JP2000009553A - 薄膜評価装置、薄膜評価方法、半導体シミュレーション装置、半導体シミュレーション方法、薄膜評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及びシミュレーションプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

薄膜評価装置、薄膜評価方法、半導体シミュレーション装置、半導体シミュレーション方法、薄膜評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及びシミュレーションプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2000009553A
JP2000009553A JP10181002A JP18100298A JP2000009553A JP 2000009553 A JP2000009553 A JP 2000009553A JP 10181002 A JP10181002 A JP 10181002A JP 18100298 A JP18100298 A JP 18100298A JP 2000009553 A JP2000009553 A JP 2000009553A
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thin film
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stress
increment
change
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Yukihiro Ushiku
幸広 牛久
Satoshi Izumi
聡志 泉
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度と共に構造の変化する薄膜の物性値パラ
メータを正しく知りうる薄膜評価装置・方法、半導体シ
ミュレーション装置・方法、薄膜評価プログラム及びシ
ミュレーションプログラムを格納した記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 状態量計算手段51と、状態量計算手段
51とは独立に薄膜材料の真性応力と構造変化に伴う粘
性係数を計算する応力計算手段52とを含む演算部5を
少なくとも具備して、薄膜評価装置を構成し、薄膜評価
や半導体シミュレーションを行う。状態量計算手段51
は、薄膜の状態を互いに異なる構造を有した複数の状態
の混合状態として捉え、それぞれの状態に対応した複数
の状態量を設定し、この状態量の変化を計算する。基板
加熱機構31を内蔵し、基板33の加熱に伴う薄膜34
の曲率半径の変化を測定し、測定結果を演算部5に出力
する計測チャンバー1を更に有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体製造工程中に
半導体内部に発生する応力や半導体装置を構成している
薄膜の物性値を計算評価する薄膜評価方法、薄膜評価装
置、この薄膜評価方法を用いた半導体シミュレーション
装置及び半導体シミュレーション方法、さらには薄膜評
価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記
録媒体及びシミュレーションプログラムを格納したコン
ピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の微細化に伴い、素子と素子
を電気的に絶縁する素子分離技術が重要となってきてい
る。特に0.25μm以下のサブクォーターミクロン素
子においては、従来のLOCOS法による素子分離で
は、微細寸法化が困難であり、シャロー・トレンチ・ア
イソレーション(Shallow Trench Isolation:ST
I)と呼ばれる絶縁膜を埋め込む構造を持った素子分離
技術が多く用いられている。このSTI技術において
は、リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)法等
でシリコン(Si)基板中に溝(シャロー・トレンチ)
を形成し、このシャロー・トレンチにテトラエチルオル
ソシリケート(TEOS:Si(OC254)等の有
機シリコン系材料からなる絶縁膜をCVD法で埋め込む
手法が、プロセスの低温化の点で好まれている。この場
合、埋め込まれた絶縁膜を、熱処理により熱酸化膜類似
の構造(擬酸化膜)に変換する必要がある。しかし、熱
処理により、埋め込まれた絶縁膜がデンシフィケーショ
ン(焼結)を起こす際に発生する高い応力のために、S
i基板中に転位が発生したり、界面に応力が蓄積する等
の問題が発生し、その対策が必要になってきている。し
たがって、このようなTEOS酸化膜等の薄膜の応力の
温度変化を予測する物理モデル、物性値パラメータを正
しく知ることの重要性が増してくるものと考えるられ
る。
【0003】薄膜の応力の測定機は、薄膜をSi基板等
の基板に堆積してその曲率半径の変化を観測するものや
薄膜に光を照射してその干渉を利用するものなどがあ
る。例えば、曲率半径の変化を観測する場合には、ヒー
タ加熱機構等により、基板の温度を変化させながら、レ
ーザー光を薄膜の表面に照射し、その入射角と反射角と
の差を求めれば求めることができる。この場合は、各時
刻における基板の温度は、コンピュータにより制御さ
れ、試料表面の薄膜の曲率半径の変化から、薄膜にかか
る応力をプログラムにより計算する。このプログラム
は、基板材料の二軸弾性係数c、基板の厚さh、薄膜の
厚さhf、試料の曲率半径の変化量Rを入力とし、薄膜
の薄膜の平均ストレス応力σを出力としている。ここ
で、基板材料のヤング率をE、基板材料のポアソン比を
νとすれば、基板材料の二軸弾性係数cは、 c=E/(1−ν) ・・・・・(1) と表される。(100)Si基板の場合はc=1.80
5×1011Paである。また、薄膜形成前の曲率半径を
1、薄膜形成後の曲率半径をR2とすれば、曲率半径の
変化量Rは、 R=R12/(R1−R2) ・・・・・(2) である。そして、薄膜内の平均ストレスは、以下の式で
計算される。
【0004】 σ=ch2/6Rhf ・・・・・(3) 更に弾性範囲内の温度Tに応じた応力の変化から、薄膜
の2軸弾性係数cf、基板の熱膨脹係数αs 、薄膜の熱
膨脹係数αfが以下の式より求められる: dσ/dT=cf(αs −αf) ・・・・・(4) ここで、dσ/dTは、薄膜の応力対温度の導関数であ
る。また、薄膜のヤング率をEf、薄膜のポアソン比を
νfとすれば、薄膜の2軸弾性係数cfは、 cf=Ef/(1−νf) ・・・・・(5) (4)式において、薄膜の2軸弾性係数cf と熱膨張係
数αs ,αfの二つの未知数があるので、同じ薄膜を持
つ異なる基板を用いて、薄膜の応力対温度のグラフから
求めた導関数dσ/dTを連立させて解けば求められ
る。
【0005】これらの物性値は、プロセスシミュレーシ
ョンの応力シミュレーションなどに用いることにより、
半導体製造工程に起因する転位やスリップの発生の予測
や抑制対策の策定などに用いることができる。従って、
若干手間はかかるが、薄膜の応力の温度による変化dσ
/dTを求めることは、弾性係数や熱膨脹係数などの薄
膜の物性値を知る事になり、極めて有用である。
【0006】しかしながら、例えばTEOS酸化膜のデ
ンシファイ工程のように、その工程中に材料の体積変化
やゾルからゲルへの構造変化があり、物性値が連続的に
変化するような場合には、半導体内部や薄膜内部に発生
する応力の温度依存性や時間依存性を正確に計算するこ
とは困難である。図15に本発明者らが求めた薄膜の応
力−温度特性を示す。直径150mm、厚さ675μm
の(100)Si基板上に、TEOSをソースガスとし
たCVD法により厚さ0.9μmに堆積したTEOS酸
化膜の応力を温度を変化させて計測した結果である。サ
ンプルは保持温度700℃、800℃、900℃の3つ
である。この保持温度までの、昇温速度は共通で毎分1
0℃である。700℃、800℃、900℃で、それぞ
れ3時間保持した後、それぞれ毎分15℃で降温した。
薄膜の応力は、昇温時には650℃までは引っ張り側
に、それ以降は圧縮側に、保持時や降温時には圧縮側に
変化している。図15に示すように昇温時と降温度で応
力が異なるのは、一般に体積や状態量(組成)が変化す
るからである。例えば、Siの熱酸化膜の場合は、組成
が安定しているので昇温時と降温度で応力はほとんど異
ならない。
【0007】式(3)及び(4)に示したような解析は
Siの熱酸化膜のように構造が安定している場合には有
効であるが、熱履歴により体積や構造及び各構造に対応
したそれぞれの組成が変化するTEOS酸化膜のような
場合は適用できない。例えば、650℃までの昇温時に
はTEOS酸化膜は水分やOH基、炭素やフッ素などが
揮発し体積収縮を起こすので大きな引っ張り応力を受け
る。以下の参考文献1乃至3に示すような従来技術で
は、この効果を線膨脹係数の変化や薄膜の真性応力の変
化として説明しようとしている: (参考文献1) J.Electrochem.Soc.,Vol.139,No.5,May 19
92,pp.1437-1441, "Stress in SiO2 Films Deposited b
y Plasma and Ozone TetraethylorthosilicateChemical
Vapor Deposition Processe", K.Ramkumar and A.N.Sa
xena, (参考文献2) J.Electrochem.Soc.,Vol.139,No.12,Decew
ber 1992,pp.3669-3674, "Mechanical Stress of CVD-D
ielectrics", M.Stadtmueller, (参考文献3) Journal of Non-Crystalline Solids 100
(1988) 115-141,North-Holland, Amsterdam, "GEL TO G
LASS CONVERSION:DENSIFICATION KINETICS ANDCONTROLL
ING MECHANISMS" ,F.ORGAZ-ORGAZ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、線膨脹係数は
昇降温の速度や熱履歴により複雑に変化しており、実際
の半導体製造工程で発生する薄膜や基板の応力変化は到
底記述し得ない。図16は、この複雑な応力変化の一例
を示すものである。この図16は、図15の結果を横軸
に時刻をとってプロットしなおしたものであり、本発明
者らによって見出された重要な実験事実を含んでいるも
のである。
【0009】特に700℃、800℃、900℃でそれ
ぞれ3時間保持した時のTEOS酸化膜の応力緩和特性
が重要である。この応力緩和特性は一定温度で保持され
てから時間と共に対数的に減衰している。これは良く知
られているSiの熱酸化膜のクリープ緩和特性に似てい
るが、以下の点で異なっている: (a)Siの熱酸化膜より低温でクリープ緩和が起こる
こと; (b)一定に保持された温度により到達する緩和応力に
差が生じること。これらの現象は単なる熱膨脹係数の変
化や真性応力の変化という概念だけからは到底導出する
ことができないものである。特に(b)は重要である。
【0010】従来のモデルでこの現象を記述できない事
を図17に示す。図17は10℃/minで昇温し、8
30℃で1時間保持した場合について、実験結果と従来
の方法で計算して合わせ込んだ結果とを重ね描きした応
力−時間特性である。実験結果と計算結果の一致が悪い
ことが分かる。
【0011】図16には、900℃で長時間保持した試
料において、応力が最後まで緩和しない現象が示されて
いる。一方、900℃で保持した試料を、700℃から
900℃まで一定昇温した場合、図15に示すように応
力緩和が温度に対して一定の傾き、即ち一定速度で緩和
する現象が認められる。従来技術では、この二つの現象
を同時に合わせ込む事は不可能である。
【0012】従って、本発明の目的は、従来技術では記
述不可能であったTEOS等の熱処理や時間により体積
が変化する薄膜や、熱処理等によりそれを構成している
材料の組成が変化する性質を有する薄膜の物性値や、薄
膜中の応力変化を、より正確に記述することである。
【0013】本発明の他の目的は、熱処理等により体積
が変化する薄膜や、熱処理等によりそれを構成している
材料の組成が変化する性質を有する薄膜が半導体基板上
に形成された場合において、半導体基板中の応力変化を
より正確に記述することである。
【0014】具体的には、本発明は、熱処理等により構
造が変化する薄膜の物性値や、半導体基板内部及び薄膜
中に発生する応力の温度依存性や時間依存性を正確に計
算できる薄膜評価装置を提供することである。
【0015】本発明の具体的な他の目的は、熱処理等に
より構造が変化する薄膜を用いた半導体製造工程時に発
生する、半導体基板中の転位・欠陥やスリップ、薄膜の
剥離現象などの応力関連の課題の解決を可能にする薄膜
評価装置を提供することである。
【0016】本発明のさらに他の目的は、熱処理等によ
り構造が変化する薄膜の物性値や、半導体基板内部及び
薄膜中に発生する応力の温度依存性や時間依存性を正確
に計算できる薄膜評価方法を提供することである。
【0017】本発明のさらに他の目的は、熱処理等によ
り構造が変化する薄膜を用いた半導体製造工程時に発生
する、半導体基板中の転位・欠陥やスリップ、薄膜の剥
離現象などの応力関連の課題の解決を可能にする薄膜評
価方法を提供することである。
【0018】本発明のさらに他の目的は、熱処理等によ
り構造が変化する薄膜を用いた半導体装置の内部及び薄
膜中に発生する応力の温度依存性や時間依存性を正確に
計算できる半導体シミュレーション装置を提供すること
である。
【0019】本発明のさらに他の目的は、熱処理等によ
り構造が変化する薄膜を用いた半導体製造工程時に発生
する、半導体基板中の転位・欠陥やスリップ、薄膜の剥
離現象などの応力を簡単に解析できる半導体シミュレー
ション装置を提供することである。
【0020】本発明のさらに他の目的は、半導体装置の
内部及び薄膜中に発生する応力の温度依存性や時間依存
性を正確に計算できる半導体シミュレーション方法を提
供することである。
【0021】本発明のさらに他の目的は、半導体製造工
程時に発生する、半導体基板中の転位・欠陥やスリッ
プ、薄膜の剥離現象などの応力を簡単に解析できる半導
体シミュレーション方法を提供することである。
【0022】本発明のさらに他の目的は、半導体装置の
内部及び薄膜中に発生する応力の温度依存性や時間依存
性を正確に計算できる薄膜評価プログラムを格納したコ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することであ
る。
【0023】本発明のさらに他の目的は、半導体製造工
程時に発生する、半導体基板中の転位・欠陥やスリッ
プ、薄膜の剥離現象などの応力を簡単に解析できる半導
体シミュレーションプログラムを格納したコンピュータ
読み取り可能な記録媒体を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の特徴は、状態量計算手段と、この状
態量計算手段とは独立に、状態量計算手段の中間出力を
入力として用いて薄膜材料の真性応力と構造変化に伴う
粘性係数の少なくとも一方を求める応力計算手段とを含
む演算部を少なくとも具備する薄膜評価装置であること
である。ここで、状態量計算手段は、薄膜の状態を互い
に異なる構造を有した複数の状態の混合状態として捉
え、それぞれの状態に対応した複数の状態量を設定し、
この状態量の変化を計算する。
【0025】例えば、TEOS酸化膜では、ゾル状態、
乾燥ゲル状態、擬酸化膜状態の3つの状態の混合状態と
捉えることができる。従って、この3つの状態のそれぞ
れに、3つの状態量を定義して状態量計算手段でその変
化を計算すればよい。状態量の変化(状態遷移)は温度
Tと時間tの履歴として表現される。特に本発明では熱
活性過程として記述される。上記の「状態量の変化を計
算する」とは、各温度Tと各時間t毎のそれぞれの状態
量、及びそれぞれの状態遷移速度を求めることを少なく
とも含む。真性応力の変化は状態量の関数として記述さ
れる。乾燥ゲル状態から擬酸化膜状態へのデンシファイ
等の構造変化に伴う応力の変化は、構造変化に伴う粘性
係数を求めることにより計算される。なお、熱応力の変
化は温度変化のみから計算できる。具体的には、少なく
とも基板の材料名(あるいは二軸弾性係数)、基板の厚
さ、薄膜の厚さ、基板及び薄膜の熱膨張係数、薄膜の弾
性係数、保持温度、保持時間を演算部に入力することが
好ましい。そして、状態量の遷移速度は、その時刻の状
態量と温度の関数に比例するとして計算すればよい。こ
のようにして計算すれば、状態量の遷移速度の内容が明
らかにできる。また、状態量の遷移速度は、その時刻の
複数の状態量の関数であるとして計算することが好まし
い。このようにして計算すれば、複数の状態量から、状
態の遷移速度が与えられるので、複雑な現象が記述でき
る。
【0026】また、薄膜の体積変化に関連する状態量に
より薄膜の真性応力値を求めることが好ましい。このよ
うにして計算すれば、試験温度が比較的低温の時のデー
タから物性値を抽出できる(抽出の容易性)。さらに、
薄膜の真性応力の変化速度は、体積変化に関連する状態
量の変化速度に比例するとして計算することが好まし
い。このようにして計算すれば、簡単な関数で薄膜の真
性応力の変化速度を記述でき、演算処理が容易となる。
一方、薄膜の組成変化に関する状態量により薄膜応力の
粘性係数を求めることが好ましい。このようにして計算
すれば、試験温度が比較的高温の時のデータから物性値
を抽出できる(抽出の容易性)。また、応力の粘性係数
が体積変化に関連する状態量の関数であるとして計算し
てもよい。このようにして計算すれば、複合する原因を
簡単な関数で記述でき演算等の取り扱いが容易となる。
【0027】本発明の第1の特徴に係る薄膜評価装置に
よれば、複数の状態量を取り扱うことで複数の原因から
なる応力変化を取り扱うことができるようになる。ま
た、温度と時間による状態量の変化を計算することで応
力の緩和過程を扱うことができる。このため、従来技術
では記述不可能であった熱処理や時間により体積(若し
くは材料の組成)が変化する薄膜を正確に記述すること
が出来る。さらに、熱処理等により変化する薄膜中の応
力変化を、より正確に記述することも可能となる。ま
た、熱処理等により体積が変化する薄膜や、熱処理等に
よりそれを構成している材料の組成が変化する性質を有
する薄膜が半導体基板上に形成された場合において、半
導体基板中の応力変化をより正確に記述することも出来
る。
【0028】本発明の第1の特徴において演算部に計測
チャンバーを接続することが好ましい。この計測チャン
バーは、基板加熱機構を内蔵し、基板加熱に伴う薄膜の
曲率半径の変化を測定し、あるいは基板に堆積した薄膜
の応力を直接若しくは間接に測定できるようにし、測定
結果を上記の演算部に出力するようにすることが好まし
い。基板加熱機構は、昇降温速度の制御、所定の時間内
で一定の基板温度に保持する等の制御できるように構成
することが好ましい。このように構成すれば、リアルタ
イムで、状態量計算手段は基板加熱に伴う状態量の変化
を計算し、応力計算手段は、基板加熱に伴う真性応力と
粘性係数の少なくとも一方を求めることができ、迅速な
薄膜の物性値の評価が可能となる。なお、本発明の第1
の特徴によれば、計測チャンバーの装置的な制限から測
定できないような条件下での物性値、例えば900℃よ
りも高温側の物性値や高速昇降温時の物性値を、低温側
の測定データや低速昇降温時の測定データから予測する
ことも可能になる。
【0029】本発明の第2の特徴は、一連のステップか
らなる第1の処理フローとこの第1の処理フローとはデ
ータの受け取りの点では連関しているが、基本的に独立
の演算をする他の一連のステップからなる第2の処理フ
ローからなる薄膜評価方法であることである。第1の処
理フローは、薄膜の状態を互いに異なる構造を有した複
数の状態の混合状態として捉え、それぞれの状態に対応
した複数の状態量の初期値を設定するステップと;この
状態量の変化を計算するステップとを少なくとも含む。
また、第2の処理フローは、薄膜材料の初期応力を計算
するステップと;第1の処理フローの中間結果を用い
て、薄膜材料の真性応力と構造変化に伴う粘性係数の少
なくとも一方を求めるステップとを少なくとも含む。
【0030】本発明の第2の特徴は(第1の特徴と同様
に)、TEOS酸化膜のような、ゾル状態、乾燥ゲル状
態、擬酸化膜状態等の複数の状態の混合状態からなる薄
膜の物性値の評価方法に好適である。混合状態を構成し
ている複数の状態のそれぞれに、複数の状態量を定義
し、第1の処理フローでそれぞれの状態量の変化を計算
すればよい。状態量の変化(状態遷移)は温度Tと時間
tの履歴として表現される。特に本発明では熱活性過程
として記述される。「状態量の変化を計算する」とは、
各温度Tと各時間t毎のそれぞれの状態量、及びそれぞ
れの状態遷移速度を求めることを少なくとも含む。そし
て、第2の処理フローにおいて、真性応力の変化は状態
量の関数として;乾燥ゲル状態から擬酸化膜状態へのデ
ンシファイ等の構造変化に伴う応力の変化は、構造変化
に伴う粘性係数を求めることにより;熱応力の変化は温
度変化からそれぞれ計算すればよい。
【0031】具体的には、状態量の遷移速度は、その時
刻の状態量と温度の関数に比例するとして計算すること
が好ましい。このようにして計算すれば、状態量の遷移
速度の内容が明らかにできる。また、状態量の遷移速度
は、その時刻の複数の状態量の関数であるとして計算す
ることが好ましい。このようにして計算すれば、複数の
状態量から、状態の遷移速度が与えられるので、複雑な
現象が記述できる。
【0032】また、薄膜の体積変化に関連する状態量に
より薄膜の真性応力値を求めることが好ましい。このよ
うにして計算すれば、試験温度が比較的低温の時のデー
タから物性値を抽出できる(抽出の容易性)。さらに、
薄膜の真性応力の変化速度は、体積変化に関連する状態
量の変化速度に比例するとして計算することが好まし
い。このようにして計算すれば、簡単な関数で薄膜の真
性応力の変化速度を記述でき、演算処理が容易となる。
一方、薄膜の組成変化に関する状態量により薄膜応力の
粘性係数を求めることが好ましい。このようにして計算
すれば、試験温度が比較的高温の時のデータから物性値
を抽出できる(抽出の容易性)。また、応力の粘性係数
が体積変化に関連する状態量の関数であるとして計算し
てもよい。このようにして計算すれば、複合する原因を
簡単な関数で記述でき演算等の取り扱いが容易となる。
【0033】本発明の第2特徴に係る薄膜評価方法によ
れば、複数の状態量を取り扱うことで複数の原因からな
る応力変化を取り扱うことができるようになる。また、
温度と時間による状態量の変化を計算することで応力の
緩和過程を扱うことができる。このため、従来技術では
記述不可能であった熱処理や時間により体積(若しくは
材料の組成)が変化する性質を有した薄膜の物性値を正
確に記述することが出来る。例えば、熱処理等により変
化する薄膜中の応力変化を、より正確に記述するが可能
となる。また、熱処理等により体積が変化する薄膜や、
熱処理等によりそれを構成している材料の組成が変化す
る性質を有する薄膜が半導体基板上に形成された場合に
おいて、半導体基板中の応力変化をより正確に記述する
ことも出来る。さらに、装置的な制限から測定できない
高温側の物性値や高速昇降温時の物性値を、低温側の測
定データや低速昇降温時の測定データから予測すること
も可能になる。
【0034】本発明の第2特徴に係る薄膜評価方法にお
いて、薄膜を堆積した基板を加熱し、加熱により時々刻
々変化する薄膜の曲率半径の変化から、リアルタイムで
真性応力と粘性係数の少なくとも一方、及び状態量とそ
の状態量変化速度とを求めれば、迅速に正確な物性値評
価が可能となる。
【0035】本発明の第2特徴に係る薄膜評価方法にお
いて、一定の温度に保持した時の薄膜の応力の時間変化
を用いて薄膜の物性値を求めれば、保持時の応力変化に
より遷移速度、状態量の変化限界を知ることができる。
また、昇温速度、降温速度を考慮して薄膜の物性値を求
めれば、高速昇降温炉など種々の半導体プロセス装置を
使用した時の物性値の予測が可能になる。さらに、薄膜
の体積変化に関連する状態量と組成変化に関連する状態
量の内少なくとも一つを求めるようにすることで応力変
化の原因が体積変化及び組成変化と複合している場合に
対応できるようになる。
【0036】本発明の第3の特徴は、半導体装置中の製
造工程中に発生する応力を計算する応力分布シミュレー
ション部を少なくとも具備する半導体シミュレーション
装置に関する。この応力分布シミュレーション部は、応
力演算のメインプログラムを実行する応力演算部と、こ
のメインプログラムの実行に必要なサブプログラムを実
行する要素等価熱歪み増分計算手段と、メインプログラ
ムの実行に必要な他のサブプログラムを実行する要素構
造変化歪み増分計算手段と、メインプログラムの実行に
必要な他のサブプログラムを実行する要素真性歪み増分
計算手段と、メインプログラムの実行に必要な他のサブ
プログラムを実行する状態量計算手段とを含む。ここ
で、応力演算部は、薄膜の状態を互いに異なる構造を有
した複数の状態の混合状態として捉え、それぞれの状態
に対応した複数の状態量を設定し、この状態量について
力の釣り合い方程式を解く機能を有する。要素等価熱歪
み増分計算手段は、応力演算部に接続され、所定の時間
増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎に等価熱歪み増分を
計算するサブプログラムを実行し、応力演算部に結果を
出力する機能を有する。また、要素構造変化歪み増分計
算手段は、応力演算部に接続され、所定の時間増分Δt
及び所定の温度増分ΔT毎に構造変化に伴う歪み増分を
計算するサブプログラムを実行し、応力演算部に結果を
出力する機能を有する。さらに、要素真性歪み増分計算
手段は、応力演算部に接続され、所定の時間増分Δt及
び所定の温度増分ΔT毎に真性歪み増分を計算するサブ
プログラムを実行し、応力演算部に結果を出力するする
機能を有する。そして、状態量計算手段は、応力演算部
に接続され、所定の時間増分Δt及び所定の温度増分Δ
T毎の状態量を計算するサブプログラムを実行し、応力
演算部に結果を出力する機能を有する。
【0037】本発明の第3の特徴による半導体シミュレ
ーション装置は、複数の状態の混合状態からなる薄膜を
形成する工程を含む半導体装置のプロセスシミュレーシ
ョンに好適である。混合状態を構成している複数の状態
のそれぞれに、複数の状態量を定義し、応力演算部で、
それぞれの状態量の変化を計算すればよい。状態量の変
化(状態遷移)は温度Tと時間tの履歴として表現され
る。「状態量の変化を計算する」とは、各温度Tと各時
間t毎のそれぞれの状態量、及びそれぞれの状態遷移速
度を求めることを少なくとも含む。そして、熱応力の変
化は温度変化を用いて、要素等価熱歪み増分計算手段に
より計算できる。乾燥ゲル状態から擬酸化膜状態へのデ
ンシファイ等の構造変化に伴う応力の変化は、構造変化
に伴う粘性係数を求めることにより、要素構造変化歪み
増分計算手段により計算できる。さらに、真性応力の変
化は状態量の関数として、要素真性歪み増分計算手段に
より計算すればよい。状態量計算手段は、薄膜の体積変
化に関連する状態量と組成変化に関連する状態量の内少
なくとも一つを求める。状態量計算手段により、複数の
状態量から複数の応力変化原因を定義しながら、応力分
布シミュレーションが実行できる。
【0038】本発明の第3の特徴によれば、応力演算部
が、複数の状態量を取り扱って薄膜の物性値を計算する
ため、複数の構造上の原因からなる物性値変化が発生す
るような半導体製造工程のプロセスシミュレーションを
取り扱うことができる。例えば、サブクォーターミクロ
ンレベルのLSI製造工程で重要となってきているTE
OS、TEMOS(テトラメソキシシラン:Si(OC
34)等の有機シリコンCVD工程や、その他のスピ
ンオングラス(SOG)工程等のプロセスシミュレーシ
ョンが、妥当な精度で実現できる。
【0039】いずれにしても、本発明の第3の特徴に係
る応力分布シミュレーションにおけるそれぞれのサブプ
ログラム実行手段は、応力あるいは歪みの計算と状態遷
移速度の計算を互いに独立に実行することが好ましい。
応力あるいは歪みと状態遷移速度を互いに独立に求める
ように構成することで、簡潔な定式化が可能となり、シ
ミュレーション時間が大きくならない。また、状態量計
算手段は、温度毎の薄膜材料の状態量、状態遷移速度を
求めることが好ましい。温度毎の状態量及びその変化を
知ることができるからである。
【0040】本発明の第3の特徴に係る応力分布シミュ
レーションにおける状態量計算手段は、前の時刻の状態
量を初期値として状態遷移速度を求めることが好まし
い。温度履歴、時間履歴が扱えるからである。さらに、
状態量計算手段は、状態量の遷移速度をその時刻の状態
量と温度の関数に比例するとして求めてもよい。かかる
応力計算により実験結果を的確に表現できるようにな
る。さらに、状態量計算手段は、状態量の遷移速度をそ
の時刻の複数の状態量の関数であるとして求めることも
可能である。このようにすれば、状態遷移速度が複数の
状態の相互の干渉の結果として表現できる。
【0041】上記の要素真性歪み増分計算手段は、薄膜
の体積変化に関連する状態量により薄膜の真性応力値を
求めるようにしても良い。こうすれば、体積変化を原因
とする応力変化を扱える。あるいは、要素真性歪み増分
計算手段は、薄膜の真性応力の変化速度を体積変化に関
連する状態量の変化速度に比例するとして求めることも
できる。こうすれば、体積変化と応力変化の関係が簡潔
な式で表現できる。
【0042】本発明の第3の特徴に係る要素構造変化歪
み増分計算手段は、薄膜の組成変化に関する状態量によ
り薄膜の構造変化に伴う粘性係数を求めることが好まし
い。こうすれば、組成変化(構造変化)を原因とする粘
性係数の変化を取り扱える。さらに、この粘性係数が体
積変化に関連する状態量の関数であるとして計算しても
良い。こうすれば、組成変化と粘性係数変化が簡潔な式
で表現できる。さらに、要素構造変化歪み増分計算手段
は、熱処理時の雰囲気により粘性係数が小さくなる効果
を計算する機能を有することが好ましい。このようにす
れば、雰囲気が酸化性であるか、非酸化性であるかによ
り粘性係数が変化する場合等の半導体プロセスシミュレ
ーションが可能となる。
【0043】本発明の第4の特徴は、一連のステップか
らなるメインプログラムを実行する応力計算処理と、こ
の応力計算処理に必要なサブプログラムを実行する要素
等価熱歪み増分計算処理と、他のサブプログラムを実行
する要素構造変化歪み増分計算処理と、さらに他のサブ
プログラムを実行する要素真性歪み増分計算処理と、さ
らに他のサブプログラムを実行する状態量計算処理とを
含む応力分布シミュレーションを少なくとも具備する半
導体シミュレーション方法であることである。メインプ
ログラムを実行する応力計算処理は、薄膜の状態を互い
に異なる構造を有した複数の状態の混合状態として捉
え、それぞれの状態に対応した複数の状態量を設定し、
この各状態量の初期値を設定するステップと;各状態量
毎に等価熱歪み増分を計算するステップと;各状態量毎
に構造変化歪み増分を計算するステップと;力の釣り合
い方程式を解くステップとを少なくとも含む一連のステ
ップから構成されている。そして、所定の時間増分Δt
及び所定の温度増分ΔT毎に、要素等価熱歪み増分計算
処理は、等価熱歪み増分を計算するサブプログラムを実
行し、要素構造変化歪み増分計算処理は、構造変化に伴
う歪み増分を計算するサブプログラムを実行し、要素真
性歪み増分計算処理は、真性歪み増分を計算するサブプ
ログラムを実行し、状態量計算処理は、状態量を計算す
るサブプログラムを実行する。
【0044】本発明の第4の特徴による半導体シミュレ
ーション方法は、複数の状態の混合状態からなる薄膜を
形成する工程を含む半導体装置のプロセスシミュレーシ
ョンに好適である。混合状態を構成している複数の状態
のそれぞれに、複数の状態量を定義し、メインプログラ
ムを実行する応力計算処理において、それぞれの状態量
の変化を計算すればよい。状態量の変化(状態遷移)は
温度Tと時間tの履歴として表現される。「状態量の変
化を計算する」とは、各温度Tと各時間t毎のそれぞれ
の状態量、及びそれぞれの状態遷移速度を求めることを
少なくとも含む。そして、熱応力の変化は温度変化を用
いて、サブプログラム(サブルーチン)としての要素等
価熱歪み増分計算処理により計算できる。乾燥ゲル状態
から擬酸化膜状態へのデンシファイ等の構造変化に伴う
応力の変化は、構造変化に伴う粘性係数を求めることに
より、サブプログラム(サブルーチン)としての要素構
造変化歪み増分計算処理により計算できる。さらに、真
性応力の変化は状態量の関数求めることにより、サブプ
ログラム(サブルーチン)としての要素真性歪み増分計
算処理(サブルーチン)により計算できる。状態量は、
薄膜の体積変化に関連する状態量と組成変化に関連する
状態量の内少なくとも一つを求めることにより、サブプ
ログラム(サブルーチン)としての状態量計算処理によ
り、複数の状態量から複数の応力変化原因を定義しなが
ら計算できる。
【0045】本発明の第4の特徴によれば、メインプロ
グラムが、複数の状態量を取り扱って薄膜の物性値を計
算するため、複数の構造上の原因からなる物性値変化が
発生するような半導体製造工程のプロセスシミュレーシ
ョンを取り扱うことができる。例えば、サブクォーター
ミクロンレベルのLSI製造工程で重要となってきてい
るTEOS、TEMOS等の有機シリコンCVD工程
や、その他のSOG工程等のプロセスシミュレーション
に好適である。
【0046】本発明の第4の特徴において、薄膜の体積
変化に関連する状態量と組成変化に関連する状態量の内
少なくとも一つを求める状態量計算処理(サブルーチ
ン)を更に有しても良い。状態量計算処理を追加するこ
とで、複数の状態量から複数の応力変化原因を定義しな
がら、応力分布シミュレーションが実行できる。
【0047】いずれにしても、本発明の第4の特徴に係
る応力分布シミュレーションにおけるそれぞれのサブル
ーチンは、応力あるいは歪みと状態遷移速度を独立に求
めることが好ましい。応力あるいは歪みと状態遷移速度
を独立に求めるように構成することで、簡潔な定式化が
可能となり、シミュレーション時間が短縮できる。ま
た、状態量計算処理は、温度毎の薄膜材料の状態量、状
態遷移速度を求めることが好ましい。温度毎の状態量及
びその変化を知ることができるからである。
【0048】本発明の第4の特徴に係る応力分布シミュ
レーションにおける要素等価熱歪み増分計算処理は、時
間増分Δt間の状態量の減少によって発生する薄膜の応
力増分を求めるステップと;応力増分に等価な熱歪み増
分を求めるステップとを少なくとも有することが好まし
い。また、状態量計算処理は、前の時刻の状態量を初期
値として状態遷移速度を求めることが好ましい。温度履
歴、時間履歴が扱えるからである。さらに、状態量計算
処理は、状態量の遷移速度をその時刻の状態量と温度の
関数に比例するとして求めてもよい。かかる応力計算に
より実験結果を的確に表現できるようになる。さらに、
状態量計算処理は、状態量の遷移速度をその時刻の複数
の状態量の関数であるとして求めることも可能である。
このようにすれば、状態遷移速度が複数の状態の相互の
干渉の結果として表現できる。
【0049】上記の要素真性歪み増分計算処理は、薄膜
の体積変化に関連する状態量により薄膜の真性応力値を
求めるようにしても良い。こうすれば、体積変化を原因
とする応力変化を扱える。あるいは、要素真性歪み増分
計算処理は、薄膜の真性応力の変化速度を体積変化に関
連する状態量の変化速度に比例するとして求めることも
できる。こうすれば、体積変化と応力変化の関係が簡潔
な式で表現できる。
【0050】本発明の第4の特徴に係る要素構造変化歪
み増分計算処理は、薄膜の組成変化に関する状態量によ
り薄膜の構造変化に伴う粘性係数を求めることが好まし
い。こうすれば、組成変化(構造変化)を原因とする粘
性係数の変化を簡単且つ正確に取り扱える。さらに、こ
の粘性係数が体積変化に関連する状態量の関数であると
して計算しても良い。こうすれば、組成変化と粘性係数
変化が簡潔な式で表現できる。さらに、要素構造変化歪
み増分計算処理は、熱処理時の雰囲気により粘性係数が
小さくなる効果を考慮して計算することが好ましい。こ
のようにすれば、雰囲気依存性を扱ったプロセスシミュ
レーションが可能となる。
【0051】上記本発明の第2特徴に係る薄膜評価方法
を実現するためのプログラムをコンピュータ読取り可能
な記録媒体に保存し、この記録媒体をコンピュータシス
テムによって読み込ませることにより、本発明の薄膜評
価を実行することができる。すなわち、本発明の第5の
特徴は、第1のプログラムフローと、この第1の処理フ
ローの中間結果を用いて、所定の演算を実行する一連の
ステップからなる第2のプログラムフローとから少なく
とも構成された薄膜評価プログラムを格納したコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体であることである。第1の
プログラムフローは、薄膜の状態を互いに異なる構造を
有した複数の状態の混合状態として捉え、それぞれの状
態に対応した複数の状態量の初期値を設定するステップ
と、状態量の変化を計算するステップとを少なくとも含
む一連のステップとから構成されている。また、第2の
プログラムフローは、薄膜材料の初期応力を計算するス
テップと、第1の処理フローの中間結果を用いて、薄膜
材料の真性応力と構造変化に伴う粘性係数の少なくとも
一方を求めるステップとを少なくとも含む一連のステッ
プから構成されている。ここで、記録媒体とは、例え
ば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気
ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録すること
ができるような装置などを意味する。具体的には、フロ
ッピーディスク、CD−ROM,MOディスク、カセッ
トテープ、オープンリールテープなどが含まれる。
【0052】本発明の第5の特徴に係る薄膜評価プログ
ラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に
より、コンピュータの演算部(CPU)を制御しながら
効率よく高精度な薄膜評価が可能となる。つまり、本発
明の第2の特徴で述べたような複数の状態の混合状態か
らなる薄膜の物性値の評価方法が、コンピュータシステ
ムを用いて、正確且つ効率的に実行できる。第1のプロ
グラムフローにおいては、混合状態を構成している複数
の状態のそれぞれに、複数の状態量を定義し、それぞれ
の状態量の変化を計算すればよい。状態量の変化(状態
遷移)は温度Tと時間tの履歴として表現される。そし
て、第2のプログラムフローにおいて、真性応力の変化
は状態量の関数として;乾燥ゲル状態から擬酸化膜状態
へのデンシファイ等の構造変化に伴う応力の変化は、構
造変化に伴う粘性係数を求めることにより;熱応力の変
化は温度変化からそれぞれ計算すればよい。
【0053】具体的には、状態量の遷移速度は、その時
刻の状態量と温度の関数に比例するとして計算すること
が好ましい。このようにして計算すれば、状態量の遷移
速度の内容が明らかにできる。また、状態量の遷移速度
は、その時刻の複数の状態量の関数であるとして計算す
ることが好ましい。このようにして計算すれば、複数の
状態量から、状態の遷移速度が与えられるので、複雑な
現象が記述できる。
【0054】また、薄膜の体積変化に関連する状態量に
より薄膜の真性応力値を求めることが好ましい。このよ
うにして計算すれば、試験温度が比較的低温の時のデー
タから物性値を抽出できる。さらに、薄膜の真性応力の
変化速度は、体積変化に関連する状態量の変化速度に比
例するとして計算することが好ましい。このようにして
計算すれば、簡単な関数で薄膜の真性応力の変化速度を
記述でき、演算処理が容易となる。一方、薄膜の組成変
化に関する状態量により薄膜応力の粘性係数を求めるこ
とが好ましい。このようにして計算すれば、試験温度が
比較的高温の時のデータから物性値を抽出できる。ま
た、応力の粘性係数が体積変化に関連する状態量の関数
であるとして計算してもよい。このようにして計算すれ
ば、複合する原因を簡単な関数で記述でき演算等の取り
扱いが容易となる。
【0055】本発明の第5の特徴に係る薄膜評価プログ
ラムによれば、複数の状態量を取り扱うことで複数の原
因からなる応力変化を取り扱うことができるようにな
る。また、温度と時間による状態量の変化を計算するこ
とで応力の緩和過程を扱うことができる。このため、熱
処理や時間により体積(若しくは材料の組成)が変化す
る性質を有した薄膜の物性値を正確に記述することが出
来る。例えば、熱処理等により変化する薄膜中の応力変
化を、より正確に記述するが可能となる。また、熱処理
等により体積が変化する薄膜や、熱処理等によりそれを
構成している材料の組成が変化する性質を有する薄膜が
半導体基板上に形成された場合において、半導体基板中
の応力変化をより正確に記述することも出来る。さら
に、装置的な制限から測定できない高温側の物性値や高
速昇降温時の物性値を、低温側の測定データや低速昇降
温時の測定データから予測することも可能になる。
【0056】本発明の第5の特徴に係る薄膜評価プログ
ラムにおいて、薄膜を堆積した基板を加熱し、加熱によ
り時々刻々変化する薄膜の曲率半径の変化から、リアル
タイムで真性応力と粘性係数の少なくとも一方、及び状
態量とその状態量変化速度とを求めれば、迅速に正確な
物性値評価が可能となる。
【0057】本発明の第5の特徴に係る薄膜評価プログ
ラムにおいて、一定の温度に保持した時の薄膜の応力の
時間変化を用いて薄膜の物性値を求めれば、保持時の応
力変化により遷移速度、状態量の変化限界を知ることが
できる。また、昇温速度、降温速度を考慮して薄膜の物
性値を求めれば、高速昇降温炉など種々の半導体プロセ
ス装置を使用した時の物性値の予測が可能になる。さら
に、薄膜の体積変化に関連する状態量と組成変化に関連
する状態量の内少なくとも一つを求めるようにすること
で応力変化の原因が体積変化及び組成変化と複合してい
る場合に対応できるようになる。
【0058】最後に、本発明の第6の特徴は、薄膜の応
力を計算する一連のステップからなるメインプログラム
と、このメインプログラムの処理に必要なデータを送り
込む第1乃至第4のサブプログラムとを含む応力分布シ
ミュレーションプログラムを格納したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体であることである。メインプログラ
ムは、薄膜の状態を互いに異なる構造を有した複数の状
態の混合状態として捉え、それぞれの状態に対応した複
数の状態量を設定し、この各状態量の初期値を設定する
ステップと;各状態量毎に等価熱歪み増分を計算するス
テップと;各状態量毎に構造変化歪み増分を計算するス
テップと;力の釣り合い方程式を解くステップを少なく
とも含む一連のステップとから構成されている。第1の
サブプログラムは、所定の時間増分Δt及び所定の温度
増分ΔT毎に等価熱歪み増分を計算し、第2のサブプロ
グラムは、所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT
毎に構造変化に伴う歪み増分を計算する。第3のサブプ
ログラムは、所定の時間増分Δt及び所定の温度増分Δ
T毎に真性歪み増分を計算する。第4のサブプログラム
は、所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎に状
態量を計算する。ここで、記録媒体とは、例えば、半導
体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディス
ク、磁気テープなどのプログラムを記録することができ
るような装置などを意味する。
【0059】本発明の第6の特徴に係る半導体シミュレ
ーションプログラムを格納したコンピュータ読み取り可
能な記録媒体により、コンピュータの演算部を制御しな
がら効率よく第4の特徴で示した高精度な半導体シミュ
レーションを実現することが本発明の第6の特徴による
半導体シミュレーションプログラムは、複数の状態の混
合状態からなる薄膜を形成する工程を含む半導体装置の
プロセスシミュレーションに好適である。混合状態を構
成している複数の状態のそれぞれに、複数の状態量を定
義し、メインプログラムを実行する応力計算処理におい
て、それぞれの状態量の変化を計算すればよい。状態量
の変化(状態遷移)は温度Tと時間tの履歴として表現
される。そして、熱応力の変化は温度変化を用いて、第
1のサブプログラムにより計算できる。乾燥ゲル状態か
ら擬酸化膜状態へのデンシファイ等の構造変化に伴う応
力の変化は、構造変化に伴う粘性係数を求めることによ
り、第2のサブプログラムにより計算できる。真性応力
の変化は状態量の関数として、第3のサブプログラムに
より計算できる。状態量は、薄膜の体積変化に関連する
状態量と組成変化に関連する状態量の内少なくとも一つ
を求めることにより、第4のサブプログラムにより計算
できる。第4のサブプログラムでは、複数の状態量から
複数の応力変化原因を定義しながら計算できる。
【0060】本発明の第6の特徴によれば、メインプロ
グラムが、複数の状態量を取り扱って薄膜の物性値を計
算するため、複数の構造上の原因からなる物性値変化が
発生するような半導体製造工程:例えば、有機シリコン
CVD工程や、その他のSOG工程等のプロセスシミュ
レーションを効率的に取り扱うことができる。
【0061】本発明の第6の特徴において、薄膜の体積
変化に関連する状態量と組成変化に関連する状態量の内
少なくとも一つを求める第4のサブプログラムを更に有
しても良い。第4のサブプログラムを追加することで、
複数の状態量から複数の応力変化原因を定義しながら、
応力分布シミュレーションが実行できる。
【0062】いずれにしても、本発明の第6の特徴に係
る応力分布シミュレーションプログラムにおけるそれぞ
れのサブプログラムは、応力あるいは歪みと状態遷移速
度を独立に求めるような構成にすることが好ましい。応
力あるいは歪みと状態遷移速度を独立に求めるように構
成することで、簡潔な定式化が可能となり、シミュレー
ション時間が短縮できる。また、第4のサブプログラム
は、温度毎の薄膜材料の状態量、状態遷移速度を求める
ような構成にすることが好ましい。温度毎の状態量及び
その変化を知ることができるからである。
【0063】本発明の第6の特徴に係る応力分布シミュ
レーションプログラムにおける第1のサブプログラム
は、時間増分Δt間の状態量の減少によって発生する薄
膜の応力増分を求めるステップと;応力増分に等価な熱
歪み増分を求めるステップとを少なくとも有することが
好ましい。また、第4のサブプログラムは、前の時刻の
状態量を初期値として状態遷移速度を求めるような構成
にすることが好ましい。温度履歴、時間履歴が扱えるか
らである。さらに、第4のサブプログラムは、状態量の
遷移速度をその時刻の状態量と温度の関数に比例すると
して求めるような構成にしてもよい。かかる応力計算に
より実験結果を的確に表現できるようになる。さらに、
第4のサブプログラムは、状態量の遷移速度をその時刻
の複数の状態量の関数であるとして求めるような構成に
することも可能である。このようにすれば、状態遷移速
度が複数の状態の相互の干渉の結果として表現できる。
【0064】上記の第3のサブプログラムは、薄膜の体
積変化に関連する状態量により薄膜の真性応力値を求め
るようような構成にしても良い。こうすれば、体積変化
を原因とする応力変化を扱える。あるいは、第3のサブ
プログラムは、薄膜の真性応力の変化速度を体積変化に
関連する状態量の変化速度に比例するような構成にする
こともできる。こうすれば、体積変化と応力変化の関係
が簡潔な式で表現できる。
【0065】本発明の第6の特徴に係る第2のサブプロ
グラムは、薄膜の組成変化に関する状態量により薄膜の
構造変化に伴う粘性係数を求めるような構成にすること
が好ましい。こうすれば、組成変化(構造変化)を原因
とする粘性係数の変化を簡単且つ正確に取り扱える。さ
らに、この粘性係数が体積変化に関連する状態量の関数
であるとして計算しても良い。こうすれば、組成変化と
粘性係数変化が簡潔な式で表現できる。さらに、第2の
サブプログラムは、雰囲気により粘性係数が小さくなる
効果を計算するような構成にすることが好ましい。この
ようにすれば、雰囲気依存性を扱ったプロセスシミュレ
ーションが可能となる。
【0066】
【発明の実施の形態】(基礎計算手法)まず、本発明の
各実施の形態の基礎となる計算手法について説明する。
本発明においては、薄膜の状態を互いに異なる構造を有
した複数の状態の混合状態と捉える。以下の本発明の各
実施の形態においては、TEOS酸化膜を例に説明する
が、複数の状態の混合状態として存在する薄膜であれ
ば、TEOS酸化膜でなくても良いことは勿論である。
【0067】さて、ここでは、TEOS酸化膜をゾル状
態、乾燥ゲル状態、擬酸化膜状態の3つの状態の混合状
態と捉える。「擬酸化膜状態」とは、熱酸化膜に類似な
構造ではあるが、厳密には粘性流動特性等の点で異なる
特性を有する場合があるような酸化膜の状態を言う。そ
して、この3つの状態のそれぞれに、非可逆的な状態量
1(t,T),X2(t,T),X3(t,T)を定義する。ここで、 X1(t,T)+X2(t,T)+X3(t,T)=1 ・・・・・(6) である。これは各状態の温度Tと時刻tによる履歴を考
慮するためであるが、例えば薄膜の水分を再吸着するよ
うな場合は可逆的な状態量を定義してもよい(但し、本
発明の第1の実施形態では非可逆的な状態量を用いて説
明する)。つまりゾル状態X1(t,T)は乾燥ゲル状態X
2(t,T)に遷移し、乾燥ゲル状態X2(t,T)は擬酸化膜状
態X3(t,T)に遷移する。それぞれの状態への遷移速度
と、遷移に伴う応力変化とは独立に計算される。また状
態量X1(t,T),X2(t,T),X3(t,T)は、例えばモル比の
ような量を想定すればよい。
【0068】それぞれの状態への遷移速度は熱活性過
程、場合によっては組成によって表現される。遷移量は
温度によって決まる限界を持つ。ゾル状態から乾燥ゲル
状態への遷移(X1(t,T) →X2(t,T) )速度は、乾燥化
係数ζ(T)を用いて、以下の式で与えられる:
【数1】 dX1(t,T)/dt=−(1/ζ(T))X1(t,T) ・・・・・(7) ζ(T)=D1 exp(D2/T) ・・・・・(8) ここに、D1 、D2 は、ゾル状態から乾燥ゲル状態への
遷移のフィッティングパラメータである。
【0069】次に乾燥ゲル状態から擬酸化膜状態への遷
移(X2(t,T) →X3(t,T) )速度は以下の式で与えられ
る:
【数2】 dX2(t,T)/dt=−(1/ηd(T,X1,X2,X3) )X2(t,T) ・・・・・(9) logηd(T,X1,X2,X3)=((X2/(X2+X3))logηxe+ (X3/(X2+X3))logηox)・W ・・・・・(10) W= exp(−CX1) ・・・・・(11) ηxe=A1 exp( A2 /T) ・・・・・(12) ηox=B1 exp(B2 /T) ・・・・・(13) ここにηd(T,X1,X2,X3) はデンシファイの粘性係数、W
は水分の影響係数、定数Cは水分の影響に関わるフィッ
ティングパラメータ、ηxeはデンシファイ前(乾燥ゲル
状態)の遷移速度係数、ηoxはデンシファイ後(擬酸化
膜)の遷移速度係数、A1 ,A2 は乾燥ゲル状態に関わ
るフィッティングパラメータ、B1 ,B2は擬酸化膜に
関わるフィッティングパラメータである。
【0070】水分の影響係数Wは、ウェット雰囲気での
デンシファイにおいては、より低い温度でデンシファイ
効果が表れる事が知られているため、この効果を補正す
るための係数である。ウェット雰囲気でのデンシファイ
においては、水分を含んだ乾燥ゲルの粘性係数が小さく
なることが原因と考えられる。非ウェット雰囲気でのデ
ンシファイにおいてはW=1とすればよい。
【0071】これらの状態量の変化に伴って応力の変化
が生じる。ゾル状態から乾燥ゲル状態への応力変化は、
以下のように記述される: dσi/dt=F1(dX1(t,T)/dt)・・・・・(14) ここでF1は定数である。また、乾燥ゲル状態から擬酸
化膜状態への応力変化は、以下のように記述される。
【0072】
【数3】 dσd/dt=−(1/ηd(T,X1,X2,X3) )σ ・・・・・(15) 以下、図面を参照してこれらの基礎計算手法を用いた本
発明の第1及び第2の実施の形態を説明する。
【0073】(第1の実施の形態)図1に本発明の第1
の実施の形態に係る薄膜評価装置の概略を示す。図1に
示す薄膜評価装置は、曲率半径の変化を観測するための
計測チャンバ1と、この計測チャンバ1に接続されたレ
ーザスキャンコントローラ25,温度コントローラ3
5,真空・ガスコントローラ45、これらのコントロー
ラ25,35,45に入出力制御部65を介して接続さ
れ、本発明の薄膜評価方法を実行するための機能手段を
備えた演算部5を少なくとも具備している。
【0074】演算部5は、状態量計算手段51及び応力
計算手段52とから少なくとも構成されている。演算部
5は、通常のコンピュータシステムの中央処理装置(C
PU)の一部として構成すればよい。状態量計算手段5
1及び応力計算手段52は、専用のハードウェアで構成
しても良く、通常のコンピュータシステムのCPUを用
いて、ソフトウェアで実質的に等価な機能を有する機能
手段として構成しても良い。そして、この演算部5に
は、バスを介して、薄膜評価の演算プロセスに必要な所
定のデータなどを格納したデータ記憶部62と、薄膜評
価プログラムなどを格納したプログラム記憶部61とが
接続されている。データ記憶部62およびプログラム記
憶部61は半導体ROM、半導体RAM等の半導体メモ
リ装置、磁気ディスク装置、磁気ドラム装置、磁気テー
プ装置などの外部記憶装置で構成してもよく、CPUの
内部の主記憶装置で構成しても良い。さらに、演算部5
は、入出力制御部65を介して、操作者からのデータや
命令などの入力を受け付ける入力装置63と、薄膜評価
結果を出力する出力装置64とが接続されている。入力
装置63はキーボード、マウス、ライトペンまたはフロ
ッピーディスク装置などで構成される。また出力装置6
4はディスプレイ装置やプリンタ装置などにより構成さ
れている。
【0075】図1に示した演算部5で実行される各処理
の入力データは、データ記憶部62に格納され、プログ
ラム命令はプログラム記憶部61に記憶される。そして
これらの入力データやプログラム命令は必要に応じてC
PUに読み込まれ、CPUの内部の演算部5によって、
演算処理が実行されるとともに、一連の演算処理の各段
階で発生した数値情報などのデータはRAMや磁気ディ
スクなどのデータ記憶部62に格納される。
【0076】計測チャンバ1の内部には基板33を搭載
するためのサセプタ3が配置され、このサセプタ3の上
にはレーザスキャン装置2が配置されている。サセプタ
3は、基板33を加熱するためのヒータ31を内蔵して
いる。レーザスキャン装置2は、HeNeレーザ等のレ
ーザ21と、このレーザ21からの光を反射し、光路を
変更するためのミラー22及び基板33の表面の薄膜3
4からの反射光を検出するための検出器23とから構成
されている。レーザスキャン装置2は、レーザスキャン
コントローラ25に制御され、レーザスキャン駆動部2
4により位置移動する。計測チャンバ1にはゲートバル
ブ43が接続され、このゲートバルブ43を介して、回
転ポンプ、メカニカルブースタポンプ、あるいはターボ
分子ポンプ等の所定の真空ポンプ44により計測チャン
バ1の内部を真空排気することが可能となっている。ま
た、計測チャンバ1にはガス導入用のマスフローコント
ローラ41及びガス排気用のマスフローコントローラ4
2が接続されている。マスフローコントローラ41,4
2、真空ポンプ44及びゲートバルブ43等は真空・ガ
スコントローラ45により制御される。ゲートバルブ4
3に加えて流量制御バルブを真空ポンプ44の頭に配置
し、真空・ガスコントローラ45により制御してもよ
い。計測チャンバ1内の圧力はダイアフラム型真空計や
ピラニゲージ等所定の真空計で測定され、測定された圧
力は、真空・ガスコントローラ45にフィードバックさ
れる。サセプタ3の温度は、サセプタ3の内部に配置さ
れた熱電対でモニタリングすればよい。あるいは、サセ
プタ3の上方に配置され、試料の表面の温度を測定する
パイロメータ等の温度計でモニタリングすればよい。こ
のように基板温度をモニタリングしながら、ヒータ31
の電力を温度コントローラ35により制御することによ
り、900℃まで昇温出来る。基板33を赤外線ランプ
で加熱しても良い。この時、計測チャンバ1内は、真空
ポンプ44により真空排気されているか、マスフローコ
ントローラ41,42により不活性ガスで充填されてい
るので、加熱時の試料の表面やチャンバ内部の部品の酸
化を防止している。レーザースキャン装置及びこれに接
続された反射角度計算手段26により、試料表面からの
反射光による反射角θが算出される。反射角度計算手段
26には曲率半径変化量計算手段27が接続され、反射
角θから、曲率半径変化量Rが算出される。曲率半径変
化量計算手段27は、入出力制御部65を介して演算部
5に接続されている。
【0077】時刻毎の温度は、コンピュータシステムの
CPUの命令を受けて温度コントローラ35により制御
され、曲率半径変化量Rが記憶される。試料は通常半導
体基板33上に薄膜34を堆積したものを用いる。曲率
半径変化量計算手段27から出力された基板の曲率半径
変化量Rを入力として、演算部5で、薄膜34にかかる
応力を所定のプログラムにより計算する。このプログラ
ムは、基板材料の弾性係数、基板の厚さ及び直径、試料
の曲率半径の変化を入力とし、薄膜の応力を出力として
おり、更に薄膜の応力−温度のグラフを求め、これと基
板の熱膨張係数から薄膜の熱膨張係数を求めることがで
きる。
【0078】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る
演算部5を構成する状態量計算手段51及び応力計算手
段52の詳細を示す図である。状態量計算手段51は、
状態量初期値設定手段511,温度変化計算手段51
2,パラメータ計算手段513,状態量変化速度設定手
段514,及び状態量比設定手段515とを少なくとも
具備している。一方、応力計算手段52は、初期応力計
算手段521、熱応力計算手段522,真性応力変化計
算手段523,構造変化による応力変化計算手段52
4、及び全応力計算手段525とを少なくとも具備して
いる。
【0079】状態量初期値設定手段511は、初期温度
0を設定し、さらに、ゾル状態、乾燥ゲル状態、擬酸
化膜状態の3つの状態量に対応した状態量X1(0,T0),
2(0,T0),X3(0,T0)を設定する。そして、初期応力
計算に手段521に初期状態量X1(0,T0)を出力する。
【0080】温度変化計算手段512は,以下の式: dT/dt=(T(t+Δt)−T(t))/Δt ・・・・・(16) より温度変化dT/dtを求め、温度変化dT/dtを
熱応力計算手段522に出力する。
【0081】パラメータ計算手段513は、(8)式か
ら乾燥化係数ζ(T)、(12)式からデンシファイ前
(乾燥ゲル状態)の遷移速度係数ηxe、(13)式から
デンシファイ後(擬酸化膜)の遷移速度係数ηoxを求め
る。更に、熱処理の雰囲気を考慮して(必要があれ
ば)、パラメータ計算手段513は、(11)式から、
水分の影響係数Wを求める。非ウェット雰囲気でのデン
シファイにおいてはW=1とすればよい。そして、これ
らの乾燥化係数ζ(T)、遷移速度係数ηxe、ηox、水
分の影響係数Wを状態量変化速度設定手段514に出力
する。
【0082】状態量変化速度設定手段514は、(7)
式を用いて,ゾル状態から乾燥ゲル状態への状態量変化
速度(遷移速度)dX1(t,T)/dtを求め、更に(9)
及び(10)式を用いて、乾燥ゲル状態から擬酸化膜状
態への状態量変化速度(遷移速度)dX2(t,T)/dtを
求める。求められた状態量変化速度dX1(t,T)/dt
は、真性応力変化計算手段523に、デンシファイの粘
性係数ηd(T,X1,X2,X3)は、構造変化による応力変化計
算手段524に出力される。
【0083】状態量比設定手段515は、以下の(1
7)乃至(19)式を用いて状態量比(組成比)を求め
る: X1(t,T)=(dX1(t,T)/dt)・Δt ・・・・・(17) X2(t,T)=(dX2(t,T)/dt)・Δt ・・・・・(18) X3(t,T)=(dX3(t,T)/dt)・Δt ・・・・・(19) 一方、応力計算手段52の初期応力計算手段521は、
状態量初期値設定手段511から出力された初期状態量
1(0,T0)を用い、以下の(20)式: σ0=F1(0.5−X1(0,T0)) ・・・・・(20) より初期応力σ0を計算する。
【0084】熱応力計算手段522は,温度変化計算手
段512から出力された温度変化dT/dtと、以下の
(21)式:
【数4】 dσth/dT=(dT/dt)・(αs −αf)・・・・・(21) とから熱応力変化dσth/dTを求める。
【0085】真性応力変化計算手段523は、状態量変
化速度設定手段514から出力された状態量変化速度d
1(t,T)/dtと(14)式とから真性応力変化dσi
/dtを求める。
【0086】構造変化による応力変化計算手段524
は、状態量変化速度設定手段514から出力されたデン
シファイの粘性係数ηd(T,X1,X2,X3)と(15)式とか
ら構造変化による応力変化dσd/dtを求める。
【0087】全応力計算手段525は、初期応力計算手
段521、熱応力計算手段522,真性応力変化計算手
段523,構造変化による応力変化計算手段524から
それぞれ出力された初期応力σ0、熱応力変化dσth
dT、真性応力変化dσi/dt、及び構造変化による
応力変化dσd/dtとを入力し、以下の(22)式:
【数5】 σ=σ0+((dσth/dT)+(dσi/dt)+(dσd/dt))・Δt ・・・・・(22) から全応力σを求める。
【0088】図3に物性値算出のための計算手順の概略
を示す。
【0089】(イ)まず、ステップS201において、
基本パラメータを入力する。基本パラメータとしては:
基板の材料名あるいは基板の二軸弾性係数c;基板の厚
さh;薄膜の厚さhf 測定前の基板の曲率半径R1;基
板の熱膨脹係数αs ;薄膜の熱膨脹係数αf;薄膜の材
料名あるいは薄膜の弾性係数cf;などを入力する。
【0090】(ロ)次に(又はステップS201と同時
に)、ステップS202において制御パラメータを入力
し、ステップS204において表面形状を計測する。制
御パラメータとしては、昇温速度;保持温度;保持時
間;降温速度などを用いる。
【0091】(ハ)ステップS203においては、ステ
ップS204において求められた測定後の基板の曲率半
径R2を用いて、曲率半径の変化量Rを求める。更に、
この曲率半径の変化量RとステップS201で入力した
入力パラメータを用いて、薄膜応力(薄膜内の平均スト
レス)σを求める。そして、ステップS202において
入力した制御パラメータを用いて、応力−温度特性及び
応力−時間特性を求める。そして、これらの応力−温度
特性及び応力−時間特性からパラメータフィッティング
を行う。このステップS203の処理の詳細は、図4の
フローチャートを用いて後述する。
【0092】(ニ)最後に、ステップS204において
出力パラメータを出力する。出力パラメータとしては、
薄膜応力の温度や時間依存性を記述するパラメータとし
て、薄膜状態量;状態遷移速度;乾燥ゲル化やデンシフ
ァイ等の構造変化のフィッティングパラメータ;薄膜の
真性応力;薄膜の熱応力;薄膜の構造変化による粘性係
数等が得られる。
【0093】次に、ステップS203の演算処理の詳細
を、図4のフローチャートを用いて説明する。図4のフ
ローチャートにおいて重要な点は、温度と時間の履歴と
して表現される状態量X1(t,T),X2(t,T),X3(t,T)の
遷移を計算する第1の処理フロー(第1のプログラムフ
ロー)と、応力変化dσth/dT,dσi/dt,dσd
/dtを計算する第2の処理フロー(第2のプログラム
フロー)とは基本的に独立に計算されるということであ
る。
【0094】(イ)まず、ステップS101で、差分法
を用いて計算するための、時間分割量Δtを設定する。
更にステップS102で、時間初期値t0を設定する。
【0095】(ロ)次に、ステップS111で、初期温
度T0、ゾル状態、乾燥ゲル状態、擬酸化膜状態の3つ
の状態量に対応した状態量X1(0,T0),X2(0,T0),X
3(0,T0)を設定し、第1の処理フロー(第1のプログラ
ムフロー)を開始する。そして、ステップS112で時
間をΔtだけ更新する。
【0096】(ハ)続いて、ステップS113で、前述
した(16)式より、温度変化dT/dtを求める。
【0097】(ニ)そして、ステップS114で、
(8)式から乾燥化係数ζ(T)、(11)式から、水
分の影響係数W、(12)式からデンシファイ前(乾燥
ゲル状態)の遷移速度係数ηxe、(13)式からデンシ
ファイ後(擬酸化膜)の遷移速度係数ηox、を求める。
【0098】(ホ)そして、これらの乾燥化係数ζ
(T)、遷移速度係数ηxe、ηox、水分の影響係数Wを
もちいて、ステップS115では、状態量変化速度(遷
移速度)を求める。即ち、(7)式を用いて,ゾル状態
から乾燥ゲル状態への状態量変化速度dX1(t,T)/dt
を求め、(9)及び(10)式を用いて、乾燥ゲル状態
から擬酸化膜状態への状態量変化速度dX2(t,T)/dt
を求める。
【0099】(ヘ)ステップS116では、(17)式
乃至(19)式を用いて状態量比(組成比)を求める。
そして、時間の最大値tmaxか否かを判断し(ステップ
S117)、時間の最大値tmaxでなければ、ステップ
S112に戻り、時間をΔtだけ更新し、第1の処理フ
ロー(第1のプログラムフロー)を繰り返す。
【0100】(ト)次に、第2の処理フロー(第2のプ
ログラムフロー)側を説明する。まず、ステップS11
1で設定された初期状態量X1(0,T0)を用い、ステップ
S121では、式(21)より初期応力σ0を計算す
る。そして、ステップS122で時間をΔtだけ更新す
る。
【0101】(チ)そして、ステップS123で、式
(22)から熱応力変化dσth/dTを、ステップS1
24で、(14)式から真性応力変化dσi/dtを、
ステップS125で(15)式とから構造変化による応
力変化dσd/dtを求める。
【0102】(リ)次に、ステップS126で、ステッ
プS112、S123、S124、S125で求められ
た初期応力σ0、熱応力変化dσth/dT、真性応力変
化dσi/dt、及び構造変化による応力変化dσd/d
tとを用い、前述の(22)式から全応力σを求める。
そして、ステップS127で、時間の最大値tmaxか否
かを判断し、時間の最大値tmaxでなければ、ステップ
S122に戻り、時間をΔtだけ更新し、第2の処理フ
ロー(第2のプログラムフロー)を繰り返す。
【0103】(ヌ)ステップS117及びS127で、
時間の最大値tmaxならば、結果を出力装置に表示、若
しくはデータ記憶部に格納して、演算を終了する。
【0104】図4に示した一連の薄膜評価方法を実行す
るためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記
憶媒体に保存しておいてもよい。この記憶媒体をコンピ
ュータシステムによって読み込ませ、図1に示すプログ
ラム記憶部61に格納し、このプログラムを演算部5で
実行して本発明の第1の実施の形態に係る薄膜評価方法
を実現することもできる。ここで、記録媒体とは、例え
ば半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気デ
ィスク、磁気テープなどのプログラムを記録することが
可能な種々の媒体である。
【0105】図14は薄膜評価装置の概観を示す鳥瞰図
である。この薄膜評価装置は、計測チャンバ1と、計測
チャンバ1に隣接して配置されたコントローラ90とか
ら構成されている。コントローラ90は、図1に示した
状態量計算手段51及び応力計算手段52とを有する演
算部5を内蔵している。さらにコントローラ90は、フ
ロッピーディスク装置(フロッピーディスクドライブ)
91および光ディスク装置(光ディスクドライブ)92
を具備している。フロッピーディスクドライブ91に対
してはフロッピーディスク93を、また光ディスクドラ
イブ92に対してはCD−ROM94をその挿入口から
挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これら
の記録媒体に格納されたプログラムをシステム内にイン
ストールすることができる。また、所定のドライブ装置
を接続することにより、例えばゲームパック等に利用さ
れているメモリ装置としての半導体ROM95や、磁気
テープ装置としてのカセットテープ96を用いることも
できる。
【0106】次に、本発明の第1の実施の形態の薄膜評
価方法を、実測値と比較しながら説明する。本発明の第
1の実施の形態においては、計算結果と比較するため、
直径150mm、厚さ675μmの(100)Si基板
上に、TEOSをソースガスとしたCVD法により厚さ
0.9μmの二酸化珪素膜(TEOS酸化膜)を堆積し
た3つのサンプル(試料)を用意した。この3つのサン
プルを、共通の毎分10℃の昇温速度で、昇温し、70
0℃、800℃、900℃の3条件でそれぞれ3時間保
持した。その後、それぞれ毎分15℃で降温した。保持
温度に関しては、体積変化が主に起こっている温度範囲
から一つ、装置の最高温度仕様から一つ、更に両者の中
間で一つを選ぶと良い。この間、時刻t、温度T、曲率
半径の変化量R及び曲率半径の変化量Rから求めた膜応
力値σを記録し、その薄膜の応力−温度特性、応力−時
刻特性から、乾燥ゲル化のフィッティングパラメータA
1,A2、デンシファイのフィッティングパラメータ
1 ,B2及びデンシファイ時の粘性係数ηd(T,X1,X2,X
3)を出力する。
【0107】次に、これらの関数のフィッティングパラ
メータの決定方法についてTEOSをガスソースとした
CVD法によるSi酸化膜の場合に即して述べる。
【0108】パラメータD1 ,D2 ,F1 本発明者ら
の実験データを示した図5によれば、600℃で保持し
た場合にはデンシフィケーションはまだ起こっておら
ず、水分脱離による体積収縮によって生じる真性応力変
化が中心である。この範囲のデータでD1 ,D2 を合わ
せ込む。室温でX1 の初期値を仮定する。本例の場合は
0.5とし、600℃ではX1を0とする。真性応力変
化 dσi/dtは(14)式に示すように、X1 の減少
に比例するとしてF1 を求め、600℃保持の時の乾燥
速度を推定し、(7)、(8)式よりD1 ,D2 の値を
決める。
【0109】パラメータA1 ,A2 デンシフィケーシ
ョン反応とデンシファイの粘性係数ηd(T,X1,X2,X3)は
一致すると考え(10)式で表わす。一方、デンシフィ
ケーションの反応の初期は(12)式の遷移速度係数η
xeによって、遷移速度が決まるため、600℃から80
0℃近辺の応力緩和の傾きからA1 、A2 を合わせ込
む。
【0110】パラメータB1 ,B2 CVD酸化膜の場
合、保持時間を長くしても応力緩和は途中で緩和してし
まう。これは反応が進むにつれ乾燥ゲルの割合が減少
し、膜の粘性係数が上昇してしまうことによる。膜の状
態量がX2(t,T)からX3(t,T) に移行することにより、
粘性係数がX2(t,T)とX3(t,T)の関数て表わされる。本
発明の第1の実施形態の場合(10)式のような平均で
粘性係数ηd(T,X1,X2,X3)を表現する。例えば、図15
に示したような、保持温度700℃、800℃及び90
0℃の各サンプルの応力緩和の傾向に一致するようにパ
ラメータを合わせ込む。
【0111】以上のような手段により、パラメータを求
めることにより、薄膜材料の状態量X1(t,T),X2(t,
T),X3(t,T)、状態遷移速度dX1(t,T)/dt,dX
2(t,T)/dt,dX3(t,T)/dtを決定する事が可能に
なった。つまり薄膜の応力緩和の昇降温速度や保持時間
依存性をより正確に求めることが可能になった。結果を
図6及び図7に示す。
【0112】図6から、ゾル状態X1(t,T)から乾燥ゲル
状態X2(t,T)への遷移が熱処理開始後約4000秒でほ
ぼ終了していることが分かる。また、熱処理開始後約3
000秒くらいから、乾燥ゲル状態X2(t,T)から擬酸化
膜状態X3(t,T)への遷移が開始されていることがわか
る。
【0113】図7は薄膜の応力の計算結果と実測値とを
比較して示す図である。従来は、複数の保持温度を選択
した場合、それぞれの保持温度のサンプルがそれぞれ一
定の緩和応力値に収束する現象を計算する事は不可能で
あった。しかし、図7に示すように、本発明の第1の実
施の形態によれば、700℃、800℃、900℃でそ
れぞれ3時間保持した時のTEOS酸化膜の応力緩和特
性の計算結果と実測値とが良く再現できていることが分
かる。この応力緩和特性は一定温度で保持されてから時
間と共に対数的に減衰している。
【0114】一般に薄膜の応力変化を評価する薄膜評価
装置においては、基板加熱機構等のハードウェアの性能
・仕様により、測定可能な温度や温度変化速度の範囲が
限定されている。一例を挙げると、測定可能温度900
℃、温度変化速度10℃/min等の制限が現実には生
じる。しかし、実際の半導体プロセスにおいては、熱酸
化やエピタキシャル成長等のように、最高温度が110
0℃を超える高温プロセスは種々存在する。また、ラピ
ッドサーマルアニール(RTA)等のように、温度変化
速度が100℃/minを超えるプロセスも、LSI製
造工程には度々登場する。従来の薄膜評価モデルでは、
薄膜評価装置で測定できないこれらの高温領域や急激な
温度変化を伴うプロセスについての薄膜評価や物性評価
は到底予測し得ないものであった。しかるに本発明のモ
デルに従えば、必ずしも、薄膜評価装置で測定できない
これらの高温領域や急激な温度変化を伴うプロセスにつ
いても、数値演算により精度良く推定することがが可能
となる。従って、本発明の薄膜評価モデルは、半導体プ
ロセスの幅広い工程に使用することが可能である。
【0115】(第2の実施の形態)図8に、本発明の第
2の実施の形態に係るプロセスシミュレーション装置の
概略を示すブロック図を示す。本発明の第2の実施の形
態に係るプロセスシミュレーション装置は、一連の半導
体プロセスシミュレーションを実行するための機能手段
を備えた演算部80と、半導体装置製造プロセスに必要
な所定のデータなどを格納したデータ記憶部66と、プ
ロセスシミュレーションプログラムなどを格納したプロ
グラム記憶部67とから少なくとも構成されている。演
算部80は、通常のコンピュータシステムの中央処理装
置(CPU)の一部を構成している。データ記憶部66
およびプログラム記憶部67はCPUの内部の主記憶装
置で構成しても良く、このCPUに接続された半導体R
OMや半導体RAM等の半導体メモリ、あるいは磁気デ
ィスク装置などの記憶装置で構成してもよい。
【0116】このプロセスシミュレーション装置の演算
部80は、CVD等の堆積工程、RIE等のエッチング
工程、イオン注入工程、酸化工程、拡散工程などからな
る一連の半導体装置の製造工程をシミュレーションする
ための形状シミュレーション部81,不純物分布シミュ
レーション部82,欠陥分布シミュレーション部83及
び応力分布シミュレーション部84等を少なくとも有し
ている。これらの形状シミュレーション部81,不純物
分布シミュレーション部82,欠陥分布シミュレーショ
ン部83及び応力分布シミュレーション部84等は、そ
れぞれ専用のハードウェアで構成しても良く、通常のコ
ンピュータシステムのCPUを用いて、ソフトウェアで
実質的に等価な機能を有する機能手段としてそれぞれを
構成しても良い。ここで、形状シミュレーション部81
や不純物分布シミュレーション部82は,さらにイオン
注入工程処理手段,酸化工程処理手段,堆積工程処理手
段,エッチング工程処理手段,拡散工程処理手段等に細
分化されている。例えば、堆積工程処理手段は低温CV
D、高温CVD、エピタキシャル成長、真空蒸着、スパ
ッタリング等をシミュレーションする。エッチング工程
処理手段としてはRIE,ECRイオンエッチング、イ
オンミリングや光励起エッチング等のドライエッチング
の他にウェットエッチングのシミュレーションも含まれ
ることは無論である。
【0117】応力分布シミュレーション部84は、応力
演算部71を有している。この応力演算部71の外部に
は、要素等価熱歪み増分計算手段72、要素構造変化歪
み増分計算手段73、要素真性歪み増分計算手段74及
び状態量計算手段75が接続されている。要素等価熱歪
み増分計算手段72、要素構造変化歪み増分計算手段7
3、要素真性歪み増分計算手段74及び状態量計算手段
75を応力演算部71に内蔵してもよい。これらの応力
演算部71、要素等価熱歪み増分計算手段72、要素構
造変化歪み増分計算手段73、要素真性歪み増分計算手
段74及び状態量計算手段75は、それぞれ専用のハー
ドウェアで構成しても良く、通常のコンピュータシステ
ムのCPUを用いて、ソフトウェアで実質的に等価な機
能を有する機能手段として、それぞれを構成しても良
い。応力演算部71においては、応力計算のメインプロ
グラムが実行され、要素等価熱歪み増分計算手段72、
要素構造変化歪み増分計算手段73、要素真性歪み増分
計算手段74及び状態量計算手段75においては、応力
演算部71でのメインプログラムの実行に必要なサブプ
ログラムがそれぞれ実行される。具体的には、応力演算
部71は、要素等価熱歪み増分計算手段72に、時刻t
におけるゾル状態、乾燥ゲル状態、擬酸化膜状態に対応
した状態量X1(t,T),X2(t,T),X3(t,T)を出力する。
要素等価熱歪み増分計算手段72は、時刻t+Δtにおけ
る状態量X1(t+Δt,T+ΔT),X2(t+Δt,T+ΔT),X3(t+
Δt,T+ΔT)及び等価熱歪み増分Δσthを計算し、その結
果を応力演算部71に出力する。応力演算部71は、要
素構造変化歪み増分計算手段73に、時刻tの応力と、
時刻t+Δtにおける状態量X1(t+Δt,T+ΔT),X2(t+Δ
t,T+ΔT),X3(t+Δt,T+ΔT)を出力する。要素構造変化
歪み増分計算手段73においては、時間増分Δt間に発
生する構造変化歪み(クリープ歪み)増分Δσdtを計算
し、その結果を応力演算部71に出力する。また、応力
演算部71は、要素真性歪み増分計算手段74に、時刻
tの応力と、時刻t+Δtにおける状態量X1(t+Δt,T+Δ
T),X2(t+Δt,T+ΔT),X3(t+Δt,T+ΔT)を出力する。
要素真性歪み増分計算手段74においては、時間増分Δ
t間に発生する真性歪み増分Δσitを計算し、その結果
を応力演算部71に出力する。さらに、状態量計算手段
75は、これらの要素等価熱歪み増分計算手段72、要
素構造変化歪み増分計算手段73、要素真性歪み増分計
算手段74の計算に必要なパラメータを算出するための
状態量を計算する。
【0118】さらに、演算部80には、入出力制御部7
0を介して、操作者からのデータや命令などの入力を受
け付ける入力装置68及びプロセスシミュレーション結
果を出力する出力装置69とが接続されている。入力装
置68はキーボード、マウス、ライトペンまたはフロッ
ピーディスク装置などで構成される。また出力装置69
はディスプレイ装置やプリンタ装置などにより構成され
ている。
【0119】図8に示した演算部80で実行される各処
理の入力データは、データ記憶部66に格納され、プロ
グラム命令はプログラム記憶部67に記憶される。そし
てこれらの入力データやプログラム命令は必要に応じて
CPUに読み込まれ、CPUの内部の演算部80によっ
て、演算処理が実行されるとともに、各工程で発生した
数値情報などのデータはRAMや磁気ディスクなどのデ
ータ記憶部66に格納される。
【0120】図9乃至図12に、プロセスシミュレーシ
ョン装置80に内蔵された応力分布シミュレーション部
84における応力演算の処理手順のフローチャートを示
す。図9は本発明の第2の実施の形態に係る応力演算の
プログラムの全体構成を示すフローチャートである。図
9に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る応力
演算においては、ステップS300における応力演算の
メインプログラムと、ステップS310における要素等
価熱歪み増分計算のサブプログラム(第1のサブプログ
ラム)、ステップS320における要素クリープ歪み増
分計算のサブプログラム(第2のサブプログラム)、ス
テップS330における要素真性歪み増分計算のサブプ
ログラム(第3のサブプログラム)及びステップS34
0における状態量計算のサブプログラム(第4のサブプ
ログラム)とから構成されている。要素等価熱歪み増分
計算サブプログラム(第1のサブプログラム)、ステッ
プS320における要素クリープ歪み増分計算のサブプ
ログラム(第2のサブプログラム)、ステップS330
における要素真性歪み増分計算のサブプログラム(第3
のサブプログラム)及びステップS340における状態
量計算のサブプログラム(第4のサブプログラム)と
で、外部ユーザ定義材料ライブラリ・ルーチン(ステッ
プS350)を構成している。ステップS300におけ
る応力演算のメインプログラムの詳細は図10のフロー
チャートに示している。また、ステップS310におけ
る要素等価熱歪み増分計算サブプログラム(第1のサブ
プログラム)及びステップS320における要素クリー
プ歪み増分計算サブプログラム(第2のサブプログラ
ム)の詳細は、それぞれ図11及び12のフローチャー
トに示している。図9に示すように、本発明の第2の実
施の形態に係る応力演算においては、時刻(t+Δt)
毎の薄膜材料の等価熱歪み増分Δσthや構造変化歪み
(クリープ歪み)増分Δσdtが温度の時刻歴として計算
され、メインプログラム(ステップS300)の応力計
算ルーチンに入力され、半導体内部の応力が計算され
る。
【0121】ステップS300における応力演算のメイ
ンプログラムを、図10のフローチャートを用いて説明
する。
【0122】(イ)まず、ステップS301において、
系のメッシュデータや材料定数が設定される。
【0123】(ロ)次に、ステップS302において、
ゾル状態、乾燥ゲル状態、擬酸化膜状態の3つの状態に
対応した状態量X1(t,T),X2(t,T),X3(t,T)を設定
し、各状態量の初期値X1(0,T),X2(0,T),X3(0,
T)を設定する。そして、ステップS303において、初
期温度T=T0を設定する。この結果、各状態量の初期
値は、X1(0,T0),X2(0,T0),X3(0,T0)となる。そ
して、ステップS304において、時刻の初期値t=t
0が設定される。ステップS305において、時刻を時
間分割量Δtだけ更新し、温度を温度分割量ΔTだけ更
新する。
【0124】(ハ)ステップS305で時刻を時間分割
量Δtだけ、温度を温度分割量ΔTだけ更新しながら、
ステップS306乃至ステップS308の処理を繰り返
して、系の変位、応力を計算する。即ち: ・サブプログラム(ステップS310)を用いて、ステ
ップS306で、Δt内に発生する等価熱歪み増分Δσ
thを各状態量X1(t+Δt,T+ΔT),X2(t+Δt,T+ΔT),X
3(t+Δt,T+ΔT)毎に求める; ・サブプログラム(ステップS320)を用いて、ステ
ップS307で、T+ΔTを参照しながら、時間増分Δ
t間に発生する構造変化歪み(クリープ歪み)増分Δσd
tを各状態量X1(t+Δt,T+ΔT),X2(t+Δt,T+ΔT),X3
(t+Δt,T+ΔT)毎に求める; ・ステップS308で力の釣り合い方程式を解き、時刻
t+Δtにおける変位、応力を解く。この計算は、力の
釣り合いが取れるまで繰り返される; ・ステップS309で最大設定時間tmaxであるか否
か、最大設定温度Tm axであるか否かを判断し、最大設
定時間tmax、最大設定温度TmaxになるまでステップS
306乃至ステップS308の処理を繰り返す。
【0125】次に、ステップS310における要素等価
熱歪み増分計算のサブプログラム(第1のサブプログラ
ム)を、図11のフローチャートを用いて説明する: (イ)まず、メインプログラムのステップS306から
時刻tにおけるゾル、乾燥ゲル、擬酸化膜状態に対応し
た状態量X1(t,T),X2(t,T),X3(t,T)を入力し、ステ
ップS311で、温度増分ΔTによる熱歪み増分Δσth
(I)をもとめる; (ロ)ステップS312で、時刻tにおけるおける各状
態量X1(t,T),X2(t,T),X3(t,T)と、現在の温度T+
ΔTを基に、反応速度式を積分し、時間Δt増加後の各
状態量X1(t+Δt,T+ΔT),X2(t+Δt,T+ΔT),X3(t+Δ
t,T+ΔT)を求める ; (ハ)ステップS313では、時間増分Δt間の状態量
1(t+Δt,T+ΔT)の減少によって発生する膜応力増分を
(14)式を用いて求める; (ニ)ステップS314では、ステップS313で求め
た膜応力増分に等価な熱歪み増分Δσth(II)を求める; (ホ)ステップS315では、先に求めた熱歪み増分Δ
σth(I)とステップS314で求めた熱歪み増分Δσ
th(II)を加算して等価な熱歪み増分Δσthを求める。そ
してこの等価な熱歪み増分Δσthを、各状態量X1(t+Δ
t,T+ΔT),X2(t+Δt,T+ΔT),X3(t+Δt,T+ΔT)と共
に、メインプログラムのステップS306に戻す。
【0126】図12のフローチャートを用いて、ステッ
プS320における要素クリープ歪み増分計算のサブプ
ログラム(第2のサブプログラム)を説明する: (イ)まず、ステップS321では、メインプログラム
のステップS307から、時刻tの応力と、時刻t+Δt
における状態量X1(t+Δt,T+ΔT),X2(t+Δt,T+ΔT),
3(t+Δt,T+ΔT)を入力し、温度T+ΔTに対応したデ
ンシファイの粘性係 数ηd(T+ΔT,X1,X2,X3)を計算す
る; (ロ)ステップS322では、時刻tの応力とステップ
S321で求めたデンシファイの粘性係数ηd(T+ΔT,
X1,X2,X3)を基に、時間増分Δt内に発生する構造変化
歪み増分Δσdtを計算し、その結果をメインプログラム
のステップS307にもどす。
【0127】図9乃至図12に示した応力演算の処理手
順のフローチャートに従えば、例えば図13に示したよ
うなSi基板中にTEOS酸化膜が埋め込まれるSTI
領域中の応力分布が、熱処理により構造変化や体積減少
を伴う場合であっても正確に計算できる。また、これま
で計算できなかった、保持温度によって一定の緩和応力
値に収束する現象を精度良く近似できる。
【0128】図10乃至12に示したプロセスシミュレ
ーションにおける応力演算を実行するためのシミュレー
ションプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶
媒体に保存しておいてもよい。この記憶媒体をコンピュ
ータシステムによって読み込ませ、図8に示すプログラ
ム記憶部67に格納し、このシミュレーションプログラ
ムを演算部80で実行して本発明の第2の実施の形態に
係るプロセスシミュレーションを実現することもでき
る。ここで、記録媒体とは、例えば半導体メモリ、磁気
ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープな
どのプログラムを記録することができるようなコンピュ
ータ読み取り可能な媒体などが含まれる。
【0129】本発明の第2の実施の形態に係るプロセス
シミュレーション装置は、例えば、図14に示した薄膜
評価装置のコントローラと同様な概観である。つまり、
本発明の第2の実施の形態に係るプロセスシミュレーシ
ョン装置は、このコントローラ本体90に、応力分布シ
ミュレーション部84等を内蔵する演算部80が内蔵さ
れていると考えればよい。さらに本体90は、フロッピ
ーディスク装置(フロッピーディスクドライブ)91お
よび光ディスク装置(光ディスクドライブ)92を具備
している。フロッピーディスクドライブ91に対しては
フロッピーディスク93を、また光ディスクドライブ9
2に対してはCD−ROM94をその挿入口から挿入
し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記
録媒体に格納された図9乃至図12に示したシミュレー
ションプログラムをシステム内にインストールすること
ができる。また、所定のドライブ装置を接続することに
より、例えばゲームパック等に利用されているメモリ装
置としてのROM95や、磁気テープ装置としてのカセ
ットテープ96を用いることもできる。
【0130】(その他の実施の形態)上記のように、本
発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、
この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定す
るものであると理解すべきではない。この開示から当業
者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明
らかとなろう。
【0131】本発明の第1及び第2の実施の形態では、
TEOS酸化膜に関して説明したが、TMOS酸化膜,
TPOS酸化膜,DADBS酸化膜,HMDS酸化膜,
OMCTS酸化膜,TMCTS酸化膜、TMS酸化膜等
の種々の有機シリコンCVD膜にも適用可能である。ま
た、この他ポリSi膜、アモルファスSi膜、Si34
膜(より一般にはSiN膜)、SOG膜、アルミニウム
や銅あるいはこれらの合金膜など半導体プロセスにおい
て使用される薄膜で、温度により体積変化や組成変化を
起こすいかなる薄膜においても適用する事ができる。
【0132】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を包含するということを理解す
べきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な
特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ限定さ
れるものである。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来技術では記述不可能であった有機シリコンCVD膜
等の熱処理や時間により体積が変化する薄膜や、熱処理
等によりそれを構成している材料の組成が変化する性質
を有する薄膜の物性値や、薄膜中の応力変化を、より正
確に記述することができる。
【0134】また、本発明によれば、熱処理等により体
積が変化する薄膜や、熱処理等によりそれを構成してい
る材料の組成が変化する性質を有する薄膜が半導体基板
上に形成された場合において、半導体基板中の応力変化
をより正確に記述することができる。
【0135】具体的には、本発明によれば、熱処理等に
より構造が変化する薄膜の物性値や、半導体基板内部及
び薄膜中に発生する応力の温度依存性や時間依存性を正
確に計算できる薄膜評価装置を提供することができる。
【0136】さらに、本発明によれば、熱処理等により
構造が変化する薄膜を用いた半導体製造工程時に発生す
る、半導体基板中の転位・欠陥やスリップ、薄膜の剥離
現象などの応力関連の種々の課題の解決に必要となる正
確且つ重要な情報を与える薄膜評価装置を提供すること
ができる。
【0137】さらに、本発明によれば、熱処理等により
構造が変化する薄膜の物性値や、半導体基板内部及び薄
膜中に発生する応力の温度依存性や時間依存性を正確に
計算できる薄膜評価方法を提供することができる。
【0138】さらに、本発明によれば、熱処理等により
構造が変化する薄膜を用いた半導体装置中の転位・欠陥
やスリップ、薄膜の剥離現象などの応力関連の課題の解
決を容易にする薄膜評価方法を提供することができる。
【0139】さらに、本発明によれば、熱処理等により
構造が変化する薄膜を半導体基板中の溝部の内部やその
表面に堆積した構造を有する半導体装置の内部及び薄膜
中に発生する応力の温度依存性や時間依存性を正確に計
算できる半導体シミュレーション装置を提供することが
できる。
【0140】さらに、本発明によれば、有機シリコンC
VD等を用いたSTI素子分離工程時等に発生する、半
導体基板中の転位・欠陥やスリップ、薄膜の剥離現象な
どの解析を容易にする半導体シミュレーション装置を提
供することができる。
【0141】さらに、本発明によれば、構造が変化する
薄膜を用いた半導体装置の内部及び薄膜中に発生する応
力の温度依存性や時間依存性を正確に計算できる半導体
シミュレーション方法を提供することができる。
【0142】さらに、本発明によれば、有機シリコンC
VD等の構造が変化し易い薄膜を用いた半導体製造工程
時に発生する、半導体基板中の転位・欠陥やスリップ、
薄膜の剥離現象などの応力を簡単に解析できる半導体シ
ミュレーション方法を提供することができる。
【0143】さらに、本発明によれば、半導体装置の半
導体基板内部及び薄膜中に発生する応力の温度依存性や
時間依存性を正確に計算できる薄膜評価プログラムを格
納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する
ことができる。
【0144】さらに、本発明によれば、有機シリコンC
VD等の半導体製造工程時に発生する、半導体基板中の
転位・欠陥やスリップ、薄膜の剥離現象などの応力を簡
単に解析できる半導体シミュレーションプログラムを格
納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜評価装置
の概略を示すブロック図である。
【図2】図1の演算部を構成する状態量計算手段及び応
力計算手段の詳細を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜評価方法
手順の概略を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS203の演算処理の詳細を示
すフローチャートである。
【図5】600℃でのフレクサス実験の結果を示す図で
ある。
【図6】ゾル状態X1(t,T)から乾燥ゲル状態X2(t,T)へ
の遷移、及び乾燥ゲル状態X2(t,T)から擬酸化膜状態X
3(t,T)への遷移を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜評価方法
による薄膜の応力の計算結果と実測値とを比較して示す
図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るプロセスシミ
ュレーション装置の概略を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る応力演算のプ
ログラムのメインプログラムとサブプログラムとの関係
を示すフローチャートである。
【図10】図9の応力演算のメインプログラムの詳細を
示すフローチャートである。
【図11】図9のサブプログラム(第1のサブプログラ
ム)の詳細を示すフローチャートである。
【図12】図9のサブプログラム(第2のサブプログラ
ム)の詳細を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るプロセスシ
ミュレーションの対象の例としてTEOS酸化膜を埋め
込んだSTI構造を示す模式図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜評価装
置の概観を示す鳥瞰図である。
【図15】TEOS酸化膜の応力−温度特性の実測値を
示す図である。
【図16】TEOS酸化膜の応力−時間特性の実測値を
示す図である。
【図17】従来の手法では応力−時間特性を示す実測値
と計算値とが一致が悪いことを示す図である。
【符号の説明】
1 計測チャンバ 2 レーザスキャン装置 3 サセプタ 5,80 演算部 21 レーザ 22 ミラー 23 検出器 24 レーザスキャン駆動部 25 レーザスキャンコントローラ 26 反射角度計算手段 27 曲率半径変化量計算手段 31 ヒータ 33 基板 34 薄膜 35 温度コントローラ 41,42 マスフローコントローラ 43 ゲートバルブ43 44 真空ポンプ 45 真空・ガスコントローラ 51 状態量計算手段 52 応力計算手段 61,67 プログラム記憶部 62,66 データ記憶部 63,68 入力装置 64,69 出力装置 65,70 入出力制御部 71 応力演算部 72 要素等価熱歪み増分計算手段 73 要素構造変化歪み増分計算手段 74 要素真性歪み増分計算手段 75 状態量計算手段 81 形状シミュレーション部 82 不純物分布シミュレーション部 83 欠陥分布シミュレーション部 84 応力分布シミュレーション部 90 コントローラ 91 フロッピーディスク装置(フロッピーディスクド
ライブ) 92 光ディスク装置(光ディスクドライブ) 93 フロッピーディスク 94 CD−ROM 95 半導体ROM 96 カセットテープ 511状態量初期値設定手段 512温度変化計算手段 513パラメータ計算手段 514状態量変化速度設定手段 515状態量比設定手段 521初期応力計算手段 522熱応力計算手段 523真性応力変化計算手段 524構造変化による応力変化計算手段 525全応力計算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (54)【発明の名称】 薄膜評価装置、薄膜評価方法、半導体シミュレーション装置、半導体シミュレーション方法、薄 膜評価プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、及びシミュレーションプロ グラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜の状態を互いに異なる構造を有した
    複数の状態の混合状態として捉え、それぞれの状態に対
    応した複数の状態量を設定し、この状態量の変化を計算
    する状態量計算手段と、 該状態量計算手段とは独立に、該状態量計算手段の中間
    出力を入力として用いて薄膜材料の真性応力と構造変化
    に伴う粘性係数の少なくとも一方を求める応力計算手段
    とを含む演算部を少なくとも具備する薄膜評価装置。
  2. 【請求項2】 基板加熱機構を内蔵し、基板加熱に伴う
    前記薄膜の曲率半径の変化を測定し、測定結果を前記演
    算部に出力する計測チャンバーを更に有し、 前記状態量計算手段は前記基板加熱に伴う状態量の変化
    を計算し、前記応力計算手段は、前記基板加熱に伴う前
    記真性応力と粘性係数の少なくとも一方を求めることを
    特徴とする請求項1記載の薄膜評価装置。
  3. 【請求項3】 薄膜の状態を互いに異なる構造を有した
    複数の状態の混合状態として捉え、それぞれの状態に対
    応した複数の状態量の初期値を設定するステップと、該
    状態量の変化を計算するステップとを少なくとも含む一
    連のステップからなる第1の処理フローと、 薄膜材料の初期応力を計算するステップと、前記第1の
    処理フローの中間結果を用いて、薄膜材料の真性応力と
    構造変化に伴う粘性係数の少なくとも一方を求めるステ
    ップとを少なくとも含む一連のステップからなる第2の
    処理フローとを少なくとも具備する薄膜評価方法。
  4. 【請求項4】 前記薄膜を堆積した基板を加熱し、該加
    熱による薄膜の曲率半径の変化から、前記真性応力と粘
    性係数の少なくとも一方、及び前記状態量とその状態量
    変化速度とを求めることを特徴とする請求項3記載の薄
    膜評価方法。
  5. 【請求項5】 薄膜の状態を互いに異なる構造を有した
    複数の状態の混合状態として捉え、それぞれの状態に対
    応した複数の状態量を設定し、この状態量について力の
    釣り合い方程式を解く応力演算部と、 該応力演算部に接続され、所定の時間増分Δt及び所定
    の温度増分ΔT毎に等価熱歪み増分を計算するサブプロ
    グラムを実行し、前記応力演算部に結果を出力する要素
    等価熱歪み増分計算手段と、 前記応力演算部に接続され、所定の時間増分Δt及び所
    定の温度増分ΔT毎に構造変化に伴う歪み増分を計算す
    るサブプログラムを実行し、前記応力演算部に結果を出
    力する要素構造変化歪み増分計算手段と、 前記応力演算部に接続され、所定の時間増分Δt及び所
    定の温度増分ΔT毎に真性歪み増分を計算するサブプロ
    グラムを実行し、前記応力演算部に結果を出力する要素
    真性歪み増分計算手段と、 前記応力演算部に接続され、所定の時間増分Δt及び所
    定の温度増分ΔT毎の状態量を計算するサブプログラム
    を実行し、前記応力演算部に結果を出力する状態量計算
    手段とを含む応力分布シミュレーション部を少なくとも
    具備する半導体シミュレーション装置。
  6. 【請求項6】 薄膜の状態を互いに異なる構造を有した
    複数の状態の混合状態として捉え、それぞれの状態に対
    応した複数の状態量を設定し、この各状態量の初期値を
    設定するステップと、各状態量毎に等価熱歪み増分を計
    算するステップと、各状態量毎に構造変化歪み増分を計
    算するステップと、力の釣り合い方程式を解くステップ
    を少なくとも含む一連のステップからなる応力計算処理
    と、 所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎に等価熱
    歪み増分を計算するサブプログラムを実行する要素等価
    熱歪み増分計算処理と、 所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎に構造変
    化に伴う歪み増分を計算するサブプログラムを実行する
    要素構造変化歪み増分計算処理と、 所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎に真性歪
    み増分を計算するサブプログラムを実行する要素真性歪
    み増分計算処理と、 所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎の状態量
    を計算するサブプログラムを実行する状態量計算処理と
    を含む応力分布シミュレーションを少なくとも具備する
    半導体シミュレーション方法。
  7. 【請求項7】 前記要素等価熱歪み増分計算処理は、前
    記時間増分Δt間の前記状態量の減少によって発生する
    前記薄膜の応力増分を求めるステップと、 該応力増分に等価な熱歪み増分を求めるステップとを少
    なくとも有することを特徴とする請求項6記載の半導体
    シミュレーション方法。
  8. 【請求項8】 薄膜の状態を互いに異なる構造を有した
    複数の状態の混合状態として捉え、それぞれの状態に対
    応した複数の状態量の初期値を設定するステップと、該
    状態量の変化を計算するステップとを少なくとも含む一
    連のステップからなる第1のプログラムフローと、 薄膜材料の初期応力を計算するステップと、前記第1の
    処理フローの中間結果を用いて、薄膜材料の真性応力と
    構造変化に伴う粘性係数の少なくとも一方を求めるステ
    ップとを少なくとも含む一連のステップからなる第2の
    プログラムフローとから少なくとも構成された薄膜評価
    プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録
    媒体。
  9. 【請求項9】 薄膜の状態を互いに異なる構造を有した
    複数の状態の混合状態として捉え、それぞれの状態に対
    応した複数の状態量を設定し、この各状態量の初期値を
    設定するステップと、各状態量毎に等価熱歪み増分を計
    算するステップと、各状態量毎に構造変化歪み増分を計
    算するステップと、力の釣り合い方程式を解くステップ
    を少なくとも含む一連のステップからなるメインプログ
    ラムと、 所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎に等価熱
    歪み増分を計算する第1のサブプログラムと、 所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎に構造変
    化に伴う歪み増分を計算する第2のサブプログラムと、 所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎に真性歪
    み増分を計算する第3のサブプログラムと、 所定の時間増分Δt及び所定の温度増分ΔT毎の状態量
    を計算する第4のサブプログラムとを含む応力分布シミ
    ュレーションプログラムを格納したコンピュータ読み取
    り可能な記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記第1のサブプログラムは、前記時
    間増分Δt間の前記状態量の減少によって発生する前記
    薄膜の応力増分を求めるステップと、 該応力増分に等価な熱歪み増分を求めるステップとを少
    なくとも有することを特徴とする請求項9記載のコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体。
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