JP2000009529A - 変位計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度を低下させることなく、低い周波
数領域の変位振動を計測できるようにする。 【解決手段】 測定対象物に固定するケース１と、この
ケース１にバネ２によって支持された質量体３と、この
質量体３の加速度を検出する加速度センサ４と、質量体
３に力を作用させるアクチュエータ５と、加速度センサ
４の出力が零になるようにアクチュエータ５の出力を制
御する制御手段６と、ケース１に対する質量体３の変位
を検出する変位検出手段７とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、低周波領域の変位
振動を高精度に計測するサイズモ式変位計に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、サイズモ式変位計は、不動点が
得られない振動計測において用いられている。不動点が
得られない振動計測としては、例えば、地面の変位振動
の計測などがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、サイズモ式変
位計には、低周波領域の変位振動を高精度に計測し難い
という問題があった。サイズモ式変位計では、バネ−質
量系の共振振動数の３倍以上の周波数領域において正確
な変位計測が可能であると言われている。例えば、３０
Ｈｚ以上の変位振動を計測しようとすると、共振振動数
は約１０Ｈｚでなければならない。

【０００４】更に、低い周波数領域の変位振動を計測し
ようとすれば、より低い共振振動数を持たさなければな
らない。共振振動数を低くするということは、バネ−質
量系を機械的に脆弱にすることを意味するため、極端に
低い共振振動数を持たせるには、機械的な脆弱さを補う
特別な機構が必要となる。

【０００５】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、機械的強度を低下させることなく、低い周波数
領域の変位振動を計測できる変位計を提供しようとする
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明は、測定対象物に固定するケースと、このケースに
バネによって支持された質量体と、この質量体の加速度
を検出する加速度検出手段と、前記質量体に力を作用さ
せる質量体駆動手段と、前記加速度検出手段の出力が零
になるように前記質量体駆動手段の出力を制御する制御
手段と、前記ケースに対する前記質量体の変位を検出す
る変位検出手段とを備えたものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、図１は本発明に係る
変位計の構成図、図２は同じくブロック図である。

【０００８】本発明に係る変位計は、図１に示すよう
に、測定対象物に固定するケース１と、このケース１内
にバネ２によって支持された質量体３と、この質量体３
の加速度を検出する加速度センサ４と、質量体３に力を
作用させるアクチュエータ５と、加速度センサ４の出力
が零になるようにアクチュエータ５の出力を制御する制
御手段６と、ケース１に対する質量体３の変位を検出す
る変位検出手段７からなる。

【０００９】加速度センサ４としては、種々の形式のも
のが適用できるが、直流領域の変位を検出するとすれ
ば、例えば歪ゲージ式の加速度センサを適用すればよ
い。

【００１０】アクチュエータ５は、磁気回路８と質量体
３の端部に巻回されたコイル９からなり、コイル９は磁
気回路８に形成したギャップ８ａに挿入されている。な
お、磁気回路８は、ヨーク８ｂ、ポール８ｃ、マグネッ
ト８ｄからなる。

【００１１】制御手段６は、正入力端子と負入力端子を
備えたサーボ増幅器１０とコイル９に駆動電流を流す駆
動手段１１からなり、サーボ増幅器１０の正入力端子は
接地し、負入力端子にはフィードバック信号として加速
度センサ４の出力信号が入力されている。

【００１２】以上のように構成した本発明に係る変位計
の作用について説明する。変位計が固定された測定対象
物、例えば地面が変位すると、ケース１は地面の変位に
応じて変位する。しかし、質量体３に加わる加速度を加
速度センサ４で検出しサーボ増幅器１０にフィードバッ
クして、質量体３の加速度を零にするようアクチュエー
タ５が作用するので、質量体３は元の位置に留まる。

【００１３】即ち、質量体３は、地面に対して仮想の不
動点となる。従って、質量体３とケース１の相対変位
は、地面とケース１の相対変位と同一になり、変位検出
手段７によって質量体３とケース１の相対変位を検出す
れば、地面の変位を知ることができる。

【００１４】また、本発明に係る変位計のブロック図
は、図２に示すように、制御対象としてのバネ２と質量
体３からなるバネ−質量系（振り子）と、質量体３の加
速度を検出する加速度センサ４と、サーボ増幅器１０と
駆動手段１１からなる制御手段６と、操作部としてのア
クチュエータ５とでクローズドループを構成している。

【００１５】そして、質量体３に作用する振動（力）に
対して、質量体３の加速度が零になるように、サーボ増
幅器１０と駆動手段１１がアクチュエータ５を駆動して
いる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、質
量体が受ける加速度を検出して質量体の加速度が零にな
るように制御し、この時の質量体とケースの相対変位を
検出するので、バネ−質量系の機械的強度を低下させる
ことなく、低い周波数領域の変位を高精度に検出でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る変位計の構成図

【図２】本発明に係る変位計のブロック図

【符号の説明】 １…ケース、２…バネ、３…質量体、４…加速度セン
サ、５…アクチュエータ、６…制御手段、７…変位検出
手段、８…磁気回路、９…コイル、１０…サーボ増幅
器、１１…駆動手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 測定対象物に固定するケースと、このケ
   ースにバネによって支持された質量体と、この質量体の
   加速度を検出する加速度検出手段と、前記質量体に力を
   作用させる質量体駆動手段と、前記加速度検出手段の出
   力が零になるように前記質量体駆動手段の出力を制御す
   る制御手段と、前記ケースに対する前記質量体の変位を
   検出する変位検出手段とを備えたことを特徴とする変位
   計。