JP2000008276A - 難燃性オレフィン系樹脂積層体 - Google Patents

難燃性オレフィン系樹脂積層体

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JP2000008276A
JP2000008276A JP10172846A JP17284698A JP2000008276A JP 2000008276 A JP2000008276 A JP 2000008276A JP 10172846 A JP10172846 A JP 10172846A JP 17284698 A JP17284698 A JP 17284698A JP 2000008276 A JP2000008276 A JP 2000008276A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋外などの苛酷な使用条件下においても樹脂
層の剥離脱落がなく、難燃性が高く、経時的低下がな
く、廃棄焼却の容易な難燃性オレフィン系樹脂積層体の
提供。 【解決手段】 繊維性基布上に、難燃性オレフィン系樹
脂複合層を設け、この樹脂複合層において、基布に隣接
し、オレフィン系樹脂100部(重量以下同じ)、ポリ
燐酸アンモニウム系化合物及び/又は(イソ)シアヌル
酸誘導体5〜100部、アジリジン系化合物、カルボジ
イミド系化合物、オキサゾリン系化合物、イソシアネー
ト系化合物及び/又はカップリング剤架橋剤0.1〜3
0部を含む高難燃性中間層と、最外側に配置され、オレ
フィン系樹脂100部、無機系難燃助剤1〜60部、カ
ップリング剤0.1〜30部を含む準難燃性最外層を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、戸外用軒出しテン
ト、屋形テント、日除け用テント、自動車用幌シート、
工業用メッシュシート等の用途に好適な難燃性オレフィ
ン系樹脂積層体に関し、更に詳しく述べるならば、耐水
性、耐候性、難燃性などの耐久保持性に優れ、上記の用
途に好適な難燃性オレフィン系樹脂積層体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車用幌シート、及び工業用メッシュ
シート等に用いられる繊維シート構造物については、種
々の製造方法が知られており、例えば、特開昭52−1
8995号には、ポリエステル繊維布帛に接着前処理を
施した後、前処理された表面をポリ塩化ビニル系樹脂に
より被覆する方法が開示されている。この製法で得られ
るポリ塩化ビニル系樹脂被覆構造物は、柔軟性、耐久性
及び難燃性において優れているが、しかしポリ塩化ビニ
ル系樹脂を用いているため、難燃時に有害な塩化水素ガ
スを発生するということが、大きな問題点となってい
る。
【0003】これらの問題を解消するため、ハロゲン元
素を含まない樹脂を用いることが検討されている。この
ハロゲン元素非含有系では、これに難燃性を付与するた
めに、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無
機化合物を添加する方法、赤燐を添加する方法が知られ
ているが、前者では満足な難燃性を得るためには多量の
無機化合物の添加が必要となるため、それらを含む被覆
構造物は、柔軟性、及び耐久性に劣る物となり、また後
者では赤燐が濃い褐色に着色するため、色彩の多様性に
劣るという欠点があった。
【0004】また、特開平6−340815号には、熱
可塑性樹脂に、メラミンで被覆したポリ燐酸アンモニウ
ムと特定の含窒素有機化合物とを添加する方法が開示さ
れている。メラミン被覆によるポリ燐酸アンモニウムの
耐水性向上は有効な手段であるが、屋外などにおける過
酷な使用条件下では、経時的に難燃性が低下してしまう
という欠点を有していた。また一般にオレフィン系樹脂
には、耐熱性、難燃性及び耐候性などにおいて、不満足
なものである。このように、耐水性及び耐候性の両方を
満足する難燃性積層体は未だ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、戸外用軒出
しテント、屋形テント、日除け用テント、自動車用幌シ
ート、工業用メッシュシート等の用途に好適な難燃性オ
レフィン系樹脂積層体を提供するものである。また、本
発明は、屋外など過酷な使用条件下においても、樹脂層
の剥離、脱落などによる損傷が少なく、難燃性の経時的
低下のない、しかも廃棄、焼却が容易な難燃性オレフィ
ン系樹脂積層体を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る難燃性オレ
フィン系樹脂積層体は、繊維性基布と、その少なくとも
1面上に形成された難燃性オレフィン系樹脂複合層から
なり、前記難燃性オレフィン系樹脂複合層が、(1)前
記繊維性基布に隣接して設けられ、かつオレフィン系樹
脂100重量部と、ポリ燐酸アンモニウム系化合物およ
び(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた少なく
とも1種の難燃性付与剤5〜100重量部と、アジリジ
ン系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系
化合物、イソシアネート系化合物およびカップリング剤
から選ばれた少なくとも1種の架橋剤0.1〜30重量
部を含む高難燃性中間層と、(2)最外側に配置され、
かつオレフィン系樹脂100重量部と、無機系難燃助剤
1〜60重量部と、カップリング剤0.1〜30重量部
を含む準難燃性最外層とを有することを特徴とするもの
である。本発明の難燃性オレフィン系樹脂積層体におい
て、前記高難燃性中間層のオレフィン系樹脂は、エチレ
ン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−(メタ)ア
クリル酸系共重合体樹脂、及びエチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体の金属塩樹脂から選ばれた少なくとも1
種からなることが好ましい。本発明の難燃性オレフィン
系樹脂積層体において、前記難燃性オレフィン系樹脂複
合層中の、前記高難燃性中間層と前記準難燃性最外層と
の重量比率は、70〜95:5〜30であることが好ま
しい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性オレフィン系樹脂
積層体に用いられる繊維性基布は、天然繊維、例えば木
綿、麻など;無機繊維、例えばガラス繊維など;再生繊
維、例えばビスコースレーヨン、キュプラなど;半合成
繊維、例えば、ジ−及びトリアセテート繊維など;及び
合成繊維、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ポリエ
ステル(ポリエチレンテレフタレート等)繊維、芳香族
ポリアミド繊維、アクリル繊維、及びポリオレフィン繊
維などから選ばれた少なくとも1種からなる布帛であ
る。
【0008】前記基布中の繊維は、短繊維紡績糸、長繊
維糸条、スプリットヤーン、テープヤーンなどのいずれ
の形状のものでもよい。また基布組織は織物、編物、不
織布またはこれらの複合体のいずれであってもよい。さ
らに前記基布の編織組織にも格別の制限はないが、例え
ば、少なくともそれぞれ、糸間間隙をおいて平行に配置
された経糸及び緯糸を含む糸条により構成された粗目布
状の編織物、及び非粗目布状編織物(糸条間に実質上間
隙が形成されていない編織物)を包含する。
【0009】前記粗目織物の目付は30〜700g/m
2 であることが好ましく、また粗目編織物の透孔面積率
は、粗目編織物の面積に対して10〜95%程度である
ことが好ましい。また繊維性基布が非粗目編織物である
場合、その組織、目付、厚さなどに制限はないが、使用
目的に応じて、平織、綾織、丸編、緯編、及び経編など
の編織物を選ぶことができ、またその目付は50〜10
00g/m2 程度とすることが好ましい。
【0010】上記の基布には、耐水性、及び吸水防止性
を付与する目的をもって、例えば、ワックスエマルジョ
ン、樹脂バインダーを含むワックスエマルジョン、及び
シリコーン系化合物のエマルジョン、及びこれらの溶液
などを噴霧し、又は浸漬する方法により撥水前処理を予
め施しておいてもよい。
【0011】本発明の難燃性オレフィン系樹脂積層体
は、繊維性基布、並びに、繊維性基布に隣接して設けら
れた高難燃性中間層と、最外側に配置された準難燃性最
外層とを含む難燃性オレフィン系樹脂複合層により形成
される。高難燃性中間層には、積層体に高い難燃性を発
現させる目的をもって、難燃効果の高い難燃性付与剤が
添加され、準難燃性最外層は製品の耐候性、難燃耐久性
を向上させるために最外側に配置される。
【0012】本発明の難燃性オレフィン系樹脂積層体
の、難燃性オレフィン系樹脂複合層中のそれぞれの層に
用いられるオレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸
ビニル系共重合体樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸
系共重合体樹脂、及びエチレン−(メタ)アクリル酸系
共重合体の金属塩樹脂から選ばれた少なくとも1種が用
いられる。
【0013】エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂とし
ては、高圧法のラジカル共重合方式で製造された酢酸ビ
ニル成分の少ない樹脂、低圧溶液重合法で製造された酢
酸ビニル成分の多い樹脂のいずれを用いてもよい。エチ
レン−酢酸ビニル系共重合体樹脂中に占める酢酸ビニル
成分含有率としては、10〜40重量%であることが好
ましく、更に好ましくは15〜30重量%である。酢酸
ビニル成分含有率が10重量%未満では得られる樹脂層
の柔軟性、高周波融着性が不十分になり、また酢酸ビニ
ル成分含有率が40重量%を超えると得られる樹脂層の
耐熱強度が低下し、また製品に粘着が生ずるという欠点
を示すようになる。エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹
脂としては、前記酢酸ビニル成分含有率が、上記範囲内
にあれば、単独で用いてもよいし、或は酢酸ビニル成分
含有率の異る2種以上を混合して用いてもよい。また、
得られる樹脂柔軟性と耐久性を併せて付与するため、高
難燃性中間層に酢酸ビニル成分高含有樹脂を用い、準難
燃性最外層に、酢酸ビニル成分低含有樹脂を用いてもよ
い。
【0014】エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体
樹脂としては、エチレン−メチルアクリレート系共重合
樹脂、エチレン−メチルメタアクリレート系共重合樹
脂、及びエチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂な
どが用いられる。エチレン−(メタ)アクリル酸系共重
合樹脂中に占める(メタ)アクリレート成分の含有率
は、10〜35重量%であることが好ましく、更に好ま
しくは15〜30重量%である。(メタ)アクリレート
成分含有率が10重量%未満で得られる樹脂の柔軟性、
高周波融着性が不十分になり、それが35重量%を超え
ると得られる樹脂の耐熱強度が不十分になり、また製品
に粘着が生ずるという欠点を示すようになる。エチレン
−(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂としては、前記
(メタ)アクリレート成分の含有率が上記の範囲内にあ
れば、単独で用いてもよいし、或は(メタ)アクリレー
ト成分含有率の異る2種以上を混合して用いてもよい。
また、樹脂に、柔軟性と耐久性を併せて付与するため、
高難燃性中間層を(メタ)アクリレート成分高含有樹脂
から形成し、準難燃性最外層を(メタ)アクリレート成
分低含有樹脂から形成してもよい。
【0015】エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体
の金属塩樹脂としては、エチレン成分含有率が50〜9
0重量%、好ましくは60〜80重量%、(メタ)アク
リル酸成分含有率が10〜50重量%、好ましくは20
〜40重量%であり、周期律表第1族あるいは第2族か
ら選ばれた、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、亜鉛などの金属イオンによりイオン架橋されたも
のが好ましい。(メタ)アクリル酸成分含有率が10重
量%未満では柔軟性、高周波融着性の良好な樹脂を得る
ことができず、またそれが50重量%を超えると得られ
る樹脂の耐熱強度が不十分になり、またクリープ特性も
不十分になる。
【0016】本発明の難燃性オレフィン系樹脂積層体に
難燃性を付与することを目的として、高難燃性中間層に
は難燃性付与剤が添加され、準難燃性最外層には難燃助
剤が添加される。高難燃性中間層に添加される難燃性付
与剤としては、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び
(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれた1種以上
が使用される。ポリ燐酸アンモニウム系化合物として
は、オルソ燐酸アンモニウムと尿素の縮合生成物が用い
られる。ポリ燐酸アンモニウムはこのまま用いてもいい
し、メラミンにより表面を被覆したもの、或はマイクロ
カプセル化したものを用いてもよい。
【0017】また、(イソ)シアヌル酸誘導体化合物と
しては、メラミン、硫酸メラミン、燐酸メラミン、ポリ
燐酸メラミン、メチロールメラミン、シアヌル酸トリメ
チルエステル、シアヌル酸トリエチルエステル、アンメ
リン、アンメリド、及び2,4,6−トリオキシシアニ
ジンなどのシアヌル酸誘導体を用いることができる。ま
た、イソアンメリン、イソメラミン、イソアンメリド、
トリメチルカルボジイミド、トリエチルカルボジイミ
ド、及びトリカルボイミドなどのイソシアヌル酸誘導体
を用いることができる。特には、メラミンのイソシアヌ
ル酸との反応により得られるメラミンイソシアヌレート
が好適に用いることができる。
【0018】また、更に難燃性を高めるために、必要に
応じ、難燃性付与剤に加えて、燐酸アンモニウム系以外
の燐系化合物、例えばトリメチルホスフェート、トリエ
チルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオク
チルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリク
レジルホスフェート、及びオクチルジフェニルホスフェ
ートなどの燐酸エステル、高分子量化したポリホスフェ
ートなどの縮合燐酸エステルなど、(イソ)シアヌル酸
誘導体化合物以外の含窒素化合物、例えばジシアンジア
ミド、ジシアンジアミジシン、グアニジン、スルファミ
ン酸グアニジン、燐酸グアニジン、及びジグアニドなど
のシアナミド誘導体、尿素、ジメチロール尿素、ジアセ
チル尿素、トリメチル尿素、N−ベンゾイル尿素、及び
燐酸グアニル尿素などの尿素誘導体を併用してもよい。
【0019】高難燃性中間層において、難燃性付与剤の
添加量は、オレフィン系樹脂の固形分100重量部に対
して5〜100重量部であることが好ましい。その添加
量が5重量部未満では、得られる中間層において十分な
難燃性を得ることができず、それが100重量部を超え
ると、得られる中間層耐久性が不十分になり、またコス
ト高となる。
【0020】準難燃性最外層に添加される難燃助剤とし
ては、結晶水を有する無機化合物、及び燃焼時に炭化を
促進する無機化合物を用いることが好適である。難燃助
剤を添加しない場合、高難燃性中間層と準難燃性最外層
の重量比率に拘わらず、有効な難燃性を有する準難燃性
最外層を得ることができない。これら無機系化合物とし
ては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、四硼
酸ナトリウム、燐酸マグネシウム、二燐酸ナトリウム、
燐酸亜鉛などの結晶水を有する無機水和物、メタ錫酸、
錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛などの錫系化合物、並び
に硼酸、硼酸亜鉛、硼酸アルミニウムなどの硼酸化合物
を用いることが好ましく、これらは単独で用いられても
よく、或は、その2種以上を併用して用いてもよい。難
燃助剤の添加量は、オレフィン系樹脂の固形分100重
量部に対して1〜60重量部であることが好ましい。そ
の添加量が1重量部未満では、十分な難燃補助効果を得
ることができず、またそれが60重量部を超えると、得
られる最外層の樹脂強度の大幅な低下を招いてしまう。
【0021】更に、オレフィン系樹脂複合層の各層に
は、オレフィン系樹脂の耐水性、耐候性、樹脂強度の低
下を抑制すると共に、難燃性付与剤の耐久性及び耐ブリ
ード性を向上させるために、架橋剤が必須成分として添
加される。特に、ポリ燐酸アンモニウム系化合物、及び
(イソ)シアヌル酸誘導体化合物の多くは耐水性に劣る
傾向が大きいため、高難燃性中間層では、難燃剤の加水
分解防止及びブリード防止を目的として、また、準難燃
性最外層では、ブリード防止と共に耐候性向上を目的と
して架橋剤が添加される。この架橋剤として、高難燃性
中間層にはアジリジン系化合物、カルボジイミド系化合
物、オキサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物及
びカップリング剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤
が用いられ、準難燃性最外層にはカップリング剤が用い
られる。
【0022】アジリジン系化合物としては、分子内にア
ジリジニル基を含有したものであればよく、分子内に2
個のアジリジニル基を含有した化合物、例えば、ジフェ
ニルメタン−ビス−4−4′−N−N′−ジエチレンウ
レアなど、分子内に3個のアジリジニル基を含有した化
合物、例えば、2,2−ビスハイドロキシメチルブタノ
ール−トリス〔3−(1−アジリジニル)プロピオネー
ト〕などが用いられる。
【0023】カルボジイミド系化合物としては、有機ジ
イソシアネートをホスホレン化合物、金属カルボニル錯
体化合物及び燐酸エステルなどのカルボジイミド化を促
進する触媒の存在下に反応させることにより得られたも
のを好適に用いることができる。具体的には、ジプロピ
ルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド、ジ−P−トルオイルカルボ
ジイミド、トリイソプロピルベンゼンポリカルボジイミ
ドなどが用いられる。特には、トリイソプロピルベンゼ
ンポリカルボジイミドなど多官能カルボジイミドが耐久
性の向上の面で好ましい。
【0024】オキサゾリン系化合物としては、オキサゾ
ール−4−カルボン酸の脱炭酸反応によるオキサゾール
から誘導、生成される化合物を好適に用いることができ
る。例えば、2−オキサゾリン、4−メチル−2−オキ
サゾリン、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)など、
スチレン、アクリルなどのポリマーにオキサゾリル基を
グラフトした多官能オキサゾリンポリマーが用いられ
る。特には、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)など
多官能オキサゾリンが耐久性の面で好ましい。イソシア
ネート系化合物としては、脂肪族ジイソシアネート類、
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびリジ
ンジイソシアネートなど、脂環式ジイソシアネート類、
例えば、イソホロンジイソシアネート、および水添トリ
レンジイソシアネートなど、芳香族ジイソシアネート、
例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、およびキシレンジイソシアネートな
ど、イソシアヌレート類、例えば、トリス(ヘキサメチ
レンイソシアネート)イソシアヌレート、およびトリス
(3−イソシアネートメチルベンジル)イソシアヌレー
トなど、前記イソシアネート化合物のイソシアネート基
末端をフェノール類、オキシム類、アルコール類、又は
ラクタム類等のブロック化剤でブロックして得られるブ
ロックイソシアネート化合物類、並びに、前記化合物の
イソシアネート基の一部にエチレングリコールなど親水
性単量体が付加された変性イソシアヌレート化合物類な
どを例示することができる。分散性、耐水性の改良及び
基布への接着性向上の観点から、特には、ブロックイソ
シアネート化合物、及びイソシアネート基の1個にエチ
レングリコールなど親水性単量体が付加された変成部分
三量化イソシアヌレート化合物を用いることが好まし
い。
【0025】カップリング剤としては、シラン系カップ
リング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニウム系カ
ップリング剤、アルミニウム系カップリング剤及びジル
コアルミニウム系カップリング剤から選ばれた少なくと
も1種からなるものが好ましい。シラン系カップリング
剤としては、アミノシラン類、例えば、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランなど、エポキシシラン類、例
えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランな
ど、ビニルシラン類、例えば、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランな
ど、メルカプトシラン類、例えば、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシランなど、が挙げられる。
【0026】チタン系カップリング剤としては、アルコ
キシ類、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ
−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソ
キシ)チタンなど;アシレート類、例えば、トリ−n−
ブトキシチタンステアレート及びイソプロポキシチタン
トリステアレートなどが挙げられる。
【0027】ジルコニウム系カップリング剤としては、
例えば、テトラブチルジルコネート、テトラ(トリエタ
ノールアミン)ジルコネート、およびテトライソプロピ
ルジルコネートなどが挙げられる。アルミニウム系カッ
プリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミ
ニウムジイソプロピレートが挙げられる。また、ジルコ
アルミニウム系カップリング剤としては、テトラプロピ
ルジルコアルミネートが挙げられる。これらの中で、耐
水性、耐候性の観点から、特にはγ−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、およびγ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシランなどのエポキシシランを用
いることが好ましい。
【0028】これら架橋剤は単独で用いてもよいし、ま
た2種以上を併用しても良い。架橋剤の添加量は、高難
燃性中間層と準難燃性最外層のいずれも、オレフィン系
樹脂の固形分100重量部に対して0.1〜30重量部
であることが好ましく、更に好ましくは1〜15重量部
である。添加量が0.1重量部未満では、得られるオレ
フィン系樹脂層の耐水性、難燃性の耐久性が不十分であ
り、またそれが30重量部を超えると製品の柔軟性が不
十分になる。
【0029】本発明の難燃性オレフィン系樹脂積層体
は、オレフィン系樹脂層はオレフィン系樹脂と難燃性付
与剤を含有したエマルジョン、溶液、及び固形配合組成
物により、繊維性基布をコーティング、又はディッピン
グすることにより、或いはカレンダー成形したフィルム
をラミネートすることにより形成される。オレフィン系
樹脂層配合組成物中には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
架橋剤、無機充填剤、顔料、増粘剤、及び消泡剤などを
適宜添加してもよい。
【0030】繊維性基布に対するオレフィン系樹脂複合
層の付着総重量は30〜800g/m2 であることが好
ましく、更に好ましくは50〜500g/m2 である。
オレフィン系樹脂複合層の付着重量が30g/m2 未満
では、本発明の積層体の難燃性が不十分になることがあ
り、またオレフィン系樹脂複合層の付着量が800g/
2 を超えると、得られた積層体の柔軟性不十分になる
ことがある。また、高難燃性中間層と準難燃性最外層の
重量比率は70〜95:5〜30であることが好まし
い。オレフィン系樹脂複合層の付着総重量に対する最外
層の重量比率が5%未満では、得られるオレフィン系樹
脂の耐水性、耐久性が不十分となることがあり、またそ
れが30%を超えると製品の柔軟性が不十分になること
がある。
【0031】
【実施例】本発明を下記実施例により更に具体的に説明
する。製品の性能評価に用いられた測定方法は下記の通
りである。
【0032】耐屈曲性 JIS L−1096のスコット法に従って、つかみ間
隔2cm、押圧荷重1kgf の条件下に試験片に回数1,0
00回の屈曲試験を施し、結果を目視で評価した。
【0033】耐燃焼性 耐温水性試験(70℃温水中に3日間浸漬)前後の試験
片を、下記2種類の方法で燃焼試験に供し、評価した。 (1)45度法防炎試験:JIS L−1091のA−
1法もしくはA−2法に従って、炭化面積、炭化距離、
残炎時間、残ジン時間を測定。基準を満足した場合、防
炎区分3合格とする。 (2)酸素指数法:JIS K−7201に従って、燃
焼限界酸素量を測定した。
【0034】実施例1 繊維性基布として、 を使用し、オレフィン系樹脂の水性エマルジョンを用い
て、高難燃性中間層オレフィン系樹脂エマルジョンと準
難燃性最外層オレフィン系樹脂エマルジョンをそれぞれ
以下の組成で用いた。
【0035】 (高難燃性中間層) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:40重量%) 100重量部 (三井化学(株)製ケミパールV−100、酢酸ビニル 成分28重量%) メラミンイソシアヌレート 10重量部 ジフェニルメタン−ビス−4−4′−N−N′− 4重量部 ジエチレンウレア 顔料(大日本インキ(株)製リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製チヌビン765) 0.5重量部
【0036】 (準難燃性最外層) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:40重量%) 100重量部 (三井化学(株)製ケミパールV−100、酢酸ビニル 成分28重量%) 水酸化アルミニウム 10重量部 γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 6重量部 顔料(大日本インキ(株)製リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製チヌビン765) 0.5重量部
【0037】前記高難燃性中間層オレフィン系樹脂エマ
ルジョンに、前記繊維性基布を浸漬し、マングルで絞っ
た後100℃で乾燥し、得られた高難燃性中間層被覆基
材を、前記準難燃性最外層オレフィン系樹脂エマルジョ
ンに浸漬し、マングルで絞り、その後100℃で乾燥
し、更に140℃で熱処理した。このとき、高難燃性中
間層オレフィン系樹脂固形分に対するメラミンイソシア
ヌレート及びアジリジン系架橋剤の添加量は、それぞれ
25重量%及び10重量%であり、準難燃性最外層オレ
フィン系樹脂に対する水酸化アルミニウム及びシランカ
ップリング剤の添加量は、それぞれ25重量%及び15
重量%であった。得られたメッシュ状シートにおいて、
高難燃性中間層の付着重量が90g/m2 、準難燃性最
外層が30g/m2 、総付着量が120g/m2 であ
り、また、高難燃性中間層と準難燃性最外層との重量比
率は75:25であった。この積層体において、繊維性
基布の糸条間に間隙空間が残されており従って通気性を
有するシートであった。この難燃性オレフィン系樹脂積
層体の組成及び試験結果を表1〜4に示す。
【0038】実施例2 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層のアジリ
ジン系架橋剤の代りに、カップリング剤(γ−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン)4重量部を添加し
た。このときの架橋剤の添加量は、高難燃性中間層オレ
フィン系樹脂固形分重量に対して10重量%であった。
得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験
結果を表1〜4に示す。
【0039】実施例3 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層のアジリ
ジン系架橋剤の代りに、カルボジイミド系架橋剤(トリ
イソプロピルベンゼンカルボジイミド)8重量部を用い
た。このときの架橋剤の添加量は、高難燃性中間層オレ
フィン系樹脂固形分重量に対して20重量%であった。
得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験
結果を表1〜4に示す。
【0040】実施例4 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層のアジリ
ジン系架橋剤の代りに、オキサゾリン系架橋剤(2,
2′−ビス(2−オキサゾリン))8重量部を添加し
た。このときの架橋剤の添加量は、高難燃性中間層オレ
フィン系樹脂固形分重量に対して20重量%であった。
得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験
結果を表1〜4に示す。実施例5 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層のアジリ
ジン系架橋剤の代りに、イソシアネート系架橋剤として
ヘキサメチレンジカルバミン酸フェニル8重量部を添加
した。このときの架橋剤の添加量は、高難燃性中間層オ
レフィン系樹脂固形分重量に対して20重量%であっ
た。得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及び
試験結果を表1〜4に示す。
【0041】実施例6 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、メラミンイソシアヌレー
トに替えてオルソ燐酸アンモニウムと尿素を縮合して得
られるポリ燐酸アンモニウム(平均分子量10,00
0)を10重量部添加した。このときのポリ燐酸アンモ
ニウムの添加量は、高難燃性中間層オレフィン系樹脂固
形分重量に対して25重量%であった。得られた難燃性
オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験結果を表1〜4
に示す。
【0042】実施例7 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、メラミンイソシアヌレー
トの代わりにオルソ燐酸アンモニウムと尿素とを縮合し
て得られるポリ燐酸アンモニウム(平均分子量10,0
00)をメラミン表面処理して得られた難燃性付与剤
(チッソ(株)製テラージュ)10重量部を添加した。
このときのメラミン表面処理されたポリ燐酸アンモニウ
ムの添加量は、高難燃性中間層オレフィン系樹脂固形分
重量に対して25重量%であった。得られた難燃性オレ
フィン系樹脂積層体の組成及び試験結果を表1〜4に示
す。
【0043】実施例8 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、メラミンイソシアヌレー
トの単独使用の代りに、メラミンイソシアヌレート及び
ポリ燐酸アンモニウム(平均分子量10,000)の、
それぞれの5重量部を添加した。このときの難燃性付与
剤の総添加量は、高難燃性中間層オレフィン系樹脂固形
分重量に対して25重量%であった。得られた難燃性オ
レフィン系樹脂積層体の組成及び試験結果を表1〜4に
示す。
【0044】実施例9 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層のアジリ
ジン系架橋剤の代りに、オキサゾリン系架橋剤(2,
2′−ビス(2−オキサゾリン))及びカップリング剤
(γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)を、
それぞれ4重量部宛添加した。このときの架橋剤の添加
量は、高難燃性中間層オレフィン系樹脂固形分重量に対
してそれぞれ10重量%であり、総添加量は20重量%
であった。得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組
成及び試験結果を表1〜4に示す。
【0045】実施例10 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層の水酸化
アルミニウムの代りに燐酸マグネシウムを12重量部を
添加した。得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組
成及び試験結果を表1〜4に示す。
【0046】実施例11 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層のエチレ
ン−酢酸ビニル系共重合体樹脂の代りに、メチルメタア
クリレート成分含有率が25重量%のエチレン−メチル
メタアクリレート共重合体樹脂(固形分40重量%)を
用いた。得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成
及び試験結果を表1〜4に示す。
【0047】実施例12 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層のエチレ
ン−酢酸ビニル系共重合体樹脂の代りに、メタアクリル
酸成分含有率が30重量%のエチレン−メタアクリル酸
共重合体の亜鉛塩樹脂(固形分40重量%)を用いた。
得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験
結果を表1〜4に示す。
【0048】実施例13 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層のオレフ
ィン系樹脂として、酢酸ビニル成分含有率が15重量%
のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分40重量
%)と、酢酸ビニル成分含有率が55重量%のエチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分40重量%)とを、そ
れぞれ50重量部づつ用いた。準難燃性最外層のオレフ
ィン系樹脂中の酢酸ビニル成分含有率は35重量%であ
った。得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及
び試験結果を表1〜4に示す。
【0049】実施例14 繊維性基布として、 を使用し、高難燃性中間層として下記組成のエマルジョ
ンを用い、また準難燃性最外層として下記組成のフィル
ムを用いた。
【0050】 (高難燃性中間層:エマルジョン組成) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(固形分:40重量%) 100重量部 (三井化学(株)製ケミパールV−100、酢酸 ビニル成分28重量%) メラミン表面処理ポリ燐酸アンモニウム(チッソ(株) 10重量部 製テラージュ) ジフェニルメタン−ビス−4−4′−N−N′− 4重量部 ジエチレンウレア 顔料(大日本インキ(株)製リュウダイ−W69) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製チヌビン765) 0.5重量部
【0051】 (準難燃性最外層:フィルム組成) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 100重量部 (住友化学(株)製H−2031、酢酸ビニル成分 19重量%) 水酸化アルミニウム 10重量部 γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 6重量部 顔料(日弘ビックス(株)製HSM−9050#W) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製チヌビンP) 0.5重量部
【0052】実施例1と同様にして、高難燃性中間層を
形成した。このとき、高難燃性中間層オレフィン系樹脂
層の付着量は160g/m2 であり、また樹脂固形分に
対するメラミン表面処理ポリ燐酸アンモニウム、及びア
ジリジン系架橋剤の添加量は、それぞれ25重量%及び
10重量%であった。更にこの両中間層上に、T−ダイ
押出成形で作製した前記組成の準難燃性最外層オレフィ
ンフィルム(30μm厚み、重量35g/m2 )を、1
50℃の温度で加圧ラミネートして、本発明の難燃性積
層体を得た。得られた積層体の総重量は490g/m2
であり、高難燃性中間層と準難燃性最外層との重量比率
は70:30であった。この難燃性オレフィン系樹脂積
層体の組成及び試験結果を表1〜4に示す。
【0053】実施例15 実施例14と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体
を作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層のオレ
フィン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の
代りに、エチレン−メチルメタアクリレート共重合樹脂
(住友化学工業(株)製アクリフトWH−206:メチ
ルメタアクリレート成分20重量%)を用いた。得られ
た難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験結果を
表1〜4に示す。
【0054】実施例16 実施例14と同一の繊維性基布を使用し、その上に下記
組成のフィルムを用いて高難燃性中間層及び準難燃性最
外層を形成した。
【0055】 (高難燃性中間層) エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂 100重量部 (日本ユニカー(株)製WN−940、エチルアクリ レート成分量25重量%) メラミン表面処理ポリ燐酸アンモニウム(チッソ 12.5重量部 (株)製テラージュ) γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 5重量部 顔料(日弘ビックス(株)製HSM−9050#W) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製チヌビンP) 0.5重量部
【0056】 (準難燃性最外層) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 100重量部 (住友化学(株)製H−2031、酢酸ビニル成分 19重量%) 水酸化アルミニウム 10重量部 γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 6重量部 顔料(日弘ビックス(株)製HSM−9050#W) 3重量部 紫外線吸収剤(チバガイギー(株)製チヌビンP) 0.5重量部
【0057】T−ダイ押出成形機を使用し、高難燃性中
間層オレフィンフィルムを厚さ270μmに形成し、ま
た準難燃性最外層オレフィンフィルムを厚さ30μmに
形成した。先ず、高難燃性中間層オレフィンフィルムを
繊維性基布の両面に加熱圧着ラミネートし、更にその両
面に準難燃性最外層オレフィンフィルムを加熱圧着ラミ
ネートし、本発明の難燃性オレフィン系樹脂積層体を得
た。得られた積層体において、高難燃性中間層と準難燃
性最外層との重量比率は90:10であった。この難燃
性オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験結果を表1〜
4に示す。
【0058】実施例17 実施例16と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体
を作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層のオレ
フィン系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂の代りにエチレン−メタアクリル酸共重合体の亜鉛塩
樹脂(三井デュポンポリケミカル(株)製ハイミラン1
705:メタアクリル酸成分量30重量%)を用いた。
得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験
結果を表1〜4に示す。
【0059】比較例1 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層の重量を
90g/m2 とし、準難燃性最外層の重量を60g/m
2 とし、これらの総付着量を150g/m2 とした。こ
のとき、高難燃性中間層と準難燃性最外層との重量比率
は60:40であった。この難燃性オレフィン系樹脂積
層体の組成及び試験結果を表1〜4に示す。
【0060】比較例2 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層のみを1
20g/m2 の重量で形成し、準難燃性最外層を形成し
なかった。この難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及
び試験結果を表1〜4に示す。
【0061】比較例3 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層中にアジ
リジン系架橋剤を添加しなかった。得られた難燃性オレ
フィン系樹脂積層体の組成及び試験結果を表1〜4に示
す。
【0062】比較例4 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層における
アジリジン系架橋剤添加量を36重量部に変更した。こ
のときの架橋剤の添加量は、高難燃性中間層オレフィン
系樹脂固形分重量に対して90重量%であった。得られ
た難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験結果を
表1〜4に示す。
【0063】比較例5 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層中のメラ
ミンイソシアヌレートの添加量を120重量部に変更し
た。このメラミンイソシアヌレートの添加量は、高難燃
性中間層オレフィン系樹脂固形分重量に対して300重
量%であった。得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体
の組成及び試験結果を表1〜4に示す。
【0064】比較例6 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、高難燃性中間層中のメラ
ミンイソシアヌレートの添加量を1重量部に変更した。
このメラミンイソシアヌレート添加量は、高難燃性中間
層オレフィン系樹脂固形分重量に対して2.5重量%で
あった。得られた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成
及び試験結果を表1〜4に示す。
【0065】比較例7 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層のカップ
リング剤を未添加とした。得られた難燃性オレフィン系
樹脂積層体の組成及び試験結果を表1〜4に示す。
【0066】比較例8 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層のカップ
リング剤(γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン)の添加量を36重量部とした。カップリング剤の添
加量は、準難燃性最外層オレフィン系樹脂固形分重量に
対して90重量%であった。得られた難燃性オレフィン
系樹脂積層体の組成及び試験結果を表1〜4に示す。
【0067】比較例9 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層の水酸化
アルミニウムを未添加とした。得られた難燃性オレフィ
ン系樹脂積層体の組成及び試験結果を表1〜4に示す。
【0068】比較例10 実施例1と同様にして難燃性オレフィン系樹脂積層体を
作製し、試験を行った。但し、準難燃性最外層の水酸化
アルミニウムの添加量を80重量部に変更した。この水
酸化アルミニウム添加量は、準難燃性最外層オレフィン
系樹脂固形分重量に対して200重量%であった。得ら
れた難燃性オレフィン系樹脂積層体の組成及び試験結果
を表1〜4に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】表1〜4から明らかなように、アジリジン
系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化
合物、イソシアネート系化合物及びカップリング剤から
選ばれた少なくとも1種の架橋剤を必須成分として添加
し、更にカップリング剤を含む準難燃性最外層を形成す
ることにより、ポリ燐酸アンモニウムおよび(イソ)シ
アヌル酸誘導体を添加した配合系高難燃性中間層の難燃
耐久性が大きく向上する。
【0074】
【発明の効果】本発明で得られる難燃性オレフィン系樹
脂積層体は、耐久性、柔軟性及び難燃性に優れており、
特に屋外で使用される日除け、屋形テント、自動車幌、
建築養生用メッシュなどの用途に好適である。また、こ
の難燃性オレフィン系樹脂積層体は焼却、廃棄が容易で
あり、環境への悪影響もないという利点を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維性基布と、その少なくとも1面上に
    形成された難燃性オレフィン系樹脂複合層からなり、 前記難燃性オレフィン系樹脂複合層が、 (1)前記繊維性基布に隣接して設けられ、かつオレフ
    ィン系樹脂100重量部と、ポリ燐酸アンモニウム系化
    合物および(イソ)シアヌル酸誘導体化合物から選ばれ
    た少なくとも1種を含む難燃性付与剤5〜100重量部
    と、アジリジン系化合物、カルボジイミド系化合物、オ
    キサゾリン系化合物、イソシアネート系化合物およびカ
    ップリング剤から選ばれた少なくとも1種の架橋剤0.
    1〜30重量部とを含む高難燃性中間層と、 (2)最外側に配置され、かつオレフィン系樹脂100
    重量部と、無機系難燃助剤1〜60重量部と、カップリ
    ング剤0.1〜30重量部とを含む準難燃性最外層、 を有することを特徴とする難燃性オレフィン系樹脂積層
    体。
  2. 【請求項2】 前記高難燃性中間層のオレフィン系樹脂
    が、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂、エチレン−
    (メタ)アクリル酸系共重合体樹脂、及びエチレン−
    (メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩樹脂から選ばれ
    た少なくとも1種からなる、請求項1に記載の難燃性オ
    レフィン系樹脂積層体。
  3. 【請求項3】 前記難燃性オレフィン系樹脂複合層にお
    いて、前記高難燃性中間層と、前記準難燃性最外層との
    重量比率が70〜95:5〜30である、請求項1〜2
    のいずれか1項に記載の難燃性オレフィン系樹脂積層
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103938456A (zh) * 2014-04-24 2014-07-23 苏州大学 一种具有阻燃功能的毛纺面料的制备方法
WO2021079886A1 (ja) * 2019-10-21 2021-04-29 株式会社クラレ 樹脂シート及びその製造方法

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