JP2000007837A - 高分散性トリアジン誘導体組成物およびこれを用いたゴム組成物 - Google Patents

高分散性トリアジン誘導体組成物およびこれを用いたゴム組成物

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JP2000007837A
JP2000007837A JP18023398A JP18023398A JP2000007837A JP 2000007837 A JP2000007837 A JP 2000007837A JP 18023398 A JP18023398 A JP 18023398A JP 18023398 A JP18023398 A JP 18023398A JP 2000007837 A JP2000007837 A JP 2000007837A
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rubber
rubber composition
aromatic hydrocarbon
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JP18023398A
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Yoshihiko Yagi
良彦 八木
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴム組成物中の分散性に優れた予め表面処理さ
れたトリアジン誘導体、および、ゴム組成物の接着力、
加硫物性を損なうこと無く加硫ゴム中のトリアジン誘導
体の分散性が改良され、トリアジン誘導体の大きな粒が
減少し、品質が向上したゴム組成物の提供する。 【解決手段】予め芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮
合体により表面処理された高分散性トリアジン誘導体お
よび該高分散性トリアジン誘導体を含有することを特徴
とするゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性及び耐油性
を必要とする分野に使用されるゴム/金属複合体製品の
製造において、分散性が高いトリアジン誘導体組成物お
よびこの組成物を含有したゴム組成物に関する。さらに
詳しくは、真鍮等とゴムとの接着剤として添加されるト
リアジン誘導体を、予め芳香族炭化水素ホルムアルデヒ
ド重縮合物により表面処理することにより分散性、作業
性が良好である新規な高分散性トリアジン誘導体組成物
およびこの組成物を含有する真鍮等との接着性に優れる
ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、タイヤ、ベルト、型物、ロール、
ホース等の多くのゴム製品は、高温加圧下で加熱された
油とともに長時間使用されるようになり、高い耐熱性、
耐油性が必要とされている。高温高圧下で使用するゴム
製品の補強材として、ブラスメッキを施したワイヤー
(以下ブラスメッキワイヤーと記す)等が使用されてい
るが、このブラスメッキワイヤーとゴムとの接着促進剤
として、また、耐熱性、耐油性に優れたゴムであるヒド
リンゴム(CO)、アクリロニトリルブタジエンゴム
(NBR)、アクリルゴム等のゴムの加硫剤として、こ
れまでトリアジン化合物が使用されている。
【0003】しかし、トリアジン化合物は融点を持た
ず、280℃付近で熱分解してしまうため、実際のゴム
製造工程の混練時の加熱温度(160〜200℃)で
は、トリアジン化合物がゴムに溶けず、粒として製品に
残ってしまうという問題がある。粒径が大きいと、ゴム
製品中にピンホール状の穴が開いたようになり、製品と
して不適格となるとともに、このような穴のあいたゴム
製品は、引張強度が十分ではないという問題があり、改
良が求められている。一方、トリアジン化合物は、粉体
で静電気を帯びやすく計量しにくく作業性に劣る。そこ
で、現在市販されているトリアジン化合物の中には、プ
ロセスオイルにより表面処理が施されているものがあ
る。
【0004】ゴム製品にピンホール状の穴があくという
問題に対して、トリアジンン化合物の分散性を高める必
要があるが、分散性の改良法として、トリアジンン化合
物の粒径を小さくする、または、トリアジン化合物をプ
ロセスオイルにより表面処理する、といった方法が考え
られる。しかし、粒径を小さくすると、さらに計量しに
くくなり作業性が劣るし、プロセスオイルによる表面処
理では、ゴムの接着力、加硫物性が損なわれるという問
題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トリアジン
誘導体を含有するゴム組成物における上述の問題点を解
消し、加硫ゴム中での分散性に優れたトリアジン誘導体
組成物、および、該トリアジン誘導体組成物を含有する
ことにより、ゴム組成物の接着力、加硫物性を損なうこ
と無く加硫ゴム中のトリアジン誘導体の分散性を改良
し、トリアジン誘導体の粒を減少させ、品質が向上した
ゴム組成物を提供しようとする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
鋭意検討し、ゴム組成物に添加するトリアジン誘導体を
予め芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物により表
面処理して新規なトリアジン誘導体組成物とし、この組
成物を用いるとトリアジン誘導体の加硫ゴム中での分散
性が改良され、加硫ゴム中の粒が減少することを知見
し、本発明を完成させたものである。
【0007】すなわち、本発明は、予め芳香族炭化水素
ホルムアルデヒド重縮合体により表面処理された高分散
性トリアジン誘導体組成物を提供する。
【0008】トリアジン誘導体100重量部を表面処理
する前記芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物が5
〜150重量部である高分散性トリアジン誘導体組成物
を提供する。
【0009】天然ゴム、合成ゴム等のゴムに分散させた
時の平均粒径が250μ以下である高分散性トリアジン
誘導体組成物を提供する。
【0010】前記表面処理に用いる芳香族炭化水素ホル
ムアルデヒド重縮合物の粘度が25℃で10000cP
以下である高分散性トリアジン誘導体組成物を提供す
る。
【0011】予め芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮
合体により表面処理された高分散性トリアジン誘導体組
成物を含有するゴム組成物を提供する。
【0012】前記トリアジン誘導体組成物の表面処理剤
として用いられている芳香族炭化水素ホルムアルデヒド
重縮合体量が、前記ゴム組成物100重量部に対して5
0重量部未満であるゴム組成物を提供する。
【0013】トリアジン誘導体100重量部を表面処理
する前記芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物が5
〜150重量部であるゴム組成物を提供する。
【0014】前記ゴム組成物中で分散している高分散性
トリアジン誘導体組成物の平均粒径が250μ以下であ
るゴム組成物を提供する。
【0015】前記芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮
合物の粘度が25℃で10000cP以下であるゴム組
成物を提供する。
【0016】以下に、本発明についてさらに詳細に説明
する。本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、該トリアジ
ン誘導体組成物とを含有し、さらに必要に応じて、充填
剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、これら添加剤の分散
助剤等を含有するものである。
【0017】本発明のゴム組成物のゴム成分としては、
耐熱性や耐油性に優れたゴムを使用することが好ましい
が、特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム
(NR)、イソプレンゴム(IR)、ヒドリンゴム(C
O)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエ
ンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロ
ニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(I
IR)、ウレタンゴム、クロロプレンゴム(CR)、ア
クリルゴム等が挙げられる。この中でも好ましくは天然
ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴムゴムが挙げら
れる。
【0018】本発明の高分散性トリアジン誘導体組成物
とは、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物を用い
て表面処理したトリアジン誘導体組成物である。芳香族
炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物を用いて表面処理を
施すトリアジン誘導体は、下記式(1)で示される6−
R−2,4−ジメルカプト−1,3,5トリアジン化合
物であるのが好ましい。
【0019】
【化1】
【0020】上記式(1)の中で、Rはメルカプト基、
アルコキシ基、モノあるいはジ−シクロアルキルアミノ
基、モノあるいはジ−アリールアミノ基、モノあるいは
ジ−アリールアルキルアミノ基、N−アルキル−N’−
アリールアミノ基からなる群より選ばれる基である。特
に2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジ
ンであるのが好ましい。また、三協化成製のZISNE
T−F等の市販品を使用することもできる。
【0021】前記トリアジン誘導体の融点は、好ましく
は150℃以上、さらに好ましくは200℃以上である
のがよい。
【0022】本発明の芳香族炭化水素ホルムアルデヒド
重縮合物とは、芳香族炭化水素とパラホルムもしくはホ
ルムアルデヒド等のアルデヒド化合物を縮合反応させて
得られる液状の樹脂である。該芳香族炭化水素とは、少
なくとも1個以上のアルキル基を持つ芳香族炭化水素で
あり、該芳香族炭化水素の芳香核としては、例えば、ト
ルエン、エチルベンゼン、o,m,p−キシレン、メチ
ルエチルベンゼン、トリメチルベンゼン等のアルキルベ
ンゼン等を挙げることができる。これらの芳香族炭化水
素と上述のアルデヒド化合物を、硫酸等の酸性触媒の存
在下加熱し、縮重合させることにより本発明の芳香族炭
化水素ホルムアルデヒド重縮合物を得ることができる。
【0023】本発明のゴム組成物中の該芳香族炭化水素
ホルムアルデヒド重縮合物の含有量は、該ゴム組成物1
00重量部に対して、50重量部未満、好ましくは0.
5〜10重量部となるように、該芳香族炭化水素ホルム
アルデヒド重縮合物をトリアジン誘導体と配合し、トリ
アジン誘導体の表面処理を行う。その後この表面処理に
より得られる本発明の高分散性トリアジン誘導体組成物
をゴム成分に添加し、本発明のゴム組成物の製造に供す
る。該含有量が50重量部超であると、本発明のゴム組
成物の真鍮等との接着力、ゴム物性が低下するため好ま
しくない。該芳香族炭化水素の粘度は、25℃において
10000cP以下、好ましくは50〜5000cPで
ある。粘度が10000cP超であると、高分散性が得
られなくなるので好ましくない。
【0024】本発明の高分散性トリアジン誘導体組成物
とは、上述のトリアジン誘導体を、上記芳香族炭化水素
ホルムアルデヒド重縮合物を用いて表面処理して得られ
るものである。この予め芳香族炭化水素ホルムアルデヒ
ド重縮合物を用いて表面処理した高分散性トリアジン誘
導体組成物は、上述のトリアジン誘導体100重量部に
対して、該芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物を
5〜150重量部、好ましくは10〜100重量部含有
するのがよい。該芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮
合物の含有量が5重量部未満であると、本発明の高分散
性トリアジン誘導体組成物の分散性が低下し、最終的に
得られる本発明のゴム組成物中に大きな粒として残って
しまう。150重量部超であると、ゴム組成物のブラス
メッキワイヤーへの接着性が低下する。また、本発明の
ゴム組成物中で分散している本発明の高分散性トリアジ
ン誘導体組成物の平均粒径は、250μ以下、好ましく
は200μ以下であるのがよい。平均粒径が250μ超
であると、ゴム組成物中での分散性が低下する。
【0025】本発明の高分散性トリアジン誘導体組成物
を製造するために行うトリアジン誘導体の表面処理は、
前記トリアジン誘導体の粉体と、前記芳香族炭化水素ホ
ルムアルデヒド重縮合物の液体とを、所定量配合し攪拌
することにより行われる。この際、表面処理が十分に行
われるよう必要に応じて温状態で混合してもよい。
【0026】前述したように、表面処理を行わないトリ
アジン誘導体は、ゴム組成物製造工程中高温で混練して
も、分散性が良好でないため、大きな粒として残ってし
まう。そこでプロセスオイル等をトリアジン誘導体とと
もにゴムに添加する方法が考えられるが、プロセスオイ
ルがゴムに吸収されてしまうこと、および、トリアジン
化合物の溶解性がほとんどないことから、トリアジン誘
導体の分散性は改善されない。しかし、予め芳香族炭化
水素ホルムアルデヒド重縮合物を用いて表面処理したト
リアジン誘導体組成物であれば、最終的に得られるゴム
組成物中での平均粒径が250μ以下となり、ゴム組成
物の接着性、加硫物性を損なうことなく、加硫ゴム中の
トリアジンの粒を減少または小さくさせることができ
る。これにより、ゴム製品の品質を向上させることがで
きる。
【0027】また、表面処理されていないトリアジン誘
導体は、ゴムの中で粒状に固まるため、トリアジン誘導
体による接着性を十分とするために、これまでトリアジ
ン誘導体をゴムに多量に添加する必要があった。しか
し、本発明の高分散性トリアジン誘導体組成物は、ゴム
組成物中で良好な分散性を持つので、ゴム組成物へのト
リアジン誘導体組成物添加量を低減することができ、製
造コストが低減されたゴム組成物が製造できる。また、
トリアジン誘導体は粉状で、表面処理をしていないと静
電気を帯びやすく、計量が難しいが、予め芳香族炭化水
素ホルムアルデヒド重縮合物により表面処理をおこなっ
た本発明の高分散性トリアジン誘導体組成物であれば、
静電気を帯びるのが防止でき計量が容易であり作業性が
向上する。
【0028】本発明のゴム組成物には、上述の、予め芳
香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物により表面処理
をおこなった本発明の高分散性トリアジン誘導体組成物
を、本発明のゴム組成物のゴム成分100重量部に対し
て、好ましくは0.1〜5.0重量部、より好ましくは
0.5〜5.0重量部添加し加硫することにより作製さ
れる。本発明のゴム組成物は、上述の必須成分にくわえ
て、本発明のゴム組成物の効果を損なわない範囲におい
て、充填剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止
剤、これら添加剤の分散助剤、その他の添加剤を含有し
てよい。充填剤としては、カーボンブラック、ホワイト
カーボン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、フェノー
ル樹脂等が挙げられる。可塑剤としては、ジオクチルフ
タレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、
ジイソデシルフタレート(DIDP)等の合成可塑剤等
が挙げられる。加硫剤としては、硫黄や、テトラメチル
チウラムジスルフィド(TMTD),テトラエチルチウ
ラムジスルフィド(TETD),ジペンタメチレンチウ
ラムジスルフィド(DPTT)等の有機含硫黄化合物、
ジクミルペルオキシド等の有機過酸化物、亜鉛華、マグ
ネシア等の金属酸化物、キノンジオキシム等が挙げられ
る。加硫促進剤としては、メルカプトベンゾチアゾール
(MBT)等のチアゾール類、N−シクロヘキシル−2
−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)等のス
ルフェンアミド類、テトラメチルチウラムモノスルフィ
ド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム類
等が挙げられる。加硫促進助剤としては、亜鉛華等の金
属酸化物等が挙げられる。老化防止剤としては、N,
N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミン(DNP
D)、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニ
レンジアミン(IPPD)、スチレン化フェノール(S
P)等が挙げられる。これら添加剤の分散助剤として、
安息香酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ガムロジン等
の有機カルボン酸等が挙げられる。
【0029】本発明のゴム組成物の混練は、公知の方法
によればよい。本発明のゴム組成物の製造方法の1例
は、前記ゴム成分と、上述のように予め芳香族炭化水素
ホルムアルデヒド重縮合物により表面処理された高分散
性トリアジン誘導体組成物とを所定量配合し、さらに必
要に応じて上述の添加剤等を適量配合し、40〜200
℃で、ニーダーもしくはロール機により混練することに
よりゴム組成物とする。
【0030】さらに、得られた本発明のゴム組成物をブ
ラスメッキワイヤー等と密着して加硫することにより、
耐熱性、耐油性に優れ、高温加圧下でも十分な加硫ゴム
物性を有する金属/ゴムの複合体を得ることができる。
従って、本発明のゴム組成物は、タイヤ、ベルト、ロー
ル、ホース等の高温高圧下で耐油性が要求されるゴム製
品に応用することができる。
【0031】
〔トリアジン誘導体組成物の製造、実施例1〜4〕
(実施例1)表面処理をしていない2,4,6−トリメ
ルカプト−1,3,5−トリアジン(商品名Zisne
t F、三協化成製)と、粘度90cP(25℃)の芳
香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物(商品名Nik
anol、三菱瓦斯化学社製、以下、液状樹脂と記載す
る)を、同量計量し、ヘンシェルミキサー内にて配合し
て撹拌混合し、得られた、予め表面処理を施した2,
4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンを、
本発明品として表1左欄に記載した。 (実施例2)粘度4600cP(25℃)の芳香族炭化
水素ホルムアルデヒド重縮合物(商品名Nikano
l)を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、表面
処理を行い、得られたトリアジン誘導体を、本発明品
とし表1左欄に記載した。 (実施例3)粘度550cP(25℃)の芳香族炭化水
素ホルムアルデヒド重縮合物(商品名Nikanol)
を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、表面処理
を行い、得られたトリアジン誘導体を、本発明品とし
表1左欄に記載した。 (実施例4)粘度510cP(25℃)の芳香族炭化水
素ホルムアルデヒド重縮合物(商品名Nikanol)
を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、表面処理
を行い、得られたトリアジン誘導体を、本発明品とし
表1左欄に記載した。
【0032】〔ゴム組成物の製造、実施例1〜4および
比較例1〜5〕表1(実施例1〜4)に示す組成のゴム
組成物を上述のトリアジン誘導体組成物を用いて製造し
た。また、表2(比較例1〜5)に示す組成のゴム組成
物を製造した。即ち、表1、表2に示す組成でゴム組成
物を配合し、ミキシングロールを用いて、10分間混合
し、ラボ用小型ロールにて、10mm厚にシート出しを
行い、以下に示す項目について物性の評価を行った。
尚、比較例4および5では、トリアジン誘導体の表面処
理の効果をみるために、ゴム組成物に、表面が未処理の
トリアジン誘導体を共に、比較例4ではプロセスオイル
を、比較例5では液状樹脂を後添加して、トリアジン誘
導体の分散性等を評価した。また、各ゴム組成物に添加
した本発明のトリアジン誘導体組成物もしくはトリアジ
ン誘導体の作業性も評価した。
【0033】(1)トリアジン誘導体の作業性の評価 先ず、ゴム組成物を作製する前に、予め芳香族炭化水素
ホルムアルデヒド重縮合物により表面処理を行った本発
明の高分散性トリアジン誘導体組成物(表中、本発明品
〜と記載、実施例1〜4)の計量時静電気付着性を
評価した。また、表面処理されていないトリアジン誘導
体(商品名Zisnet F、三協化成製)と、プロセ
スオイルにより表面処理されたトリアジン誘導体(商品
名Zisnet F−OT、三協化成製)と、表面処理
されていないトリアジン誘導体(商品名Zisnet
F、三協化成製)の再粉砕品(市販品)との作業性も併
せて評価した(比較例1〜5)。表中、×は周辺への飛
散の大きいことを表し、○は飛散が少ないことを表す。
【0034】(2−1)トリアジン誘導体の分散性の評
価 ゴム組成物中の、本発明のトリアジン誘導体組成物もし
くはトリアジン誘導体の分散性を、顕微鏡観察(100
倍)により行った。尚、表1、表2の左欄中、液状樹脂
とあるのは、ゴム組成物に後添加した液状樹脂であるこ
とを表す。従って、該液状樹脂は、予めトリアジン誘導
体の表面処理をするために用いられているのではない。
表中、◎は、本発明のトリアジン誘導体組成物もしくは
トリアジン誘導体が均一に分散し、50μ以上の粒が殆
ど認められないことを、○は50μ以上100μ未満の
粒が認められることを、×は100μ以上の粒が認めら
れることを示す。
【0035】(2−2)トリアジン誘導体の分散性の評
価(図1、2参照) 下記に示す図1は、表面処理を施していないトリアジン
誘導体(ZisnetF)を、図2は予め芳香族炭化水
素ホルムアルデヒド重縮合物により表面処理したトリア
ジン誘導体(本発明品)を、アクリルニトリルブタジ
エンゴム100重量部に3.6重量部添加し混練したゴ
ム組成物を幅2mmのシート状に成形したものの断面の
写真をもとにした模式図である。
【0036】(3)接着性の評価 ATMS D 1871に準拠して測定した。ワイヤは
1×7構造で1.2mm径のブラスメッキワイヤを用い
た。結果を表1、表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】以上の例で使用したゴム成分、その他の化
合物は以下の通りである。 ゴム成分:NBR(商品名Nipol 1041、日本
ゼオン社製) トリアジン誘導体:2,4,6−トリメルカプト−1,
3,5−トリアジン(商品名Zisnet F、三協化
成製、下記式参照)
【0040】
【化2】
【0041】トリアジン誘導体:2,4,6−トリメル
カプト−1,3,5−トリアジンのプロセスオイル処理
品(商品名Zisnet F−OT、三協化成製) 2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン
の再粉砕品(Zisnet F−OT、三協化成製を再
粉砕) 芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物(表中、液状
樹脂と記載):(商品名Nikanol、三菱瓦斯化学
社製) プロセスオイル:(商品名コウモレックス2号、日本石
油社製) 充填剤 :カーボンブラック(商品名シースト V、
東海カーボン社製) 可塑剤 :ジオクチルフタレート(DOP)(商品名
ダイヤサイザーDOP、三菱化学社製) 加硫剤 :硫黄(商品名粉末硫黄、軽井沢精練所社
製) 加硫促進剤:テトラメチルチウラムモノスルフィド(T
S)(商品名サンセラーTS−G、三新化学工業社製) 分散助剤 :ステアリン酸(商品名工業用ステアリン
酸、千葉脂肪酸社製)
【0042】
【発明の効果】本発明の高分散性トリアジン誘導体組成
物は、予め芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物を
用いて表面処理うことにより、ゴム組成物中で優れた分
散性を示す。また、本発明の高分散性トリアジン誘導体
組成物は、静電気を帯びにくいので、計量を容易にする
ことができ、作業性が向上できる。本発明のゴム組成物
は、上述の高分散性トリアジン誘導体組成物を含有する
ことにより、真鍮等との接着力、加硫物性を損なうこと
無く加硫ゴム中のトリアジンの大きな粒を減少させるこ
とができ、これにより製品の品質を向上できる。さら
に、トリアジン誘導体の添加量を低減することができゴ
ム組成物およびゴム製品の製造のコストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 表面処理を施していないトリアジン誘導体
(Zisnet F)をアクリルニトリルブタジエンゴ
ムに混練したゴム組成物の断面の模式図である。
【図2】 予め芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合
物により表面処理したトリアジン誘導体(本発明品)
を、アクリルニトリルブタジエンゴムに混練したゴム組
成物の断面の模式図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮
    合体により表面処理されたことを特徴とする高分散性ト
    リアジン誘導体組成物。
  2. 【請求項2】予め芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮
    合体により表面処理された高分散性トリアジン誘導体組
    成物を含有することを特徴とするゴム組成物。
  3. 【請求項3】前記トリアジン誘導体組成物の表面処理剤
    として用いられている前記芳香族炭化水素ホルムアルデ
    ヒド重縮合体量が、前記ゴム組成物100重量部に対し
    て50重量部未満である請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】トリアジン誘導体100重量部を表面処理
    する前記芳香族炭化水素ホルムアルデヒド重縮合物が5
    〜150重量部である請求項2もしくは3に記載のゴム
    組成物。
  5. 【請求項5】前記ゴム組成物中で分散している前記高分
    散性トリアジン誘導体組成物の平均粒径が250μ以下
    である請求項2〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】前記表面処理に用いる芳香族炭化水素ホル
    ムアルデヒド重縮合物の粘度が25℃で10000cP
    以下である請求項2〜5のいずれかに記載のゴム組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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