JP2000011318A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JP2000011318A
JP2000011318A JP10175676A JP17567698A JP2000011318A JP 2000011318 A JP2000011318 A JP 2000011318A JP 10175676 A JP10175676 A JP 10175676A JP 17567698 A JP17567698 A JP 17567698A JP 2000011318 A JP2000011318 A JP 2000011318A
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JP10175676A
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Minoru Hasegawa
実 長谷川
Yoshinori Otsuka
善徳 大塚
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関し、上
部磁極の先端部、及び、上部磁極の後方部の先端部側の
領域の形状を精度良く形成する。 【解決手段】 上部磁極の後方部8の少なくとも上部磁
極の先端部3側の領域において、コイル被覆絶縁層6と
上部磁極の後方部8との間に非磁性層7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜磁気ヘッド及び
その製造方法に関し、特に、コンピュータの外部記憶装
置として用いられるハードディスクドライブ(HDD)
等の磁気記録装置或いは磁気テープ装置等における複合
型薄膜磁気ヘッドを構成する誘導型薄膜磁気ヘッドの上
部磁極構造及びその製造方法に特徴のある薄膜磁気ヘッ
ド及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のハードディスク装置等の小型化,
大容量化による需要の高まりに伴い、高密度磁気記録が
可能なハードディスク装置等の研究開発が急速に進めら
れているが、この様なハードディスク装置の高密度化に
伴い、記録ヘッド、即ち、磁気ヘッドの高性能化が要請
されており、この様な要請に応えるものとして、再生ヘ
ッドとしては記録媒体の速度に依存せず、小型ディスク
に対しても適用でき、且つ、高い出力が得られる磁気抵
抗効果素子を用いたMR(磁気抵抗)ヘッドが注目され
ている。
【0003】また、高記録密度を実現するためには、線
記録密度とトラック密度を向上させる必要があるが、そ
のためには、記録ヘッドとしては、高い周波数まで記録
でき、且つ、隣接するトラックとのクロストーク等の原
因となる記録にじみの少ないヘッドが要求されることに
なる。
【0004】近年、この様な高性能化の要請に応えるヘ
ッドとして、MRヘッドと誘導型の薄膜磁気ヘッドとを
複合化した複合型薄膜磁気ヘッドが開発されており、記
録ヘッドの記録ギャップと再生ヘッドの再生ギャップを
それぞれ最適化することによって、記録特性の向上と、
再生分解能の向上を共に実現しようとしている。
【0005】ここで、図6を参照して、従来の複合型薄
膜磁気ヘッドの概略的構成を説明する。なお、図6
(a)は記録媒体に対する対向面側の断面図であり、ま
た、図6(b)は図6(a)の一点鎖線に沿った断面図
であり、さらに、図6(c)は上部磁極の平面図であ
る。 図6(a)及び(b)参照 まず、基板41上に、NiFe合金等からなる下部シー
ルド層42を設け、Al2 3 等のギャップスペーサ層
43を介してNiFe,Ti,CoZrMoの積層構造
等からなる磁気抵抗効果素子層44を設けて所定の形状
にパターニングしたのち、磁気抵抗効果素子層44の両
端にAu等からなる導電膜を堆積させて素子電極45を
形成する。
【0006】次いで、再び、Al2 3 等のギャップス
ペーサ層46を介してNiFe合金等からなる上部シー
ルド層を兼ねる下部磁極層47を設け、その上にAl2
3等からなるギャップ層48を設けたのち、レジスト
等の下部絶縁層49を介して所定パターンのコイル層5
0を形成し、次いで、レジスト等からなる上部絶縁膜5
1を被覆し、この上部絶縁層51を介して先端部53及
び後方部54からなる上部磁極52を設けることによっ
て磁気抵抗効果素子層44を利用した再生用MRヘッド
と、記録用の誘導型の薄膜磁気ヘッドとを複合化した複
合型薄膜磁気ヘッドが得られる。なお、上部電極52は
後方部53の後端部において下部磁極層47と接合して
おり、コイル層50は、この接合部を回るようにパター
ニングされている。
【0007】図6(c)参照 この場合の上部磁極52は、記録時におけるトラック幅
を決めるための幅細の先端部53と、より多くの磁束を
流すために幅方向を広く形成した後方部54とからな
り、メッキベース層(図示せず)を介してレジストマス
クを用いた電解メッキ法によって選択的に形成される
が、このメッキ法による製造方法には、全体を1回でメ
ッキする方法と、先端部53と後方部54とを分けてメ
ッキする方法があるので、以下において各々の製造工程
を説明する。
【0008】まず、図7及び図8を参照して、1回メッ
キによる薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する。なお、
各図における右側の図は、左側の図における一点鎖線に
沿った概略的断面図であり、また、説明を簡単にするた
めに、下部磁極層47以下のMRヘッド側の製造工程及
び構造の説明及び図示は省略し、また、磁気ヘッドの後
部の構成の図示も省略する。 図7(a)参照 まず、NiFe合金からなる下部磁極層47上に、スパ
ッタリング法によってAl2 3 を堆積させてギャップ
層48としたのち、レジストからなる下部絶縁層49を
介して導電体膜を設け、パターニングすることによって
上部磁極52と下部磁極層47との接続部(図示せず)
を複数回巻く平面スパイラル状のコイル層50を形成
し、次いで、レジストからなる上部絶縁層51を形成し
てコイルを被覆したのち、上部磁極52と下部磁極層4
7との接続部が露出するようにパターニングし、次い
で、Ti層及びNiFe層からメッキベース層55をス
パッタリング法によって順次全面に成膜する。なお、こ
の場合のギャップ層48の厚さが、磁気ギャップの間
隔、即ち、記録ギャップ長となる。
【0009】図7(b)参照 次いで、全面にレジスト層を塗布したのち、露光・現像
することによって先端部53及び後方部54からなる上
部磁極を形成するための開口部パターンを有するレジス
トマスク56を形成し、次いで、NiFe合金を電解メ
ッキすることによって、先端部53及び後方部54から
なる上部磁極を形成する。
【0010】図8(c)参照 次いで、レジストマスク56を除去する。 図8(d)参照 次いで、レジストマスク56の除去により露出した先端
部53及び後方部54からなる上部磁極以外の領域にお
けるメッキベース層55をArイオンを用いたイオンミ
リング法によって除去する。
【0011】以降の工程は図示を省略するが、全面にA
2 3 からなる保護膜を設け、基板41を切断し、上
部磁極の先端部53の長さ、即ち、ギャップ深さを調整
するために研削、研磨等を行う等のスライダー加工を行
うことにより、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0012】しかし、この1回メッキによる薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法においては、上部磁極の先端部53の後
方部54との結合部近傍においてコア幅が拡がってしま
うという問題があるので、この事情を図9を参照して説
明する。なお、図9(a)は、図7(b)におけるレジ
ストマスク56を形成するための露光工程を示す図であ
り、また、図9(b)は、現像の結果得られるレジスト
マスク56の開口部パターン60を示す図である。
【0013】図9(a)参照 上部磁極を形成するためのレジストマスク56を形成す
るために、レジスト層57を露光光58で選択的に露光
する際に、上部絶縁層51及び下部絶縁層49の側面に
よって形成される段差部において、露光光58はメッキ
ベース層55によって反射され、この反射光59が不所
望な方向に拡がってレジスト層57を露光することにな
る。
【0014】図9(b)参照 図に示すように、現像によって得られる開口部パターン
60は、先端部53と後方部54の結合部近傍におい
て、二点鎖線で示す所期の形状より拡がり、拡大部61
が形成され、その結果、先端部53のコア幅が拡がるこ
とになる。特に、段差部における上部磁極52の形状は
幅細の先端部53から幅広の後方部54へ移行するテー
パ状であるため、先端部53に対する露光量より大幅に
露光量が多くなり、この多量の露光光58による反射光
59も多くなるので、拡大部61が形成される。なお、
先端部53を形成する領域及び段差部においてはレジス
ト層57の厚さが、上部絶縁層51の頂部の上のレジス
ト層57の厚さより厚くなるので、反射光59を考慮し
ない場合にも所期の設計値より拡がることになる。
【0015】この様な問題点を解決する方法が2回メッ
キによる薄膜磁気ヘッドの製造方法であるので、この製
造工程を図10及び図11を参照して説明する。なお、
各図における右側の図は、左側の図における一点鎖線に
沿った概略的断面図であり、また、説明を簡単にするた
めに、下部磁極層47以下のMRヘッド側の製造工程及
び構造の説明及び図示は省略し、また、磁気ヘッドの後
部の構成の図示も省略する。 図10(a)参照 まず、上記の1回メッキによる製造方法と同様に、Ni
Fe合金からなる下部磁極層47上に、スパッタリング
法によってAl2 3 を堆積させてギャップ層48とし
たのち、レジストからなる下部絶縁層49を介して導電
体膜を設け、パターニングすることによって上部磁極5
2と下部磁極層47との接続部(図示せず)を複数回巻
く平面スパイラル状のコイル層50を形成し、次いで、
レジストからなる上部絶縁層51を形成してコイルを被
覆したのち、上部磁極52と下部磁極層47との接続部
が露出するようにパターニングし、次いで、Ti層及び
NiFe層からメッキベース層55をスパッタリング法
によって順次全面に成膜する。
【0016】図10(b)参照 次いで、全面にレジスト層を塗布したのち、露光・現像
することによって上部磁極の先端部53を形成するため
の開口部パターンを有するレジストマスク62を形成
し、次いで、NiFe合金を電解メッキすることによっ
て、上部磁極の先端部53を形成する。
【0017】図11(c)参照 次いで、レジストマスク62を除去したのち、全面に新
たにレジスト層を塗布し、露光・現像することによって
上部磁極の後方部54を形成するための開口部パターン
を有するレジストマスク63を形成し、次いで、同じく
NiFe合金を電解メッキすることによって、上部磁極
の後方部54を形成する。
【0018】図11(d)参照 次いで、レジストマスク63を除去したのち、レジスト
マスク63の除去により露出した上部磁極の先端部53
及び後方部54以外の領域におけるメッキベース層55
をArイオンを用いたイオンミリング法によって除去す
る。
【0019】以降の工程は、同じく図示を省略するが、
全面にAl2 3 からなる保護膜を設け、基板41を切
断し、上部磁極の先端部53の長さ、即ち、ギャップ深
さを調整するために研削、研磨等を行う等のスライダー
加工を行うことにより、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0020】この2回メッキによる製造方法の場合に
は、1回目のメッキ工程において、一定の幅の幅細の先
端部53のみ露光するので露光量が少なく、したがっ
て、段差部において不所望な反射は生じても、反射光5
9の量は少ないので、反射光59による露光量は少な
く、したがって、拡大部61の面積も小さくなるので、
パターン精度が向上する。
【0021】また、この場合、レジストマスク56を形
成するためのレジスト層の厚さは、段差部の中頃までレ
ジスト層として機能する厚さで良いので、レジスト層の
厚さを1回メッキによる製造方法の場合に比べて薄くす
ることができ、それによってもパターン精度を向上する
ことができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の2回メ
ッキによる製造方法の場合、上部磁極の後方部54を形
成する際に、後方部54の先端部53寄りの部分の寸法
が不所望に大きくなって形状不良が生じ、この形状不良
によって、磁界の集束が十分にされずに発生磁場強度が
低下するという特性不良が発生するという問題があるの
で、この事情を図12を参照して説明する。
【0023】図12(a)及び(b)参照 図12は、図11(c)におけるレジストマスク63を
形成するためのレジスト層64の層厚分布の説明図であ
り、図12(b)は、図12(a)に示す平面図におけ
る一点鎖線に沿った要部断面図である。図12(b)か
ら明らかなように、上部磁極の先端部53を予め設けた
領域近傍におけるレジスト層64は、厚さtの最厚部6
5となっており、この最厚部65に所定パターンを形成
するためには露光量を増加させなければならないが、露
光量を増加させることによって、パターン精度が低下
し、且つ、反射光も増加することによって後方部54の
先端部53寄りの部分の寸法がより大きくなる。
【0024】したがって、本発明は、上部磁極の先端
部、及び、上部磁極の後方部の先端部側の領域の形状を
精度良く形成することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。なお、図1
(a)は、誘導型薄膜磁気ヘッドの要部断面図であり、
図において、符号1は下部磁極を、2はギャップ層を、
4はコイル下地絶縁層を、また、5はコイルを夫々表
す。 図1参照 (1)本発明は、薄膜磁気ヘッドにおいて、上部磁極の
後方部8の少なくとも上部磁極の先端部3側の領域にお
いて、コイル被覆絶縁層6と上部磁極の後方部8との間
に非磁性層7を設けたことを特徴とする。
【0026】この様に、コイル被覆絶縁層6と上部磁極
の後方部8との間に非磁性層7を設けることによって、
上部磁極の後方部8を形成するためのフォトレジスト層
を平坦に形成することができ、それによって、上部磁極
の先端部3に起因するフォトレジスト層の膜厚部による
パターニング精度の低下を低減して、上部磁極の先端部
3、及び、上部磁極の後方部8の先端部3側の領域の形
状を精度良く形成することができる。なお、本発明にお
ける薄膜磁気ヘッドとは、誘導型の薄膜磁気ヘッド、及
び、誘導型の薄膜磁気ヘッドとMRヘッドとを積層した
複合型薄膜磁気ヘッドの両者を含むものである。
【0027】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、非磁性層7として、Cu、Ag、Au、Pt、Al
2 3 、SiO2 、Si3 4 、及び、樹脂系レジスト
の内のいずれかを用いたことを特徴とする。
【0028】この様に、上部磁極の後方部8を形成する
ためのフォトレジスト層を平坦化するための非磁性層7
としては、Cu、Ag、Au、Pt、Al2 3 、Si
2、Si3 4 、及び、樹脂系レジストの内のいずれ
かを用いることが望ましく、Cu、Ag、Au、Ptの
金属からなる非磁性層7を用いた場合には他の材料を用
いた場合に比べて渦電流損失を低減することができ、ま
た、樹脂系レジストを用いた場合には他の材料を用いた
場合に比べてパターニング精度を向上することができ
る。
【0029】(3)また、本発明は、上記(1)または
(2)において、上部磁極の先端部3を高飽和磁束密度
材料によって構成し、上部磁極の後方部8を低飽和磁束
密度材料によって構成することを特徴とする。
【0030】一般に、高周波特性を向上するために飽和
磁束密度Bs の高い材料を用いることが必要となり、そ
のために高Bs 軟磁性材料であるNiFe合金を用いて
いるが、NiFe合金の場合には、Ni含有量が少ない
程ほど飽和磁束密度Bs になるが、メッキの表面が粗く
なりやすいので、記録時におけるトラック幅を決める幅
細の上部磁極の先端部3のみを高飽和磁束密度材料によ
って構成し、より多くの磁束を流すための幅広の上部磁
極の後方部8を表面が平滑な低飽和磁束密度材料によっ
て構成することによって素子特性を向上することができ
る。
【0031】(4)また、本発明は、上記(1)乃至
(3)のいずれかにおいて、上部磁極の先端部3を高抵
抗材料によって構成し、上部磁極の後方部8を低抵抗材
料によって構成することを特徴とする。
【0032】また、一般に、高周波になるに従って渦電
流による損失が大きくなり、表皮効果による記録磁界強
度の低下を招くことになるため、渦電流の発生を抑制す
るためには、比抵抗ρの大きな材料を用いることが必要
になるが、NiFe合金の場合には、Ni含有量が少な
い程ほど高比抵抗になるが、メッキの表面が粗くなりや
すいので、記録時におけるトラック幅を決める幅細の上
部磁極の先端部3のみを高比抵抗材料によって構成し、
より多くの磁束を流すための幅広の上部磁極の後方部8
を表面が平滑な低比抵抗材料によって構成することによ
って素子特性を向上することができる。
【0033】(5)また、本発明は、薄膜磁気ヘッドの
製造方法において、上部磁極の先端部3を形成する工
程、コイル被覆絶縁層6と上部磁極の後方部8の少なく
とも上部磁極の先端部3側の領域との間に挿入する非磁
性層7を形成する工程、及び、上部磁極の後方部8を形
成する工程とを含むことを特徴とする。
【0034】この様に上部磁極の先端部3と上部磁極の
後方部8とを別工程で形成することによって上部磁極の
先端部3のコア幅の拡大を防止することができると共
に、上部磁極の先端部3と上部磁極の後方部8とを互い
に異なった材料で且つ異なった膜厚で形成することがで
き、その際、上部磁極の後方部8を形成する前に、非磁
性層7を形成することによって、上部磁極の先端部3に
起因する形状不良の発生を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の実施の形態の複
合型薄膜磁気ヘッドを図2乃至図5を参照して説明す
る。なお、図2乃至図4は複合型薄膜磁気ヘッドの製造
工程の説明図であり、各図における右側の図は、左側の
図における一点鎖線に沿った概略的断面図であり、また
図示を簡単にするために、下部磁極層11以下のMRヘ
ッド側の構造及び磁気ヘッドの後部の構成の図示を省略
しており、図5において、MRヘッド部を含んだ全体構
成を示し、MRヘッドの製造工程の説明においては図5
の符号を引用する。
【0036】図2(a)及び図5参照 まず、図10に示した従来の複合型薄膜磁気ヘッドの製
造工程と同様に、Al 2 3 ・TiCからなる基板上
に、Ni80Fe20からなる下部シールド層32を設け、
Al2 3 からなるのギャップスペーサ層33を介して
NiFe,Ti,CoZrMoの積層構造からなる磁気
抵抗効果素子層34を設けて所定の形状にパターニング
したのち、磁気抵抗効果素子層34の両端にAuからな
る導電膜を堆積させて素子電極35を形成し、次いで、
再び、Al2 3 からなるギャップスペーサ層36を介
してNi80Fe20からなる厚さが2.0〜4.0μm、
例えば、3.0μmの上部シールド層を兼ねる下部磁極
層11を形成する。
【0037】次いで、下部磁極層11上に、スパッタリ
ング法によって厚さ0.3〜0.6μm、例えば、0.
4μmのAl2 3 を堆積させてギャップ層12とした
のち、従来の工程と同様にレジストからなる下部絶縁層
13を介して導電体膜を設け、パターニングすることに
よって上部磁極の後端と下部磁極層11との接続部を複
数回巻く平面スパイラル状のコイル層14を形成し、次
いで、レジストからなる上部絶縁層15を形成してコイ
ル層14を被覆したのち、メッキベース層15となる、
厚さ50〜100Å、例えば、50ÅのTi層(図示せ
ず)、及び、厚さ1000Å以下、例えば、500Åの
Ni50Fe50をスパッタリング法によって順次成膜す
る。なお、この場合のギャップ層12の厚さが、磁気ギ
ャップの間隔、即ち、記録ギャップ長となる。
【0038】図2(b)参照 次いで、レジストを塗布し、露光・現像することによっ
て上部磁極先端部18を形成するための開口部パターン
を有するレジストマスク17を形成したのち、電解メッ
キを行うことによって、厚さ2.0〜4.0μm、例え
ば、3.0μmで、幅W1 が0.5〜2.0μm、例え
ば、1.0μmのNi40Fe60からなる上部磁極先端部
18を形成する。
【0039】図3(c)参照 次いで、レジストマスク18を除去し、露出したメッキ
ベース層16をArイオンを用いたイオンミリング法に
よって除去したのち、スパッタリング法を用いて上部絶
縁層15上にCu層からなる厚さが2.0〜4.0μ
m、例えば、3.0μmの非磁性層19を選択的に形成
する。なお、この場合の非磁性層19の厚さは、非磁性
層19に隣接する上部磁極先端部18の厚さとできる限
り等しい膜厚とするものであり、位置合わせ精度が要求
されるが、マスクスパッタリング法を用いて形成するこ
とが可能である。
【0040】図3(d)参照 次いで、再び、メッキベース層20となる、厚さ50〜
100Å、例えば、50ÅのTi層(図示せず)、及
び、厚さ1000Å以下、例えば、500ÅのNi50
50をスパッタリング法によって順次成膜する。
【0041】図4(e)参照 次いで、レジストを塗布し、露光・現像することによっ
て上部磁極後方部22を形成するための開口部パターン
を有するレジストマスク21を形成したのち、電解メッ
キを行うことによって、厚さ3.0〜5.0μm、例え
ば、4.0μmのNi50Fe50からなる上部磁極後方部
22を形成する。
【0042】図4(f)参照 次いで、レジストマスク21を除去し、露出したメッキ
ベース層20をArイオンを用いたイオンミリング法に
よって除去することによって複合型薄膜磁気ヘッドの基
本構造が完成する。
【0043】図5(a)及び(b)参照 図5(a)は上記の工程によって製造した複合型薄膜磁
気ヘッドの記録媒体に対する対向面側の要部断面図であ
り、また、図5(b)は図5(a)の一点鎖線に沿った
断面図であり、図から明らかなように、上部磁極先端部
18と上部磁極後方部22とは、上部絶縁層15の段差
部において接続する構造となり、また、上部磁極後方部
22の下には上部磁極先端部18と厚さがほぼ等しい非
磁性層19が挿入された構造となる。
【0044】以降の工程は図示を省略するが、従来の製
造工程と同様に、全面にAl2 3からなる保護膜を設
け、基板31を切断し、上部磁極先端部18の長さ、即
ち、ギャップ深さを調整するために研削、研磨等を行う
等のスライダー加工を行うことにより、複合型薄膜磁気
ヘッドが完成する。
【0045】なお、上部磁極としては、高周波特性を向
上するために飽和磁束密度Bs の高い材料を用いること
が必要となり、一方、高周波になるに従って渦電流によ
る損失が大きくなり、表皮効果による記録磁界強度の低
下を招くことになるため、渦電流の発生を抑制するため
に、比抵抗ρの大きな材料を用いることが必要となり、
そのために上部磁極先端部18及び上部磁極後方部22
として高Bs 軟磁性材料であるNiFe合金を用いてい
るが、NiFe合金はNi含有量が低いほど高飽和磁束
密度、高比抵抗になり特性上は好ましいが、Ni含有量
が低いほどメッキ層の表面が粗くなるので、素子特性に
大きな影響を与える上部磁極先端部18のみを高飽和磁
束密度、高比抵抗のNi40Fe60で形成し、上部磁極後
方部22を相対的に低飽和磁束密度、低比抵抗のNi50
Fe50で形成している。
【0046】この様に、本発明の実施の形態において
は、上部磁極を上部磁極先端部18と上部磁極後方部2
2の2つに分けて2回メッキにより形成する際に、上部
磁極後方部22とコイル層14を被覆する上部絶縁層1
5との間に非磁性層19を設けているので、上部磁極後
方部22を形成するためのレジストマスク21を形成す
る際のレジスト層を平坦に形成することができ、それに
よって、露光に伴う不所望な反射光を低減することがで
きるので、上部磁極後方部22の形状不良を防止するこ
とができる。
【0047】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明は実施の形態に記載した構成に限られるもの
ではなく、各種の変更が可能であり、例えば、非磁性層
19としてCuを用いているがCuに限られるものでは
なく、Ag、Au、Pt等を用いても良いものであり、
この様な金属からなる非磁性層を用いることによって渦
電流損失を低減することができる。
【0048】また、非磁性層19は金属に限られるもの
ではなく、Al2 3 、SiO2 、Si3 4 等の無機
材料或いは、樹脂系レジストを用いても良いものであ
り、特に、樹脂系レジストを用いた場合には、図3
(c)における非磁性層19の形成工程が簡素化され、
パターニング精度が向上する。例えば、非磁性層19を
形成するためにポジ型レジストを平坦に塗布したのち、
上部磁極先端部18が露出する程度に表面を全面露光
し、次いで、非磁性層19のパターンが残存するように
上部磁極先端部18側を露光したのち、現像することに
よって、図3(c)に示したパターンの非磁性層19を
形成することができ、他の材料を用いた製造工程に比べ
て、位置合わせ精度が緩和される。
【0049】また、上記の実施の形態の説明において
は、上部磁極先端部18として、Ni 40Fe60を用い、
上部磁極後方部22として、Ni50Fe50を用いている
が、この様な組成のNiFe合金に限られるものではな
く、Ni20Fe80等の他の組成のNiFe合金を用いて
も良いものであり、さらには、FeNiZr、CoNi
Fe等の他の高Bs 軟磁性材料を用いても良いものであ
る。
【0050】また、上記の実施の形態の説明において
は、非磁性層19の後端が上部絶縁層15の頂部の後端
とほぼ一致するようにしているが、この非磁性層19は
少なくとも上部磁極後方部22を形成する際のパターン
精度に影響する上部絶縁層15の前方側の段差部を覆う
ように設ければ良いものであり、また、上部絶縁層15
の後方側の段差部も覆うように設けても良いものであ
る。
【0051】また、上記の実施の形態の説明において
は、誘導型の薄膜磁気ヘッドとMRヘッドとを積層した
複合型薄膜磁気ヘッドとして説明しているが、本発明は
複合型薄膜磁気ヘッドに限られるものではなく、単独の
誘導型の薄膜磁気ヘッドも対象とするものである。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、上部磁極を先端部と後
方部に分けて2回メッキで形成する際に、後方部形成す
る前に、先端部とほぼ同じ膜厚の非磁性層をコイル被覆
絶縁層上に設けているので、後方部を形成する際のレジ
ストマスクの露光工程において発生する不所望な反射光
を低減することができ、それによって、形状不良の発生
を防止することができるので、薄膜磁気ヘッドの高記録
密度化、低価格化に寄与し、ひいては、高性能HDD装
置の普及に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の途中までの製造工程の説
明図である。
【図3】本発明の実施の形態の図2以降の途中までの製
造工程の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の図3以降の製造工程の説
明図である。
【図5】本発明の実施の形態の複合型薄膜磁気ヘッドの
概略的構成図である。
【図6】従来の複合型薄膜磁気ヘッドの概略的構成図で
ある。
【図7】従来の一回メッキによる薄膜磁気ヘッドの途中
までの製造工程の説明図である。
【図8】従来の1回メッキによる薄膜磁気ヘッドの図7
以降の製造工程の説明図である。
【図9】従来の1回メッキによる薄膜磁気ヘッドの製造
方法の問題点の説明図である。
【図10】従来の2回メッキによる薄膜磁気ヘッドの途
中までの製造工程の説明図である。
【図11】従来の2回メッキによる薄膜磁気ヘッドの図
10以降の製造工程の説明図である。
【図12】従来の2回メッキによる薄膜磁気ヘッドの製
造方法の問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 下部磁極 2 ギャップ層 3 上部磁極の先端部 4 コイル下地絶縁層 5 コイル 6 コイル被覆絶縁層 7 非磁性層 8 上部磁極の後方部 11 下部磁極層 12 ギャップ層 13 下部絶縁層 14 コイル層 15 上部絶縁層 16 メッキベース層 17 レジストマスク 18 上部磁極先端部 19 非磁性層 20 メッキベース層 21 レジストマスク 22 上部磁極後方部 31 基板 32 下部シールド層 33 ギャップスペーサ層 34 磁気抵抗効果素子層 35 素子電極 36 ギャップスペーサ層 41 基板 42 下部シールド層 43 ギャップスペーサ層 44 磁気抵抗効果素子層 45 素子電極 46 ギャップスペーサ層 47 下部磁極層 48 ギャップ層 49 下部絶縁層 50 コイル層 51 上部絶縁層 52 上部磁極 53 先端部 54 後方部 55 メッキベース層 56 レジストマスク 57 レジスト層 58 露光光 59 反射光 60 開口部パターン 61 拡大部 62 レジストマスク 63 レジストマスク 64 レジスト層 65 最厚部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部磁極の後方部の少なくとも上部磁極
    の先端部側の領域において、コイル被覆絶縁層と前記上
    部磁極の後方部との間に非磁性層を設けたことを特徴と
    する薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記非磁性層として、Cu、Ag、A
    u、Pt、Al2 3、SiO2 、Si3 4 、及び、
    樹脂系レジストの内のいずれかを用いたことを特徴とす
    る請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記上部磁極の先端部を高飽和磁束密度
    材料によって構成し、上記上部磁極の後方部を低飽和磁
    束密度材料によって構成することを特徴とする請求項1
    または2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 上記上部磁極の先端部を高抵抗材料によ
    って構成し、上記上部磁極の後方部を低抵抗材料によっ
    て構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 上部磁極の先端部を形成する工程、コイ
    ル被覆絶縁層と上部磁極の後方部の少なくとも前記上部
    磁極の先端部側の領域との間に挿入する非磁性層を形成
    する工程、及び、前記上部磁極の後方部を形成する工程
    とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006172696A (ja) * 2004-12-10 2006-06-29 Headway Technologies Inc Cip−gmr素子、cip−gmr再生ヘッド、cip−gmr再生ヘッドの製造方法、ならびにcip−gmr素子におけるフリー層の形成方法
US7751146B2 (en) * 2004-02-19 2010-07-06 Headway Technologies, Inc. Abs through aggressive stitching

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