極をイオンミリ
ングして凸部を形成する際に、2つのイオンビーム源を
用いてイオンを左右両側から同じ入射角で、同じエネル
ギーで同時に入射しているので、再付着物の付着を生ず
ることなくイオンミリングに要する時間を短縮すること
ができるので、簡単でスループットの良好な工程で記録
磁界の拡がりを低減することができ、それによって、複
合型薄膜磁気ヘッドの高記録密度化、低価格化に寄与
し、ひいては、高性能HDD装置の普及に寄与するとこ
ろが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の製造工程の説明図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態における作用の説明図であ
る。
【図4】従来の複合型薄膜磁気ヘッドの概略的構成図で
ある。
【図5】従来の薄膜磁気ヘッドの製造工程の説明図であ
る。
【図6】従来の製造工程の問題点の説明図である。
【図7】従来の再付着物層の除去方法の説明図である。
【符号の説明】
1 下部磁極 2 ギャップ層 3 上部磁極 4 イオンビーム源 5 イオンビーム源 6 イオン 7 イオン 11 下部磁極層 12 ギャップ層 13 メッキベース層 14 上部磁極先端部 15 Arイオン 16 Arイオン 17 凸部 21 イオンミル装置 22 イオンビーム源 23 イオンビーム源 24 Arイオン 25 Arイオン 26 Al2 3 −TiCウェハ 31 基板 32 下部シールド層 33 ギャップスペーサ層 34 磁気抵抗効果素子層 35 素子電極 36 ギャップスペーサ層 37 下部磁極層 38 ギャップ層 39 下部絶縁層 40 コイル層 41 上部絶縁層 42 上部磁極 43 上部磁極先端部 44 上部磁極後方部 45 凸部 46 メッキベース層 47 Arイオン 48 Arイオン 49 再付着物層 50 Arイオン 51 Arイオン 52 Arイオン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる2つ以上のイオンビーム源からの
    イオンを、イオンミルマスクとなる上部磁極の左右両側
    の斜め方向から同時に入射させ、下部磁極をエッチング
    することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記イオンの入射角θが、10°≦θ<
    45°であり、左右両側から同じ角度及び同じエネルギ
    ーで入射させることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記下部磁極のエッチング深さdが、
    0.2μm≦d≦1.0μmであることを特徴とする請
    求項1または2に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記下部磁極をエッチングする際に、基
    板を固定してエッチングを行うことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 上記下部磁極をエッチングする際に、基
    板を回転しながらエッチングを行うことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
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